My Note 突き抜ける
2005.2.17

なぜか部活動をしている夢を見た。ELKさんのブログで、息子さんが野球部でがんばっているという話を聞いたのが頭に残っていたのかもしれない。
私は中学校3年間と高校2年間、テニス部に所属していた。高校2年でテニス肘が悪化して断念したが、それなりにがんばってやっていた。
ところが大人になって夢で見る部活風景は、テニスをしているところではなくてロードワークやら冬場のトレーニングばかりである。

ガーッと走った後の胸が焼け付くような感じ、そしてそこからさらに一歩踏み出したところにある、何と言うか突き抜けたような感覚、それが30年近くたっても体感としてよみがえるのだから、大したものである。
私はどちらかというと持久力に難があり、長距離走は遅かったのだが、毎日部活の最初に海岸堤防を往復1.8km走っていた。毎日走っていると、だんだん速くなる。あるとき、ちんたら走るのをやめて、思いっきり走ってみた。これが自分かと思うほど速かった。こうなると欲が出て、今日はもっと速くと考えるようになり、体育館の壁についているでっかい時計でタイムを測るようになった。
中学校では、春先に7km、初夏と秋にそれぞれ4kmのマラソン大会があった。今思うとなんで年に3回もやっていたのかわからないが、1年生の春は330人中200位あたりだったのが、2年生の春には19位だったかに入った。20位以内は名前が掲示されるので、すごく嬉しかった。「俺は遅い」という呪縛から解き放たれて、「俺ってすごいかも」的な自己肯定の感覚が生まれた。

もう7〜8年前、和太鼓にハマった時に、一人で練習していて、へたりそうになった時のこと。師匠が「へたりそうになったとき、そこで腰を落とせばもうひと踏ん張りできる」と言っていたのを思い出し、ぐっと腰を落としてもうひと踏ん張りしてみた。
汚い話だが、脱糞しそうになった。腰のあたりが「へなっ」となって、「ああっ」と色っぽい声を出していた。まあこれもある意味「突き抜けた」のだと思う。
でも、そういう練習をしていると、我ながら見る見る上達した。体が動くようになるというか、邪魔な留め金が外れたように、以前は絶対にできなかった所まで腕が動くようになったりした。

子どもたちには、そういう「突き抜け」を経験してほしいとずっと思っている。


2005.2.17 ブログに掲載