1-1-1 左下:0.1 OR 0.1→信頼性が直列・エラーが並列→1-(1-0.1)*(1-0.1)=1-0.9*0.9=1-0.81=0.19 その右:0.2 AND 0.2→0.8と0.8の並列(0.2と0.2の直列)→0.2*0.2=0.04 よって2段目は0.19 OR 0.04→1-(1-0.19)*(1-0.04)=1-0.81*0.96=0.2224 3段目は0.222 AND 0.2→0.222*0.2=0.0444 よって2。 AND条件(直列)は掛け合わせる(A AND B→A*B)、OR条件(並列)は1から除したものを掛け合わせて最後に1から除する(A OR B→1-(1-A)*(1-B))ということを覚えていれば、難なく解けます。 A2 1-1-2 おそらく(4)を正解としようとしたのでしょうが、分散が(σ12+σ22)1/2ではなく、(σ12+σ22)でないといけません。 以下、仮に(4)がちゃんと (4) (μ,σ2)={(μ2-μ1),(σ12+σ22)1/2}になっていた場合について、正解を絞り込む過程を考えてみます。 最低条件として、正規分布がN(平均値,標準偏差の2乗=分散)であることを知らないと始まりません。これは高校数学レベルですが、標準偏差や最小二乗法、相関係数などとともに、科学技術に携わる者であれば最低限知っておかねばならないものでしょう。 さて、とすれば、軸の外径や穴の内径の平均値はμです。そして、「すき間」は、μ2が穴の内径、μ1が軸の外径ですから、この差であることは感覚的にわかります。すき間は軸が穴に対して細いときに生じます。つまり、μ2>μ1であり、そのすき間の寸法は、μ2-μ1です。 この時点で、正解は(4)しかありえません。分散がどうのこうのと考えずとも、正解選択肢は絞り込めます。引き算としては(5)もありますが、すき間寸法は正であると書いてありますので、これは正解選択肢ではありえません。 これでこの問題を解く作業は終わりです。択一問題は、正解がわかればそれでいいのですから、分散のことについて考える必要はありません。 結果的には分散の部分にミスがあって正解がなくなりましたが、1点稼いだことには変わりありません。つまり、やはり分散について考える必要はなかったわけです。 A* 1-1-3 JIS Z 8311の第2章には、「輪郭」、「中心マーク」、「方向マーク」等々の説明があり、「輪郭」、「中心マーク」については「・・・ねばならない」と表現されていますが、「方向マーク」は「・・・2個の方向マークを設けてもよい」とあり、「具備しなければならない」とはいえません。 よって、具備しなければならないのは、中心マークと輪郭線。方向マークは必ずしも具備せずともよいので、正解は3。 出題意図がよくわかりません。これは修習技術者が備えねばならない知識なのか?という疑問があります。良問とはいえないと思います。 A3 1-1-4 (ア)は明らかにデファクトスタンダード、(イ)は明らかにデジュールスタンダードです(デファクトに対峙するものとして記述されている)。 (ウ)と(エ)はどちらともつかないので、(オ)に注目すると、state of the artsは、「この値にしなさい」というものではなく、「その基準をクリアしていれば、あとは市場競争の中で決めていこうじゃないか(品質勝負でいこうじゃないか)」という考え方であり、これをミニマム・リクワイアメントとして、デファクトを作っていくものです。よって、(オ)はB。これで正解は (2)、(4)、(5)のどれかということになります。 (ウ)の事例として(エ)が上げられているので、(ウ)と(エ)は同じ。よって(5)は不正解。 「国あるいは地域ごとに異なった(ウ)がすでに形成されている」とあるが、デジュールスタンダードは「形成する」ものではなく「決めておく」ものであり、「正当な、法律上の標準」の概念にも文章は合わないので、(ウ)はデファクトと思われます。この時点で、選択肢(4)も誤りなので、正解は(2)。 結局のところ、デジュールスタンダードというものをどう解釈するかがポイントです。 ここで、ふるいの目はAかBか、すなわちJISはデファクトスタンダードか?デジュールスタンダードか?ということについて少し考えてみます。 例えばこちら*1を見るとJISはデジュールスタンダードの例として示されています。また、こちらを見ると、デファクトスタンダードであるVHSがJIS認定されているということが書かれていますが、これを「だからJISはデファクト」と解釈するか、「デファクトがデジュールになった例」と解釈するかは、意見の分かれるところではないでしょうか。 結局、デファクトとデジュールの境界というのは、結構ファジーな部分があるということかと思います。「デファクトはどこまで行ってもデファクト」であれば、それを追認した規格はデジュールになりえませんし、規格による追認でデジュールに「昇格」するのであれば、じゃあどの規格ならデジュールといえるのか、社内規格から地域規格、学会基準、JIS、ISO....と境界がファジーです。 ということで、そういったファジーな部分を含んでいる問題ゆえに適切でない、ともいえるでしょう。 一方、もし(ウ)がAしかあり得ないのであれば、「ABA*B」となって、正解は(2)しかなくなります。仮に(エ)をBと考えたとしても「ABABB」という選択肢がない以上、(2)しかないだろう、という論法もわからなくはありません。 ただ、じゃあ「ABAAB」が正しいのか、というと、「そうとは限らない」(意見が分かれる)ということで、「ABAABは間違いとは言えない」という、非常に消極的な根拠による正解選択肢ということになるのかなと思います。 したがって、出題ミス(間違い)と断定はできないけれど、それに近い、非常に不適切な問題である、というのが私の結論です。 *1 デファクトスタンダードとは、公の機関などが決めたものではなく、市場競争の結果として基準化した、事実上の業界標準のこと。「de facto」とはラテン語で「事実上の」の意味。デファクトスタンダードに対して、ISOやJISなどの標規格国際標準化機関等により定められた標準をデジュアリースタンダード(de jure standard)と呼ぶ。 技術進歩の急速な情報通信分野や電気製品など、商品開発サイクルの短い分野では、決定まで何年もかかる標準よりも、その時点で一企業がリードしシェアを拡大してきた規格の方が影響度が大きいことがある。また、このようなデファクトスタンダードが後の国際規格の土台に発展するケースもある。具体的には、家庭用ビデオにおけるVHS、パソコン向けOSにおけるWindows、インターネット上の通信プロトコルにおけるTCP/IPなどがデファクトスタンダードの例として挙げられる。 *2 ■デジュアリースタンダード(de jure standard)=法律上の標準 の例 先に「反対語」をご紹介します。 例えば、ダンガンレーサーの電池がなくなって、お店に買いに行くとします。 「アルカリの方が長持ちする」などは別にして「単3電池」なら、どのメーカーの物でも使えます。 当たり前の話ですが、長さや直径や電圧が決まっているからですね。 こういった工業製品の規格は、誰でも知っている「日本工業規格(JIS)http://www.jisc.go.jp/」で定められています。 更に、全世界での規格統一のために「国際標準化機構(ISO)」という機関があります。 乾電池についてはJISとISOで内容が統一されているので、外国でも同じ電池が買えます。 ■デファクトスタンダード(de facto standard)=事実上の標準 の例 一方、モーターについても、タミヤ純正以外も使えます。 バンダイのクラッシュギア用や、竜とか狼とか、中国製パチ物ミニ四駆も、同じ形のモーターです。 こちらは、別にJISで定められている訳ではありません。 マブチモーターの製品「FA-130」と同じ寸法で、同じ電圧で動く他社製のモーターです。 http://www.mabuchi-motor.co.jp/product/index.html 公的に決めたのではなく「その分野で良く使われている製品」に合わせているのですね。 例えば、パソコンのWindowsやビデオのVHSなどもそうですね。 他にはどんな例があるでしょう。 また、デファクトスタンダードはどんなメリットがあるか、使う立場や売る立場で考えてみるのも面白いと思います。 ■JIS規格を見る方法 もし興味のある方は、実際のJIS規格も見てみて下さい。  ・日本工業標準調査会(http://www.jisc.go.jp/)から「データベース」→「JIS検索」とたどります。  ・「JIS規格単語検索」を選び、例えば「乾電池 単3」と指定します。  ・該当するJIS規格のリストが表示されますので、「JISC8500 一次電池通則」を選びます。  ・すると、単3電池は、直径14.5mm 総高50.5mmで、最大1.65Vと規定されているのが分かります。 同様に「VHS」を検索すれば「JISC5581 VHS方式12.65mm (0.5in)磁気テープヘリカル走査ビデオカセットシステム」がヒットします。 これは、ビデオテープの標準となったVHSが、後からJISとして制定されたのです。 例えば、トイレットペーパー、シャープペンシル、蛍光灯など、身の回りの物についても色々分かりますよ。 ※タミヤやバンダイの商品名を付けて売られているモーターが、マブチ製かどうかは、私は全く知りません。 昔のプラモにはマブチのマークの付いたモーターが、そのまま入っていたものでしたが、、、 A2 1-1-5 文章から確定するのは、以下の事項です。  a) D>E>B>Aである。  b) Dが一番大きいということは確定している。  c) Eが2位であることも確定している。  d) FはEより小さいということ以外はわからない。したがって、Fは3位以下である。  e) CはBより小さく、Dより小さい。D>Bだから、CはAの前後の順位である。F>Cであれば、Cは5位か6位、F<Cであれば、Cは4位か5位である。 以上より、まずb)とc)から、(1)と(2)は除外されます。 ここで、  FがBより上か下かを判定しないと、全順位が確定しない。  同様に、CとAも比較せねばならない。 ということで、最低でも2回の比較が必要です。 FとB、CとAを比較したとき、  F>B & A>C → D→E→F→B→A→C で確定  F>B & C>A → D→E→F→B→C→A で確定  B>F & A>C → F、A、Cの順位が未確定  B>F & C>A → F、C、Aの順位が未確定 となり、順位が確定する可能性は2/4=50%ですから、正解は(4)。 4通りの比較結果を全て考えなくても、確定することがあり得るということがわかれば(5)は消えますし、逆に確定しなかった場合を想定できれば(3)は消えます。つまり、選択肢(4)は、「あと2回の比較ですべての順位付けが確定できるとは限らない」というように読み替えてもいっこうにかまわないわけです。「50%」という数字に惑わされないこと(50%だろうか、25%などではないだろうか、などと考えないこと)がポイントです。 A4 1-1-6 故障発生確率が1%ということは、故障が発生しない確率は99%。 これが100回繰り返して成立する確率なので、0.99の直列(AND条件)。 よって、0.99^100=0.366≒1/3。(あるいは(1-0.01)^100=0.366≒1/3でもよい) よって、正解は2。 1-1-1と同様に、  AND条件(直列)は掛け合わせる(A AND B→A*B)  OR条件(並列)は1から除したものを掛け合わせて最後に1から除する(A OR B→1-(1-A)*(1-B)) ということを覚えていて、応用できるかどうかの勝負です。 また、独立事象についてもよく理解しておく必要があります。そうでないと、「1%×100=100%なので(1)」とか、100回に1回壊れる。100単位時間だから100回なので、1回は壊れる。だから(1)」といった間違いをしてしまいます。 たとえば、  「100枚のカードの中に1枚だけジョーカーが入っている。100枚カードを引いて、一度もジョーカーに当たらない確率は?」 という問題があるとします。 カードを引くたびに残りカードが減るのであれば、ロシアンルーレットになりますから、いつかはジョーカーを引きます。ですから一度も引かない確率はゼロです。でも、これは独立事象ではありません。なぜなら、カードを戻さないということは、2回目にはジョーカーを引く確率は1/100ではなく、1/99になっているからです。つまり、1回目の結果が2回目に影響を与えているからです。 独立事象であれば、カードを1回ひくたびに元に戻して100枚にして、シャッフルして、再度引くことになります。つまり、1回ごとにリセットします。 現実には独立事象というのは、そうそうあるものではありません。故障率1/100のシステムにしても、たとえばこれが機械なら、稼働時間が長引けば油が切れたりいろいろして故障率がアップしてきます。でも、独立事象と断ってありますから、たとえば1時間稼動するたびにオーバーホールして故障率を1%に調整して、また1時間稼動して・・・・という繰り返しをしているような状況になります。 A2 1-2-1 (1)・・・・×  1ビットは1ビット、0か1、OffかOnのデジタル情報の基本単位です。よって、1ビットに多値の情報を持たせることはできません。 (2)・・・・×  文字は1バイトまたは2バイトの情報で識別されるため、文字のフォントサイズと情報量は関係ありません。  たとえるならば、体の大きさの違う大男と小人でも、1人は1人。「人数」という物量は体の大きさとは関係ないようなものです。 (3)・・・・○  そのとおり。例えば、「1111111111」→「1が10回」というように表現文を短くしても意味は通じます。  これが一般的な圧縮技術の基礎理論で、ZipやLhaなどのアーカイブや、JPEGのような画像圧縮技術が、これを利用しています。 (4)・・・・×  上記(3)の理論を利用して圧縮しているため、ダブって圧縮しようとしても、2回目はほとんど小さくなりません。 (5)・・・・×  上記(3)より明らかなように、重量や体積は関係ありません。 よって3。 そもそも圧縮やアーカイブといった技術は、パソコンを道具としては使うけれど、動作原理とかソフトウェアのことなどに興味がなければ、知っている人は少ないでしょう。しかし、こういった情報技術の特定技術について正しく認識しているかどうかを問う問題は、頻繁に出ています。以前はエンコード・デコードなどの出題もありました。知っているかいないかの勝負ですから、知らなければ「しょうがない」と割り切ればいいでしょう。 A3 1-2-2 * 「レジスタ」について まず「レジスタ」について理解しましょう。これは例えれば横にズラッと並んだ箱のようなものです。原稿用紙のマス目と思っても構いません。 たとえば「1000」という値をレジスタに入れてみましょう。 一番右の箱には1の位の数字(「1000」の一番右の文字)である「0」を入れます。 次に右から2番目の箱には10の位の値である「0」を入れます。 同じように右から3番めの箱には100の位の「0」を入れます。 最後に右から4番目の箱には1000の位の「1」が入ります。 イメージとしては下のようになります。以下の説明がしやすいように、「箱」は6つ用意しました。     1 0 0 0 左側2つの箱は空いていますが、これはここに0が入るのと同じです。すなわち、 0 0 1 0 0 0 としても同じです。 * 「シフト」について 「シフトする」とは、この箱に入っている数値を左右にずらすことです。 上の「1000」を、左に1つシフトすると、 0 1 0 0 0 0 となります。「1」が箱1個分左にずれましたね。実はその他の箱の「0」も全部左に箱1個分ずれています。この「箱1個分」を「1ビット」といいます。 さて、これで数値としては「10000」になりました。つまり、「左にnビットシフトする」とは、「n個分位を上げる」、あるいは「10^n倍する」ということです。 次に、上の「1000」を、右に1つ(1ビット)シフトすると、 0 0 0 1 0 0 となります。「1」が1つ右にずれましたね。そして数値は「100」になりました。つまり、「右にnビットシフトする」とは、「n個分位を下げる」あるいは「10nで割る」ということです。 * 商を求める 以上を踏まえて、商を求めてみます。 たとえば10÷8=1余り2の計算を行ってみましょう。 まず、「二進数整数」とあるので、数値を2進数に変換します。 10進数の10は、2進数の1010です。これは、10=8+2=23+21、2進数で23=1000、21=10というように考えるとわかりやすいと思います。 この「1010」をレジスタ(箱)に入れてみましょう。 0 0 1 0 1 0 次にこれを、3ビット左または右にシフトしてみましょう。まず左にシフトしてみます。 なお、目印になるよう、4桁目の「1」を青く、2桁目の「1」を赤く色づけします。 0 0 1 0 1 0 初期値 0 1 0 1 0 0 1ビット目 1 0 1 0 0 0 2ビット目 0 1 0 0 0 0 3ビット目 今度は右にシフトしてみます。 0 0 1 0 1 0 初期値 0 0 0 1 0 1 1ビット目 0 0 0 0 1 0 2ビット目 0 0 0 0 0 1 3ビット目 結果、左シフト3ビットだと商が10000、右シフト3ビットだと1になるので、右シフトが正しいことがわかります。これで正解選択肢は(4)か(5)になりました。 * 余りを求める 10÷8=1余り2において、まず10(2進数1010)をレジスタに入れます。わかりやすくするため、4桁にします。 1 0 1 0 次に、これと7を、OR/XOR/AND演算します。 まず、10進数の7を2進数にしましょう。7は、4+2+1、すなわち2^2+2^1+1であり、2進数で2^2=100、2^1=10ですから、100+10+1=111です。 これをレジスタに入れると、 0 1 1 1 となります。 次に論理演算です。この場合、1010と0111について、「値がある」ということに関しての論理演算となります。「OR」とは、「AまたはB」です。これが成立すれば1、成立しなければ0が、論理演算の答えとして返されます。 「1010」と「0111」の一番右の桁に注目しましょう。「1010」の一番右の桁は「0」ですね。すなわち値がありません。一方、「0111」の一番右の桁は「1」で、値があります(0ではありません)。OR演算なので、「1010の一番右の桁に値があるか、または、0111の一番右の桁に値がある」ということが成立すれかどうかになります。これは、「0111」の一番右の桁に「1」があるので、成立します。よって、一番右の位に関するOR演算の答えは1です。 同様に、2桁目を見てみます。「1010」は「1」、「0111」は「1」がそれぞれ入っています。どちらかに入っていれば条件成立ですから、成立します。よって、2桁目の演算結果も1です。 以下、3桁目も「0111」のほうに、4桁目は「1010」のほうに「1」が入っていますから、いずれも演算結果として1が返されます。 結果、OR演算結果は「1111」となります。 次にAND演算をしてみましょう。これは、「AかつB」であり、「1010」と「0111」どちらにも「1」が入っていなければ、演算結果として1は返されません。 1桁目は「0111」には「1」が入っていますが、「1010」のほうが「0」ですから、条件不成立で演算結果は0です。 2桁目は「1010」「0111」いずれにも「1」が入っていますから、条件成立で1が返されます。 3桁目、4桁目は、どちらかに「0」が入っているので、条件は不成立、0が返されます。 結果、AND演算結果は「0010」となります。 最後にXORです。これは、「Aでない・かつ・Bでない」です。つまり、「1010」と「0111」いずれにも「0」が入っていることが条件です。 このような桁はありません。ですから、XOR演算結果は「0000」になります。ちなみに、XOR演算結果は、OR演算結果と逆になります。 以上、OR演算結果は「1111」、AND演算結果は「0010」、XOR演算結果は「0000」でした。 これらは2進数ですから、これを10進数に直します。 「1111」は、2^3+2^2+2^1+1です。10進数で2^3=8、2^2=4ですから、8+4+2+1=15となります。 「0010」は、2^1ですから、10進数の2です。 「0000」は、0ですから、10進数でも0です。 以上より、「10÷8=1余り2」に合うのは、AND演算です。 以上のことから、シフトは右シフト、論理演算はANDでしたので、正解選択肢は(5)となります。 このように、「レジスタ」や「ビット」「シフト」といった用語の意味がわかり、論理演算を理解していれば、あまり悩むことなく解けますが、そういった用語となじみのない人は、入り口でギブアップでしょう。 A5 1-2-3 「5だとわかった」ということは、10個のうち、どれか1つであることが特定できたということですね。つまり、1/10の確率で起こる現象である「5が表示された」ことが確認できたわけです。 情報量の定義は、その事象が起こる確率をPとしたとき、-log2 Pです。 ですから、5が表示された→1/10で起こる事象が認識された→-log2 (1/10)=log2 10ということで、情報量はlog2 10になります。 さて、1と7が区別できないということは、「1か7のどちらかが表示された」ということになります。1か7が表示される確率は2/10=1/5です。 ですから、情報量は-log2 (1/5)=log2 5 です。よって正解は(2)。  1/Xの確率で起こす事象の情報量は-log2 (1/X)=log2 X ということを覚えておきましょう。 A2 1-2-4 探索法の基礎知識です。 ハッシュ探索の特徴は、効率はデータ数に支配される(データが少ないと効率が悪い)ことです。 線形探索は、要は前から順番に探索する方法です。子どもが背丈の順に40人並んだ列の中から、身長140cmに一番近い子を、先頭から順番に探すようなものです。したがって、探索時間はデータ量に比例します。 二分探索は、まず子どもを半分に分けて、ちょうど半分の子の身長を見て、これが140cmより大きければ前のほう、小さければ後ろのほうの20人に着目し、それをまた半分に分けて比較して・・・・というように探索を進めるもので、探索時間はデータ量の対数値に比例します。 以上より、正解は(1)です。 A1 1-2-5 (1)・・・・× ドメイン取得ですが、そんな必要は一切ありません。 (2)・・・・× あり得ません。ブラウザにより異なります。 (3)・・・・× そんなことはありません。ロボット検索でも、どこからもリンクされていないページなどは検索されません。 (4)・・・・○ 「DNSによる名前解決」です。 (5)・・・・× そんなことはありません。常識でわかると思います。 「必ず」「すべての」「常に」というのは間違い選択肢のキーワードですが、この問題では全ての選択肢に使われていて、「択一セオリー」が通用しなくなっていますね。ネットに関する多少の知識があれば、消去法でたどり着けるでしょうが・・・・ A4 1-2-6 (1)・・・・×  (2)・・・・×  (3)・・・・× 同じ暗号化を施しても、安全性は向上しません。 (4)・・・・○ そのとおりです。ネットのパスワードもそうですね。 (5)・・・・×  私は暗号に詳しくないので、理由がよくわかりません。ご存知の方がいらっしゃいましたら、ぜひお教えください。 A4 1-3-1 よく分からないので、臨時掲示板のやり取りを掲載しておきます。解説いただける方がいらっしゃいましたら、ぜひメールください。 -------------------------------------------------------------------------------- Re: 1-3-1 格子点心における一階導関数 - blue -2005-10-11 08:08:20 (4)だけ分子が (fi+1 - fi)-(fi - fi-1)の形になってます。 (4)ですね。 -------------------------------------------------------------------------------- Cですね - n. -2005-10-11 15:10:52 難しく考えずにそれぞれに y=xを代入していけばいいと思います。 するとCだけ0になります。 -------------------------------------------------------------------------------- 4だと思います - 合格希望 -2005-10-12 00:40:22 (5)=(fi - fi-2)/2δ + (fi - fi-1)/δ - (fi-1 - fi-2)/δ  n.さんの方法がわかり易くて良いですね。 A4 1-3-2 -------------------------------------------------------------------------------- 1です - aoki -2005-10-11 13:02:04 1です。 桁落ち誤差とは、絶対値のほぼ等しい二つの数の差を計算したとき、有効桁数が大幅に減少するための誤差。 「不動小数点の誤差」には、「情報落ち誤差」(絶対数の非常に大きな数と小さな数の加減算を行った場合、小さい数が計算結果に反映されない誤差)もあります。 -------------------------------------------------------------------------------- @だとおもうのですが - mu -2005-10-11 15:00:15 正解は1だと思うのですが この場合の条件は有限桁数のレジスタで行うコンピューターの場合だけですので 実際にはそれに見合う桁数をレジスタに備えれば誤差は無くなります。 条件が無いので一概に@が正解ともいえないのでは無いかと思います。 -------------------------------------------------------------------------------- 消去法でも解けますね - aoki -2005-10-15 23:42:00 Jimmyさんの消去法でも解けますね。 (1)以外は、数値計算法の趣旨を理解しておれば「おかしい」ことが分かります。 (2)「非線形現象を線形方程式系で近似」ないて聞いたことがありません。 「数値計算法が数学的に厳密であれば」のことばもおかしい。そもそも、数値計算法は厳密な数学では解決できない分野における近似誤差を伴う計算法です。 (3)格子幅が小さいほど計算回数が増え、近似誤差が小さくなることは数値計算法の趣旨を理解しておれば推測できます。 (4)要素分割を細かくすると計算回数が増え、近似誤差が小さくなることは推測できます。 (5) (3)(4)のように格子幅、要素分割を細かくするだけでも近似誤差が減少しますね。 A1 1-3-3 補強前のバネ定数をk, 補強後のバネ定数をKとすると、 補強前は、 s22=2k,s23=-k, s32=-k,s33=2k 補強後は、 s22=k+K,s23=-K s32=-K,s33=k+K A5 1-3-4 (1)は∂x/∂ξですね。これは私でもわかりました。^^; A1 1-3-5 解法1 荷重PがかかったときのひずみがP/AEなので、変位はPl/AE 横軸変位、縦軸荷重のグラフを書くと、蓄えられたエネルギーは 直角三角形であらわされるので、Pl/AE×P=P^2l/2AE → (3) 解法2 各選択肢の単位を見ると、 (1)無次元 (2)Pa (3)J (4)m (5)Pa A3 1-3-6 ヤング係数が大きいと変形量は小さくなるので、(2)と(5)以外は全部間違いです。 しかし最大応力は変形しやすさとは関係ないので、ヤング率が変わっても最大応力は変わりません。 A2 1-3-7 材質が均一なので、熱伝導率も一定、よって温度勾配も一定ですから、グラフは直線で構成されます。よって、(1)=(3)のいずれか。 熱伝導率が大きいということは、熱が伝わりやすいということなので、熱伝導率が大きいほうが表裏の温度は近くなります。すなわち、グラフの勾配は小さくなります。よって、熱伝導率が大きいAの部分の勾配がゆるい(2)が正解です。臨時掲示板での議論は大変参考になります。 A2 1-4-1 グラファイトは、要は石墨です。六角形の「板」がいっぱい重なったような、金属光沢のある黒色不透明の六角板状結晶です。 結合としては、共有結合(面内共有結合)です。 A5 1-4-2 電子殻内に入る電子数は、Kが2個、Lが8個、Mが18個、Nが32個)、Oが50個、Pが72個です。 電子数は単純に原子番号と同じなので、たとえば(1)は電子が11個ですから、KとLは満杯で、Mに1個入ります。 (2)は13個なのですが、3+なので、電子は3個少なく、13−3=10。KとLでちょうど10個入りますから、Mには0個です。 同様に、(3)は15個でMに5個、(4)は17個でMに7個、(5)は19−1=18でMに8個です。 よって、正解は(2)。 電子殻と電子数は単なる知識ですが、原子・分子に関する基礎的知識の1つではあります。 A2 1-4-3 (1)・・・・×  (2)・・・・× アパタイトは石灰と同じく、酸性で溶け、アルカリに難溶です。 (3)・・・・×  (4)・・・・○ その通り。 (5)・・・・× ダイヤモンドは極めて熱伝導が高く、ニセモノを見分ける簡易判定法として、ハーッと息を吹きかけて曇りがすぐ取れたらホンモノ、というのがあります。また、絶縁体でもあります。 (1)、(3)について解説できる方がいらっしゃいましたら、ぜひお願いいたします。 A4 1-4-4 チタンはかなり希少なほうなので、これが鉄やマグネシウムより多いということはありません。対して、アルミニウムは鉱物の基本構成であるところのアルミナ(Al2O3)を作るので、かなり量は多くなります。よって、正解は(1)か(2)に絞れます。 (1)と(2)の違いは、鉄とマグネシウムのところですが、単純に鉄とマグネシウムの生産量を考えれば、鉄のほうがおおいと想像できます。というか、マグネシウムがアルミニウムより生産量が多いとは思えません。 というような考察で(1)に絞り込めます。 A1 1-4-5 とりあえずDNAなので、ウラシルはそもそも入っていない。だから(1)と(4)は除外。 冷却により二重らせんに戻る現象を「アニーリング」というか「メルティング」というかだが、「メルティング」は「メルト」つまり溶けるということだから、「融解」ならともかく、二重らせん復活の現象に使うことはないだろう。だから(2)が残る。 知識がちゃんとあれば言うことなしですが、そうでなくても、上記のように解くことはできます。 A2 1-4-6 臨時掲示板のレスを参考にします。 (1)・・・・× 生体内のアミノ酸はL体。 (2)・・・・× アミノ酸同士の結合はペプチド結合。 (3)・・・・× αヘリックスは多くのタンパク質に見られる普遍的な2次構造。 (4)・・・・○ その通り。 (5)・・・・×  タンパク質はたいてい水溶性で、表面には電荷を持ち親水性なアミノ酸が多く露出していることが多い。一方、内部は疎水環境にあり電荷を持たない疎水性アミノ酸残基同士が寄り集まっている。 A4 1-5-1 (aの排出量について)  燃費10km/リットル&100km走行で、消費量は10リットル。比重0.75なので、7.5kg。ガソリン1kg中に0.85kgなので、0.85×7.5=6.375kg。  炭素の原子量は12、酸素は16なので、CO2にすると、6.375+(6.375×16/12)×2=23.375kg。2人なので1人あたりは11.6875kg。   ※この部分は、炭素の原子量12、二酸化炭素の分子量44にて6.375×44/12=23.375kgとしてもかまいません。 (bの排出量について)  500km÷200km/h=2.5h。消費電力8,000kWにて、8,000×2.5=20,000kWh。1kWhに伴いCO2が0.36kg排出されるので、20,000kWhなら、7,200kg。  1,000人なので、1人あたりは7.2kg。 (cの排出量について)  500W×4h/日×50日=100,000Wh=100kWh。1kWhに伴いCO2が0.36kg排出されるので、100kWhなら36kg。4人なので、1人あたりは9kg。 以上により、bが最小、aが最大。すなわち、a>c>bとなって、正解は(2)。 aの排出量計算が、数字が細かくてやや面倒なのと、原子量を知らないと計算できないという、ワナがかけてあります。bとcは暗算でもできる程度の計算なので、この大小関係(c>b)を出せば、(1)と(3)は除外できますが・・・・ 酸素や炭素などのごく一般的な元素については、原子量は覚えていたほうがいいと思います。 A2 1-5-2 a・・・・× リサイクル優先ではなくリデュース(ごみを出さない)、リユース(もう一度使う)ことが優先です。 b・・・・× 容器包装リサイクル法対象容器は、商品消費・分離後は不要となる「容器」および「包装」であり、紙やダンボールなども含まれます。 c・・・・× 冷蔵庫・洗濯機・エアコン・テレビの4品目が対象であり、電子レンジは対象外です。また、購入時ではなく廃棄時です。 d・・・・× バーゼル条約で禁じられているのは、先進国から途上国への有害廃棄物移動です。 A5 1-5-3 (1)・・・・× 1992年11月の第4回締約国会議で、フロン代替物質のハイドロクロロフロロカーボン(HCFC)の生産を2019年末までに実質廃止し、2029年までに全廃することを決めています。 (2)・・・・○ その通り。 (3)・・・・× 京都議定書では、先進国全体の温室効果ガスの排出量を、2008年〜2012年の間に、1990年の水準より5%削減を目的として、先進各国の削減目標を設定しています。 (4)・・・・× 温室効果ガスは二酸化炭素やメタンなど、自然界にもともと存在するガスが主体ですので、これが「全くなくなった」場合、産業革命以前どころか、はるかに低くなります。 (5)・・・・× CO2排出量は米国1位、中国2位ですが、中国は京都議定書を批准しています(こちら)。いかに米国が「ならず者」であるかがよくわかります。 A2 1-5-4 ブレインストーミングは、合意形成などでも基本的な手法ですので、その特徴は覚えておいたほうがいいでしょう。単純に言うなら、「何でもいいから思いついたこと・連想したことをじゃんじゃん発言する」ということです。 したがって、他人の批判は厳禁です。Bは当然歓迎。人の発想からの発展形も大歓迎です。あとは(ウ)ですが、とにかく発言量を期待します。質を求めると発言が減ります。(特定のレベルの高い人に偏ってしまいます) A3 1-5-5 要は、Aは初期コストが安いがランニングコストが高く、Bはその逆ということになります。 こういう問題では、費用を計算したりする前に、まず選択肢を見ましょう。場合によっては計算しなくても答えが絞れるかもしれません。 (1)は、初期コストだけで決めなさいということで、そんなことはあり得ません。ですから×。 (2)〜(4)は同じようなことを言っています。これは計算しないとわかりません。 (5)は、ランニングコストだけで決めると言っていますから、そんなことはあり得ません。ですから×。 さて、コスト計算ですが、製品生産量をX個とすると、  設備Aの費用CA=500万円+600X  設備Bの費用CB=600万円+500X となります。CAとCBがイコールとなるXが「分かれ目」ですから、CB-CA=0とすれば、100万円−100X=0、よってX=10,000となり、(2)が正解です。 このようにXを算出することが思いつかなければ、当てはめ計算をして比較します。1万、5万、6万と、(2)と(3)の間の差が大きいので、(2)と(3)を比較します。  (2)A:1100万円 B:1100万円  (3)A:3500万円 B:3100万円 となるので、(2)が正解です。 A2 1-5-6 (1)・・・・× 科学技術コミュニケーションとは、社会の科学技術リテラシーを高めるため、専門家や一般市民、行政その他、様々な立場の人がコミュニケーションを持とうとする活動のことです。問題文を読めば、この選択肢は誤りなのは一目瞭然です。 (2)・・・・× マスメディア政策への科学技術の駆使と、科学技術への理解の増進は、強く関係するものではありません。 (3)・・・・× 一般の人向けには、当然ながら表現方法など様々な情報伝達上の工夫が必要になります。 (4)・・・・○ その通り。 (5)・・・・× これも科学技術コミュニケーションの定義になりますが、用語の並び(「科学技術」と「コミュニケーション」)から、こういうコミュニケーション技術に関する言葉ではなく、コミュニケーションの種類・あり方であることがわかると思います。 A4