技術士第一次試験 平成16年度 適性科目 正解・解説 第一次試験過去問題Topへ 適性科目解答案一覧 2-1 3 2-6 4 2-11 5 2-2 5 2-7 3 2-12 2 2-3 3 2-8 3 2-13 1 2-4 1 2-9 4 2-14 4 2-5 4 2-10 3 2-15 1 ■注記■ここでは、技術士法と技術士倫理要綱、および下記文献を参考にしました。文中では「テキスト1」のように略称を使っています。これらは試験勉強のテキストともなりますので、可能なら入手してください。 略称 書籍名 著者 訳編 発行所 参照 正解に関わる記述がテキストにあった問題数 テキスト1 科学技術者の倫理〜その考え方と事例 Harris,Pritchard&Rabins 日本技術士会 丸善株式会社 こちら 3 テキスト2 環境と科学技術者の倫理 Vesilind&Gunn こちら 1 テキスト3 科学技術者倫理の事例と考察 米国NSPE倫理審査委員会 こちら 2 テキスト4 大学講義 技術者の倫理入門 第2版 杉本泰治・高城重厚 − こちら テキスト5 技術者倫理の世界 藤本温(編著) − 森北出版 こちら テキスト6 技術士の倫理 日本技術士会倫理委員会 − 日本技術士会 こちら 3 課題1 2−1------------------------------------------------------ (1) ・・・・○  技術者教育の基本思想ですが、特に後半は、ワシントンアコード、JABEEの基本思想でもあります。ひらたくいえば、JABEE認定教育プログラムであることが望ましいといいたいわけですね。^^; (2) ・・・・○  これは修習技術者に求められる、IPD(実務修習プログラム)のことを言いたいようですね。これは、修習技術者(JABEE認定教育課程修了者、あるいは一次試験合格者)が、二次試験受験資格を得るまでの「学習課程」であり、いわば「技術者養成コース」のようなものです。 (3) ・・・・×  これは技術者倫理の基本です。技術士倫理要綱の2(専門技術の権威)に、「技術士は、つねに専門技術の向上に努め、技術的良心に基づいて行動する。また、自己の専門外の業務あるいは確信のない業務にはたずさわらない。」とあります。  また、NSPE(全米プロフェッショナル・エンジニア協会)やASCE(アメリカ土木技術者協会)の倫理綱領にある、「技術者は、その専門職の義務の遂行において、自分の有能な領域においてのみサービスを行う」という基本理念を、テキスト4では「有能性原則」と呼び、技術者倫理における原則の1つに位置づけています。このテキスト4の内容は、テキスト6でも引用されており、さらにテキスト6p.24では、この規程は技術士法第46条(名称表示の場合の義務)とほぼ同じ主旨の規程としています。 (4) ・・・・○  これは感覚的にもその通りです。テキスト5のp.30〜32には、倫理規程・倫理綱領の意味について書かれていますが、ひとつの手引きとして行動指針を示すなどの意味合いとともに、倫理規程があることによって、倫理は技術者にとって個人的良心の問題ではなくなる(何もないところで自分の良心だけで戦わなくてもよくなる。良心的な技術者を保護する)という意味もあります。 (5) ・・・・○  技術士法第47条の2、資質向上の責務の内容に一致します(参考:テキスト6、p.25など)。 A3 課題2 2−2------------------------------------------------------ ア)・・・・×  倫理は講義のモラルに属するものであり、法と相互補完の関係にあります(テキスト6、p.1〜3)。法と規則を守れば技術者倫理はOKというのは間違いです。 イ)・・・・×  公益確保の責務(技術士法第45条の2)より、明らかに間違いです。テキスト4では「公衆優先原則」としてまとめられています。 ウ)・・・・×  これは技術士法第44条、信用失墜行為の禁止に該当します。・・・・という以前に社会常識の問題ですが。 エ)・・・・×  最後以外は正しいのですが、いきなり外部に告発してはいけません。内部告発は最終手段であり、手を尽くした後でないと正当化されません。ディジョージ(この試験では「ド・ジョージ」と呼ばれています)の内部告発の条件についてこちらにまとめてありますので参考にしてください。  以上により全部×で、正解は(5)となります。 A5 課題3 2−3------------------------------------------------------ まず基本的な認識として、これは不正行為(データの捏造、虚偽報告)になります。 (1)は論外として、(5)は社内の説得を抜きにしている部分が間違っています。つまり、手を尽くさない内部告発(正当性のない内部告発)ということになります。 (2)、(4)は、問題解決まで現在の試験を続ける、すなわち嘘をつき続けることが間違いです。 よって、正解は(3)です。 ・・・と、一般常識感覚的に解説しましたが、この問題は、「功利主義」というものを理解する格好の題材なので、ちょっと掘り下げてみましょう。 ====================== なぜ「ウソをつくこと」がいけないのでしょう。 テキスト5のp.93で「倫理学の三理論」として、徳倫理学、義務倫理学、功利主義(帰結主義的倫理学)が取り上げられています。虚言の禁止ということを、この三理論からみてみましょう。 徳倫理学は、よく嘘をつく「人」に着目します。たとえば「よく嘘をつく人を好きになれるか?嘘ばかり言っているとあなたも同じ嘘つきになる。嘘を言うことは、駄目な人間になることだ。」というような考え方です。 義務倫理学は、虚言という「行為」に着目します。「嘘は他人を欺く、すなわち目的のために他人を道具のような「手段」として扱う悪しき行為。それに全員がそういう行為をしては社会が成立しない。全員が同じことをしたら困るような行為をしてはいけない」という考え方です。 功利主義は、虚言の「結果」に着目します。「嘘をつかれた人は怒ったり困ったりするし、嘘をついた人は信用をなくすといった、悪しき結果になる。また社会によい結果をもたらさない」というような考え方です。功利主義における正しい行為とは、ベンサムの言うところの「最大多数の最大幸福」です。すなわち、幸福が最大になるような行為が正しいとされます。 この事例行為は、コストダウンという効用を生んでいるように見えます。「性能は安定している」のですから、故障が起こる確率は低いでしょう。ということは、試験を続けることによる受益、すなわち故障リスクを逃れる恩恵は、故障した場合の損失×一定期間内の故障回数となるでしょう。一方、費用は試験費用× 一定期間内の試験回数となるでしょう。おそらく受益<費用となっている、すなわち割に合わない状態なのだと推定されます。有名な「フォード・ピント事件」*はまさにこのような例です。欠陥車により事故が起こった場合の損失(賠償等金額)×事故の頻度、すなわち欠陥修理による受益が、修理費用より安かったため、「リスクを保有する」という選択をとったものです。 これは一見して理にかなっっているように見えますが、功利主義は「最大多数の最大幸福」ですから、すべての関係者に及ぶ影響をすべて計算に入れる必要があるのです。自分の会社だけが幸福であればいいと考えてはいけないのです。この点で、フォード・ピント事件も、この問題事例の水を使った試験も、功利主義における正しい行為とはいえないのです。 *フォード・ピント事件については、テキスト1のp.374、テキスト5のp.89に紹介されています。 ====================== A3 課題4  2−4------------------------------------------------------ (1) ・・・・○ 法第一条に「この法律は、公益通報をしたことを理由とする公益通報者の解雇の無効等並びに公益通報に関し事業者及び行政機関がとるべき措置を定めることにより、公益通報者の保護を図るとともに、国民の生命、身体、財産その他の利益の保護にかかわる法令の規定の遵守を図り、もって国民生活の安定及び社会経済の健全な発展に資することを目的とする。」とあります。 (2) ・・・・× 「行政機関のみ」が違います。法第二条では、「当該通報対象事実により被害を受け又は受けるおそれがある者」も通報対象者となりえます。 (3) ・・・・× 派遣労働者も含みます。法第二条。 (4) ・・・・× 法第二条別表7に、個人情報保護法が明記されています。 (5) ・・・・× 行政機関でなく、当該公益通報者に対し通知します。法第9条。 A1 課題5 2−5------------------------------------------------------ 内部告発(広義の「内部告発」)の中でも、名乗って告発することを特に「警笛鳴らし」といいます。対して、名乗らずに告発する、いわゆる「チクリ」、密告は狭義の内部告発にあたります(テキスト4、p.180)。またテキスト6の事例編p.4には警笛鳴らしの例として、富里病院医師解雇事件、本採用拒否事件、三和銀行戒告事件があげられていますが、ここでも「英語のwhistle-blowingの略語に”内部告発”は適切でない」と記されています。 リチャード・ド・ジョージ(ディジョージ)による内部告発(警笛鳴らし)正当化条件についてはこちらにまとめてあります。問題文では3つしか条件が示されていませんが、ディジョージは以下の5つをあげています。  (1) 一般大衆に深刻かつ相当被害害が及ぶか?  (2) 上司へは報告したか?  (3) 内部的に可能な手段を試みつくしたか?  (4) 自分が正しいことの、合理的で公平な第三者に確信させるだけの証拠はあるか?  (5) 成功する可能性は個人が負うリスクと危険に見合うものか? ア)・・・・×  「同僚のうわさ」が根拠ですから、ディジョージの条件(4)に反します。そして直ちに投書しているので、条件(2)、(3)にも反しますし、(1)も確信が持てない状態です。また、「投書」ですので、警笛鳴らしになっていません。 イ)・・・・×  「すべて行ったと考え」以前は正しい行動であり、ここにおいて「警笛鳴らし」を実行する条件は揃っているようです。しかし、警笛鳴らしは告発であり、事例では「そのままにした」(まだ告発していない段階で止めた)ので、警笛鳴らしに至っていません。ですから良いか悪いか以前の問題です。 ウ)・・・・×  テキスト4のp.181には、「匿名で情報を個人の利益のために「ライバル会社に売る」とか「雑誌に投稿」するのは、犯罪行為とされる」とあります。もしこの事例の投書の動機が「個人の利益のために」という要素があれば、これは、テキスト4のp.181やテキスト2のp.78に示される、「違法・不法な内部告発」であり、広義の内部告発には含まれますが、警笛鳴らしには含まれません。もし個人利益のためでなかったとしても、匿名での告発になるので、警笛鳴らしとはいえません。 エ)・・・・○  警笛鳴らしを実行するための条件は揃っていると判断されます。「名乗った」とは明記されていませんが、反応や返事を期待していることから、名乗ったはずです。また、文書送付先も適切です。マスコミに送ると、無用なトラブル、有害な波及などが懸念されますので、避けるべきです。  以上により(エ)のみ○で、正解は(4)となります。このようにあれこれ理屈をつけなくても感覚的にわかるとは思いますが、きっちりと客観的な根拠付けをしてみると、理解がぐっと深まります。 A4 課題6 2−6------------------------------------------------------ エンジニアリング教育のありかた、国際合意など以前に、感覚的に、また常識的に(4)の「社会への影響への配慮よりもチームワーク優先」の部分(公益優先の義務に反する考え方)が誤りであることは明らかです。 なお、たとえばJABEEの日本技術者教育認定基準では、「下記の(a)−(h)の各内容を具体化したプログラム独自の学習・教育目標か設定され、広く学内外に公開されていること」を認定基準の1つとしています。  (a) 地球的視点から多面的に物事を考える能力とその素養  (b) 技術が社会および自然に及ぼす影響・効果に開する理解力や責任など、技術者として社会に討する責任を自覚する能力(技術者倫理)  (c) 数学、自然科学、情報技術に開する知識とそれらを応用できる能力  (d) 該当する分野の専門技術に開する知識とそれらを問題解決に応用できる能力  (e) 種々の科学・技術・情報を利用して社会の要求を解決するためのデザイン能力  (f) 日本語による論理的な記述力、口頭発表力、討議などのコミュニケーション能力および国際的に通用するコミュニケーション基礎能力  (g) 自主的、継続的に学習できる能力  (h) 与えられた制約の下で計画的に仕事を進め、まとめる能力 A4 課題7 2−7------------------------------------------------------ ア)・・・・×  某電力会社の原子力発電所におけるデータ捏造を思い出させるような仮想事例です。また、問題2−3にも共通するテーマです。  「法律自体に不備がある」ことは、守らなくてもいいという根拠にはなりません。法律を適切な内容に変えることも時には必要でしょうが、それまではあくまで順法です。信用失墜行為にもなります。 イ)・・・・○  技術士法第45条(秘密保持義務)と法第45条の2(公益確保の責務)のトレードオフ事例です。  NSPEやASCEの倫理綱領には、「技術者は、その専門職の義務の遂行において、公衆の安全、堅硬、および福利を最優先する」というように明記されています。これを公衆優先原則といいます(テキスト4、p.31)。このテキスト4の内容は、テキスト6でも引用されています(p.6)、  すなわち、「守秘義務と公益確保、どちらを優先すべきか」というトレードオフについては、原則としては公益優先です。 ウ)・・・・×  公益確保の責務に違反しています。「自分の計算に自身がなかった」という点で、それを伝えることは技術士倫理要綱の「専門技術の権威」あるいは有能性原則に反するのでは?という考えもあるかもしれませんが、NSPE・ASCEの倫理綱領に定められる真実性原則(公衆に表明するには、客観的でかつ真実に即した方法でのみ行う)には、「公衆に表明するには」と明記されています。この場合、ビル所有者は公衆とは言えませんから、計算に不確実性があっても伝えるべきです。 A3 課題8 2−8------------------------------------------------------ スペースシャトル・チャレンジャー号の事故は、インフォームドコンセントに関する典型的事例として語られます(こちら)。ストーリーをこちらにまとめました。 ア)・・・・○ そのとおり。技術士倫理要綱の2(専門技術の権威)に「技術的両親に基づいて行動する」とあるように、技術者のアイデンティティ、自ら考え自ら判断することが強く求められます。ただし、それは独りよがりなものではなく、倫理要綱など、体系化されたものに準拠した判断でなくてはなりません。なぜなら、倫理は規範であるからです。 イ)・・・・× それでは独りよがりになってしまいます。 ウ)・・・・○ 「必ずしも、受け付けない」という日本語は問題がありますね。「経営者などからの干渉を受け付けるとは限らない」という意味であればそのとおりです。 エ)・・・・× 互いに意見を述べ合うことで、狭い知識・見識による「独りよがり」から脱却できます。これは、技術士倫理要綱の8(相互の信頼)、10(他の専門家等との協力)にも通じます。 オ)・・・・○ 上記と同じ根拠により、正しいといえます。 A3 課題9 2−9------------------------------------------------------ ハインリッヒの法則については、テキスト5のp.76〜77に取り上げられており、ポイントは、次のことです。  ●ヒヤリハットや使用者からの苦情は、それを隠すのではなく、重大事故への前兆として対処しなければならない。  ●苦情はもちろん、ヒヤリハットを記録しておくシステムがあることが望ましい。 ア)・・・・×  失敗者を責めたり人事考課の材料とすると、萎縮して隠蔽につながります。責任追及のためではなく、品質改善などのプラス目的で積極的に組織内共有情報とすべきです。その際に、個人責任追及になったり、失敗者の萎縮を起こさない配慮ももちろん必要ですが、もっと必要なのは、失敗要因を表面的でなく深く探ることです。 イ)・・・・×  発生経緯などの詳細な情報があってこそ、失敗原因を深く追求することができます。 ウ)・・・・○  そのとおり。 A4 課題10 2−10------------------------------------------------------  コロンビア事故は、打ち上げ時に、断熱材の破片がシャトルの翼の耐熱タイルを損傷、大気圏への再突入の際に、機体を分解させたことが直接的な原因ですが、事故原因調査報告書は、コロンビア号の打ち上げから再突入に至るまでに、技術陣がシャトルの損傷をよりよく分析し、対応する機会が数回あったことを指摘し、「NASAに組織としての安全文化が欠如しており、たとえば断熱材が翼にあたるなどといった危機への対応をほとんど不可能にしている」と批判しました。つまり、NASAの安全文化の欠如が根本的原因であると断じたわけです。(参考サイト:こちら)  この文章を読んで、尼崎のJR西日本脱線事故を思い出す人もいるでしょう。事故調査委員会は、「事故原因はスピードの出しすぎ」と報告しました。これは、スペースシャトルでいうと、表面的な原因か、根本的な原因か、どのレベルの原因でしょう。問うまでもないことだと思います。JR西日本には、全員関与型の、おざなりでない安全プログラムはあったでしょうか。安全文化はあったでしょうか。信楽鉄道事故と尼崎事故の関係には、チャレンジャー事故とコロンビア事故の関係に重なる部分はないでしょうか。 ア)・・・・×  チャレンジャー事故はOリングの不良、コロンビア事故はタイル損傷が直接的な原因であり、これは表面的には異なるものですが、その原因を引き起こした真の原因、あるいはそういった技術的不完全さを事故につなげてしまった原因は、NASAの安全文化の欠如にあります。チャレンジャー事故では技術者の意見を経営論理で封じ込め、コロンビアでは技術陣が主体的に安全確保に携わる雰囲気がありませんでした。  すなわち、その根本的原因が同じであっても、失敗を表面的にしか見ないと、「別問題」として扱ってしまいます。そして表面的な対策しかせず、根本原因が是正されていないため、また失敗が起こるのです。 イ)・・・・○  そのとおり。 ウ)・・・・×  前半はそのとおりなのですが、後半がいけません。頻度から言っても許容されるものではないし、スペースシャトルのような宇宙船の精度確保体制(抜き取り検査などではなく全数検査のレベル)から言っても、許容される以上の頻度です。  また、失敗に学ぶということが品質改善の基本である以上、「努力したから許す」という発想はありえません。 エ)・・・・○  そのとおり。 A3 課題11 2−11------------------------------------------------------  PL法については、たとえばテキスト5のp.99〜101、テキスト6のp.123〜124に記述されています。わずか6条からなる短い法律で、テキスト6のp.126〜129に解説付きで詳述されています。  PL法は、製品の欠陥が原因で、生命・身体あるいは物に被害が生じたときに、製品の製造者が被害者に対して負う損害賠償責任のことです(法第1条)。アメリカで生まれた考え方で、日本では1995年7月から施行されました。  それ以前にも製品事故でメーカーを訴えることはできましたが、これはメーカーに過失があったことを被害者が証明する必要がありました(過失証明)。しかし製品の情報はメーカーが握っており、さらに高度な技術を駆使した工業技術製品のように、素人の被害者には過失立証が困難な場合が多いのが現実です。カネミ油症事件は、メーカーと国が過失をめぐって争ったため、被害者側が過失証明を強いられたことが、和解まで17年を要した大きな原因となりました。  これに対してPL法は、欠陥があり、それで被害を被ったことを証明(欠陥証明)すればそれでよくなりました。証明すべき対象が、「過失」という過程から、「欠陥」という結果になったため、被害者の負担は大幅に軽減されました。  なお、法第2条1において、「この法律において、「製造物」とは、製造または加工された動産をいう」とあります。つまり不動産は対象外です。また、民法に「物とは有体物をいう」とあるので、ソフトウェアなどは対象外になります。さらに、「製造または加工」なので、未加工の農産物などは対象外になります。  また、法第2条2において、「欠陥」も定義されていますが、テキスト5では、製造上の欠陥、設計上の欠陥、指示・警告上の欠陥の3つとしています。  責任の範囲ですが、法第3条に但し書きがあり、「その損害が当該製造物についてのみ生じたとき」があげられています。つまり、「欠陥があって動作しない」など、被害がその製品より外に拡大しない場合は適用されません。また、法第4条において2つの免責事由が定められています。1つは、その時点の科学的知見で欠陥認識が不可能な場合、もう1つは、製造物が他の製造物の部品・原材料として使われ、そちらの側の責任で欠陥が生じた場合です。 (1)・・・・○ そのとおり。法第1条に明記されている、PL法の基本です。 (2)・・・・○ そのとおり。 (3)・・・・○ そのとおり。 (4)・・・・○ そのとおり。法第2条により明確です。 (5)・・・・× 設計上の欠陥もPL法の対象です。 A5 課題12 2−12------------------------------------------------------ 前問で解説したように、PL法では、欠陥を製造上の欠陥、設計上の欠陥、指示・警告上の欠陥の3つを「製品の欠陥」としています。 この事例は、ソリブジン事件(参考:こちら)のことでしょう。これは、1993年、皮膚病の薬の抗ウイルス剤ソリブジンと、フルオロウラシル系の抗がん剤の併用によりおこった副作用で、死亡者が出ています。ソリブジンが発売されてわずか1カ月のあいだに、血液障害などで15人が死亡、8人が重症となりました。その後ソリブジンは回収されています。 日本商事は副作用を当初から認識していた可能性が高いのですが、こういったデータを厚生省に伝えていませんでした。厚生省も見落としがありました。当時の厚生省は注意文書の配布を日本商事に命じますが、日本商事はこれを放置、病院からの問い合わせに「問題ない」と答えたりしていました。 なお、この事件は、ソリブジンを開発した日本商事が、動物実験や治験段階での都合の悪いデータを隠蔽していたことに加え、死亡報告が入った後、事件が明るみに出るまでの間に、多数の社員が日本商事株を売り抜けていた(インサイダー取引)ことなどから、激しい批判が巻き起こりました。 ア)・・・・×  医師に対して情報を提供する義務はもちろんですが、「厚労省が認可しているから企業の責任は問われない」ということはありません。日本商事は、後日、厚生省から105日間の製造業務停止命令を受けるとともに、多くの自治体から指名停止になっています。 イ)・・・・×  確かにソリブジンはその後も医薬品として残っています。しかし、これは「わかりやすく記載するように変更」程度ではなく、使用方法を限定しての処置です。  また、「わかりやすく記載する」程度では、現場でのミスを防ぐことはできません。ソリブジン事件でも、日本商事からの注意文書配布後にも投与を続けていた例があります。 ウ)・・・・×  「いかなる場合でも」ということはありません。なお、ソリブジン事件では、動物実験・治験段階で副作用は十分予見できる状態でした。 エ)・・・・○  そのとおり。実際にそのように解釈されています。 ソリブジン事件の経過をぜんぜん知らないと、(イ)の正誤はけっこう微妙な問題だろうと思います(臨時掲示板でもかなり議論になりました)。かなり有名な事件ではありますが、「それを知っていることが前提」のような面がある、舌足らずな選択肢の書き方になっており、あまりいい問題とは言えないと思います。 A2 課題13 2−13------------------------------------------------------ [ア]・・・・5(社会的責任)  これは一般的・常識的見識でわかると思います。なお、企業評価に関して、トリプルボトムラインという考え方があります。これは、企業を評価するときに、財務パフォーマンスのみを評価軸とするのではなく、持続可能な発展を目指す企業は、企業活動の環境的側面、社会的側面、経済的側面の3つの側面がバランスした経営であるというものです。(参考:たとえばこちら) [イ]・・・・4(コンプライアンス)  これは単純な用語の知識ですね。法令遵守のことですが、雪印食品や日本ハムの牛肉偽装、回転ドア事故や三菱自動車、東京電力の隠蔽など、様々な事件の中でよく知られる言葉になりました。社会人として知っていてほしい、あるいは知っているべき用語です。 [ウ]・・・・2(環境リスク)  文脈から選択の余地なくわかると思います。 [エ]・・・・3(ライフサイクルアセスメント)  これも他に考えられません。この用語自体は、社会人として知っているべき、常識の範囲内の用語です。 なお、「エンドポイント」は、医療用語とIT用語があります。 医療用語のほうは、治療行為の意義を評価する為の評価項目のことで、薬物動態パラメーター、薬力学的評価指標、有効性及び安全性に関連する医薬品の効果を評価するために選択された反応変数などです。 IT用語は「エンドポイントセキュリティ」という用語に使われており、ここでいうエンドポイントとは、クライアント等が接続されるシステムの末端のことです。 しかし、たとえこの用語を知らなくても、他の用語が常識レベルの用語ばかりなので、消去方出たやすくわかると思います。 A1 課題14 2−14------------------------------------------------------ 2段落目以降は、ほとんどテキスト6のp.103以降に書かれている内容と同じで、引用ではないかと思われます。 ハリスらは、技術者が出会うモラル問題に、線引き問題と相反問題という2つのタイプがあるとして、その解決に決疑論の方法を用いるテクニックを体系付けています。 線引き問題とは、まさに問題文に書かれているとおりです。右図において、上のように、どこかで善悪の区別がスパッとついている(二分観)と悩まずに済むのですが、下のように善から悪へ徐々に変わっていく、あるいは疑わしさが徐々に濃くなっていく(スペクトル観)と、中間のグレーゾーンでは判断がつきにくくなります。 A4 2−15------------------------------------------------------ 決疑論は、問題文にあるように、哲学の領域では知られていた古い方法です。 下図のように、議論の余地なく適切とは思えない事例C-と、議論の余地なく適切な事例C+があるとします。テキスト6を参考にすれば、たとえば「盗み」について議論しているなら、次のような事例です。  C-:店舗に押し入り、高価な商品を持ち出す。  C+:許可を得て借りていた1枚の紙を返し忘れる。 C-はどう見ても盗みです。C+を盗みという人はまずいないでしょう。 この間に、疑わしさの度合い順にC1〜C5を並べます。それは、たとえば、  鍵をかけ忘れた自転車を持ち去る。  会社Aで開発したテクニックを会社Bに移ってから使用する。  本を借りていたが誤って返し忘れ、友人が遠方に引っ越してしまったので返さないことにする。  落とし主が明らかな硬貨を拾って、自分のものにする。  落とし主がわからない硬貨を拾って、自分のものにする。 などです。こうすることで、線のどちら側に入るか、つまりしていいか悪いかを判断していくという方法です。否定的模範事例 肯定的模範事例 C- C1 C2 C3 C4 C5 C+ A1 ////////////////////////////////////////////////////////////////////// 技術士第一次試験 平成15年度 適性科目 解答案 2-1 5 2-6 1 2-11 5 2-2 2 2-7 5 2-12 5 2-3 3 2-8 4 2-13 4 2-4 4 2-9 1 2-14 4 2-5 4 2-10 1 2-15 5 ■注記■ここでは、本試験の「タネ本」として下記文献を参考にしました。文中では略称を使っています。これらは試験勉強のテキストともなりますので、今後さらに調べていきたいと思います。 略称 書籍名 著者 訳編 発行所 参照 正解に関わる記述がテキストにあった問題数 テキスト1 科学技術者の倫理〜その考え方と事例 Harris,Pritchard&Rabins 日本技術士会 丸善株式会社 こちら 3 テキスト2 環境と科学技術者の倫理 Vesilind&Gunn こちら 1 テキスト3 科学技術者倫理の事例と考察 米国NSPE倫理審査委員会 こちら 2 テキスト4 技術士の倫理 日本技術士会倫理委員会 − 日本技術士会 こちら 3 課題1 2−1------------------------------------------------------ この科目の試験は、「あなたはどう思うか」とか、「日本語としてすっきりする語句はどれか」と聞いているのではありません。「国あるいは技術士会がまとめた『あるべき技術者像』があるが、あなたはそれを知っているか」というのが出題意図です。 この問題文は、技術士分科会試験部会資料「基礎科目についての基本的な考え方」(2001.3)からの引用で、まるっきり同じ文です。そして途中の「高い職業倫理を備えることが必要である」まではテキスト4のp.21に、そのまま引用記載してあります。 もっとも、こういうことを知らなくても、技術士会の存在意義・法の理念から5以外は考えられません。 A5 2−2------------------------------------------------------ これも上記分科会資料あるいはテキスト4のp.21に「企業」と明記されています。 これを知らなくても、法の理念、文脈等から2以外は考えられません。 A2 課題2 2−3------------------------------------------------------ テキスト4のp.2には、次のように記されています。 法は、国・自治体などの権力による強制を用いる他律的な規範であり、倫理は、人それぞれが自主的に遵守するよう期待される自立的な規範である。 このようなこと、すなわち倫理とは自発的なものでなければならないという基本理念は、常識感覚として身につけているべきでしょう。 A3 課題3 2−4------------------------------------------------------ テキスト1のp.19に問題文とほとんど同じ記述があります。 この本で我々が議論するものの多くは、いわゆる予防倫理と言われるものであり、予防医学の概念に似ている。我々は病気がひどくなる前に注意深く我々の健康のニーズに耳を傾けることにより、そのような病気になることを防ぐことができるかもしれない。同様に、注意しないと倫理的危機になり得るような種類の倫理問題を予想することにより、そのような危機の発生を防ぐことができるかもしれない。 「我々」を「私たち」、「かもしれない」を断定調にしただけの丸々引用です。 予防倫理あるいは予防医学は知識として知っていたいところですが、文脈からもこれ以外ないことがわかるのではないかと思います。 A4 課題4 2−5------------------------------------------------------ この問題は、インフォームド・コンセントのことを聞いています。 テキスト1では、「公衆」の定義の一つとして、インフォームド・コンセントを与える立場にあるかどうかということをあげており、これはそれに関する問題と判断されます。テキスト1のp.55には、以下のように記してあります。 より妥当な公衆の定義は、人々を公衆の一部とするものは、技術行の製品及びサービスの影響に対して、自由なインフォームド・コンセントを与える立場になく、それらに影響されやすいという主張と共に始まっている。「公衆」は、ある程度の無知、無力、そして受動性という特性を持つものとされる。この解釈によれば、「公衆」とは、情報、技術的知識、あるいは熟慮する時間を十分に持たないために、技術者が彼の依頼者又は使用者のために行使する権限によって、多少なりとも傷付けられやすくなっている人々のことである。 この解釈は、デービスが指摘するように、ある人は1つの観点からは公衆の一部であり、他の観点からはそうではないことがあり得ることを示唆している。 ここでインフォームド・コンセントという用語が出てきます。もともと医療現場で生まれた用語で、その意味は次の通りです。 informed-consent(説明と同意)のこと。患者が自分の病気と医療行為について、知りたいことを“知る権利”があり、治療方法を自分で決める“決定する権利”を持つことをいう。個人主義の意識が高いアメリカで生まれ、 80年代半ばから日本でも必要性が認識されてきている。 典型的なのはがん治療で、がんであることを告知し、その後に取り組む治療法について、その効果と副作用、リスクなどを全て洗いざらい説明した上で、治療を受ける(同意する)かどうかを決めてもらうという手順がインフォームド・コンセントです。 さらに、上記文章の後に1986年のチャレンジャー爆発事故を引用して、次のようにあります。なお、この事故は、O−リングが弾性を失い、シールがうまくいかなくなったために燃料が漏洩、引火したことが原因でした。 宇宙飛行士は、欠陥のあるO−リングによる爆発の危険性に関しては公衆の一部である。何故なら、その危険性の知識を全く持たなかったからである。彼らはブースター・ロケットの氷の情報に関しては、公衆の一部ではない。彼らはこの危険を知っていて、内在するリスクに対して、明確に知らされた上での同意をしているからである。 つまり、チャレンジャー乗組員は、ブースター・ロケットの氷の問題に関してはインフォームド・コンセントを与えることができた。しかし、O−リングについてはこれができる立場になかった。なぜなら彼らはその危険性に関する情報を知らされていなかったからである。そういう意味で彼らはO−リングに関しては公衆であった・・・・ということです。 英文和訳の書籍であるため、独特の言い回しが解釈しにくさを生んでいますが、要は、長所・短所、リスクなどを総合的に勘案して自分で判断することができるだけの、専門的知識・情報・考える時間がないと、無力・受動的にならざるを得ない、その状態が公衆であるということです。 病院で治療を受けるとき、その治療法について、目的と効果、リスク(その程度と発生確率)などを全部知った上で、「わかりました。その治療を施してください」と言えるのであれば、それは公衆ではない。しかし、医学的知識が不足しているか、医者の説明が十分でないか、あるいはじっくり考える時間がないか、そういった事情で、全てを飲み込んだ上での判断ができない場合、医者を信用して治療を受けざるを得なくなります。これはインフォームド・コンセントを与えることできない状態であり、受動的です。この状態を公衆というわけです。 このようなことを知った上でもう一度問題文を見ると、ちょっと舌足らずな点もありますが、「よく知らされた上での同意」とはすなわちインフォームド・コンセントのことだとわかります。実際、テキスト4のp.10には、次の記述があります。 講習は、「よく知らされたうえでの同意(インフォームド・コンセント)」をするために、「知る権利」があり、他方、技術者は、それに対応する「説明責任」があって、その責任を「情報の開示」によって果たす。 「与える」という言葉は日本語として違和感がありますが、「同意を与えることができる」と「同意する」とは違います。「同意を与えることができる」とは「主体的に判断・決定することができる」という意味になります。このことを知っていないと、「同意を与えることができない」→「反対する」→「反対派住民のことだ」という珍解釈になってしまいます。なお、テキスト1では「よく知らされた上での決定」という用語が頻繁に出てきます。 以上により、正解は(4)と判断されます。(1)、(2)、(5)も「公衆」の定義の1つですが、この問題の答えとしては違うと考えます。 A4 課題5 2−6------------------------------------------------------ テキスト1のp.20〜p.23にそのまま出ていますが、感覚的にもだいたいわかります。いかにもアメリカ人が書きそうな内容です。 A1 課題6 2−7------------------------------------------------------ 92年のリオサミットは、まさに画期的な会議でした。いろいろな思惑はあるにせよ、ローマ会議以来いわれ続けていた「宇宙船地球号」を壊してはならないという世界共通認識を確認しただけでも、大きな進歩であるといえましょう。 また、ここで採択されたリオ宣言(アジェンダ21)における「持続可能な開発」あるいは「持続可能な発展」-Sustainable Development-という概念は、科学技術と環境のあり方を考える上で、深く認識しておくべきものであるといえましょう。 ア)・・・・× ヨハネスブルグではなくリオです。「持続可能な開発」を掲げたアジェンダ21はリオ宣言とも呼ばれ、地球環境問題を論じるときには知らないでは済まされない重要なものです。 イ)・・・・× トリプルボトムラインは、企業の社会的責任とあわせて企業の評価尺度として広がりつつある概念で、持続可能な発展をめざす企業は、企業活動の環境的側面、社会的側面、経済的側面の3つの側面がバランスした経営であるべきだという考え方です。なお、ボトムラインとは企業決算の最終結果、つまり利益(損失)にあたります。つまりトリプルボトムライン論は、財務利益だけでなく、環境や社会面をも配慮した企業経営の活動結果を論じるものです。 ウ)・・・・○ そのとおり。持続可能な開発という用語は、国際連合が支援した「環境と開発に関する世界委員会」(委員長の名前をとってブルントランド委員会という)が最初に唱えて有名になりました。しかしア、イが×であることがわかった時点で解答は5しかないので、知らなくても大丈夫です。 エ)・・・・○ そのとおり。「持続可能な開発」という用語そのものが、当初は開発途上国にその資源利用の権利を認めることを目的としていたものです。 なお、上記ウ)とエ)については、テキスト2のp.63に記述があります。 A5 課題7 2−8------------------------------------------------------ JCO事故は14年度も取り上げられました。明らかな人災であり、また不正が原因であったショッキングな事件でした。こういう事件の概要を知っていることは技術者として必要ですし、できればこれを他山の石として自らのあり方を考えたいところです。 ただ、ウとエが倫理観というより科学知識問題になってしまっていますので、その点やや残念な問題です。 ア)・・・・○ そのとおり。新聞などに何度も書かれました。 イ)・・・・○ そのとおり。これが一番の問題です。これも新聞などに何度も書かれました。 ウ)・・・・× これは科学の基礎知識ですが、ほぼ常識レベルです。核分裂反応が臨界(どんどん反応が続くライン)を超えてしまう事故ですね。 エ)・・・・× 核分裂によって放出されるのは中性子線です。これも科学の基礎知識です。 A4 課題8 2−9------------------------------------------------------ 予防原則・予防措置とは、因果関係がはっきりしないリスクであっても、あらかじめ対策を講じておくという考えで、医療の方面から出てきたものです。 すなわち、未然防止とは基本的に違います。未然防止は因果関係がはっきりしています。ここがポイントです。 ア)・・・・× リスクはゼロにすることはできません。低減するものです。リスクに関する基本的な部分で誤りです。 イ)・・・・× この考えはリスク回避ですが、そういう社会実現のための概念ではありません。 ウ)・・・・× 地球温暖化はすでに顕在化しているクライシスであるとともに、温室効果ガスとの因果関係は明瞭です。 エ)・・・・× これも顕在化しつつあるとともに、何より因果関係が明瞭です。 A1 課題9 2−10------------------------------------------------------ ア)・・・・○ そのとおり。 イ)・・・・○ そのとおり。「機会はあったはずだ」という考えもあるかと思いますが、機会があるないの話ではなく、「改善すべき」かどうかという話です。 ウ)・・・・○ そのとおり。発注者にも技術力は必要です。 A1 課題10 2−11------------------------------------------------------ ア)・・・・× 熟練者も当然参加すべきです。 イ)・・・・× 教育訓練は、OJT・Off-JT・自己啓発の三位一体です。 ウ)・・・・○ そのとおり。 エ)・・・・○ そこまでするかという気はするが・・・・少なくとも誤りではないし、これが○でないと正解がなくなってしまいます。 A5 課題11 2−12------------------------------------------------------ ア)・・・・× 報告しなかった理由が2つとも誤り。 イ)・・・・× かにでもふぐでも食べればいいが、ビジネスで個人的な借りは作ってはいけません。できれば食事も慎重に。 ウ)・・・・× テキスト3のp.203に「事例No.96-11 広告−以前の雇用者のものである仕事と依頼人を記した営業促進用資料」としておおむね同じことが書いてあり、「倫理に反する」と結論付けられています。 A5 2−13------------------------------------------------------ カ)・・・・○ テキスト3のp.136に「事例No.85-1 論文の共同著作」として似たケースが記されており、「倫理的でない」とされています。他人のふんどしで相撲をとってはいけません。 キ)・・・・× 誰にも相談せずインターネットというのがいけません。告発は、十分な努力・説得を行った末に、監督官庁への報告などの手順を踏むべきです。マスコミやネットに公表することは、パニックや風評被害など、本人の想像を超える影響が出ることがあり、第三者に害が及んだりします。これでは、公益のための告発が、別の側面で公益を損ねることになってしまいます。 ク)・・・・× 手続き上の問題ではなく、専門的応用技術力のない危険性のある人間がこういうことをすることが公益確保になるでしょうか。 A4 課題12 2−14------------------------------------------------------ [ア]がややわかりにくいのですが、[イ]がポイントです。ここは「方法」以外に収まる言葉がありません。これで(2)か(4)に絞られます。 4)の文章における[ウ]は、「知見が導かれる」という言葉はおかしいので、「結論」しかありません。これで決まりです。 A4 課題13 2−15------------------------------------------------------ ピックアップ事件の判例です。判例が取り上げられている場合、「あなたはどの言葉が適当と思うか」ではなく、「判例で使われていた言葉はどれか」という問題になります。「そんなこと知るか」と思うかもしれませんが、判例というものは、ものの善悪などに関する、「社会の判断を明文化したもの」なのです。 善悪というものはそれほど単純ではありません。人により意見が分かれることもままあります。そういう倫理観のぶれ・ずれを持ったままで重要な技術業務を行うということは危険です。 自分の倫理観とはずれた裁判判決が出ることもあるでしょうが、そういうときに、「あ、社会はそういう判断基準なんだ」と、まず最初に思えることが大切です。その後、「でもそれはきっと正しくない。世の中の人のためにならない」と思うのであれば、自分にできる内容で行動を起こせばいいのであって、「そんな馬鹿な判決、オレは知らん。オレはオレの信じるようにやる」ではいけません。ましてそのような考えで公共の仕事をするなど論外です。 A5 ////////////////////////////////////////////////////////////////////// 技術士第一次試験 平成14年度 適性科目 解答案 平成14年度適性科目について、私なりに解答を出してみました。 解答案だけでは寂しいので、参考になるように、あるいは笑ってもらおうと思い、解答決定までのプロセスをそのまま書きました。 しかし、これで50点未満は取りようがないですね。とてつもなく非常識、あるいは偏った人間ではないことを一応確かめたというべきでしょうか。 課題1:技術士等の義務 1----------------------------------------------------------- 技術士の名称表示の場合の義務 ざっと読めば、(2)以外はそのとおりだとわかる。 (1)・・・・○ そのとおり。専門外の仕事を技術士としてやってはいけない。 (2)・・・・× 継続的な能力開発(CPD)に努めることが望まれている。いずれCPDが飾りではなくなってくるような気がする。 (3)・・・・○ そのとおり。「変える余地がある」のとり方によっては異論もあるかもしれないが・・・・。 (4)・・・・○ そのとおり。名刺にはちゃんと部門を書きましょう。 (5)・・・・○ そのとおり。 解答は(2) ※時間がなければ択一セオリー「文末拾い読み」でもいけます。   2----------------------------------------------------------- 技術士の秘密保持義務 (1)・・・・○ そのとおり。従って、会社の秘密(談合なども含む)の保持義務は技術士としてはない(社員としてある)。 (2)・・・・○ そのとおり。 (3)・・・・○ そのとおり。公共の利益を優先する。 (4)・・・・○ 「求めうる」と断定しているのが気に入らないが、そのとおり。 (5)・・・・× 常識的に違うとわかる。 解答は(5) ※非常にわかりやすい問題です。迷うとすれば(1)ですが、会社の内部情報を外に漏らしてはいけないのは、社員として会社に対する義務を負うからです。 課題2:倫理規定(1) 3----------------------------------------------------------- 指導技術士としてふさわしい行動 ア)・・・・○ そのとおり。脱マニュアルを進めないといけない。 イ)・・・・× 規定に反しるぞ。やはり学会発表は技術者としての社会貢献の1つの形でしょう。CPDも稼げるし。 ウ)・・・・○ そのとおり。こういう行動を通して技術者らしい人間が育つ。 解答は(3) ※ざっと読めば簡単に答えられますが、時間がなければ最後の1文(最後から1つ前の「。」の後)だけ読めば、たいていは判断できます。常識を問う択一のテクニックです。 課題3:倫理規定(2) 4------------------------------------------------------ 伝統技術との調和 ア)・・・・○ そのとおり。 イ)・・・・○ まったくそのとおり。 ウ)・・・・× 伝統や生態系を無視しちゃだめだって。 **********皆様からの情報・ご指摘*****Y.S.さんに情報をいただきました。ありがとうございます。 資産の増加により氾濫が許容できず水害として認識されるようになったようであるので,治水用構造物の設計にあたっては土地利用の変化,地域の社会構造の変化などを検討し今後の動向なども考慮するべきである。また,維持管理や施設更新を考えると途上国では経済力や機械力に頼った先端技術より伝統的な工法のほうが適している場合も多い。そこで,設問の倫理規定にあるように先端技術のみならず伝統技術の活用を考慮すべきである。 ********** 解答は(2) ※ ウ)にはちょっと問題があります。ア)やイ)のような過程を経て、結果として堤防を作ろうということになった場合、その堤防築造に際して日本で実績のある先端技術を駆使することは何ら問題がないと思われます。よって試験問題としては、「伝統的な工法には目もくれず」といった意味の経過を示す記述がほしいところです。 ※Y.S.さん、手本となる解答の考え方をありがとうございます。私の解答のように感覚的でなく、このようにしっかり考えられると言うことなしですね。なお、ハンドルネームを勝手につけました。ご了承ください。 課題4:倫理規定(3) 5----------------------------------------------------------- 遺跡保存 ア)・・・・× 自分で決め付けてどうする。 イ)・・・・○ そのとおり。 ウ)・・・・○ そのとおり。報告先が依頼者であり、文化財保護関係機関でないこともマル。 解答は(4) ※この問題は特に迷うところはないと思います。 課題5:産学連携における倫理 6----------------------------------------------------------- 利益相反、責務相反 英文では、「利益相反」は「公私混同」と同じ「Conflict of Interest」だったと記憶しています。これだと(5)。 しかしこれは英語のテストか?長々と前文を真剣に読んでこの問題では力が抜けるぞ。 **********皆様からの情報・ご指摘*****Yazawaさんに情報をいただきました。ありがとうございます。 利益相反,責務相反は、それぞれConflict of InterestおよびConflict of Commitment で、COIおよびCOCと省略されます。 で、これ、時事問題なんです。下記のページは一例ですが、ちゃんとそれぞれ利 益相反,責務相反が英語表記とともに記載されています。 http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu8/gijiroku/005/021202.htm 倫理に関する問題として、最近の略語(COIやCOC)を知っているかどうか の チェックに使われたんです。 英語力の確認じゃなくて、最近の話題を知っているかどうか、ちゃんと世間の流れを追っているかどうか、そのチェックです。 ********** **********皆様からの情報・ご指摘*****Y.S.さんに情報をいただきました。ありがとうございます。 利益相反ワーキンググループ報告書(H14.11 科学技術学術審議会 技術研究基盤部会 産学官連携推進委員会 利益相反ワーキンググループ)の「利益相反とは何か」の章に次のようにある。 「教職員が企業等との関係で有する利益や責務が大学における責任と衝突する状況も生じうる。このような状況がいわゆる「利益相反(conflict of interest)」といわれるものである。〜また、大学教職員が兼業する場合の兼業と本務との時間配分等の問題については、2つの「責務」が相反する問題、すなわち責務相反 (conflict of commitment)と呼ばれ、利益相反と区別して論じられることが多い。」 ********** 解答は(5) ※この試験は、問題そのものとは無関係の前文や数値などで引っ掛けよう 、あるいは時間を費やさせようとする「悪意」がよく見られます。  適性科目は特に前文が長いので、これを読む前にまず問題文を読むことをお勧めします。 ※なるほど、Yazawaさんありがとうございました。倫理に関する時事問題ですか。しかしそれでも前文は長すぎるような・・・・ 課題6:技術者倫理 7----------------------------------------------------------- データ捏造ほか A)・・・・× 完全な信用失墜行為。 B)・・・・× 李下に冠を正さず。 C)・・・・× 名称表示の場合の義務違反。 解答は(5) ※Bが迷うと思います。本人には公私混同はなかったわけですから。しかし、あらぬ誤解を避ける努力もまた必要ではないかと思います。 8----------------------------------------------------------- 守秘義務 (D)・・・・× 契約終了後も守秘義務が残っているよ。 (E)・・・・○ 公共の利益を守るためのやむをえない行動。 (F)・・・・× 明確な守秘義務違反。大株主かもしれないが、会社の経営陣ではない。 **********皆様からの情報・ご指摘*****Y.S.さんに情報をいただきました。ありがとうございます。 F:×(株のインサイダー取引をにおわす内容の設問であるが,要するに技術士Iは業務上知り得た秘密を第三者に話したということ。秘密保持義務違反。)(大株主は「会社の関係者であること」をにおわすためではなく「インサイダー取引の可能性」をにおわすためです。) ********** 解答は(4) ※問題はEですが、公共の利益を著しく損ねると判断されること、その報告に対してN建設が信義に反する行動をとったこと(契約というのは互いの信頼関係の上に成り立っているのです)、報告先が関係官庁でマスコミなどではなかったことから、技術士Hの行動は正しいと考えました。 課題7:企業倫理・企業責任 9----------------------------------------------------------- カネミ油症 掲示板での三連星さんはじめ皆さんの議論の結果、PCB製造企業および自治体に「責任あり」とするのが妥当なようです。 **********皆様からの情報・ご指摘*****Y.S.さんに情報をいただきました。ありがとうございます。 【 正解 1 】 Aが○であることは容易に想像がつくため,1か3か(すなわちCが○か×か)でまようことになると思う。しかし,この設問は 35年程前、すなわち昭和43年のカネミ油症事件を題材としている。この問題については様々な学説があるが、「社会的に認められている意見」、すなわち判例や通説を聞いているのである。あなたの意見を聞いているのではないことに注意すべきです。(倫理に基づいてどう考えるかではなく、客観的事実はどうであったかを聞いていると理解すべき。)この判例は次のとおりです。 A:○(PCBの危険性を十分に伝えず売り込んだ鐘化は責任を問われている。) B:×(鶏のダーク油事件による予見可能性について両論。) C:×(自治体の責任は一貫して否定されている。) ********** **********JMAM(日本能率協会マネジメントセンター)の正解推定(http://www.jmam.co.jp/tech/)では(1) 解答は(1) ※掲示板での議論内容をまとめました。こちら ※Y.S.さんにいただいた情報に基づき、正解案を(1)に変更しました。ありがとうございました。おっしゃるとおり、客観的事実で答えねばなりませんね。   10----------------------------------------------------------- 公務員汚職・穴埋め語句 読めばわかるとしか言いようがない。 解答は(2) ※これはむしろ国語の試験ではないかという気がします。 11----------------------------------------------------------- 公務員汚職・常識問題 (1)・・・・○ そのとおり。 (2)・・・・○ そのとおり。 (3)・・・・○ そのとおり。 (4)・・・・× そんなわけない。 (5)・・・・○ そのとおり。 解答は(4) ※まったくのサービス問題です。 課題9:製造責任 12----------------------------------------------------------- Pentium欠陥事件 (1)・・・・× 論外。 (2)・・・・× 声が大きいものが得をするってか? (3)・・・・× 売れなくなるよ。企業の信頼は地に落ちる。 (4)・・・・○ これが妥当です。 (5)・・・・× 「ラベルを見ずに買ったアナタが悪い」ということ?アプリケーションを特定してあるのか? 解答は(4) ※ちょっとまぎらわしいのは(5)ですね。 課題10:技術者倫理の発現 13----------------------------------------------------------- 技術者の役割 もうこれは読めばわかるとしていいようがない。常識度のテスト。 解答は(4) ※(3)と答える人もいるかもしれません。しかし、前文はいい文章ですね。わが意を得たりと思いました。 14----------------------------------------------------------- 発想のアドバイス これは意見が分かれるかもしれないが・・・・。 **********JMAM(日本能率協会マネジメントセンター)の正解推定(http://www.jmam.co.jp/tech/)では(2) 「依頼者が考えつかないような選択肢、考え方、あるいは学説を提供する責任がある。」 「依頼者が考えつかないような選択肢、考え方、あるいは価値観を提供する責任がある。」 この「考えつかない」は「知識がない」ということではなく、「発想できない」という意味ではないかと思います。 そして、そこに倫理を組み込むのですから、やはり学説でなく価値観ではないでしょうか。 JMAMもカッコ付で(3)を併記しています。 解答は(3) ※(2)という選択肢もあるかもしれませんが、文脈から素直に解釈しました。 課題11:内省の必要性 15----------------------------------------------------------- セクハラ? これはなんとも言えない。(5)はともかくとして、後は「あなたはどう思いますか?」という問題で、どれが正解というものではないような気がする。一番優等生的な答えは(4)だが・・・・。 **********皆様からの情報・ご指摘*****Y.S.さんに情報をいただきました。ありがとうございます。 セクハラで訴えられるのは一郎かもしれない。しかし、セクハラは広く社会全体の問題として捉えその背景をよく考えなくではならない。大学では恐らく教授や学生の深い理解によってそのような問題が起こらなかったのだろうが、職場では薫子は男性と戦わなければならなかったのである。桃介も職場の意識改革に取り組むべきである。 ********** 解答は(4) ※このような設問を択一で出すことには違和感を思えます。 ////////////////////////////////////////////////////////////////////// 技術士第一次試験 平成13年度 適性科目 解答案 平成13年度適性科目について、私なりに解答を出してみました。 解答案だけでは寂しいので、参考になるように、あるいは笑ってもらおうと思い、解答決定までのプロセスをそのまま書きました。 しかし、これで50点未満は取りようがないですね。とてつもなく非常識、あるいは偏った人間ではないことを一応確かめたというべきでしょうか。 課題1:技術士等の義務 1----------------------------------------------------------- 技術士等の義務 ざっと読めば、(3)以外はそのとおりだとわかる。 (1)・・・・○ 今の社会は科学技術社会である。 (2)・・・・○ そのとおり。 (3)・・・・× 倫理要綱を遵守することは当然で、その上で義務があるのであって、これを免れるのは「やむをえない理由」(緊急避難など)がある時のみである。倫理要綱と技術士の義務とは決してトレードオフの関係にあるのではない。 (4)・・・・○ ややひっかけくさいが、システムとしてではなく理念として「万国共通」という意味ととれる。 (5)・・・・○ そのとおり。 解答は(3) ※トレードオフ(二者択一)のような印象を与えるややこしい選択肢文だが、消去法で考えればOK。 2----------------------------------------------------------- 技術士のあるべき特質 (1)・・・・○ 会社の利益より公益を優先する。 (2)・・・・○ このあたりが文科省の考え方の根本。 (3)・・・・○ そのとおり。それゆえに技術的にも倫理的にも高度な資質が求められる。 (4)・・・・× これは人間の陥りやすい弱い面だが、それをできるだけ抑えないとダメ。 (5)・・・・○ そのとおり。名称表示義務にもつながる考え方。 解答は(4) ※非常にわかりやすい問題ですが、技術士法の理念(求めている人間像)を正確に理解することが大切です。 課題2:技術士としてふさわしい行動 3----------------------------------------------------------- A)・・・・× 公私の区別はきちんと。李下に冠をたださず。信用失墜行為になりますぞ。 B)・・・・× 個人的というのもいかんが、契約内容を明確にしないのも論外。あとでトラブったらどうするの。 C)・・・・○ 偉いな。なかなかできないぞ。 解答は(2) ※しっかり読んで答えるべきですが、時間がなければ最後の1文(最後から1つ前の「。」の後)だけ読めば、たいていは判断できます。常識を問う択一のテクニックです。 4----------------------------------------------------------- D)・・・・× こんな誤解を生むような言い方はいかん。名称表示義務違反。 E)・・・・○ 守秘義務にそむく「やむをえない理由」の例。公共の利益とトレードオフになったといえる。 F)・・・・○ あー、もったいない。って違うか。偉い。信用失墜行為になりかねないから。 解答は(2) ※Eは異論があるかもしれません。私はこういうトレードオフになったケースでは、何と何をはかりにかけているかで判断します。なお、これが「関係官庁に報告」ではなくて「マスコミに公表」だとちょっとむずかしくなります。 5----------------------------------------------------------- G)・・・・× 前述Eと逆。公共の利益より「忙しい」「面倒」「関係ない」を優先させている。 H)・・・・○ 受諾してしまうと、信用失墜行為のおそれ大いにあり。相手がアメリカだけに訴訟も十分あるな。 I)・・・・× こんなの捏造じゃないか。信用失墜もはなはだしい。 解答は(5) ※この問題は特に迷うところはないと思います。 課題3:技術者倫理(1) 6----------------------------------------------------------- 仮想倫理綱領 守るべき対象・・・・自然・地球環境、持続的発展。 同業者としての倫理・・・・所属組織にとらわれない。 葛藤対応・・・・「現在および・・・・健康に対する責任」を最優先。 自己啓発・・・・人類の持続的発展を目指す。「公衆、依頼者および・・・・誠実に業務を行う」 環境保全・・・・自然を尊重、など。 結局、(あ)〜(お)全部が入っている。 解答は(1) ※自己啓発が入っているかどうかは意見が分かれるところでしょう。 課題4:技術者倫理(2) 7----------------------------------------------------------- 倫理規定に沿った態度 ア)・・・・○ うん、偉い偉い。 イ)・・・・× 仕事してりゃいいってもんじゃないぞ。 ウ)・・・・× そういうせこいことしないの。 エ)・・・・○ よくできた人だねえ。 解答は(2) ※これは簡単なサービス問題ですね。 課題5:技術者倫理(3) 8----------------------------------------------------------- 伝統技術配慮その他 (1)・・・・× 生態系の維持って倫理規定にあるじゃない。 (2)・・・・× 同上。 (3)・・・・× もう少し押さないと。 (4)・・・・△ まあ仕方ないのかな。 (5)・・・・○ やりすぎと思う人もいるかもしれないが、これからはこれくらいする時代だよ。  解答は(5) ※無関心から徹底まで、だんだんヒートアップする選択肢です。(5)がやりすぎかどうかの判断ですね。ちょっと正解をつけにくい問題かも。 課題6:JCO 9----------------------------------------------------------- 穴埋め語句(1) これは作業の手順を書いてある。 解答は(2) ※各々の選択肢である規定等の意味がわかれば楽勝です。   10----------------------------------------------------------- 穴埋め語句(2) 読めばわかるとしか言いようがない。 解答は(5) ※これはむしろ国語の試験ではないかという気がします。 課題7:環境問題 11----------------------------------------------------------- 水俣病と予防原則 (1)・・・・○ 方向としては正しい。 (2)・・・・× 有害性の指摘者と予防原則の適用は別。 (3)・・・・○ そのとおり。 (4)・・・・○ 考え出したらいくらでも出てくるというやつ。 (5)・・・・○ そりゃそうだ。 解答は(2) ※○ではなく△をつける人もいるでしょう。しかし、予防原則の説明文を読んでいると、有明海のことを揶揄しているように思えて・・・・。 課題8:地球温暖化 12----------------------------------------------------------- 地球環境問題と国家間エゴ (1)・・・・× 「地球号」は1つしかない。それをやっちゃあおしまいよ。 (2)・・・・○ まあそのとおりです。(ちょっとこの人ずれてる?) (3)・・・・○ そういうアプローチは80年代からぐっと出てきましたね。 (4)・・・・○ そのとおりです。 (5)・・・・○ そのとおり。でも、それが通ったらエゴの張り合いになるよ。 解答は(1) ※ちょっとまぎらわしいのは(5)ですね。 課題9:製造物責任 13----------------------------------------------------------- 社会的信頼に基づく商品流通 もうこれは読めばわかるとしていいようがない。常識度のテスト。 性能や安全性も含めて社会に受け入れられた商品は売れて、それでない商品は淘汰の中で消えていく。市場主義の大原則。 解答は(3) ※常識度のテストです。迷うとすれば(1)と(4)しかありませんが、これらは文脈がおかしくなるのでわかるはずです。 14----------------------------------------------------------- 欠陥商品の流通 これも読めばわかる。中学程度の国語のテスト。 解答は(4) ※迷う選択肢はないはずです。 課題10:公共の利益 15----------------------------------------------------------- DC-10の事故 (1)・・・・○ そのとおり。 (2)・・・・× 時と場合による。 (3)・・・・○ それはそのとおりだ。 (4)・・・・○ そのとおり。いかなる場合も冷静沈着に。 (5)・・・・○ それは正しいが、安易にマスコミ公表したりすると誤った(あるいは偏った)情報が一人歩きするから注意が必要。 解答は(2) ※(3)と(5)にちょっとしたひっかけがありますが、ほとんど迷わない問題です。