技術士第一次試験 専門科目演習問題(道路) 最終更新:2004.09.19

 次の30問について、それぞれ正しい記述であれば○、誤った記述であれば×を解答欄に記入せよ。

  1. 道路には第一種道路、第二種道路、第三種道路および第四種道路がある。このうち第四種道路は都市部における一般道路で街路とも呼ばれており、日本の道路の大部分がこれに該当する。

  2. 第二種道路は都市部の高速道路・自動車専用道路であり、このうち高速道路以外のものは、都心部が一級、都心部以外が二級に分類される。

  3. 第一種道路・第二種道路・第三種一級道路は、往復方向に車線分離して中央帯を設けることとなっている。中央帯は分離帯と側帯から成り、その幅は1m〜4.5mまである。

  4. 第三種一級道路には、地方の幹線道路として景観上の配慮が必要であるとの考えから、原則として植樹帯を設けることとされている。

  5. 自転車歩行者道の幅員は自転車分と歩行者分を考えて3m以上とされているが、積雪寒冷地の冬期有効幅員は、自転車がほとんど通らないと考えられるので、自転車分の幅員は不要である。

  6. 自転車歩行者道の幅員は3m以上とされているが、第四種一級・二級道路は都市部で歩行者が多いと考えられるため、4m以上の幅員を確保することとなっている。

  7. 車道の建築限界高さは、設計車両高さ3.8mに余裕高を加えた4mとするが、オーバーレイやクリアランス減少が考えられる場合には、さらに余裕をみて4.5mを確保することが望ましい。

  8. 歩行車道の建築限界高さは2.5mとするが、自転車道歩行車道の建築限界高さは、自転車分を見込んで3.0mとする。

  9. 建築限界内に設置できるのは、信号機・証明施設など脱着が可能なものだけである。

  10. わが国の道路の設計速度は、最高120km/hである。

  11. 曲線部の片勾配は、制限速度を超過して走行する車両があることを考慮して、できるだけ大きめに設定することが望ましい。

  12. 曲線部には片勾配を設けるが、第四種道路では、状況によっては勾配を設けないこともできる。

  13. 交通量調査には種々の方法があるが、自動車起終点調査(OD調査)は、通行車両の出発点と到着点のみに調査内容を絞り、交通の内容を単純化してとらえようとするものである。

  14. 基本交通容量とは、道路条件・交通条件が基本的な条件を満たしている道路での交通容量で、我が国の多車線道路では、一般に2200pcu/時/車線を用いる。実際の設計に際しては、道路条件・交通条件に対象道路の現実の条件を当てはめ、基本交通容量を補正した設計交通容量を用いる。

  15. 地方部において通過幹線道路とその他の道路を比較すると、通過幹線道路の方が昼夜率が高くなるのが一般的である。

  16. 2つの同方向の曲線が近接している場合、曲線が連続すると運転者の疲労・錯覚を誘うため、たとえ短くとも直線を間に入れることが望ましい。

  17. 道路線形は、平面線形と縦断線形による立体的な組合せにより考えねばならない。

  18. K値は往復合計の交通量に対する重方向の割合、D値は年平均交通量に対する30番目時間交通量の割合であり、都市部より地方部のほうが高い値を示す。

  19. アスファルト舗装は、道路表面に瀝青材料を使用し、交通荷重を下層に均等に伝達して支持する剛性舗装である。

  20. アスファルト舗装道路の構造は、表面から表層・基層・路盤・路床・路体となっており、このうち表層から路盤までを舗装という。

  21. 道路の設計CBRは、路床(約1mの厚さ)における支持力比をいう。

  22. アスファルト舗装のうち表層の役割は、路盤の不陸を整正するとともに荷重を路盤に均一に伝達することである。

  23. 亀甲状のひびわれが路面にできた場合、表層・基層に限定された変形・劣化が原因と考えられるので、オーバーレイ補修が有効である。

  24. 排水性舗装は、路面より雨水が迅速に排水され、雨天時の事故防止に効果があるだけでなく、道路交通騒音を軽減する効果もある。

  25. ITS(高度道路交通システム)とは、情報通信技術を用いて高度な道路利用、運転・歩行負荷軽減により、安全性・輸送効率・快適性を向上させるものであり、ETC(ノンストップ自動料金支払いシステム)、AHS(走向支援道路システム)、歩行者ITS(注意喚起・周辺情報提供・経路案内など)、ASV(先進安全自動車)といったものがある。

  26. OD調査でよく用いられるのは、調査員が路側で自動車を停止させ直接質問する方法と調査員が車の所有者を訪問して面接によって調査する方法があり、前者は地方部の幹線道路、後者は都市圏での調査に用いられる。この方法はパーソントリップ調査でも用いられる。

  27. 四段階推定法とは、経済指標、分布交通量、発生交通量、配分交通量の順で推定していく方法で、OD表が活用される。

  28. 設計時間交通量は、計画交通量×K値/100、あるいは計画交通量×K/100×D/100なる式で求めることができる。

  29. 道路の設計にあたっては、第1種、第2種および第3種1級の幹線道路では、セミトレーラが円滑に走行できるよう考慮する必要がある。

  30. 路肩の機能の1つは、車道・歩道・自転車道または自転車歩行車道に接続して、道路の主要構造部を保護することである。

<正解>

  1. ×
    「日本の道路の大部分がこれに該当」は第三種道路である。その他の記述はそのとおり。

  2. ×
    一級と二級が逆である。


  3. そのとおり。

  4. ×
    原則として植樹帯を設けるのは四種一級および四種二級道路であり、都市部の幹線道路で、自転車・歩行者も多いので景観上の配慮が必要であるという考えに基づいている。


  5. そのとおり。

  6. そのとおり。

  7. ×
    建築限界高さは設計車両高さ3.8m+余裕高で4.5m。オーバーレイなどが考えられる場合は4.7m確保が望ましい。建築限界高さ4.0mは、第三種五級・第四種四級の特例。

  8. ×
    自転車道、自転車歩行者道、歩行者道とも建築限界高さは2.5mである。

  9. ×
    建築限界内には、橋台・照明施設・信号機・街路樹・電柱・防護柵などの施設は設置してはいけない。


  10. そのとおり。

  11. ×
    片勾配を大きくとりすぎると、速度の遅い車両には曲線の内側に向かう力が働くので、危険である。

  12. そのとおり。

  13. ×
    交通量・起終点・運行目的・積載品目・貨物量・乗車人数などの交通の内容を多面的にとらえることを目的とした調査である。

  14. ×
    記述の内容は可能交通容量である。設計交通容量は、可能交通容量に各計画における交通量・交通容量比を乗じたものである。


  15. そのとおり。夜間交通量があまり減少しないため、24時間交通量÷昼間12時間交通量が大きくなる。

  16. ×
    同方向の曲線の間に短い直線を入れると、逆方向に曲がっているような錯覚を起こしやすくなるので、適当でない。


  17. そのとおり。

  18. ×
    K値とD値の内容が逆である。地方部のほうが高い値を示すことは正しい。

  19. ×
    アスファルト舗装は、たわみ性舗装である。


  20. そのとおり。


  21. そのとおり。

  22. ×
    記述の内容は基層の役割である。

  23. ×
    支持力不足などの構造上の問題があると思われるので、オーバーレイ補修では不適当である。


  24. そのとおり。排水性舗装については、騒音軽減という副次的効果を知っているかどうかを確認する問題が予想されます。


  25. そのとおり。


  26. そのとおり。

  27. ×
    経済指標、発生交通量、分布交通量、配分交通量の順で推定していく。


  28. そのとおり。

  29. ×
    第1種、第2種、第3種1級だけでなく、第4種1級の幹線道路でもセミトレーラの円滑走行に配慮する必要がある。

  30. そのとおり。