技術士第一次試験 模擬試験 −専門科目− 専門科目の模擬試験を作ってみましたので、挑戦してみてください。
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 次の30問から25問を選択して問いに答えよ。

  1. 次の記述のうち、誤っているものはどれか。

    (1) コンシステンシー指数がゼロということは、液性限界WLと含水比Wnが等しいということである。

    (2) 一般に砂質土は排水性がよいので、三軸圧縮試験はUU試験を行うのが適切である。

    (3) 土の間隙比eは、土粒子間の間隙の体積を、土粒子の体積で除したものである。したがって、e>1となることもある。

    (4) 土の含水比Wnは、土中の水の重量を土粒子の重量で除して%表示したものである。したがって、Wn>100%となることもある。

    (5) 土の一次圧密において、圧力P<圧密降伏応力pcである領域を「過圧密領域」、P>pcである領域を「正規圧密領域」という。



  2. 次の記述のうちで、正しいものはどれか。

    (1) 杭の支持力計算を行う場合、杭先端の支持力とともに、杭周面に働く摩擦力も加算する必要がある。

    (2) Terzaghiの静力公式は、計算要素として土の内部摩擦角φが入っておらず、φの値には無関係である。

    (3) 粘性土地盤上に盛土を行う場合、土の塑性変形を抑えるため、できるだけ短期間で盛土を行うことが望ましい。


    (4) 簡便法円弧すべり計算において、有効応力法では一般的に間隙水圧を見込むことはない。

    (5) ヒービングの計算にあたっては、粘性土の変形係数が重要な計算要素となる。


  3. 次の記述のうちで誤っているものはどれか。

    (1) 段階盛土は、盛土を何回かに分けて少しずつ築造するもので、各段階の盛土荷重による圧密強度増加に期待し、徐々に土の強度を上げながら盛土を築造する方法である。

    (2) 深層混合処理工法は、土中にセメントや石灰の粉体やスラリーを高速噴射して改良体を作っていく工法である。これにより、沈下を抑止するだけでなく、すべり破壊の抑止効果も期待できる。

    (3) バイブロフローテーション工法は、振動により土を締め固める工法である。粘性土には適用できないが、緩い砂質土に対しては強度増加・支持力確保とともに、液状化防止効果も期待できる。

    (4) サンドコンパクションパイル工法は、軟弱地盤中に砂を圧入して砂杭を作る工法である。砂質土には効果がないが、粘性土に対しては、砂杭の支持力・せん断力とともに、砂杭が粘性土を締め付けるとともにドレーン効果を果たすため、粘性土の強度増加も期待できる。

    (5) バーチカルドレーン工法は、土中の間隙水を排水して沈下を促進し、早期に圧密強度増加を生じさせる工法である。サーチャージ工法など載荷重を加える工法と併用すると効果が高い。



  4. 次の記述のうちで誤っているものはどれか。

    (1) 鋼構造物で問題になる破壊形態の1つに疲労破壊(高サイクル疲労破壊)がある。これは、降伏応力より小さい応力であっても、繰り返し載荷により生じることがある破壊である。

    (2) 疲労破壊は、材質の部分変化や応力集中、加工時の欠陥などが疲労により成長して破壊に至るとされている。

    (3) 材料の検査方法の1つにアコースティックエミッション(AE)法がある。これは、材料の亀裂発生や破壊に伴って弾性波(振動や音)が発生するのを利用した検査方法で、欠陥検出や強度推定などの材料評価などに用いられている。

    (4) 材料を引っ張り破壊させる時に、材料に小さな切り欠き傷があると、応力がそこに集中するため、傷のところで大きく伸びるように変形した後に破壊する。

    (5) 磁粉探傷法は、材料の内部にあって表面からは見えない傷も検出できる非破壊検査方法である。


  5. 次の記述のうちで正しいものはどれか。

    (1) セメント水比(C/W)とは、コンクリート中のセメントと水の質量比で、一般にコンクリートの圧縮強度との間に比例関係がある。

    (2) フレッシュコンクリートとは、練り混ぜられてから型枠に流し込まれるまでのコンクリートをいう。

    (3) AE剤を混和剤として使用すると、コンクリート中に多数の微細な独立した空気泡(エントラップトエアー)を一様に分布させて、ワーカビリティーを向上させることができる。

    (4) スランプとはフレッシュコンクリートの変形または流動に対する抵抗性を示す指標で、ワーカビリティーの判定材料として有効である。

    (5) アルカリ骨材反応が重大な問題として認識されるようになってから、低アルカリ型セメントの製造量が著しく多くなり、セメントの大部分を占めるようになった。


  6. 次の文章の(ア)〜(エ)に入る正しい言葉の組合せを選べ。

    アルカリ骨材反応とは、コンクリートやモルタル中に含まれるアルカリ成分(ナトリウムと(ア)が主)が反応性骨材(岩石中の鉱物)と長期にわたって化学反応を起こし、コンクリートやモルタルに有害な(イ)を生ずる反応をいう。骨材の主成分によって、アルカリ・シリカ反応とアルカリ・炭酸塩反応に分類されるが、我が国において主に見られるのは(ウ)である。アルカリ骨材反応を抑制するには、(1)安全と認められた骨材の使用、(2)低アルカリ型セメントの使用、(3)(エ)のような抑制効果のある混合セメントの使用、(4)コンクリート中の総アルカリ量の抑制などがある。

    (1) カリウム 腐食 アルカリ・シリカ反応 高炉セメントB種
    (2) カルシウム 腐食 アルカリ・炭酸塩反応 高炉セメントB種
    (3) カリウム 腐食 アルカリ・炭酸塩反応 ポルトランドセメント
    (4) カリウム 膨張 アルカリ・シリカ反応 高炉セメントB種
    (5) カルシウム 膨張 アルカリ・シリカ反応 ポルトランドセメント


  7. 次の記述のうちで正しいものはどれか。

    (1) すべての都市計画において、都道府県知事は「線引き」と呼ばれる区域分けを行い、市町村長は「色塗り」と呼ばれる用途指定を行う。

    (2) 都市計画区域指定時に都道府県知事は、国土交通大臣・関係市町村および都市計画地方審議会の意見を聞く必要がある。

    (3) 美観地区は都市計画区域内において、市街地の美観を維持するため、都道府県条例で定めるものである。

    (4) 開発許可は、市街化区域においては1,000m
    2以上の面積規模のものは許可が必要であるが、市街化調整区域においては面積に関係なく許可が必要である。

    (5) 都市計画区域における許可開発行為は、計画の変更(軽微なものを除く)および開発の廃止は知事の許可が必要である。また土地の譲渡は知事の承認が必要である。



  8. 次の記述のうちで正しいものはどれか。

    (1) 都市計画区域は、複数の市町村にまたがって指定することもできる。さらに、都道府県にまたがった指定もできるが、この場合は国土交通大臣が関係都道府県知事の同意を得た上で指定する。

    (2) 都市計画には、道路、公園等の都市施設のうち当該都市計画区域内において必要なものを定めるが、特に必要があれば当該都市計画区域外にも定めることができる。

    (3) 都道府県は、都市計画区域を指定しようとするときは、関係市町村および都道府県都市計画審議会の意見を聴くとともに、国土交通大臣の認可を受けなければならない。

    (4) 都市計画は、商工業との健全な調和を図りつつ、健康で文化的な都市生活及び機能的な都市活動を確保すべき」ことを基本理念として定めるものである。

    (5) 準都市計画区域についての都市計画では、必ず、用途地域、特別用途地区、特定用途制限地域、高度地区、美観地区、風致地区、伝統的建造物群保存地区を定めなければならない。


  9. 次の記述のうちで誤っているものはどれか。

    (1) 土地区画整理組合の認可を申請しようとする者は、施行地区となるべき区域内の宅地について所有権・借地権を有するすべての者のそれぞれ3分の2以上の同意を得なければならない。

    (2) 都市計画区域外であり、かつ準都市計画区域外であっても、開発行為を行う区域の面積が10,000 平方メートル以上のものについては、都道府県知事の許可を受けなければならない。

    (3) 医療施設又は社会福祉施設の建築の用に供する目的で行う開発行為は、市街化調整区域内におけるものであっても、その規模の大小を問わず、開発許可を受けることなく、行うことができる。

    (4) 都市計画施設の区域内において建築物の建築をしようとする者は、原則として都道府県知事の許可を受けなければならない。

    (5) 市街地開発事業は、市街化区域および市街化調整区域において、一体的に開発し、又は整備する必要がある土地の区域について定めるものである。



  10. 次の記述のうちで正しいものはどれか。

    (1) 河川保全区域とは、河川区域に隣接し、原則として境界から100mを超えない範囲で、土地掘削・工作物新築等について許可が必要である。

    (2) 二級河川では流水占用、土地占用、土石等採取について、一級河川ではそれらに加えて工作物新築改築除去、土地掘削・盛土切土について許可が必要である。

    (3) 都市部などにおける河川拡幅が困難な河川は、河川区域を地下または空間まで指定することができる。

    (4) 堰・床止工周辺は流れが乱れ、堤防侵食の危険性が多くなるので、必要に応じて護岸を設置する必要がある。

    (5) 水流は、自然河川での流れは等流となるが、人工的に整備された水路では不等流となる。



  11. 次の記述のうちで誤っているものはどれとどれか。

    (ア) アーチ式コンクリートダムは、谷幅が狭く、強固な岩盤基礎が確保できる箇所に適しており、設計における基本的仮定は三次元弾性体として解析を行う。

    (イ) 重力式コンクリートダムは、ダム堤体の自重により水圧などの外力に耐えるように設計されたものであるため、高角度の断層や弱層に注意が必要である。

    (ウ) フィルダムは、基礎強さの制約は少なく砂礫基礎などでもよいが、遮水性・せん断強さ・パイピング抵抗性が要求される。

    (エ) フィルダムは、遮水構造によって、ゾーン型・均一型・中心遮水型に分けられる。

    (オ) 有効貯水容量に堆砂容量を加えると総貯水容量になる。



    (1) アのみ    (2) アとイ    (3) イとエ    (4) エとオ    (5) オのみ


  12. 次の記述のうちで正しいものはどれか。

    (1) 土石流対策として砂防ダムがある。砂防ダムは透過型ダムと不透過型ダムに分類されるが、透過型ダムは堆砂によって河床勾配を緩くし、勢いを弱めた土製流を通過させるものであり、不透過型ダムはスリットなどによって大きな土石の流下を阻止するものである。

    (2) 地すべりにおいては、一般に頭部付近が圧縮、末端部付近が引張りの力が地表面付近の土塊に働く。

    (3) 地すべりの安定解析においては、室内・原位置せん断試験によって得たせん断強度を用いて、地すべりの安全率を計算するのが一般的な手法である。

    (4) 地すべり対策は一般に抑制工と抑止工に分類されるが、まず地下水排除工などの抑制工から検討し、これでは安定の確保が難しい場合に抑止工の検討を行うという手順をとることが多い。

    (5) 津波対策計画の潮位は、東京湾平均潮位をとるのが一般的である。


  13. 次の記述のうち、誤っているものはどれか選べ。

    (1) 波の屈折は、波の進行方向などが海底の地形に影響されて変化する現象で、進行速度の差によって生じる。

    (2) 港内伝達波とは、港外波浪が外郭施設を越えて、または透過して港内へ伝達する波浪のことである。

    (3) 直立堤には、ケーソン式・ブロック式・セルラーブロック式などがあり、直立壁に作用する最大波力や揚圧力は合田式で算定する。

    (4) 直立堤の短所には、基礎に作用する底面反力が大きく波や流れによる洗掘の恐れがあること、維持修理が少ない反面で破壊されると大きな災害を受けることなどがある。

    (5)傾斜堤は、地盤形状に応じた施工ができ、比較的軟弱な地盤にも適用できるという長所がある反面、反射波が大きく付近の海面を乱すという欠点がある。



  14. 次の文章の(ア)〜(ウ)に入る正しい言葉の組合せを選べ。

     浚渫船には、主としてドラグサクション船、バケット船、(ア)浚渫船、グラブ浚渫船の4種類がある。ドラグサクション船は自航ポンプ船と土運船をあわせたようなものであり、その特徴からたとえば(イ)の浚渫に適する。またバケット船は船体中央にラダーがあって、そこに連結された多数のバケットが回転しながら海底土砂を吸い上げる形式で、大規模浚渫に適している。これに対してグラブ浚渫船は(ウ)地盤の浚渫に適している。

    (1) ホッパ 航路 軟質
    (2) ポンプ 航路 硬質
    (3) ラダー 航路 軟質
    (4) ポンプ 埋立工事 硬質
    (5) ホッパ 埋立工事 軟質


  15. 次の記述のうち、誤っているものはどれか選べ。

    (1) 揚水式水力発電は、昼間の需要ピークに対応することを目的としている。

    (2) 設計洪水流量は、フィルダムの設計に用いる量のほうがコンクリートダムの設計に用いる量よりも多い。

    (3) 貯水池式水力発電所の常時使用水量とは、1年間のうち355日はこれを下回ることのない水量をいう。

    (4) 火力発電所に置いて発生する二酸化炭素量は、石炭>石油>天然ガスである。

    (5) 引火点が低くない液体を貯蔵する場合、防油堤の容量は、タンク容量の110%以上を確保する必要がある。



  16. 次の記述のうち、誤っているものはどれか。

    (1) フライアッシュは火力発電所で微粉炭を燃焼する際に副産され、混和材やフライアッシュセメントとして用いられる。良質なフライアッシュを使用すれば、単位水量低減、ワーカビリティー改善、水和発熱量低下、長期強度および耐久性の増進など多くの効果があり、ダムコンクリートなどのマスコンクリートに利用されてきた。

    (2) 我が国の原子力発電は軽水炉であるが、これは減速材や冷却材に普通の水を使用するものである。

    (3) 風力発電は、1973年のオイルショック以降、石油代替エネルギーとしてアメリカ、カナダなど世界で脚光を浴びたが、風のエネルギー密度が小さいことやエネルギー変動の大きいという短所がある。また、日本においては風力発電に適した場所の気象条件が厳しく、耐久性や信頼性などが課題になっている。

    (4) 燃料電池発電の中でも、リン酸型燃料電池はすでに一部で実用化されている。本格的な実用化のためには、コスト低減、信頼性の向上、長寿命化などが課題となっている。

    (5) 太陽光発電は、エネルギー源が枯渇する心配がないとともにCO2発生もないクリーンエネルギーである。我が国では先進諸国に比較して導入はまだ進んでいないが、分散型電源としての利用が広がりつつある。



  17. 次の(ア)〜(ウ)の記述の正誤を正しく組み合わせたものはどれか。

    (ア) 交通バリアフリー法では、車両、公共交通施設、および公共交通施設を中心とした一定地区における駅前広場、道路、信号機などのバリアフリー化を、道路管理者が定めた基本構想に沿って進めていくこととしている。

    (イ) ロードプライシングとは、混雑地域や混雑時間帯の道路利用に対して、課金により大量公共交通機関の利用促進や時間の平準化を図るTDM手法である。

    (ウ) ITSとは、車利用者の交通行動の変更を促すことにより、都市または地域レベルの道路交通混雑を緩和する手法の体系のことである。


    (1) ○×○    (2) ××○    (3) ○○×    (4) ×○×    (5) ○××


  18. 次の記述の中で、正しいものはどれか。

    (1) 道路幅員は道路の種級によって決められているが、交通状況・地形により、特例として0.5mの増減が可能なものもある。

    (2) 2種3級道路は、原則として道路幅員は3.0mである。

    (3) 1種道路および2種道路は、1級および2級道路について、分離帯と側帯からなる中央帯を設けることとなっている。

    (4) 4種道路には、原則として植樹帯を設けることとされている。

    (5) 積雪寒冷地の冬期は自転車がほとんど通らないので、自転車歩行者道の冬期有効幅については、自転車分の幅員は不要である。



  19. 以下の(ア)〜(エ)の記述の中で、正しいものはいくつあるか選べ。

    (ア) 設計速度は、最高100km/hである。

    (イ) 3種5級および4種4級道路では、特例として曲線部に片勾配を設けないことができる。

    (ウ) K値は往復合計の交通量に対する重方向の割合、D値は年平均交通量に対する30番目時間交通量の割合で、時間・方向のばらつきの目安である。

    (エ) 下層路盤は、砕石等強度の大きい良質な材料を用いて、粒度調整・瀝青安定処理・セメント石灰安定処理工法などにより施工するのが一般的である。



    (1) 0個    (2) 1個    (3) 2個    (4) 3個    (5) 4個


  20. 鉄道に関する以下の記述の中で、誤っているものを選べ。

    (1) ロングレールの利点として、継ぎ目部における衝撃が大幅に緩和され、線路状態の改善、保守量低減、騒音・振動軽減に効果があることがあげられる。

    (2) 緩和曲線の中に分岐器を設ける場合には、列車最高速度およびカントなどにも十分な注意が必要である。

    (3) PC枕木は木枕木に比べて耐用年数が長いので保守が軽減できる。また道床抵抗も大きいのでロングレールに対応できる。

    (4) 脱線には、飛び上がり脱線、乗り上がり脱線、すべり上がり脱線があるが、最も多いのは乗り上がり脱線である。

    (5) 四段階推進法とは、計画された交通量推計を、発生・集中交通量推計、分布交通量推計、機関分担交通量推計、配分交通量推計の4つの段階で行うものである。



  21. 鉄道に関する以下の記述の中で、誤っているものを選べ。

    (1) トランジットモールとは、一般車の通行を制限し、バス・タクシー・路面電車等の公共交通機関のみ通行できる歩行者専用道のことである。

    (2) シームレス化(乗り継ぎ円滑化)には、ハード面とソフト面がある。ハード面としては相互直通運転、同一ホーム、同一方向乗換化などが、ソフト面としてはプリペイドカードなどのカード乗車券の導入などがある。

    (3) アタック角とは、曲線を走行するときに車輪のレールに対して持つ角度であり、車輪のフランジがレールに接触しながら走る。ここでの引っかかりは乗り上がり脱線の原因となるため、内側レールのゲージコーナーに油を塗ってすべりを良くするなどの対策がとられる。

    (4) 本線における曲線の最小半径は、地形等でやむをえない場合は160mにできる。

    (5) カントは、緩和曲線があればその全長について、なければ円曲線端からカント値の400倍以上の直線部において逓減する。



  22. 次の記述のうち、誤っているものを選べ。

    (1) 泥水式密閉型シールド工法は、泥水を送り切羽の安定を図るとともに、泥水を循環させることにより掘削土砂の流体輸送を行うものである。

    (2) 開放型シールドは、切羽の自立が前提となるので、軟弱地盤などの場合は、圧気工法や薬液注入工法といった補助工法を用いることがある。

    (3) シールド工法の圧気工法において、切羽での圧力は基本的に偏在しない。

    (4) シールド工法の圧気工法において、粘性土層は間隙比が大きいため、漏気のため圧気効果があまり期待できない。

    (5) シールド工法のトンネル断面は、円形だけでなく、半円・複縁・楕円・矩形などの断面形状も施工可能である。ただし、断面形状を途中で変更することは一般に困難である。



  23. 次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。

    (ア) ベンチカット工法は、ベンチ長さによりロングベンチ(地山が安定しているときに適用)とショートベンチ(広範囲の地山条件に適用)に細分されるが、地山条件の変化に対する順応性が悪いのが欠点である。

    (イ) NATM工法は、ロックボルトと吹付けコンクリートで地山変形を制御する支保方式で、山岳トンネルの標準工法となっている。

    (ウ) NATM工法においては、ロックボルトの縫付け効果・はり形成効果・内圧効果およびアーチ形成効果により地山の安定を図り、吹き付けコンクリートにより風化の進行および岩塊の脱落を防ぐ。

    (エ) NATM工法では、掘削、吹き付け(一次覆工)、ロックボルト打設、二次覆工と連続して施工しながら掘り進むので、地山のゆるみが少ないのが特徴である。

    (1) 0個    (2) 1個    (3) 2個    (4) 3個    (5) 4個


  24. 次の記述のうち、誤っているものを選べ。

    (1) 開削工法の1つであるアイランド工法は、まず中央部分を掘削・築造し、これを利用して土留め支保の後、側部を掘削・築造するものである。

    (2) 沈埋工法のメリットの1つとして、沈埋されるトンネル本体に浮力が働いて見かけ比重が小さくなるため、支持力の小さい軟弱地盤でも施工できることがある。

    (3) 推進工法は刃口推進工法、密閉型推進工法、小口径管推進工法の3工法に大分類され、一般に巨礫・玉石地盤に強い。

    (4) 大深度地下法は、首都圏の既成市街地又は近郊整備地帯の区域内の市区町村、近畿圏の規制都市区域又は近郊整備区域内の市町村および中部圏の都市整備区域内の市町村にのみ適用される。

    (5) 大深度地下法では、事業者は、事業区域を使用する権利を取得し、土地所有者には行為制限がかかる。


  25. 次の(ア)〜(エ)の中に入る語句を正しく組み合わせたものはどれか。

    ●壁状に掘削した溝に鉄筋かごを建て込み、現場打ちコンクリートで構築した連続土留め壁を(ア)という。

    ●砂質地盤で、掘削部と周囲の水位差が大きい場合、上向き浸透圧が土の重量より大きくなって、掘削底面で砂粒子が沸騰したように湧き上がる現象をボイリングという。対策としては、
    (イ)ことなどが適当である。

    ●掘削底面が難透水層で、その直下に被圧帯水層がある場合に、被圧水圧により掘削底面が浮き上がる現象を
    (ウ)という。

    ●土留め設計手法として、土留め壁を有限長弾性ばり、地盤を弾塑性床、支保工を弾性支承とする(エ)がある。


    (1) 地中連続壁 釜場排水で湧水を排水する 盤ぶくれ 弾塑性法
    (2) 柱列式連続壁 矢板などの土留め壁の根入れを深くする ヒービング 有限要素法
    (3) 地中連続壁 釜場排水で湧水を排水する ヒービング 弾塑性法
    (4) 柱列式連続壁 釜場排水で湧水を排水する 盤ぶくれ 有限要素法
    (5) 地中連続壁 矢板などの土留め壁の根入れを深くする 盤ぶくれ 弾塑性法


  26. 次の記述のうち、正しいものを選べ。

    (1) 廃棄物は産業廃棄物と一般廃棄物に分けられる。産業廃棄物には19種類あり、安定型・管理型・特別管理の各産業廃棄物に細分される。

    (2) 安定型産業廃棄物は、安定5品目と呼ばれる限定された廃棄物のみ処分可能で、有害物質の溶出はないため、原則として遮水シートを敷設す
    る義務はない。

    (3) 事務所で使っていた電卓の電池は、特別管理産業廃棄物として処分する。

    (4) 産業廃棄物のうち特に注意が必要な特別管理産業廃棄物ぎ限り、排出者が責任をもって最終処分まで確認するため、マニュフェスト制度が適用される。

    (5) 建設リサイクル法は、対象工事において、分別解体等に伴って生じた特定建設資材廃棄物について、再資源化の実施を奨励した法律である。


  27. 工程管理に関する次の文章の(ア)〜(エ)に入る最も適当な語句の組み合わせを選べ。

     アローダイアグラムは(ア)ともいい、アメリカ海軍がミサイルの開発計画を実施するために日程計画の手法として開発したものである。プロジェクトの作業日程や作業時間を図で表わしたものであり、プロジェクトの(イ)に使用される。
     各経路における余裕時間の合計を(ウ)というが、この(ウ)がゼロである経路、すなわち作業に余裕がない経路のことを「クリティカルパス」という。クリティカルパス上の作業が遅れると、プロジェクトが予定どおり終らなくなる。したがって、プロジェクトに大きな影響を与える経路であり、重点的に管理する必要がある作業といえる。クリティカルパスを別の表現をすると、日数の(エ)経路と言うこともできる。

    (1) PERT 日程管理 フリーフロート 一番長い
    (2) CPM 日程管理 トータルフロート 一番短い
    (3) PERT 人的管理 フリーフロート 一番短い
    (4) PERT 日程管理 トータルフロート 一番長い
    (5) CPM 人的管理 フリーフロート 一番長い


  28. 環境影響評価法に関する次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。

    (ア) 環境影響評価法に定める第二種事業を行おうとする事業者は、国に対して届出きを行い、国は環境影響評価法に準拠した環境影響評価を行うかどうかを判定する。この手続きをスクリーニング手続きという。

    (イ) 環境影響評価法に準拠した環境影響評価を行う場合、事業者はまず住民や都道府県・市町村の意見を聞き、これに配慮して方法書を作成する。

    (ウ) 埋立面積30haの公有水面埋立事業は、環境影響評価法に定める第1種・第2種事業にはあたらないため、環境影響評価を行う必要はない。

    (エ) 環境影響評価法では、環境影響評価を行う項目や手法などは特に定めておらず、知事と住民意見を聞いて、事業者または都市計画決定権者が選定するオーダーメイド方式となっている。


    (1) 0個    (2) 1個    (3) 2個    (4) 3個    (5) 4個


  29. 次の記述のうち、誤っているものを選べ。

    (1) 水質汚濁防止法では、特定排水施設に排水基準がかけられている。知事は、水域を類型指定するとともに、排水基準をさらに厳しくした上乗せ排水基準を定めることができる。

    (2) 騒音レベルには等価騒音レベルと時間率騒音レベルがあるが、特定工場騒音の規制値は時間率騒音レベルで定められている。

    (3) 環境基本法では、大気汚染や水質汚濁、騒音に係る環境基準が定められているが、振動に係る環境基準は定められていない。

    (4) 公共用水域の水質に係る環境基準は、「健康項目」と呼ばれる六価クロム、PCB、鉛、亜鉛、砒素、水銀、銅などの有害重金属類と、「生活環境項目」と呼ばれるBOD、COD、SS、pH、DO、大腸菌群数、有機塩素化合物などについて定められている。

    (5) ダイオキシン類による大気の汚染、水質の汚濁、土壌の汚染に係る環境基準は、「ダイオキシン類対策特別措置法」の規定に基づき定められている。



  30. 地球温暖化に関する次の文章の(ア)〜(エ)に入る最も適当な語句の組み合わせを選べ。

    地球温暖化は、人間の排出する(ア)が大気中に蓄積・長期間滞留することが原因であり、温室効果ガスが太陽照射で暖められた地表から出る赤外線を吸収し、大気圏内に熱エネルギーとして蓄積することによって気温が上昇するとされている。
    地球温暖化により具体的に現れる問題点は3点ある。1つめは海面上昇、2つめは
    (イ)、3つめは(ウ)である。
    また、標高の低い国・農業国や食料難の国・砂漠の多い国では、影響が大きく困窮する国も出てくるものと思われ、この点において地球温暖化問題は
    (エ)でもある。

    (1) フロンガス オゾンホール 生態系破壊 南北問題
    (2) 温室効果ガス オゾンホール 森林破壊 社会問題
    (3) 温室効果ガス 異常気象 生態系破壊 南北問題
    (4) フロンガス 異常気象 森林破壊 社会問題
    (5) 温室効果ガス 異常気象 生態系破壊 社会問題