口頭試験対策 口頭試問 最終更新:2010.11.11 Top Page

=CONTENTS=
1.口頭試験の内容 5.試験準備
 口頭試験の位置づけ  試験当日までにしておくこと
 評価事項と配点  試験当日の心得
 合格基準は?
 どうやって採点している? 6.総合技術監理部門について
 お勧めする口頭試験対策
2.口頭試験対策
 技術的体験論文が最大のヤマ! 7.参考資料
 経歴記載業務の肉付けをしっかりと  試験会場
 基礎知識問題の準備をしっかりと  携帯電話版の紹介
 筆記答案のフォローを忘れずに
 「よくある質問」に対する準備を万全に
 口頭試験は避難訓練
 丸暗記はダメ
3.よく出る質問と回答例
【コラム】
4.トピックについて 筆記の成績が悪いと口頭試験は不利?
 最近1年間のトピック 内部告発が正当化される条件は?
 近年の教唆に富んだトピック 遅い日程・時間の受験者は成績が低い?
 教科書的トピック 3義務2責務や倫理を聞かれなかったら不合格?

1.口頭試験の内容

●口頭試験の位置づけ

技術士試験は、次の3段階で行われる試験です。

 (1) 書類審査
要は受験資格の審査です。
この段階で審査されるのは、「指導技術士・監督技術者の下で4年の修習を経たか」あるいは「科学技術に関わる業務に7年間従事したか」といった内容であり、またあくまで願書に記載された内容での審査です。よってここで落ちることはほとんどありません。
この過程をクリアすれば、受験票が発行されます。

 (2) 筆記試験
技術力が確認されます。確認事項は、受験部門に関する論理的考察力と課題解決能力、専門分野における専門知識と応用能力です。

 (3) 口頭試験
ここでは、経歴や技術力の確認と、技術士としての適性、すなわち技術士法を理解し、技術士法が求める資質を備えているか、ということが確認されます。

【ポイント】
口頭試験では、経歴と技術力については、それがウソであったことがバレた場合を除き、受験審査や筆記試験の結果が覆ることは基本的にありません。
それらについては「確認済み」ですから、自信を持って臨んでください。


●評価事項と配点

口頭試験では、下記の事項について確認されます。

 (1) 経歴および応用能力
  • 概要
    受験願書に付けた経歴票技術的体験論文に関して、説明を求めるとともに質問がなされ、経歴とこれに伴う応用能力を確認します。
  • 主な質問
    経歴の説明/技術的体験論文の説明と問答/受験動機/合格後の抱負/これまでの不合格理由/合格時の組織内待遇
  • ポイント
    • 技術的体験論文についておそらく説明を求められ、相応の時間が与えられます。
      よいプレゼンができるか内容を理解してもらい、問題解決内容について評価してもらえるか)が勝負です。(そのためには、プレゼンを意識した技術的体験論文が書けているかどうかが重要です)
      この技術的体験論文評価が口頭試験の最大のヤマになります。
    • 経歴説明と経歴票の間、経歴票と技術的体験論文の間に矛盾がないことが最低限必要です。
  • 公表されている配点
    40点
 (2) 専門知識と見識の確認
  • 概要
    専門知識問題を出したり、筆記試験答案を見ながら質問がなされます。
    また、技術的体験論文に関する問答を通しても評価されます。
  • 主な質問
    専門知識に関する問題/筆記答案の疑問点確認や関連技術的知識/技術的体験論文の説明と問答
  • ポイント
    • 以前は筆記答案をネタによく使っていましたが、近年は計算式や工法などの名称、技術体系などに至る、知識確認質問が目立つようになっています。
    • 試験官が筆記答案で疑問に思ったことについて聞かれやすいので、筆記答案のフォローが必須です。
  • 公表されている配点
    40点(体系的専門知識:20点、技術に対する見識:20点)

 (3) 技術士としての適性
  • 概要
    技術士法や技術者倫理を中心に、技術士としての適性を確認します。
  • 主な質問
    3義務2責務に関連した質問(必ず来ると思ってかまいません)/技術士とは/技術者倫理/トピック関連質問
  • ポイント
    • 守秘義務や公益確保、名称表示などにからんで意地悪質問が来ることがあります。
    • 自分自身の言葉で回答することが望まれます。
  • 公表されている配点
    20点(技術者倫理:10点、技術士制度の認識その他:10点 )
【ポイント】
多くの場合、(1)→(2)→(3)の順で口頭試験が進みます。
経歴の説明や受験動機、合格後の抱負などの質問が出ているうちは(1)の段階です。
筆記試験の内容に関する質問が出だしたら(2)に来ています。
資質向上への取り組み・技術士法・3義務2責務などの質問に移ったら(3)まで進んでいます。


●合格基準は?

◆5項目とも60%以上が合格ライン
文部科学省発表によれば、口頭試験の合格条件は評価項目全てが60点以上であることです。筆記試験も合格ラインは60点であり、これは他の国家試験と同じです。
すなわち、
 (1) 経歴及び応用能力
 (2) 体系的専門知識
 (3) 技術に対する見識
 (4) 技術者倫理
 (5) 技術士制度の認識その他

の全てが60%以上の評価を取っていることが合格条件となります。1つでも60%未満の項目があってはいけません。つまり、 配点ウェイトは関係ありません


●どうやって採点している?

◆採点方法はザクッとやっている?
各項目ごとの評価は、各評価項目に関する質問を出して、その回答に対してざくっと評価して進めていると思われます。
18年度口頭試験では、試験官が記入する採点票は単に5項目に○×評価するだけで、それぞれの細かい評点までは求められていないという情報がありました。「○を書くのを見た」という人もいました。
ただ、それが本当だとしても、○か×かを試験官が決定するために、試験官の頭の中あるいは独自に作成した採点シートなどで「60%相当かどうか」を判定しているはずです。もっともそれは「59点であって60点ではない」というような細かい数値判定ではなく、単に「60点以上か60点未満か」という評価尺度だと思われますが。
ただ、19年度はマニュアルのようなものや、質問集のようなものが使われていると思われる節もあります。

◆加点方式だと考えておこう
口頭試験は5項目ごとの総合評価あるいは加点方式であり、持ち点から減点していくような方式ではないと思われます。
すなわち、0点から始まって、5項目それぞれで60%相当の点数を獲得するか、「これ以上の得点は無理」と判断した時点で次の項目に進んでいるのではないかと推定されます。
ただ採点は、細かくチェックシートのようなものがあって点数を刻んでいくようなものではなくて、各評価項目に関する質問を出して、その回答に対してざくっと評価して進めている可能性が高いと思われます。
もちろん、5項目は、「ここまでが経歴及び応用能力、ここからが体系的専門知識」というように明確に区別できるものではありません。たとえば業務体験に関する設問の中で、技術者倫理の判断がされることもあります。全体として、項目ごとに進行しており、それぞれの中で60%以上の評価ができるまで(あるいは試験官が得点上積みをあきらめるまで)質問を繰り返すと思われます。
その一方でタイムリミットは45分です。5〜15分前に指定された試験室前まで行ってイスに座って待ち、試験官が出てきて呼んでくれ、一緒に入室してから退室、試験官が試験結果を整理するまでで45分ですから、正味の口頭試験時間は40〜43分程度がリミットと思われます。
したがって、制限時間内に各項目で60%の点数を獲得できるかどうかという試験になります。ですから、もたもたしていてはいけません。わからない設問に何とか答えようと考えに考えて回答が間違っていたら、貴重な時間を費やして加点なしになってしまいます。わからなければスパッとあきらめて「わかりません。勉強します」と言って、次に行ったほうがはるかに得策です。

【ポイント】
筆記試験への点数上積みではなく、口頭試験自体の点数で合否が決まります。
したがって、筆記で90点だった人も、筆記で60点ギリギリだった人も、同じスタートラインからの試験になります。
加点方式だと思って、制限時間内に効率よく点数を稼ぎましょう。わからない問題でモタモタしていては時間の浪費です。
筆記がよくできた人は油断せず、筆記がイマイチだった人は気を楽に持ってチャレンジしてください。
戻る

2.口頭試験対策

口頭試験が具体的日程を持って迫ってくると、質問される内容を想定していて、その範囲がどんどん拡大して「どこから手をつけたらいいかわからない」状態になって、精神的に落ち込んでしまう人がよくいらっしゃいます。
口頭試験での質問内容は、
 (1) 受験願書の経歴票をベースにした、経歴や動機・抱負、経験に関する質問
 (2) 技術的体験論文の説明と質疑
 (3) 専門知識に関する質問(基礎知識確認と筆記答案疑問点確認)
 (4) 技術士法(3義務2責務中心)、技術者倫理、資質向上
 (5) トピック

これだけだと思ってもかまいません。
実際にはその他の質問例も過去にはありますが、60%合格ラインをクリアするためには、上記の質問に対応できるようにしておけば、不合格リスクはかなり小さく出来ます。
これを踏まえて、どのように口頭試験対策を進めていったらいいか、提案します。
 (1) 技術的体験論文のプレゼン準備をしっかりと
   上記(2)の対策になります。まずはこれからです。
 (2) 経歴票記載業務の肉付けをしっかりと
   上記(1)の対策になります。
 (3) 選択科目に関する一次試験レベルの基礎知識をしっかりと
   上記(3)の対策のひとつです。
 (3’)筆記答案をしっかり再現し、不十分な箇所のフォローをしっかりと
   これも上記(3)の対策のひとつです。
   (3’)としたのは、あまり出題頻度が高くないと思われるためです。

 (4) よくある質問に対する準備を万全に。しっかりと掘り下げて深く理解を
   上記(1)、(3)、(4)、(5)の対策です。
 (5) 想定問答や体験記をもとに、繰り返し訓練を。ただし丸暗記にならないように

   押さえるべきところを押さえたら、後は繰り返しトレーニングです。
この5ステップで進めましょう。

●技術的体験論文が最大のヤマ!

(1) 今年の口頭試験
  • 試験時間が30分→45分と長くなった
    この長くなった15分は、大部分が技術的体験論文に割り当てられているようです。
    特徴としては、以下のようなことがあげられます。(すべての口頭試験に共通しているわけではありません)
    • 10分程度の時間を指定して、経歴、体験論文を説明させる。
       ・経歴と詳述事例
       ・体験論文を2例とも
       ・経歴と体験論文を2例とも
      などが多いようです。
    • 掘り下げ質問が目立つ。
      試験官は時間に追われています。昨年までの30分から15分長くなったため時間に余裕ができ、掘り下げた質問・突っ込んだ質問が多くなっているように感じられます。
    • 経歴記載業務についても説明を求められる。
      経歴票に記載し、技術的体験論文には取り上げていない業務あるいは職務期間について、その内容を掘り下げて聞かれるようです。
    • 基礎知識確認問題が出る。
      昨年度と同じく、選択科目全般にわたり、かつ専門分野から外れ気味の内容で、基礎知識レベル(一次試験専門科目程度)の質問が出ているようです。

  • 評価項目は変わらない
    口頭試験は以下の5項目について評価されます。それは変わりません。
     @ 経歴及び応用能力
     A 体系的専門知識
     B 技術に対する見識
     C 技術者倫理
     D 技術士制度の認識その他
    すなわち、技術的体験論文が絡む@とAの一部以外については、従来と同様の対策を講じておけばいいと思われます。
(2) 技術的体験論文対策
  • 詳述事例の説明
    1. 考えられる説明パターンと説明法
      1. 3分程度で説明
        この場合、試験官は論文をしっかり読み込んできていると思ったほうがいいでしょう。
        従来の経験論文説明と同様、業務概要、課題・問題点、解決策、成果について説明します。
        立場役割や現時点評価・今後の展望は省略して、質問されたら答えるようにします。
        時間配分は概要1分、課題・問題点1分、解決策及び成果1分程度でしょう。
        概要は「どんな業務か」ということを、論評なしで概要だけ説明します。
        課題・問題点は、課題が何で問題点が何かということに絞って説明します。
        解決策及び成果は、「そこでこのようにした」とい事実に絞り、成果とともに説明します。
        問題点も解決策も、その根拠までは言及しないでいいです。つまり全てさらっと流し、あまり細かいことはしゃべらない、「聞かれたら答える」というスタンスで、最小限のことだけしゃべるようにします。
      2. 5分前後で説明
        aと同様、業務概要、課題・問題点、解決策、成果について説明し、立場役割や現時点評価・今後の展望は省略して、質問されたら答えるようにします。
        時間配分は、概要1分、課題・問題点2分、解決策及び成果2分程度でしょう。
        可能なら論文中の図表類を引用して説明します。
         「論文の1ページ目に図−1としてまとめましたが」
        などと言ってそれを見てもらい、図を見ているという前提で説明しましょう。
        課題・問題点では、問題抽出の根拠を簡潔明瞭に説明します。
        解決策もその方法を選んだ根拠を説明します。
        こういった根拠説明の鉄則は、結論を先に言うことです。
        したがって、aの説明パターンに、
          「なぜならば」+根拠
        を加えたものになります。
      3. 7分〜10分程度で説明※経歴とあわせて10分という指定が目立ちます。
        この場合、試験官は論文をあまり読み込んでいないか、ほとんど初見かもしれないと思っていいでしょう。ですから、全項目についてしっかり説明します。
        1. 業務概要
          初見同様の人にもわかるように説明します。図があれば引用します。
          ここが以外に重要で、業務内容が頭に入らないと、その後の問題点も解決策も全部頭に入りません。
        2. 立場役割
          さらっと口だけで説明します。
        3. 課題・問題点
          課題が何かをまず明確にしておきます。
          次に、「しかし・・・・」などと話を次いで、課題クリアを妨げる問題点をあげます。
          「本業務における課題は○○でした。しかし、この課題を解決するにあたり、以下の2点が問題となりました。1つは△△、もう1つは□□です。△△が問題となる理由は・・・・・・。また□□が問題となる理由は・・・・・」
          という話の流れがスタンダードでしょう。(結論を先に言う。問題点が複数ある場合は、間を空けずに続けて列挙する)
        4. 解決策(提案)
          「それで私は××を提案しました。」というように、最初に提案内容を明確にし、そして「理由は・・・・」と続けていきます。
          理由の説明は、箇条書き風に言うと理解しやすいと思われます。
          「理由は3つあります。1つは○○です。2つ目は△△です。そして3つ目は□□です。」
          という感じです。
        5. 成果
          解決策の実施により直接的に得られた成果を列挙します。
          副次的効果は、もし説明するなら最後に「また、これによって」などと続けて付属的に話します。
        6. 現時点評価と今後の展望
          「以上のような内容ですが、現在は○○という手法もあるので、これを適用すれば△△のようになると思います」
          というような、さらなる改善に話が伸びる内容ならば説明します。
          単に「今思ってもあれがベストだった」という内容だったら、しゃべらないほうが賢明です。
    2. 口頭説明時の注意点

      文章では、重要ポイントがどこか・何かということは、読み手が自分で整理して考えて決めてくれます。
      しかし口述では、長くしゃべったところ、熱心にあるいは声高にしゃべったところ、つまり強調したところが重要だと取られます。印象のウェイトが高くなるのです。
      よって、重要なポイントである課題・問題点と解決策のところは、時間をかけて、また声を大きめにしたりゆっくり話したり念を押したりして、「ここが大事です」ということをはっきり伝えます。
      オマケ部分(たとえば問題点抽出過程のいろいろな作業内容、比較検討におけるボツ案の内容など)は必要最小限のことだけしゃべるようにします。
      ポイントは、長さと抑揚です。
    3. 図表の引用

      口頭説明は、「試験官に内容を理解してもらうこと」が目的ですので、図表が使ってあればさおれを最大限活用して説明しましょう。「図-1のような構造です」などと言うことで口で長々と説明せずにすみます。
      またフローや相関図があれば、業務内容や課題・問題点の内容などが直感的に理解しやすくなりますから、これも最大限活用しましょう。
      ただし図表類を引用した場合、試験官が図表を見ているかどうか確認しながら話すようにしましょう。見ていなければ(見ようとしないなら)口述だけで説明したほうがいいでしょう。その場合は身振り手振りも有効です。逆に図表を見ていれば、身振り手振りは意味をなしません。
      また、表やフローを使った場合、そこに書いてある文言と同じ言葉で説明することが対峙です。文言が異なると理解を妨げます。
    4. 試験官の反応をよく見ながら

      試験官が理解できているかどうか、表情やしぐさをよく見ながら話しましょう。
      「うーん」とうなったり伸びをしたりそっくり返ったりしたときは、一時的に意識を論文から引き剥がしているので、話すのを中断します。
      「いいから続けて」など催促されたとしても、それで減点になったりはしません。
      あまり立て板に水すぎても理解が追いつかない場合があります。そう思ったときは、ゆっくり話すとか、根拠を別の言葉で言いなおすなどします。
      相手の様子を見ながら、それに合わせて話すのも誠意です。

  • 略記事例の説明※詳述事例説明・問答の後、こちらもと説明を求められた事例があります。

    略記事例についても説明を求められた場合、与えられた時間にもよりますが、基本的には
     @ 論文に書いてある概略部分をさらっとなぞる
     A 課題と問題点を整理して話す
     B 解決策を話す
     C 成果をさらっと話す
    という4段階の説明をして、現時点評価・今後の展望は要請があったら答えるようにします。目安は3分から5分です。
    また、課題・問題点、解決策ともに1つか2つに絞ります。3つも4つも問題点と解決策を話しても試験官の頭の中に入りません。
    まずは必要最小限の説明をして、あとは質問を待ちます。
    そして質疑応答を通じて試験官の理解を深めるようにします。そのためには、聞かれていないことまで答えないようにします。

  • 全部説明する場合

    略記、詳述含めて2例全部説明するよう求められた場合は、前述のパターンを組み合わせ、説明時間に応じて次のようにします。
    1. 短い場合
      全部で3分程度というように、ごく短く指定された場合、試験官はすでにしっかり読み込んでいて、質問を主体にしていこうと考えていると思われます。
      よって、略記事例は概要のみ(書いてある内容と同程度)を1分程度、詳述事例は概要と問題点・解決策の概略を2分程度で説明します。そして質疑応答を通じて理解してもらっていきます。
    2. 中程度の場合
      5分程度から7〜8分程度と、中程度の時間をもらった場合、略記事例は短い場合と同様1分程度にしまうが、詳述事例は概要1分、課題・問題点1〜2分、解決策1〜2分程度を割り当てます。つまり、前述5分説明と同じです。
    3. 長い場合※経歴と事例2例で10分という指定が目立ちます。
      時間が多めに与えられた場合、前述の略記説明3分程度と詳述5分説明を組み合わせます。

  • 骨子法の活用

    簡潔明瞭な説明のためには、文章化された論文よりも、骨子に整理したほうが要点を把握しやすくなります。
    特に略記事例は骨子に整理することをお勧めします。
    なお、「評価」は当該業務における解決策や成果に対する評価はもちろんですが、関連分野や上下流業務、事業全体など、「まわりに与えた影響」についても考察しておいたほうがいいと考えます。
    業務概要   
    立場・役割   
    課題   
    解決策   
    技術的成果   
    評価と今後の展望   

  • 質問対策
    1. 質問は4種類

      質問は、次の4種類のいずれかの理由・目的で発せられます。

      1. どうなってるの
        業務の内容その他、論文から読み取れない・説明ではわからない、より詳しい状況を説明してくれというものです。たいていは説明すればOKです。質問としては一番怖くない質問です。
      2. 意味わかんない※この質問が一番多いと思われます。
        本当に内容が理解できない場合です。説明すればいいだけですが、そうして理解できた結果、そこで評価をされます。(理解できないから評価保留になっていたということです)
      3. えー、そうかなあ
        書いてある内容が納得いきかねる場合です。「こういう場合はそうじゃなくてこうなんじゃないの?」みたいな感じですね。
        これには、誤解と見解の相違、こちらの間違いの3つの可能性があります。
        いずれにせよ、まずは根拠の詳細な説明です。論文に書いてない、あるいは書いてあるけれど読み落とし・説明省略がある点も含めて、「理解してもらおう」という姿勢で説明します。
        ある程度説明しても納得してもらえない場合は、どちらが引くかということになりますから、様子をみて、引くべきだと思ったら「貴重なご意見ありがとうございました。また勉強します」とでも言って引きます。くりろうさんいわく、「ほうきで掃きながら後ろに下がっていくように・・・・」
      4. わかってんのか?
        明らかに間違っている(と試験官が判断した)事項についての質問です。
        ズバリ「あなたはこう書いているが、これはおかしい」と言う場合もありますし、用語説明とか「こういう場合、普通どうしますか」みたいな一般論について質問をして、基礎知識から間違ってないか探ってくる場合もあります。
        できれば理論的な間違い・記憶違い・勘違いについては、口頭試験前に自分で見つけてフォローしておき、指摘されたら
        「はい。ここは間違っていました。本当はこうです」
        というように説明するのがベストです。うまくすると資質向上に関して評価をもらえます。
        本当にわからなかったが「また勉強します」と言って引きます。ただし、まれに「引っ掛け」(わざと間違ったことを言う)場合もありますから、安易に迎合する必要はありません。冷静に考えて試験官の言っていることがおかしいと思ったら、失礼のない言い方で指摘しましょう。

      以上のような質問については、ロールプレイや模擬面接であぶりだすようにしてください。模擬面接の目的は、「上手に話す練習」以上に、「問題点をあぶりだし、当日までに対処できるようにする」ことなのです。

    2. 質問の意味を理解して
      質問を受けたときに一番大切なことは、
       質問の意味を理解する
      ことです。
      焦って早とちりして見当違いの答えをしないようにしてください。
      特に、あらかじめ気になるところがあって、それに近い質問をされたり気になるキーワードが出てきたりすると、「ほらきた」とばかりに短絡的に対応してしまいがちです。
      質問は最後まで先入観なしに聞くことが大事です。

  • 評価されるのは口頭試験の場
    たとえ論文に少々不備があっても大丈夫。
    論文自体は採点の対象ではなく、口頭試験でのプレゼンテーションと補足説明で試験官の疑問が解消されればいいとされているようです。
    ですから、提出した体験論文に不備な点が後で見つかったなら、それをフォローしつつ説明すればいいと思います。説明を始める冒頭に「補足しながら説明させてください」と申し出れば、ダメだとは言わないでしょう。

●経歴票記載業務の肉付けをしっかりと

技術的体験論文がメインになってきたせいか、経歴についても単に説明させるだけで終わらずに、ピックアップしたり「どれか一つ」と言って説明を求め、そこから質問を転がしていくというパターンが目立つようです。
このような問答に対処するため、以下のように準備されることをお勧めします。
  • 経歴票に業務名を書いた場合
    経歴票に書いた各業務について、前述の骨子に整理して説明できるようにしておきます。
    また、その業務経験がその後どう活かされたか、技術者としての成長にどう寄与したかも整理しておくといいでしょう。
  • 経歴票には職務内容を書いた場合
    各エポックごとの代表的業務について、上記と同様の整理をしておいてはどうかと思います。
時間が経過すると業務の詳細なところは忘れていたりしますので、しっかりと思い出して、整理した状態で頭の中にいれておきましょう。そのために骨子に整理することがお勧めです。
また、失敗事例を聞かれることがありますが、失敗内容だけでなく、失敗原因の分析、それが以降の業務取り組みにどう生かされているかをセットにして説明してください。成功事例を聞かれた場合でも同じです。

●基礎知識問題の準備をしっかりと

ここ2年ほど、「体系的専門知識」を確認するのに、基礎知識レベルの質問をされたという例が増えています。18年度は「基礎知識についても聞くことになっていますので・・・・」といった試験官もいて、そういうルールになってきているようです。そして19年度もそういう質問が高い頻度で出ています。
この基礎知識質問の傾向は以下の2点があげられます。
  1. 選択科目の範囲内で、専門分野を避けている。
    たとえば・・・・
      土質基礎受験、専門分野が土質の人に対して基礎の質問
      トンネル受験、専門分野が山岳トンネルの人に対してシールドの質問
      河川砂防受験、専門分野が河川計画の人に対して砂防の質問
      建設環境受験、専門分野が自然環境の人に対して水質汚濁や騒音振動
      下水道受験、専門分野が管渠の人に対して処理場の質問
    などです。
  2. 一次試験専門科目程度のレベルである。
    たとえば、「○○とはどのようなものか説明してください」という用語説明の質問で、「○○」が「ニューマチックケーソン」「スランプ試験」「スリットダム」「シールドトンネル」「BOD」などです。
    また、「下水処理場における消毒方法には何がありまますか?」といったように、「○○にはどのようなものがあるか」という質問もあります。
    いずれにしても、内容としては一次試験専門科目レベルのものが多いようです。
以上のことから、選択科目全般にわたり、
  ・示方書・基準書など(たとえば河川砂防基準など)
  ・大学テキストや市販の基礎的文献(たとえば土質工学ハンドブックなど)
  ・このHPの一次試験専門科目対策のページ
などを参考に、広く浅い基礎知識を身につけておいてください。
望まれる技術士像はT型人間です。つまり専門分野に深く、選択科目範囲に広く浅い知識体系です。

特に経験の豊富な技術者になると、日ごろは基礎知識にまで遡って考えないせいか、いまさら基礎知識という気持ちがあるのか、昨年度もここでつまづいている例が多くあります。

逆に19年度、たてつづけの基礎知識問題に的確に答え、試験官に「よく勉強していますね」と言われた受験生の方がいらっしゃいます。これは知識の多さをほめたという以上に、「いまさら基礎知識」などと言わずに基礎知識をしっかりと地道に身につけて試験に臨んだ姿勢をほめたものだと思います。そしてそれこそが技術者としての誠意ではないかと思います。

●筆記答案のフォローを忘れずに

「体系的専門知識」の確認は、技術的体験論文や筆記答案に関する質問、専門知識問題などによって行われますが、ここではそのうち筆記答案(特に専門問題の答案)に関する質問の対策について述べます。
その内容は部門・科目、筆記答案内容で大きく変わりますので、ここで包括的アドバイスを示せません。すなわち、質問の想定から皆さん自身の力でやらなければならないのです。
ではどうすればいいのでしょうか。筆記答案に関する質問内容は、以下のようなものが考えられます。
  1. 筆記答案の中で試験官が疑問に思うことについて質問する。
    「これについてはどうしてこうなるの」とか「こういうことは考えられないの」といった質問です。つまりあなたの答案は間違っていると疑われているか、あるいは説明不足です。
    また、「○○について説明してください」と言われたとき、その内容が筆記答案で書いたことである場合、試験官はその答案で満足していない可能性があります。
  2. 筆記答案の中で試験官が間違い・不十分だと思うことについて補完を求める。
    専門問題によくありますが、勘違いから理解不足までいろいろあります。自分の間違いに気がついているかどうかを確認してきます。
  3. 専門問題の中で選択しなかったほうの問題について意見を求める。
    19年度に実際このように問われた人がいます。アドリブでも答えられるでしょうが、ごく基礎的・概略的なことでいいので、答案の骨子・アウトラインを用意しておくと万全です。
  4. 関連技術について、用語・手法・計算式・新技術などについて説明を求める。
    知識ベースがしっかりしているか、個々の技術でなく技術体系の中での知識になっているか、新技術などについてちゃんと勉強しているかを確認してきます。
自分としては最善と思って書いた答案も、他人が見れば不十分ということはよくあります。自分の答案の穴に気がつかずに口頭試験に臨むと、思わぬ質問をぶつけられてしどろもどろということになりかねません。
枝葉のことならば、「申し訳ありません。また勉強します」で許してもらえるかもしれませんが、答案の根幹部分だとかなり痛手です。
そこで、
 a. 自分の筆記答案を再現する。
 b-1. 答案に理論的間違いがないか、よく調べる。
 b-2. 他人に読んでもらって、穴がないか確認する。
 c. 間違いや不十分な箇所の、正しい解答を作成しておく。

という対応をしておくことを、第一にお勧めします。もし業務多忙などで口頭試験準備ができない場合でも、この項目だけは最低限やっておいてください。
筆記答案の点数はすでについていますから、たとえ間違っていたことを認めても、口頭試験の場で正答を言えれば問題ありません。さらに、「資質向上の責務」をこの回答で評価してくれることも期待できます。
逆に、筆記答案は間違っていたし口頭試験でも正答は言えないし・・・・だと、筆記試験評価よりダウンした評価をもらいかねません。ですから、筆記答案フォローは第一にやってください。
なお、自分の間違いや不十分なところは、自分自身では見つけにくいものです。できれば他人に読んでもらって、間違い・わかりにくい・不足しているといったところがないかどうかアドバイスしてもらいましょう。

●「よくある質問」に対する準備を万全に

「どこから手をつけたらいいかわからない」ように見えても、当然ながら質問される頻度の高いものと低いものがあります。頻度の高い質問を押さえておけば、口頭試験対策は5割以上、場合によっては7割程度できたと思っていいでしょう。
頻度の高い質問は、この対策ページ次章なり携帯用ページに整理しておいたような内容です。
具体的な内容を、評価項目ごとにまとめてみると、以下のようになります。なお、下表の「よくある質問」は、すべて次章で取り上げて解説しています。
評価項目 「よくある質問」の内容
経歴及び応用能力 経歴の説明
技術士受験の動機
技術士になった時の抱負
組織での役割

技術的体験論文の内容説明・質疑
体系的専門知識 部門一般解答に対する質疑・補足説明
専門問題解答に対する質疑・補足説明
専門分野におけるトピック
技術に対する見識
技術者倫理 技術士とはどういうものか
部下や後輩の指導
資質向上のためにやっていること
技術士法・技術者倫理(3義務2責務)
 ・3義務2責務とその適用
 ・仮想事例・トピック
技術士制度の認識その他
もちろん、ピシッと区別できるものではありません。たとえば
 「これまでの経歴の中で、技術的体験論文記述以外に技術士としてふさわしいと思うものを説明せよ」
といったような質問が来ることもあります。それは、経歴及び応用能力と体系的専門知識を同時に評価します。
これらの質問内容の中には、経歴とか筆記答案の内容など、あらかじめ調べておかないといけないことが多々あります。その場で考えて即答できるようなものではありません。
最低限、これらの質問に対する準備はしてください。レアな質問に対する回答を考えて、上記のような頻度の高い質問のことを考えてなかったということのないようにしましょう。
実は、上記の対応が終わったら、あらかじめ資料を用意しておかなければならない質問はほとんどなくなります。

●口頭試験は避難訓練

口頭試験への回答準備は、「禅問答型」と「避難訓練型」に分けられます。
「禅問答型」は、自分の中に、理想の技術者像・インフラ整備像などがしっかりとできていれば、それに照らすことで、どんな質問にも自分のスタンスをしっかりと決められるということであり、要は、「十分な経験をつみ、様々な書物などで勉強してきた人であれば、頭の中を整理するだけでいい」ということです。しかし、頭の中のイメージをその場で言葉にするという「知の移転」が得意でなければ、お勧めしません。
「避難訓練型」は、様々なケースに対応できるよう、多種多様な「訓練」をしておくというものです。つまりトレーニングですね。イメージを言葉にするのが不得意な人向けです。具体的には、「数をこなす」ことに尽きます。
「禅問答型」でいける人は多くないと思いますので、ここでは「避難訓練型」で話を進めます。自分は「禅問答型」だと思う人は、「技術士とは」「技術者倫理とは」といったことについてできるだけ多くの文献などを読んで独りよがりになるのを避けつつ、深く考察してみてください。

さて、「避難訓練」で行くのなら、とにかくトレーニングです。
  1. 次章に示した「よくある質問」を、自信をもってこなせるようになるまで回答案を練る。
  2. 「よくある質問」のちょっと変化したバージョンをいくつか想定して、回答案を考える。
  3. 口頭試験体験記を読み、同じ質問をされた時の回答案を考える。
  4. できれば、模擬面接試験を受ける。身近に指導者になってくれる人がいなければ、受験生同士で質問役と回答役に分かれてロールプレイをする。
というような手順で訓練を重ねてください。

●丸暗記はダメ

想定問答集を作り、その答案を丸暗記しようとする人が時々おられますが、私はお勧めしません。理由は、
  • いかにも書き言葉っぽくなって、話し言葉に比べて、聞いても頭に入りにくい。
    「事前に用意して暗記してきました」と言わんばかりになると、「それは本当に自分で考えたものか?よし、確かめるために予想外の質問をぶつけてみよう」と「変化球」的質問をぶつけられたりしがち。もちろん心証は良くない。
  • 一見想定質問に似ているようで求めるものの異なる質問が来た場合に、臨機対応ができず、ズレたまま強引に回答してしまうという状況に陥りやすい。
    このような回答は、評価が低くなる。
といったような事態が予想されるためです。
回答内容を文章まで固定して丸暗記するのではなく、「これを聞かれたらこんな内容で回答しよう」という程度、すなわち回答をポイントをまとめておく程度にして、あまりガチガチに固めずに用意しておかれることをお勧めします。
戻る

3.よく出る質問と回答例

前掲の「よくある質問」の内容毎に質問例と回答例を示します。


評価項目 「よくある質問」の内容
経歴及び応用能力 経歴の説明
技術士受験の動機
技術士になった時の抱負
組織での役割
体系的専門知識 技術的体験論文の内容説明
選択科目の基礎知識
部門一般・専門問題解答に対する質疑・補足説明
専門分野におけるトピック
技術に対する見識
技術者倫理 技術士とはどういうものか
部下や後輩の指導
資質向上のためにやっていること
技術士法・技術者倫理(3義務2責務)
 ・3義務2責務とその適用
 ・仮想事例・トピック
技術士制度の認識その他
また、SUKIYAKI塾口頭試験講座の模擬面接で使用した質問参考資料(講師さんの質問アンチョコ)と評価表をアップしましたので、よろしければ参考にしてください。こちら
※実際の口頭試験では「質問集」が使われているという話も聞きますが、そのような類のもののミニ版とでも考えていただければけっこうです。どなたかに頼んで模擬面接される場合に活用できるのではないかと思います。
戻る

4.トピックについて

特に技術者倫理は、「事例に学ぶ」部分の大きい分野です。
トピックとしては、口頭試験で取り上げられる可能性が高い順に、
 (1) 最近1年間のトピック
 (2) 近年の教唆に富んだトピック
 (3) 従来から教科書的に扱われているトピック(主に国外)
に分けて整理しました。とりあえず口頭試験にむけていくつかトピックを持っておきたい人は(1)を、さらに深めて行きたい人は(2)や(3)をお読み下さい。
また、掲示板でもいくつか参考になる議論があります。

●最近1年間のトピック
ネットで公開されていた2007年10月〜2008年10月のトピックを集め、私なりの考察を加えたWordファイルです。こちら
考察は、事実確認不十分や独断が入っていますから、そのまま鵜呑みにすることのないよう注意してください。
●近年の教唆に富んだトピック
食品偽装
エキスポランドジェットコースター事故
ボンバルディア機トラブル頻発
中華航空機着陸炎上
タミフル10代使用中止
北陸電力志賀原発臨界事故隠蔽
JR尼崎脱線事故

六本木ヒルズ回転ドア事故
美浜原発死傷事故
産業事故〜日航連続トラブル
姉歯建築設計事務所による構造計算偽造問題
三菱リコール隠し
橋梁談合
松下ヒーター・パロマ湯沸かし器事故

米国産牛肉に危険部位混入・再度輸入禁止
PSEマーク問題
Winny問題
シンドラーエレベータ
東京大停電
ソニー電池回収

中国電力データ改ざん

●教科書的トピック
経営者の帽子・技術者の帽子 〜スペースシャトル・チャレンジャー号爆発事件〜
「簡単な保険数理さ」 〜フォード・ピント事件〜
戻る

5.試験準備

●試験当日までにしておくこと

 (1) 受験準備
  • 技術的体験論文の作成と提出は大前提です。これをやらないとそもそも失格になります。
  • 体験論文を提出したら、前述のように、
     (1) 技術的体験論文のプレゼン準備をしっかりと
     (2) 選択科目に関する一次試験レベルの基礎知識をしっかりと
     (3)筆記答案をしっかり再現し、不十分な箇所のフォローをしっかりと
     (4) よくある質問に対する準備を万全に。しっかりと掘り下げて深く理解を
     (5) 想定問答や体験記をもとに、繰り返し訓練を。ただし丸暗記にならないように
    この5ステップで準備を進めましょう。
  • 技術者倫理の考え方がなかなかすっきり腹に落ちない(身につかない)人もいるかと思います。こういうときは、とにかく事例です。なぜこの行動は非難されるのか、という視点で掘り下げることが必要です。技術者倫理の書籍を一次試験・適性科目のページでも紹介していますが、これなどを読み込むことも一つの手です。少なくとも技術者倫理については、何かの条文などを丸暗記すればいいというものではないことを認識しましょう。

 (2) 宿泊手配
  • 年末年始にかかることもあり、さらに土日の受験が多いので、早めに宿泊手配をしておきましょう。また1月になると降雪による交通トラブルもあります。公共交通トラブルを配慮してもらえる可能性は低いと考えておきましょう。数時間しか余裕のないスケジュールを組み、「雪で新幹線が止まったので遅れた。オレのせいじゃないのに認めてもらえなかった」なんて言って怒っても通じません。自らのリスク管理の稚拙さを露呈するだけです。
  • 食事や宿泊その他、受験以外のことにできるだけ気を使わなくてすむように、できるだけ早い時点で配慮しておきましょう。試験日が近づいてくると余裕がなくなってきて、思わぬ見落としをしたりすることがあります。心に余裕があるうちに手配は進めておきましょう。
  • 宿泊する場所は、試験会場への便も配慮したほうがいいでしょう。万一公共交通機関に遅れが出たり、慣れない東京で迷ったりしても、遅刻の理由として認められることはまずありません。
    試験時間が午後であったりして時間に余裕がある場合は、喫茶店かどこかで時間を潰せばいいわけです。たとえば渋谷のフォーラム8は、それが入っているビル自体にも、またすぐ近くにも、喫茶店がいくつかあります。NTT麻布セミナーハウスは、広尾駅と会場の間に喫茶店が多くあります。

 (3) 準備物
  • 筆記試験と違い、準備物は多くありません。極端な話、体一つで大丈夫です。
  • 服装の用意はきちんとしておきます。必要があれば購入します。
    基本的には、クライアントの所に出向く時の失礼でない服装にします。
    背広・ネクタイは常識です。それ以外の格好では非常に目立ち、試験官に「コイツだけだらしないなぁ」という印象を与えます。
    背広やネクタイの色は華美でなければ特にかまいません。地味系が無難ですが、明るいめのグレーなどはさわやかさを印象付ける効果もあります。
    靴はヒモ靴でなくてもかまいません。ズックはまずいですが、多少カジュアルでもいいでしょう。
    とにかく、自分に似合わないものは異様な雰囲気を出してしまいますから避けましょう。
    若いスレンダーな人は、あまり地味な色の背広を着ると「とってつけたような」印象になります。
    逆に年配の方があまり明るい色の背広を着ると「そのスジの人」っぽくなります。
    太っている人は淡色系の背広を着ると、さらに太って見えます。

    カッターシャツは白が無難ですが、背広・ネクタイとのコーディネートもありますから、華美でなければいいでしょう。
    全体として、不潔感・必要以上の特化した感じ(ワイルド感など)は避けたほうがいいでしょう。
  • コート、かばんなども試験室に持ち込みますので、仕事で使うような地味めのものを用意しましょう。
    また、宿泊される方で着替えなどがかさばる人は、駅のコインロッカーに入れておいてもいいと思います。待合室には置いておけません。
    なお、よほどでなければ荷物を少々多めに持って試験室に入っても咎められることはないでしょう。
  • 直前勉強のための文献等も持っていったほうが安心です。よほど自信があれば何も持っていかなくてもいいですが、直前に何かを確認する文献などが一切ないと、精神的に追い詰められたりあまりいいことがありません。
    ただし、本番では全ての荷物を持って試験室に入ることになりますから、あまりたくさんの荷物を持っていくのは避けましょう。
  • クシ・ブラシや髭剃りなどの身だしなみ用品は、持っていくか現地でコンビニなどで調達しましょう。直前になるとテンパッてしまうと自分で思う人は、そういったものに至るまで余裕のあるうちに準備してしまっておくことをお勧めします。

●試験当日の心得

 (1) 試験場にて
  • 絶対に遅刻しないこと。列車の遅れ、タクシー・バスのラッシュ遅れ、道に迷うなど、どれも理由にはなりません。
    前日から下見に行く人もいます。ワシントンホテルが会場になって、そこに宿泊してしまった人もいます。
    遅刻するかもしれないことにぬぐいきれない不安を感じる人はそれもいいでしょう。
    とにかく自分の不安要素をできるだけ取り除くことです。
  • 試験会場はフォーラム8NTT麻布セミナーハウスです。
    • フォーラム8(案内図はこちら
      渋谷駅からの道がややわかりにくいので、注意してください。
      駅での出口を間違えないように(ハチ公口です)、また駅前のスクランブル交差点で向かう道を間違えないように(センター街に紛れ込まないように^^;)、そして109ビルのY字路を間違えない(左ですよ)ことです。この3点に注意すれば間違いなく行けます。
      フォーラム8のまわりには食事ができる店も多いので、喫茶・食事をしながら時間を待つのがお勧めです。なお、フォーラム8ビル内は、受付と試験会場の階が異なっていて、エレベータであちこち行かなければならなかったりします。
    • NTT麻生セミナーハウス(案内図はこちら
      地下鉄日比谷線広尾駅より徒歩3分のところにあります。道はわかりやすくなっていますが、広尾駅で1番出口に出ることが大前提です。
      広尾駅にはコインロッカーがないようなので、大きな荷物は持っていかないほうがいいと思います。
      駅の一番出口を出たところが歩道ですので、左に行きます。すぐに交差点があるので渡ります。交差点の向こうは銀行です。渡ったら左へ行きます。右手に塀、左は道路。少し行くと三叉路になり、歩道は右に曲がっていきます。そこで右斜め前を見ると門があり、広い駐車場の奥にあまり目立たない建物があります。これがセミナーハウスです。
  • 待合室はあまり人がいませんが、重苦しい空気が流れています。
    非常な緊張の中にある人たちばかりがいるので当然ですが、これに耐えられない人は、ウロウロしに行くなどしたほうがいいでしょう。外へ出て喫茶店などですごすのもいいでしょう。
    ただし、自分の予定時間の30分前には待合室に入室しておくことが大切です。
    こういう雰囲気が平気な人は、イメージトレーニングをお勧めします。自分の技術者としての経歴を振り返り、今後に希望をもつ前向きなイメージを心に焼き付けます。または、技術士になってからさらに成長していこうとする自分をイメージして、気持ちを高めます。
  • 試験時間の15分ほど前になったら、あらかじめ指定された試験室の前に移動して、部屋の前のイスに座って待ちます。これまでにきちんとトイレに行っておきましょう。
    廊下は各試験室の前に受験生が点々とイスに座って待っているという、ちょっとなんともいえない風景になります。そして部屋の中からは口頭試験の声がかすかにもれ聞こえてくるようです。
    いやがうえにも緊張が高まりますが、イメージトレーニングなどで気持ちが切れないようにしてください。
    やがて前の人が部屋から出てきます。その間に室内では評価表の記入をするのでしょう。前の人と軽い会話を交わしたという人もいます。
    そして試験官が部屋から出てきて名前と顔を確認し、一緒に入室、試験が始まります入室時に名前を言うことになっているようです。
    このとき、コート、かばんなども試験室に持ち込みます。荷物は待合室には置いていけません。なぜなら、試験後待合室に戻ることは許されないからです。実際には誰も見ていませんから、戻っても大丈夫でしょうが、もし見つかったら失格対象行為となるかもしれません。
    かならず荷物一式は持って出て、試験後はすぐエレベーターに乗って帰りましょう。

 (2) 試験室にて
  • 座るべきイスの横に荷物を置く机やイスがありますからそこにコートやかばんを置き、座るべきイスのところまで行きます。
  • いきなりイスに座らずイスの横に立ち、「○○番の○○です。よろしくお願いしましょう」と言います。受験番号と名前は入室時に確認しているので言わなくてもいいのでしょうが、改めて言ってはいけないということはないでしょう。やはり礼儀という意味で言ったほうがいいのではないかと私は個人的に思いますし、ここで元気よく声を出すと落ち着きますよ。
  • 「お座りください」といわれてから着席します。
    きちんと「ありがとうございます」「失礼します」と言ってから座ります。
    荷物を置くのと、イスのところで挨拶するのが逆になる場合もあります。イスの配置を見て、常識的に判断していいでしょう。
  • まずは試験官を確認しましょう。2人か3人のはずです。(建設部門・港湾空港などは4人という例もあります)
    試験管のうち誰かが全体の司会役で、あと技術的に詳しい試験官と技術士法・倫理担当の試験官などが一般的な組み合わせです。最初に「お座りください」などと言ったほうがたぶん司会役です。役所の方がチーフになっていることが多いようです。
  • 試験官にもいろいろな人がいます。「優しい、穏やか、丁寧」という印象が一番多いようですが、中には偉そうにふんぞり返った人、次々に意地悪質問をする人、何を言っているのかわからない老人・・・・いろいろいます。そういう点では運・不運というのは確かにあります。
    しかしそんなことを言っていても始まりません。クライアントにもいろいろいるのと同じです。相手が誰であっても誠意を持って話すという姿勢を崩さずいきましょう。
  • 下を向いて話さないようにしましょう。背中が丸くなって印象が悪い上に声がこもりがちになります。
    背筋を伸ばして前を向き、はっきりした声で話しましょう。そのために、椅子には深めに腰掛けましょう。
  • 言葉使いは丁寧に、ゆっくりめにしゃべりましょう。緊張していると、どうしても早口になりますから、意識してゆっくりと。
  • 口頭試験の時間は45分弱(40〜43分程度)に限られています。そして加点方式です。
    簡潔明快に答えて、効率よく評価を得ていきましょう。
  • 総合技術監理部門の口頭試験時間は30分弱です。
    また総合技術管理部門と専門技術部門の併願の場合、口頭試験はそれぞれ別に行われます。したがって試験時間は総監部分で30分、専門技術部門部分で45分です。
  • わからないことを何とかごまかそうとして時間を浪費することに一番注意しましょう。時間ばかり費やしたあげく加点できないというのが最悪です。
    わからなければ「申し訳ありません、わかりません。また勉強したいと思います」とでも言って、早々に降参しましょう。すると、試験官は次の設問を出してくれます。答えられて所要点数を稼げるまで、あるいは時間切れになるまで、設問を出してくれます。
    そう、試験官はあなたを合格させようとしているのです。
  • 相手の設問はしっかり聞いて、一呼吸おいてから回答します。
    くれぐれも勘違い・早とちりしないよう、題意がよくわからなかったら、「申し訳ありません。ご質問の意味がよくわかりません」「ご質問は、○○ということでよろしいでしょうか」というように、聞きなおしてください。
    この、質問内容をよく理解して、それから回答することが一番大切です。
    焦って質問が終わらないうちに割ってはいるような答え方は避けましょう。心証を悪くします。
  • くれぐれも議論しないようにしましょう。試験官の意見がおかしいと思ったりカチンとくることがあったら、一呼吸おいて「どういう意図で言ったのか」と考えましょう。
    「自分の考えが正しい」という発想ではなく、「相手の意見が正しいかもしれない」「相手の意見から取り入れるべきところはないだろうか」という発想を持って、試験官の意見を反芻しましょう。
    試験官が誤解している場合もありますから、それが確信できる場合は誤解を解きます。
    しかし少なくとも、試験官の意見を論破しようという姿勢では臨むべきではありません。「自分は完全ではないから、人の意見はどんどん取り入れる」という姿勢を見せることが大切です。
  • 図表類は最大限活用しましょう。図やフロー、相関図などを活用すると説明も楽になりますし、試験官の理解も進みますので後の質問が楽になります。
  • 質問した相手を見ながら答えることが大切です。別の試験官を見ながら答えると、質問者を無視したことになります。
    首だけそちらに向けるのではなく、上体を横に曲げ、体全体を相手のほうに向けるようにして話しましょう。
  • 試験手順は、従来は
     経歴や動機など→筆記答案に関して→倫理など
    というのが一般的で、これに技術的体験論文の説明と質疑が加わり、
     経歴と技術的体験論文→専門知識確認→見識など→倫理など
    という流れが一般的になってきているようです。これらに加えて動機、技術士法、時には筆記試験専門問題(答案補足や選択しなかったほうの問題についてなど)についての質問が単発的に出ているようです。
    ただし、必ず上記順序になるとは限りません。いきなり技術的体験論文説明から始まったり、倫理から始まったりしているようです。(一方で、専門知識確認から入ったりする例はなく、最初は経歴・体験論文・倫理のどれかに限定されているようです)
    予想外のことを聞かれてビックリし、自分のペースを見失って後はぐちゃぐちゃ・・・・という例もあります。決め付けずに、どんな球が来ても柔軟に打ち返すという気持ちで。一つ一つの質問に集中して一生懸命答えましょう。
  • 極度に緊張すると、真っ白になるときがあります。特に回答に失敗したと思った直後などがそうです。
    深呼吸して落ち着くよう努めましょう。
    また、質問内容の理解に神経を集中させるというのも、気持ちの切り替えになります。
    極端かもしれませんが、「もうダメだ」と思ったら、「すいません。緊張しておりますので、深呼吸してもよろしいでしょうか」と言って、立ち上がり、ラジオ体操のように深呼吸するといいです。そのようなことで減点されませんし、必ず場がなごみます。
  • 落ち着いて堂々としておれればいいですが、逆に挑戦的になったりふてぶてしい印象を与えないように。あくまで謙虚な姿勢をアピールしましょう。
    またなれなれしい印象もいけません。下卑た雰囲気になります。社会人としてキリッとしましょう。
  • ギャグっぽいエピソードや「おふざけ」は、非常に効果的な場合と非常な逆効果の場合がある諸刃の剣です。その場の雰囲気や試験官の人柄を敏感に感じ取り、それに合わせた言動ができる自信がある人以外は避けたほうが無難です。何より大切なのは誠意です。
  • 自分を等身大以上に見せようとしても、大抵は失敗します。わかったふりは禁物です。
    逆に自分を卑下する必要もありません。
    自分は自分です。まっすぐに誠意を見せましょう。

 (3) 口頭試験が終わったら
  • 記憶が残っているうちに、質問と自分の回答をメモしておくことをお勧めします。
    後進の人たちへの参考になります。さしさわりのない範囲でネット上で公開すれば、後日程の人たちにも大変参考になります。
    また、「こんな回答をしたが、駄目だろうか」「倫理について聞かれなかったが大丈夫だろうか」というような、様々な不安が浮かび上がってくることもよくあります。そういうときに誰かに相談しようと思っても、記録がきちんとないと何ともいえません。本人は「倫理について聞かれなかった」と思っても、記録を見てもらえば「この質問で倫理について確認していますよ」と指摘してもらえることもあります。
    万一不合格であった場合、または次年度以降にさらに他部門などで受験する場合には、自らにとって参考になります。
    ※試験結果がどうしても不安な人は、
      ・口頭試験全日程終了後に限る
      ・口頭試験記録をまとめてあること(できるだけセリフそのままに近い形で)
      ・必ず対応できるとは限らない(忙しくて手が回らないこともある)
     という条件でよろしければ、
    こちらに記録をお送りくだされば拝見してコメントします。

  • さあ、これであとは発表待ちです。人事を尽くして天命を待つ。やるだけやったのですから、心静かに待ちましょう。
    そんなことよりも、自分の受験で迷惑をかけた人はいませんか?家族や会社の人たち・・・・。
    何よりそういう人達への恩返し・罪滅ぼしをしましょう。
    自分ひとりの力でここまで来たんじゃないことは、誰よりあなたがよくご存知でしょうから。
戻る

6.総合技術監理部門について

●お勧めする口頭試験対策

総監以外部門の口頭試験情報を見ると、経歴と体験論文で10分程度の説明(経歴と論文であったり、論文2例であったり、組み合わせはまちまち)があるわけですが、その後論文内容についての長い質疑があるようです。人によっては説明と問答で30分を超えています。
また、100ページを超える「質問集」があって、そこには望ましい回答のキーワードがずらずら書いてあるという情報もあります。
このような情報から、総監も似たような傾向だとすれば、以下のような点に特に留意して準備されるのが有効ではないかと思います。
  1. 経歴の整理
    経歴については、その全部について、1行1業務を書かれた場合はその業務について、まとめて職務を書かれた場合は代表的業務について、骨子表に整理しておく。
  2. 総監的視点の掘り下げ
    かなり突っ込んだ質問が来る可能性があるので、総監的視点での掘り下げをしっかりしておく。特に5W1H(その中でもWho、When、How)を意識して具体的にどうやったかということのディティールをしっかり説明できるようにしておく。
    また、「他に方法はないか」と聞かれたときの次善の策を総監技術として用意しておく。
  3. 専門分野の内容整理
    試験官が総監に深くない場合、専門分野に入り込んでしまう可能性もあるので、専門分野の視点でも業務内容をおさらいしておく。
  4. 筆記答案の補足
    筆記記述問題についても、再現答案をよく推敲し、さらに有効な方策や見逃していた視点などはないかチェックしておく。特にこちらが自信のない人は、修正補足説明でもできるようにしっかりと。
  5. 択一問題の補足
    体系的専門知識の質問集があることが予想されるので、青本知識を補完しておく。特に択一問題で間違えた設問については正解を根拠もつけて確認しておき、もし同じことを聞かれたら正しく答えられるようにしておく。
  6. トピック
    トピックについて総監の視点でしっかりと整理しておく。
    反倫理的行動(たとえば消費期限偽装)については、短期的にはコスト縮減になるかもしれないが、社会的信用を失うことにより、事業活動が継続できなくなるリスクがあるので避けるという、総監の命題である「組織の継続性」に帰着する考え方で整理しておくといいでしょう。

戻る

7.参考資料

●携帯電話版の紹介

ここに掲載した口頭試験対策と、想定問答等をまとめた携帯電話用ページを用意してあります。
URLはhttp://www.pejp.net/pe/mobile/koutouです。
QRコード

通勤時間や昼休みなど、ちょっとした空き時間・すき間時間にご利用ください。
なお、PCからもアクセスできます。こちら

また、口頭試験会場までの案内の携帯版も用意しました。

戻る