口頭試験が具体的日程を持って迫ってくると、質問される内容を想定していて、その範囲がどんどん拡大して「どこから手をつけたらいいかわからない」状態になって、精神的に落ち込んでしまう人がよくいらっしゃいます。 口頭試験での質問内容は、
(1) 受験願書の経歴票をベースにした、経歴や動機・抱負、経験に関する質問
(2) 技術的体験論文の説明と質疑
(3) 専門知識に関する質問(基礎知識確認と筆記答案疑問点確認)
(4) 技術士法(3義務2責務中心)、技術者倫理、資質向上
(5) トピック
これだけだと思ってもかまいません。
実際にはその他の質問例も過去にはありますが、60%合格ラインをクリアするためには、上記の質問に対応できるようにしておけば、不合格リスクはかなり小さく出来ます。
これを踏まえて、どのように口頭試験対策を進めていったらいいか、提案します。
(1) 技術的体験論文のプレゼン準備をしっかりと
上記(2)の対策になります。まずはこれからです。
(2) 経歴票記載業務の肉付けをしっかりと
上記(1)の対策になります。
(3) 選択科目に関する一次試験レベルの基礎知識をしっかりと
上記(3)の対策のひとつです。
(3’)筆記答案をしっかり再現し、不十分な箇所のフォローをしっかりと
これも上記(3)の対策のひとつです。
(3’)としたのは、あまり出題頻度が高くないと思われるためです。
(4) よくある質問に対する準備を万全に。しっかりと掘り下げて深く理解を
上記(1)、(3)、(4)、(5)の対策です。
(5) 想定問答や体験記をもとに、繰り返し訓練を。ただし丸暗記にならないように
押さえるべきところを押さえたら、後は繰り返しトレーニングです。
この5ステップで進めましょう。
|
●技術的体験論文が最大のヤマ!
|
|
(1) 今年の口頭試験 |
|
- 試験時間が30分→45分と長くなった
この長くなった15分は、大部分が技術的体験論文に割り当てられているようです。
特徴としては、以下のようなことがあげられます。(すべての口頭試験に共通しているわけではありません)
- 10分程度の時間を指定して、経歴、体験論文を説明させる。
・経歴と詳述事例
・体験論文を2例とも
・経歴と体験論文を2例とも
などが多いようです。
- 掘り下げ質問が目立つ。
試験官は時間に追われています。昨年までの30分から15分長くなったため時間に余裕ができ、掘り下げた質問・突っ込んだ質問が多くなっているように感じられます。
- 経歴記載業務についても説明を求められる。
経歴票に記載し、技術的体験論文には取り上げていない業務あるいは職務期間について、その内容を掘り下げて聞かれるようです。
- 基礎知識確認問題が出る。
昨年度と同じく、選択科目全般にわたり、かつ専門分野から外れ気味の内容で、基礎知識レベル(一次試験専門科目程度)の質問が出ているようです。
- 評価項目は変わらない
口頭試験は以下の5項目について評価されます。それは変わりません。
@ 経歴及び応用能力
A 体系的専門知識
B 技術に対する見識
C 技術者倫理
D 技術士制度の認識その他
すなわち、技術的体験論文が絡む@とAの一部以外については、従来と同様の対策を講じておけばいいと思われます。
|
|
(2) 技術的体験論文対策 |
|
- 詳述事例の説明
- 考えられる説明パターンと説明法
- 3分程度で説明
この場合、試験官は論文をしっかり読み込んできていると思ったほうがいいでしょう。
従来の経験論文説明と同様、業務概要、課題・問題点、解決策、成果について説明します。
立場役割や現時点評価・今後の展望は省略して、質問されたら答えるようにします。
時間配分は概要1分、課題・問題点1分、解決策及び成果1分程度でしょう。
概要は「どんな業務か」ということを、論評なしで概要だけ説明します。
課題・問題点は、課題が何で問題点が何かということに絞って説明します。
解決策及び成果は、「そこでこのようにした」とい事実に絞り、成果とともに説明します。
問題点も解決策も、その根拠までは言及しないでいいです。つまり全てさらっと流し、あまり細かいことはしゃべらない、「聞かれたら答える」というスタンスで、最小限のことだけしゃべるようにします。
- 5分前後で説明
aと同様、業務概要、課題・問題点、解決策、成果について説明し、立場役割や現時点評価・今後の展望は省略して、質問されたら答えるようにします。
時間配分は、概要1分、課題・問題点2分、解決策及び成果2分程度でしょう。
可能なら論文中の図表類を引用して説明します。
「論文の1ページ目に図−1としてまとめましたが」
などと言ってそれを見てもらい、図を見ているという前提で説明しましょう。
課題・問題点では、問題抽出の根拠を簡潔明瞭に説明します。
解決策もその方法を選んだ根拠を説明します。
こういった根拠説明の鉄則は、結論を先に言うことです。
したがって、aの説明パターンに、
「なぜならば」+根拠
を加えたものになります。
- 7分〜10分程度で説明※経歴とあわせて10分という指定が目立ちます。
この場合、試験官は論文をあまり読み込んでいないか、ほとんど初見かもしれないと思っていいでしょう。ですから、全項目についてしっかり説明します。
- 業務概要
初見同様の人にもわかるように説明します。図があれば引用します。
ここが以外に重要で、業務内容が頭に入らないと、その後の問題点も解決策も全部頭に入りません。
- 立場役割
さらっと口だけで説明します。
- 課題・問題点
課題が何かをまず明確にしておきます。
次に、「しかし・・・・」などと話を次いで、課題クリアを妨げる問題点をあげます。
「本業務における課題は○○でした。しかし、この課題を解決するにあたり、以下の2点が問題となりました。1つは△△、もう1つは□□です。△△が問題となる理由は・・・・・・。また□□が問題となる理由は・・・・・」
という話の流れがスタンダードでしょう。(結論を先に言う。問題点が複数ある場合は、間を空けずに続けて列挙する)
- 解決策(提案)
「それで私は××を提案しました。」というように、最初に提案内容を明確にし、そして「理由は・・・・」と続けていきます。
理由の説明は、箇条書き風に言うと理解しやすいと思われます。
「理由は3つあります。1つは○○です。2つ目は△△です。そして3つ目は□□です。」
という感じです。
- 成果
解決策の実施により直接的に得られた成果を列挙します。
副次的効果は、もし説明するなら最後に「また、これによって」などと続けて付属的に話します。
- 現時点評価と今後の展望
「以上のような内容ですが、現在は○○という手法もあるので、これを適用すれば△△のようになると思います」
というような、さらなる改善に話が伸びる内容ならば説明します。
単に「今思ってもあれがベストだった」という内容だったら、しゃべらないほうが賢明です。
- 口頭説明時の注意点
文章では、重要ポイントがどこか・何かということは、読み手が自分で整理して考えて決めてくれます。
しかし口述では、長くしゃべったところ、熱心にあるいは声高にしゃべったところ、つまり強調したところが重要だと取られます。印象のウェイトが高くなるのです。
よって、重要なポイントである課題・問題点と解決策のところは、時間をかけて、また声を大きめにしたりゆっくり話したり念を押したりして、「ここが大事です」ということをはっきり伝えます。
オマケ部分(たとえば問題点抽出過程のいろいろな作業内容、比較検討におけるボツ案の内容など)は必要最小限のことだけしゃべるようにします。
ポイントは、長さと抑揚です。
- 図表の引用
口頭説明は、「試験官に内容を理解してもらうこと」が目的ですので、図表が使ってあればさおれを最大限活用して説明しましょう。「図-1のような構造です」などと言うことで口で長々と説明せずにすみます。
またフローや相関図があれば、業務内容や課題・問題点の内容などが直感的に理解しやすくなりますから、これも最大限活用しましょう。
ただし図表類を引用した場合、試験官が図表を見ているかどうか確認しながら話すようにしましょう。見ていなければ(見ようとしないなら)口述だけで説明したほうがいいでしょう。その場合は身振り手振りも有効です。逆に図表を見ていれば、身振り手振りは意味をなしません。
また、表やフローを使った場合、そこに書いてある文言と同じ言葉で説明することが対峙です。文言が異なると理解を妨げます。
- 試験官の反応をよく見ながら
試験官が理解できているかどうか、表情やしぐさをよく見ながら話しましょう。
「うーん」とうなったり伸びをしたりそっくり返ったりしたときは、一時的に意識を論文から引き剥がしているので、話すのを中断します。
「いいから続けて」など催促されたとしても、それで減点になったりはしません。
あまり立て板に水すぎても理解が追いつかない場合があります。そう思ったときは、ゆっくり話すとか、根拠を別の言葉で言いなおすなどします。
相手の様子を見ながら、それに合わせて話すのも誠意です。
- 略記事例の説明※詳述事例説明・問答の後、こちらもと説明を求められた事例があります。
略記事例についても説明を求められた場合、与えられた時間にもよりますが、基本的には
@ 論文に書いてある概略部分をさらっとなぞる
A 課題と問題点を整理して話す
B 解決策を話す
C 成果をさらっと話す
という4段階の説明をして、現時点評価・今後の展望は要請があったら答えるようにします。目安は3分から5分です。
また、課題・問題点、解決策ともに1つか2つに絞ります。3つも4つも問題点と解決策を話しても試験官の頭の中に入りません。
まずは必要最小限の説明をして、あとは質問を待ちます。
そして質疑応答を通じて試験官の理解を深めるようにします。そのためには、聞かれていないことまで答えないようにします。
- 全部説明する場合
略記、詳述含めて2例全部説明するよう求められた場合は、前述のパターンを組み合わせ、説明時間に応じて次のようにします。
- 短い場合
全部で3分程度というように、ごく短く指定された場合、試験官はすでにしっかり読み込んでいて、質問を主体にしていこうと考えていると思われます。
よって、略記事例は概要のみ(書いてある内容と同程度)を1分程度、詳述事例は概要と問題点・解決策の概略を2分程度で説明します。そして質疑応答を通じて理解してもらっていきます。
- 中程度の場合
5分程度から7〜8分程度と、中程度の時間をもらった場合、略記事例は短い場合と同様1分程度にしまうが、詳述事例は概要1分、課題・問題点1〜2分、解決策1〜2分程度を割り当てます。つまり、前述5分説明と同じです。
- 長い場合※経歴と事例2例で10分という指定が目立ちます。
時間が多めに与えられた場合、前述の略記説明3分程度と詳述5分説明を組み合わせます。
- 骨子法の活用
簡潔明瞭な説明のためには、文章化された論文よりも、骨子に整理したほうが要点を把握しやすくなります。
特に略記事例は骨子に整理することをお勧めします。
なお、「評価」は当該業務における解決策や成果に対する評価はもちろんですが、関連分野や上下流業務、事業全体など、「まわりに与えた影響」についても考察しておいたほうがいいと考えます。
| 業務概要 |
|
| 立場・役割 |
|
| 課題 |
|
| 解決策 |
|
| 技術的成果 |
|
| 評価と今後の展望 |
|
- 質問対策
- 質問は4種類
質問は、次の4種類のいずれかの理由・目的で発せられます。
- どうなってるの
業務の内容その他、論文から読み取れない・説明ではわからない、より詳しい状況を説明してくれというものです。たいていは説明すればOKです。質問としては一番怖くない質問です。
- 意味わかんない※この質問が一番多いと思われます。
本当に内容が理解できない場合です。説明すればいいだけですが、そうして理解できた結果、そこで評価をされます。(理解できないから評価保留になっていたということです)
- えー、そうかなあ
書いてある内容が納得いきかねる場合です。「こういう場合はそうじゃなくてこうなんじゃないの?」みたいな感じですね。
これには、誤解と見解の相違、こちらの間違いの3つの可能性があります。
いずれにせよ、まずは根拠の詳細な説明です。論文に書いてない、あるいは書いてあるけれど読み落とし・説明省略がある点も含めて、「理解してもらおう」という姿勢で説明します。
ある程度説明しても納得してもらえない場合は、どちらが引くかということになりますから、様子をみて、引くべきだと思ったら「貴重なご意見ありがとうございました。また勉強します」とでも言って引きます。くりろうさんいわく、「ほうきで掃きながら後ろに下がっていくように・・・・」
- わかってんのか?
明らかに間違っている(と試験官が判断した)事項についての質問です。
ズバリ「あなたはこう書いているが、これはおかしい」と言う場合もありますし、用語説明とか「こういう場合、普通どうしますか」みたいな一般論について質問をして、基礎知識から間違ってないか探ってくる場合もあります。
できれば理論的な間違い・記憶違い・勘違いについては、口頭試験前に自分で見つけてフォローしておき、指摘されたら
「はい。ここは間違っていました。本当はこうです」
というように説明するのがベストです。うまくすると資質向上に関して評価をもらえます。
本当にわからなかったが「また勉強します」と言って引きます。ただし、まれに「引っ掛け」(わざと間違ったことを言う)場合もありますから、安易に迎合する必要はありません。冷静に考えて試験官の言っていることがおかしいと思ったら、失礼のない言い方で指摘しましょう。
以上のような質問については、ロールプレイや模擬面接であぶりだすようにしてください。模擬面接の目的は、「上手に話す練習」以上に、「問題点をあぶりだし、当日までに対処できるようにする」ことなのです。
- 質問の意味を理解して
質問を受けたときに一番大切なことは、
質問の意味を理解する
ことです。
焦って早とちりして見当違いの答えをしないようにしてください。
特に、あらかじめ気になるところがあって、それに近い質問をされたり気になるキーワードが出てきたりすると、「ほらきた」とばかりに短絡的に対応してしまいがちです。
質問は最後まで先入観なしに聞くことが大事です。
- 評価されるのは口頭試験の場
たとえ論文に少々不備があっても大丈夫。
論文自体は採点の対象ではなく、口頭試験でのプレゼンテーションと補足説明で試験官の疑問が解消されればいいとされているようです。
ですから、提出した体験論文に不備な点が後で見つかったなら、それをフォローしつつ説明すればいいと思います。説明を始める冒頭に「補足しながら説明させてください」と申し出れば、ダメだとは言わないでしょう。
|
●経歴票記載業務の肉付けをしっかりと
|
|
技術的体験論文がメインになってきたせいか、経歴についても単に説明させるだけで終わらずに、ピックアップしたり「どれか一つ」と言って説明を求め、そこから質問を転がしていくというパターンが目立つようです。
このような問答に対処するため、以下のように準備されることをお勧めします。
- 経歴票に業務名を書いた場合
経歴票に書いた各業務について、前述の骨子に整理して説明できるようにしておきます。
また、その業務経験がその後どう活かされたか、技術者としての成長にどう寄与したかも整理しておくといいでしょう。
- 経歴票には職務内容を書いた場合
各エポックごとの代表的業務について、上記と同様の整理をしておいてはどうかと思います。
時間が経過すると業務の詳細なところは忘れていたりしますので、しっかりと思い出して、整理した状態で頭の中にいれておきましょう。そのために骨子に整理することがお勧めです。
また、失敗事例を聞かれることがありますが、失敗内容だけでなく、失敗原因の分析、それが以降の業務取り組みにどう生かされているかをセットにして説明してください。成功事例を聞かれた場合でも同じです。
|
●基礎知識問題の準備をしっかりと
|
|
ここ2年ほど、「体系的専門知識」を確認するのに、基礎知識レベルの質問をされたという例が増えています。18年度は「基礎知識についても聞くことになっていますので・・・・」といった試験官もいて、そういうルールになってきているようです。そして19年度もそういう質問が高い頻度で出ています。
この基礎知識質問の傾向は以下の2点があげられます。
- 選択科目の範囲内で、専門分野を避けている。
たとえば・・・・
土質基礎受験、専門分野が土質の人に対して基礎の質問
トンネル受験、専門分野が山岳トンネルの人に対してシールドの質問
河川砂防受験、専門分野が河川計画の人に対して砂防の質問
建設環境受験、専門分野が自然環境の人に対して水質汚濁や騒音振動
下水道受験、専門分野が管渠の人に対して処理場の質問
などです。
- 一次試験専門科目程度のレベルである。
たとえば、「○○とはどのようなものか説明してください」という用語説明の質問で、「○○」が「ニューマチックケーソン」「スランプ試験」「スリットダム」「シールドトンネル」「BOD」などです。
また、「下水処理場における消毒方法には何がありまますか?」といったように、「○○にはどのようなものがあるか」という質問もあります。
いずれにしても、内容としては一次試験専門科目レベルのものが多いようです。
以上のことから、選択科目全般にわたり、
・示方書・基準書など(たとえば河川砂防基準など)
・大学テキストや市販の基礎的文献(たとえば土質工学ハンドブックなど)
・このHPの一次試験専門科目対策のページ
などを参考に、広く浅い基礎知識を身につけておいてください。
望まれる技術士像はT型人間です。つまり専門分野に深く、選択科目範囲に広く浅い知識体系です。
特に経験の豊富な技術者になると、日ごろは基礎知識にまで遡って考えないせいか、いまさら基礎知識という気持ちがあるのか、昨年度もここでつまづいている例が多くあります。
逆に19年度、たてつづけの基礎知識問題に的確に答え、試験官に「よく勉強していますね」と言われた受験生の方がいらっしゃいます。これは知識の多さをほめたという以上に、「いまさら基礎知識」などと言わずに基礎知識をしっかりと地道に身につけて試験に臨んだ姿勢をほめたものだと思います。そしてそれこそが技術者としての誠意ではないかと思います。
|
●筆記答案のフォローを忘れずに
|
|
「体系的専門知識」の確認は、技術的体験論文や筆記答案に関する質問、専門知識問題などによって行われますが、ここではそのうち筆記答案(特に専門問題の答案)に関する質問の対策について述べます。
その内容は部門・科目、筆記答案内容で大きく変わりますので、ここで包括的アドバイスを示せません。すなわち、質問の想定から皆さん自身の力でやらなければならないのです。
ではどうすればいいのでしょうか。筆記答案に関する質問内容は、以下のようなものが考えられます。
- 筆記答案の中で試験官が疑問に思うことについて質問する。
「これについてはどうしてこうなるの」とか「こういうことは考えられないの」といった質問です。つまりあなたの答案は間違っていると疑われているか、あるいは説明不足です。
また、「○○について説明してください」と言われたとき、その内容が筆記答案で書いたことである場合、試験官はその答案で満足していない可能性があります。
- 筆記答案の中で試験官が間違い・不十分だと思うことについて補完を求める。
専門問題によくありますが、勘違いから理解不足までいろいろあります。自分の間違いに気がついているかどうかを確認してきます。
- 専門問題の中で選択しなかったほうの問題について意見を求める。
19年度に実際このように問われた人がいます。アドリブでも答えられるでしょうが、ごく基礎的・概略的なことでいいので、答案の骨子・アウトラインを用意しておくと万全です。
- 関連技術について、用語・手法・計算式・新技術などについて説明を求める。
知識ベースがしっかりしているか、個々の技術でなく技術体系の中での知識になっているか、新技術などについてちゃんと勉強しているかを確認してきます。
自分としては最善と思って書いた答案も、他人が見れば不十分ということはよくあります。自分の答案の穴に気がつかずに口頭試験に臨むと、思わぬ質問をぶつけられてしどろもどろということになりかねません。
枝葉のことならば、「申し訳ありません。また勉強します」で許してもらえるかもしれませんが、答案の根幹部分だとかなり痛手です。
そこで、
a. 自分の筆記答案を再現する。
b-1. 答案に理論的間違いがないか、よく調べる。
b-2. 他人に読んでもらって、穴がないか確認する。
c. 間違いや不十分な箇所の、正しい解答を作成しておく。
という対応をしておくことを、第一にお勧めします。もし業務多忙などで口頭試験準備ができない場合でも、この項目だけは最低限やっておいてください。
筆記答案の点数はすでについていますから、たとえ間違っていたことを認めても、口頭試験の場で正答を言えれば問題ありません。さらに、「資質向上の責務」をこの回答で評価してくれることも期待できます。
逆に、筆記答案は間違っていたし口頭試験でも正答は言えないし・・・・だと、筆記試験評価よりダウンした評価をもらいかねません。ですから、筆記答案フォローは第一にやってください。
なお、自分の間違いや不十分なところは、自分自身では見つけにくいものです。できれば他人に読んでもらって、間違い・わかりにくい・不足しているといったところがないかどうかアドバイスしてもらいましょう。
|
●「よくある質問」に対する準備を万全に
|
|
「どこから手をつけたらいいかわからない」ように見えても、当然ながら質問される頻度の高いものと低いものがあります。頻度の高い質問を押さえておけば、口頭試験対策は5割以上、場合によっては7割程度できたと思っていいでしょう。
頻度の高い質問は、この対策ページ次章なり携帯用ページに整理しておいたような内容です。
具体的な内容を、評価項目ごとにまとめてみると、以下のようになります。なお、下表の「よくある質問」は、すべて次章で取り上げて解説しています。 |
|
| 評価項目 |
「よくある質問」の内容 |
| 経歴及び応用能力 |
経歴の説明
技術士受験の動機
技術士になった時の抱負
組織での役割
技術的体験論文の内容説明・質疑
|
| 体系的専門知識 |
部門一般解答に対する質疑・補足説明
専門問題解答に対する質疑・補足説明
専門分野におけるトピック |
| 技術に対する見識 |
| 技術者倫理 |
技術士とはどういうものか
部下や後輩の指導
資質向上のためにやっていること
技術士法・技術者倫理(3義務2責務)
・3義務2責務とその適用
・仮想事例・トピック
|
| 技術士制度の認識その他 |
|
|
もちろん、ピシッと区別できるものではありません。たとえば
「これまでの経歴の中で、技術的体験論文記述以外に技術士としてふさわしいと思うものを説明せよ」
といったような質問が来ることもあります。それは、経歴及び応用能力と体系的専門知識を同時に評価します。
これらの質問内容の中には、経歴とか筆記答案の内容など、あらかじめ調べておかないといけないことが多々あります。その場で考えて即答できるようなものではありません。
最低限、これらの質問に対する準備はしてください。レアな質問に対する回答を考えて、上記のような頻度の高い質問のことを考えてなかったということのないようにしましょう。
実は、上記の対応が終わったら、あらかじめ資料を用意しておかなければならない質問はほとんどなくなります。
|
●口頭試験は避難訓練
|
|
口頭試験への回答準備は、「禅問答型」と「避難訓練型」に分けられます。
「禅問答型」は、自分の中に、理想の技術者像・インフラ整備像などがしっかりとできていれば、それに照らすことで、どんな質問にも自分のスタンスをしっかりと決められるということであり、要は、「十分な経験をつみ、様々な書物などで勉強してきた人であれば、頭の中を整理するだけでいい」ということです。しかし、頭の中のイメージをその場で言葉にするという「知の移転」が得意でなければ、お勧めしません。
「避難訓練型」は、様々なケースに対応できるよう、多種多様な「訓練」をしておくというものです。つまりトレーニングですね。イメージを言葉にするのが不得意な人向けです。具体的には、「数をこなす」ことに尽きます。
「禅問答型」でいける人は多くないと思いますので、ここでは「避難訓練型」で話を進めます。自分は「禅問答型」だと思う人は、「技術士とは」「技術者倫理とは」といったことについてできるだけ多くの文献などを読んで独りよがりになるのを避けつつ、深く考察してみてください。
さて、「避難訓練」で行くのなら、とにかくトレーニングです。
- 次章に示した「よくある質問」を、自信をもってこなせるようになるまで回答案を練る。
- 「よくある質問」のちょっと変化したバージョンをいくつか想定して、回答案を考える。
- 口頭試験体験記を読み、同じ質問をされた時の回答案を考える。
- できれば、模擬面接試験を受ける。身近に指導者になってくれる人がいなければ、受験生同士で質問役と回答役に分かれてロールプレイをする。
というような手順で訓練を重ねてください。
|
●丸暗記はダメ
|
|
想定問答集を作り、その答案を丸暗記しようとする人が時々おられますが、私はお勧めしません。理由は、
- いかにも書き言葉っぽくなって、話し言葉に比べて、聞いても頭に入りにくい。
「事前に用意して暗記してきました」と言わんばかりになると、「それは本当に自分で考えたものか?よし、確かめるために予想外の質問をぶつけてみよう」と「変化球」的質問をぶつけられたりしがち。もちろん心証は良くない。
- 一見想定質問に似ているようで求めるものの異なる質問が来た場合に、臨機対応ができず、ズレたまま強引に回答してしまうという状況に陥りやすい。
このような回答は、評価が低くなる。
といったような事態が予想されるためです。
回答内容を文章まで固定して丸暗記するのではなく、「これを聞かれたらこんな内容で回答しよう」という程度、すなわち回答をポイントをまとめておく程度にして、あまりガチガチに固めずに用意しておかれることをお勧めします。 |