口頭試験対策 最終更新:2015.11.27
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1.口頭試験の内容

●口頭試験の位置づけ

技術士試験は、次の3段階で行われる試験です。

 (1) 書類審査
要は受験資格の審査です。
この段階で審査されるのは、「指導技術士・監督技術者の下で4年の修習を経たか」あるいは「科学技術に関わる業務に7年間従事したか」といった内容であり、またあくまで願書に記載された内容での審査です。よってここで落ちることはほとんどありません。
この過程をクリアすれば、受験票が発行されます。

 (2) 筆記試験
技術力が確認されます。確認事項は、受験部門に関する一般的専門知識(問題1)、受験科目における専門知識と応用能力(問題2)および課題解決能力(問題3)です。

 (3) 口頭試験
ここでは、経歴および応用能力の確認と、技術士としての適性、すなわち技術士法を理解し、技術士法が求める資質を備えているか、ということが確認されます。
経歴および応用能力は、経歴(小論文含む)と筆記試験の問題3答案により試問されます。

【ポイント】
口頭試験では、経歴と技術力については、それがウソであったことがバレた場合を除き、受験審査や筆記試験の結果が覆ることは基本的にありません。
それらについては「確認済み」ですから、自信を持って臨んでください。


●評価事項と配点

口頭試験では、下記の事項について確認されます。

 (1) 経歴および応用能力
  • 概要
    受験願書に付けた経歴票詳細例=小論文を含む)に関して質問がなされ、経歴とこれに伴う応用能力を確認します。
  • 主な質問
    経歴/小論文/受験動機/合格後の抱負/組織内での資格活用や待遇
  • ポイント
    • 小論文(業務内容の詳細)については、25年度は質疑応答のみという受験生が多かったのですが、26年度は3分程度で、あるいは経歴と小論文をセットで5分程度で、説明を求められた受験生が多くなっています。したがってプレゼン(説明)準備をしておきましょう。
      よいプレゼンができるか内容を理解してもらい、課題解決内容について評価してもらえるか)が勝負です。(そのためには、プレゼンを意識した小論文が書けているかどうかが重要です)
      この小論文評価が口頭試験の最大のヤマになると思われます。
    • 経歴票と小論文の間に矛盾がないことが最低限必要です。
    • 筆記答案に関して質問が来ることもあります。間違っていたところを修正しておくのは無論、一歩踏み込んだ議論(たとえば施策の実現策)にも対応できるようにしておきましょう。
  • 公表されている配点
    60点
 (2) 技術士としての適性
  • 概要
    技術士法や技術者倫理を中心に、技術士としての適性を確認します。
  • 主な質問
    3義務2責務に関連した質問(必ず来ると思ってかまいません)/技術士法・技術士とは/技術者倫理/トピック関連質問
  • ポイント
    • 守秘義務や公益確保、名称表示などにからんで意地悪質問が来ることがあります。
    • 暗記的に知っているだけでなく、内容を理解していることが望まれます。
  • 公表されている配点
    40点(技術者倫理:20点、技術士制度の認識その他:20点 )
【ポイント】
多くの場合、(1)→(2)の順で口頭試験が進みますが、まれに逆(倫理から入る)こともあります。


●合格基準は?

◆全項目60%以上が合格ライン
文部科学省発表によれば、口頭試験の合格条件は評価項目全てが60点以上であることです。筆記試験も合格ラインは60点であり、これは他の国家試験と同じです。
すなわち、
 (1) 経歴及び応用能力
 (2) 技術者倫理
 (3) 技術士制度の認識その他

の全てが60%以上の評価を取っていることが合格条件となります。1つでも60%未満の項目があってはいけません。つまり、 配点ウェイトは関係ありません


●どうやって採点している?

◆採点方法はザクッとやっている?
各項目ごとの評価は、各評価項目に関する質問を出して、その回答に対してざくっと評価して進めていると思われます。
これまでの口頭試験では、試験官が記入する採点票は単に評価各項目に○×評価するだけで、それぞれの細かい評点までは求められていないという情報がありました。「○を書くのを見た」という人もいました。
ただ、それが本当だとしても、○か×かを試験官が決定するために、試験官の頭の中あるいは独自に作成した採点シートなどで「60%相当かどうか」を判定していると思われます。もっともそれは「59点であって60点ではない」というような細かい数値判定ではなく、単に「60点以上か60点未満か」という評価尺度だと思われますが。

◆加点方式だと考えておこう
口頭試験は評価項目ごとの総合評価あるいは加点方式であり、持ち点から減点していくような方式ではないと思われます。
すなわち、0点から始まって、評価項目それぞれで60%相当の点数を獲得するか、「これ以上の得点は無理」と判断した時点で次の項目に進んでいるのではないかと推定されます。
ただ採点は、細かくチェックシートのようなものがあって点数を刻んでいくようなものではなくて、各評価項目に関する質問を出して、その回答に対してざくっと評価して進めている可能性が高いと思われます。
もちろん、各項目は必ずしも明確に区別できるものではありません。たとえば3義務2責務が言えるということは、倫理と法制度を同時に得点することになるでしょうし、業務体験に関する設問の中で、技術者倫理の判断がされることもあります。
しかし全体としては項目ごとに進行しており、それぞれの中で60%以上の評価ができるまで(あるいは試験官が得点上積みをあきらめるまで)質問を繰り返すと思われます。

  ◆とにかくシンプルに短く答える
    試験時間は原則20分です。最大10分延長できますが、各受験生に通知した試験開始時間は20分おきに設定されていますから、20分後には次の受験生が入ってきます。
ですから、受験生の出入り時間・試験官のとりまとめ時間なども含めると、20分より少し短い、17〜19分が実質試験時間と思われます。
この短い時間の間に小論文を含む経歴と法・倫理に関するひととおりの質疑応答をしないといけませんから、1つの質問に対する回答に2分もかけていたら加点しきれません。
よって、短くシンプルに答えることが非常に重要になります。特にシンプルに答えること、「要はどういうことなのか」というコアの部分だけをざっくり伝えることが非常に重要になります。
制限時間内に各項目で60%の点数を獲得できるかどうかという試験になります。ですから、もたもたしていてはいけません。わからない設問に何とか答えようと考えに考えて回答が間違っていたら、貴重な時間を費やして加点なしになってしまいます。わからなければスパッとあきらめて「わかりません。勉強します」と言って、次に行ったほうがはるかに得策です。
また、質問意図を取り違えないことも非常に大事になります。貴重な時間を的外れな回答で浪費してしまっては全く加点できませんし、自分自身が焦ってしまって力を発揮できなくなります。中には「技術士の倫理について話してください」などという非常に抽象的な、あるいは遠まわしな質問も考えられます。こういうときは「こういうことをお答えすればいいでしょうか」「ご質問の主旨がわかりません」などと確認等して、的外れにならないようにしましょう。
なお、本当のタイムリミットは30分です。これは、20分でまだ不十分と判断した場合には最大10分延長してなんとか合格させようとするといった対応を想定していると思われますが、延長をすると次の受験生を待たせることになります。おそらく20分サイクル数回ごとに「空きの20分」が設けてあって、延長時間分の調整や試験官のとりまとめ・休憩にあててあると思いますが、それでも次の受験生が待っている状況で、気軽に延長はしないと思います。実際25年度口頭試験では、総監部門を除いて延長例はほとんどありませんでした。26年度は少し増えましたが、それでも稀です。
ですから、やはり20分弱で終了することを目標に試験官は質問してくるでしょう。ですからこちらも、簡潔明瞭に次々に質問をこなし、効率的に加点しましょう。
【ポイント】
筆記試験への点数上積みではなく、口頭試験自体の点数で合否が決まります。
したがって、筆記で90点だった人も、筆記で60点ギリギリだった人も、同じスタートラインからの試験になります。
加点方式だと思って、制限時間内に効率よく点数を稼ぎましょう。わからない問題でモタモタしていては時間の浪費です。
筆記がよくできた人は油断せず、筆記がイマイチだった人は気を楽に持ってチャレンジしてください。
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2.口頭試験対策

口頭試験が具体的日程を持って迫ってくると、質問される内容を想定していて、その範囲がどんどん拡大して「どこから手をつけたらいいかわからない」状態になって、精神的に落ち込んでしまう人がよくいらっしゃいます。
口頭試験での質問内容は、
 (1) 受験願書の経歴票をベースにした、経歴や動機・抱負、経験に関する質問
 (2) 小論文の説明と質疑
 (3) 筆記試験答案に関する質問
 (4) 技術士法(3義務2責務中心)、技術者倫理、資質向上、倫理に関するトピック

これだけだと思ってもかまいません。
実際にはその他の質問例も過去にはありますが、60%合格ラインをクリアするためには、上記の質問に対応できるようにしておけば、不合格リスクはかなり小さく出来ます。
これを踏まえて、どのように口頭試験対策を進めていったらいいか、提案します。
  1. 小論文のプレゼン準備をしっかりと
    上記(2)の対策になります。まずはこれからです。
  2. 経歴票記載業務の肉付けをしっかりと
    上記(1)の対策になります。
  3. 筆記答案をしっかり再現し、不十分な箇所のフォローをしっかりと
    上記(3)の対策のひとつです。問題3がB評価だった人には必須です。
    問題3がA評価だった人は念のためやっておきましょう。
  4. よくある質問に対する準備を万全に。しっかりと掘り下げて深く理解を
    上記(1)〜(4)すべての対策です。
  5. 想定問答や体験記をもとに、繰り返し訓練を。
    押さえるべきところを押さえたら、後は繰り返しトレーニングです。

この5ステップで進めましょう。

●小論文が最大のヤマ!

(1) 小論文対策
  • 小論文の説明

    試験時間が短いので、小論文についてはいきなり質問から入ってくる場合もありますが、論文だけではなかなか内容がわからないでしょうから、説明を求める可能性が高くなると思われます。
    説明時間は3分程度を標準にしましょう。それより短いといくらなんでも内容を把握できないでしょうし、それより長いと質疑応答時間が取れなくなってしまいます。また「簡単に」と言われた場合も3分程度なら「簡単に」の範疇です。
    小論文を口頭説明するとき、最悪なのは小論文の内容そのままで話すことです。である調をですます調に替えただけの説明は、読んでいるのと変わりません。
    なぜそれが最悪かというと、退屈なことはもちろんですが、小論文を読んだのと同じ理解しか得られないことが問題なのです。
    試験官は、@小論文を読み、A説明を聞き、B質疑応答をして小論文の理解を深めていき、「60点程度納得できる」と判断できた時点で「OK」と評価します。
    ですから小論文を読んでの理解度が、説明で深まらないのであればそれは時間の無駄なのです。
    その次によくないのは3分に詰め込みすぎて試験官が理解しきれないことです。少しでも高い評価を得たいと思ってあれもこれも詰め込むと、話の展開が早すぎることになり、試験官の頭に入りきりません。「最低限これだけは伝えたい」ことを厳選して、話し手にとっても聞き手にとっても余裕のある説明をしましょう。
    そのために、小論文の説明内容(プレゼンシナリオ)をまとめましょう。小論文に書いてある内容を話し言葉に合わせて並べ替えたり、また書ききれなかったことを補足したり余計な(制限時間の中では話しきれない)部分を省略したりして、3分で余裕をもって話せるシナリオを作ることをお勧めします。
    どのようなことを話すといいのかということですが、以下のような構成ではいかがでしょうか。
    1. 業務概要
      初見同様の人にもわかるように説明します。30秒くらいが目安ですが、現場のシチュエーションが複雑な人もいるでしょうから、その場合は1分くらいかけてもいいかなと思います。
      ここが以外に重要で、業務内容が頭に入らないと、その後の問題点も解決策も全部頭に入りません。
    2. 立場役割
      基本的には省略してかまいません。
    3. 課題・問題点
      課題(やるべきこと・求められたこと)をまず明確にしておきます。
      次に、「しかし」などと話を次いで、課題クリアを妨げる問題点をあげます。
      「本業務における課題は○○でした。しかし、この課題を解決するにあたり、△△が問題になりました。」という具合ですね。
    4. 解決策(方向性→具体策)
      「そこで私はこう考えてこう提案しました」というように、まずは考え方・方向性を述べ、続いて具体的な提案内容を述べます。
      提案内容だけではなく、提案の考え方を述べることが最重要ポイントです。なぜなら、技術士にふさわしいかどうかは、提案内容ではなく提案の考え方で評価されるからです。
      これは資格試験ですから、業務ではなく技術者を評価します。業務評価であれば提案内容がよければ、それが誰が・どうやって提案したものであっても関係ありませんが、技術者評価であれば、その人がどのように考えて提案したのかが大事になります。提案だけならひらめき・思いつきやパクリででもできますからね。
      小論文には提案内容しか書いてないかもしれませんが、そんなことは気にすることはありません。評価されるのは4月の自分ではなく今の自分なのですから、提案根拠となる考え方をしっかり述べましょう。
    5. 成果
      省略してもかまいません。時間に余裕があれば、提案によって課題が解決したことだけをさらっと述べましょう。副次的効果のようなものは評価につながりませんから言わないようにしましょう。時間の無駄です。
  • 口頭説明時の注意点

    プレゼンシナリオを作る場合、書き言葉(文章)と話し言葉(セリフ)の違いを十分考慮してください。
    • 話し言葉は一息の長さ
      文章でシナリオを作った場合、たいていの場合は文が長すぎます。
      話し言葉の長さは基本的に「一息の長さ」、つまり息継ぎをせずに話せる長さです。それ以上の長い文だと、途中で息継ぎが入り間が空くので、理解が妨げられます。それにそんなに長い文は頭にすっと入りません。
    • 話し言葉に漢字はない
      ひらがなやカタカナは表音文字ですが漢字は表意文字ですね。
      ですから同音異義であっても、音的には少々難しい表現であっても、漢字を見れば意味がわかるので、われわれは気楽に漢字を使うのですが、これは話し言葉では通用しません。
      ですから「考察しました」でも「推察しました」でもなく「考えました」と平易な表現にしたほうがいいわけです。
    • 専門用語は使わない
      試験官は同じ科目の技術士だから専門用語を使ってもいいだろう。いや、専門用語を使ったほうがレベルが高いと思われる…まったく逆効果です。
      試験官がズバリ専門分野が同じであればともかく、そうでなければ理解が難しくなりますし、何より専門用語は直感的に理解できない場合は多いので、漢字による表意もなく、また言葉の意味を考えて理解する時間もないヒアリング(試験官が口述を聞くこと)では、試験官が意味を明確に理解できないままプレゼンが先に進んでしまいかねません。
    • 身振り手振りが大事
      小論文は図表が使えませんから、それを補う視覚的表現が大変効果的です。
      身振り手振りを積極的に使って試験官の理解を促しましょう。
    • ホワイトボードを使えるようにしておこう
      会場のフォーラムエイトは貸し会議室なのでホワイトボードが会場に配備されています。マーカーペンは黒・赤・青の太いものがあります。
      小論文は図がないうえに文章も短いので、試験官も容理解がしにくくなっています。ですから、ホワイトボードを使っての説明を求められる場面が増えるものと思われます。もしそうなったら限られた時間内で効率的に理解してもらうには絶好のチャンスですが、CADの図面しか書いたことがない人はわかりやすい図が描けません。せっかくのチャンスを棒に振るばかりか貴重な時間を浪費してしまいかねません。
      わかりやすいポンチ絵がさっと描けるようにしておきましょう。
      ただし25年度以降は試験時間が短くなったこともあり、ホワイトボードを使って説明した例はあまり見なくなりました。「ホワイトボードを使ってもいいですか」と聞いたら「ダメです」と言われた例もあります。
    • 試験官の反応をよく見ながら
      試験官が理解できているかどうか、表情やしぐさをよく見ながら話しましょう。
      顔を伏せて手元資料を見ているときは、論文を読んでいる=説明を聞いていない可能性があります。もし小論文の内容と説明の内容が異なる場合(補足している場合や工夫点などの重要ポイントが変わっている場合)は、これでは困ります。なんとかして試験官に顔を上げてもらいましょう。
      そういうときに有効なのが「間」です。「〜です。」などと述べて、そのあとにちょっと間を置くのです。「ん?」と思って試験官は顔を上げます。そこでアイコンタクトをとったまま(睨んではいけませんよ^^;)、話を続けます。試験官の目にこちらの目を据えたままでは怖いですが、「顔を見て話す」状態を保てば、聞き手は話し手を見続けてくれます。

  • 質問対策
    • 質問は4種類
      質問は、次の4種類のいずれかの理由・目的で発せられます。
      1. どうなってるの
        業務の内容その他、論文から読み取れない・説明ではわからない、より詳しい状況を説明してくれというものです。たいていは説明すればOKです。質問としては一番怖くない質問です。
      2. 意味わかんない※この質問が一番多いと思われます。
        本当に内容が理解できない場合です。説明すればいいだけですが、そうして理解できた結果、そこで評価をされます。(理解できないから評価保留になっていたということです)
      3. えー、そうかなあ
        書いてある内容が納得いきかねる場合です。「こういう場合はそうじゃなくてこうなんじゃないの?」みたいな感じですね。
        これには、誤解と見解の相違、こちらの間違いの3つの可能性があります。
        いずれにせよ、まずは根拠の詳細な説明です。論文に書いてない、あるいは書いてあるけれど読み落とし・説明省略がある点も含めて、「理解してもらおう」という姿勢で説明します。
        ある程度説明しても納得してもらえない場合は、どちらが引くかということになりますから、様子をみて、引くべきだと思ったら「貴重なご意見ありがとうございました。また勉強します」とでも言って引きます。くりろうさんいわく、「ほうきで掃きながら後ろに下がっていくように・・・・」
      4. わかってんのか?
        明らかに間違っている(と試験官が判断した)事項についての質問です。
        ズバリ「あなたはこう書いているが、これはおかしい」と言う場合もありますし、用語説明とか「こういう場合、普通どうしますか」みたいな一般論について質問をして、基礎知識から間違ってないか探ってくる場合もあります。
        できれば理論的な間違い・記憶違い・勘違いについては、口頭試験前に自分で見つけてフォローしておき、指摘されたら
        「はい。ここは間違っていました。本当はこうです」
        というように説明するのがベストです。うまくすると資質向上に関して評価をもらえます。
        本当にわからなかったが「また勉強します」と言って引きます。ただし、まれに「引っ掛け」(わざと間違ったことを言う)場合もありますから、安易に迎合する必要はありません。冷静に考えて試験官の言っていることがおかしいと思ったら、失礼のない言い方で指摘しましょう。
      以上のような質問については、ロールプレイや模擬面接であぶりだすようにしてください。模擬面接の目的は、「上手に話す練習」以上に、「問題点をあぶりだし、当日までに対処できるようにする」ことなのです。
    • 質問の意味を理解して
      質問を受けたときに一番大切なことは、
       質問の意味を理解する
      ことです。
      焦って早とちりして見当違いの答えをしないようにしてください。
      特に、あらかじめ気になるところがあって、それに近い質問をされたり気になるキーワードが出てきたりすると、「ほらきた」とばかりに短絡的に対応してしまいがちです。
      質問は最後まで先入観なしに聞くことが大事です。
    • キラークエスチョンへの対処
      受験生がぐっと詰まってしまうようなキラークエスチョンがいくつかあります。この多くは、合否を分けることになる重要な質問です。
      「技術士にふさわしい点は?」…「あなた自身の工夫は?」「どこが技術士にふさわしいの?」「当たり前なんじゃないの」など、いろいろな聞き方がありますが、つまりはこの質問に答えきれれば「技術士にふさわしい」と認めてもらえますし、そうでなければ「技術士にふさわしくない」となって不合格にぐっと近づいてしまいます。
      「その提案の短所な何ですか?」…どんな提案にも短所はあります。完全無欠な提案などありません。間違っても「ありません」などと答えないようにしましょう。ものの見方が一面的なだけでなく傲慢と思われかねません。
      これらキラークエスチョンへの対応は、後述の「よくある質問」の項で述べます。

  • 評価されるのは口頭試験の場
    たとえ小論文に少々不備があっても大丈夫。論文自体は採点の対象ではありません。論文を読んで、説明を聞いて、質疑応答をして、それで試験官の疑問点が解消されればいいのです。
    ですから、提出した小論文に不備な点が後で見つかったなら、それをフォローしつつ説明すればいいと思います。説明を始める冒頭に「補足しながら説明させてください」と申し出れば、ダメだとは言わないでしょう。

●経歴票記載業務の肉付けをしっかりと

小論文がいまいちの出来だったり、受験科目の中ではちょっと偏ったテーマかなと思ったり、あるいはいっそ受験科目の内容から外れていたりして、小論文だけでは応用能力が確認できないと判断した場合、経歴票に書いてある他の期間、すなわち○をつけた(小論文を取り上げた)以外の行からピックアップしたり「どれか一つ」と言って事例説明を求め、そこから質問を転がしていくというパターンが考えられます。
このような問答に対処するため、以下のように準備されることをお勧めします。
  • 経歴票に業務名を書いた場合
    経歴票に書いた各業務について、前述の小論文のシナリオ構成(業務概要、課題問題点、解決策の方向性と具体策)に整理して説明できるようにしておきます。
  • 経歴票には職務内容を書いた場合
    各エポックごとの代表的業務について、上記と同様の整理をしておいてはどうかと思います。
時間が経過すると業務の詳細なところは忘れていたりしますので、しっかりと思い出して、整理した状態で頭の中にいれておきましょう。そのために骨子に整理することがお勧めです。

●筆記答案のフォローを忘れずに

問題3(課題解決問題)の成績がBだった人は、口頭試験で何らかの試問がされる可能性が極めて高いと思っておきましょう。「筆記試験でのB評価を口頭試験でA評価にしなければ合格できない」と思っておいたほうがいいと思います。
ですから、筆記答案のフォローはしっかりとやっておきましょう。不足していた・不十分だったと思う点を抽出し、「これならA評価」と自信をもっていえる内容を用意しておきます。
その内容は部門・科目、筆記答案内容で大きく変わりますので、ここで包括的アドバイスを示せません。すなわち、質問の想定から皆さん自身の力でやらなければならないのです。したがって、ここでは考えられる質問の内容をあげておきます。
  1. 筆記答案の中で試験官が不十分だと思ったことについてズバリ質問する。
    「これについてはどうしてこうなるの」とか「こういうことは考えられないの」といった質問です。つまりあなたの答案は間違っていると疑われているか、あるいは説明不足です。
    また、「○○について説明してください」と言われたとき、その内容が筆記答案で書いたことである場合、試験官はその答案で満足していない可能性があります。
    ですから、不十分だったなと思う点についてはフォローしておく必要があります。
  2. 筆記答案の中で取り上げた事項についてさらに深い意見を求める。
    答案で解決策として書いた事項について、さらに踏み込んだ質問をすることで理解度・解決策としての妥当性を確認しようというものです。
    たとえば建設部門では維持管理をとりあげた課題解決問題が出題されたのですが、アセットマネジメントやPFIを提案している人が多くいます。これらについて、ちょっと詳細な説明要求を求める質問が予想されます。つまり「理解していないのに聞きかじった方策を書いておく」ことをしていないか、という確認ですね。たとえば「PFIが有効だというけれど、なぜ・どのように有効なのか」「アセットマネジメントはどのようなシステムですか」などですね。
    ですから答案に書いた内容について、表面的な理解だったもの、言葉だけ書いたようなものは、もっと深めて理解しておく必要があります。
  3. 「何か補足することがありますか」と聞く。
    「筆記試験の課題解決問題答案について、何か補足することがありますか」と、テーマまで受験生にゆだねる場合です。これは「答案のどこが不十分でB評価になったのか、自分でわかっていますか」ということですね。ですからフォローをしっかりしておくことが重要です。
なお、上記質問に対処するためには、「これならA評価」という答案を作って覚えるというよりも、答案を構成する項目ごとに新旧対照表のようにして、筆記答案と「あるべき答案」を比較対照した形で整理しておくといいと思います。

●「よくある質問」に対する準備を万全に

「どこから手をつけたらいいかわからない」ように見えても、当然ながら質問される頻度の高いものと低いものがあります。頻度の高い質問を押さえておけば、口頭試験対策は5割以上、場合によっては7割程度できたと思っていいでしょう。
出題頻度が高く、回答を準備しておいたほうがいいと思われる質問について、以下に列挙します。

  1. 受験動機は何ですか
    • 自分のため(憧れ、励み、力試し)と世の中のため(プロジェクトの中心で力を尽くすなど)の2本立てがいいです。
    • 資格はあくまで看板です。技術士になったから技術力がアップしたり視野が広くなったりするものでもありませんし、別に技術士にならなくてもできることも数多くあります。そういった視点で「技術士でなければできないこと」を。「高度な専門技術を身に着ける」などは受験動機としては変ですね。
    • 「社会資本整備と公益確保に力を尽くしたい」などの回答は、模範的ではありますが無個性ですし「いい子ちゃん」すぎて嘘くさいですよね。もっと前のめりで熱意ある具体的な動機は力強いものです。
    • 経歴を通して知識や経験を身につけていくわけですが、その中で自分の強み、自分ならではの技術力が身につくはずです。それを活かしていい仕事をすることで社会に貢献したい(ボランティアとしてではなくプロとして)と思うのだけれど、技術士資格という技術力の証明書がないと、そもそも土俵に上がれなかったり、話を聞いてもらえなかったりするので、資格がほしいといったことを述べると、私益と公益をバラバラに言ったり、いい子ちゃん的なありきたりでウソっぽい動機ではなく、その人の個性が表れ、熱意も見える動機になると思います。
    • 公務員の方は、国民市民の信頼を得るために資格がほしいと言ってもいいでしょう。品確法の理念も踏まえれば、「この事業の担当職員はしっかりしているのか」と国民に問われたとき、「大丈夫、私は高い技術力を持っています」だけでなく「高い技術力を持っていないと取れない資格も持っています」と言いたいですよね。
  2. 失敗例を言ってください
    • 質問意図は失敗を糧にした技術者としての成長の確認なので、技術者としての未熟さによる失敗として原因とともに整理し、その後の改善につなげた形で。
    • 失敗した事例と同じようなことにしか応用できないのでは「せっかくの失敗がもったいない」ですよね。根本的に自分の技術力がどう未熟だったのかというところまで原因を一般化して、仕事に対する取り組み姿勢のような一般化した改善を考えましょう。
  3. 成功例を言ってください
    • ただ「うまくいってよかったなあ」ではなく、成功した原因を探り一般化することで、その後の業務改善や技術者としての成長につなげた形で。
    • また原因改善を一般化して成功事象に限定した改善にならないように。
  4. 印象に残った事例を言ってください。
    • エピソードではなく、技術者としての成長に大きくかかわった事例がいいでしょう。
    • それによって何を学んだかが大事ですし、それを一般化して事例事象に限定した内容にならないように。
  5. 合格後の抱負は?
    • 動機と抱負はセットですから整合性にも留意して整理しておいてください。特に動機が具体的であれば、合格後はそれを実行する段階になるわけですね。
    • 技術者倫理を守って社会のために努力します的な回答は模範的ではありますが、面白味がありません。「資格を生かしてこんな新しいことをしてみたい」というような前向きな夢を語ってもいいでしょう。
    • 人脈形成も試験ではウケがいいようです。
  6. あなたの組織では技術士はどう活用されていますか。
    • 答えの内容はあまり問題ではありません。すぐに答えられること(知らないと思われないこと)、長々と答えないことが重要です。
  7. 技術士を取得した場合の優遇措置は?
    • 答えの内容はあまり問題ではありません。すぐに答えられること(知らないと思われないこと)、長々と答えないことが重要です。
  8. (小論文)この業務で技術士にふさわしいと思う点はどういうところですか。
    • 「〜したこと」だと成果評価になってしまいます。業務ではなく自分を評価してもらわねばなりませんから、「こう考えてこうした」、つまり考察部分・着想部分を評価してもらいましょう。
    • また、よほど専門ズバリでない限り、その工夫点がどの程度のレベルなのかはわからないものです。つまり試験官が絶対的評価尺度を持っていないものと思って、相対的評価尺度を使いましょう。すなわち、「普通なら(凡庸な技術者なら)こうしてしまう・ここまでどまりであるところを、私はこういう能力(知識・経験)があったのでこういうように考えて、こう提案することができた」という内容で。
  9. (小論文)この業務において、あなたが発揮した○○の専門技術力は何ですか。
    • 上記「○○」は受験科目です。つまり、提案をするにあたり発揮されたとおもわれる能力が、技術力といえるのか?と思った場合(たとえば調整能力など行政マンとしての能力のように見える場合)や、専門技術力であっても受験科目とズレていると試験官が感じた場合などに質問されます。
    • もっとズバリ「この論文は○○科目なんじゃないの」と受験部門・科目そのものに疑問を呈される場合もあります。そう思われてしまったら、これを覆さない限り合格はあり得ません。「受験科目に関する高度な専門的応用能力がある」と認められて初めて合格するのですから、提案がどんなに高度なものであっても関係なくなってしまいます。
    • したがって、このように思われる恐れがある人は、受験科目に関する専門技術力を発揮したことが明確になるような小論文プレゼンを用意しましょう。
  10. (小論文)提案内容の短所はありますか?あるならばどういったところですか。
    • 短所にもちゃんと目を向けているかの確認です。
    • 「こういう懸念があるのでこう対処した(あるいは対処するといい)」というように、短所をあげるだけでなく対処まで話しましょう。
  11. (小論文)この業務は委託に出しましたか。
    • 公共事業における発注者など、一般的には委託に出すであろう業務で、委託に出したという内容が書いてない場合によく質問されます。
    • 「はい」と答えると、「ではあなたと受託者の役割分担は?」というように追加質問が来ることが多いようです。
    • つまり「これは受託者(コンサルなど)が出してきた提案をパクったのではないか」ということの確認です。発注者らしい役割分担、発注者だからこそできる提案をしっかり整理しておきましょう。
  12. 小論文以外に技術士にふさわしいと思う業務を1例選んで簡単に説明してください。
    • 26年度とくに目立った質問です。
    • 業務概要・課題と問題点・解決策の方向性と具体策を2分以内でざっと説明するといいと思います。
  13. (ここから法制度)技術士法はなぜ必要だと思いますか。
    • 「自分なりに解釈する技術士法」ではなく、まずは技術士法の条文を使いましょう。
    • 第1条を逆から読めばいいです。科学技術の向上と国民経済の発展のためには業務の適正化が必要で、それを指導すべき技術が必要であるため、これを定めたということですね。
    • 技術士法の制定過程を理解すればすぐに答えられます。
      技術士法は1957年に制定されています。当時の日本は所得倍増計画のもと、科学技術立国・ものづくりの国として豊かな先進国になろうということが国策でした。
      そういう中では技術開発や調査研究がどんどん進みますが、もし技術的指導者、コンサルタントがいないまま野放図にそういったことが進むと、とんでもない品質のものが生まれてしまったりして科学技術立国が危うくなります。
      そこで国は国家試験により高い能力を持った技術者を他の技術者とは区分して、その人たちにだけ技術士を名乗る権利を与えました。
      こうすることで、「技術士を名乗る者は国が責任をもって選んだ高度な技術力をもった人たちだから、この人たちを信頼してアドバイスを受け、適正に業務をやってくれ」ということができたわけですね。
      これを踏まえて第1条、第2条を読んでいただくと、よく理解ができるのではないかと思います。
      また、第1条の条文を逆から読んでもわかりやすくなります。つまり「科学技術の向上と国民経済の発展のためには業務を適正化する必要があり、そのために技術士の資格を定めたものです」といったことですね。
      以上のような経緯を踏まえると、一番避けなければならないのは信用失墜行為だということはよくご理解いただけるのではないかと思います。
  14. 技術士とは何ですか.。
    • 「自分なりに解釈する技術士」ではなく、まずは技術士法の条文を使いましょう。
    • 第2条を逆に構成するといいです。つまり「高いレベルの調査や設計を行う人として、試験で選ばれて登録した人しか名乗ってはいけないことになっているのが技術士だ」というように。
    • 技術士法の制定過程を知ればすぐに答えられるでしょう。
  15. CPDとは何ですか。なぜ必要だと思いますか。
    • CPDは継続研鑽です。
    • 必要性は、「技術は日々進歩しているので研鑽を怠ってはならない」だと資質向上の必要性にとどまってしまいます。それでは「それは資質向上の責務の必要性でしょう。それなら技術士法に書かれているのだから、それで十分でしょう。なぜそのうえCPDが必要なのですか?」と言われてしまいます。
    • 研鑽を記録し第三者に証明することがポイントになります。
    • なお単位目標は、年平均50単位時間、3年間に150単位時間(APECエンジニアは更新申請前の過去5年度に250単位時間)です。
  16. 罰則には何がありますか。
    • @守秘義務違反で1年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金、A過度の義務責務不履行の場合に調査の上で資格剥奪や名称使用禁止
    • 守秘義務のみ罰金懲役があるのは、守秘義務は被害者が特定でき、告訴されるからです。つまり刑事罰になります。対して登録取消等は行征伐です。
  17. 技術士と同様の外国資格を知っていますか。
    • アメリカや韓国などのPE、イギリスのCE、中国の登録工程士など。
    • PEは「プロフェッショナル・エンジニア」の略、CEは「チャータード・エンジニア」の略です。
  18. 国際相互承認資格を知っていますか。
    • APECエンジニア、IPEA(旧・EMF)国際エンジニア。
    • APECエンジニアは経験年数7年&責任ある立場での重要なプロジェクト経験2年が登録要件で審査のみで付与される資格です。
  19. 3義務2責務を言ってください。
    • 信用失墜行為の禁止の義務・秘密保持の義務・名称表示の場合の義務・公益確保の責務・資質向上の責務。
    • 信秘名公資(しんぴめいこうし)と覚えておくといいでしょう。
    • こういう「丸暗記言葉」は意外と出てきません。覚えたらOKと思わず、いつでもすっと出てくるように言い慣れておきましょう。
  20. 信用失墜行為の禁止をわざわざ法でうたっている理由は何だと思いますか。
    • 技術士法制定過程からも信用を失ってしまっては技術士の価値はなくなりますし、そうすると技術士法の目的が達成できなくなります。
    • 技術者にとっての「信用」とは、専門職技術者であるがゆえに公衆から「任された信頼」です。医者を信頼して命を預けて手術を受けるように、橋を渡る人は箸を設計・施工した技術者を、飛行機に乗る人は飛行機を設計・製作した技術者を信頼して命を預けます。この、専門家に対する信頼を裏切ってはいけないということです。
  21. 公益とは何ですか。
    • 条文を引用したほうが無難です。公共の安全、環境の保全等。環境を忘れないように。
  22. あなたの職務上、公益確保に反することがあるとするとどのようなことですか。
    • 試験回答としては過失でなく故意の反倫理行動のほうがいいでしょう。
    • データ偽装・捏造や隠蔽などがいいでしょう。
  23. もし公益に反する行為を強制されたらどうしますか。
    • まずは公益に反することの確認、次に説得、組織内でやれることを尽くしたうえでもだめだったら最後は内部告発になります。この場合の通報先は監督官庁です。「マスコミ」などと言ったら一発不合格の可能性があります。
    • 客先から公益に反することを強制された場合は、自分の属する組織として客先を説得したりして対応するようにしますが、そこで自組織が折れて「客先の言うとおりにしてくれ」となったら、自組織の説得→どうしてもダメなら内部告発となります。個人として客先を告発するようなことがないように。
    • ここで「会社をやめます」とか「クビだと言われたらクビを切られます」と言ったら一発不合格の可能性が高くなります。なぜならそんなことをしたら自分はそれでいいかもしれませんが、不正を防げなくなり、公衆が被害をこうむることになるかもしれないからです。
  24. 内部告発においてあなたを守ってくれる法律を知っていますか。
    • 公益通報者保護法です。通報対象となる行為、通報できる人、通報先などが規定されています。
    • 技術士になると、公益と私益の間で苦しむことになる可能性が高くなります。そうだからこそ、いざというときに自分を守ってくれる法律は知っておいてくださいということです。
  25. 資質向上のために日頃は何をしていますか。
    • 自己学習(学術雑誌購読やネットなどでの新技術学習)、講習会・シンポジウムへの出席、資格取得、学会等での委員、科学教育への協力などがありますし、一般教養としては日経新聞等を読むなどでもいいです。
    • 「最近気になった記事は?」というように「本当に雑誌を読んでるんだろうね」的質問が来ることもあります。
  26. 反倫理的行為の事例をあげてください。
    • 最低2つは用意しておいてください。また経営者の社会的倫理ではなく技術者倫理の視点です。経営者が反倫理的行動をとったのなら「その会社の技術者はどうすべきだったか」と考えましょう。
    • 旭化成建材は多くの受験生が取り上げると思われるので、試験官も飽きてしまい、「それ以外」と条件付けする可能性もありますから、他にも用意しておきましょう。今年度は東洋ゴムやフォルクスワーゲンなどありますね。
    • 「それは3義務2責務のどれに反していると思われますか」と聞かれることもあります。たいていは信用失墜行為と公益確保ですね。
  27. 技術士倫理綱領を知っていますか。
    • 前文の内容、10項目あること、はじめの3項目くらいを説明できるといいです。平成23年3月改定で、公衆の利益優先、持続性確保、有能性重視の先頭3つを覚えておきましょう。
  28. 二次試験受験には一次試験合格かJABEE修了が必須になっているのはなぜですか。
    • 26年度目立った質問です。
    • 平成12年度の改正時に国際対応の中で技術士の資質能力に高等教育が加わったから(ワンシントンアコード)です。

●口頭試験は避難訓練

口頭試験への回答準備は、「禅問答型」と「避難訓練型」に分けられます。
「禅問答型」は、自分の中に、理想の技術者像・インフラ整備像などがしっかりとできていれば、それに照らすことで、どんな質問にも自分のスタンスをしっかりと決められるということであり、要は、「十分な経験をつみ、様々な書物などで勉強してきた人であれば、頭の中を整理するだけでいい」ということです。しかし、頭の中のイメージをその場で言葉にするという「知の移転」が得意でなければ、お勧めしません。
「避難訓練型」は、様々なケースに対応できるよう、多種多様な「訓練」をしておくというものです。つまりトレーニングですね。イメージを言葉にするのが不得意な人向けです。具体的には、「数をこなす」ことに尽きます。
「禅問答型」でいける人は多くないと思いますので、ここでは「避難訓練型」で話を進めます。自分は「禅問答型」だと思う人は、「技術士とは」「技術者倫理とは」といったことについてできるだけ多くの文献などを読んで独りよがりになるのを避けつつ、深く考察してみてください。

さて、「避難訓練」で行くのなら、とにかくトレーニングです。
  1. 前述の「よくある質問」を、自信をもってこなせるようになるまで回答案を練る。
  2. 「よくある質問」のちょっと変化したバージョンをいくつか想定して、回答案を考える。
  3. 口頭試験体験記を読み、同じ質問をされた時の回答案を考える。
  4. できれば、模擬面接試験を受ける。身近に指導者になってくれる人がいなければ、受験生同士で質問役と回答役に分かれてロールプレイをする。
というような手順で訓練を重ねてください。

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3.試験準備

●試験当日までにしておくこと

 (1) 受験準備
  • 前述のように、
     (1) 小論文のプレゼン準備をしっかりと
     (2) 経歴票記載業務の肉付けをしっかりと
     (3) 筆記答案をしっかり再現し、不十分な箇所のフォローをしっかりと
     (4) よくある質問に対する準備を万全に。しっかりと掘り下げて深く理解を
     (5) 想定問答や体験記をもとに、繰り返し訓練を。

    この5ステップで準備を進めましょう。
  • 技術者倫理の考え方がなかなかすっきり腹に落ちない(身につかない)人もいるかと思います。こういうときは、とにかく事例です。なぜこの行動は非難されるのか、という視点で掘り下げることが必要です。技術者倫理の書籍を一次試験・適性科目のページでも紹介していますが、これなどを読み込むことも一つの手です。少なくとも技術者倫理については、何かの条文などを丸暗記すればいいというものではないことを認識しましょう。

 (2) 宿泊手配
  • 年末年始にかかることもあり、さらに土日の受験が多いので、早めに宿泊手配をしておきましょう。また1月になると降雪による交通トラブルもあります。公共交通トラブルを配慮してもらえる可能性は低いと考えておきましょう。数時間しか余裕のないスケジュールを組み、「雪で新幹線が止まったので遅れた。オレのせいじゃないのに認めてもらえなかった」なんて言って怒っても通じません。自らのリスク管理の稚拙さを露呈するだけです。
  • 食事や宿泊その他、受験以外のことにできるだけ気を使わなくてすむように、できるだけ早い時点で配慮しておきましょう。試験日が近づいてくると余裕がなくなってきて、思わぬ見落としをしたりすることがあります。心に余裕があるうちに手配は進めておきましょう。
  • 宿泊する場所は、試験会場への便も配慮したほうがいいでしょう。万一公共交通機関に遅れが出たり、慣れない東京で迷ったりしても、遅刻の理由として認められることはまずありません。
    試験時間が午後であったりして時間に余裕がある場合は、喫茶店かどこかで時間を潰せばいいわけです。たとえば渋谷のフォーラム8は、それが入っているビル自体にも、またすぐ近くにも、喫茶店がいくつかあります。

 (3) 準備物
  • 筆記試験と違い、準備物は多くありません。極端な話、体一つで大丈夫です。
  • 服装の用意はきちんとしておきます。必要があれば購入します。
    基本的には、クライアントの所に出向く時の失礼でない服装にします。
    背広・ネクタイは常識です。それ以外の格好では非常に目立ち、試験官に「コイツだけだらしないなぁ」という印象を与えます。
    背広やネクタイの色は華美でなければ特にかまいません。地味系が無難ですが、明るいめのグレーなどはさわやかさを印象付ける効果もあります。
    靴はヒモ靴でなくてもかまいません。ズックはまずいですが、多少カジュアルでもいいでしょう。
    とにかく、自分に似合わないものは異様な雰囲気を出してしまいますから避けましょう。
    若いスレンダーな人は、あまり地味な色の背広を着ると「とってつけたような」印象になります。
    逆に年配の方があまり明るい色の背広を着ると「そのスジの人」っぽくなります。
    太っている人は淡色系の背広を着ると、さらに太って見えます。

    カッターシャツは白が無難ですが、背広・ネクタイとのコーディネートもありますから、華美でなければいいでしょう。
    全体として、不潔感・必要以上の特化した感じ(ワイルド感など)は避けたほうがいいでしょう。
  • コート、かばんなども試験室に持ち込みますので、仕事で使うような地味めのものを用意しましょう。
    また、宿泊される方で着替えなどがかさばる人は、駅のコインロッカーに入れておいてもいいと思います。待合室には置いておけません。
    なお、よほどでなければ荷物を少々多めに持って試験室に入っても咎められることはないでしょう。
  • 直前勉強のための文献等も持っていったほうが安心です。よほど自信があれば何も持っていかなくてもいいですが、直前に何かを確認する文献などが一切ないと、精神的に追い詰められたりあまりいいことがありません。
    ただし、本番では全ての荷物を持って試験室に入ることになりますから、あまりたくさんの荷物を持っていくのは避けましょう。
  • クシ・ブラシや髭剃りなどの身だしなみ用品は、持っていくか現地でコンビニなどで調達しましょう。直前になるとテンパッてしまうと自分で思う人は、そういったものに至るまで余裕のあるうちに準備してしまっておくことをお勧めします。

●試験当日の心得

 (1) 試験場にて
  • 絶対に遅刻しないこと。列車の遅れ、タクシー・バスのラッシュ遅れ、道に迷うなど、どれも理由にはなりません。
    前日から下見に行く人もいます。遅刻するかもしれないことにぬぐいきれない不安を感じる人はそれもいいでしょう。とにかく自分の不安要素をできるだけ取り除くことです。
  • 試験会場はフォーラム8です。(案内図はこちら
    渋谷駅からの道がややわかりにくいので、注意してください。
    駅での出口を間違えないように(ハチ公口です)、また駅前のスクランブル交差点で向かう道を間違えないように(センター街に紛れ込まないように^^;)、そして109ビルのY字路を間違えない(左ですよ)ことです。この3点に注意すれば間違いなく行けます。
    フォーラム8のまわりには食事ができる店も多いので、喫茶・食事をしながら時間を待つのがお勧めです。なお、フォーラム8ビル内は、受付と試験会場の階が異なっていて、エレベータであちこち行かなければならなかったりします。
  • なお、渋谷駅の中央改札を出て、マークシティの中を突っ切って行けるところまで行くとフォーラム8のすぐ上の交差点に出られます。雨のときなどはこちらがお勧めです。
  • 待合室はあまり人がいませんが、重苦しい空気が流れています。
    非常な緊張の中にある人たちばかりがいるので当然ですが、これに耐えられない人は、ウロウロしに行くなどしたほうがいいでしょう。外へ出て喫茶店などですごすのもいいでしょう。
    ただし、自分の予定時間の30分前には待合室に入室しておくことが大切です。
    こういう雰囲気が平気な人は、イメージトレーニングをお勧めします。自分の技術者としての経歴を振り返り、今後に希望をもつ前向きなイメージを心に焼き付けます。または、技術士になってからさらに成長していこうとする自分をイメージして、気持ちを高めます。
  • 試験時間の10分ほど前になったら、あらかじめ指定された試験室の前に移動して、部屋の前のイスに座って待ちます。これまでにきちんとトイレに行っておきましょう。
    廊下は各試験室の前に受験生が点々とイスに座って待っているという、ちょっとなんともいえない風景になります。そして部屋の中からは口頭試験の声がかすかにもれ聞こえてくるようです。
    いやがうえにも緊張が高まりますが、イメージトレーニングなどで気持ちが切れないようにしてください。
    やがて前の人が部屋から出てきます。その間に室内では評価表の記入をするのでしょう。前の人と軽い会話を交わしたという人もいます。
    そして試験官が部屋から出てきて名前と顔を確認し、一緒に入室、試験が始まります入室時に名前を言うことになっているようです。
    このとき、コート、かばんなども試験室に持ち込みます。荷物は待合室には置いていけません。なぜなら、試験後待合室に戻ることは許されないからです。実際には誰も見ていませんから、戻っても大丈夫でしょうが、もし見つかったら失格対象行為となるかもしれません。
    かならず荷物一式は持って出て、試験後はすぐエレベーターに乗って帰りましょう。

 (2) 試験室にて
  • 座るべきイスの横に荷物を置く机やイスがありますからそこにコートやかばんを置き、座るべきイスのところまで行きます。
  • いきなりイスに座らずイスの横に立ち、「○○番の○○です。よろしくお願いしましょう」と言います。受験番号は省略せずに言います。
  • 「お座りください」といわれてから着席します。
    きちんと「ありがとうございます」「失礼します」と言ってから座ります。
    荷物を置くのと、イスのところで挨拶するのが逆になる場合もあります。イスの配置を見て、常識的に判断していいでしょう。
  • まずは試験官を確認しましょう。2人か3人のはずです。
    試験管のうち誰かが全体の司会役で、あと技術的に詳しい試験官と技術士法・倫理担当の試験官などが一般的な組み合わせです。最初に「お座りください」などと言ったほうがたぶん司会役です。役所の方がチーフになっていることが多いようです。
  • 試験官にもいろいろな人がいます。「優しい、穏やか、丁寧」という印象が一番多いようですが、中には偉そうにふんぞり返った人、次々に意地悪質問をする人、何を言っているのかわからない老人・・・・いろいろいます。そういう点では運・不運というのは確かにあります。
    しかしそんなことを言っていても始まりません。クライアントにもいろいろいるのと同じです。相手が誰であっても誠意を持って話すという姿勢を崩さずいきましょう。
  • 下を向いて話さないようにしましょう。背中が丸くなって印象が悪い上に声がこもりがちになります。
    背筋を伸ばして前を向き、はっきりした声で話しましょう。そのために、椅子には深めに腰掛けましょう。
  • 言葉使いは丁寧に、ゆっくりめにしゃべりましょう。緊張していると、どうしても早口になりますから、意識してゆっくりと。
  • 口頭試験の時間は20分弱が原則で、まれに10分を限度として延長されます。そして加点方式です。
    簡潔明快に答えて、効率よく評価を得ていきましょう。
  • わからないことを何とかごまかそうとして時間を浪費することに一番注意しましょう。時間ばかり費やしたあげく加点できないというのが最悪です。
    わからなければ「申し訳ありません、わかりません。また勉強したいと思います」とでも言って、早々に降参しましょう。すると、試験官は次の設問を出してくれます。答えられて所要点数を稼げるまで、あるいは時間切れになるまで、設問を出してくれます。
    そう、試験官はあなたを合格させようとしているのです。
  • 相手の設問はしっかり聞いて、一呼吸おいてから回答します。
    くれぐれも勘違い・早とちりしないよう、題意がよくわからなかったら、「申し訳ありません。ご質問の意味がよくわかりません」「ご質問は、○○ということでよろしいでしょうか」というように、聞きなおしてください。
    この、質問内容をよく理解して、それから回答することが一番大切です。
    焦って質問が終わらないうちに割ってはいるような答え方は避けましょう。心証を悪くします。
  • くれぐれも議論しないようにしましょう。試験官の意見がおかしいと思ったりカチンとくることがあっても、Yes-Butで。いきなり「違います」と押し返すのではなく、「そういう考え方もあると思います」など、いったん相手の意見を受け入れて、それから「しかし私は」とやんわり押し返します。
    「自分の考えが正しい」という発想ではなく、「相手の意見が正しいかもしれない」「相手の意見から取り入れるべきところはないだろうか」という発想を持って、試験官の意見を反芻しましょう。
    試験官が誤解している場合もありますから、それが確信できる場合は誤解を解きます。
    しかし少なくとも、試験官の意見を論破しようという姿勢では臨むべきではありません。「自分は完全ではないから、人の意見はどんどん取り入れる」という姿勢を見せることが大切です。
  • 質問した相手を見ながら答えることが大切です。別の試験官を見ながら答えると、質問者を無視したことになります。
    首だけそちらに向けるのではなく、上体を横に曲げ、体全体を相手のほうに向けるようにして話しましょう。
  • 試験手順は、
    @経歴と小論文説明→質疑応答→法・倫理
    A経歴説明→質疑応答→小論文の質疑応答→法・倫理
    のどちらかの流れが多いと予想されます。
    ただし、必ず上記順序になるとは限りません。いきなり倫理から始まる例も従来はよくあります。
    予想外のことを聞かれてビックリし、自分のペースを見失って後はぐちゃぐちゃ・・・・という例もあります。決め付けずに、どんな球が来ても柔軟に打ち返すという気持ちで。一つ一つの質問に集中して一生懸命答えましょう。
  • 極度に緊張すると、真っ白になるときがあります。特に回答に失敗したと思った直後などがそうです。
    深呼吸して落ち着くよう努めましょう。
    また、質問内容の理解に神経を集中させるというのも、気持ちの切り替えになります。
    極端かもしれませんが、「もうダメだ」と思ったら、「すいません。緊張しておりますので、深呼吸してもよろしいでしょうか」と言って、立ち上がり、ラジオ体操のように深呼吸するといいです。そのようなことで減点されませんし、必ず場がなごみます。
  • 落ち着いて堂々としておれればいいですが、逆に挑戦的になったりふてぶてしい印象を与えないように。あくまで謙虚な姿勢をアピールしましょう。
    またなれなれしい印象もいけません。下卑た雰囲気になります。社会人としてキリッとしましょう。
  • ギャグっぽいエピソードや「おふざけ」は、非常に効果的な場合と非常な逆効果の場合がある諸刃の剣です。その場の雰囲気や試験官の人柄を敏感に感じ取り、それに合わせた言動ができる自信がある人以外は避けたほうが無難です。何より大切なのは誠意です。
  • 自分を等身大以上に見せようとしても、大抵は失敗します。わかったふりは禁物です。
    逆に自分を卑下する必要もありません。
    自分は自分です。まっすぐに誠意を見せましょう。

 (3) 口頭試験が終わったら
  • 記憶が残っているうちに、質問と自分の回答をメモしておくことをお勧めします。
    後進の人たちへの参考になります。さしさわりのない範囲でネット上で公開すれば、後日程の人たちにも大変参考になります。
    また、「こんな回答をしたが、駄目だろうか」「倫理について聞かれなかったが大丈夫だろうか」というような、様々な不安が浮かび上がってくることもよくあります。そういうときに誰かに相談しようと思っても、記録がきちんとないと何ともいえません。本人は「倫理について聞かれなかった」と思っても、記録を見てもらえば「この質問で倫理について確認していますよ」と指摘してもらえることもあります。
    万一不合格であった場合、または次年度以降にさらに他部門などで受験する場合には、自らにとって参考になります。
  • さあ、これであとは発表待ちです。人事を尽くして天命を待つ。やるだけやったのですから、心静かに待ちましょう。
    そんなことよりも、自分の受験で迷惑をかけた人はいませんか?家族や会社の人たち・・・・。
    何よりそういう人達への恩返し・罪滅ぼしをしましょう。
    自分ひとりの力でここまで来たんじゃないことは、誰よりあなたがよくご存知でしょうから。
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