筆記試験対策〜選択科目(問題V) 最終更新:2019.07.01
TopPage 試験概要 過去問題 出願対策 問題T 問題U 口頭試験 体験記

=CONTENTS=
1.出題内容
2.問題対策
3.部門・科目別の出題傾向と対策

 問題Vの課題解決問題対策について、建設部門を中心に記しています。
 出題内容の予想もしていますが、これは「絶対こうなる」というものではなく、あくまで私の予想です。ただ、技術士会から公表された資料を素直に読むとこういうことだよね、という、それなりに根拠のあるものではあります。
 なお、受験対策は人それぞれです。それぞれの立場で、ポイントは変わってきます。また、若年層・熟年層でも変わってきます。 うのみにするのではなく、参考にできるところは参考にするというスタンスでお読みください。

答案用紙はA4サイズ・600字詰めです。
模擬練習用答案用紙を用意しましたので、お使いください。ダウンロード時は2ページですが、2枚目を超えると自動的に3枚目が現われます。
なお、この答案用紙はすごろくさんよりご提供いただいたものです。
問題3答案用紙

1.出題内容

 選択科目のうち問題Vは、選択科目に関する問題解決能力と課題遂行能力を問います。答案は記述式で、600字詰め答案用紙3枚以内です。

問題Vの内容

概念 問題解決能力及び課題遂行能力
社会的なニーズや技術の進歩に伴い,社会や技術における様々な状況から,複合的な問題や課題を把握し,社会的利益や技術的優位性などの多様な視点からの調査・分析を経て,問題解決のための課題とその遂行について論理的かつ合理的に説明できる能力
出題内容 社会的なニーズや技術の進歩に伴う様々な状況において生じているエンジニアリング問題を対象として,「選択科目」に関わる観点から課題の抽出を行い,多様な視点からの分析によって問題解決のための手法を提示して,その遂行方策について提示できるかを問う。
評価項目 技術士に求められる資質能力(コンピテンシー)のうち,専門的学識,問題解決,評価,コミュニケーションの各項目

評価項目 筆記試験における
評価内容
T U-1 U-2 V
専門的学識 基本知識理解
理解レベル   ○基本 ○業務  
問題解決 課題抽出    
方策提起    
評価 新たなリスク    
技術者倫理 社会的認識      
マネジメント 業務遂行手順      
コミュニケーション 的確表現
リーダーシップ 関係者調整      

採点基準(コンピテンシー)については問題Tのところで解説しているので省略しますが、問題Tが受験部門全般にわたる専門知識等を求められたのに対して、問題Vは受験科目に関する専門知識になります。この点は異なりますので、問題TとVの区別をしっかりつけてください。
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2.問題対策

 問題対策としては、問題Tと同じく、以下の4段階で準備されることをお勧めします。
  1. 社会的重要テーマを絞り込む
    問題Tと同じく、出題テーマは専門分野と社会経済との関わりといったもの、つまりは社会的重要テーマが出題テーマとして考えられます。ただし、問題Tは部門全体がテーマの範囲でしたが、問題Vは選択科目がテーマの範囲となります。たとえば災害がテーマであれば、建設部門の中でも土質基礎科目は斜面崩壊や液状化などがテーマになるでしょうし、鋼構造コンクリートは地震動等の外力による構造物の損傷がテーマになるでしょう。都市計画であれば防災都市作りが、河川砂防であれば水害や津波・高潮などもテーマになるでしょう。建設環境であれば防災と環境の両立や防潮林などが取り上げられるでしょう。部門全体を対象とした問題Tであれば、もっと大枠の防災減災のあり方などを取り上げ、科目横断的に(というか科目にこだわらず)提案することができますが、選択科目を出題範囲とする問題Vでは、「その科目ならではの切り口」になるものと思われます。
    そして、問題Vは2018年度までと基本的に変わっていないことを踏まえれば、これまでの出題傾向から今年出題される可能性の高い重点的テーマをある程度絞り込むことができます。

  2. 知識を蓄える
    テーマを絞り込んだら、問題Tと同様、@白書その他で大枠を理解した後、A建設部門であれば国交省や国総研、各種専門誌、ネット情報等で、さらに一歩深い情報を得て、知識を深めます。2018年度までの問題Vの不合格答案を見ると、Aが不十分で、薄っぺらな答案しか書けていないものが多いので、Aをぜひやってください。

  3. ロジック構成を考える(問題分析・課題遂行の視点で主要施策と実現策までの流れを整理する)
    (2)で蓄えた知識を活用して、@問題抽出→A問題分析→B問題解決策((課題)の提案→C課題遂行にあたっての制限事項抽出→Dそれを踏まえた実現策・具体策の提案というロジック構成を考えます。これも問題Tと同じです。
    従来の問題Vと同様であれば、設問は基本的に3つで、以下のようなことを記述することを求められるものと思われます。

    (設問1)現状を踏まえての問題抽出を多様な視点で行う(つまり複数の問題をあげる)
    (設問2)重要な問題の抽出と問題分析、そこからの合理的な課題(大枠の解決の方向)の提案
    (設問3)課題遂行にあたっての制限事項(二次リスクや留意点など)と、それを踏まえた具体策の提案

    上記@〜Dのロジックのうち、@が設問1(複数の問題をあげる)から設問2(重要な問題を絞り込む)、A〜Bが設問2(絞り込んだ重要な問題について、分析してなすべきこと(課題)をあげる)、C〜Dが設問3(課題を遂行するにあたっての制限事項や留意点をあげる。求められていればその制限事項や留意点を踏まえた実現策まで提案する)に当たります。
    そしてこれも問題Tと同じですが、Bつまり設問2の最後に提案するのは、現実の施策等に一致することが望ましいと思われます。そしてCとDがB実現にあたっての留意点とか二次リスクとその対策(実現策)ですね。これは2018年度までの問題Vと同じです。
    結局のところ、2018年度までの問題Vと同じと考えておけばいいでしょう。
    そして以上の@〜Dは、下のような骨子にまとめておくといいでしょう。なお、この骨子は問題Tで用いたものと同じです。
    @問題 A問題分析 B課題 C制限事項 D具体策
    「こうあるべきなのに現状はこうだ」というように、あるべき姿と現状を対比してもいいですし、問題だけを書いてもいいでしょう。 問題の発生原因・機構、すなわち問題の元凶・ボトルネックを掘り下げて明確にする過程です。
    原因・機構が絞り込めれば解決策が見えてくるということです。
    問題分析結果から、「そこでこうする」というように必然的に求められる解決の方向性、なすべきこと(課題)です。
    課題(解決の方向性)を実現しようとしたときに制限となるボトルネックです。技術的なものだけでなく、コストや期間、リソースや合意形成、環境影響や安全などの二次リスクといったものも考えられます。
    制限事項も踏まえての実現策としての具体的な提案内容を書きます。
    なお、従来は「課題解決能力」とだけ言っていた資質が「問題解決能力」と「課題遂行能力」と明記されたことによって、設問3(つまり課題遂行能力)がより明確に求められる(つまり課題実現に当たっての制限事項とその対策をしっかり書くことを求める)ものになる可能性はあります。
    そして選択科目の範囲内で出題される問題Vは、部門全般を対象とした問題Tよりも専門分野に特化した問題になりますから、施策(課題)を現場でかにして実現するかというような視点で考えてもいいかもしれません。つまり、「私の仕事では(勤務する地域では)こういう状況なので、この施策を実現しようと思うとこういうハードルがある。そこで私はこのようにすれば実現性が高まると思う」みたいな議論を展開すると、非常に具体的ですから、一般論的にしか述べていない答案に対して比較優位に立てることが期待できます。
    従って、CとDは「自分の仕事・自分の現場」にブレイクダウンして考察してもいいし、もし実務のなかでそういう経験をしているのであれば、その個別事例の取り組みを書いてもいいと思います。

  4. 読みやすい文章を書く力を身につける
    問題Tと同じ内容ですので解説は省略しますが、「文章が読みにくいと、採点者はロジックが妥当かどうかというところまで進めない=評価してもらえない」ことはしっかりとご認識ください。

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3.部門・科目別の出題傾向と対策

  1. 建設部門
    1. 土質及び基礎
      • 2016年度は地質リスクとICT・生産性、2017年度は災害と生産性向上が出題。これを踏まえ、2018年度は「災害・生産性向上・維持管理を押さえておけば、どれも出題されないということはない」「テーマをまたいだ出題も考えられる」と予想していたところ、担い手不足に伴うイノベーションによる品質確保、防災減災老朽化対策という、3テーマを網羅した出題だったので予想通り。
      • 維持管理問題→法面等の斜面崩壊、経験工学的判断必要でICT化簡単ではない等、災害や生産性向上にまたがる出題が考えられるので、災害・維持管理・生産性向上にまたがってトータルな理解を。
      • 土基礎の切り口→柔構造・不均質・水の影響・経験工学判断。属人性高い→人材育成問題→OJT&OFF-JTやナレッジマネジメントというように、土基礎科目だからこその視点を忘れずに。働き方改革などの動きも踏まえて。
    2. 鋼構造及びコンクリート(鋼構造)
      • 2016年度は維持管理とインフラ海外展開、2017年度はICT・生産性向上と巨大災害が出題。これを踏まえ、2018年度は「災害(強靱化)と維持管理、労働力不足(生産性)が繰り返し出題されているので、維持管理を中心に、生産性向上やストック効果の最大化も含めて整理しておくとよい」と予想したところ、維持管理、想定外外力が出題された。維持管理は予想通りで、災害はやや意外だったが、主要3テーマからの出題ではあった。
      • 2018年度に出題されなかった生産性向上が要注意。人に関するもの(教育や技術継承)と、ICTを活用した省人化・省力化、特に後者に注意。担い手三法、入管法改定、働き方改革などを踏まえて考察。
    3. 鋼構造及びコンクリート(コンクリート)
      • 2016年度は初期欠陥防止と温暖化緩和策で変化球ばかりだったが、2017年度は生産性向上と維持管理で素直な問題だったので、2018年度は「2年間出題のない災害を中心に、i-Conを含む生産性向上、人材育成、ストック効果の最大化などについて現状と課題、方策について整理しておくとよい」と予想したところ、防災減災、生産性向上が出題され、ほぼ予想通り。
      • 2018年度に出題がなかった維持管理が要注意であるとともに、i-Bridge等の推進や改定入管法・働き方改革なども踏まえた生産性向上(特にICT活用)について、施策や現状の動きをしっかり把握。
    4. 都市計画及び地方計画
      • 仮想事例的・教科書的に答えられる・あまり大きな国土開発的問題は出ないのが特徴。
      • 1問は2015〜2017年度と3年連続立地適正化計画で、もう1問は2016年度が空き家対策、2017年度が市街化区域内農地とタイムリーな話題であったことから、「1問は引き続き立地適正化計画・都市機能誘導・小さな拠点といったコンパクトシティ関連問題、もう1問は道路・駐車場の空間利用、歴史風致のまちづくり(インバウンド対応も含む)、災害(木造家屋密集地、液状化、都市水害など)が考えられる」と予想していたところ、都市のスポンジ化対策、被災地の復興まちづくりが出題された。都市のスポンジ化は予想の範囲内だが、復興まちづくりはやや予想外。
      • 1問は引き続き立地適正化計画・都市機能誘導・小さな拠点といったコンパクトシティ関連問題が予想され、もう1問は2018年度予想と同じく、路・駐車場の空間利用、歴史風致のまちづくり(インバウンド対応も含む)、災害(木造家屋密集地、液状化、都市水害など)が考えられる。西日本豪雨などの大規模災害を踏まえると災害にウェイトがあるかなと思う一方で、インバウンド増加を背景にした観光まちづくり・歴史風致のまちづくりも可能性が高いと思われる。
      • 複数のテーマにまたがった出題(コンパクト+ネットワークと防災減災、空間利用や緑地景観等と観光など)も考えられる。
    5. 河川砂防及び海岸海洋
      • 2016年度はICTと災害、2017年度はICT・生産性向上と維持管理(ストック活用)が出題されたのを受けて、2018年度は「まず災害を注意。防災意識社会構築を中心とした減災テーマで考えをまとめておくとよい。生産性向上・維持管理は引き続き要注意。ICTを活用した維持管理、ストック効果の最大化のようなテーマに注意。また生産性向上は人材育成の切り口も考えておくとよい」と予想していたが、ICT活用、災害ソフト対策が出題され、ほぼ予想通り。
      • 西日本豪雨を踏まえると、災害ソフト対策が再び取り上げられる可能性は十分ある。防災意識再構築社会の視点で西日本豪雨を振り返り、そこから問題を抽出して分析・方策提案するトレーニングをしてみるといいのではないかと思われる。
      • 災害関連では、9月の台風21号の猛烈な風と関空を襲った高潮等は、「想定外」といえる。これまであまり考慮されていなかった「風」の災害についても問題抽出して分析し、方策提案できるようにしておくといいのではないか。
      • 維持管理では、革新的河川管理プロジェクトが注目される。ICT・生産性向上は2年続いたのでさすがに1回休みかなと思う一方で、革新的河川管理プロジェクトを考えると、維持管理とICT活用にまたがった複合的な出題も考えられる。
    6. 港湾及び空港
      • 問題V-1は2016年度まで3年間人流・物流だったが、2017年度は民営化が出題され、いずれにせよ港湾機能の話である一方、V-2は維持管理・災害を中心にいろいろ出題(2017年度は災害)されてきたので、2018年度は「災害は一休み。グローバル化を中心にクルーズ注意。生産性革命PJも押さえておく。維持管理は業務サイクルやストック効果に注意」と予想したが、生産性革命と工期遅延挽回方法の出題であった。生産性革命は予想通りだったが、工期遅延挽回はまったく予想外。
      • 出題サイクルから考えると維持管理が最優先かなと思うが、グローバリゼーションとICT活用を絡めた複合的出題も十分に考えられる。
    7. 電力土木
      • 災害と維持管理が二大テーマで、2016年度は災害、2017年度は維持管理(災害の視点とリプレース)であったことから、2018年度は災害に注意するとともに、他科目と同様、生産性向上(ICT活用・i-Conや人材確保育成、技術継承)が考えられるので、電力土木ならではのICT活用や若手技術者確保育成、技術継承の問題を考察しておくことが重要と述べていたが、経年劣化対策、不適切な品質管理・コンプライアンスが出題され、予想外であった。
      • 維持管理、品質管理・コンプライアンスは続けて出題されるとはあまり思えないので、再度災害を最優先として、生産性向上(ICT活用・i-Conや人材確保育成、技術継承)について電力土木ならではの視点で考察しておくべきと考える。特に高齢化・担い手不足の中で、ICTを活用した省人化省力化は改定入管法や働き方改革も踏まえて重要と思われる。
      • 9月の北海道胆振東部地震における全道ブラックアウトは基本的に電力土木の問題ではないが、何が起こったのか程度は調べておくといいかもしれない。
    8. 道路
      • 2016年度はメンテサイクルと事業評価、2017年度は暫定2車線と地震時緊急輸送道路であったことから、2018年度は「順当には維持管理や生産性向上(i-Con、人材確保育成、技術継承)に注意」と予想していたが、高速道路が物流に果たす役割と大雪による交通障害が出題された。維持管理と生産性向上という予想は外れたが、物流幹線としての高速道路はセミナーでかなり強調していたテーマ。大雪交通障害は福井等での事例が反映されたものだが予想外。それだけ重要視したということだろう。
      • 順当に考えれば、再度維持管理や生産性向上(i-Con、人材確保育成、技術継承)に注意。
      • 問題Uも含めて行政目線での出題が目立つ。施策をどれだけ知っているかが勝負になってくる傾向が強いので、国交省HP等で道路行政について理解を深めておくべき。
    9. 鉄道
      • 2016年度は駅改良と生産性、2017年度は豪雨対策と地震防災減災であることから、2018年度は「2年間出ていない維持管理は出題確率高い。ストック効果の最大化とともに、のぞみ重大インシデントや大雪立ち往生などとあわせて運行安全・リスク管理の視点も持っておくとよい。生産性向上・労働力不足は維持管理に絡めて保線をテーマに出題される可能性もあり。まちづくりと絡めた鉄道網という 出題もあり得るし、新幹線輸出などの海外進出もテーマになる」と予想していたが、駅・駅周辺整備、鉄道施設の維持管理が出題された。維持管理は最重要視していたので予想通り。駅周辺整備は「あり得る」と予想していた範囲ではある。
      • 順当には生産性向上(ICT活用による省人化・省力化、人材育成・技術継承)が可能性高く、保線等と絡めた出題も考えられる。
      • また災害についても、西日本豪雨での呉市や芸備線の長期不通なども踏まえて出題の可能性がある。
      • 非常に穴馬的だが、三江線廃止後の複雑な代替バスへの切り替え事例などは目を通しておくといいかもしれない。
    10. トンネル
      • 2016年度は災害と品質確保(生産性や教育?)、2017年度は環境(低炭素・自然共生)と生産性向上について出題されたのを踏まえ、2018年度は「順当には災害と維持管理が本命で、i-Conや人材確保育成を含む生産性向上についても出題が続く可能性あり。海外進出や福岡地下鉄陥没を踏まえた地質リスク(不確実性の取り扱い)についても注意」と予想していたが、メンテナンスサイクル(ただし災害や人口減少、国際競争にも言及させる)と環境保全が出題された。V-1は予想の範囲内であったが、V-2は予想外。想像以上に環境重視の作問委員だったか。
      • 順当には2年間出題されていない災害関係だが、トンネルはもともと地震動や水害の影響をあまり受けないインフラなので、出題しにくいとも考えられる。また生産性向上も、建設部門の他分野に先駆けて機械化が進んでいるので、これも問題が少なく出題しにくいと思われる。
      • そのように考えるとテーマが絞りにくいのだが、やはり災害、生産性向上を中心に、やや古い事例となりつつあるが、福岡地下鉄陥没を踏まえた地質リスク(不確実性の取り扱い)についても注意しておくべきと思われる。
    11. 施工計画
      • 2016年度は労働力不足と杭データ流用を受けての品質確保、2017年度は民活とi-Conが出題されたのを踏まえ、2018年度は「第一本命は災害。生産性向上は出題が続く可能性あり。i-Conだけでなく、維持管理や災害早期対応の担い手であることを維持するために人や重機、スキルの維持が必要で、そのために経営体力維持が必要だから発注時期平準化や地域維持型契約などが重要という組み立てなどを考察・表現トレーニングしておくとよい」と予想したが、労働災害と生産性向上が出題され、生産性向上は予想していたものの、災害はまたも出題なし。
      • 災害がいよいよ本命といえる。施工計画の場合、早期の災害復旧などが考えられるが、ここに担い手不足の問題やその対策としてのICT活用(被災状況早期把握も含む)が絡むことも考えられる。
      • 担い手不足(担い手三法や入管法改定、働き方改革などを踏まえる)と維持管理・災害復旧などを絡めた複合的問題も考えられる。建設業界の企業経営改善の視点で考えられるように。
    12. 建設環境
      • 2016年度は温暖化適応策と災害復旧復興における環境配慮、2017年度は生態系ネットワークと再生可能エネルギーが出題されたのを踏まえ、2018年度は「低炭素、戦略的アセス、グリーンツーリズム、歴史まちづくり(インバウンド意識)や観光などがテーマとして考えられる。歴史まちづくりを特に注意。生産性向上(ICT活用、人材確保育成、技術継承)もありえる」と予想していたが、グリーンインフラを組み合わせた防災・減災とエコシティが出題され、後者は低炭素という点で予想の範囲内だが、前者は予想外。地球環境・災害復旧と環境保全・生態系という3テーマを堅持したということか。
      • この傾向が続くなら、地球環境(温暖化、再生可能エネルギーなど)と生態系(インフラ整備に伴う生態系負荷低減)をしっかりやっておく必要がある。
      • またSDGsについてはしっかり勉強して、単に個別のインフラ整備に伴う環境負荷低減ではなく、持続可能性の視点で環境とインフラ整備の両立と考察できるように。
      • 引き続き、ICT活用省人化と、ナレッジマネジメント+OJT&OFF-JTによる技術継承を準備しておくとよい。建設環境は属人性が高いことから、こういったテーマは重要。
      • 環境の視点を養うために、国土交通白書だけでなく環境白書等もよく読んでおくとよい。
    13. 上下水道部門・上水道工業用水道
      • 2016年度は水源・浄水場・送配水システムにおける安全で美味しい水の供給困難要因と熊本地震を受けた水道の地震対策、2017年度は水循環基本法・基本計画と水道事業の基盤強化と、タイムリーな問題と普遍的な問題が混在していたことから、2018年度は「維持管理(ダウンサイジングやコンセッション含む)を中心に、人口減少少子高齢化関連問題にも注意を。ストック効果の最大化・生産性革命プロジェクトも踏まえて理解を深め、過去問題でトレーニングを」と述べていたが、水道事業持続のため事業体が行うべき取組と、原水水質汚濁が進み施設能力も過大となった浄水場更新計画が出題された。いずれも基本的に「いかにして現状に応じた持続性のある水道事業を行っていくか」という視点での出題であり、予想した方向性とおおむね一致しているものの、コンセッションのような経営方式に誘導するような問題ではなかった(問題Uで民間的経営手法が取り上げられているためか)。
      • これらを踏まえると、引き続き水道事業の継続という大きなテーマに対しての問題を多様な視点で把握し、複数の課題を整理しておくことが有効と思われる。コンセッションのような経営方法もあるだろうし、ダウンサイジング等もあるし、現場での更正工法や技術開発、さらにICTを活用した省人化・省力化(改訂入管法や働き方改革も踏まえて)もある。
      • 水道環境科目が統合されるので、二年連続になるものの原水水質をテーマとした出題の可能性は高いと思われる。言い換えると、土木的テーマの出題は1問に限定される可能性がある。
    14. 上下水道部門・下水道
      • 2016年度は農集排の下水道統合判断(仮想事例)と管路施設維持管理、2017年度は地震による下水処理場機能喪失と雨水排除能力不足&老朽化の対応(いずれも仮想事例)であったことから、2018年度は「人口減少少子高齢化・防災減災・老朽化といった社会的重要テーマに、処理施設と管路で1問ずつ仮想事例。複数の社会的重要テーマに関する出題も考えられる」と予想していたが、浸水災害対策と下水処理場における地域バイオマス受け入れ計画が出題され、切り口は別として出題テーマは予想の範囲内であった。
      • 引き続き下水道事業継続の視点を大前提として、人口減少少子高齢化・防災減災・老朽化の問題に関して、ストック効果の最大化・ICT活用や生産性革命プロジェクトも踏まえて理解を深め、仮想事例付与条件の読み取り力も過去問題でトレーニングを。
    15. 農業部門・農業農村工学(旧・農業土木)
      • 2016年度は大区画化と水利施設、2017年度は農地・水利施設(基盤整備全般)とパイプラインが出題されたのを踏まえ、2018年度は「水田汎用化(ほ場整備にかんがい排水含む)、老朽化した農業インフラ(特に水路)の維持管理、グリーンツーリズム・農泊も含めた自然共生型の農山村活性化などのテーマが考えられる」と予想していたが、ため池の防災・減災対策と新たな農業水利システムの構築について出題された。ため池は予想外であったが水理システムは予想の範囲内。
      • 農業部門全体としては、TPPもにらんだ生産性向上と農山村活性化が重大テーマで、その中で農業土木は生産基盤整備の位置づけであり、そのため農地整備(大区画化・水田汎用化)や水利施設に関する問題が多い。この傾向は今後も続くと思われるが、2019年度からはここに農村環境が加わってくる。このことを踏まえると、出題傾向としては、@農業土木と農村環境それぞれ1問ずつの「棲み分け」問題が出題、A農業土木と農村環境を包括した問題が出題…の2ケースが考えられる。
      • ケース@であれば、農業土木としては従来と同じく、水田大区画化・汎用化を中心とした生産力の高い生産基盤の整備を中心に、老朽化インフラ維持管理、生産性向上(スマート農業等)といったものを勉強しておくべき。
      • ケースAであれば、生産基盤整備と里地里山環境保全・グリーンツーリズム・農泊などを組み合わせた農村活性化への取り組みという、従来よりも一段と俯瞰的視野での出題が予想される。中山間地農業ルネッサンス事業やバイオマス・小水力・営農型太陽光発電等、幅広く施策や技術等の情報を収集し、理解しておくことが必要。
      • いずれにせよ、問題T対策も含めて、農業部門全体を見渡した俯瞰的視野(上記視点に経営の視点も含め、大規模営農や6次産業化などにも言及した視野)での農村活性化・持続性が語れるように情報を収集し、理解・考察を深めておく必要があろう。
    16. 応用理学部門・地質
      • 2016年度は理解不足による社会問題化と地層処分、2017年度はインフラ整備のICT適用とトランスサイエンス問題で、タイムリーな問題とやや社会派的な問題であったことを踏まえ、2018年度は「地質リスク(たとえば火山や大地震)、技術継承や科学技術教育、マネジメントなどに注意」と述べていたところ、地盤情報等の集積と利活用、失敗事例のナレッジマネジメントが出題された。前者は地質リスク低減に関わるものであるし、後者は技術継承や教育に関わるものであるので、予想の範囲内といえる。
      • 草津白根噴火や北海道胆振東部地震、海外の特異(改訂地すべり?)な津波現象等を踏まえれば、地質リスクへの対応の重要性はますます高くなっているし、技術継承・科学技術教育の重要性も高い。したがって、引き続き地質リスク(たとえば火山や大地震)、技術継承や科学技術教育、マネジメントなどについて、俯瞰的・総合的視野で知見を深めるべき。
      • 応用理学部門は、問題T・Vともに、特定分野の「技術バカ」「専門博士」になってしまわず、異分野の技術者との協働や、総合的視野で複合化した科学技術をマネジメントといったことができるという資質要求が強い。したがって、専門分野における知見の「深さ」よりも、分野横断的な知見の「広さ」をアピールできるようにするとよい。
      • 科学技術白書は必読。
    17. 環境部門・環境保全計画
      • 2016年度は森里川海生態系保全と自動車エネルギー低炭素化対策、2017年度は温暖化ガス削減対策と多様な主体への環境保全普及啓発が出題されたことを踏まえ、2018年度は「@循環型社会、A低炭素化の順で優先的に準備するとよい」と予想していたが、Science Based Target(温暖化ガス排出削減シナリオ)と生物多様性が出題され、前者は予想通りだが、後者は予想外。
      • この数年間の出題傾向から、1問は低炭素社会が常に出ており、もう1問は生態系が頻出であることがわかる。これを踏まえると、2019年度は低炭素、循環型社会、生物多様性の優先順位で準備しておくといいと思われる。
      • いずれも、政策・計画策定の視点で、自分が国や自治体の環境施策策定担当者になったつもりで考えるのがお勧め。
      • 環境部門の他の科目の過去問題にも目を通しておくこと、環境白書は必読であることも忘れずに。
    18. 環境部門・自然環境保全
      • 2016年度は生物多様性地域戦略策定と自然公園等のインバウンド受け入れ、2017年度は世界自然遺産と探勝歩道のユニバーサルデザイン整備が出題されたのを踏まえ、2018年度は「自然公園管理上の課題解決(施設維持管理、担い手、ICT・AI化、災害復旧、外来種対応など)やグリーンツーリズムと関連した農家民泊的な里山体験や環境学習を中心に、生態系関連(時流から危険外来種などに注意)について知識を深めておくとよい」と述べていたところ、再生可能エネルギーの導入と施設整備、侵略的外来種対策が出題され、侵略的外来種は一応(優先順位は低いものの)予想の範囲内だが、再生可能エネルギーは自然環境保全科目としては意外。
      • ・2019年度は、再度自然公園運営上の問題が最優先ではないかと思われる。施設の老朽化(利用者の安全確保にも関わるし、たとえば探勝路の浸食などは自然環境負荷増大になる)とその維持管理、担い手確保(特に自然教育ガイドやインバウンド対応など)、ICT・AI化(環境教育の質向上だけでなく、維持管理の効率化やインバウンド対応など効果は幅広い)、災害復旧、外来種対応など、問題は多種多様。
      • グリーンツーリズムと関連した農泊的な里山体験や環境学習についても知見を深めておくとよい。
      • 環境部門の他の科目の過去問題にも目を通しておくこと、環境白書は必読であることを忘れずに。
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