技術士第二次試験 平成24年度 総合技術監理

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※択一正解は、技術士会の公表正解に関して、臨時掲示板での議論を参考に解説を加えたものです。
 異論や情報などありましたら、掲示板あるいはメールにてお願いします。


択一問題

2-1 次の40問題を解答せよ。(解答欄に1つだけマークすること。)
なお、法令及び制度については、特に記載のあるものを除き、平成24年4月1日時点のものとする。



2-1-1 工程管理に関する次の(ア)~(ウ)の記述において、適切なものと不適切なものの組合せとして正しいものを①~⑤の中から選び答えよ。

(ア)製造命令(オーダ)が投入されてから複数の作業部署を経由して完成するまでの流れを費用的側面から管理することが工程管理である。
(イ)手順計画の機能は、作業部署における製造命令(オーダ)の作業順序を決定し、作業の開始と終了の予定時刻を設定することである。
(ウ)負荷計画の機能は、製造命令(オーダ)を作業部署に割り当て、生産能力と負荷をバランスさせることである。

  (ア) (イ) (ウ)
  適切   適切   適切
  適切   適切   不適切
  不適切   適切   適切
  不適切   不適切   適切
  不適切   不適切   不適切

正解は④
(ア)×費用的側面→時間的側面
(イ)×日程計画のこと


2-1-2 活動基準原価計算(Activity Based Costing ;ABC)で重要となるのが、アクテイピティ(activity) とコストドライバー(costdriver) である。活動基準原価計算に関する次の(ア)~(エ)の記述のうち、適切なものの数を①~⑤の中から選び答えよ。

(ア)活動基準原価計算では、消費量や単価、稼働時間の積み上げにより原価を計算する。
(イ)アクティビティは、目的に応じて計画段階、製造段階といった段階ごとで捉えても良いし、成型工程、溶接工程といった製造段階における各工程として捉えても良い。
(ウ)コストドライバーは、大別すると資源の消費量を決める資源ドライバーとマンパワーの消費量を決めるマンパワードライバーに分類される。
(エ)アクティビティのみに注目しても、付加価値を生む活動であるかどうかの分析が可能であり、原価低減のための有効な情報が得られる。

① 0  ② 1  ③ 2  ④ 3  ⑤ 4

正解は③
(ア)× 活動基準原価計算(Activity Based Costing:ABC)は、製品やサービスを提供するための間接コストを活動単位に分割して、個々の活動ごとの基準を用いてコストを算出し、原価計算を行う手法。選択肢記述従来の原価計算法。
(ウ)× マンパワードライバーではなく活動ドライバー


2-1-3 問題解決の手法に関する次の説明が示すものとして、最も適切なものを①~⑤の中から選び答えよ。

「問題解決のための手順を有向グラフの形に表したもので、危機的状況に陥ったとき、将来起こり得るであろう重要な局面と、その結果を可能な範囲で想定し、それらの局面や結果が生じる過程を矢印線で示すことによって、要所要所で的確な判断ができるようにあらかじめ準備をするための手法である。j

①特性要因図  ②集団情報構造化法  ③親和図
④連関図  ⑤過程決定計画図(PDPC)

正解は⑤
青本p16の下段にそのままの記載がある。


2-1-4 次の条件において、生産が可能でかつ利益が最大となる製品Aと製品Bの生産量の組合せを①~⑤の中から選び答えよ。
・製品Aと製品Bは、それぞれ原料X、原料Y、原料Zを用いて生産する。
・製品Aを1g生産するには原料Xを1g、原料Yを3mL、原料Zを3mL、それぞれ必要とし、製品Bを1L生産するには原料Xを4kg、原料Yを3L、原料Zを4L、それぞれ必要とする。
・製品Aの利益は1g当たり60円であり、製品Bの利益は1L当たり16万円である。
・原料Xは108kgまで、原料Yは126Lまで、原料Zは132Lまでそれぞれ使用できる。

① 製品Aを生産せず、製品Bを33L生産する。
② 製品Aを12kg生産し、製品Bを24L生産する。
③ 製品Aを20kg生産し、製品Bを22L生産する。
④ 製品Aを36kg生産し、製品Bを6L生産する。
⑤ 製品Aを42kg生産し、製品Bを生産しない。

正解は②
① Bを33L作ろうとすると原料Xが4×33=132kg必要で、X上限108kgなので生産不可。
② Aを12kg作ろうとするとX12kg+Y36L+Z36L、Bを24L作ろうとするとX96kg+Y72L+Z96Lで合計X108kg+Y108L+Z132Lとなり、生産は可能。利益は60円×12,000g+160,000円×24L=4,560千円。
③ Aを20kg作ろうとするとX20kg+Y60L+Z60L、Bを22L作ろうとするとX88kg+Y66L+Z88Lで合計X108kg+Y126L+Z146Lとなり、Zは上限132Lなので生産不可。
④ Aを36kg作ろうとするとX36kg+Y108L+Z108L、Bを6L作ろうとするとX24kg+Y18L+Z24Lで合計X60kg+Y126L+Z132Lとなり、生産は可能。利益は60円×36,000g+160,000円×6L=3,120千円。
⑤ Aを42kg作ろうとするとX42kg+Y126L+Z126Lとなり、生産は可能。利益は60円×42,000g=2,520千円。


2-1-5 設備投資計画に関する次の(ア)~(オ)の記述のうち、不適切なものの数を①~⑤の中から選び答えよ。

(ア)設備投資計画は、経営戦略の一環として事業計画に基づいて策定されるものである。
(イ)設備投資計画において策定される設備投資を目的別に分類すると、取替投資、拡張投資、製品改良投資、新製品開発投資、 リスク減少投資、厚生投資などに分けられる。
(ウ)設備投資計画では「投入」 と「産出」を比較評価するが、ここで一般に「投入」は設備の取得費用であり「産出」は設備が所与の技術的条件を満足しつつ稼働が維持されることで得られる収益である。
(エ)設備投資の経済性分析手法として、主として価値分析及び費用便益分析が用いられる。
(オ)設備投資計画を策定するための経済性分析では、異なる時点での資金の収支を取り扱うため、それらを等価換算して計算する必要がある。

①0  ②1  ③2  ④3  ⑤4

正解は③
(ウ)× 投入と産出は産業連関分析における用語。
(エ)× 資金改修期間法・原価比較法・投資利益率法。


2-1-6 昨年の東日本大震災やタイの洪水などにより内外のサプライチェーンがあちこちで切断され、圏内はもとより海外でもその影響が広がった。これを契機に、日本の企業の中で、自然災害などのリスクに対してより強いサプライチェーンを築こうと、現在のサプライチェーンやサプライチェーンマネジメントを見直す動きが見られる。検討の方向性として、この趣旨に最もそぐわないものを選び答えよ。

① 部素材調達先の多様化
② 生産拠点の分散化
③ 部品の標準化
④ ジャストインタイムの徹底
⑤ サプライチェーンの可視化

正解は④
ジャストインタイムは製造工程の整流化が目的。


2-1-7 あるプロジェクトを行うか行わないかが検討されている。計画期間は8年で、初期投資1,200万円のほか、4年経過後に改良のための追加投資が500万円必要である。このプロジェクトにより、計画期間の問、毎年300万円の利益が見込まれる。このプロジェクトの計画期間全体の現在価値は、プロジェクト開始時点で評価するといくらになるか。最も近い値を①~⑤の中から選び答えよ。ただし、プロジェクト終了時における残存価値はOであり、上で述べたもの以外の費用や利益は考えない。また、割引率(年利率)は6%とする。なお、プロジェクトの初期投資と改良のための追加投資はいずれも年初に行い、利益については1年分の利益が各年末に一括して得られるものとする。

 ①163万円  ②245万円  ③267万円  ④379万円  ⑤700万円

正解は③
300/((1+0.06)8×0.06/((1+0.06)8-1))-1200-500/(1+0.06)4=266.89


2-1-8 品質保証は、顧客や社会から要求される製品やサービスが、品質要求事項を満たすことについての十分な信頼感を供するために行われる計画的かつ体系的な活動である。企業などの生産側が行う品質保証活動に関する次の(ア)~(エ)の記述のうち、不適切なものの数を①~⑤の中から選び答えよ。

(ア)品質保証活動の目的は、消費者が安心して製品を購入でき、購入後も消費者が期待する期間中その製品が確実に機能することを保証することにある。
(イ)消費者に安心して製品を購入してもらうためには、まず消費者の要求に合致した品質の製品を提供することであるが、それに加えてビフォアサービスとアフターサービスを実施する必要がある。
(ウ)品質保証活動は、企画、開発・設計、生産準備、生産、流通、販売・サービス、廃棄・リサイクルなど全ての生産活動の段階に関係する。
(エ)確実な品質保証を行うためには、顧客重視の考え方のもと、全組織において活動を徹底することが重要であり、その方法として、開発・設計における品質保証、工程管理による品質保証、検査による品質保証などがある。

 ①0  ②1  ③2  ④3  ⑤4

正解は①
すべて適切。


2-1-9 マグレガーのX理論Y理論の前提となる考え方についての次の(ア)~(カ)の記述のうち、 Y理論についてのものの数を①~⑤の中から選び答えよ。

(ア)人間は命令される方が好きで、責任を回避したがる。
(イ)仕事で心身を使うのは人間の本性であって、これは遊びや休憩の場合と同様である。
(ウ)人聞は、生まれながら仕事が嫌いで、なろうことなら仕事はしたくないと思っている。
(エ)人聞は、条件次第では責任を引き受けるばかりか、自らすすんで責任をとろうとする。
(オ)人は、自分が進んで身を委ねた目標のためには、自ら自分にムチ打って働くものである。
(カ)企業内の問題を解決しようと、比較的高度の想像力を駆使し、手練をつくし、創意工夫をこらす能力はたいていの人に備わっている。

①1  ②2  ③3  ④4  ⑤5

正解は④
(ア)と(ウ)はX理論。肯定的なものがY理論と考えればよい。


2-1-10 労働関係法に関する次の記述のうち、最も不適切なものを選び答えよ。

① いわゆる男女雇用機会均等法は、労働者が性別により差別されることなく、また、女性労働者にあっては母性を尊重されつつ、充実した職業生活を営むことができるようにすることを基本的理念としている。
② 職業能力開発促進法は、職業に必要な労働者の能力を開発し、及び向上させることを促進し、もって、職業の安定と労働者の地位向上を図ることなどを目的としている。
③ いわゆる労働者派遣法は、労働力の需給の適正な調整を図るため労働者派遣事業の適正な運営の確保に関する措置を講ずるとともに、派遣業務に従事する労働者の就業条件の整備等を図り、もって派遣労働者の雇用の安定その他福祉の増進に資することを目的としている。
④職業安定法は、職業安定諸機関が労働者にその有する能力に適合する職業に就く機会を提供するとともに、一定の条件を満たした失業者に対して給付金を支給することを定めている。
⑤ 最低賃金法は、使用者が労働者に支払うべき賃金の最低額について定めた法律である。

正解は④
失業等給付の支給は雇用保険法。


2-1-11 労働時間管理に関する次の(ア)~ (エ)の記述において、適切なものと不適切なものの組合せとして正しいものを①~⑤の中から選び答えよ。

(ア)変形労働時間制度においては、使用者は、一定期間を平均して1週間当たりの労働時間が週法定労働時間を超えない範囲で、各労働者の労働時間を決めることができる。
(イ)使用者は、その雇入れの日から起算して3カ月間継続勤務した労働者に対して5労働日6カ月間継続勤務した労働者に対して10労働日の有給休暇を与えなければならない。
(ウ)使用者は、労働時聞が6時間を超える場合は少なくとも45分8時間を超える場合は少なくとも1時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。
(エ)男女に関わらず労働者は、その養育する1歳に満たない子について、その事業主に申し出ることにより、育児休業をすることができる。

  (ア) (イ) (ウ) (エ)
  適切   適切   不適切   不適切
  適切   不適切   適切   適切
  適切   不適切   不適切   適切
  不適切   適切   適切   適切
  不適切   適切   適切   不適切

正解は②
6カ月間継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、継続または分割した10労働日の有給休暇を与えなければならない。


2-1-12 QCサークル活動に関する次の記述のうち、最も不適切なものを選び答えよ。

① QCサークル活動は自主的な活動であり、経営者による支援や評価は避けることが望ましい。
② QCサークル活動の成果は重要で、あるが、成果への期待に圧力を感じて成果偏重の活動になる恐れがある。
③ QCサークノレの編成は柔軟に行う必要があり、固定的な編成で長期にわたって行うことは好ましくない。
④ QCサークル活動は、従業員の動機付けや自己実現に大きく貢献する現場中心の活動であるが、専門家の支援を受けることにより検討を深めることも有効である。
⑤ 発表会での評価方法によっては、発表偏重の活動になったり、活動の停滞を招いたりする恐れがある。

正解は①
経営者による支援や評価は必要。


2-1-13 組織形態や組織文化に関する次の(ア)~(エ)の記述において、適切なものと不適切なものの組合せとして正しいものを①~⑤の中から選び答えよ。

(ア)事業部制組織は、多くの中小企業や単一事業型の大企業などで採用されている組織形態であり、組織の基本職能毎に部門を設けている。
(イ)マトリックス組織は、職能別組織と事業部制組織の2つを併せたような組織形態であり、事業に関わる構成員を営業から研究まで全て1つの部門にまとめる組織である。
(ウ)組織文化は、思考様式の均質化と自己保存本能をもたらすという大きなメリットを持つとされる。
(エ)組織文化のうちトップ主導タイプは、強い権限をもっトップが牽引していくため変化に対して硬直的で小回りが効かないとされる。

  (ア) (イ) (ウ) (エ)
  適切   不適切   不適切   不適切
  不適切   適切   不適切   不適切
  不適切   不適切   適切   不適切
  不適切   不適切   不適切   適切
  不適切   不適切   不適切   不適切

正解は⑤
(ア)× 記述は職能別組織の内容。
(イ)× 「事業に関わる構成員を」以降は事業部性組織の内容。
(ウ)× 記述はメリットではなくデメリット。
(エ)× 変化に対して柔軟に対応でき、小回りも効く。
青本p.71。


2-1-14 労使関係に関する次の記述の空欄[ア]~[エ]に入る数や用語の組合せとして、最も適切なものを①~⑤の中から選び答えよ。

 企業等の組織(常時[ア]人以上の労働者を使用する場合)においては、使用者は[イ]を作成し、労働基準監督署へ届け出る必要がある。[イ]では、労働関係法を踏まえつつ、労働時間、賃金、退職に関する事項を定め、使用者と労働者の権利と義務を明確にする必要がある。
 労働者代表と使用者の聞で締結する[ウ]は、多くの場合、労働基準法等の最低基準効を解除する効力や罰則を免れしめる効力が認められるが、[エ]とは異なって労働契約それ自体を規律する効力は認められない。また、[エ]の効力は原則として使用者と労働組合、所属する労働組合員に限られるのに対し、[ウ]は事業場の全従業員との関連で効力を持つ。

  (ア) (イ) (ウ) (エ)
  10   就業規則   労働協約   労使協定
  10   就業規則   労使協定   労働協約
  10   労働協約   就業規則   労使協定
  50   就業規則   労使協定   労働協約
  50   労働協約   就業規則   労使協定

正解は②
青本p.73~78。


2-1-15 労働争議の調整手続、及び労働紛争の解決制度に関する次の(ア)~(オ)の記述のうち、適切なものの数を①~⑤の中から選び答えよ。

(ア)労働委員会が労使の自主交渉を促進するために公式に仲介する手法をあっせんといい、労使双方による申請が開始要件となる。
(イ)労働委員会が調停案を作成し関係当事者に受諾を勧告する手法を調停といい、調停案を受諾するかしないかは任意である。
(ウ)労働委員会が労使双方の主張を踏まえ仲裁裁定を出す手法を仲裁といい、両当事者を拘束しない弾力的な手法である。
(エ)労働審判制度の対象となるのは、労働組合が関係する集団紛争であり、迅速に紛争の解決を図ることができる。
(オ)司法機関による個別労働紛争の簡易・迅速な解決の促進を図る制度として、個別労働紛争解決制度がある。

①O  ②1  ③2  ④3  ⑤4
正解は②
(ア)× 公式ではなく非公式。
(ウ)× 拘束力を持つ。
(エ)× 労働審判制度は、使用者と労働者の間で起こる個別の争いが対象。
(オ)× 司法機関ではなく地方労働局による。


2-1-16 「平成23年版労働経済の分析J(労働経済白書)における我が園の雇用管理とその動向に関する次の(ア)~(エ)の記述において、適切なものと不適切なものの組合せとして正しいものを①~⑤の中から選び答えよ。

(ア)我が国の雇用、ンステムでは、今まで、 企業への長期勤続の傾向を示す長期雇用や年齢、勤続に伴って賃金が上昇する年功賃金などが特徴とされてきたが. 1980年代の採用抑制によって、長期雇用のもとにある労働者が絞り込まれることとなった。
(イ)企業の雇用管理においてほ、採用、配置、 育成、 処遇の相互の関連が大切であり、優れた雇用管理は企業活動を活発化させ、 生産力と所得のバランスのとれた経済成長を実現し、 ひいては社会に持続的な発展をもたらすことになる。
(ウ)労働者の採用の絞り込みは、技術・技能の継承を難しくすることから、企業は長期的な視点に立った採用、配置、 育成の態度を取り戻そうとしているものの、 賃金・処遇制度においては業績・成果主義の導入にますます拍車がかかっている。
(エ)景気の拡張過程における企業の労働分配率の低下は一般に、付加価値の拡大によるものであるが、 2000年代前半期の大きな労働分配率の低下に関しては、平均賃金の低下が要因として大きく影響した。

  (ア) (イ) (ウ) (エ)
  適切   適切   不適切   不適切
  適切   不適切   不適切   適切
  適切   不適切   適切   不適切
  不適切   適切   不適切   適切
  不適切   適切   適切   不適切


正解は④
(ア)× 採用抑制は、1980年代ではなく1990年代以降。
(ウ)× 「ますます拍車がかかっている」→「ブレーキがかかり始めた」


2-1-17 個人情報保護法(個人情報の保護に関する法律)における個人情報取扱事業者の義務等に関する次の記述のうち、最も適切なものを選び答えよ。

① 個人情報取扱事業者は、インターネット上で本人が自発的に公にしている個人情報を取得する場合であっても、あらかじめその利用目的を公表していない場合は、速やかにその利用目的を本人に通知または公表しなければならない。
② 個人情報取扱事業者が個人情報を取り扱うに当たって特定した利用目的は、後から変更することはできない。
③ 本人から、当該本人が識別される保有個人データの訂正等を求められた場合であっても、個人情報取扱事業者はその個人データの訂正等を行わなくてもよい。
④ フランチャイズ組織において、加盟店が保有する個人データを本部へ提供することは、個人データの第三者提供にはならない。
⑤ 営業譲渡により他の個人情報取扱事業者から事業を承継したことに伴って個人情報を取得した場合は、承継前の利用目的の達成に必要な範囲内でその個人情報を取り扱う場合であっても、速やかに本人の同意を得なければならない。

正解は①
②× 利用目的の通知・公表が不要の場合の規定がある。
③× 原則として訂正しなければならない。
④× 第三者提供になる。経済産業分野のガイドラインの中で例示されている。
⑤× ガイドラインで「合併、分社化、営業譲渡等により事業が承継され個人データが移転される場合は、第三者に該当しない」とされている。


2-1-18 情報ネットワークに関する次の記述のうち、最も適切なものを選び答えよ。

① IPv 6 (Internet ProtocoI version 6) とは、現在広く使用されているインターネットプロトコルであるIPv4の次期規格であり、 IPv4に対して約1,000倍のアドレス数を持つ。
② ファイアウォールとは、 LANとインターネットを接続するためのルータを指す。
③ Wi-Fiロゴが表示されている無線LAN機器は、他社製品との相互接続性などの試験にパスした機器である。
④ スマートグリッドとは、ネットワーク上にある計算資源を結びつけ1つの仮想的なコンピュータシステムとしてサービスを提供する仕組みのことである。
⑤ クラウドサービスとは、データセンタにあるコンピュータ資源を利用者に遠隔地からサービスとして提供するものであり、利用にあたっては専用回線への接続が必要となる。

正解は③
①× IPv4が232個、IPv6が2128個。
②× コンピュータネットワークの安全を、外部の通信を制御して維持するソフトウェア技術。
④× 通信・制御機能を付加した電力網で、再生可能エネルギー発電活用に不可欠な技術。
⑤× 専用回線は不要でインターネットから接続できる。


2-1-19 独占禁止法(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律)と知的財産の利用に関する次の記述のうち、最も不適切なものを選び答えよ。

① クロスライセンスとは、技術に権利を有する複数の者が、それぞれの権利を、相互にライセンスすることをいう。
② パテントプールとは、関連する一連の技術に関する権利をそれらの所有者から取得した者が、その取得した権利を第三者である複数の事業者にライセンスすることをいう。
③ 著作権法、特許法、実用新案法、意匠法又は商標法による権利の行使と認められる行為は独占禁止法の適用対象外である。
④ クロスライセンス契約を締結した複数の事業者が、ライセンスを受けた技術を用いて供給する製品の販売地域について、共同で取り決める行為は独占禁止法違反となることがある。
⑤ 標準化活動(関連する事業者が共同で規格を策定し、広く普及を進める活動)に参加する複数の事業者が、策定された規格を採用した製品等の販売価格について共同で、取り決めることは独占禁止法違反となることがある。

正解は②
パテントプールとは、特許等の複数の権利者・所有者が、そのライセンスをある企業・組織体に集中して、これを通じて高いにライセンスを受けること。


2-1-20 情報システムと情報の活用に関する次の記述のうち、最も不適切なものを選び答えよ。

① 個人知の活用には、ソーシヤルネットワーキング機能が利用できる。
② 熟練者の知識を活用して問題を解決するためのシステムの一つに、エキスパート・システムがある。
③ ナレッジ・マネジメントの管理対象となる情報には、言語化や形式化が難しく、情報システムに取り込むのが困難なものも含まれる。
④ サプライチェーン全体の最適化を図るために、電子タグを利用した情報管理が進められている。
⑤ SaaS (Software as a Service) の技術を用いて情報システムを構築しておけば、企業合併等に伴う情報システムの統合作業は不要となる。

正解は⑤
SaaSとはネット上でソフトウェア機能を使用するものなので、統合には企業システムのデータ連携が必要となり、データ変換・加工、プロトコル変換等が必要となる。


2-1-21 情報セキュリティ対策に関する次の(ア)~(エ)の行動のうち、適切なものの数を①~⑤の中から選び答えよ。

(ア)セキュリティポリシーとして、組織の長が関与して情報セキュリティに関する活動の基準を定める。
(イ)他人にパスワードを入力するところを盗み見られたり、パスワードを書いたメモをゴミ箱から探されるなどの、いわゆるソーシャル・エンジニアリングに注意する。
(ウ)不審なメールを受け取った場合には、今後のためにメール配信は不要であると返信する。
(エ)職場の駐車場でUSBメモリを拾った場合には、職場のパソコンに接続し、所有者を確認して返却する。

①O  ②1  ③2  ④3  ⑤4

正解は③
(ウ)× 返信してはいけない。
(エ)× 不審なUSBメモリを接続してはいけない。


2-1-22 特定の組織を狙う標的型攻撃メールに関する次の(ア)~(オ)の記述のうち、適切なものの数を①~⑤の中から選び答えよ。

(ア)標的型攻撃メールは組織を狙うので、組織と関係のない個人のメールアドレスに送付されても情報流出の脅威とはならない。
(イ)標的型攻撃メールは送信元メールアドレスを詐称していることが多いので、標的型攻撃メールであると判断しやすい。
(ウ)標的型攻撃メールには、ファイルが必ず添付されている。
(エ)従業員に標的型攻撃メールを疑似体験させることは、標的型攻撃メールに対する意識向上に有効である。
(オ)標的型攻撃メールは、一般にスパムメールと呼ばれている。

①1  ②2  ③3  ④4  ⑤5

正解は①
標的型攻撃メールとは、受信者が思わず開いてしまいそうになる送信者、件名、本文により、コンピュータウイルスを仕込んだ添付ファイルや訪問者をコンピュータウィルスに感染させるウェブサイトに誘導するURLを送りつけてくるもの。
(ア)× 十分に脅威となる。
(イ)× 判断しにくい。
(ウ)× 添付されているとは限らない。
(オ)× スパムメールは受信者の意向を無視して、無差別かつ大量に一括して送信される、電子メールを主としたメッセージのこと。


2-1-23 災害時における情報システムの業務継続計画に関する次の記述のうち、最も適切なものを選び答えよ。

① 災害時の情報システム復旧に際しては、復旧しやすいものから順に復旧させることが望ましい。
② 災害時でも情報システムのセキュリティ水準を落としてはならない。
③ 起こる可能性が極めて小さく、非現実的な被害に対しても、具体的な計画の策定を省いてはならない。
④ 迅速に情報システムを復旧するためには、平常時からパックアップデータは情報システムと同じ建物に置いて厳重に守るべきである。
⑤ 業務継続計画は、はじめから完全な計画を作るために長期間を費やすよりも、まずは可能な範囲で検討することが重要である。

正解は⑤
①× 優先度の高いものから復旧させる。
②× 災害時にはセキュリティレベル低下は許容して、動作することを優先する。
③× たとえば隕石が落下して直撃するようなハザードに関してまで具体計画策定は不要。
④× バックアップは別棟に置く等して冗長化する。


2-1-24 インターネット上の情報の秘匿性に関する次の記述のうち、最も適切なものを選び答えよ。

① 法令では無線LANの傍受を禁止しているが、情報が漏洩しないよう通常は暗号化して送受信が行われている。
② 「https:」で始まるURLを持つWebサーバは「http:」で始まるURLを持つWebサーバと異なり、 Webサーバのデータを暗号化して保存していることを示している。
③ 法令では、個人的利用を除き有線電気通信の秘密は侵してはならないとしている。
④ インターネットで用いられている公開鍵暗号方式の長所の一つは、複数の相手に渡したそれぞれ異なる鍵(公開鍵)で相手が暗号化した暗号文を1つの鍵(秘密鍵)で復号できることである。
⑤ 法令では、本人による一定の条件を満たす電子署名がなされた電磁的記録の情報は、真正に成立したものと推定することとしている。

正解は⑤
①× 無線LANの傍受は禁止していない。通信内容を他人に漏洩したりすると処罰対象となる。
②× データを暗号化するかどうかではなく保存するかどうか。
③× 個人的利用であっても違法。
④× 公開鍵は1つ。


2-1-25 トライポッド理論では、ヒューマンエラーの要因を1-個のグループに分けて考えている。次の(ア)~(オ)は、この要因のグループとその中に分類される要因の例を組み合わせたものであるが、その組合せとして不適切なものの数を①~⑤の中から選び答えよ。

(ア)ハードウエア: 設計の意図が伝わらなかった
(イ)手順書:書かれていた内容が不明確であった
(ウ)エラー誘発条件:日常業務で問題を長期開放置していた
(エ)相容れない矛盾する目標: 安全よりも納期が優先されていた
(オ)組織: 訓練において経験者と初心者を区別しなかった

①1  ②2  ③3  ④4  ⑤5

正解は③
青本p.168。
(ア)× 記述内容はハードウェアではなく設計。
(ウ)× 記述内容はエラー誘発条件ではなく日常業務。
(オ)× 組織ではなく訓練。


2-1-26 次の(ア)~ (オ)の文章は、リスク対策について記述したものである。リスク保有、リスク低減、リスク回避、 リスク移転の4つのうち、該当する文章が2つあるものを選び答えよ。

(ア)回転する砥石で行う研磨作業について、保護眼鏡の着用を義務付けていたが、もろい加工物は破片が飛び跳ねて危険であることが分かってきたので、この作業は破片等が飛び跳ねる危険を伴わない別の方法で実施することにし、この機械は廃棄した。
(イ)溶接工程で一部残されていた手作業での溶接について、過去に労働災害が発生したことはなく、また、作業手順を詳細に検討したところ死亡に至る可能性はほぼないという結論に達したため、これまで通りの作業手順教育を継続することとした。
(ウ)現在では、生産の主力がタイにある2つの工場に集約されつつあり、仮に操業停止という事態になれば、赤字に陥ることは確実という分析結果が得られたため、災害時の復旧費用について保険で付保することにした。
(エ)事務所の耐震診断を実施したところ、全社で採用している安全基準に達していないことが分かったため、次年度の予算を確保し、耐震補強工事を行うこととした。
(オ)営業担当社員に配布しているノートパソコンの紛失が多発しており、個人情報の漏洩が心配されたが、対策には多額の費用がかかるため、断念した。

①リスク保有  ②リスク低減  ③リスク回避  ④リスク移転  ⑤該当なし

正解は①
(ア)はリスク回避、(イ)(オ)はリスク保有、(ウ)はリスク移転、(エ)はリスク低減。
(オ)がわかりにくいかもしれないが、対策をとらなかったのだからリスク保有。


2-1-27 危機管理に関する次の記述のうち、最も不適切なものを選び答えよ。

① 危機管理の対象となる不測事態は産業災害や自然災害であって、欠陥商品や企業スキャンダルなどは、経営問題ではあるが危機管理の対象外である。
② 危機管理の事前作業段階では、資機材の備蓄、教育訓練などを行う。
③ 危機管理計画マニュアルは、突発的な状況でゆっくり見直して自分の行動を検討するには不向きであるが、危機管理活動チェックマニュアルは、限られた時間の中で自分が行うべき活動を素早く理解し行動を起こすことに向いている。
④ 事後復旧段階では、実施した危機管理活動の効果を測定・評価し、次の不調l事態に備える。
⑤ 緊急時の広報としては、人的被害低減のために必要な安全のための広報活動や社会的信頼性を守る安心のための広報活動が必要となる。

正解は①
青本p.156。


2-1-28 東南海地震(M8.1前後)が今後30年以内に発生する確率は70%程度といった長期評価結果が政府の地震調査研究推進本部から発表されている(平成24年4月1日現在)。この発表における東南海地震についての発生確率の計算に関する次の記述のうち、最も適切なものを選び答えよ。

① この発生確率の計算では、毎年の発生確率が一定であると仮定しているため、毎年の発生確率をpとして、p×30の式により求めている。
② この発生確率の計算では、毎年の発生確率は一定であると仮定しているため、毎年の発生確率をpとして1-(1-p)30の式により求めている。
③ この発生確率の計算は、基準となる日付に対して行われるものであるため、その基準日を変えて厳密に計算すると確率値は変化する。
④ この発生確率の計算は、地層や地下水の動学的解析に基づいて行われているものであり、活断層の地質学的な調査データが基礎となっている。
⑤ この発生確率の計算は、過去の地震の発生記録(特に発生間隔)に基づいて行われるものであり、過去1万年程度の正確な統計データが基礎となっている。

正解は③
①× 毎年の発生確率が一定ということはない。更新過程といって、時間の経過とともに確率が変化する。プレート地震なので時間の経過とともに発生確率は増大する。
②× 同上。
④× 統計予測なので、地質学的データが基礎になっているわけではない。
⑤× 「過去1万年の正確なデータ」はない。(常識感覚でわかるはず)


2-1-29 労働安全衛生法及び同法施行令に関する次の記述のうち、最も不適切なものを選び答えよ。

① 事業者の責務として、この法律で定める労働災害防止のための最低基準を守るだけでなく、快適な職場環境の実現と労働条件の改善を通じて職場における労働者の安全と健康を確保するようにしなければならないと規定されている。
② すべての事業場には、総括安全衛生管理者を置き、その者に労働者の危険又は健康障害を防止するための措置に関することなどを統括管理させることが事業者に義務付けられている。
③ 常時50人以上の労働者を使用する事業場ごとに、衛生管理者と産業医を選任することが事業者に義務付けられている。
④ ボイラー、第一種圧力容器、クレーン、エレベーターなどの特に危険な作業を必要とする機械で一定規模以上のものには、製造の許可、製造時などの検査、性能検査などの規制がかかっている。
⑤ 労働者を雇い入れたとき及び作業内容を変更したときに、その業務に関する安全又は衛生のための教育を実施することが事業者に義務付けられている。

正解は②
「すべての事業所」ではなく、一定規模以上の事業所。


2-1-30 労働災害統計に関する次の(ア)~ (エ)の記述のうち、不適切なものの数を①~⑤の中から選び答えよ。

(ア)統計指標の作成方法、指標の定義は、日本、米国、 EU各国において統一運用されている。
(イ)日本のある事業所は、年間の延実労働時聞が500,000時間、労働災害件数が1件、労働災害による死者はO人、負傷者数が2人であった。この事業所の度数率は、2である。
(ウ)強度率とは労働災害リスクを意味し、労働災害の発生頻度とその重さの程度の積で表される。
(エ)日本の全産業における労働災害による死亡者数は、過去10年間(平成13年~平成22年)減少し続け、平成22年に初めて1,000人以下となった。

①O  ②1  ③2  ④3  ⑤4

正解は⑤
(ア)× 統一運用されてはいない。
(イ)× 1,000,000÷500,000×2=4 青本p.147。
(ウ)× 労働災害リスクではなく、労働災害の重さの程度。青本p.147。
(エ)× 平成22年の労働災害による死亡者数は1,195人で、前年比120人増(+11.2%)と、平成11年以来、11年ぶりに増加に転じた。


2-1-31 事故や災害の未然防止活動に関する次の(ア)~ (エ)の記述のうち、適切なものの数を①~⑤の中から選び答えよ。

(ア)ヒヤリハット活動はハインリッヒの法則の考え方に基づいたものである。
(イ)ヒヤリハット活動では、原因を究明し責任を追及することにより、再び同じことを繰り返さないようにすることが重要である。
(ウ)定期点検活動は、人が実施するため、その実施レベルにムラが生じない活動である。
(エ)小集団活動の導入時に配慮すべきポイントとして、全組織的に活動の本質を徹底的に理解すること、活動の最初の段階から完全性を求めないことなどが挙げられる。

①O  ②1  ③2  ④3  ⑤4

正解は③
(イ)× 責任の追及はしない。
(ウ)× ムラが生じる。


2-1-32 設備やシステムの安全性、信頼性を高める技術に関する次の記述のうち、最も適切なものを選び答えよ。

① フォールトアボイダンスとは故障回避を意味し、システムを構成している一部に不具合が生じても、他の部分がその不具合をカバーしてシステムとして正常に機能するようにすることである。
② 安全制御の考え方では、機械故障の発見と停止や再起動操作は基本的に人間が行うベきこととしている。
③ フォールトトレランスは、人間の過誤などが原因で信頼性や安全性を損なわないようにすることをいい、電子レンジの扉を開けると停止するなどがその例である。
④ インターロックシステムで行う安全確認は、作業場に人がいないこと、機械が完全に停止していることを確認することである。
⑤ 安全確認型インターロックでは、危険の情報をエネルギーとして検知し、積極的なブレーキ動作に結びつけ機械を停止させる。危険状態のみならずセンサーの故障で安全を確認できないときも機械を停止させる点が重要な点である。

正解は④
①× 記述はフォールトトレランス。
②× 人間が行うべきではない。
③× 記述はフールプルーフ。
⑤× 記述は危険型インターロック。


2-1-33 廃棄物処理に関する次の記述のうち、最も不適切なものを選び答えよ。

① 産業廃棄物は、事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、法令で定められた20種類のものをいう。
② 特別管理廃棄物は、一般廃棄物と産業廃棄物でそれぞれ、爆発性、毒性、感染性等のおそれのあるものとして定められている。
③ 一般廃棄物の処理は市町村の責務であり、一般廃棄物に関して都道府県に課せられた責務はない。
④ マニフェスト(産業廃棄物管理票)は、排出事業者が交付して、収集・運搬、処分の各事業者がそれぞれの処理内容などの必要事項を記載した上で処理終了後に帳票の写しを排出事業者に返送するものである。
⑤ 電子マニフェストは、不法投棄の防止に資するものであり、近年導入が進んでいる。

正解は③
廃掃法に、国及び地方公共団体の責務として必要な技術的援助等の記載がある。


2-1-34 環境問題の市場原理による解決に関する次の記述のうち、最も不適切なものを選び答えよ。

① 財やサービスの生産や廃棄に関わる環境負荷を購入者に提示することにより、その環境負荷に対する個人の選好をとらえる方法がある。
② 環境問題の深刻化の理由のーっとして、環境に価格がついていなかったことによる環境資源の過剰利用がある。
③ 環境を市場に内部化する方法として、環境の利用水準に応じて税金や課徴金をかける方法や環境利用を抑制することに対し補助金を与える方法がある。
④ 環境利用する権利をあらかじめ総利用の限度内で各主体に与えておき、その売買を可能にする仕組みとして排出権取引がある。
⑤ 現実に人々が市場に出ている財に支出している額から間接的に環境に対する社会的評価をとらえる方法の一つとして、コンジョイント分析がある。

正解は⑤
コンジョイント分析は複数の環境政策代替案を提示して選好きをたずねる手法。


2-1-35 LCA (ライフサイクル・アセスメント)に関する次の(ア)~(オ)の記述のうち、不適切なものの数を①~⑤の中から選び答えよ。

(ア)ライフサイクルの段階は、一般に製造から廃棄・リサイクルまでであり、生産者が直接関与しない資源採取の段階は対象としない。
(イ) ISO及び]ISによる標準化では、 LCAは、 i) 目的と調査範囲の設定、 ii)インベントリ分析、 iii)影響評価、 iv) 結果の解釈の4要素から構成されている。
(ウ) LCAで対象とする環境負荷物質として最も多いものは二酸化炭素であるが、その他の環境負荷物質や消費資源・エネルギーを対象とすることも可能である。
(エ) LCAの手法として産業連関法があり、産業連関法は新技術やリサイクルを含めて分析をするのにすぐれている。
(オ) LCAを組織の生産活動へ具体的に展開する例として、環境適合設計がある。

①1  ②2  ③3  ④4  ⑤5

正解は②
(ア)× 資源採取段階も対象とする。
(エ)× 産業連関法では新技術やリサイクルの分析はできない。


2-1-36 企業の環境活動に関する用語とその説明に関する次の記述のうち、最も不適切なものを選び答えよ。

① 企業の社会的責任.企業は社会的な存在であり、自社の利益を追求するのではなく、ステークホルダー(利害関係者)全体の利益を考えて行動するべきであるとの考え方である。
② 排出者責任・廃棄物等を排出する者が、その適正なリサイクル等の処理に関する責任を負うべきとの考え方である。
③ 拡大生産者責任生産者が、その生産した製品が使用され、廃棄された後においても、当該製品の適正なりサイクルや処分について一定の責任を負うという考え方である。
④ 環境会計企業が事業活動における環境保全のためのコストとその活動により得られた効果を認識し、可能な限り定量的(貨幣単位又は物量単位)に測定する仕組みである。
⑤ グリーン契約(環境配慮契約):製品やサービスを調達する際に、環境への負荷ができるだけ少なくなるような工夫をした契約である。

正解は①
「利益を追求するのではなく」ではなく、「利益を追求するだけではなく」。


2-1-37 VOC (揮発性有機化合物)の排出抑制制度に関する次の記述のうち、最も不適切なものを選び答えよ。

① VOCの代表的な物質として、 トルエン、キシレン、酢酸エチノレなどがある。
② VOCは浮遊粒子状物質や光化学オキシダントの原因物質の一つである。
③ 我が国では. VOC対策は法律に基づく排出規制と事業者による自主的取組を組み合わせたベストミックスにより行われている。
④ 大気汚染防止法によるVOC規制の対象となる施設類型は、塗装、接着、印刷、化学品製造、工業用洗浄. VOC貯蔵関係施設の6つである。
⑤ 大気汚染防止法によるVOC規制は、敷地境界線上の濃度(事業場の敷地の境界線の地表における濃度)で行われる。

正解は⑤
地表における濃度ではなく、排出口における濃度。


2-1-38 環境影響評価法に関する次の記述のうち、最も不適切なものを選び答えよ。

① 第二種事業について環境影響評価を行うかどうかの判定は、事業の許認可等を行う行政機関(許認可等権者)が行うが、判定に当たっては事業が実施されるべき区域を管轄する都道府県知事の意見を求めなければならない。
② 地方公共団体が制定する環境影響評価条例においては、その対象事業について、環境影響評価法で定められていないものを対象にすることもできるが、その手続きについては、環境影響評価法で定められた手続き以外のものを規定することはできない。
③ 対象事業が都市計画に定められている場合の環境影響評価は、都市計画決定権者が都市計商の決定又は変更する手続きと併せて行う。
④ 事業者は、対象事業に係る環境影響評価方法書を作成し、環境影響を受ける範囲であると認められる地域を管轄する都道府県知事及び市町村長に送付しなければならない。
⑤ 事業者は、対象事業に係る環境影響評価準備書についての関係都道府県知事等の意見を踏まえ、必要と認められる場合には、事業の目的及び内容の修正を行わなければならない。

正解は②
環境影響評価法で定められた手続き以外のものを規定することもできる。記述のようにしてしまうと、規模に関わらずスコーピング手続きや準備書→評価書と作らなければならない。


2-1-39 持続可能な社会の実現に向けた、次の(ア)~ (エ)に挙げる国際的な会議を年代順に並べたときに、正しい組合せを①~⑤の中から選び答えよ。

(ア)リオデジャネイロで、環境と開発に関する国連会議が開催され、持続可能な開発を実現するための行動原則である「環境と開発に関するリオ宣言」が採択された。
(イ) ヨハネスブルグで、ヨハネスブルグ・サミットが開催され、首脳の持続可能な開発に向けた政治的意思を示す文書として「持続可能な開発に関するヨハネスブルグ宣言」 が採択された。
(ウ)ストックホルムで、国連人間環境会議が開催され、「ストックホルム宣言(人間環境宣言)」によって環境保全を進めていくための合意と行動の枠組みが形成された。
(エ)京都で、気候変動枠組条約締約国会議が開催され、温室効果ガス大気中濃度の安定化に向けて「京都議定書(気候変動に関する国際連合枠組条約の京都議定書)」が採択された。

① (ア)→(ウ)→(イ)→(エ)
② (ア)→(ウ)→(エ)→(イ)
③ (イ)→(ウ)→(ア)→(エ)
④ (ウ)→(ア)→(エ)→(イ)
⑤ (ウ)→(イ)→(エ)→(ア)

正解は④
(ウ)1972年(環境保全の意識)→(ア)1992年(地球環境問題への取組みスタート)→(エ)1997年(地球温暖化対策の具体的指標)→(イ)2002年。年号はともかく流れは知っていたい。


2-1-40 省エネ法(エネルギーの使用の合理化に関する法律)に関する次の(ア)~(エ)の記述のうち、不適切なものの数を①~⑤の中から選び答えよ。

(ア)省エネ法におけるエネルギーは、燃料、熱、電気を対象とするが、廃棄物からの回収エネルギーや風力、太陽光等の非化石エネルギーは対象に含まない。
(イ)省エネ法における特定事業者は、エネルギー管理統括者及びエネノレギー管理企画推進者を選任するとともに、毎年度、エネルギー使用合理化の目標達成のための中長期的な計画を作成し、主務大臣に提出しなければならない。
(ウ)省エネ法における特定荷主は、毎年度、貨物の輸送に係るエネルギー使用合理化の目標達成のための計画を作成し、主務大臣に提出する義務が生じる。
(エ)省エネ法においてはエネルギーを消費する機械器具に係る措置として、自動車の燃費基準や電気製品等の省エネ基準を、それぞれの機器において基準設定時に商品化されている機器のうち、最も優れている機器の性能以上にするという、いわゆるトップランナー方式が導入されている。

①O  ②1  ③2  ④3  ⑤4

正解は①
すべて適切。


記述問題

2-2 次の問題について解答せよ。


 重要なプロジェクトの実施中に、社会環境やプロジェクトへの要求仕様が変更になる場合がある。その際に、発生した問題やその対応のもたらす多様な影響を総合的に評価し、最適な対応案を検討することは、総合技術監理部門の技術士に要求される重要な業務の一つである。
 
 この観点から、新製品・新システムの開発や建設工事・地域開発計画の策定が進んでいる状況下において、社会環境の変化や顧客等からの要求の変化によって、プロジェクトの見直しが求められた場合の対応について、総合技術監理の視点、から( 1 )~( 3 )の問いに答えよ。ここでいう総合技術監理を構成する管理分野とは、「経済性管理」、「安全管理」、「人的資源管理」、「情報管理」、「社会環境管理」の5つをいう。(問いごとに答案用紙を替えて、それぞれ指示された枚数以内にまとめること。)

(1)本論文において、あなたが取り上げるプロジェクト内容を①~⑤に記した事項に沿って設定せよ。プロジェクトの設定に当たっては、選択したプロジェクトにおいて以後の(2),(3)の問いの解答に必要な内容を設定し、答案用紙1枚以内にまとめよ。

  1. プロジェクトの対象の分野
    プロジェクトの対象分野を、表1に示したプロジェクトの前提を踏まえ、新製品開発、新システム開発、建設工事又は地域開発計画の策定の中から選べ。
  2. プロジェクト概要
    選定した分野に対応したプロジェクトの前提をより具体化して、具体的なプロジェクトの内容を設定せよ。
  3. あなたの立場
    あなたの立場を、当該プロジェクトの完遂に責任を持つ実施主体者又はリスクを転嫁できないプロジェクト責任者の立場で設定せよ。
  4. 環境・要求の変化事項
    プロジェクトの実施中に発生した環境・要求の変化事項(以下課題と記す)を、表2に示すA群、 B群の課題から1つずつ選択し、その内容について具体的に設定せよ。なお、課題の設定に当たっては、課題はほぼ同じ時期に発生するものとする。また、課題に対応する内容が契約等において定められることが一般的な課題は選ばないこと。
  5. 組織内外の状況
    対象プロジェクト遂行の判断において必要と考える組織内外の状況に関する前提を、設定せよ。

表1 プロジェクトの前提

プロジェクト分野 プロジェクトの前提
新製品開発 この製品開発は、会社の経営状況を改善する重点プロジェクトとして期待されており、製品発売の延期は、会社の経営に大きな影響を与える。
新システム開発 このシステムは、社会的要求が強く緊急性の強い設備に使用されるものであり、完成の遅れは、組織の信用や利益にも大きな影響をもたらすと同時に、社会からの非難も受ける可能性が高い。
建設工事 この建設プロジェクトは、当該地域の喫緊の課題を解決するために実施される事業であり、その工期延長は関連する他のフ。ロジェクトや計画に多大の影響を及ぼす。
地域開発計画の
策定 
この地域開発計画は、大規模災害を被災した地域の復興のスタートを切るプロジェクトの計画であり、その遅れは関連する他のプロジェクトに大きな影響を与え被災地の復興に水を差すとともに、被災住民の生活に直接関係し、社会からの注目度の非常に高いものである。

表2-1 プロジェクトへの課題A群

番号 課題
A-1 経済情勢の変化による価格の低減要求又は購入してもらえる価格の低下
A-2 経済情勢の変化による資材、人件費等の高騰により、採算性の悪化、事業の行き詰まり
A-3 周辺状況の変化(大規模崩壊の危険の顕在化、関連事業の遅れ等)
A-4 試作・実験等の失敗による開発工程の遅れ
A-4 多様なステークホルダーとの合意形成の遅れ

表2-2 プロジェクトへの課題B群

番号 課題
B-1 安全に影響を与える使用環境の変更要求又は使用法の発覚
B-2 製品・システムの使用素材が環境に悪影響を与える可能性があるとの研究論文の発表
B-3 開発地域の一部に保護すべき貴重な生物の生息の発覚
B-4 開発製品又はシステムにおいて他社からの特許侵害の可能性があるとの申し入れ
B-4 最近発生した大規模災害による構造物被害のメカニズム解明に伴う建設プロジェクトの当該構造物の技術基準の見直し

(2)プロジェクトの遂行中に様々な課題が発生した場合、その課題への対応を総合的に考える際には、まず個々の課題がプロジェクトや組織そして顧客等へ与える影響を検討しておく必要がある。
 あなたが(1)で記述したプロジェクトについて、設定した課題の影響を把握するために必要となる調査・分析の内容について記せ。また、その調査・分析の想定される結果の中から、プロジェクト推進に与える影響を大きなものから順に記せ。課題の影響は課題ごとに整理し、影響の種類、大きさとその発生の可能性を記せ。
 以上の内容について、答案用紙を替えて1枚以内にまとめよ。

(3)プロジェクトの推進のためには、 2つの課題がプロジェクトにもたらす様々な影響や組織の内外の状況を全体的に見渡した上で、総合的に対応案を取りまとめることが必要である。本設問では、この対応案を表3に示す3つの視点で検討した上でその得失を総合的に勘案し、最適な対応案を策定するものとする。
 まず、対応を考える際の制限事項を設定せよ。対応の制限事項とは、対策費の上限、対策にかけられる期間、利用できるリソース等をいう。
 次に、その制限事項の範囲で、当該プロジェクトを推進する上で( 2 )で設定した2つの課題の影響を総合的に判断し、有効と考える3つの対応案を検討せよ。対応案番号と対応案の優先目的の組合せは、表3のとおりとすること。対応案は、表4に示すような対策を組み合わせて、その内容と効果を対応案ごとに記せ。1つの対応案に含まれる対策の数は特に定めない。
 最後に、検討した3つの対応案を踏まえ、( 1 )で記載したプロジェクトの前提や組織の内外状況を勘案し、あなたが最適だと考える対応案を策定し、その理由とともに示せ。
 以上の内容について、答案用紙を替えて3枚以内にまとめよ。

表3 対応案の種類

対応案番号 対応案の優先目的
対応案1 プロジェクト単独の採算を優先する対策の組合せの案
対応案2 あなたが所属する組織への影響を最適にする対策の組合せの案
対応案3 顧客・利用者や社会への影響を最適にする対策の組合せの案

表4 対応案の中に含まれる対策と効果の例

対策の種類 対策の効果
各課題への対策 ・直接の検討対象となった課題への効果
・直接の検討対象となった課題以外への効果又は好ましくない影響
・対策聞の相乗効果又はトレードオフの関係
2つの課題に共通の効果のある対策
課題への対策の好ましくない影響を緩和する対策


記述問題の解説
【テーマについて】
 問題文の冒頭に部分に、
「策定が進んでいる状況下において、社会環境の変化や顧客等からの要求の変化によって、プロジェクトの見直しが求められた場合の対応」
とあります。このように、「プロジェクトへのインプット条件が変更になった場合にどう対応するか」がテーマの問題といえます。
 前年度の23年度問題は、「万が一の災害や事故の影響を最小化するために、あらかじめ備えておくこと」がテーマであり、「起こった場合にどう対処するか」ではありませんでしたが、24年度問題は逆で、現に顕在化した問題によるプロジェクト見直しにどう対応するかがテーマです。

【設問1について】
 仮想事例を考えます。ここで表1を見ると、4つの事例いずれも、その遅れが悪影響を及ぼすことが特記されています。したがって、いずれの事例を選んだとしても、もっとも重要視すべき管理項目は工程管理で、プロジェクトの遅れを最小化することが管理の最重要目的であることが明確になっています。また表2の課題も工程遅延に至るものが多く見られます。つまり遅延回避が最重要であるプロジェクトなのに、工程遅延リスクが顕在化してしまったということになります。

【設問2について】
 まずは調査分析について書くのですが、これについては問題文より、
「課題がプロジェクトや組織そして顧客等へ与える影響」
を対象とした調査分析になります。たとえば大規模崩壊であれば、まずは崩壊規模や崩壊機構に関して地質調査を行い、その結果に基づいて地すべり安定解析等を行い、対策工法を決定するといった専門技術的調査分析を行うのですが、これは大規模崩壊という事象とそれに対する直接的対策についての調査分析であり、プロジェクトそのものへの影響とは限りません。大規模崩壊そのものへの対策に必要なコストや日数、リソースといったもの、さらには大規模崩壊を避けてプロジェクト内容を変更する場合の費用・日数・リソースやプロジェクト効果の低下の度合等も考えなければならないでしょう。さらには変更に伴う関連プロジェクトへの影響(そのためにも設問1への答案の中で関連プロジェクトのディティールをある程度決めておいたほうがいい)、社会からのプロジェクトあるいは組織等への評価などについても調べておく必要があるでしょう。このように、調査分析によって、発生事象そのものの詳細と対応だけでなく、プロジェクトや組織・顧客にとって追加負荷となるものを把握しなければなりません。つまり費用を見積もり、工程計画やリソース計画を再検討する必要があるわけです。
 その結果に基づき影響をまとめるのですが、
「プロジェクト推進に与える影響を大きなものから順に」
「影響の種類、大きさとその発生の可能性を記せ」

とあります。つまりここではリスク分析をして、リスク影響度と顕在化確率を示すことが求められます。ここでもちろん詳細が不明な仮想事例ですから、影響の大きさが○億円とか発生確率が○%などと定量的に示すことはできません(逆に根拠もないのに定量的に示さないほうがいいでしょう)。たとえば「影響大・確率中」などと大中小程度の大くくりで記載するといいと思います。なお、当然ながらリスクは発生事象そのものではなく、その結果としてとして生じる影響のリスクです。前述の大規模崩壊なら、大規模崩壊そのものの影響度・発生確率ではなく、大規模崩壊による影響、たとえば工期遅延というリスクについて、プロジェクト・組織・顧客等への影響度と顕在化確率を見積もります。

【設問3について】
 対応案1~3は、採算性・自組織・顧客や社会という特定のことだけを利することを考えた対応案、すなわち極端に偏った案をまず3つあげて、それを踏まえてバランスのとれた最適案を提案することを求めています。これはよくあることですよね。たとえば自分と相手で意見が鋭く対立しているとします。ビジネス上の争いでもいいし夫婦喧嘩でもいいでしょう。自分の言い分だけを一方的に主張しても解決しません。かといって相手の言い分をすべて受け入れても解決とはいえません。互いの言い分をつき合わせて折れるところは折れて中庸案、バランスのとれた案を提案するのが得策ですよね。
・対応案1
 これは採算性最優先という極端な案です。QCDの中でCを優先しますから、QとDは要求レベルを落とします。たとえば大きなミスが発生するリスクを保有してしまうとか、工期遅延リスクを保有するといったことです。品質や工期・納期遅延のリスクを放置するなど日頃の業務で培われた感覚から受け入れがたいかもしれませんが、これはあくまで極端な例え話なのですから、自分にブレーキをかけずに考えてください。そうすると当然デメリットが出てきます。それも「採算性確保だけを考えてしまうとどんなデメリットが出るか」という視点で明確化することといいでしょう。
・対応案2
 これは自組織影響最適化ですから、いわば自分のことしか考えていない状態で、顧客や社会への迷惑は顧みないということになります。もちろん品質不良や工期遅延、環境トラブルなどを熾すと社会的信用をなくしますから長期的には最適とはいえませんが、それを自組織最適化にしてしまうと対応案3と区別がつかなくなってしまいますから、ここは近視眼的に自組織最適化だけを考えるといいでしょう。お金をケチるのもそうですが、たとえば自組織のほかのプロジェクトに影響させないようにリソース補充を組織内でしないとか、関連するほかのプロジェクトにしわ寄せを行かせる(リソースを独り占めするなど)とか、いろいろあるでしょう。もちろんそんな自分勝手なことをするとどんなデメリットがあるかも書くようにします。
・対応案3
 これは顧客や社会のためだけを考える、つまり自己犠牲的な対策になります。おそらく赤字になったり自組織のメンバーが総動員になって他の仕事が滞ったりしますよね。そういったデメリットも明確にしておくことが求められます。
・最適案
 これは対応案1~3を踏まえ、対応案1~3のどれかを排他的選択するのではなく、いいとこどりあるいは中庸案を提案することが求められます。気を付けるべきことは、「いいとこどり」にすると「あれもします。これもします」といった「いいことずくし」で「現実にそんなことできるのか?」という答案になりやすいことです。限られたリソースの最適配分ということを常に念頭において書きましょう。