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総監の発想とは?
- 専門技術者から管理技術者へ ~専門技術者を見守る上司の気持ちで~
仕事に取り組む専門技術者がいるとします。彼が取り組む課題は、その業務の要求事項です。それは高度な技術レベルの調査や設計であったり、無理とも思える納期であったり、ギリギリに切り詰められたコストであったり、漏洩の許されない情報の取り扱いであったり、安全性の懸念がある作業であったり、あるいは環境負荷が懸念される仕事であったりします。また住民参画でのまちづくり計画など、業務自体にマネジメントが含まれている場合もあります。とにかく彼は、専門技術力を発揮して技術的課題に取り組んでいます。
総監の発想でこの業務を管理するためには、この専門技術者を管理する(見守る)上司の立場で考えます。専門技術者の気持ちになってはいけません。
専門技術者が何らかの高度な技術的課題に取り組んでいるとき、彼は
「この課題をどうやって克服するか」
を考えているでしょう。しかし彼の上司(管理技術者)は技術的課題解決だけでなく、
「がんばっているけど、コスト超過にならないだろうな」
「納期は大丈夫だろうか」
などといった心配をするでしょう。つまり、高度な技術的課題解決に注力することにより、コストや納期にしわ寄せが行って、業務がスムーズに終わらないことを心配しているのです。
これが技術管理です。上司は同様に、現場作業や機械工作作業で事故が起こらないか、また残業のしすぎで倒れないかといったことも心配するでしょう。
そして上司が総監技術者であれば、
「この仕事を通じて得られたスキルをみんなで分かち合えないだろうか」
というように、業務にとどまらず、部署のスキルアップのことを考えているかもしれません。
このように、専門技術者は技術的課題解決のことを考えますが、管理技術者は業務管理、さらに総監技術者は会社(あるいは任されている部署)の今後を考えています。
必ずしも妥当ではない例かもしれませんが、総監技術者の「受け持ち範囲」をイメージするにはちょうどいいかなと思います。
つまるところ総監とは企業等の組織が継続的に活動を続けていくための管理技術なのです。

- 部分最適化 ~5つの管理の正確な理解~
組織が継続的に活動していくためには、
①適正な(バランスのとれた)コスト・納期・品質管理
②組織構成員の適切な管理(組織作り、モチベーションやインセンティブ付与、教育、評価など)
③意思決定のための情報活用システム構築と活用、セキュリティ、知財管理
④様々なリスクや災害・事故等に対する備え
⑤外部社会の環境に負荷を与えない仕組み
といったものを適切に管理することが必要です。上記①~⑤が5 つの管理に他なりません。
単なる管理技術者は、
「この仕事はコストが厳しいからコスト管理を徹底しよう」
「この仕事は危険だから安全管理をしっかりと」
というように、その業務特有の重要事項に限定して管理をしがちですが、総監技術者は、「5 つの管理」を知っているので、
「この仕事はコストが厳しいからコスト管理を徹底するけれど、品質や納期もバランスよく管理」するとともに、「管理のための情報」もしっかり管理し、また情報セキュリティや「人をやる気を出して働いてもらう」こと、さらに安全や環境負荷軽減などにも抜かりなく管理計画をたてます。つまり、常に5
つの管理の視点を持ち、漏れのない管理ができるのが総監技術士です。
このように、5つの管理の視点でそれぞれの課題を検討し、それぞれについて専門技術ではなく管理技術を使って的確に対応することが部分最適化です。

- 経済性管理
経済性管理はQCDのバランスです。これは理解しやすいと思います。「品質を一番大事にします」というようなことを言うのはいいのですが、そのときにQやDがお留守になっているわけではないことをしっかり伝えることがポイントです。
管理技術者は「管理」が仕事、つまりマネージャーなのですから、1つのことを深く掘り下げて解決するよりも、多くの課題に気がついて手を打っておけること、「よく気がつく人」が求められる資質です。
なお、品質確保や工期充足のために専門技術を使ってしまうことがあります。特に仕事自体にマネジメントが含まれているような場合(典型的なのは住民参画系の業務)、「業務としてのマネジメント」と「業務のスムーズな遂行を管理するマネジメント」が区別できなくなることがあります。もし「いい業務成果を作ろう」としてやっているマネジメントであれば、それは管理ではない可能性が大です。「順調に業務を遂行させようと思っている管理職の気持ち」でやっているマネジメントであれば、それは管理であると思われます。
たとえば品質管理であれば、いいものを作るための専門技術を駆使するのではなく、たとえばミスが発生しないような、そして/もしくは発生しても早期に発見できるような品質管理システムを作ってそれを実施することが管理です。
工程管理であれば、工程を単祝できるような技術を導入するのではなく、クリティカルパス上の作業のうち、品質やコストへの影響が一番少ないものを複線化して工期短縮をすることが管理です。
- 人的資源管理
人的資源管理は「頭数の確保」ではありません。それでは経済性管理の負荷計画です。
生産の4MのひとつであるManは、人間であるがゆえに能力が変動します。つまり「今日は気が乗らない」日は能力が落ちたりします。組織としてはできるだけ持っている能力をいっぱいまで発揮してほしいし、できればその能力を向上させてほしいですよね。この能力の発揮と能力の向上を管理するのが人的資源管理の主要な部分です。
違う視点で説明してみましょう。会社に新入社員が入ってきたとします。最初はまだ給料に見合った仕事ができませんから、このときだけを見れば、会社にとって負荷になります。つまりコストです。しかししばらくすると仕事を覚え、どんどん稼いでくれるようになります。つまり会社にとっては資本、キャピタルになります。
ところがそのうち、マンネリ化したりして仕事に対するモチベーションが下がってくると、働きが悪くなってきます。会社にとって再びコストになってしまうわけです。つまり人材というのは会社にとってコストになったりキャピタルになったりします。
経営者としては、できるだけ多くの社員をキャピタルの状態においておきたいので、やる気を引き出したりスキルアップをしたりするような研修に行かせたり、力を発揮できる部署に異動したりして、再び会社にとってキャピタルになるよう仕向けます。
このように、できるだけ多くの人やモノが、コストではなくキャピタルの状態になるように管理することが、良好な会社経営になります。
人的資源管理は、組織構成員をコストではなくキャピタルにすることであり、単なる人の配置ではありません。人の配置も人的資源管理の中に含まれますが、それは「この部署に人手が足りないから人を回す」ということではありません。それは経済性管理の中の負荷計画です。人的資源管理における人の配置は、従業員の「やる気」を引き出し、力を発揮させることをねらいにしています。
やる気を出させたり(インセンティブ)異動したり(配置といえば配置ですが、経済性管理の配置とは目的が違います)環境を整えたりして、能力を発揮してもらうための管理が人的資源管理の根幹です。「ほめて伸ばす」とか「たまには飲みに行く」とか「ここぞというときは叱る」といった行為は、管理者の気まぐれでなく、組織の生産力向上のために5W1Hを明確にして(別に細かく決めてなくてもいいが、基準が一定していること)実行すると人的資源管理として整理できます。
このように、人の能力の天井いっぱいまで力を発揮してもらおうとするのが人的資源管理のひとつですが、その天井そのものを上げようとするので能力開発、すなわち教育です。
教育はOJTとOFF-JTを組み合わせる(トレーニングによりスキルを身につけて実践力とし、勉強により知識を身につけて応用力とする)こと、PDCAを回すこと(きちんと効果判定して、それを受けて次のステップを考える)が大事です。
「勉強しておけ」ではダメです。これではPDです。その成果を客観的に、できれば定量的に効果判定して、「じゃあ次は」と考える、ここまでやってはじめてPDCAになります。口頭試験では特に効果判定をどのように、何を基準に行ったかといった質問がよく出されます。
- 情報管理
情報管理は、IT管理(コンピュータのセキュリティや最新版管理など)と知の管理(特許、著作権やナレッジマネジメントなど)もありますが、それらはいずれも「1番目」ではありません。「1番目」は意思決定のための情報収集整理です。
たとえば施工現場の現場代理人が「明日の段取り」という意思決定をしっかり・きちんとしようと思うと、現場から上がってくる進捗情報が正確で十分な量があり、かつ迅速であることが求められますよね。たとえばA班は具体的な出来高や調査結果などを報告してくれるがB班は「順調でした」で終わってしまうとか、A班は帰着後すぐに報告してくれるがB班は夕飯の後とか、A班はきちんと「書いたもの」でくれるがB班は口頭のみとか、そういったことでは困りますよね。
そこで「毎日6時に、現場事務所で、報告フォーマットに記入して、作業班長が進捗報告する」などというように決めます。これは何を決めたかというと、5W1Hを明確にしたわけです。この5W1Hが決まっていること、これが「マネジメントであること」の条件です。マネジメントの場合、5W1Hの中でも特にWho・When・Howが大事です。
以上が情報管理の基本です。すなわち、意思決定者である自分が、意思決定をするために必要な情報を、十分な質と量と迅速性をもって収集するために必要な仕組みを5W1Hを明確にして作ることです。
セキュリティは、情報漏えいに注意が必要なデータを扱っているとか、扱うデータがバックアップのない膨大なもので万一失われるとリスクが大きいとか、そういった情報リスクに関する業務あるいは職務の特異性をまず認識し、そのためにかける手間やコストを勘案しながらシステム化します。何でもかんでも情報漏えい対策やデータ最新版管理をする必要はありません。通常のファイアウォールやセキュリティソフト、サーバ共有ではこういった問題はまずもって起こりません。つまり「万が一」のリスクにすぎません。そのために手間やコストをかけることが適切かどうか、その判断ができることが総監技術者でもあります。(滅多やたらとセキュリティをすることは誰にでもできます)
ナレッジは教育訓練と同様、暗黙知と形式知をよく理解してください。また形式知化するのはいいのですが、死蔵してしまうことも往々にしてありますから、その活用も人的資源管理(教育)と組み合わせて考えておくことも必要でしょう。なお、ナレッジマネジメントについては5W1Hの明確化が特に大切です。
- 安全管理
安全管理は労働安全衛生管理と理解しておけば問題ありません。また、管理者の管理権限の及ぶ範囲での管理であることが基本です。ですから、近隣住民の安全確保などは安全管理に入れられなくもないですが、例外とみるべきです。
そして安全管理もマネジメントですからPDCAサイクルを回すことが求められます。たとえば土木工事において、ある日のヒヤリハット報告事項は、翌日のKYに反映されてしかるべきでしょう。
なお、本当は様々なリスクや事故などに対して備えることで、安全衛生管理だけではありません。しかしそれらに特化してしまうと「基本を理解していない」と取られるおそれがあります。やはり基本、「1番目」を取り扱うのが無難でしょう。
- 社会環境管理
社会環境管理は、経済活動に伴う外部環境への負荷を軽減する仕組みであり、他の4つの管理は会社組織内部に視線が向いていますが、この社会環境管理だけは組織外部に視線が向いています。「社会」の名がつく所以です。
そして「環境」とあるように、社会に対する事業インパクトの中で、環境負荷に関するインパクトに対する管理です。ですから、典型7公害(大気質、水質、騒音、振動、悪臭、地盤沈下、土壌汚染)や動植物景観、廃棄物、温暖化ガスなどは対象となりますが、交通渋滞とか「社会に対する迷惑一般」にまで話を広げるのは好ましくありません。
- 全体最適化 ~限られたリソースの最適配分~
たとえば災害復旧の土木工事をあげてみましょう。話をわかりやすくするために被災箇所の復旧ができるまでは孤立している集落があるとかして、一刻も早く復旧しないといけないとしましょう。
この場合、工期厳守・迅速な施工が最優先になりますが、そのために他の管理レベルを落とすことがよくあります。たとえば検査は全数検査を抜き取り検査に変える(品質管理)とか、儲け抜きでリソースを投入する(コスト管理)とか、ホウ・レン・ソウをいつもより甘い管理にする(情報管理)とか、KY朝礼を省略してそれぞれの班ごとのTBMにする(安全管理)とか、短期間なので過重労働に目をつぶる(安全管理)とか、環境負荷も重大なもの以外は許容する(社会環境管理)とか、そういったことですね。そしてそれらの管理レベルダウンがあるからこそ、余裕のできたリソースを最重要管理項目(工程管理)に回せるということです。
このように、最重要管理項目が何かを明確にし、それ以外の管理項目の管理レベルを、必要なレベルだけれどゼロではないというレベルに設定し(このあたりが管理技術力の発揮のしどころです)、そうすることで最優先管理項目の要求を満たすというのが全体最適化の基本です。
ここで、たとえば工程管理と品質管理くらいにしか目がいかず、ホウレンソウがゼロになってしまって情報管理がうまくできず、結果として大きな手戻りが起こって、最優先のはずの工程管理の要求レベルが満たせなくなってしまうとか、あるいは環境保全に気が回らなくなって重大な環境事故を起こし、結果としてクライアントの要求を裏切ってしまうとか、最悪の場合は工事が中断してしまって、やはり最優先のはずの工程管理の要求レベルが満たせなくなってしまうとか、そういうことになってしまうわけですね。
そこで総監技術者は、5つの管理という視点をしっかり持っており、なおかつ5つの管理の内容をきちんと理解していますから、そういった「見落とし」みたいなものがなく、かつ5つの管理の相互関係(つまり、たとえば工程管理に力を入れると品質管理レベルを落とさざるを得なくなるとか)を理解しているので、バランスよく、一番いいバランスで管理を遂行できるということが期待されるわけです。
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筆記試験対策について
- 択一問題対策
択一式問題は知識問題です。ですから勉強する以外にありません。書いて覚える人、音読する人、単語帳のようなものを使って反復練習する人など様々ですが、自分に合った記憶術を身につけてください。
以下、留意点を列挙します。
- 情報管理・社会環境管理以外は青本で勉強するだけでもOK
経済性管理、人的資源管理、安全管理は、それなりに「枯れた」技術が多いため、「60点取ればいい」のであれば、青本だけで十分です。もちろん極めたければもっと勉強しなければなりませんが、合格のためのハードルを越えることを最優先にするのであれば、青本をしっかりやれば、60点どころか70点以上取れます。
もししっかり勉強したいのであれば、経営工学関連書籍やオペレーティングリサーチに関する書籍、サイトでも紹介している「建設エンジニアの仕事術」などがお勧めです。
また青本が理解しにくい場合、PMP(☆虎)さんの「総監虎の巻シリーズ」もお勧めです。
- 情報管理は青本では若干不十分
情報管理は、通常業務における情報管理(意思決定のための情報収集整理の部分やナレッジ)、緊急時の情報管理については、青本だけでも60点は十分取れます。
IT関連(情報ネットワークや情報セキュリティ)は、どんどん世の中が進んでいますので青本ではカバーできていない部分が年々広がっています。フィッシングその他のリスク、クラウドなどの新しい分野といったものは、IT関連のHPなどで広く浅く勉強しておかれることをお勧めします。
- 社会環境管理は青本ではまったく不十分
環境分野は、地球環境問題(温暖化問題)のクローズアップと、環境技術が雇用創出や国家戦略に組み込まれるようになったことから、情報管理以上に日進月歩になっており、青本だけでは60点はおろか50点の確保もままならない状況です。
これについては、温暖化、再生可能エネルギー、循環型社会といった新しい視点と、青本刊行後に新設・改定された法令について押さえておくことをお勧めします。環境省HPで必要な情報は入手できるでしょう。
- 7章もしっかりと
青本第6章で「5つの管理」の解説が終わるせいか、7章はあまり勉強しない人が多いようですが、それなりに出題されています。ボーダーにいる場合はここの成績で合否が決まったりすることもあります。覚えにくい内容ではないので、じっくり読んで理解しておいてください。
- 過去問題は全部正解と根拠を整理
総監択一問題も出題傾向があって、それは毎年顕著に変化したりはしません。
ですから、過去問題をしっかりやるのが効果的です。各問題の選択肢について、なぜそれが正解なのか、あるいは不正解なのかをしっかり整理しておかれるといいと思います。
- 記述式問題対策
過去問題のページを見ていただければいいのですが、平成19年度移行の問題はすべて以下のような構成になっています。
- プロジェクトを進める上ではいろんな「よくないこと」があるんだよという話
- これを踏まえて問題に答えるように指示し、どんなプロジェクトを取り上げるかを指定。
また5つの管理とは何かを説明
- 設問(1):プロジェクトの概要や各種設定条件等を記述するように指示
- 設問(2):「よくないこと」の内容を記述するように指示
- 設問(3):上記(2)への対応を記述するように指示
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ということで、ずっとワンパターンの出題です。「H22は仮想事例になった。出題傾向が変わった」などと慌てた人もいるかもしれませんが、そんなことはありません。
「よくないこと」は、H19が事業停止によるサプライチェーン下流側への悪影響、H20が目標非達成リスク、H21が想定外事態、H22が情勢変化です。
またプロジェクトはH19~21が体験したプロジェクトあるいは体験していなくても知見のあるプロジェクト、H22が仮想事例です。(将来の情勢変化がテーマなので当然かなと思います)
以上を踏まえると、今年度も同じ構成の問題が出る可能性が高いと思われます。
そしてこの手の問題は、特に設問(2)の「よくないこと」を思いつけるかどうかというところにポイントがあります。マネジメントをする者は、いかにたくさんの「あり得ること」を想像し、あらかじめ手を打っておけるかが勝負ですから。
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技術的体験論文の作成について
総監ならではの体験論文の特徴がいくつかありますので、以下に列挙します。
- 体験論文はのウェイトは一般部門ほど重くない
総監の場合、口頭試験における体験論文のウェイトはさほど重くはなく、「話のきっかけ」みたいなところはあります。
そのことも考えると、論文としては今の内容で完成として、あとは「論文の説明をする」というよりも「論文も含めて総監技術体系の理解と応用力全般について質問に答える」つもりでいていただいたほうがいいと思います。
- 管理上の問題はたくさんあげたほうがよい
総監以外の部門では、課題解決プロセスにおける問題点抽出分析など「いかに深めるか」が評価を受ける上で重要ですから、「こんなにたくさん対応しました」は百花繚乱になってあまりよくありません。
しかし総監は管理ですから、そのプロジェクトを滞りなく進める上で障害になりえるものについて、いかにたくさん気がつくかが勝負になります。ですから総監は「こんなにたくさん対応しました」が評価されます。
- 全体最適化をしっかり記述
一番重要な項目に集中的にリソースを投入しないといけないわけですが、それはその他の管理項目に投入できるリソースを減らしているということでもあります。それはたとえば1日24時間と時間リソースは限られているのですが、最重要である仕事に時間を消費すると、家族サービスに使える時間が減ってしまうというようなものです。
そして最重要なものに使った「残りの」リソースをうまく配分して、それぞれの管理の最低要求ラインを満たすことで、「最重要項目以外の管理がぐちゃぐちゃ」という状態は避けるわけですね。
この限られたリソースの最適配分が全体最適化です。
ですからたとえば工程管理(納期厳守)が最優先課題であれば、いつもは5回やる検査を3回で済ませるとか、最優先以外の管理項目は要求ラインを落とさざるをえないわけですね。だけど、最低要求ラインはどこかということがしっかりわかっていれば、たとえば「検査5回だと不良品発生危険率は1%だが、今回は危険率5%まで品質に関しては要求ラインを落とす。これが確保できる検査回数は3回だ」というようにして、「どこまでレベルを落とすか」が合理的に決定できるわけです。
- 管理の組み立て手順
以下のような組み立てができていて、リスクの大きな見逃しがなければ、管理がきちんとできる人だと評価してもらえます。
- 管理目標を決める。当該業務の最重要管理目標を決めます。公共事業の場合はたいてい品質と工期の両立です。ここで目標は具体的にします。たとえば品質は顧客要求品質をクリアすることで、クリアしたことの判断基準は顧客による完了検査にパスすることです。また工期は納期順守です。
- その目標がクリアできないリスクを5つの管理で整理します。おそよリスクなどありえないと思っても社会環境管理なんかも一応考えます。(論文には書かなくてもいいです)
- そのリスクの顕在化を防ぐ方法を考えます。これが部分最適化ですが、ここでは因果関係に注意します。たとえばスキル不足(人的資源管理)→品質低下(経済性管理の品質管理)→手戻り発生による工期遅延(経済性管理の工程管理)などですね。因果関係では原因事象をクリアするのが一番いい(上記例ならスキルアップ)のですが、短期間ではそれは無理な場合は次の事象に対応します(上記例なら厳重な品質管理)。このあたりの位置づけをしっかり認識していることが大事です。
- 部分最適化によって生じる副次的作用(因果関係やトレードオフ)について考察します。特にトレードオフに気をつけて、限られたリソースをいかに最適配分すればいいかを考えます。通常は重要なリスク顕在化防止に注力して、重要度の低いもの(たとえば環境負荷)には注力しないようにします。
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口頭試験対策
総監口頭試験に際して、ポイントを整理します。
- マネジメントとして答える=5W1Hを明確に
総監口頭試験では、これが最大のポイントです。 回答は、5W1Hをしっかり示してください。
特に、
誰が
いつ
どのように
を明確にしてください。そうすれば、日常的な管理も総監っぽくなります。
総監というのは、「管理職の仕事」に近いものです。納期に間に合い、なおかつ良い成果物を作るよう、しかし経費を抑えて、人員配置をして、事故が起こらないように配慮しながら、連絡体制をしっかりして、データの取り違え等にも注意して、部署を管理します。また、研修会に行かせたり資格取得の雰囲気作りをしたりして、教育訓練をします。
でも、それをそのまま言ったり書いたりしても、それは「あたりまえのことをあたりまえに言っている」ことにしかなりません。でも、それを5W1Hをしっかり押さえて言ったり書いたりすると、一気にマネジメントっぽくなります。
「それがマネジメントといえるかどうか」というのは、総監の重要な判断基準であり、口頭試験でも、そこを突かれることが多いのが総監の特徴でもあります。
「それはいつやるんですか?」「誰がどういった手順でやるんですか?」といった質問は、要は「その対応は、5W1Hがきちんと決めてありますか?」ということです。そして、5W1Hがそこそこ決めてあれば、マネジメントとして認めてもらえます。つまり、総監技術があるかどうかの評価で、点数がもらえます。
- 技術的体験論文のフォローはしっかりと
今年度も予想外の記述問題が出ましたので、択一で高得点だったが記述得点は低いと推定される口頭受験生が、例年以上に多いと推定されます。
どういう答案が低く評価されるか、本来はどのような答案が求められているか、口頭試験でのフォローはどうするかについて整理してみましたので、参考にしてください。
- 専門技術力でなく、総監技術力を見せる
記述答案における課題解決策が、専門技術であって総監技術でないというのが、例年の典型的な口頭試験敗退原因です。たとえば・・・・
「工法の経済比較をして、最も経済的な工法を選択した」ことを経済性管理(コスト管理)にしている
「十分に安全な施設を設計あるいは施工した」ことを安全管理にしている
などです。択一と記述の配点ウェイトが1:1であり、それぞれの得点だけでは合否判定とならないため、択一の得点がすごくいいと、上記のような記述答案でも筆記合格したりします。
しかし、このような答案は、口頭試験で「あなたの答案は総監ではない!」とバッサリやられる可能性が大です。
こういった答案を書いてしまったと思う人は、率直に言って望み薄です。
この際、駄目でもともとと開き直って、今からでも総監らしい「別解」を用意して口頭試験に臨み、何とかフォローを試みてください。
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過去問題
平成14年度以降の過去問題です。択一問題は正解解説付き。
平成14年度
平成15年度
平成16年度
平成17年度
平成18年度
平成19年度
平成20年度
平成21年度
平成22年度
平成23年度
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