総合技術管理部門対策 最終更新:2015.08.10 Top Page

総監の発想とは?
 私なりに考える、総監の発想、そして5つの管理と全体最適化のポイントです。
筆記試験対策について
 問題分析とあるべき答案について考察しました。
口頭試験対策
過去問題
 平成14年度以降の過去問題です。択一問題は正解解説付き。


総監の発想とは?

  1. 専門技術者から管理技術者へ ~専門技術者を見守る上司の気持ちで~
     仕事に取り組む専門技術者がいるとします。彼が取り組む課題は、その業務の要求事項です。それは高度な技術レベルの調査や設計であったり、無理とも思える納期であったり、ギリギリに切り詰められたコストであったり、漏洩の許されない情報の取り扱いであったり、安全性の懸念がある作業であったり、あるいは環境負荷が懸念される仕事であったりします。また住民参画でのまちづくり計画など、業務自体にマネジメントが含まれている場合もあります。とにかく彼は、専門技術力を発揮して技術的課題に取り組んでいます。
     総監の発想でこの業務を管理するためには、この専門技術者を管理する(見守る)上司の立場で考えます。専門技術者の気持ちになってはいけません。
     専門技術者が何らかの高度な技術的課題に取り組んでいるとき、彼は
     「この課題をどうやって克服するか」
    を考えているでしょう。しかし彼の上司(管理技術者)は技術的課題解決だけでなく、
     「がんばっているけど、コスト超過にならないだろうな」
     「納期は大丈夫だろうか」
    などといった心配をするでしょう。つまり、高度な技術的課題解決に注力することにより、コストや納期にしわ寄せが行って、業務がスムーズに終わらないことを心配しているのです。
     これが技術管理です。上司は同様に、現場作業や機械工作作業で事故が起こらないか、また残業のしすぎで倒れないかといったことも心配するでしょう。
     そして上司が総監技術者であれば、
     「この仕事を通じて得られたスキルをみんなで分かち合えないだろうか」
    というように、業務にとどまらず、部署のスキルアップのことを考えているかもしれません。
     このように、専門技術者は技術的課題解決のことを考えますが、管理技術者は業務管理、さらに総監技術者は会社(あるいは任されている部署)の今後を考えています。
     必ずしも妥当ではない例かもしれませんが、総監技術者の「受け持ち範囲」をイメージするにはちょうどいいかなと思います。
     つまるところ総監とは企業等の組織が継続的に活動を続けていくための管理技術なのです。


  2. 部分最適化 ~5つの管理の正確な理解~
     組織が継続的に活動していくためには、
     ①適正な(バランスのとれた)コスト・納期・品質管理
     ②組織構成員の適切な管理(組織作り、モチベーションやインセンティブ付与、教育、評価など)
     ③意思決定のための情報活用システム構築と活用、セキュリティ、知財管理
     ④様々なリスクや災害・事故等に対する備え
     ⑤外部社会の環境に負荷を与えない仕組み
    といったものを適切に管理することが必要です。上記①~⑤が5 つの管理に他なりません。
     単なる管理技術者は、
     「この仕事はコストが厳しいからコスト管理を徹底しよう」
     「この仕事は危険だから安全管理をしっかりと」
    というように、その業務特有の重要事項に限定して管理をしがちですが、総監技術者は、「5 つの管理」を知っているので、
     「この仕事はコストが厳しいからコスト管理を徹底するけれど、品質や納期もバランスよく管理」するとともに、「管理のための情報」もしっかり管理し、また情報セキュリティや「人をやる気を出して働いてもらう」こと、さらに安全や環境負荷軽減などにも抜かりなく管理計画をたてます。つまり、常に5 つの管理の視点を持ち、漏れのない管理ができるのが総監技術士です。
     このように、5つの管理の視点でそれぞれの課題を検討し、それぞれについて専門技術ではなく管理技術を使って的確に対応することが部分最適化です。

    1. 経済性管理
       経済性管理はQCDのバランスです。これは理解しやすいと思います。「品質を一番大事にします」というようなことを言うのはいいのですが、そのときにQやDがお留守になっているわけではないことをしっかり伝えることがポイントです。
       管理技術者は「管理」が仕事、つまりマネージャーなのですから、1つのことを深く掘り下げて解決するよりも、多くの課題に気がついて手を打っておけること、「よく気がつく人」が求められる資質です。
       なお、品質確保や工期充足のために専門技術を使ってしまうことがあります。特に仕事自体にマネジメントが含まれているような場合(典型的なのは住民参画系の業務)、「業務としてのマネジメント」と「業務のスムーズな遂行を管理するマネジメント」が区別できなくなることがあります。もし「いい業務成果を作ろう」としてやっているマネジメントであれば、それは管理ではない可能性が大です。「順調に業務を遂行させようと思っている管理職の気持ち」でやっているマネジメントであれば、それは管理であると思われます。
       たとえば品質管理であれば、いいものを作るための専門技術を駆使するのではなく、たとえばミスが発生しないような、そして/もしくは発生しても早期に発見できるような品質管理システムを作ってそれを実施することが管理です。
      工程管理であれば、工程を短縮できるような技術を導入するのではなく、クリティカルパス上の作業のうち、品質やコストへの影響が一番少ないものを複線化して工期短縮をすることが管理です。

    2. 人的資源管理
       人的資源管理は「頭数の確保」ではありません。それでは経済性管理の負荷計画です。
      生産の4MのひとつであるManは、人間であるがゆえに能力が変動します。つまり「今日は気が乗らない」日は能力が落ちたりします。組織としてはできるだけ持っている能力をいっぱいまで発揮してほしいし、できればその能力を向上させてほしいですよね。この能力の発揮と能力の向上を管理するのが人的資源管理の主要な部分です。
       違う視点で説明してみましょう。会社に新入社員が入ってきたとします。最初はまだ給料に見合った仕事ができませんから、このときだけを見れば、会社にとって負荷になります。つまりコストです。しかししばらくすると仕事を覚え、どんどん稼いでくれるようになります。つまり会社にとっては資本、キャピタルになります。
       ところがそのうち、マンネリ化したりして仕事に対するモチベーションが下がってくると、働きが悪くなってきます。会社にとって再びコストになってしまうわけです。つまり人材というのは会社にとってコストになったりキャピタルになったりします。
       経営者としては、できるだけ多くの社員をキャピタルの状態においておきたいので、やる気を引き出したりスキルアップをしたりするような研修に行かせたり、力を発揮できる部署に異動したりして、再び会社にとってキャピタルになるよう仕向けます。
       このように、できるだけ多くの人やモノが、コストではなくキャピタルの状態になるように管理することが、良好な会社経営になります。
       人的資源管理は、組織構成員をコストではなくキャピタルにすることであり、単なる人の配置ではありません。人の配置も人的資源管理の中に含まれますが、それは「この部署に人手が足りないから人を回す」ということではありません。それは経済性管理の中の負荷計画です。人的資源管理における人の配置は、従業員の「やる気」を引き出し、力を発揮させることをねらいにしています。
       やる気を出させたり(インセンティブ)異動したり(配置といえば配置ですが、経済性管理の配置とは目的が違います)環境を整えたりして、能力を発揮してもらうための管理が人的資源管理の根幹です。「ほめて伸ばす」とか「たまには飲みに行く」とか「ここぞというときは叱る」といった行為は、管理者の気まぐれでなく、組織の生産力向上のために5W1Hを明確にして(別に細かく決めてなくてもいいが、基準が一定していること)実行すると人的資源管理として整理できます。
       このように、人の能力の天井いっぱいまで力を発揮してもらおうとするのが人的資源管理のひとつですが、その天井そのものを上げようとするので能力開発、すなわち教育です。
       教育はOJTとOFF-JTを組み合わせる(トレーニングによりスキルを身につけて実践力とし、勉強により知識を身につけて応用力とする)こと、PDCAを回すこと(きちんと効果判定して、それを受けて次のステップを考える)が大事です。
       「勉強しておけ」ではダメです。これではPDです。その成果を客観的に、できれば定量的に効果判定して、「じゃあ次は」と考える、ここまでやってはじめてPDCAになります。口頭試験では特に効果判定をどのように、何を基準に行ったかといった質問がよく出されます。

    3. 情報管理
       情報管理は、IT管理(コンピュータのセキュリティや最新版管理など)と知の管理(特許、著作権やナレッジマネジメントなど)もありますが、それらはいずれも「1番目」ではありません。「1番目」は意思決定のための情報収集整理です。
       たとえば施工現場の現場代理人が「明日の段取り」という意思決定をしっかり・きちんとしようと思うと、現場から上がってくる進捗情報が正確で十分な量があり、かつ迅速であることが求められますよね。たとえばA班は具体的な出来高や調査結果などを報告してくれるがB班は「順調でした」で終わってしまうとか、A班は帰着後すぐに報告してくれるがB班は夕飯の後とか、A班はきちんと「書いたもの」でくれるがB班は口頭のみとか、そういったことでは困りますよね。
       そこで「毎日6時に、現場事務所で、報告フォーマットに記入して、作業班長が進捗報告する」などというように決めます。これは何を決めたかというと、5W1Hを明確にしたわけです。この5W1Hが決まっていること、これが「マネジメントであること」の条件です。マネジメントの場合、5W1Hの中でも特にWho・When・Howが大事です。
       以上が情報管理の基本です。すなわち、意思決定者である自分が、意思決定をするために必要な情報を、十分な質と量と迅速性をもって収集するために必要な仕組みを5W1Hを明確にして作ることです。
       セキュリティは、情報漏えいに注意が必要なデータを扱っているとか、扱うデータがバックアップのない膨大なもので万一失われるとリスクが大きいとか、そういった情報リスクに関する業務あるいは職務の特異性をまず認識し、そのためにかける手間やコストを勘案しながらシステム化します。何でもかんでも情報漏えい対策やデータ最新版管理をする必要はありません。通常のファイアウォールやセキュリティソフト、サーバ共有ではこういった問題はまずもって起こりません。つまり「万が一」のリスクにすぎません。そのために手間やコストをかけることが適切かどうか、その判断ができることが総監技術者でもあります。(滅多やたらとセキュリティをすることは誰にでもできます)
       ナレッジは教育訓練と同様、暗黙知と形式知をよく理解してください。また形式知化するのはいいのですが、死蔵してしまうことも往々にしてありますから、その活用も人的資源管理(教育)と組み合わせて考えておくことも必要でしょう。なお、ナレッジマネジメントについては5W1Hの明確化が特に大切です。

    4. 安全管理
       安全管理は労働安全衛生管理と理解しておけば問題ありません。また、管理者の管理権限の及ぶ範囲での管理であることが基本です。ですから、近隣住民の安全確保などは安全管理に入れられなくもないですが、例外とみるべきです。
       そして安全管理もマネジメントですからPDCAサイクルを回すことが求められます。たとえば土木工事において、ある日のヒヤリハット報告事項は、翌日のKYに反映されてしかるべきでしょう。
       なお、本当は様々なリスクや事故などに対して備えることで、安全衛生管理だけではありません。しかしそれらに特化してしまうと「基本を理解していない」と取られるおそれがあります。やはり基本、「1番目」を取り扱うのが無難でしょう。

    5. 社会環境管理
       社会環境管理は、経済活動に伴う外部環境への負荷を軽減する仕組みであり、他の4つの管理は会社組織内部に視線が向いていますが、この社会環境管理だけは組織外部に視線が向いています。「社会」の名がつく所以です。
       そして「環境」とあるように、社会に対する事業インパクトの中で、環境負荷に関するインパクトに対する管理です。ですから、典型7公害(大気質、水質、騒音、振動、悪臭、地盤沈下、土壌汚染)や動植物景観、廃棄物、温暖化ガスなどは対象となりますが、交通渋滞とか「社会に対する迷惑一般」にまで話を広げるのは好ましくありません。

  3. 全体最適化 ~限られたリソースの最適配分~
     たとえば災害復旧の土木工事をあげてみましょう。話をわかりやすくするために被災箇所の復旧ができるまでは孤立している集落があるとかして、一刻も早く復旧しないといけないとしましょう。
     この場合、工期厳守・迅速な施工が最優先になりますが、そのために他の管理レベルを落とすことがよくあります。たとえば検査は全数検査を抜き取り検査に変える(品質管理)とか、儲け抜きでリソースを投入する(コスト管理)とか、ホウ・レン・ソウをいつもより甘い管理にする(情報管理)とか、KY朝礼を省略してそれぞれの班ごとのTBMにする(安全管理)とか、短期間なので過重労働に目をつぶる(安全管理)とか、環境負荷も重大なもの以外は許容する(社会環境管理)とか、そういったことですね。そしてそれらの管理レベルダウンがあるからこそ、余裕のできたリソースを最重要管理項目(工程管理)に回せるということです。
     このように、最重要管理項目が何かを明確にし、それ以外の管理項目の管理レベルを、必要なレベルだけれどゼロではないというレベルに設定し(このあたりが管理技術力の発揮のしどころです)、そうすることで最優先管理項目の要求を満たすというのが全体最適化の基本です。
     ここで、たとえば工程管理と品質管理くらいにしか目がいかず、ホウレンソウがゼロになってしまって情報管理がうまくできず、結果として大きな手戻りが起こって、最優先のはずの工程管理の要求レベルが満たせなくなってしまうとか、あるいは環境保全に気が回らなくなって重大な環境事故を起こし、結果としてクライアントの要求を裏切ってしまうとか、最悪の場合は工事が中断してしまって、やはり最優先のはずの工程管理の要求レベルが満たせなくなってしまうとか、そういうことになってしまうわけですね。
     そこで総監技術者は、5つの管理という視点をしっかり持っており、なおかつ5つの管理の内容をきちんと理解していますから、そういった「見落とし」みたいなものがなく、かつ5つの管理の相互関係(つまり、たとえば工程管理に力を入れると品質管理レベルを落とさざるを得なくなるとか)を理解しているので、バランスよく、一番いいバランスで管理を遂行できるということが期待されるわけです。

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筆記試験対策について

  1. 択一問題対策
     択一式問題は知識問題です。ですから勉強する以外にありません。書いて覚える人、音読する人、単語帳のようなものを使って反復練習する人など様々ですが、自分に合った記憶術を身につけてください。
     以下、留意点を列挙します。
    • 情報管理・社会環境管理以外は青本で勉強するだけでもOK
      経済性管理、人的資源管理、安全管理は、それなりに「枯れた」技術が多いため、「60点取ればいい」のであれば、前述の方法(青本から項目を拾って、青本と補完資料で用語集を作る)だけで十分です。

    • 情報管理はITに関して若干補足してもいい
      情報管理は、通常業務における情報管理(意思決定のための情報収集整理の部分やナレッジ)、緊急時の情報管理については、青本だけでも60点は十分取れますが、IT関連は、どんどん世の中が進んでいますので青本ではカバーできていない部分が年々広がっています。フィッシングその他のリスク、SNSやクラウドなどの新しい分野といったものは、IT関連のHPなどで広く浅く勉強しておかれることをお勧めします。

    • 社会環境管理は環境省HPで補完
      環境分野は地球環境問題(温暖化問題)のクローズアップ、諸法令の整備が青本発刊後に著しく進んだことから、青本だけでは不足の部分が多くなっています。ただし過去問題を見ると、青本に出ていない項目が出題されているのは8問中2~3問で、青本をしっかりやって、かつ最新の関連知識をネットなどから情報収集して補強しておけば、そこそこ得点はできるはずです。
      過去問題を見ると法令関係の出題が多くなっています。基本的に環境保全は法令順守が第一歩という面がありますので、このあたりはしっかり押さえておきたいところです。
      そういったことと、温暖化や再生可能エネルギー、循環型社会といった新しい視点について抑えるには、環境省HPでいろいろな施策や知見を頭に入れるのが一番いいでしょう。

    • 狙い目は人的資源管理
      択一問題は全部で40問あり、これが5つの管理に均等に割り振られていますので、一管理分野あたり8問出題されます。
      ところで青本における5管理の割り当てページ数を見てみると、経済性管理46ページ、人的資源管理25ページ、情報管理37ページ、安全管理43ページ、社会環境管理39ページとなっており、人的資源管理が最も少なく、最も多い経済性管理の54%しかありません。
      さらにキーワードの数をみてみると、経済性管理131個、人的資源管理71個、情報管理75個、安全管理77個、社会環境管理91個と、やはり人的資源管理が最も少なく、最も多い経済性管理の54%です。
      つまり人的資源管理がページ数・キーワード数とも最少であり、「覚えるべきことが少ない」ということになります。覚えるべきことが少ないうえ、青本だけの勉強でも大丈夫ということですから、人的資源管理が最も点数が取りやすいということになります。
      もちろん記載内容との相性もありますからいちがいにはいえませんが、「どこを得点源にするか」ということは広く浅く出題される択一問題対策の基本ですので、参考にしてください。
択一問題100本ノック
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スマホ・タブレット・PCでいつでもどこでも隙間時間を使ってトレーニングできます。
無料版はH26問題を使って、有料版は過去問題・オリジナル問題を使って、いずれも
正誤問題が100問連続して出題されます。(いつでも途中でやめることができます)
 
作成済み部門:建設・応用理学・環境・総合技術監理
http://apec-semi.jp/smartphone/index.html
右のQRコードからもリンクできます。

  1. 記述式問題対策
  • 問題はすべて5ブロック構成
    過去問題のページを見ていただければいいのですが、平成19年度移行の問題はすべて以下のような構成になっています。
    第1ブロック:問題のテーマ、視点の説明
    ここには、問題のテーマ説明が書かれています。ですからここが実は最も重要な段落で、ここをしっかり理解していないと得点できません。文章がちょっとむずかしいことがありますが、読み飛ばしてはいけません。平成20年度問題では「業務にはいろいろなリスクが潜んでいるが、それをしっかり抽出して、時にはリスク対策がトレードオフになったりもするが、それらをうまくさばいて、業務が最善の状態で遂行できるようにしないといけない。そのためには、業務の管理上の目標を決めて、それが損なわれるようなリスクを5つの管理で予測して対処する」といったことが書いてあります。
    第2ブロック:取り上げるプロジェクトの決定
    ここでは、どんなプロジェクトについて答案を書くかが指定されます。この平成20年度問題では「あなたの現在担当している、あるいは過去に担当した事業又はプロジェクト」、つまり体験業務を取り上げて答えろと指示しています。
    第3ブロック:プロジェクト内容や出題テーマに沿った基本条件の設定…設問(1)
    ここからが問題本体です。設問(1)では、取り上げるプロジェクトの概要、テーマでもある管理目標について書くよう指定されています。つまりプロジェクトの基本的な部分を設定しろというわけです。「その際、こういうことを重視せよ」とか「なお、事例はこんなものでもいい」などと細かい指定がありますが、まあすべて「なお」書きだと思ってもかまわないでしょう。
    第4ブロック:課題の抽出…設問(2)
    ここでは課題を抽出します。この問題では管理目標を達成できないリスクをあげます。また5つの管理のうちどれでも選んでいいわけではなく、ある程度の指定があります。
    「なお」書きでは、リスクの原因まで把握しなさいと指定されています。つまり、たとえば「ミス」というリスクであれば、その原因が「あせり」であったり「スキル不足」であったりするので、そこまで掘り下げなさいということですね。
    第5ブロック:解決策の提案…設問(3)
    第4ブロックであげた課題に対する解決策を述べます。「なお」書きはつまり全体最適化のことですね。
     
     平成25年度問題は設問3がありませんが、これは設問1の中で第3ブロックと第4ブロックをまとめて聞いているためで、上記5ブロック構成であることには変わりはありません。

    過去問題における5つのブロック内容
    試験年度 20 21 22 23 24 25 26
    ①テーマ 管理目標を設定
    してリスク管理
    不測の事態を
    予測する
    外部環境の変化
    に対応する
    予期せぬ事態に
    対する事業継続
    社会環境・要求事
    項変化への対応
    メンテナンス性の
    よいインフラ・製品
    を計画設計・施工
    製作・運転保守管理
    人口減少社会に
    対応したインフラ
    更新
    ②業務 体験業務 体験業務 仮想事例(3つの
    事例から選択)
    仮想事例(2つの
    ジャンルから選択)
    仮想事例(3つの
    ジャンルから選択)
    自由設定(仮想事例
    でも体験業務でも可)
    自由設定(仮想事例
    でも体験業務でも可)
    ③前提条件 管理目標 不測の事態 変化内容 必要な外部資源
    ・外部環境
    社会環境・要求事
    項変化
    計画設計から施工
    製作、運転保守管
    理にわたる事業
    人口減少の影響が
    大きいと思われる更
    新計画
    ④課題 管理目標非達成
    リスク
    不測事態を予想
    ・対処できなかっ
    た原因
    変化に伴うデメ
    リット
    予期せぬ事態に
    よる事業モデル
    の存続を脅かす
    シナリオ
    変化が与える影響 計画設計・施工製作
    ・運転保守管理の各
    段階における、メンテ
    ナンス性のよいインフ
    ラ・製品ゆえの課題
    人口減少が及ぼす
    社会経済への影響
    ⑤解決策 リスク顕在化
    防止策
    今ならどう対応
    するか
    デメリット防止・
    最小化策
    シナリオに対する
    事前準備対策
    影響への対応策 各課題への対応策 影響への対応策

  • 3年サイクルで出題傾向が変化
     題内容は3年周期で変化しており、出題内容が比較的同じした出題が3年程度続いてきているという傾向があります。
    試験年度 プロジェクト 出題内容
    19~21 体験業務・事業 <リスクへの対応>
    予想できるリスクに対して、あらかじめどう備えるか。H19が大規模災害時の
    BCP、H20が管理目標の達成できなくなるリスク、H21が不測の事態の発生。
    22~24 仮想事例
    (比較的短期事業が多い)
    <変化への対応>
    外部環境変化や予期せぬ事態発生等で、当初の管理計画を変更せざるを
    得なくなった場合の対応を問う。
    25・26 自由に設定
    (体験でも仮想でもよいが、長期にわたる事業)
    <条件への対応>
    プロジェクト実施にあたっての制約条件(H25はメンテナンス性考慮、H26は
    少子高齢化社会に対応したインフラ更新)に対してどう対応するかを問う。

  • 平成25年・26年問題の解答パターン
    以下、H25・26の出題形式に対する解答のしかたを解説します。なお、H25・26問題の解答パターンの詳細は、このページ最下段の過去問題のところで詳述しています。
    • まず専門技術的に考え、それをどう管理するかを考える
      平成25・26年度の問題は、次の3ステップで考えていくといいでしょう。
        ①付与条件を整理する。
        ②それに対する専門技術的対応を考える。
        ③それをどう管理するかを短期的・中長期的の2つの視点で考える。
      ここでポイントになるのは、付与条件に応じたものを作る(H25ならメンテナンス生の良いインフラや製品を作る、H26なら人口減少等に伴う様々な社会影響を見越して更新する)と、あまり経験のないものを設計したり作ったりすることになります。たとえば橋であれば、
       (H25)メンテナンセス性の良い橋として桁下に点検用通路等を付加する
       (H26)労働者減少でも維持管理できるミニマムメンテ橋にする
      などですね。これは、いわゆる3H(初めて・久しぶり・変更)になって、不慣れゆえのミスや事故がおきやすくなります。この3Hをキーワードに考えると課題は出てきやすいでしょう。
    • 将来に邑楽酢、直近にマイナスの管理効果
      H26問題では効果についても述べることが求められますが、将来を見越して新たな構造を取り入れると、将来に照準を合わせていますから将来においてメリットが出ますが、そのために短期的には不慣れミス・事故が懸念されるようになります。
      つまり正の効果は将来にあり、負の効果が直近にあるのです。
      「将来を見越す」がメンテ性の良さであればH25問題ですし、人口減少社会への対応であればH26問題です。
      いずれも将来においてはメンテしやすかったり人口減少社会ゆえの社会影響に対応できていたりするのですが、短期的には不慣れゆえの不都合が出ます。
    • 第1ブロックをよく読んで付与条件を読み違えないように
      もう一つ大きなポイントは、第1ブロックをよく読んで付与条件を読み違えないということです。
      H25問題を読み違えると、メンテナンス事業と解釈してしまったりします。
      H26問題を読み違えると、更新設計施工時点で社会影響が顕在化するような設定にしてしまう(たとえば労働力人口が減少した中で更新するといった設定になっている)ようなことがあったりします。

答案用紙フォーマット
総監記述問題
Wordファイルで、桁数・行数は合わせてあります。
記述が2枚目を超えた時点で3枚目以降が自動的に現われます。
SUKIYAKI塾沖縄のすごろくさんご提供。
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口頭試験対策

総監口頭試験に際して、ポイントを整理します。
  1. 総監口頭試験の内容
     口頭試験は次の2項目について試問されます。
      ①経歴及び応用能力(配点60点)
      ②体系的専門知識(配点40点)
     今年度からは、従来あった③技術に対する見識、④技術者倫理、⑤技術士法制度等がなくなりました。
     試験時間は20分(最大30分まで延長可能)ですが、もともと総監の口頭試験時間は30分でした。また実際は20分前後で終了する受験生が多かったので、25年度の試験方式変更で大きな変化があるというわけではないと思われます。
     試験内容ですが、従来は、一般部門が技術的体験論文の10分プレゼンと質疑応答や質問集を使った専門知識の基礎的・教科書的質問など、かなり平準化の進んだ口頭試験であったのに比べて、総監は
    • 技術的体験論文のプレゼンは基本的になし。簡単な説明を求められることもあればいきなり質問されることもあり、さらにはまったく取り上げられない場合もあり
    • 総監として発想できるか、様々な仮想事例その他で確認
    • 筆記試験答案についての質疑もあり
    といった内容でした。つまり最初に経歴説明があり、最後に倫理等についての質問がある以外は決まった形というのがないもので、「どこから弾が飛んでくるかわからない」という試験でした。
     25年度からは技術者倫理・法制度の質問もなくなるわけですから、経歴を説明した後はもう最後まで「どこから弾が飛んでくるかわからない」時間が続くのではないかと思われます。応用能力も知識も、全部総監リテラシー(知っていて、使いこなせる)の確認という点では包含されますから、もはや区別なくいろんな質問がされるものと予想されます。
     つまり総監の口頭試験は、
      ①経歴の説明を求められる
      ②様々な方法で総監リテラシーを確認する
    という構成になると予想されます。
     そこで以下、上記①と②について解説します。

  2. 経歴の説明
     一般部門と同様、経歴を説明します。
     ここでポイントは、専門技術力ではなく管理技術力を身につけてきた過程を説明するという視点です。
     たとえば組織に入ってすぐは、業務の一部だけを任されるので、その任された作業を、ミスなく、遅滞なくこなすことが管理でしょう。
     やがて仕事自体を任されるようになると、人に動いてもらわねばなりませんから、人的資源管理のうち能力発揮(インセンティブ付与など)に関わるようになりますし、品質管理も自分の分だけではなく、業務全体の品質や進捗を考えるし、チームの動きを知らないといけないし(情報管理)、けがをしてもらっては困るし…というように管理は広がっていきます。
     さらに組織の一部を管理する課長や部長などになると、管理の範囲が広がるのはもちろん、教育にせよナレッジの蓄積にせよ、長いタイムスパンで考えるようになります。
     このようにして管理する範囲が広がってくるので、そのために駆使する管理技術も発展してくるはずです。そのあたりを整理するといいでしょう。
     「平成○年から○年まではこんな業務に従事して、○○管理と○○管理をやっていました」という説明を経歴票に沿って繰り返すだけでは、管理技術力がどう向上してきたかはわかりませんよね。
     また受験動機は、総監技術を身に着けたい動機を言っている人がよくいます。以下のような回答は典型的な「よくない例」です。
     「総合的な管理技術を身に着けたいと思い、受験しました」
       …それは資格がほしい理由じゃなくて技術を身に着けたい理由ですね。
     「受検に向けた勉強が管理技術力アップになる」
       …じゃあ今日で終わりですね。

     これは資格試験なのですから、技術ではなく資格がほしい理由を言わないと受検動機としては不適切です。総監資格は、「この人は総合的・体系的にマネジメントができる人です」という証明書のようなものですから、それが組織内外での信頼性確保、ひいては組織のマネジメント力アップ・生産性アップ、クライアントに対する確実な事業遂行と信頼できる成果提供、さらにはそれを通↓社会貢献につながるのではないでしょうか。

  3. 総監リテラシーの確認
     総監リテラシー、すなわち総監技術を「知っていて使いこなせる」ことは、様々なものを「ネタ」にして質問がなされますが、これまでの口頭試験事例から、だいたい以下の6つに分類できると思います。
    1. 小論文
      経歴票とともに提出した「詳細例」です。従来の技術的体験論文の代わりですね。
    2. 経歴票の中の小論文以外の業務
      「経歴票の小論文を取り上げた以外の行から何か1例あげて総監として説明せよ」といった質問(指示)です。
    3. 筆記記述答案
      筆記試験の記述答案に関連した質問です。
      「あなたはこう書いてるけど、これはどういうことなの」といったズバリ質問から、試験官が気になった箇所について「○○についてどう思いますか」というように一般化した質問、さらには「筆記答案について何か細くすることはありますか」といった改善点まで受験生に委ねる質問、さらには5つの管理の中で指定していなかった管理項目(たとえば計画・設計段階における経済性管理)まで、様々なものが考えられます。
    4. 職務
      「あなたの職務を5つの管理で説明してください」といった質問です。業務以外の職務もたくさんあるはずです。部下を講習会に行かせたり社内マネジメントシステムの構築や維持管理に関すること(たとえばISO9000準拠TQMにおける内部監査)、安全教育やチームワーク作りなど、これらは業務ではありませんよね。こういったことは、用意していないとアドリブではなかなか答えられなかったりします。
    5. トピック
      事故トピックなどをとりあげて管理の視点で説明させます。事故を指定してくるときもありますが、「何か総監の視点で気になるトピックを上げて説明してください」というようにトピック選択も受験生に任せることもあります。
      反倫理的事例と混同しないようにすることが大切です。
      私は過去に、受験日の一週間ほど前に起きた下水道開削現場での酸欠事故を取り上げての説明を求められました。
    6. 仮想事例
      「もしあなたが○○になったらどのように管理をしますか」という仮想事例です。過去においても別業種、甲乙での逆の立場、はては「八百屋」、「口頭試験の試験官」など意表を突くものがいろいろと試問されています。
      また、小論文やそれ以外の業務、さらにはトピックなど、様々な事例に関して「工期が半年とのことですが、もしこれが1年あったらどうしますか」など条件を変えて応用力を問う質問もなされます。
     「5つの管理で説明」などすぐにできないようにみえるものもあると思いますが、3の筆記記述答案をのぞいて、他はすべて1つのパターンで組み立てれば何とかなります。それは以下の構成です。
    1. 業務・職務の概要を簡単に整理する
      ごく簡単に「こんな仕事です」みたいな感じで業務や職務の概要を整理します。
    2. 最重要管理項目を決める(管理目標を設定する)
      一番守らないといけないこと(最もやってはいけないこと)を決めます。それが管理目標であり、それによって最も重要な管理項目が決まります。
    3. 5つの管理ごとに管理目標非達成リスクを抽出して対応する
      たとえば管理目標が工期厳守(=最重要管理項目は経済性管理のうちの工程管理)であれば、工期遅延に至るようなリスクを5つの管理(できれば経済性管理を品質・コスト・工期に細分した7つの管理)ごとにあげます。「工期遅延に至るような重大なミス」とか「作業が中断するような大きな事故」などですね。
      そしてそれらに対して、管理技術を駆使して対応します。ここでいう管理技術は青本に出てくるような管理技術が望ましいといえます。
    4. 上記の対応に伴い発生するトレードオフを調整する
      よくあるパターンはやはりQCD相互のトレードオフです。品質アップはコストアップになり、工期遅延を呼びます。コストダウンは品質ダウン・工期遅延を呼びます。工期厳守は品質ダウン・コストアップを呼びます。
      教育(人的資源管理)や安全、環境保全に力を入れると、コストや工期と相反します。
      これを解消する方法は、中庸案が一番現実的です。このとき、優先順位をよく考えて中庸点を決めます。
     小論文や経歴各行の代表的業務は当然上記の構成でまとめられます。
     さらに職務も「その職務が最も求められているものは何だ」と考えることで上記の構成にあてはめられます。
     さらにトピックや仮想事例も、その職業・立場になったときに、一番重要なこと(一番やってはいけないこと)は何だと考えれば思考ストップにはなりません。たとえば「もしあなたが八百屋になったとしたらどう管理するか」と聞かれても、「八百屋が一番やってはいけないことは何だ」→「腐った野菜を売ることかな」→「じゃあこれは品質管理だ」(最重要管理項目=品質管理)→「じゃあ腐った野菜を売らないためにはどんな管理が必要だろう」→「腐りそうな野菜を見分けるスキルを店員に身に着けさせる(人的資源管理)、産地や生産日をしっかり管理する(情報管理)…」という具合ですね。
     筆記答案については。まず不適切な部分はフォローしておきましょう。
     H25筆記試験記述問題は、メンテナンスが課題でした。これに対して、3パターンの答案が見られるようです。
     1つ目は事業そのものをメンテナンス事業としたものです。インフラや製品の保守点検管理や補修などですね。ですから計画設計はメンテナンス計画になったりしますし、施工製作はメンテナンスそのもの、保守運転維持管理はアフターフォローのようになります。
     2つ目はメンテナンス性の良さを考えた事業です。たとえば点検補修しやすいように付帯構造物や冗長機能を備えたインフラ、部品交換しやすいようにユニット式にした製品などですね。
     3つ目は2つ目と似ていますが、メンテナンスの必要性を最小化した事業です。つまり長寿命化技術その他を使ってメンテフリーやミニマムメンテ、ライフサイクルコストの最小化を目指したインフラ・製品を作ろうというものです。
     上記のうち、たとえば笹子トンネルのように維持管理がうまくいかなかった事例を引いて出題していることから、題意に沿っているのは2つ目だと思われます。
     ということは、1つ目や3つ目の視点で答案を書いた人は、2つ目の視点で「別解」を用意して、「こういう考えもあると思う」と述べられるようにしておくといいでしょう。
     ではメンテ性のよさを考えた事業におけるメンテの課題とはどんなものになるでしょうか。
     計画設計では、メンテ性のよいものを計画設計することになります。たとえばそういった事例等の情報収集における識別管理(情報収集だけになっては管理技術ではなく専門技術になります)や特許その他の知財管理、慣れた設計と異なる工程になることによる進捗情報の見逃しなど、情報管理に関してはいろいろと考えられるでしょう。また人的資源管理では必要なスキル不足を補う教育などがあるのかなと思います。
     施工製作段階では、「慣れていないもの」を作るのですから、ミスが出やすいし手間もかかるでしょう。また事故も起こりやすいですね。
     維持管理段階では点検補修更新の品質確保はもちろんですが、供用しているインフラや生産ラインを止めての維持管理は、最短時間で実施することが求められるでしょう。またそれに伴う騒音振動や廃棄物処理も気を使わないといけません。
     上記を参考に、筆記答案についてフォローできるようにしておいてください。
     また、今年度は計画・設計、施工・製作、維持管理の3つのフェーズごとに管理項目が2つに限定指定されていましたから、それ以外の管理項目についても考えておくといいと思います。
    フェーズ 筆記試験指定管理項目 筆記試験指定外管理項目
    計画・設計 情報、人的 経済、安全、社会
    施工・製作 経済、安全 人的、情報、社会
    維持管理 経済、社会 人的、情報、安全
     
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