|
河川総合対策のあるべき姿を求めて [1187] 陶芸家:2003/05/23(Fri) 08:53:09
川辺川ダムで国の利水計画が敗訴になりました。大多数の農家は現在の水路で充足しているということが、認められたということでしょう。 ホームページ(http://www.na.rim.or.jp/~donpapas/;接続不可)によれば、 1. 水没予定地一帯には2711種もの動植物が分布し、下流河川環境にも致命的打撃を与える。 2. 河川改修が進み洪水の危険性は減少している。 3. 農業利水は充足している。 4. 計画発電量は完成に伴って閉鎖される既設ダム4つの発電容量のほうが大きい。 など、ダム推進派にとっては、八方塞がりにみえます。 現在、緑のダムといった思想が喧伝されていますが、洪水調節機能の面でオールマイティではなく、氾濫原保全、霞堤、遊水池、水田、ため池を含めて総合的な河川環境対策が必要です。そこで総合治水対策を含め、河川のあるべき姿について皆さんの意見を求めます。 |
APEC >
うろ覚えで申し訳ないのですが、陶芸家さんのおっしゃるような霞堤や遊水池、雨水浸透池などを活用して流域全体で水害を防止しようという法整備が進んでいると思います。流域指定か何かをして、指定流域内では河道内制御ではなく、流域全体で雨水が集中して水害に至るのを抑制するという発想だったと思うのですが・・・・。テレビか何かでチラッと見て、へえーと思ったのですが、その後情報がつかまえられなくて。申し訳ありませんが、どなたか教えていただけないでしょうか。 (2003/05/23(Fri) 08:58:12)
社会科学者 >
APECさんがおっしゃるのは、特定都市河川浸水被害対策法のことですね。詳しくは、http://www.mlit.go.jp/river/press/200301_06/030310/030310.htmlにあります。ざっと見た感じでは、うなずける内容が多いように思います。 (2003/05/23(Fri) 11:50:05)
P&B >
大ダムは環境負荷が大きいので、今後の建設には慎重になるべきだと思います。ただほんの数十年前までは、繰り返される洪水対策は極めて重要な国策であっただろうことから、過去の歴史は理解すべきでしょう。氾濫防止対策の推進が逆に下流側堤防への負荷を強めている現実、高度成長期の土地利用施策の問題(水害危険箇所の宅地化)等がある他、生物側からの視点も重要視され、これからの河川対策はとても難しい局面に立たされていると思います。遊水池をとれる場所がいかほどあるか、また霞堤からもれる洪水を当該住民が許容するでしょうか。「緑のダム」という言葉は林野庁が金欲しい一心で…といったら言い過ぎか。 (2003/05/23(Fri) 12:46:12)
APEC >
社会科学者さん、そうですそうです。本当にありがとうございました。私は、今年の二次試験建設一般記述として、少子高齢化・人口構造変化、価値観多様性・説明責任・国民参加(PIのようなものと、PFIのようなもの)、そして災害に強い都市づくりの3つが出そうな気がしているのですが、この法案が都市水害対策の目玉というか、これを解答しないとダメだと思っていますので、資料を探しておりました。
この法案の眼目は、河道内制御の限界を認め、流域全体での抑制に切り替えたことだと思います。つまり、従来は大雨で川の水がどんなに増えても川から溢れないようにしよう(河道内制御)という発想でした。雨水はできるだけ早く海まで流してしまおうと、川をまっすぐにし、河床を平らにし、中州の木を切ってきました。堤体を強くし、さらにはどんどん大きくしてスーパー堤防を作りました。これを、貯留浸透施設・貯水池・霞堤などによって雨水が一気に川に流入することを抑制し、このことによってピーク流量を抑え、水害に至りにくくしようという発想に転換したと理解しています。
この方法は、古くからの日本の治水手法でした。「信玄堤」に代表される霞堤や水防林などは、まさに、自然に対抗しようという西欧的発想ではなく、自然と付き合っていこうという日本的な発想の治水対策であったと思います。
今般の法案では、たとえば流域の田んぼなどの流出調整機能のあるものを埋め立てたりする場合、貯留浸透施設などの代替機能を確保することを求めていたりして、「流域全体の治水のために、流域住民ができることをやらねばならない」という理念が感じられて、私は高く評価しています。無論、実際の法律・施行規則が血の通ったものに仕上がり、意識啓発なども理念を忘れずにできての話ですが。 (2003/05/23(Fri) 13:12:14)
笑うセールスマン >
日系コンストラクション5月23日号に長野県浅川ダム代替案として、河床掘削案が示されています。これによると、100年確率洪水の8割を河川で処理し、残り2割を流入抑制で対応するとあります。100年確率の8割とは50年確率のことです。残りの2割の流出抑制は地下浸透、グランドや公園の調整池利用、水田保全、家庭貯留等で賄うそうです。流出抑制が完成するまでどれほどの時間を考えているのでしょう。当面は50年確率で、後は野となれ山となれ(実用河川計画)と言うことになります。
一方、建設コストはダム工事費199億プラス関連工事58億(合計257億)に対し、改修事業費116億で差し引き141億の得になるとの事です。しかし、この改修事業には堤防嵩上げによる橋梁改修費160億は含まれていないようですので、そう上手くはいかないようです。橋梁工事費はhttp://www.shinmai.co.jp/kensei/2002/02063002.htmを参考にしました。よろしければ見てください。 (2003/05/23(Fri) 15:03:32)
APEC >
前レスの対策法について、付け加えます。当然予想されるのが、たとえば都市の分も含めた貯留浸透施設を流域の郡部に作ろうとするとき、「なぜ都会のヤツらのために田舎のワシらが苦労せんといかんのじゃ」という声です。また、「なんで都会で水が溢れんようにするために、霞堤でワシらの田んぼが冠水せんといかんのじゃ」という声です。視野をより広く持って、高い公共心で協力していただくのが一番いいのですが、利害がからむとなかなかそうもいきませんので、意識啓発に加えて、均衡ある社会資本整備・十分な説明・PIなどの積極的導入など様々な方策が必要ですね。それがないと、結局のところ地域エゴのぶつかりあいと政治力学の支配する、進歩のない世界になってしまいます。 (2003/05/23(Fri) 17:30:12)
社会科学者 >
笑うセールスマンさん、初歩的な質問ですが、「河床掘削案」であれば、堤防の嵩上げではないので、橋梁改修費は不要ではないでしょうか?洗掘防止のための橋脚補強ぐらいは必要かも知れませんけど。 (2003/05/23(Fri) 17:56:35)
笑うセールスマン >
これもコンストラクションに計画断面が載っていたはずですが、おそらく、河川縦断の関係ですべてを河床掘削できないのだろうと思います。ですから、下流部のある区間はかさ上げになったのでしょう。引き堤による河川拡幅はしないことになっています。つまり、併用案になっており、悪いことに、上流にダムを作る予定で桁下高を決めて改修済みの橋梁もあるそうです。計画は簡単に白紙には戻せませんね。(ここで笑うとほんとにあのセールスマンになるので止めておきます。)失礼しました。
APECさん。私は高い公共心に訴える前に、補償をします。社会環境管理は社会経済システムの中に位置付けることでしたよね。もちろんまず補償ありきではいけませんが、難しいところですね。
社会科学者さん、けーさん。APECさんの冠水田んぼをヘドニックアプローチ理論で、定量化して社会環境管理の中に位置付けられませんでしょうか? (2003/05/23(Fri) 22:12:27)
けー >
定量化するならば「田が冠水することによる被害金額+貯留浸透施設を整備しなかった場合の予想される被害金額」かなぁと思いますがどうでしょう?確かヘドニック法は流域のように広くかつ多様な地域性を持つエリアの評価には不向きだったかと思います。定量化なら人々の価値意識を図るCVMやコンジョイントかなぁとも思いますが、この手法も明らかに利害対立があるような場合にどこまで有効かには疑問があります。ちょっと勉強してみます。 (2003/05/23(Fri) 23:27:16)
社会科学者 >
「田んぼが冠水するようになっている状態」の評価にヘドニック法が使えるとすれば、「田んぼが冠水すること」によって、どこか特定の場所の破堤が回避でき、かつ破堤による被害地域が限定的で被害額は比較的大きい場合でしょう。そういう条件が成り立つ場合があるのかどうかわかりませんが、ヘドニック法で計測可能であるためには、便益(浸水被害の回避)の及ぶ地域が限定的で、計測精度の上からは便益がかなり大きくなければ計測できないと思います。実際には、田んぼが冠水することにより、特定の箇所と言うよりも、流域の広い範囲で破堤の確率が下がり、治水安全度が高まるでしょうから、便益は薄く広く広がってしまいます。そういう場合にはヘドニック法は適さないでしょう。そういう場合にはけーさんがおっしゃるようにCVMかコンジョイント法というアンケートで支払い意思額を尋ねる方式か、破堤確率と被害額を工学的に予測して軽減される期待被害額を積み上げる方が現実的だと思います。 (2003/05/23(Fri) 23:41:07)
APEC >
田んぼの冠水ならば、冠水する確率と規模(霞堤の構造と地形、確率年で算出できますね)、被害額(コメの収量プラスアルファ?)で算出できるのではないかと、素人が単純に考えたりするのですが、いかがでしょうか。 (2003/05/24(Sat) 01:28:49)
社会科学者 >
APECさんがおっしゃるのは、田んぼを冠水させたときのコスト(マイナスの便益)の方ですね。そちらは、おっしゃるとおり、期待被害額を比較的簡単に算出できると思います。一方、田んぼを冠水させることによる便益の方(プラスの方)は、それによって回避できた浸水被害の方になりますが、こちらの算定はいろいろな仮定条件によって変わってきますので、けっこう難しそうです。田んぼの冠水と堤防の決壊にはトレードオフの関係があるので、両者をひとつのモノサシ(お金)で評価して比べようという考え方になります。 (2003/05/24(Sat) 02:31:31)
社会科学者 >
あと、田んぼを冠水させることによる便益を、それによって治水安全度が高まることで削減できる河川改修費用や、貯留浸透施設整備の費用で計測する考え方もあります。こちらは代替法の考え方ですね。 (2003/05/24(Sat) 02:43:11)
やっぱり頑張りすぎ >
社会科学者さん、わたしもちょっと教えて下さい。河川では被害軽減額の計測で「堤防決壊の回避」も計測・加味するのですか。
道路で現在使われている便益計測は「消費余剰計測」をベースにしていますが、これに「交通事故減少」を加味します(ここがマイナスの便益を生むこともある)。ある程度のデータ蓄積があるためか、便益計測に用いられている。(そもそも論ではどれぐらいの蓄積が「基礎データ」になり得るか、という問題もあります。)
が、例えば急峻地を通過する落石、崩落の危険性のある道路をバイパス化(トンネル)にする場合などで、自然災害回避による被害軽減は計測しません。というかパラメータ設定(降雨や地震の程度と法面や構造物で発生する被害額、また構造物被害より発生する人的被害額等との相関関係)に「不安定要素」が多すぎて結果にほとんど信憑性が無い。
社会科学者さんのを読んでいると、堤防の構造及び洪水量によっては「決壊被害」が数値化(計測)できると感じたのですが(というかメインは堤防の構造面での能力の数値化)、こういう例・手法があれば、教えていただけませんか。
もしかして読み違いかもしれませんので、その時はご容赦下さい。いずれにしても今後は、「予測でしかない」「費用対効果の数値化」が「事業評価」の大きな要素になるので、事業を適切に評価するためにも、「環境喪失による負の便益測定(数値化)」など「手法そのものの研究・開発、精度向上」が欠かせませんね。 (2003/05/24(Sat) 10:16:15)
社会科学者 >
やっぱり頑張りすぎさん、通常の河川事業とは、堤防をつくることですよね。堤防をつくることによって、堤防から水があふれたり、堤防が決壊することが回避できるので、回避できた浸水被害額の期待値を堤防の便益としていたと思います。ですから、河川事業の評価では「堤防決壊」というものを明示的に扱っているかどうかわかりませんが、少なくとも想定としては、堤防決壊が回避されることを前提にしているのだと思います(この辺は私の認識に過ぎませんので、どなたか詳しい方のフォローがあると助かります)。
「急峻地を通過する落石、崩落の危険性のある道路をバイパス化(トンネル)にする場合」には、本来であれば自然災害回避による被害軽減効果は計測すべきだと思います。これは時間短縮とか事故削減とは別のれっきとした効果ですから。それが計測されていないのは、おっしゃるとおりデータ不足等により「不安定要素」が多すぎて信憑性が無いか、便益額が小さすぎて算出する意味がないか、そもそも交通量が少なく全体として便益が出にくいため、B/Cではなくて「地域の安全性」などの定性的評価に基づいて事業の実施が決定されているのではないでしょうか。
堤防の件は、おっしゃるとおり、あくまでも構造面、技術面での検討に基づいて、決壊する確率がどの程度減るか、決壊した場合の浸水被害がどうなるかを予測するのがメインになります。それをお金に換えるのは、被害の実態予測を前提とした上で、被害を受ける資産価格を積み上げるか、アンケートで支払意志額を聞くか、地価がどう変わるかを図ることになります。現在は資産価格の積み上げで算出しており、人命の損失や災害に対する不安感などは含まれていないようですので、それらを加味することが今後の課題ではないでしょうか。
以上は治水面での効果の話でしたが、当然ながらいろんな事業によって環境への影響もありますので、「環境喪失による負の便益測定(数値化)」も今後の重要な課題になると思います。 (2003/05/24(Sat) 10:42:13)
やっぱり頑張りすぎ >
社会科学者さん、聴き方が悪かったみたいです。私が聴きたかったのは「堤防の決壊に至るまでの能力」が、「改修前(現況)」及び「改修後」において「どれだけ向上したか」を判定する技術、まわりくどい言い方になっていますが、要は「堤防の能力判定のための技術的手法」のことでした。例えば「改修によって堤防幅が2mから4mになった。これと降雨確率・降雨強度を勘案すると堤防破壊安全度は○○くらい向上した。」みたいな・・。身近な事例としては震災以来定着した「建築物の危険度判定」ですか・・。
ただ、思うに「構造物設計」は「非破壊(弾性、塑性いずれにしても)」を前提にしているので、前述した「判定技術」は、これとは逆行しますね。
スレの内容と離れますので簡単にしますが、「便益計測手法」の最も留意すべき点は手法の客観性の確保」だと思います。計測者の属性を極力排除した、言い換えれば「誰がやっても同じ結果になる」手法で行われなければなりません。その点ではCVMも「バイアス」をいかに排除するか・・。
そのためには「マニュアル化」が不可欠だと思います。「脱マニュアル」という言葉がもてはやされていますが、私は技術分野の中で「マニュアル化技術」というのは重要な技術だとも考えています。マニュアル化のメリット、デメリット、運用技術等、「マニュアル化技術」については、また別の機会で皆さんにお聴きしたいと考えています。 (2003/05/24(Sat) 14:21:22)
P&B >
河川環境についてこれまで話題になってないですが、湿地などと共に、河川敷の水辺林をどうしていくかという話題もあります。高水敷は、かつては冠水するケースが多かったため、攪乱に適合したヤナギ類などが水辺林を作っていました。しかし、ダムを始めとする治水対策の効果?で、高水敷が冠水しなくなってきています。鳥が種を運びこんだ常緑樹も侵入し始めているらしく、かつての水辺林は大きく姿を変えつつあります。もとの姿に復元しますか? (2003/05/24(Sat) 14:56:56)
やけくそ >
話を戻しますが、田んぼも個人の財産、経済性から田んぼは効果が低いという理由で“視野をより広く持って、高い公共心で協力していただき”あなたの財産を制限し、一時貯留池にさせますって言える時代になったのですね?そのうちに、過疎化の村にも、あなた達の村を貯留池とするほうが経済的ですからってなるのじゃないですか?どんな過疎化の村でも、その地域には「歴史」があって「人」がいて成り立っています。弱小の地域をないがしろにする風潮は、最後には「人」をないがしろにすることに結びつくのではないでしょうか?都会から見て、村の「利害がからむと」厄介なものという意識の転換が必要では?それにしても、河川改修における多自然工法の採用という流れの中で、ダムの建設と引き換えに河川流下断面の拡幅のため、堤防の法勾配を急にし、コンクリート構造物で固めてしまうという工法も感心しませんね! (2003/05/24(Sat) 17:30:51)
魔法使い >
やけサン。おっしゃる通り堤防法勾配を1:0、5にして河川断面を稼ぐのは感心しません。長野ではホントにこうするつもりですかね?土木部はやけくそになっているのではないでしょうか?流域で洪水調整するする手法のうち、問題が少ないのは、地下浸透とグランド利用ぐらいでしょう。P&Bさんがおっしゃるように河川は、これから一筋縄ではいきませんね。どこかで、流域のダムをネットワークして洪水調整する記事を呼んだ記憶がありますが、どなたか御存じありませんか?
P&Bさん。当然伐採しますね。元の植生に返すのが常識です。石の河原に戻す必要があればそうするでしょう。ところで、河川は氾濫するものと言うのが常識ですかね? (2003/05/24(Sat) 21:43:08)
社会科学者 >
やっぱり頑張りすぎさん、質問の意図を取り違えたようですね。堤防の増強による治水安全度の向上効果を判定する技術はあるのかどうかというご質問でしたね。ただ、残念ながら、その質問に答える知識を持ち合わせておりません。どなたかフォローしていただければ助かります。
ここからは全くの想像ですが、おっしゃるように、堤防も力学的には非破壊を前提にしているが、水位が上がって越流が生じることによって決壊に至ってしまうと想定しているのではないでしょうか。ただそうなると、スーパー堤防のように、堤防の厚みを増すような改修の効果をどう判定するのかは、これまた難しそうですね。
マニュアル化についてはおっしゃる通りだと思います。マニュアルと過信せず、否定せず、うまく使うことも技術のうちだと思います。
流域の本川、支川に分布する、多目的ダムをネットし、各ダムが持つ農業用水、工業用水を、見直し、余裕の出るダムは、洪水調整機能として利用するという形で、総合河川対策を実行すれば、治水問題の一部を解決する提案になると思いますが、河川の専門の方はどう考えますか?特に農業用水は慣行水利権と言う不思議な制度があり見直しがしにくいようですが、洪水が予想される場合は予備放流等も行い、高度情報化対応しネット社会にふさわしい管理を出来ないものかと考えますが、いかがですか?
魔法使いさん、「流域の本川、支川に分布する、多目的ダムをネットし」の、「ネット」の意味をもう少し詳しくご説明いただけませんか?インターネットを通じて水位等をリアルタイムで集中管理し、治水上最適な放流・貯水のコントロールを行うイメージでしょうか?それとも、各ダムの間を水路やパイプラインでつないでネットワーク化し、事実上の大ダム化をすることによって洪水調整能力を高めるイメージでしょうか?後者だととてつもなくコストがかかりそうで実現しそうもない気がしますが、前者なら、今すぐにでもできそう(すでにやっている?)な気がします。いずれにしても河川の専門家のご意見を伺いたいですね。 (2003/05/25(Sun) 23:45:10)
魔法使い >
社会科学者さん。予備放流だけならご指摘のようにやっていると思います。利水のうち農業用水は計画時から、全体の需要が、古いダムほど大幅に減っているはずです。これを流域全体で名寄せして再配分し、余裕が出た容量は治水に繰り入れるということはできないものでしょうか?
もう一つは予備放流の高度化です。単純な予備放流以外に手はないのか?という程度です。ダム管理は現在どの程度高度化しているのか?例えば気象予報士やアメダスや、地域降雨情報などをフル活用して管理しているのか、昔ながらの?管理なのかということです。
打ち合わせに行くと河川事務所に水位情報がリアルタイム表示されていますが、どんなふうに利活用されているか知りたいのです。今流の言葉で言うと、河川事業のリストラ(事業再構築)ができないか?ということです。 (2003/05/26(Mon) 10:55:02)
腹八分 >
河川はシロウトですが、疑問がありレスいたします。琵琶湖の水位が低下すると、淀川下流の大阪で水不足になり取水制限とかが実施されます。夏の時期はいつも「雨乞い」 をしている、との大阪在住の友人の言。なぜ毎年のように水位が下がるのか、それは台風襲来前に計画的に春ころから琵琶湖の水を減らす人為的操作を行うためであると、新聞に記載されたことがあります。つまり、琵琶湖を大きなダム湖に見立てて、数ヶ月に及ぶ予備放流をしていることが公に知らされました。私も、どのようにデータを収集、解析して放流計画を策定するのか知りたいところです。 (2003/05/26(Mon) 11:59:31)
P&B >
氾濫の危険度評価についてのレスです。堤防は古い時代から近辺で産出する土を使って築造・嵩上げを繰り返してきており、力学的な検討で構築されてきたものとは違います。外力を設定して検討する方法を導入してからまだ10年に満たないです。堤防の破壊は越流だけでなく、浸透破壊によるもの、侵食によるもの等があり、ごく局所的な破壊から弱点が拡大し、破堤に至る危険性もあります。
洪水ハザードマップが、いまいち実効性が薄く感じるのは、波堤箇所の仮定が必要だからでしょうか。どこが破堤するかにより、氾濫予想が大きく変わってしまう。上流で破堤すれば下流は助かるとかね。氾濫予想精度よりは啓蒙的な側面の方が大きいのでは。
堤防の法勾配をたてるという話は始めて聞きました。そんなこと出来ないと思います。何かの勘違いではないですか?
魔法使いさんの河川植生を元の植生に戻すという議論についてのレスです。侵入植生を仮に排除できたとしても、もとの水辺植生が成立した環境自体が既にないのですが、それでも元の植生に戻すべきなのでしょうか?今の環境に合った植生に自然に変わりつつあるのだという見方も出来ますね。戻す必要は無いと言っているわけではないです。これは、薪炭・堆肥利用がなされなくなった里山環境を、どのように保全すべきかと言う議論と似ています。学者先生が、人為的な攪乱により成立していた里山落葉二次林を、美しいからと言って、保全しろ、カタクリを守れとかいっているのを読むと、腹が立ちます。じゃぁ、どうやって?
河川植生の話に戻りますが、侵入木本伐採しても、たいがいは切り株から萌芽して、かえって勢力増すかもしれません。それぐらいでは元に戻りません。 (2003/05/26(Mon) 12:44:03)
魔法使い >
P&Bさん。舌足らずでした。訂正します。薪炭林を定期的に伐採(薪として利用)しながら維持管理することを茫芽更新といったでしょうか?高水敷きの植栽も同様の管理手法で、定期的に伐採するということで、なにか問題があるのでしょうか?もし、伐採することで失われる生態系があるとすれば、別の場所で代替させることもできますよね?伐採された植生が、勢いを増した事例があればご紹介ください。おっしゃるとおりすべてを元に戻す必要はないと考えています。
自然に戻すまた自然を守ると言う場合の自然ですが、どの状態の自然なのかを定義してからでないと、議論がすれ違うことになります。ご指摘の里山の自然については、里山林として残したい、あるいは残すべきだと言うことであれば、定期的な間伐が必要です。放置すれば、いずれ照葉樹林になります。里山の自然、原生林、神社林など、場所に応じた手入れや保護が必要ではないでしょうか?高水敷きについては、どの程度河川断面に余裕があるかわかりませんが、流量に余裕があれば、そのまま残すと言う選択もあり得るので、一概に断定はできません。 (2003/05/26(Mon) 16:42:11)
風太郎 >
P&Bさん、魔法使いさん、大変興味深い問題について議論されていますね。この話題自体、独立した一つのテーマになりうると思いますので、別のスレッドを立てられてはいかがですか?その方が他の皆さんも参加しやすいと思います。 (2003/05/26(Mon) 18:02:49)
P&B >
別スレというお勧めもありましたが、ものぐさで、続けちゃいます。はびこって排除しにくい樹木としては、河川だとニセアカシアとか根萌芽するものだから、嫌われ者?ですが排除できないみたいですね。ヤナギ類も折れ枝から挿し木みたいに繁殖するし、河川に限らず、なぜそいつが優占したかには理由がある。
この辺の湧水湿地にハンノキとかイヌツゲなどの樹木が侵入して湿地が消滅に向かっているのだけど、遷移を後退させて湿地を守るために樹木を伐採したりしていますが、イヌツゲの萌芽性が強く、苦戦しているようです。草本でもセイタカとかイタドリとかクズとか、地下茎や根系で繁殖する連中を排除するのは並たいていではない。不可能に近いかも。
河川敷に侵入した常緑樹を伐採していけないっていうのではなく、誰が何の経費を使ってするかということです。1回こっきりならいいですが、萌芽したり新しく侵入するので、ずーっとやることになるのですよ。
里山もかつては生活上・商業上の必要性があって、攪乱を受けて独自の生態系を築いていた。その必要性がなくなった時、特定の生態系を保全するためだけに意図的にやるのかってことです。やってもいいのですよ。ただ、誰がやるのかっていうことです。税金使うったって、別スレ(1181:現地の環境に配慮した設計)で街路樹の落ち葉掃きに泣きが入っているようじゃ、到底無理だと思いませんか? (2003/05/26(Mon) 22:17:02)
魔法使い >
P&Bさん。別スレ(1193:植物の維持管理)を立ち上げてみましたので、もう少しそちらで、おつき合い下さい。 (2003/05/27(Tue) 02:47:11)
陶芸家 >
ガンさん、1193のダムを壊すとはまた過激ですが、本気ですか?アメリカではそんな例もあると、テレビで放映されていましたが、日本では、壊してまで守るべき何かがあるとは思えません。水力発電はそれ単独で見ればCO2問題に一応貢献しています。ただし、維持流量確保では、各地で水無し川批判があります。全体としては一人勝ち(例えば電力会社)は、いかんのじゃないか、そこそこぐらいに考えてほしい。どんなに多自然といっても渇水期に水がなくなる河川に、魚巣や、木工沈床をやってもむだです。壊すことで言うと、砂防堰堤なら話は別です。
高知県では間伐材を用い木枠でくみ上げ、その中に現地発生の石を詰めるという透水型砂防堰堤が、最近完成しました。表面を化粧パネルで飾るというお飾り的なものでなく、伝統工法を用いた本格的なものです。すべての砂防堰堤に適用はできませんが、こうした施工を通じて川大工が森林組合の手で、復活していくことを期待しています。よその地域ではどうですか?(注:高知県の例は、砂防堰堤を壊した後作ったものではありません) (2003/05/27(Tue) 11:49:33)
ガン >
陶芸家さん、そこまで過激ではありません(笑)。ダムを壊すと言ったのは、(ダムのなかった)昔の植生に復元するなら、まずはダムを壊さないと意味ないですね、ということです。 (2003/05/27(Tue) 12:45:06)