技術者倫理の事例 [1337]  Shima2003/09/08(Mon) 12:41:23

 

以下の本を読んでみました。私個人の頭の整理です。皆様におかれましては、事例を挙げられそれが倫理的か、非倫理的か紹介してもらえばありがたいと思います。

 

全米プロフェッショナル・エンジニア協会 NSPE 倫理規程 1996年版

主旨まとめ

前文

l 技術者は正直・誠実の最高の基準を示すものと期待されている

l 技術者が提供するサービスは正直・不偏性・公平性及び衡平が必要である

l 公衆の健康、安全、及び福祉の保護

l 倫理的行動原理の遵守

 

T 基本的規範

U 実務の原則:しなければならない

1.技術者は公衆の安全、健康、及び福利を最優先

2.技術者は自らの有能の領域のみサービスを遂行

3.技術者は客観的かつ真実に即した方法にのみ公衆への言明

4.技術者は専門職業の事項に関しそれぞれの雇用者または依頼人の為に誠実な代理人または受託者として行動

5.技術者は欺瞞的行為を回避

V 専門職の責務

1.技術者は正直と誠実性の最高の基準に従う

2.技術者は公衆の利益に役立つよう、常に努力

3.技術者は公衆を欺くような全ての行動または実務を回避

4.技術者は業務関連またはプロセスに関わる機密の情報を、その同意なしには非開示

5.技術者は自らの専門業務の義務が相反する利害関係によって影響されない

6.技術者は他の技術者を真実に即することなく、批判してはならない、また不適切な方法で雇用または昇進もしくは専門業種の契約を得ようとしてはならない

7.技術者は他の技術者の専門職業上の名声、将来性、実務または雇用を悪意または虚偽を持って、直接または間接に傷つけることを企ててはならない。技術者は他人が非倫理的または違法行為を犯していると信じるときは適切な権限ある機関の処置を求めてその情報を提供しなければならない

8.技術者は自らの専門活動に対する個人的責任を受け入れる

9.技術者は技術業の仕事の性等に帰属すべき者への貴族を認める、かつ他人の所有権益を認めるものとする

 

Shima

例をあげます。成功報酬契約計画書の作成、債券発行金額算定、成功したら予備的な仕事の報酬を支払う。成功しない場合は支払わない。といった成功報酬の契約ができるか?

答え:プロジェクトにおける自分の将来の雇用や利益の結果を気にすることも無く、技術業の事項に完全に公平で自主的な判断を与えなければならない。この例は受諾できない。非倫理的。 (2003/09/08(Mon) 12:44:29)

 

Shima

例2:予備設計の報酬の貸方勘定(割引)設計業務に雇用されれば予備設計の貸方勘定することの倫理性?如何

答え:技術者がプロジェクトの設計業務を受注した場合、その報酬に対して一部を貸方勘定とすることは倫理的である。 (2003/09/08(Mon) 12:47:03)

 

Shima

例3:危険な装置の製作への参加A社の下で働くB社が欠陥を発見・報告したが、A社の判断は問題ない。B社は従えと命令を受けた。B社の技術者はどうするか。

答え:B社の技術者の倫理的な義務は、公衆の安全の問題に対し、設計と仕様の変更を求める。意見が合わなければ中立的な専門機関に委託。確信が無ければ、そのプロジェクトに参加してはならない。 (2003/09/08(Mon) 17:32:09)

 

Shima

例4:利害の相反:大学教授と民間の調査設計業務の両方のかかわりがある場合

答え:1.教授が大学のために報告書作成に関わるのは倫理的である。2.このような状況下、民間の調査業務に関わるのは倫理的でない。3.大学の提案を政府が受け入れ、そのプロジェクトに参加することは倫理的。4.調査会社の提案書によるプロジェクトに参加するのは倫理的でない・5.契約に先立ち会社との経済的な投資関係があることを政府に全部講評すれば、教授が民間の会社へ出資関係を持ちつづけることは倫理的である。 (2003/09/08(Mon) 17:34:24)

 

Shima

この本には88の実際にあった事例をのせてありますが、同じような問題でも条件をつけて、この場合は倫理的、非倫理的と答えが分かれています。つまり、問題ありでもあらかじめ事前に通告し、情報を明らかにしている場合は、倫理的といわれているのが特徴。

もし技術者倫理に関する問題がありましたら、みんなで議論しましょう。内容が内容だけに面白いかどうかは別として、事例は役立つかもしれません。 (2003/09/08(Mon) 17:45:19)

 

魔法使い >

Shimaさん、例4ですが、個人情報を公開した上で利害が相反するプロジェクトに参加するのは倫理的であるということでしょうか?例えば、建設コンサルに所属していることを公開した上で地域問題に関わることは倫理的だが、これを隠して参加することは、非倫理的である。先の全米PE協会の倫理規定は、公益確保と情報公開を通じて、公正で、中立的な技術活動を確保しようという意図でしょうか?技術者のリスクマネジメント指針として、役立ちそうですね。 (2003/09/09(Tue) 03:41:03)

 

Shima

レスありがとうございました。良かった沈まなくて。(笑)

自分の立場を明らかにして、公的に同意を得ている。その上、たとえばプロジェクトに参加できたことは技術者として倫理的であるようです。非倫理的と言う評価であれば、参加時点ではずされる実態があります。我々も委員会の先生を選ぶとき、そのようにしますよね。 (2003/09/09(Tue) 05:26:12)

 

魔法使い >

私もいつかは、事務局側でなく委員側で座ってみたいと言う密かな願望があるわけですが、名刺の裏表に所属を書いて、表(裏)は、コンサル、裏(表)はNPOで使い分ければ、それとなく情報公開している事になりますか? (2003/09/09(Tue) 10:24:47)

 

魔法使い >

追伸。例3のB社は、こうした場合技術者が従う倫理規定を定めていなかったのでしょうか?これが定めてないと、そこに所属する技術者はひどい目にあいます。東電の場合がまさにそうです。発表してかまわないと本人が言ったから個人情報を発表した何ぞとのたまう方も見えたとか?中立的専門機関に警告ならしの意味をこめて提訴するのがまず第1でしょうが、それでも技術者としてはツライ。やはり、企業のトップリスクマネをハッキリ示す必要があり、そうした行動を取っている企業を社会が、キチンと評価するシステムが必要と思いました。 (2003/09/09(Tue) 10:35:38)

 

つったん >

Shimaさん、第一次試験を間近かにひかえたこの時期に、「適性科目」対策となるスレを立てられたことに敬意を表します。お読みになったのは原著ですか?そうだとしたら、さすがですね。

私は、翻訳版「科学技術者倫理の事例と考察」(2000年版)を購入しましたが、まだほとんど読んでいません。小さな活字と内容理解の困難さですぐ眠くなってしまいます(笑)。技術者倫理は私達に必要不可欠なものであると同時に、(真剣に考えると)本当に難しいですね。NSPEの倫理委員会においても、各種事例の検討段階では必ずしも全会一致とは限らず、反対意見もあったようです。

魔法使いさんのご質問の例3ですが、先の翻訳版によると、NSPEの倫理規程に規定条文があります。たとえば、第2条に「技術者は自らの専門職業業務の遂行において、公衆の安全、健康および福利に適切に配慮する。後略」、同条(a)項に「技術者は公衆の福利に対する義務を最優先に考慮する。」、同条(c)項に「前略・・・もし依頼人または雇用者がそのような非専門職業的な行動を強制する場合には、技術者は適切な権限ある者に通知し、そのプロジェクトにおけるそれ以上のサービスから引き揚げるべきである。」と規定されています。

私達に身近な事例として、たとえば設計業務等であなたが参加したプロジェクトが組まれたとします。ある構造設計で、別課の上司Aによる設計書を見て(自分がチェックした段階で)致命的と思われる計算ミス等が見出された場合に(但し、確信はない状況で)、あなたは果たして技術者倫理に基づく適切な対処ができますか?仮に上司Aに指摘しても「そんなことはない」と一蹴された場合には、難しい判断が待っているかも知れませんよね。 (2003/09/10(Wed) 01:34:23)

 

m.i.i

「土木施工」の本に「建設技術者の倫理」の連載が有ったのは、皆さん御存知とおもいます(東洋大学の米倉亮三名誉教授)。私はハードコピーして時々読んでいますが、倫理とは何かから始まり、日本人ひいては、民族の歴史、宗教論に至るまで記載されて、大変面白く読ませて頂きました(未だ熟読していないので理解はもう少し先の事ですが)

ある程度の結論的な言葉を記載しますと、倫理問題を考える場合、「相対的な立場を自覚し、全体に調和しながら個を主張するのが重要な基本姿勢であろう」と結んでいます。私が常日頃感じていることの一つに、表裏、白黒、のケジメ?をつける事はある意味で西洋的(グローバル化?)思考の基本かなと思いますが、「分別智」はこれからの時代無くなる方向が良いのではと常に思っています。(実際問題自分で生活していて簡単には出来ていませんが)。俗に分別がある人の事を周りの人は誉める傾向があるようですが、仏教では逆に戒めています。実際、「倫理的」、「非倫理的」と「的」という言葉が有る以上、「まと」=「的」はある範囲を意味するものですから、中心に近かろうが、多少ずれていようが許容する度量が、これからの人間必要では無いでしょうか。

そんな答えなら「適性科目」は通りはしないぜと云う声が聞こえてきそうなのでこの辺で失礼します。 (2003/09/10(Wed) 03:06:15)

 

魔法使い >

つったんさん、社内で技術者同士が1対1で対決するのはしんどいものがあります。私は専門でない部門のグレーゾーンに対しては、意見は言うが突っ込みまではいれません。この点ではm.i.iさんに賛成です。私みたいなやつが客先にいたら、どう対応するか?準備して置いてくださいというレベルです。もう一つの方法は、社内掲示板−1イイタイホウダイをつくって、HNでとことん議論するのがいいかもしれません。その前にHNの詮索をしたがる社風があれば、これから直す必要があります。 (2003/09/10(Wed) 11:05:24)

 

Shima

掲示板、復帰して良かったですね。佐口さんありがとうございました。もうだいぶ前に書いたものです。出張に出ておりました。レスありがとうございました。

魔法使いさん、それとなく情報公開?はいかがなものかと思います。多分ですが、事前通告には当たらないと思います。

つったんさま、翻訳版「科学技術者倫理の事例と考察」(2000年版)を友人から借りました。従って内容は付け焼刃です。魔法使いさんのお答えをしても頂、感謝。

i.iさん、 倫理問題を考える場合、「相対的な立場を自覚し、全体に調和しながら個を主張するのが重要な基本姿勢」について何か具体的なお話はありませんか?興味があります。 (2003/09/14(Sun) 20:51:10)

 

m.i.i

Shimaさんへ。倫理問題と云うのは、私が思うに(私がですよ)人間性の根幹を成している事象の一つでしょうから、私がこれはうまく行ったと、ここに記載しても、人間によって主観的、客観的な意識が違う以上、かなり無理があり、日本人の擬制血縁主義的な仲間意識が存在する、コミュニティーなら、許容される部分もあるでしょうし、又、現在のグローバル化が目指す?責任の所在をはっきりさせると云う意味では、批判を浴びるものと思います。

敢えて私が事例を挙げてみるのであれば・・。結局双方の中立案を自分がコーディネイトすると云う事例になってしまい、ここでの議論に噛合わないのかなと思うわけです。(例えばここでの議論は、言いたい放題なのですから、物事の中道を行く的発言は論旨に合わない恐れがある訳です)まあ、別に噛合わなくてもそれも良いかと思う部分も有りますが。

日本人は本音と建前を他の人種より使い分けがより多いそうです。その事も相手を思いやると云う自然発生的無意識もあるのかもしれません。魔法使いさんが仰る様に、グレーゾーンを負のイメージで捉えなくても私は構わないと思います。それをいい加減(良い加減ではない)と捉える事の無い為にも、お互いに直接対話(内部、外部コミュニケーション)が必要となるのでは無いでしょうか。具体例を挙げられるまで、もう少し勉強させて下さい。

人間として存在している以上、神では無いのですから、清廉潔白な人は一人もいません(と私は思うのですが)

「和」=「輪」=「円」=○を大事にする。日本人は通貨を「円」を使用していますが、もしかしたら、世界をまとめる意味で重要な役割をする民族かもしれませんね。アフリカ圏のある国に20年ぶりに来て一層感じました。 (2003/09/14(Sun) 22:45:45)