マニュアル依存1424  青い炎2003/11/01(Sat) 10:22:21

 

面白い記事が朝日新聞に載っていました。以下抜粋。

『建造中の豪華客船の火災など工場での不祥事が相次いだ三菱重工業が、その原因を検証した。若手従業員の未熟さより、事業が30年近く続いたことで熟練工がマニュアル頼りで知恵を絞らなくなり、工程間の縦割りがひどくなった影響が大きいと指摘。マニュアルの大幅削減に乗り出すほか、事故について社員の証言を集めたビデオを製作、教材として活用する。新日鉄やブリヂストンなど、事故が続発している製造業界に一石を投じそうだ。』http://www.asahi.com/national/update/1101/012.html(現在は未掲載)

東海村の原発の事故はマニュアルを全く守らずにずさんな管理をしていたことが問題であったが、逆にマニュアルに頼ってしまうのも問題であるということである。

しかし、これらは結局論理のすり替えのような気がしてならない。私の考えでは問題点はマニュアルがあるかどうか、マニュアルが多いか少ないか、マニュアルを守るかどうかといったことではなくて、目的を意識するかどうかだと思う。

すべての法律やマニュアルにはある目的があって制定されたもので、その目的が大事であり、その条文が大事なのではないと思う。目的にかなわないような法律やマニュアルは積極的に無視することが技術者に求められる倫理観ではないかと思う。

 

 

島びと >

青い炎さん、積極的に無視はちょっと違うのではないでしょうか?仰る気持ちもわからないでもないです。たしかに無駄な法律やマニュアルは多いと感じます。まずは、目的に合うように改善なり、廃止するなり検討する努力をすべきでは? (2003/11/01(Sat) 10:58:05)

 

スペシャル >

マニュアル作成者側に問題あり。画一的なマニュアルは、ウンザリだ。しかし、作業標準たる代物は、近代市場において必要不可欠でもある。熟練工の技術力を真に把握できている業務指揮者が何人いるのだろうか? (2003/11/01(Sat) 11:39:34)

 

APEC >

マニュアルに書いてあることに関して、その根拠や背景などを掘り下げ、「どうしてこの式なのか、この式のここの変数がこれなのか」ということを、基礎理論から積み上げて理解するのが望ましいと思います。そうすれば、マニュアルに書いてあることの適用範囲がわかります。ケースバイケースで適用の適否を判断できます。それができる人が脱マニュアルができると考えます。つまり、青い炎さんがおっしゃる「目的にかなわない」ということの判断ができる人は、脱マニュアルできると思います。

それができない人(「どうしてこの式なの?」とか「どうしてこの変数にこの変数をかけるの?」とかいった質問に答えることができない人)は、とりあえずマニュアルに従うしかないと思います。マニュアルに書いてあることは、たいていの場合適用範囲が広いからです。逆に、基準等の根拠などを理解していなくて、よって適用範囲もわからないのに「脱マニュアル」するのは、ただの暴挙であり、公益に反しますから、技術者になるべきではないと思います。 (2003/11/01(Sat) 13:23:01)

 

ガン >

過去、脱マニュアルというような議論もありましたが、これはマニュアル自体を否定するものではなく、マニュアルに接する技術者の資質を問うものです。青い炎さんが挙げた2つの例は、一見マニュアルを挟んだ対極にあるようにみえますが、実は「技術者の資質」という同じ問題を抱えているのです。それは技術者の思い込みであり、慣れであり、臨機応変の応用能力やリスク管理能力、目的意識の欠如であると思います。マニュアルは一様の手引きであり必要な代物です。それをもって全てとする技術者、思い込みでそれを無視する技術者、そのような技術者の資質、これが一番大きな問題でしょう。

青い炎さんが仰るように、目的を意識しないとしたら技術者としては問題です。目的なくして手段はないわけで、目的を意識しないということはマニュアルに関係なく業務責任の放棄、と言っても過言ではありません。目的を強く意識すればするほど、一様なマニュアルに対しては細かな点で疑問が出てきて当然です。その時どう対処するのか・・・これからの技術者評価の大きなポイントであるように思います。 (2003/11/01(Sat) 13:24:29)

 

Shima >

マニュアルは目的と使い方があり、正しく使えば役に立ちます。当たり前ですが、これが全てです。それでは何故問題が起きるか、それは、マニュアルがあるから勉強しないとか、研究を深めないとか、これらはすべていいわけです。マニュアルを使う人は大体仕事を早くこなす事が求められている。その上司や指導する立場の人が使い方を間違っていないかどうか、また見直す必要があるか?世の中の移り変わりと共にフォローしていく必要がある。

マニュアルは作った時点でいつ変更するかも考えておくべきでしょう。青い炎さんが言われる「無視する」ということでなく、使う側(コンサルタントの方)であっても、使えない事、見直しが必要な事を提案する事が大切です。

基準、指針、マニュアル(手引き)、色々あります。これらは法や通達で定めたものや、組織独自のものがあり、仕事をする拠り所としています。いつも問題となるのは、マニュアル等を作る人はみんな、その状況が分かっており、時間が経過しても大丈夫ですが、使う側の人は「何でこんな事を決めるのだ?手戻りが生じたり、適用範囲が分からなかったり」不満がでる事もあります。ある程度技術力のある人で自分が使う側に回るとそんなマニュアルは要らない。と極端な人は思うでしょう。

しかし、ここは管理社会・サラリーマンの宿命の部分もあります。以上の様にも思いますが、技術屋ならばAPECさんの言われるとおりですね。 (2003/11/01(Sat) 17:11:25)

 

青い炎 >

「無視する」という言葉は少々きつい表現ですが、私の言いたいことを軟らかく表現すると「基準、指針、マニュアル(手引き)等は利用するのものであって、守らなければならないものではない」といったところです。よって、「基準書あるいはマニュアルにこう書かれてあるからこうした」という話には、目的を素通りしているようで私はある意味恐ろしさを感じます。私のいいたいことを軟らかく表現すると「こうこうこういう理由だからこの基準書あるいはマニュアルを採用した」そういう姿勢が技術者に求められる倫理観じゃないかなということです。 (2003/11/01(Sat) 17:19:48)

 

Shima >

青い炎さん、ちょっと違います。守らなければいけない例をあげると:業務を契約で行う場合。その契約の仕様書等に、○○基準に由ることが義務付けられていれば、従う必要がある。ただし、その場合でも他との齟齬が生じる場合や適切でない場合は、その旨を協議する。青い炎さんが、言われることは「マニュアルどおりだから考えないで仕事をする場合がある」ということですね。だからその場合でも問題がなければ仕事が速く終わるから、それがマニュアルの効果の一つと思います。しかしながら、考えないで仕事をするとその内に問題が起こるというのは理解できます。 (2003/11/01(Sat) 18:52:50)

 

照査技術者 >

マニュアルは、誰が考えても同じ結論を出すための最低限度の技術指針です。最近の設計委託業務は、ほとんどがマニュアルに従って実施されていますが、低レベルの設計技術者(?)は、指針の意味する内容、および指針が導かれた経緯を全く理解せず、数値だけを選択し、PCに計算させて、図面化しています。マニュアルに掲載されていない事項が発生した場合、マニュアルに無理矢理関連づけようとし、指針内容を間違って解釈したり、検討違いの結論に結びつけようとします。

このような場合、設計技術者が極端にマニュアル化しているため、現場の状況、並びに設計条件に適応した解析・検討方法について筋道をつけて導き出すことができないのです。このような現状は、地方の公共事業で多く見受けられます。

このような現象の主な発生理由は、次のようなことが考えられます。

@発注者は、金の出し入れと、大義名分を維持するため管理しかできず、設計内容の技術的評価や、妥当性がほとんど理解できないというより、理解しようとしない。発注者の中には、優秀な技術者も存在し、受注者側の説明を熱心に聞き、理解しようと努力し、内容の評価も適切に実施する努力家も一部に存在するが、他の職員はそのような努力について何も関心を示さず、また、地方の役所全体に言えることだか、努力が仕事の評価に結びつかず、一人がんばっていると、浮いた存在になることさえある。

A地方の設計コンサルも、受注業務を個人の下請けに丸投げしている件数が非常に増加している。個人下請けは、業務内容を当たり前の内容でスムースに実施することが目的であり、金にならないことを考える努力はしないようにすることが現実である。さらに、個人で動いているため、組織に比較して、考え方が固着しやすく、他からの評価が直接伝わらない。マネージメント主体の考えに陥りやすい。

最近では、地方の役所で打ち合わせ協議を合同で実施する場合、ローカルなコンサルタントは、元請け業者1人と個人下請け1人のメーバー構成が多いが、個人下請け単独での出席もある。このような場合、連絡先は転送電話による個人下請け業者に直接連絡する方式になっており、元請け会社の設計が完了するまで、その内容を理解していないことがほとんどです。他県の皆様はこのような状態と同じでしょうか。 (2003/11/03(Mon) 18:30:09)

 

我が県も同様 >

照査技術者さん。我が県(中部地方の温暖な県)もまさにこの通りです。 (2003/11/03(Mon) 18:43:55)

 

東海北陸 >

照査技術者さんのAの内容に意見あり。個人下請けの場合、最近は、余剰人員整理され、契約社員形式となる者が多いです。つまり、リストラ・自主退社が大多数を占めており、技術士を取得していない者がほとんどです。しかし、若くして、技術士を取得し、個人経営で委託業務を下請けしている者の中には、かなり優秀な技術者も存在しています。 (2003/11/03(Mon) 18:53:52)

 

ラガーマン >

青い炎さんの提言の事故に関してしてレスしますと。基本的に工事なり、作業を実施する場合、マニュアルなり、作業手順書を作成しこれに基づいて品質から、安全について管理しながら作業します。ここで、マニュアル類は企業によって標準書というのを持っていますが、現場においてはその標準書を現場の状況に合わせて改善して作業の指針のごとく使用します。従ってマニュアルなり作業手順書がいいかげんであると、事故の原因の一つになります。

また、詳細に検討されたマニュアルであっても、なかなか、ヒューマンエラーの要素までは網羅できません。ゼネコンに従事する者として、事故防止の基本は、適切なマニュアルと、綿密なコミュニケーションそして、責任者の注意力にあると思います。マニュアル類の一面だけでは議論できないと思います。 (2003/11/04(Tue) 13:39:22)

 

発注者 >

照査技術者さんのおっしゃる内容は、最近非常に増加している現象であると感じています。 (2003/11/04(Tue) 23:42:16)

 

ミラーマン >

私も同感。 (2003/11/06(Thu) 15:06:50)

 

腹八分 >

分析屋にとっては、マニュアルの根本は日本工業規格の「JIS Kシリーズ」や、衛生試験法、省庁の告示等が基本になります。これらをかみ砕いて作業手順書を作成してマニュアルとして活用します(まさかJIS等をそのままマニュアルとして用いている会社はないでしょうけどね)。この作業手順書を作成するとき、その人の主観が入らないようにしなければなりません。おもしろいことに、その作業が不得意であったり未熟な人が原案を作成すると、全般的に良い手順書となるようです。手慣れた人は、頭で解かり切っているためか、省略してしまうのですね。そのようにして作成された「悪い手順書」をもとに未熟な人が作業をすると・・・失敗や事故を招く可能性が高くなる。

欠陥マニュアルの例として私が知るところは、「手順を間違えた(ミスが認知された)ときにどう対処するか」が記載されていないものです。人の心理として、ミスをしてしまったら、「修正したい」と考えてしまう。しかし、その手法が記載されていない。それで独自の考え方で対処しようとしてしまう。それが良い結果を生めばいいのだが、最悪の場合は事故につながってしまう。過去にメタノール蒸気の充満した実験室で「防爆仕様」でない電気機器を使用したために、爆発事故を起こした例があった。マニュアルには、「引火性液体を使用した後は十分に換気すること」との記載があった。

しかし、「十分に換気されたことをどうやって確認するか?」、「もし換気が不十分であることが懸念されるときはどうするか?」との記載がなかった。事故発生時、電気機器を使用した人は、電気機器の開閉器を閉じたあとで、臭気により換気が不十分ではないかと認知した。慌てて、開閉器を開いた。スパークが出て引火し、「ドカン」となった。軽傷で済んだのが幸いだった。

青い炎さん、「目的にかなわないような法律やマニュアルは積極的に無視する」くらいの気概はあってもいいかもしれませんね。でも、無視するだけじゃなくて、目的に沿うように「改造したろかい!」 といったほうが、あなたらしい。 (2003/11/06(Thu) 16:22:05)