試験直前メッセージ2004 Back
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いよいよ二次試験が目前に迫ってきました。試験直前から試験当日について、気がついたことをまとめてみました。
ベテランの方にはあまり役に立たないかもしれませんが、勉強の中休みにでも目を通してみてください。
2004.8.3
INDEX
1.「試験テクニック」についてもう一度
2.最後の一週間、何をする?
3.試験準備物
4.試験の前日と当日
5.試験が終わったら

1.「試験テクニック」についてもう一度

●あくまで実力勝負。でもテクニックも大切。
 技術士試験はあくまで実力勝負ではありますが、試験である以上、テクニック・要領といったものがあるのは事実です。特に択一問題は、中間点というものがなく、正解か不正解かのAll or Nothingであり、さらに合格基準点が明確に決められています。20問として1問5点。ギリギリのところであと1問正解を積み重ねられるかどうかという時に、「テクニック」があるとないとでは大違いです。
 テクニックだけに走ってはいけませんが、実力をつけた上での受験テクニックは大切です。ぜひ身につけましょう。

●経験論文などの記述答案を最終チェックしましょう
(1) 文章は理解できるか
 できあがった経験論文などの記述答案について、「文章として正しいか」をもう一度見直しましょう。
 論述形式答案の採点は、減点方式です。誤字脱字、文法エラー、理解しにくい文章などは減点されます。
 特に大きく減点されるのは、理解しにくい文章。たとえば次のような文章です。
  ○○という結果が得られたが、△△で解析した結果の数値と整合しないため、××によって検証しようとしたが、□□という問題が発生したので・・・・
 延々と文章が続き、さらに「・・・・だが」「・・・・が」といった否定、「・・・・ため」「・・・・ので」といった要因と結果などが入り乱れ、わけがわからなくなります。
 また、主語のねじれもいけません。たとえば、次のような文章で、述語にかかる主語がどれなのかわからなくなります。
  ○○に関する詳細設計を、△△解析法と××法を組み合わせ、□□の視点からの構造解析を、構造物Aと構造物Bの相互関係も考慮して実施した。
 採点は通読により行うので、流れるように読めないといけません。「えっ、何だって?」と読み返さなければいけない文章は減点です。そして読み返しても意味が理解できない文章は、その時点で合格点はとれないでしょう。
 いろいろな人に経験論文を読んでもらって、批評してもらうことをお勧めします。できれば、次のような立場の人に通読・批評してもらいましょう。
 ○経験論文テーマの業務に携わっていない人、内容を知らない人
  ・・・・内容を知っていると、「前提知識」があるので、記述の説明不足を無意識にその知識が補ってしまい、正しい批評ができません。
 ○当該分野の最低限の専門的知識がある人
  ・・・・道路の経験論文を読んでいるのに「クロソイドって何ですか」では話になりません。大前提になる専門知識程度は持っている人がいいでしょう。
 また、単に読みやすいかどうかを見てもらうだけなら、事務職員や家族でもかまいません。
(2) 箇条書きにできるところはないか
 ダラダラ文(特に3行以上になる長文)は、読みやすくないと減点対象になりかねません。
  ○○で、△△で、□□であることから、××と判断した。
          ↓
  次の理由により、××と判断した。
   (1) ○○である。
   (2) △△である。
   (3) □□である。

 というように、箇条書きにできるところは箇条書きにしましょう。
(3) 漢字を多用しすぎていないか
 「出来る」→「できる」、「或いは」→「あるいは」、「等」→「など」、「その為」→「そのため」、「行った所」→「行ったところ」など、技術報文では漢字にしないほうがいいものもあります。漢字を多用しすぎると、ゴチャゴチャして読みにくい(というか、引いてしまう)文章になりやすいので、もう一度チェックしましょう。
(4) 図表の最終チェックをしよう
 図表を使うと、答案用紙面がスッキリして読みやすくなるとともに、情報をコンパクトにまとめられるという利点があります。ゴチャゴチャしない範囲で、図表(特に図)に情報をもっと詰め込めないかも考えてみてはどうでしょうか。
 その逆に、無駄なデータを盛り込む必要はありません。たとえば断面図。寸法値や補助工法など、論旨に無関係なものまでゴチャゴチャ書いていませんか?目的にもよりますが、挿入図は「ポンチ絵」「模式図」に近いものです。設計図ではありません。設計図面ばかり書いていると、寸法値やら道路センターのSTAb竄轣A「書いてないとキモチワルイ」と思うようになりがちですが、それでは強調したいところが目立たなくなって、かえって逆効果です。構造物などの情報を正確に伝えるのが設計図ですが、論文中の挿入図は、伝えたいこと・強調したいことを伝えるための補助的手段であることを忘れないでください。

●「あと一問」という時には、択一問題の「セオリー」が役に立つかも
 建設一般・択一対策でも書きましたが、択一問題には、独特の傾向があります。これはたとえば「『〜しなくてもいい』というような書き方の選択肢はたいてい誤り」といったようなもので、「択一セオリー」と私は呼んでいます。
 択一セオリーについて、もう一度書き出してみます。

【誤りであることが多いもの】
用語説明
 「○○は△△のことである」というように、用語説明をしてある場合、名称と説明の組合せを違えてあることが多い。この場合、名称は「PI」とか「DB」などの頭文字系が多い。多くの場合は各選択肢とも同様なのでこのセオリーは通用しないが、選択肢の中で1つだけ用語説明をしている場合は要注意。
類似物併記
 「社会資本整備の機能による長期的効果をフロー効果、公共投資に伴う一時的な経済活動活性化効果をストック効果という」というように、「似たもの同士」をならべて説明しているような文章は、名称と説明の組合せを入れ替えてある場合が多い。
無責任
 「〜する必要はない」といったような、無責任な感じがするものは誤っていることが多い。
言い訳
 「仕方がない」など、努力を放棄して「仕方がないじゃないか」というような言い訳じみたことが書いてあるものは誤っていることが多い。
断定・限定
 「〜しなければならない」、「〜のみである」、「〜以外にない」といったようなものは誤っていることが多い。
仲間はずれ
 主旨、対象物、あるいは計算式など、1つだけ他と違う印象をうけるものは誤っていることが多い。
職名
 技術士の登録権者などの職名が誤っていることが多い。一番多いのは「大臣」と「知事」を入れ替えてある。
数値
 数値が違う値に変えてあるものが多い。1つだけ数値があがっていたら注意。
【正しいことが多いもの】
最も当たり障りのないもの
 ソフトで見た目のよい言葉がちりばめてある、役所風の文章は間違っていないことが多い。
誠実なもの
 誠実・まじめな印象を受けるものは、正しいことが多い。

 その他、「両端は正解ではない」(5択の場合、選択肢1や選択肢5が正解であることは少ない)などがよく言われます。
 択一セオリーに頼ってはいけませんが、答えを選ぶ根拠が全くないけれど何か書かないといけない時には、全くのあてずっぽうで選ぶよりは多少はましだろうと思います。

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2.最後の一週間、何をする?

 いよいよ最後の一週間、何をしたらいいのでしょう。答えは「人それぞれ」です。これまで勉強してきたかどうかや、人のタイプなどで、いろいろな状況に置かれていることと思います。
 まず、自分の状況を客観的に見つめましょう。その上で、自分に足りないと思われるところを補強しましょう。参考になるかどうかわかりませんが、以下にちょっとまとめてみます。

●まず、知識が足りているか、それが使いこなせるか試してみましょう
 建設一般や総監の択一問題(過去問でも参考書の演習問題でも何でもよい)を解いてみます。70%以上正解できますか?

●知識がOKなら反復復習
 できるなら、知識は足りています。これから新たに知識を追加するより、これまでに得た知識を定着させることに力点をおきましょう。
 具体的には、覚えたことを何度も書き出すとか、暗証するとかして、反復復習をして記憶に刷り込みます。たとえば、覚えた事項・語句などを一覧表にして、それを眺めて頭の中で「これは○○、これは○○」と唱えます。「本当に覚えてるか心配だから、並べる順番をランダムにを変えてみよう」などとせず、同じフォーマットの一覧表を、試験当日の択一問題直前まで、愚直にずっと使い続けます。
 暗記したことが抜けていく早さは人によって違いますし、刷り込みの進行によっても違います。「あれ?何だっけ。覚えたはずなのに・・・・」と思うことがなくなる程度の周期で反復しましょう。

●知識不足ならとにかく用語を暗記
 用語はいわば「素材」です。どんな腕のいい料理人も、素材なしには何の料理も作れません。素材があれば、それを組み合わせて何とかなる可能性もあります。そもそも用語を覚えていないのなら、とにかく暗記です。
 方法はいろいろあります。書いて覚える人、口に出して覚える人、繰り返し聞いて覚える人・・・・中学生や高校生のころに使った「単語カード」などを使ってもいいでしょう。建設一般なら佐口さんのHPの建設新語集(こちら)、総監なら青本のキーワードを暗記しましょう。80%くらいを目標にします。
 ここで大切なのは、書いてあることを丸暗記する必要はないということです。一度読んで理解して、自分の言葉で書き出してみて、それを記憶するのが一番早道です。

●知識はあるけど正解できない場合は事例で理解
 用語は覚えているのに、問題が解けない。正解を見ると、「あーそうだ。何でわからなかったんだろう」といつも悔しい思いをする・・・・こういう人は、「丸暗記」になってしまっていて、言葉では覚えているけれど理解ができていません。だから使いこなせないのです。
 理解は、自分の身近なことに置き換えることでしやすくなります。たとえば仕事の事例、自分のいろいろな体験、何かをしているイメージなどです。何かの事例などに置き換えて理解するようにしましょう。例を1つあげます。「土の締固め度は含水比と密接に関連している。含水比が低すぎても高すぎても土はうまく締め固まらない。」・・・・これではよく理解できません。これを、「砂場で何か(砂のお城など)を作る。乾いて白くなったサラサラの砂ではうまくつくれない。水が多すぎてトロトロになった砂でもうまく作れない。適当に黒く湿った砂が一番うまくできる。」と言えば理解しやすくなります。

●知識を深めるには「説明」が一番
 培った知識を記述式問題(建設一般記述、選択記述、総監選択問題)で使いこなすには、知識を深めるとともに、様々な事項の相互関係、要は知識の有機的なつながりが理解把握できている必要があります。
 このためには、「説明」が一番です。「その用語が何か」の説明ではなく、「その用語はどういうものか。今の社会の中でどういう意味・位置づけを持っているのか」を説明するのです。・・・・誰に?そんなことに付き合ってくれる人はめったにいませんから、仮想的な相手に説明するのが一番です。誰か(具体的に思い浮かべてもいい)に説明するつもりで、頭の中でしゃべってみましょう。車の中などで口に出してしゃべってもいいです。
 最も効果的なのは、次のような方法です。まず講習会・勉強会などで、誰かを指名して何か用語をテーマとして与え、その語句説明と社会資本整備における位置づけなどを説明させます。そして他の受講生などに補足説明や事例、反論などを募ります。議論になれば言うことなしなので、講師はそういう方向に誘導します。議論をすると、相手を説き伏せることが目的になりますから、事例やたとえによる説明なども含め、その用語を多角的に見ることになり、大変理解が深まります。特に「公益」というような観念的な用語にこれをやると、暗黙知形式知知の移転も訓練できます。

●経験論文が覚えられない人は
 経験論文(選択記述問題答案を用意している人はそちらも)はできたけど覚えられない・・・・という人は、まず「何が覚えられないのか」チェックしてみましょう。
 ストーリーが覚えられないという人は、論文をフローにしてみるなど、図化してみましょう。
 これは本来、経験論文を作る段階で作成してみるとよいもので、全体の流れをスムーズにするのに有効です。選択記述問題も、まずこういうフローで流れを決めて、各枠の中に記述すべきキーワードを入れていくと、効率的に質の高い文章が作成できます。
 それはともかく、これでストーリーは最低覚えましょう。後の細かい言葉は何とかするとしても、ストーリーがあいまいなままでは良い経験論文は書けません。
 用語などの単語が覚えられないという人は、やはりフローを使って、枠の中に用語などの単語をリストアップして、それを覚えましょう。
 「文章の丸暗記ができない」という人は、そういうことはあきらめて、ストーリーを細かく覚えることにしてはどうでしょうか。右図のようなフローをさらに細分して、それを覚えるようにします。ただし、文法エラーなどが起こらないよう、本番では慎重に文章を作るようにします。
 主語のねじれなどで文そのものが読みにくいのもいけませんが、それは「3行以上の文は書かない」とか、「箇条書きを多用する」ことで本番でもある程度防げます。これに対してストーリー展開がおかしく、何を言いたいのかわからない・論理展開が理解できないというのは致命的です。
  ストーリーを覚える
 →各論点のキーワードを覚える
 →各論点ごとの細かいストーリーを覚える
 →単語を全部覚える
 →文を丸暗記する
という順で記憶作業を進めること、そしてそれを効率的に行うため、フローに整理することをお勧めします。

●不安が抑えられない人は
 目前の試験に対する不安が抑えきれず、マイナス思考ばかり・・・・という人は、きっとこれまでもそういう経験を数多くしてこられたことでしょう。でも、乗り切ってここまでやってきたではありませんか。今度もきっと大丈夫ですから、これまでと同様、いろいろな方法で不安を和らげましょう。
 まだ覚えていないことが山ほどある・・・・と思って焦ると、新しいことが覚えられないばかりか、せっかく覚えたことが抜けていきます。前述したような方法で、覚えてきたことをしっかり反復定着させましょう。
 精神的リラックスのためには、熱いお風呂に短時間入るのがいいそうです(対して肉体的疲労にはぬるめのお風呂に長時間つかるのがいいそうです)。また、真っ暗で静かな外部と遮蔽された空間にじっと長時間いると、記憶が猛烈によみがえるという話もあります(集中力が高まるせいらしいです)。抹茶は頭の働きを活性化させるという話もあります(私は抹茶が好きですが、確かに頭がスカッとして勉強がはかどります)。
 いろいろな方法がありますが、それらとの相性も人それぞれです。とにかく大切なのはメリハリです。一日中試験のことを考えているのではなく、試験のことを考えるときは集中して、それ以外は意識の隅に追いやって、日常生活を過ごしましょう。

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3.試験準備物

 試験そのものへの準備・勉強は別として、筆記用具その他、いろいろな準備について書いてみます。

●服装
 真夏の日中に駅からけっこう歩かねばならない会場が多いようですが、ここでバテてしまっては勝負になりません。涼しい格好で会場まで行きましょう。
 ところが試験場は冷房が効いており(一部冷房のない会場もあったようですが)、座る位置によっては寒くて試験に集中できなくなります。
 会場まではTシャツでもいいですが、試験中に上から羽織れるものも持って行くといいでしょう。
 タオルは必需品です。会場までに汗をかいて、そのまま冷房で冷やされると体調悪化のもとです。また、汗かきの人は、答案用紙がベタベタになります。
 ズボンは長ズボンで短パンなどは避けたほうが賢明です。「頭寒足暖」といって、足が冷えると集中力が激減します。
 扇子なども道中の汗かき防止にはいいかもしれません。ただし、試験中は使えません。
 また、道中の暑さ(日射)が気になる人は帽子も用意したほうがいいと思います。

●筆記用具など
 鉛筆は自分に合ったものを選びましょう。膨大な量を書き続けるので、手が大変疲れます。人によっては動かなくさえなります。
 ちなみに私はドクター・グリップに0.5mmのBの芯を入れて使っています。2Bを使っていた時期もありますが、汗かきなので答案が汚れて困ったことがあり、それからBにしています。これはあくまで一例ですから、各自ご判断ください。また、替え芯は忘れずに。ただし、あまり多くの芯をシャープペンシルに入れると詰まります。
 「消せるボールペン」もあります。慣れが必要ですが、筆圧をあまりかけずにクッキリ書けます。くれぐれも「消せる」ものでないといけません。なお、「消せる」とはいうものの若干跡が残りますので、繰り返し消して書いていると薄汚れた感じになります。また、手などでこすると驚くほど薄くなります。
 消しゴムは、プラスチック消しゴムを使います。消したつもりが擦れて答案を汚してしまうことがありますので、こういうことのない消しゴムを選んでください。
 図表を書く人は無論、アンダーラインや囲み文字にも定規は必需品です。三角定規でもかまいません。もし忘れたら、会場まで歩く間にコンビニなどで購入しましょう。
 色鉛筆は、強調・装飾に使います。ただ、採点時にはコピーも使われるようなので(採点者3人のうち1人は原稿2人はコピーらしい)、コピーに写りにくい淡色(特に黄緑)は使わないほうがいいでしょう。私は、1mm程度の太い線が書けるように先を丸めに削った軟筆色鉛筆を使って、章や項のタイトルにアンダーラインや文字囲い装飾します。こうすると、コピーしたときにちょっと薄いグレースケール状になって、「タイトルを目立たせる」という効果が確保できます。なお、こういうところに「消せるボールペン」(赤や青など)を使うと効果的かもしれません。
 電卓も持ち込み可能ですがプログラム機能のないものに限ります。ただし電卓はあまり使わないとは思います。
 参考までに、私の使っている筆記用具等を紹介します。
  ○ドクター・グリップ+0.5mmのBの芯(5本程度入れておく) 2本
  ○替え芯(0.5mm、B、三菱UNI) 1箱
  ○プラスチック消しゴム(トンボのMONO) 2個
  ○コンビニで買った16cm(中途半端・・・・)の定規 1本
  ○軟筆の色鉛筆(赤・青・緑、三菱、カッターでやや丸めに削ったもの、キャップ付) 各1本
  ○100円ショップで買ったミニサイズのカッター(色鉛筆削りやペットボトルのラベル剥がし用) 1個
  ○100円ショップで買ったカード電卓(ルートまでは計算できる) 1台
  ○100円ショップで買った半透明のソフト筆箱

●飲食物
 昼食は、コンビニで弁当やパンを買うのが間違いないでしょう。昨年以降受験者数が減っているので食堂で食事ができるかもしれませんが、どこにも保証はありません。弁当、パン、好みに合わせて購入します。なお、私はいつもパン(サンドイッチなど)です。かさばらないし、汁がこぼれたり匂ったりしません。またゴミも少量ですみますし、食べかす・割り箸・トレイの分別を考えなくていいので楽でもあります。日頃は大食いのほうですが、試験の時は食事を楽しむどころではないのでこれで十分、試験後の夕食をゆっくり楽しむことにしています。そもそも満腹すると脳の働きが落ちて眠くなるので、あまり食べないほうがいいと思います。
 お茶などの飲み物は、試験会場で使える(机の上に置いておける)のはペットボトルだけです。缶や水筒は試験中は使えません(出しておけません)。ペットボトルも、ラベルを外すことになっています。この点は試験会場・部屋によって異なり、徹底していなかったようですが、余計なトラブルは避けて試験に集中するため、ラベルは外しておきましょう。
 ガムやキャンディーは、静かに迷惑のかからないように食べる分にはいいようです。私は、のど飴のようなハッカ系のキャンディーを数個筆箱に入れておいて、時々つまみながら試験を受けました。あまり匂いの強いものは周囲の人に迷惑ですので慎みましょう。

●その他
 受験票会場までの地図。絶対に忘れずに!
 駅から会場までのルートに不安がある人は、インターネット(マピオンなど。あるいは会場が大学ならその大学のサイト)で調べておきましょう。
 地方の方は、交通網確認もしっかりと。JR・私鉄・地下鉄、それらの接続など、念を入れてしっかりと調べておきましょう。
 余裕をもって会場に到着することは絶対条件です。ギリギリに飛び込んだのでは、精神集中もできません。
 また、時計も忘れずに持っていきましょう。携帯電話を時計がわりにすることはできません。たとえそうしても何も言われないかもしれませんが、余計なトラブルのタネを増やすのはやめておきましょう。大学受験では携帯電話を見た途端に不正行為とみなされ失格という話も聞きました。
 汗かきの人は、ポケットティッシュなどを手の下に敷くなど、対策をとっておきましょう。

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4.試験の前日と当日

●前日は体をリフレッシュ
 前日は、とにかく体調を整えましょう。疲れていたりして体の調子が悪いと、力が発揮できません。
 これまでがんばってきた人は、勉強はそこそこにして、早めに就寝します。寝る時間の2時間以上前に入浴しておき、それから2時間程度かけて体をクールダウンさせていくと、寝つきが良くなり、ぐっすり寝られます。それまでの時間に勉強してもいいですが、あまり集中せずに、頭を休めましょう。ナイトキャップがわりの本などがある人はそれがいいです。
 仕事で忙しかったりして、勉強が進んでいない人、敵前逃亡だけは・・・・と思って受験だけはしようという人は、四の五の言っている場合ではありません。徹夜は避けますが、徹底的な一夜漬けで覚えられるところまで覚えましょう。経験論文はストーリーだけをフローで作成して、頭に入れます。選択記述はヤマをはります。あるいは自分の運にまかせます。経験一般は、佐口さんの建設新語集(こちら)をできるところまで暗記します。なあに、明日の昼食時間もあります。何とかなります。建設記述は、個性的なまちづくりあるいは効率的な社会資本整備にヤマをはり、そのストーリー展開だけ決めておきます。下表を参考にしてください。今日と明日(試験日)だけですから、死ぬ気でがんばってみましょう。

建設一般記述・これだけ覚えてシート【個性的なまちづくり】
(現状と問題点)
・我が国の社会経済は、大きな変革期を迎えており、地域や企業は、様々な変化に対応することが求められている
  ○国民の価値観やライフスタイルの多様化
  ○少子高齢化の進展
  ○地球規模化(グローバル化)
  ○情報通信技術の高度化
  ○環境問題への配慮
  ○地方分権の進展
・このような様々な変化が個別の地域や企業に与える影響は多種多様
・かつてのような欧米諸国や他地域への「追いつき」を目標としていた時期は過ぎた
→各地域や企業にとって画一的・一律的な目標を設定し、活動することに限界が生じてきている
→「平均的」・「標準的」な発想では捉えきれない「個性的」な地域や企業のあり方が求められている

(あり方・方策)
5つのキーワード
 1.主体的な参加
  努力や工夫の積み重ねによる主体的な参加
  意識の醸成と共有、明確適切な目標像の設定、人材の重要性
 2.強み・個性の発揮
  強みを活かせる資源の発掘・選択と個性の発揮
  地域資源の発掘・選択・維持・保全、ブランド構築など
 3.集中
  企業は得意分野に集中的投資、地域づくりは施策を集中的実施、戦略的宣伝・広告
 4.連携・協働
  連携・協働による相乗効果の発揮
  地域産業との連携・協働、地域間連携・協働など
 5.継続・展開
  絶え間ない変革努力の継続と取組みの展開
  資源劣化防止、継続的改善、線的・面的展開、参加意識持続
建設一般記述・これだけ覚えてシート【効率的な社会資本整備】
(現状と問題点)
 ・不況が長引き、回復しきらないうちにかつてない少子高齢化時代に突入
 ・社会資本整備への財政上の制約
 ・価値観の多様化
  以上のような現状の中、建設分野における課題は・・・・
 ・制約される公共投資財源の合理的・効率的な運用
 ・公共事業のコスト縮減と社会ストックの有効活用
 ・国民の多様なニーズに対応した国民参加型事業の推進が強く望まれている

(あり方・方策)
 @住民理解・協力確保・・・・PI、NPOとの連携など
 Aコスト縮減、既存ストック有効活用(コスト構造改革)
  総合的コスト縮減・・・・コスト構造改革 
総合的コスト=工事コスト+事業便益早期発現をコストに換算+維持管理コスト縮減
  ・事業のスピードアップ
   事業をスピードアップ→事業便益早期発現、時間効率アップによる事務経費節減
   合意形成手法改善(PI導入など)、事業重点化・集中化(社会資本整備重点計画など)
  ・設計の最適化
   設計内容の見直し(VEなど)、民間技術提案活用、地域に応じた規格導入(ローカルルール)
  ・調達の最適化
   民間調達方式導入の可能性検討、制度見直し検討
   発注単位の適正化、入札・契約の見直し・積算の見直し
 B事業間連携(社会資本整備重点計画)
  同一地域に複数分野の社会資本整備が実施されることに伴うムダをなくし、効率化をはかる。
  このような問題に対する方策の1つとして、平成15年4月に施行された社会資本整備重点計画法がある
  ・事業分野別に行ってきた計画の一本化により、効率化をはかる
   道路、港湾、都市公園、河川など13事業を対象、関連緊急措置法は廃止・改正、アウトカム目標に重点
  ・事業の効果的・効率的実施のため、社会資本整備の取組方針を明示
   地域住民等の理解・協力の確保、事業間連携、コスト縮減、既存ストックの有効活用、入札・契約の適正化

●当日は時間を最大限に活用しよう
 朝起きてから試験会場までの移動時間、試験問題が配布されてから開始までの時間昼休み。当日は時間を最大限に有効活用しましょう。
 経験論文によほどの自信がある人以外は、朝起きてから試験開始の瞬間まで、経験論文に集中しましょう。特に試験開始直前は、記憶があやふやなところなどを駆け込みで頭に詰め込みます。
 答案用紙が配られたら、それに集中します。一瀉千里に書きまくる自分をイメージして、いつでも走り出せる状態にテンションを上げていきます。
 昼休みになったら、経験論文のことは完全に忘れましょう。あそこがどうだったとか考えても仕方がありませんし、目前に午後の試験が迫っています。昼食など食べなくても死にはしませんが、何か腹の中に入れておきましょう。上の空で食べられてゴミのこともあまり考えなくてもいいサンドイッチなどがベストです。味わう必要などありません。とにかく腹に詰め込んでしまったら、午後の試験に集中します。択一・記述とも、要は知識の勝負です。覚えたことの反復は前日までに十分して刷り込んだはずなので、当日は覚えられなかった単語を覚えます。特に試験直前が勝負です。とにかく知識を押し込みます
 覚えたことの反復が十分でない人は、直前まで反復しましょう。反復すべき用語リストを作っておくと便利です。
 午後の試験は、予想もしていなかった問題、出題形式の変更など、予想外のことがよく起こります。焦って頭が真っ白になり、覚えていたはずのことが思い出せないという事態を避けるため、不安の残る記憶は、試験開始直後に書き出してしまうという手があります。当日直前に記憶に押し込んだ用語などは、記憶が5分持てば十分です。配られた問題の裏にでもザーッと書いてしまえば、それがカンペになります。選択記述や建設一般記述の答案文を記憶している人は、同じようにしてキーワードをざっと書き出して、試験中に記憶が飛んでしまった場合に備えます。

●精神集中で力を出し切ろう
 スポーツでもそうですが、人間の集中力は馬鹿にできません。力を出し切るためには、雑念を捨てて試験問題に集中することが大切です。そのためには、前述しましたが直前のイメージトレーニングが有効です。イメージトレーニングには、試験開始とともにロケットスタートするための集中のほかに、不安感を抑制して力を出し切るために、試験前夜などに「問題がスラスラ解けている自分」をイメージするというのもあります。
 あがり症の人、択一にわからない問題があったり予想と違う設問形式だったりすると頭が真っ白になってしまう人、焦ると頭の中がゴチャゴチャになってしまう人・・・・いろいろあると思います。それらの対策も人それぞれです。
 ちょっと、いくつかの例をあげてみたいと思います。あくまで例ですから、誰にでも適用できるものではありません。
 (わからない問題があったり、予想外の問題が出ると、すぐ頭が真っ白になってしまう人の例)
  (1) まず、配られた問題全部にざっと目を通す。ここではまだ書き出さない。
  (2) 真っ白になりそうな問題があったら、それは最後に回して、他の問題を全部終えてしまう。
  (3) 小休憩を入れる。お茶を飲み、しばらく外の風景を眺める。何も考えないようにし、ゆっくり深めに呼吸し、落ち着く。
  (4) 真っ白になりそうな問題に取り組む。わざと集中しない。ボヤーッと「眺める」つもりで問題を読み、ボヤーッと考える。
  (5) 解答の道筋が見えたと思った時、あるいはもう時間がない時、一気に集中する。一本の道筋に考えを集中し、脳みそを全部使って考える。
 (択一を解くとき、引っ掛けにかかりやすい、あるいは勘違いしやすい人の例)
  (1) 一度、全部解いてしまう。ただし答えは問題用紙に書いておく。答案用紙にはまだ何も書かない。
  (2) 「その答え、本当か?」と頭の中でしゃべりながら、第三者になったつもりで、全部の解答をチェックする。
 (長時間の試験を受けると、頭が疲れて集中力がなくなってしまう人の例)
  (1) 「第5問まで」とか「このページを書き終えるまで」というように目標を決めて、集中して取り組む。
  (2) 目標をクリアするたびに休憩を入れる。脳に血を送り込むイメージで、ゆったり呼吸して1〜2分休む。
  (3) (1)へ戻る。

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5.試験が終わったら

 試験が終わったら、疲れているとは思いますがもうひとがんばりです。自分の記述解答の内容を整理しておきましょう。
 全部予想した問題が出て覚えていたことを書いただけという人以外は、建設一般記述・選択記述、そしてもし経験論文もアドリブを交えたのならその部分について、どういうことを書いたか、記憶に残っている範囲で書き出しましょう。記憶は急激に薄れていきます
 口頭試験では、筆記試験の内容が主な質問対象となります。筆記で書いたことと口頭での回答が異なったら相当まずいです。「たとえ忘れても、同じ自分の書いたことだから」とたかをくくっていると後悔しますよ。無我夢中で問題に取り組んでいるときの自分のやっていることにまで責任をもてますか?
 汚い字でも、キーワードだけでもかまいませんから、とにかく記録を残しておきましょう。
 その作業が終ったら、筆記試験は終了です。・・・・ご家族や大切な人たちに、試験で迷惑をかけていませんでしたか?感謝の気持ちを込めて家路につきましょう。本当にお疲れ様でした。

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