平成15年度試験直前メッセージ Back
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いよいよ一次試験が目前に迫ってきました。
試験直前から試験当日について、気がついたことをまとめてみました。
勉強の中休みにでも目を通してみてください。
INDEX
1.やっぱり試験なんだからがんばろう
2.「試験テクニック」についてもう一度
3.最後の一週間、何をする?
4.試験準備物
5.試験の前日と当日
6.試験が終わったら

1.やっぱり試験なんだからがんばろう

 一次試験試験まであと少し、試験準備は進んでいますか?
 勉強一筋でよかった学生時代と違って、仕事に、また家庭にといろいろ忙しい中で時間を作っての受験勉強、大変だと思います。まして実務とはかけ離れたような内容の勉強はつらいものです。
 でもあと少しです。この試験にかけている人、力試し程度に受けてみようという人、いろいろあると思いますが、せっかく受けるのですから、忙しい人は忙しい人なりに、時間をかけて準備してきた人は準備してきた人なりに、全力で受験しましょう。
 「技術士が全てではない」、「たかが試験」、「資格より実力が大事」・・・・その通りです。しかし、いずれも試験に立ち向かうことをやめる理由にはなりません。
 あと少しなのですから、ここは一番、残った時間をがんばってみましょう。

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2.「試験テクニック」についてもう一度

  1. あくまで実力勝負。でもテクニックも大切。
     技術士試験はあくまで実力勝負ではありますが、試験である以上、テクニック・要領といったものがあるのは事実です。特に択一問題は、中間点というものがなく、正解か不正解かのAll or Nothingであり、さらに合格基準点が明確に決められています。
     基礎科目・適性科目は1問1点、専門科目は1問2点。ギリギリのところであと1問正解を積み重ねられるかどうかという時に、「テクニック」があるとないとでは大違いです。
     テクニックだけに走ってはいけませんが、実力をつけた上での受験テクニックは大切です。ぜひ身につけましょう。

  2. 「あと一問」という時には、択一問題の「セオリー」が役に立つかも
     建設一般・択一対策でも書きましたが、択一問題には、独特の傾向があります。これはたとえば「『〜しなくてもいい』というような書き方の選択肢はたいてい誤り」といったようなもので、「択一セオリー」と私は呼んでいます。
     択一セオリーについて、もう一度書き出してみます。

    【誤りであることが多いもの】
    用語説明
     「○○は△△のことである」というように、用語説明をしてある場合、名称と説明の組合せを違えてあることが多い。選択肢の中で1つだけ用語説明をしている場合は要注意。
    類似物併記
     「社会資本整備の機能による長期的効果をフロー効果、公共投資に伴う一時的な経済活動活性化効果をストック効果という」というように、「似たもの同士」をならべて説明しているような文章は、名称と説明の組合せを入れ替えてある場合が多い。一次試験では、次のようなものが考えられる。
    (基礎科目)
     設計及び計画分野・・・・リサイクル関連法
     解析分野・・・・解析手法(差分法・有限要素法・境界要素法)
     材料・化学・バイオ分野・・・・プラスティックの分類、DNAとRNA、RNAのタイプ(運搬・伝令・リボソーム)、胚細胞クローンと体細胞クローン
     技術連関分野・・・・環境関連国際条約(バーゼル・ワシントンなど)、地球環境関連重要会議等(リオ・ヨハネスブルグ・京都など)、リスク対策(削減・移転・保有・回避)、リスク認知バイパス
    (土質及び基礎)
     土質及び基礎・・・・三軸試験(UU,CU,C'U',CD)、過圧密と正規圧密
     鋼構造コンクリート・・・・エントレインドエアーとエントラップトエアー、非破壊検査、横文字用語(レイタンス、スランプ、コンシステンシー、ブリーディングなど)
     都市計画・・・・都市計画用途区域、決定権限者(知事、市町村長、大臣)
     河川砂防・・・・ダムの種類(アーチ・重力・フィル)・水位・容量
     港湾空港・・・・バースの種類、水準面
     電力土木・・・・水力発電のタイプ、ヘッドタンクとサージタンク、火力発電タイプ(汽力・内燃力・ガスタービン・コンバインドサイクル)
     道路・・・・道路区分(種・級)、交通容量(基本・可能・設計)、横文字用語(ITS、ETC、VICS、TDM、オムニバスタウンなど)
     鉄道・・・・緩和曲線(3次放物線・サイン半波長逓減曲線)、脱線(飛び上がり・乗り上がり・すべり上がり)、ホーム(単式、相対式、島式、頭端式、切欠式)、鉄道事業(第1種〜3種)
     トンネル・・・・トンネル掘削工法(全断面、ベンチカット、導坑先進)、開削工法(特にアイランド・トレンチカット)
     施工計画・・・・場所打ち杭(オールケーシング、リバース、アースドリル)、掘削変状(ヒービングと盤ぶくれ)、産廃(特別・管理・安定)、横文字用語(PFI、CM/PM、DBなど)
     建設環境・・・・スクリーニングとスコーピング 

    無責任
     「〜する必要はない」といったような、無責任な感じがするものは誤っていることが多い。
    言い訳
     「仕方がない」など、努力を放棄して「仕方がないじゃないか」というような言い訳じみたことが書いてあるものは誤っていることが多い。
    断定・限定
     「〜しなければならない」、「〜のみである」、「〜以外にない」といったようなものは誤っていることが多い。
    仲間はずれ
     主旨、対象物、あるいは計算式など、1つだけ他と違う印象をうけるものは誤っていることが多い。
    職名
     技術士の登録権者などの職名が誤っていることが多い。一番多いのは「大臣」・「知事」・「市町村長」を入れ替えてある。
    数値
     数値が違う値に変えてあるものが多い。1つだけ数値があがっていたら注意。
    【正しいことが多いもの】
    最も当たり障りのないもの
     ソフトで見た目のよい言葉がちりばめてある、役所風の文章は間違っていないことが多い。
    誠実なもの
     誠実・まじめな印象を受けるものは、正しいことが多い。

     その他、「両端は正解ではない」(5択の場合、選択肢1や選択肢5が正解であることは少ない)などがよく言われます。
     択一セオリーに頼ってはいけませんが、答えを選ぶ根拠が全くないけれど何か書かないといけない時には、全くのあてずっぽうで選ぶよりは多少はましだろうと思います。

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3.最後の一週間、何をする?

 いよいよ最後の一週間、何をしたらいいのでしょう。答えは「人それぞれ」です。これまで勉強してきたかどうかや、人のタイプなどで、いろいろな状況に置かれていることと思います。
 ここでは、共通科目免除ということを前提に、もっとも一般的と思われることをまとめてみます。

  1. 試験は基礎科目と専門科目の2科目
    適性科目で60点未満ということはまずありません。よって実質的に、一次試験は基礎と専門の2科目だけです。まずこのことを認識しましょう。

  2. 専門科目が勝負
     基礎科目の配点は15点、専門科目は50点です。それぞれは40%(基礎6点、専門20点)でOKですが、合計33点以上取らなければなりません。
     基礎が6点でも専門が27点(14問正解)でOKですが、専門が20点だと基礎は13点(15問中2問しか間違えられない)取らねばなりません。よって、ポイントは専門です。これで14点取れば、基礎は6点で合格です。このこともしっかり認識してください。

  3. まず、専門の実力を模擬試験などで確認
     専門科目の実力を、模擬試験・演習問題などで確認します。
    (このサイトの演習問題)
     比較的基礎的レベルです。それぞれに記してある「安心レベル」を目標にしましょう。
    (ガチンコ技術士学園模擬試験)・・・・こちら
     作成者の青い炎さんによれば、本番(過去問題)よりやや難しめです。よって、50%正解を最低目標ラインにおきましょう。
    (技術士第一次試験演習問題100問)・・・・テクノ発行(こちら
     過去問題より細かい内容、あるいは実務的内容を問う傾向があり、レベルが高いとともに傾向がやや違うような気がします。40〜50%目標。
    この結果により、自分の状態を客観的に判断しましょう。
     目標レベル以上・・・・安心レベル
     目標レベルやや下・・・・ギリギリレベル
     目標レベルよりずっと下・・・・危険レベル


  4. 次に、基礎科目の実力を模擬試験などで確認
    (このサイトの模擬試験)・・・・こちら
     過去問題より若干難しめレベルだと思います。よって、15問中9問(60%)を目標ラインにしましょう。
    (このサイトの演習問題)
     比較的基礎的な問題です。7割程度正解するのが目標です。
    (OHM9月号:オーム社)・・・・こちら
     過去問題と同程度〜若干基礎的レベルです。目標は9点〜10点におきましょう。
    (技術士第一次試験基礎・適性科目模擬問題集)・・・・こちら
     過去問題と比較すると、高めのレベルだと思います。目標ラインは50%におきましょう。
    専門科目と同様に、安心レベル・ギリギリレベル・危険レベルに分類して自分を客観的に判断します。

  5. 安心レベルの人がやるべきこと
     知識は足りています。これから新たに知識を追加するより、これまでに得た知識を定着させることに力点をおきましょう。
     具体的には、覚えたことを何度も書き出すとか、暗証するとかして、反復復習をして記憶に刷り込みます。たとえば、覚えた事項・語句などを一覧表にして、それを眺めて頭の中で「これは○○、これは○○」と唱えます。「本当に覚えてるか心配だから、並べる順番をランダムにを変えてみよう」などとせず、同じフォーマットの一覧表を、試験当日の択一問題直前まで、愚直にずっと使い続けます。
     暗記したことが抜けていく早さは人によって違いますし、刷り込みの進行によっても違います。「あれ?何だっけ。覚えたはずなのに・・・・」と思うことがなくなる程度の周期で反復しましょう。

  6. ギリギリレベルの人がやるべきこと
     あと一歩まで来ています。なぜ模擬試験・演習問題であと一歩ができなかったか分析しましょう。
    (ポカミスが主因の場合)
     「正しいもの」と「誤っているもの」を取り違えた、用語を勘違いしたといったケアレスミスが目に付く場合、問題文をしっかり読むクセをつけます。
     具体的には、2回読み直す・ケアレスミスしやすいところにアンダーラインを引いて頭に叩き込むなどです。
     そして、そういった点に注意しながら模擬問題・演習問題をもう一度やってみてください。
    (時間が足りなかった場合)
     選択肢を全部理解するまでじっくり読んだり、選択問題なのに全問題を解いてみて解答に自信のある問題を選ぼうとしていませんか。
     そのような解き方では時間が足りません。この試験はそういうように作られており、25年近く前の共通一次試験依頼の文部科学省の傾向です。
     文部科学省は、たくさんの比較的基礎的な問題を限られた時間に要領よく解く力(事務処理能力)を重視する傾向があるのです。
     しかし、できそうな問題を見つける力、解き方を短時間で判断する力は一朝一夕では身につきません。
     今になってそんな力をつけようとしてもダメです。手際よく解答する「手順」を身につけましょう。
     本サイトの基礎科目対策・専門科目対策の「択一問題解答のテクニック」〜「解答手順」をお読みください。
     サイトの「解答手順」のような手順を決めて、それに従って解答していくことで、少しでも手際をよくするようにします。
    (本当にわからなかった場合)
     知識不足ですが、ある程度絞り込めているのなら、「択一セオリー」を身につけましょう。
     そうれなければ、自分の弱い科目・分野を客観的に判断し、次の「危険レベル」と同じ方法でもう一度知識の補充をします。

  7. 危険レベルの人がやるべきこと
     そもそも用語を覚えていないのなら、とにかく暗記です。方法はいろいろあります。書いて覚える人、口に出して覚える人、繰り返し聞いて覚える人・・・・中学生や高校生のころに使った「単語カード」などを使ってもいいでしょう。テープレコーダーも有効です。
     ここで大切なのは、書いてあることを丸暗記する必要はないということです。一度読んで理解して、自分の言葉で書き出してみて、それを記憶するのが一番早道です。
     「まだほとんど何もしてないよ・・・・」という人は、最低限の知識を覚えるため、「これだけ覚えてシート」を作ってみましたので、参考にしてください。

  8. 知識はあるけど正解できない場合は事例で理解
     用語は覚えているのに、問題が解けない。正解を見ると、「あーそうだ。何でわからなかったんだろう」といつも悔しい思いをする・・・・こういう人は、「丸暗記」になってしまっていて、言葉では覚えているけれど理解ができていません。だから使いこなせないのです。
     理解は、自分の身近なことに置き換えることでしやすくなります。たとえば仕事の事例、自分のいろいろな体験、何かをしているイメージなどです。何かの事例などに置き換えて理解するようにしましょう。例を1つあげます。「土の締固め度は含水比と密接に関連している。含水比が低すぎても高すぎても土はうまく締め固まらない。」・・・・これではよく理解できません。これを、「砂場で何か(砂のお城など)を作る。乾いて白くなったサラサラの砂ではうまくつくれない。水が多すぎてトロトロになった砂でもうまく作れない。適当に黒く湿った砂が一番うまくできる。」と言えば理解しやすくなります。

  9. 不安が抑えられない人は
     目前の試験に対する不安が抑えきれず、マイナス思考ばかり・・・・という人は、きっとこれまでの人生でもそういう経験を数多くしてこられたことでしょう。でも、乗り切ってここまでやってきたではありませんか。今度もきっと大丈夫ですから、これまでと同様、いろいろな方法で不安を和らげましょう。
     まだ覚えていないことが山ほどある・・・・と思って焦ると、新しいことが覚えられないばかりか、せっかく覚えたことが抜けていきます。前述したような方法で、覚えてきたことをしっかり反復定着させましょう。
     精神的リラックスのためには、熱いお風呂に短時間入るのがいいそうです(対して肉体的疲労にはぬるめのお風呂に長時間つかるのがいいそうです)。また、真っ暗で静かな外部と遮蔽された空間にじっと長時間いると、記憶が猛烈によみがえるという話もあります(集中力が高まるせいらしいです)。抹茶は頭の働きを活性化させるという話もあります(私は抹茶が好きですが、確かに頭がスカッとして勉強がはかどります)。
     いろいろな方法がありますが、それらとの相性も人それぞれです。とにかく大切なのはメリハリです。一日中試験のことを考えているのではなく、試験のことを考えるときは集中して、それ以外は意識の隅に追いやって、日常生活を過ごしましょう。

  10. すき間時間を有効に活用
     試験10日前くらいからは、通勤時間、昼休み、移動時間、さらには食事時間やトイレ、就寝前までいろいろある「すき間時間」をいかに活用するかで大きく差がつきます。特に一次試験は択一ばかりで要は知識がどれだけあるかの勝負ですから、少しでもたくさん覚えた者勝ちです。
     すき間時間を有効に使い、少しでも知識を増やしましょう。
     具体的方法としては、用語集ノートサイト内容を印刷したものなどがありますが、テープレコーダー、学生時代の単語カード(英単語など覚えるのに使いましたね)なども使えます。テープを録音する時やカードに書き込む時にも頭に入ります。
     コツは、焦らないこと、あまり難しい言葉は覚えようとしないこと、この2つです。
     焦ると覚えられません。「会社に着くまでに5つ」とか無理なく達成できる目標を細かくたてて、自分自身にプレッシャーを与えないようにしながら覚えていきましょう。毎日の通勤時間中に覚えられた用語の数をグラフにして「今日は3つ。よーし明日は4つ目標」などと「楽しみ」を持てるような工夫も1つの手です。
     また、あまり覚えにくい「難しいこと」の記憶は集中できる時に回しましょう。覚えられないと焦りのもとになります。

  11. ラスト3日が天王山
     人間の記憶は、とにかく暗記してから数日間は脳に残っており、それから本当に定着した記憶が海馬という部位に移されるそうです。この「仮置き」日数は人によって違いますが、だいたい3日程度だそうです。逆に言えば、3日間は詰め込み記憶が残っています。したがって、「試験が終った次の日には忘れてもいいや」という記憶は、3日前から叩き込みましょう。後で忘れるけれど、たくさん覚えられます。
     記憶術というものもあるようですが、人によって得手不得手があります。語呂が似ているモノのイメージ(画像)に重ねて覚える方法、語呂合わせ(富士山麓にオウム鳴くといったたぐい)などいろいろな方法もあります。
     とにかく、ラスト3日は思い切り叩き込みましょう。ただし、ここで大切なのは新規の詰め込みですでに覚えていたものが押し出されることのないようにすることです。つまり、あくまで反復を中心に、まだ合格ラインに届かないと思う人は新しい知識も交えて、集中して詰め込みましょう。

  12. 体調維持に注意・早朝勉強の勧め
     最近、めっきり寒くなりました。風邪は勉強の大敵です。体調維持に注意しましょう。
     そのためには、やはり睡眠。眠い目をこすりながら勉強してもはかどりません。私は早朝勉強をお勧めします。
     通常、食事や入浴をすると体温が上がり、目が覚めます。そしてそれが下がりだすと、眠りやすくなるそうです。夕食を控えめにとって、1時間ほどして入浴し、それからあまり頭に負担をかけずに読書などして、入浴2時間後を目安にベッドに入ると安眠しやすいそうです(あくまで個人差はあります)。就寝までは、技術関連や統計学・環境などの柔らかめの本を読むか、あるいはあまり集中しないようにして軽い勉強をするかして過ごします。できれば家族との時間を取れれば一番いいのですが・・・・。
     そして、翌朝は2時間、できれば3時間早く起きます(10時就寝・4時起床はムリですか?)。着替えや洗顔、食事をすませて目を覚まし、集中して勉強します。出勤時間が迫っていますから、ダラダラ勉強になりにくく、集中力もつきます(これは試験本番に力を発揮します)。また、よく寝ている上、夕食控えめ・朝ごはんバッチリになるので体調も悪くなりにくいはずです。ダイエットにもいいかもしれません。

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4.試験準備物

 試験そのものへの準備・勉強は別として、筆記用具その他、いろいろな準備について書いてみます。

  1. 服装
      朝はけっこう冷えます。しかし晴れるとまだけっこう暑くなります。天気予報にも気を配って(技術士を目指すのですから、天気図から寒暖予想くらいはできてほしいところです)、服装を決めましょう。暑い日であるにもかかわらず冷房が入っていないかもしれませんし、逆に冷房をかけてくれたはいいが座る位置によっては寒くて試験に集中できないということも考えられます。
     タオルは必需品です。会場までに汗をかいて、そのまま冷房で冷やされると体調悪化のもとです。また、汗かきの人は、答案用紙がベタベタになります。
     ズボンは長ズボンで、たとえ暑くでも短パンなどは避けたほうが賢明です。「頭寒足暖」といって、足が冷えると集中力が激減します。

  2. 筆記用具など
     鉛筆はマークシートしやすいものを選びましょう。特に芯が大事ですが、HBがベストです。二次試験は膨大な量を書き続けるためにBなどの柔らかめの芯を使ったほうがいいですが、一次は違います。柔らかい芯は答案を汚します。汗かきの人はさらにひどくなります。ただし、これはあくまで私のお勧めですから、各自ご判断ください。また、替え芯は忘れずに。ただし、あまり多くの芯をシャープペンシルに入れると詰まります。
     「消せるボールペン」もあります。慣れが必要ですが、筆圧をあまりかけずにクッキリ書けます。くれぐれも「消せる」ものでないといけません。なお、「消せる」とはいうものの若干跡が残りますので、繰り返し消して書いていると薄汚れた感じになります。また、手などでこすると驚くほど薄くなります。
     消しゴムは、プラスチック消しゴムを使います。消したつもりが擦れて答案を汚してしまうことがありますので、こういうことのない消しゴムを選んでください。
     電卓は必須です。過去問題を見ると暗算できるものばかりですが、電卓があると時間がぐっと縮まります。一次試験は時間との戦いですから、電卓は必ず持参しましょう。ただしプログラム機能のないものに限ります。くれぐれも持ち込めない電卓を持っていって、使えなくなるということのないように気をつけましょう。四則演算・階乗・ルートまでなら100円ショップで売っているものでも十分ですが、対数計算が入ると関数電卓のほうがいいでしょう。

  3. 飲食物
     昼食
    は、コンビニで弁当やパンを買うのが間違いないでしょう。今年は受験者数が激増しているので食堂で食事ができる保証はどこにもありません。弁当、パン、好みに合わせて購入します。なお、私はいつもパン(サンドイッチなど)です。かさばらないし、汁がこぼれたり匂ったりしません。またゴミも少量ですみますし、食べかす・割り箸・トレイの分別を考えなくていいので楽でもあります。日頃は大食いのほうですが、試験の時は食事を楽しむどころではないのでこれで十分、試験後の夕食をゆっくり楽しむことにしています。なお、昼食の量は少な目がいいです。満腹すると集中力がなくなります。
     お茶などの飲み物は、試験会場で使える(机の上に置いておける)のはペットボトルだけです。缶や水筒は試験中は使えません(出しておけません)。ペットボトルも、ラベルを外すことになっています。この点は試験会場・部屋によって異なり、徹底していなかったようですが、余計なトラブルは避けて試験に集中するため、ラベルは外しておきましょう。
     ガムやキャンディーは、静かに迷惑のかからないように食べる分にはいいようです。私は、のど飴のようなハッカ系のキャンディーを数個筆箱に入れておいて、時々つまみながら試験を受けました。あまり匂いの強いものは周囲の人に迷惑ですので慎みましょう。

  4. その他
     受験票会場までの地図。絶対に忘れずに!
     駅から会場までのルートに不安がある人は、インターネット(マピオンなど。あるいは会場が大学ならその大学のサイト)で調べておきましょう。
     地方の方は、交通網確認もしっかりと。JR・私鉄・地下鉄、それらの接続など、念を入れてしっかりと調べておきましょう。
     余裕をもって会場に到着することは絶対条件です。ギリギリに飛び込んだのでは、精神集中もできません。
     また、時計も忘れずに持っていきましょう。携帯電話を時計がわりにすることはできません。たとえそうしても何も言われないかもしれませんが、余計なトラブルのタネを増やすのはやめておきましょう。
     汗かきの人は、ポケットティッシュなどを手の下に敷くなど、対策をとっておきましょう。

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5.試験の前日と当日

 いよいよ試験。試験は頭脳の勝負ではありますが、その力を出し切るためには体調がよいことが必須条件です。

  1. 前日は体をリフレッシュ
     前日は、とにかく体調を整えましょう。疲れていたりして体の調子が悪いと、力が発揮できません。
     これまでがんばってきた人は、勉強はそこそこにして、早めに就寝します。寝る時間の2時間以上前に入浴しておき、それから2時間程度かけて体をクールダウンさせていくと、寝つきが良くなり、ぐっすり寝られます。それまでの時間に勉強してもいいですが、あまり集中せずに、頭を休めましょう。ナイトキャップがわりの本などがある人はそれがいいです。
     仕事で忙しかったりして、勉強が進んでいない人、敵前逃亡だけは・・・・と思って受験だけはしようという人は、四の五の言っている場合ではありません。徹夜は避けますが、徹底的な一夜漬けで覚えられるところまで覚えましょう。これだけ覚えてシートを用意しましたので、それだけでも。今日と明日(試験日)だけですから、死ぬ気でがんばってみましょう。

  2. 当日は時間を最大限に活用しよう
     朝起きてから試験会場までの移動時間、試験問題が配布されてから開始までの時間昼休み。当日は時間を最大限に有効活用しましょう。
    (適性科目)
     まず最初は適性科目(9:00〜10:00)です。これで50%できない人はまずいないでしょう。8問正解すればいいのです。とにかく一気に片付けてしまい、早々に試験場を出て専門科目の最後の詰め込みをするのも手です。ただし、時間前退出すると試験問題の持ち帰りができません。「答え合わせ」などいらないと自信を持っていえる人だけにしましょう。
     試験終了までの時間、専門科目の記憶呼び戻しをして時間を過ごしてはどうでしょう。問題用紙の余白などに覚えた言葉などを書き出して反復するといいと思います。もう合格ラインに達した科目などどうでもいいではないですか。それよりも次の科目に向けて走り出しましょう。
    (専門科目)
     次はいよいよ天王山の専門科目(10:30〜12:30)です。休憩時間30分は思いっきり集中して最後の詰め込みをやりましょう。基礎的な用語を叩き込むことをお勧めします。これだけ覚えてシートの内容は取りこぼしなく。とにかく用語を反復します。特に試験開始直前は、記憶があやふやなところなどを駆け込みで頭に詰め込みます。答案用紙が配られたら、それに集中して、いつでも走り出せる状態にテンションを上げていきます。
     なお、最初のほうにわかりにくい問題が集まっていたり、予想外の問題が出たりして頭がパニクってしまった時など、覚えたことが出てこなくなってしまうこともあります。こういう事態の対策もかねて、不安の残る記憶は、試験開始直後に問題を見る前に書き出してしまうという手があります。当日直前に記憶に押し込んだ用語などは、記憶が5分持てば十分です。配られた問題の裏にでもザーッと書いてしまえば、それがカンペになります。
     解答は、バカ正直に1問目から解いたりせずに、まず自分の得意な分野から取り掛かりましょう。調子が出てきます。間違っても最初に苦手な分野で悩まないようにします。疲れる上に焦ってしまって、実力が出せなくなります。
    (昼休み)
     昼休みになったら、専門科目のことは完全に忘れましょう。あそこがどうだったとか考えても仕方がありませんし、目前に午後の試験が迫っています。昼食など食べなくても死にはしませんが、何か腹の中に入れておきましょう。上の空で食べられてゴミのこともあまり考えなくてもいいサンドイッチなどがベストです。味わう必要などありません。夕食をゆっくり楽しめばいいではないですか。とにかく腹に詰め込んでしまったら、午後の試験に集中します。13:30からあと1時間だけがんばればいいのです。
     基礎的な用語の反復をしますが、覚えたことの反復は前日までに十分して刷り込んだという自身がある人は、当日は覚えられなかった単語を覚えてもいいです。
    (基礎科目)
     午後は基礎科目(13:30〜14:30)です。多くの人はこれが最後の関門です。
     特に試験直前が勝負です。とにかく知識を押し込みます。覚えたことの反復が十分でない人は、直前まで反復しましょう。反復すべき用語リストを作っておくと便利です。
     試験直前には専門科目と同じく、不安の残る記憶を最初に書き出してしまうという手もあります。
     試験が始まったら、これも自分の得意な分野から解いていきます。苦手な分野は最後に回すか2番目にやるか、これは個人の好みですが、最初は得意分野のほうがいいと思います。

  3. 精神集中で力を出し切ろう
     スポーツでもそうですが、人間の集中力は馬鹿にできません。力を出し切るためには、雑念を捨てて試験問題に集中することが大切です。そのためには、前述しましたが直前のイメージトレーニングが有効です。イメージトレーニングには、試験開始とともにロケットスタートするための集中のほかに、不安感を抑制して力を出し切るために、試験前夜などに「問題がスラスラ解けている自分」をイメージするというのもあります。
     あがり症の人、わからない問題があったり予想と違う設問形式だったりすると頭が真っ白になってしまう人、焦ると頭の中がゴチャゴチャになってしまう人・・・・いろいろあると思います。それらの対策も人それぞれです。
     ちょっと、いくつかの例をあげてみたいと思います。あくまで例ですから、誰にでも適用できるものではありません。
     (わからない問題があったり、予想外の問題が出ると、すぐ頭が真っ白になってしまう人の例)
      (1) まず、配られた問題全部にざっと目を通す。ここではまだ書き出さない。
      (2) 真っ白になりそうな問題があったら、それは最後に回して、他の問題を全部終えてしまう。
      (3) 小休憩を入れる。お茶を飲み、しばらく外の風景を眺める。何も考えないようにし、ゆっくり深めに呼吸し、落ち着く。
      (4) 真っ白になりそうな問題に取り組む。わざと集中しない。ボヤーッと「眺める」つもりで問題を読み、ボヤーッと考える。
      (5) 解答の道筋が見えたと思った時、あるいはもう時間がない時、一気に集中する。一本の道筋に考えを集中し、脳みそを全部使って考える。
     (択一を解くとき、引っ掛けにかかりやすい、あるいは勘違いしやすい人の例)
      (1) 一度、全部解いてしまう。ただし答えは問題用紙に書いておく。答案用紙にはまだ何も書かない。
      (2) 「その答え、本当か?」と頭の中でしゃべりながら、第三者になったつもりで、全部の解答をチェックする。
     (長時間の試験を受けると、頭が疲れて集中力がなくなってしまう人の例)
      (1) 「第5問まで」というように目標を決めて、集中して取り組む。
      (2) 目標をクリアするたびに休憩を入れる。脳に血を送り込むイメージで、ゆったり呼吸して1〜2分休む。
      (3) (1)へ戻る。


  4. ラスト10分からマークシート記入
     ラスト10分になったら、問題に集中するのを一旦やめて、できた問題からマークシートに記入します。
     選択問題の場合、選んでいない問題のところにマークしないように十分注意しましょう。前のほうから選択すべき問題数だけマークが拾われて採点されるはずですので、不必要なマークが採点されて、最後のほうの解答マークが無視されてしまいます。
     マークはよほどはみ出たり余白が多いものでなければ採点されます。1ミリくらいはみ出ても平気ですし、余白が少しくらいあっても大丈夫です。そんなことより丁寧に記入しすぎて時間が足りなくなってしまうことのほうが恐ろしいです。

  5. ラスト5分は自信のない問題の解答
     マークしているとラスト5分近くなっていると思います。自信のなかった問題もマークしましょう。2者択一くらいに絞り込んであれば、エイヤで選んでしまいます。くどくど考えず、イメージで選んだほうがましです。とにかく時間がありません。どんどん決めていきましょう。

  6. ラスト1分はとにかく埋める
     ラスト1分になって、まだ所要解答問題数が埋まらない(わからない問題がある)時は、1/5の確率にかけましょう。空白なら確実に0点、何かマークしてあれば1点稼げる可能性はあります。「まるでわからない問題でも正解する可能性がある」、これがマークシート試験の特徴なのです。
     本当にヤマカンでもよし、前後のマークを見て、全体のバランスで決めてもよし、とにかく何か書きましょう

  7. 終わってもあきらめない
     終了の合図があっても、まだ終わってない人はあきらめてはいけません。はみ出しても何でもいいので、わからなかった問題に手当たり次第にマークしましょう。ただし、前述のように、ちゃんと答えた問題数を無効にしてしまうような数・場所にマークしてはいけません。
     1/5の確率が残っている間は、決してあきらめず、怒られるまでねばるつもりでがんばりましょう。

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5.試験が終わったら

 試験が終わったら、疲れているとは思いますがもうひとがんばりです。自分の記述解答の内容を整理しておきましょう。問題用紙は、どの問題・どの選択肢を選んだかがわかるようになっていますか?最後に焦りまくってやっていると、何の記録も残っていない時があります。記憶が残っているうちに、問題用紙に選んだ選択肢を○していきます。
 その作業が終ったら、試験は終了です。・・・・ご家族や大切な人たちに、試験で迷惑をかけていませんでしたか?感謝の気持ちを込めて家路につきましょう。本当にお疲れ様でした。
 二次試験の時と同じく、「基礎科目・専門科目・適性科目の正解を語る掲示板」を立ち上げる予定です。何とか翌日には立ち上げたいと思っていますので、またご覧になってください。

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