RCCM資格試験(H18年度)問題4−2 推定正解および解説は、臨時掲示板での議論を元に作成しました。
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= 土質及び基礎部門 =
問題と推定正解および解説 最終更新:2007.10.27

1. 地形に関する記述のうち、最も適切でないものをa〜d の中から選びなさい。

a. 自然堤防は帯状の微高地を形成する。
b. 扇状地の地表勾配は三角州平地より急勾配である。
c. 水田地帯では旧河道跡は不明な場合が大半である。
d. 潟湖の砂州部分では漂砂が多い。


推定正解:d
漂砂が少なく安定した箇所に砂州が形成されます。


2. 地盤調査・試験の目的と調査・試験方法の組み合わせで、適切でないものをa〜d の中から選びなさい。

a. 基礎掘削時の排水工検討・・・・・・・・・土の粒度試験
b. 土量変化率・・・・・・・・・・・・・・・土の密度試験
c. 地盤沈下・・・・・・・・・・・・・・・・揚水試験
d. トラフィカビリティー・・・・・・・・・・ポータブルコーン貫入試験


推定正解:c
揚水原因の地盤沈下予測は圧密試験のほうが重要です。


3. 土に関する記述のうち、最も適切でないものをa〜d の中から選びなさい。

a. 土中の水分量と土の性質の関係を示す指数をアッターベルグ限界という。
b. 土が半固体状態から固体状態に移るときの含水比を収縮限界という。
c. 土の液性限界は正規圧密領域の体積圧縮係数(mv)の推定式に用いられる。
d. 日本の海成粘土では液性指数wL>1のものが多く、練り返し強度は低い。


推定正解:c
mvではなくCc(圧縮係数)の推定に用いられます。


4. 切土のり面に関する記述で適切でないものをa〜d の中から選びなさい。

a. 切土のり面は、降雨、地震あるいは経年変化的な風化によって、徐々に不安定になって行く。
b. 切土のり面の有意な安定計算ができるのは、均一な土砂などを除きほとんどないと考えてよい。
c. 切土のり面勾配は、土工面から経験的に決定するのが一般的である。
d. 切土のり面勾配の標準値の範囲は、盛土のり面勾配のそれより狭い。


推定正解:d
土工指針に示されている標準値は以下の範囲です。
切土:0.3割〜1.5割の範囲
盛土:1.5割〜2.0割の範囲



5. 表は、「道路土工−のり面工・斜面安定工指針」の盛土材料および盛土高に対する標準のり面勾配を示したものであるが、 [C]に当てはまるものとして正しいものをa〜d の中から選びなさい。

盛土材料 盛土高 勾配 摘要
[@] 5m 以下 1:1.5〜1:1.8 基礎地盤の支持力
が十分にあり、浸水
の影響がない盛土
に摘要する。

標準のり面勾配の
範囲外の場合は安
定計算を行う。
5〜15m 1:1.8〜1:2.0
粒度の悪い砂 10m 以下 1:1.8〜1:2.0
[A] 10m 以下 1:1.5〜1:1.8
10〜20m 1:1.8〜1:2.0
[B] 5m 以下 1:1.5〜1:1.8
5〜10m 1:1.8〜1:2.0
[C] 5m 以下 1:1.8〜1:2.0

a. 粒度の良い砂(S)
b. 砂質土(SF)
c. 岩塊(ずりを含む)
d. 火山灰質粘性土(V)


推定正解:d


6. 軟弱地盤対策工の適用に関する次の記述のうち、最も不適切なものをa〜d の中から選びなさい。

a. 深層混合処理工法は、沈下対策、安定性の向上のいずれにも効果がある。
b. 掘削置換工法は、液状化対策が主たる目的である。
c. 締め固め工法は、工法によっては適用できる土質が限定される。
d. 地盤の乱れが生じる可能性のある場合には、工法に関する事前検討が重要である。


推定正解:b
主たる目的はせん断強度増加によるすべり破壊抵抗の増加です。


7. 残留沈下に関する記述のうち、最も適切でないものをa〜d の中から選びなさい。

a. 腐植土地盤では二次圧密による残留沈下の割合が大きい。
b. 軟弱地盤上の盛土の長期残留沈下対策として段階載荷工法が採用される。
c. 残留沈下量の予測法として載荷後の時間(log t)〜沈下量(S)関係が用いられる。
d. 道路一般盛土部では特別な残留沈下対策は取られず、補修作業で対応されることが多い。


推定正解:b
段階載荷ではなく、プレロード・サーチャージで対策します。


8. 土は圧密されることにより密度を増し、その強度が増加するが、下表は「道路土工−軟弱地盤対策工指針」に示す一般的な強度増加率を示したものである。 [@]に当てはまるものをa〜d の中から選びなさい。

土 質 強度増加率m
粘性土 0.30〜0.45
シルト [@]
有機質土及び黒泥 0.30〜0.35
ピート 0.35〜0.50

a. 0.15〜0.45
b. 0.25〜0.40
c. 0.30〜0.35
d. 0.30〜0.50


推定正解:b
道路土工−軟弱地盤対策工指針p.35


9. 土留め工法に関する記述として、適切なものを全て選んだ場合の組み合わせをa〜d の中から選びなさい。

@地下連続壁工法は止水性に優れ、騒音振動が少ないが、地下水流速が3m/分以上の場合は適合性が低い。
Aモルタル柱列壁はオーバーラップ施工の場合、比較的遮水性に優れている。
B親杭横矢板工法は施工が比較的容易であるが、止水性がないため、必要に応じて地下水低下工法などの検討を行う。
C鋼矢板壁工法(自立式)は比較的たわみやすく、近接施工時には壁体の変形に留意する必要がある。

a. @、A、B、C
b. @、A
c. A、B、C
d. B、C


推定正解:c?


10. 土留め、掘削工事に伴う安定の検討に関する事項の組み合わせで、最も適切でないものをa〜d の中から選びなさい。

a. 飽和した砂地盤の掘削・・・・・・・・・・・・ボイリング
b. 砂れき層に支持される中掘杭の施工・・・・・・ボイリング
c. 粘性土地盤の深い掘削・・・・・・・・・・・・盤膨れ
d. 不均質な砂地盤の掘削・・・・・・・・・・・・ヒービング


推定正解:d
ヒービングではなくボイリング


11. 土留め工の計測管理・情報化施工に関する記述のうち、最も不適切なものをa〜d の中から選びなさい。

a. 計測管理・情報化施工を行えば、事前の土質調査および試験は簡略化できる。
b. 計測結果から現状解析を行い、その分析結果を用いて次段階の挙動を予測するべきである。
c. 計測管理の目的は、設計段階での不確実性を補い、安全で経済的な施工をおこなうことである。
d. 管理基準値は地盤条件や被害の大きさ、周辺環境、対象構造物の特性などによって、工事毎に設定する。


推定正解:a
情報化施工と事前調査簡略化は別問題です。またしっかりした調査・試験がなければ情報化施工をしても意味がありません。


12. 擁壁の設計方法について、誤っているものをa〜d の中から選びなさい。

a. 転倒に対する照査法として荷重合力の底版中央からの偏心距離eによる方法と、転倒モーメントと抵抗モーメントの比による方法とがある。
b. ブロック積み擁壁は示力線による設計法もあるが、一般には経験的に設計されている。
c. 重力式擁壁は土圧と自重の合力により、躯体断面に引張り応力を生じないように設計するのが一般的である。
d. 補強土擁壁には種々のものがあるが、設計用土圧は試行くさび法で統一されている。


推定正解:d
工法によりクーロンも使います。統一されてはいません。


13. 土圧に関する記述のうち、最も適切でないものをa〜d の中から選びなさい。

a. 主働土圧は静止土圧より大きい。
b. 土圧の大きさは土の種類、構造物の剛性によって変化する。
c. 静止土圧とは構造物が変位しない状態で地盤と平衡状態にあるときの土圧である。
d. 主働土圧とは構造物が地盤から離れる方向に変位したときの土圧が一定値になった値である。


推定正解:a


14. 杭基礎に関する記述として、最も適切でないものをa〜d の中から選びなさい。

a. 鋼管杭の腐食減厚は、一般に鋼管の外面、内面について考慮する。
b. 杭に作用するネガティブフリクションは圧密沈下する層以浅の全層にわたって考慮する。
c. 群杭は、杭1本あたりの水平抵抗力が単杭の場合に比べて小さくなる。
d. 杭は長期の持続荷重に対して、できるだけ均等な荷重を受けるよう配列する。


推定正解:a
道示WP424(2)2)〜「鋼管の内面については考慮しなくてもよい」


15. 「道路橋示方書・同解説」における基礎の耐震設計に関する下線の説明文に当てはまるものをa〜d の中から選びなさい。
塑性化を考慮する部材と塑性化を生じさせない部材を明確に区別し、地震時において塑性化を考慮した部材のみに塑性化を生じさせる設計法

a. キャパシティデザイン
b. 性能設計
c. 限界状態設計法
d. 信頼性設計法


推定正解:c
道示XP.30(1)〜限界状態の設定法〜


16. 直接基礎の鉛直支持力度に関する記述のうち、間違っているものをa〜d の中から選びなさい。

a. 荷重が偏心載荷されている場合、偏心のない場合に比べて極限支持力度は小さくなる。
b. 基礎幅が大きいほど寸法効果の影響を受けて、極限支持力度は大きくなる。
c. 荷重の傾斜角が小さい(傾斜が少ない)ほど、極限支持力度は大きくなる。
d. 基礎幅が同じ場合、正方形基礎と帯状基礎では正方形基礎のほうが極限支持力度は大きい。


推定正解:d


17. 基礎に関する記述で、適切なものをa〜d の中から選びなさい。

a. 多柱式基礎は従来のケーソン基礎の代替として開発された基礎であり、ケーソン工法の一種である。
b. 設置式ケーソン基礎は一般的に浅い基礎として分類され、設計法は直接基礎に準じている。
c. 鋼管矢板井筒基礎は立ち上がり方式の採用事例が最も多い。
d. 連続地中壁基礎の設計計算モデルは剛体基礎として取り扱うのが一般的である。


推定正解:b?


18. 地震時液状化の懸念の最も少ないものをa〜d の中から選びなさい。

a. 軟弱地盤上の盛土下部サンドマット
b. 高盛土部のサンドコンパクションパイル
c. 下水道マンホール周辺充填砂
d. 矢板護岸で採用された置換工法砂


推定正解:b


19. 以下の説明文で適切でないものをa〜d の中から選びなさい。

a. レベル2 地震動は、発生確率が低いが大きな地震動である。
b. プレート型の地震動は、大きな振幅が長時間繰り返して作用する。
c. 軟弱地盤が厚いところでは、短周期の波が卓越した地震動の方が揺れが大きい。
d. 低塑性のシルトでも液状化の可能性がある。


推定正解:c
短周期ではなく長周期


20. 「道路橋示方書・同解説」の地震時に不安定となる地盤に関する記述のうち適切でないものをa〜d の中から選びなさい。

a. 一般に、一軸圧縮強度が20kN/u以下の粘性土およびシルト質土は、地震時に基礎を有効に支持する効果は期待できない。
b. 液状化強度は、緩い砂層は急激に変形が大きくなるが、密な砂層は徐々に変形が進むので、ある一定のひずみと繰り返し回数を規定し求めることが多い。
c. 臨海部において、背後地盤と前面の水位との高低差が5m 以上ある護岸によって形成された水際線から100m 以内にある地盤は、流動化が生じる可能性のある地盤である。この条件は、液状化対象層が無くても検討する必要がある。
d. 地震による地盤の流動化は、液状化と流動化には時間のずれがあり、地震動の主要動の部分が終わってから発生すると考えられており、流動化の影響と慣性力は同時に考慮しなくてよい。


推定正解:c
液状化対象層がなければ検討不要