RCCM資格試験(H18年度)問題4−2 推定正解および解説は、臨時掲示板での議論を元に作成しました。
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= 河川、砂防及び海岸・海洋部門 =
問題と推定正解および解説 最終更新:2007.10.25

1. 流域平均雨量の算定に関係しない手法を、a〜d のなかから選びなさい。

a. ティーセン法
b. 算術平均法
c. 等雨量線法
d. 比流量法


推定正解:d
河川砂防技術基準調査編 にa〜cの記述があります


2. ダム設計洪水流量に関する記述のうち、誤っているものをa〜d のなかから選びなさい。

a. ダム設計洪水流量は、ダム地点の洪水に関して、ダムの安全性を確保するために定められた最大の基本量である。
b. コンクリートダムのダム設計洪水量は、ダム地点において1/200 の洪水流量、過去発生した最大の洪水流量、地域別比流量図から算出される流量のうちいずれか大きい流量とする。
c. フィルダムのダム設計洪水流量は、コンクリートダムの1.5 倍の流量とする。
d. ダム設計洪水流量は、洪水吐きの流下能力を決定するために用いられる。


推定正解:c
1.2倍


3. 治水経済調査に関する記述のうち、誤っているものをa〜d のなかから選びなさい。

a. 氾濫原のブロック分割は、氾濫形態のほかに支川、山付き、実績洪水による浸水範囲等に基づいて行う。
b. ブロック毎に、被害最大となる地点で越水・破堤させて、浸水域及び浸水深を算定する。
c. 被害額は、直接被害だけでなく間接被害も算定する。
d. 費用は、治水事業着手から完成までの総建設費のみを対象とする。


推定正解:d
「のみ」ではない


4. 維持流量に関する記述うち、誤っているものをa〜d のなかから選びなさい。

a. 流水の清潔の保持に必要な流量の検討に際しては、まず流域における流出負荷量の削減を進めることも重要である。
b. 塩害の防止からの必要流量は、林業や生態系への直接的な影響を避けるために一定の流量を確保することを目的とする。
c. 河口閉塞が恒常化していたり、それが予想されるような河川では、一定流量の確保が必要である。
d. 景観からの必要流量は、視覚的な満足感を得られるような流量を保つことが目的である。


推定正解:d?


5. 整備・保全すべき海岸の環境機能に関する記述のうち、誤っているものをa〜d のなかから選びなさい。

a. 生物の生息、産卵、保育空間としての機能
b. 生物的、物理的土砂浄化機能
c. 肉体的・精神的健康増進機能
d. 環境教育空間としての機能


推定正解:c
肉体的?


6. 総合土砂管理に関する記述のうち、誤っているものをa〜d のなかから選びなさい。

a. 総合的な土砂管理における空間的な連続性とは、河川の上流から下流方向の縦断的な空間のみを対象にする。
b. 洪水時における土砂移動のみならず、非洪水時の土砂移動も含めて時間的な連続性を考慮する必要がある。
c. 土砂の量のみならず、粒径分布も土砂管理の重要な要素である。
d. 土砂の移動外力の中心は流水である。したがって、土砂管理を行う上で、河川の流況特性の検討も必要である。


推定正解:a
縦断的空間のみ?


7. 高規格堤防に関する記述うち、誤っているものをa〜d のなかから選びなさい。

a. 高規格堤防は、超過洪水に対しても破堤しない構造の堤防である。
b. 高規格堤防の高さは、河川管理施設等構造令に規定する堤防の高さとする。
c. 高規格堤防設置区間に合流する支川等の背水区間では、本川と同様の構造を有する必要はない。
d. 高規格堤防は通常の土地利用を前提に整備されることから、沿川の地域整備との調整が必要である。


推定正解:c
「河川管理施設等構造令」に背水区間を含めた区間 とあります


8. 堤防設計における浸透に対する安全性の照査に関する記述のうち、誤っているものをa〜d のなかから選びなさい。

a. 土堤を原則としている河川堤防は、土粒子間の間隙に水が満たされると間隙水圧が増加し、土のせん断強度が低下するため、堤防の安全性が低下する。
b. 浸透水の動水勾配が大きくなると浸透力により土粒子が移動してパイピングを発生させ、堤防の安全性を低下させる場合がある。
c. 浸透に対する堤防の安全性の評価にあたっては、外力として浸透力と掃流力を考慮する。
d. 浸透に対する堤防の安全性の照査は、のり面のすべり破壊と基礎地盤のパイピングについて行うものとする。


推定正解:c
外力は、外水位と降雨量(河川砂防技術基準 設計編T p16)


9. 河川環境の保全・創出を目的として水制工を設置する際の配慮事項として、誤っているものをa〜d のなかから選びなさい。

a. 水の流れに変化を与えることにより、水中生物のための多様な環境を作る。
b. 洪水時の魚の避難空間を形成する。
c. 多孔質な材料(石材、篭工)を用いた水制を工夫する。
d. 木材は水面付近で腐りやすいので、原則として使用しない。


推定正解:d
木工沈床や聖牛も使用する


10. 床止め設計の護床工に関する記述のうち、誤っているものをa〜d のなかから選びなさい。

a. 護床工は原則として屈とう性を有する構造として設計する。
b. 床止め上流側は整流に近い状態になるので、一般に護床工は設置しない。
c. 床止め下流側の護床工の長さは、水叩き下流で生じる跳水の発生により激しく流水が減勢される区間(護床工A)と、その下流の整流区間(護床工B)に分けて求める。
d. 護床工が長く算定される場合は、エンドシル、バッフルピア、段上がりなどの補助構造物により、強制的に跳水を発生させエネルギーを減勢する方法がある。


推定正解:b
上流にも必要なはず


11. 堰や水門の設計に用いる地震時の荷重に関する記述のうち、誤っているものをa〜d のなかから選びなさい。

a. 地震時慣性力は、水平方向についてのみ考慮する。
b. 標準設計震度は、0.18 とする。
c. 設計震度を求める際は、強震帯、中震帯、弱震帯の各地域区分に対応した補正係数を考慮する。
d. 地震時慣性力と計画高水時における水圧は、同時に作用しないものとする。


推定正解:b
K0=0.2 砂防基準 P-76


12. 樋門(樋管)の本体構造に関する記述のうち、誤っているものをa〜d のなかから選びなさい。

a. 門柱部の戸当りは取りはずし可能な方式とし、ゲートが取りはずせるようにする。
b. しゃ水壁は函渠と一体の構造とし、その幅は原則として1.0m以上とする。なお、背後地が高い場合等においては、しゃ水壁を設けなくてもよい。
c. 胸壁は本体と一体構造として、樋門(樋管)の川表に設ける。川裏は原則として胸壁を省略し、接続する支川を樋門(樋管)本体に直接接続する。
d. 翼壁は本体と分離させた構造とするが、その継手は可とう継手あるいは可とう性のある止水板および伸縮材を使用し、構造上の変位が生じても水密性を確保するものとする。


推定正解:c
河川砂防技術基準 設計編p95


13. 樋門(樋管)の最小断面は『河川管理施設等構造令』で規定されているが、以下の文の四角にあてはまる正しいものをa〜d のなかから選びなさい。
「堆積土砂等の排除に支障のない樋管の断面としては、基本的には内径1m以上でなければならない。ただし、樋管の長さが5m未満であって、かつ、堤内地盤高が計画高水位より高い場合においては、[ ]まで小さくすることができる」

a. 管内流速が2m/s になる
b. 管内流速が3m/s になる
c. 内径30cm
d. 内径60cm


推定正解:c
河川管理構造令の中に、上記文書の通達の記述が有、内径30cm


14. 堤防の盛土材に使用する土の選定基準として、誤っているものをa〜d のなかから選びなさい。

a. 浸潤、乾燥等の環境変化に対して安定している
b. 土質改良を施している
c. 腐食土等の高有機質分を含む
d. 施工時の締め固めが容易である


推定正解:c
河川砂防技術基準の堤体材料は、腐植土等の高有機質分を含まない


15. 谷次数をHorton の則で算出する場合の記述として、正しいものをa〜d のなかから選びなさい。
n次谷と(n+1)次谷が合流した場合の谷次数は、

a. (2n+1)
b. (n)
c. (n+1)
d. (n+2)


推定正解:c
(Horton則)・・・同じ次数同士が合流して(n+1)次谷となる。たとえば、3次谷に1次谷や2次谷が合流しても3次谷のままだが、3次谷が合流すると4次谷となる


16. 「土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律」に関する記述のうち、誤っているものをa〜d のなかから選びなさい。

a. ハード対策としての法律ではなく、国土交通大臣による警戒避難体制の整備等ソフト対策を推進するための法律である。
b. 従来の災害の原因などが発生する区域に着目したものでなく、被害を受ける区域に着目した法律である。
c. 都道府県知事による開発許可制度や建築確認制度とも連携した総合的な法律である。
d. 行政の知らせる努力と住民の知る努力が相乗的に働くことを期待した法律である。


推定正解:a
市町村防災会議(市町村防災会議を設置しない市町村にあっては、当該市町村の長。以下同じ。)は、警戒区域の指定があったときは、市町村地域防災計画(災害対策基本法 (昭和三十六年法律第二百二十三号)による市町村地域防災計画をいう。)において、当該警戒区域ごとに、土砂災害に関する情報の収集及び伝達、予報又は警報の発令及び伝達、避難、救助その他当該警戒区域における土砂災害を防止するために必要な警戒避難体制に関する事項について定めるものとする


17. 透過型砂防えん堤の機能に関して、誤っているものをa〜d のなかから選びなさい。

a. 土石流を捕捉する(土石流の停止、堆積)。
b. 渓床勾配を緩和して、縦横侵食を防止する。
c. 流砂系の連続性を確保する。
d. 生態系の連続性を確保する。


推定正解:b?


18. 重力式砂防えん堤の安定条件に関して、誤っているものをa〜d のなかから選びなさい。

a. 堤底と基礎地盤内との間及び基礎地盤内で滑動を起こさないこと。
b. えん堤内に生じる最大応力度が、材料の許容応力度を超えないこと。
c. えん堤の自重及び外力の合力の作用線が堤底の中央2/3以内に入ること。
d. 地盤の受ける最大圧力が、地盤の許容支持応力度以内であること。


推定正解:c
中央1/3


19. 地すべりのすべり面調査手法に関して、誤っているものをa〜d のなかから選びなさい。

a. ボーリングコア観察による判定
b. 地中歪計による方法
c. 縦型伸縮計による方法
d. 地盤伸縮計による方法


推定正解:d
地中変位はわからないので、すべり冠頭部や末端部の位置や変位量はわかってもすべり面の位置はわからない

20. 急傾斜対策工で用いられる擁壁工に関して、誤っているものをa〜d のなかから選びなさい。

a. 擁壁工は、斜面崩壊を抑止し、または、崩壊土砂による被害を防止する構造となるよう設計する。
b. コンクリート枠擁壁の特徴は、斜面で直接に崩壊を抑止することが困難な場合、擁壁を斜面下部(脚部)から離して設置し、崩壊土砂を遮断するものである。
c. 重力式コンクリート擁壁工は、小規模な斜面崩壊を直接抑止するほか、押さえ盛土の安定、法面保護工の基礎等として用いられる。
d. もたれ式コンクリート擁壁工は、比較的良好な地山で用いられ、崩壊を比較的小さな壁体で抑止できる。


推定正解:b
a,c,dは河川砂防技術基準にあります