問題3:選択記述 〜業務管理能力を問う問題〜
最終更新:2010.08.03

    1.問題の内容
    2.出題傾向
    3.22年度問題の対策
    4.記述上の注意・留意点

        ◆各重要テーマの詳細な解説と合格論文例は書籍「RCCM合格法」に掲載しています。
2010年度版は10月初旬刊行です。こちら
        ◆20年度問題3問分の答案例をオンライン配布テキスト「RCCM試験突破マニュアル」に掲載しています。こちら

1.問題の内容

  • 業務計画(プロポーザル含む)・技術向上への取組み・品質確保・コスト縮減等の社会ニーズといったものへの意識と対応、管理能力が問われます。
  • 問題2・問題4ともで13:10〜17:15(4時間05分) ※問題4に専門問題が追加されたため、平成16年度より試験時間が30分延長されました
  • 1,600字以内の記述問題 (25字×32行=800字:2枚)
  • ウェイト:推定20〜30%
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2.出題傾向

最近6年間の出題内容を整理してみました。
年度 問題の内容
H16 コスト縮減
@公共事業の建設コスト縮減のために建設コンサルタントの果たすべき役割
A公共事業のトータルコスト縮減をはかるため、調査・計画・設計において留意すべき事項
アカウンタビリティ
@公共事業に関するアカウンタビリティが求められている社会的背景
Aアカウンタビリティ向上のために、建設コンサルタントの果たすべき役割
プロポーザル
@建設コンサルタント業務の選定方式の1つであるプロポーザル方式の意義
Aプロポ−ザルを作成する時に留意すべき事項を3点挙げて説明
H17 コスト縮減
@公共事業の建設コスト縮減のために建設コンサルタントの果たすべき役割
A公共事業のトータルコスト縮減をはかるため、調査・計画・設計における創意・工夫の考え方について3点挙げて説明
アカウンタビリティ
@公共事業に関するアカウンタビリティが求められている社会的背景
Aアカウンタビリティ向上のために、建設コンサルタントの果たすべき役割
品質確保(ミス防止)
@業務の着手前、実施中および完了直前の3段階に分けて、それぞれチェックすべき項目とその内容
A最近実施した業務についてチェックの結果防止されたミスの、チェック方法、ミス内容、補修実施
H18 公共事業評価
@社会資本整備における公共事業評価の意義と建設コンサルタントの役割
A事前評価、再評価、事後評価の3 段階それぞれの評価視点
プロポーザル
@建設コンサルタント業務の選定方式の1つであるプロポーザル方式の意義
Aプロポ−ザルを作成する時に留意すべき事項
品質確保(ミス防止)
@ミス発生防止の留意点を3点挙げ説明
Aチェックシステムの体制と実施すべき事項について
H19
公共事業評価
@社会資本整備における公共事業評価の意義と建設コンサルタントの役割
A事前評価、再評価、事後評価の3 段階それぞれの評価視点
総合評価方式
@総合評価落札方式の概要と公共調達において着目されている背景
A建設コンサルタント業務に総合評価落札方式を導入する意義と課題
品質確保(ミス防止)
@業務の着手前、実施中および完了直前の3段階に分けて、それぞれチェックすべき項目とその内容
A最近実施した業務についてチェックの結果防止されたミスの、チェック方法、ミス内容、補修実施
H20
現場条件や施工に適合した設計
@建設コンサルタント技術者として、技術力向上のために必要な事項、方策
A発注方式も含めて、制度、システムとして必要な事項、方策の提案
総合評価方式
@総合評価落札方式の概要と公共調達において着目されている背景
A建設コンサルタント業務に総合評価落札方式を導入する意義と課題
職業倫理
@職業倫理が求められる背景、建コンとして遵守すべき倫理3 つ
A業務実施上で想定される・見聞きしている職業倫理上課題・対応

H21
アカウンタビリティ
@公共事業に関するアカウンタビリティが求められている社会的背景
Aアカウンタビリティ向上のために、建コンの果たすべき役割
プロポーザル
@建コン業務選定方式の1つであるプロポ方式の意義
Aプロポ作成時に留意すべき事項3点
品質確保
@価格競争と品質確保について考え方
A品質向上への取り組みについて意見
出題テーマは、1テーマが3年程度連続して(内容もほとんど同じで)、3問中1問は前年度と同じ(3問中1問のみ新しい問題)、という状態で出題されてきました。

ところが18年度
 ・新顔問題(公共事業評価)
 ・過去に出されていたものが復活した問題(プロポ)
 ・前年度と同じだが問題内容を変えた(以前の出題内容に戻した)問題(品質確保)
の3問となりました。3問とも変わってしまったというわけではないですが、「この問題は昨年と同じものが出る」と決め打ちして、答案文章丸暗記で臨んだ人には痛かったのではないかと思います。

19年度は2問が継続したものの、プロポーザルは1年で消え、総合評価方式になりました。(総合評価落札方式はプロポーザルとほぼ同じですからこれを1種類と考えればそうでもないのですが)

20年度は、品質確保が消えたのは「法則」通りなのですが、公共事業評価も2年で消えて、総合評価方式のみが継続しました。そして現場条件・施工に適合した設計が5年ぶりに復活し、新顔として職業倫理が入ってきました。

21年度は前年度と同じ問題がなくなりました。ただし、いずれも「新顔」ではなく、過年度と同じ出題分野でした。このうちアカウンタビリティとプロポーザルは設問内容も過年度と同じですが、品質確保は設問内容が新しくなりました。
このように出題内容は18年度以前に比べるとワンパターンではなくなってきていますが、基本的には4分野(効率的な公共投資、設計品質確保、入札・契約方式、合意形成)に倫理を加えた、限られたテーマの中でぐるぐる回っているという状況は変わっていないと判断できます。
ただ、「3問中2問までは昨年度と同じ」ということではなくなってきているので、「1問しか準備していない」のは論外、2問程度にヤマをはるのも危険という感じになってきています。
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3.22年度問題の対策

勉強しておいたほうがいいと思われるテーマを重要度順に示すと、以下のようになると思われます。

順位 出題内容 参考となる答案例等
@ 公共事業評価・政策評価
「RCCM合格法」
(掲載頁未定、10月初旬刊行予定)
A プロポーザル・総合評価方式
B アカウンタビリティ
C 品質確保・業務評定
D コスト構造改革・構造改善
E 現場に適合した設計 「RCCM試験突破マニュアル」p.18
F 職業倫理 「RCCM試験突破マニュアル」p.24
G 民間活力導入

以下、総合評価落札方式、公共事業評価、アカウンタビリティについて、ポイントのみ整理しておきます。

  • 総合評価落札方式
    • 総合評価型落札方式とは
      従来の価格競争型競争入札においては、最も安い入札価格を提案した業者が落札者となりましたが、総合評価方式は、入札価格だけでなく、価格以外の評価要素(技術力)も加えた総合的な評価で、最も高い総合評価を得た業者が落札者となる方法です。
      ここにいう「技術力」は、橋やトンネルなどの構造物の強度や耐久性といった性能・機能に関する事項のほかに、環境配慮や安全対策・生活道路の交通確保など施工に伴う住民の不便の最小化・省資源対策・リサイクル対策などの社会的要請にかかわる様々なメリットが含まれます。
      また価格には、補償費やサイフサイクルコスト低減などのメリットも「その他コスト」として評価対象となります。
      そしてこのような評価項目の中から、周辺住民やインフラ利用者にとってメリットのある項目を選び、評価項目とします。
      評価は、価格以外の評価項目での得点を価格で除した値を「評価値」とし、これが最も高い業者が落札者となります。
    • 建設コンサルタント業務における総合評価型落札方式
      総合評価型落札方式は公共事業のうち工事についてはすでに導入されており、そのシステムは「公共工事における総合評価方式活用ガイドライン」(H17.9)にまとめられています。ここでは、技術的な工夫の余地の大きさ、求める技術提案の高度さにより、簡易型、標準型、高度技術提案型の3種類に分けられ、標準型・高度技術提案型では技術提案の改善を求め、さらに高度技術提案型ではその後に予定価格を作成します。
      建設コンサルタント業務については、国交省は平成19年度から「設計コンサルタント業務等成果の向上に関する懇談会」において検討してきており、試行を経て導入が始まっています。
      この懇談会においては、プロポーザルと総合評価、価格競争を以下のように位置づけており、総合評価はプロポーザルと価格競争の中間に位置します。
      • 価格競争方式:業務実施手順や積算基準が明瞭である業務
      • プロポーザル方式:高い知識や構想力・応用力が必要とされるため、発注者側において、適正な品質を担保するためには、事前に受注者の技術力を審査する必要がある業務
      • 総合評価型落札方式:高い知識や構想力・応用力が必要であるが、業務実施手順や積算基準が明瞭である業務

  • 公共事業評価
    • 政策評価方式は事前評価、事後評価、プログラム評価
    • 事業評価は新規採択時評価(事前評価)、再評価、完了後事後評価の3つで、事前評価は事業採択箇所決定、再評価は事業継続決定、事後評価は改善資料として評価結果を活用
    • 再評価は、事業採択後5年経過未着工・採択後10年経過継続中などが対象
    • 評価手法は5つ+1
       @代替法:他の市場財、被害額等に代えて効果を評価
       Aコンジョイント分析:想定可能な代替案についてアンケートで評価
       Bヘドニック法:事業に伴う地価や賃金の上昇で評価
       C仮想市場法(CVM):支払意思額を回答するアンケートで評価
       Dトラベルコスト法(TCM):施設利用者の旅費により評価
       E消費者余剰法:消費者需要>コストの程度で評価

  • アカウンタビリティ
    • 公共責任の説明責任(アカウンタビリティ)向上指針(H11.2建設省)
      a)行動指針の背景と目的
      公共事業に対し、発注システムや大規模プロジェクトの必要性等、国民の批判が大きい。
      公共事業の入札・契約手続の改善、公共工事コスト縮減、事業評価等で対応しているが、いまだ
      ・深刻な不信感が醸成。
      ・国民の理解を得ながら社会資本整備を進めていく努力が必要。
      b)行動指針の対象
      国交省直轄事業、公団施行事業、補助事業(建設省関与分:事業採択等)
      c)具体的措置(アカウンタビリティ向上の考え方)
      @情報の共有化とコミュニケーションの推進
      公共事業情報の量と質を向上させインターネットや情報データベースで積極的に公開する。
      A社会資本に関する論点の明確化と臨機の対応
      基本的考え・実施上の課題を明確に示して意見交換する。また社会条件の変化に迅速・的確に対応する。
      Bすべてのプロセスにおける評価の明確化
      政策企画・事業採択・実施・完成後の各段階で評価を充実させる。
      C公共調達の不断の改革継続
      入札契約制度改革,コスト縮減等の施策を継続的に推進する。
    • 「公共工事のアカウンタビリティを考える懇談会」の提言(H14)
      a)なぜアカウンタビリティか
      質的目標達成、環境回復策、住民参加手法、地方分権在民社会、地域独自計画、不特定多数との合意形成
      b)これまでの問題点
      建設行政に対する不信感、情報公開不足、メディア対策
      c)今後のあり方/基本姿勢
      積極的で正確な情報公開
      d)今後のあり方/アカウンタビリティ向上の手法について(対象範囲)
      計画段階からのアカウンタビリティ、ステークホルダー分析、対象多様化(女性など)、合意形成のための中間層支援
      e)今後のあり方/アカウンタビリティ向上の手法について(情報内容)
      わかりやすい表現、具体的な夢や構想を明確に提示、政策全体視点、デメリットへの自己責任、推進の論理、提案型情報など
      f)今後のあり方/アカウンタビリティ向上の手法について(情報の出し方)
      メディア特性に合った情報、IT活用、コミュニケーションスキルを磨くなど
      g)今後のあり方/組織について
      コミュニケーション組織一元化、論客育成、言葉のセンス
      h)今後のあり方/費用と効果の考え方について
      広報PR費も事業費の一部、時間的費用、円滑な合意形成はトータルコスト低減に資する、広報宣伝費必要
      i)これからの国土交通省
      従来思考からの脱却、柔軟な目標設定、プロセスガラス張りで不信感払拭、行政枠越えた連携、サービスの基本、主権在民と行政主体性
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4.記述上の注意・留意点

  1. 問題1と同様、とにかく読みやすい文章を書く。

  2. インデントや箇条書きを使う(行数をかせぐ)。
    たとえば設計VEのように「いくつかある構成要素」を覚えておくと、
     (1)***VE
      ○○○…
     (2)***VE
      △△△…
    というように行数をかせげる。また読みやすくなる(読みにくいと点数がガタッと落ちる)。

  3. 一旦文章構成(アウトライン)を下書きすると全体構成バランスがとれる。
    できればいくつかの例題に対して文章を作って、覚えておく。

  4. 途中で思いついたエピソードは入れない(構成が崩れやすい)。

  5. 誤字・脱字は減点対象になる可能性があるので、漢字がわからなければ他の言葉に変えるなどする。

  6. 長文は読みやすければかまわないが、主語と述語のねじれなど、構文エラーや読みにくさにつながりやすいので、避けたほうがよい。

  7. 最後に1行使って、右寄せで「以上」と書く。
    ひとつのルールですが、必須ではありません。
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