問題3:選択記述
最終更新:2016.07.13

    1.問題の内容
    2.出題傾向
    3.今年度問題の対策
    4.記述上の注意・留意点

1.問題の内容

  • 業務計画(プロポーザル含む)・技術向上への取組み・品質確保・コスト縮減等の社会ニーズといったものへの意識と対応、管理能力が問われます。
  • 問題2・問題4ともで13:10〜16:45(3時間35分)
  • 1,600字以内の記述問題 (25字×32行=800字:2枚)
  • ウェイト:推定20〜30%
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2.出題傾向

出題テーマとしては、かつては管理に関する問題が主で、入札契約や業務適正管理に関する問題が繰り返し出題されてきました。その後、倫理やインフラ維持管理など出題の幅が広がっていき、平成27年度には全問がインフラ整備問題になってしまいました。昨年度のセミナーテキストでインフラ整備施策等の要注意テーマに「PFIを主に、防災減災・担い手育成などの重要施策、アカウンタビリティや公共事業評価等の既往問題」と申し上げていたのですが、その「重要施策」が出題されたわけです。
RCCMはもととも管理技術者の資格ですから、品質確保などの管理能力を確認する問題があったのは当然なのですが、平成22年の制度改定以降、技術士の補助ではなく独立した資格としてのステイタスを向上させようという建設コンサルタンツ協会の意図が徐々に試験問題にも現われてきました。そして技術士試験のようなインフラ整備・施策のあり方に関する認識を問う問題が表舞台に出てきたのだろうと思います。

ジャンル テーマ H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27
@入札契約 プロポーザル                  
総合評価方式                
発注方式全般                    
A業務適正管理 品質確保・向上        
現場に適合した設計                  
BRCCM・建コンのあり方 倫理・コンプライアンス              
CPD                  
情報管理                    
Cインフラ整備施策等    コスト縮減                    
公共事業評価                  
PFI                  
維持管理                  
アカウンタビリティ                  
防災・減災                    
人材確保・育成                    

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3.今年度問題の対策

前述のように、RCCMを技術士の補助ではなく独立した資格として、そのステイタスを向上させようという建設コンサルタンツ協会の意図が試験問題にも現われ、技術士試験のようなインフラ整備・施策のあり方に関する認識を問う問題が表舞台に出てきたのであれば、今後もインフラ整備問題が続く可能性が一番高いと思われますが、管理問題がまた混じるようになる可能性も否定できません。
すなわち受験対策は、@インフラ整備問題の準備、A管理問題というように優先順位を付けて準備しておくことが適切だろうと思います。
なお、用語指定(6つの中から4つを選んで使う)は継続するものと予想されます。


(1) インフラ整備問題対策

建設コンサルタントにとってのインフラ整備に関わる主要テーマは、以下の8つくらいです。
@災害(防災&減災)
A人材確保・育成
B省人化・省力化
C老朽化インフラの維持管理(予防保全)
D地域づくり(コンパクト+ネットワーク)
EPFI
F環境保全
G観光立国
この中でも特に@〜C、人口減少社会の中での人材確保・育成や省人化・省力化、想定外外力に対する防災・減災、老朽化インフラの維持管理の4つで、このうち3つはすでに27年度に出ています。
このことと、たとえば維持管理は26年度と27年度連続で、しかしキーワードを変えて出題されていたことを考え合わせると、以下のような対策が妥当であろうと思います。

  • 防災減災、人材確保・育成、省人化・省力化をメインに準備する
  • 続いて地域づくり、維持管理について準備
  • さらに余裕があれば、観光立国、低炭素都市づくりについて準備

以下にテーマごとのポイントをまとめます。

  1. 防災・減災
    • 気象変動の中で、かつてなかったような巨大災害が発生するようになった。
    • バックビルディング現象に伴う継続的局所的豪雨などに伴い、水災害や土砂災害において想定外外力が作用するようになり、従来の防災インフラだけで国民の安全安心は守り切れない
    • そこで、防災と減災を組み合わせ、またハードソフトベストミックスにより国民の命を守り、経済性ダメージをできるだけ軽減することが必要
    • ハードは「粘り強い構造」により、想定外外力に対しても粘り強く破壊することで、避難を可能にする
    • ソフトは自助・公助・共助により命を守る
    • 行政各機関は災害・危険性の進行とともに連携して行動するタイムラインを策定し行動
    • 巨大災害に対しては、東京一極集中では政治経済へのダメージが深く長期化するため、リスクを分散するリダンダンシーが必要
    • 経済活動においては、サプライチェーン欠損により資材調達が止まる等して被害が拡大するため、サプライチェーンに関わる生産活動を継続するBCPの策定が必要
  2. 人材確保・育成
    • 人口減少の中で生産年齢人溝が減少している
    • 特に建設業は就労環境が悪い等の理由で自然減以上に離職者増加・入職者減少で労働力不足が原著になっている
    • 人材確保のためには処遇改善等により社会的地位向上をめざし、外国人技術者や女性技術者も拡大していく
    • 若手技術者の教育については、従来のOJTのみに依存する教育では限界になっているので、OJTとOFF-JTを組み合わせて効率的に人材育成を行っていく必要がある
    • 熟練技術者の退職とともにスキルが喪失してしまう懸念があるので、暗黙知を形式知化して知のデータベースを構築して人材育成に活用するナレッジマネジメントにより、技術の継承を確実に行っていく必要がある
  3. 省人化・省力化
    • 労働力不足の中で、現場打ちのような従来の労働集約型手法では生産性維持が困難
    • たとえばプレキャスト化は、少ない労働力で効率的に構造物の築造が可能。ただし大型重機使用・広いヤードが必要などの制限があるので、この点を改善していく必要あり
    • 点検調査も労働集約型なので、非破壊検査(たとえば老朽化モルタルのり面において赤外線カメラでモルタル空洞を把握するなど)や自動化・ICT活用(ドローンなど)により、省人化省力化を目指す必要あり
    • 地盤構造物の点検・安定度判定など、経験工学的考察に基づく属人性の高い業務をいかにして省人化省力化していくかが課題
  4. 地域づくり
    • 拡散型(スプロール化した)都市では、自家用車依存の中で交通弱者の快適な居住が確保できずCO2排出も拡大し、公共交通も衰退する。またエネルギー効率も悪い
    • よって今後は中心市街地に都市機能を集約し、徒歩・自転車・公共交通機関により移動が可能な集約型都市(コンパクトシティ)への転換が必要
    • しかし単純に集約したのでは周縁部は過疎化してしまうので、周縁部において、旧庁舎・学校・大型商業施設・道の駅などを核とした「小さな拠点」を作り、これと中心市街地を結んだ多極ネットワーク型コンパクトシティを目指すべき
    • しかしそれでも人口減少の中で、都市サービスが維持できなくなる恐れがあるので、コンパクトシティ化した地域同士が、それぞれの独自性・多様性(ダイバーシティ)を保ちつつネットワークを結んで連携(コネクティビティ)した、コンパクト+ネットワークが今後は必要
  5. 維持管理
    • 我が国のインフラの多くは高度経済成長期に構築したため、50年以上経過した老朽化インフラが今後急速に増加
    • しかし従来の維持管理は構造物の損傷が顕在化してから補修する事後保全型であったため、割高になるとともにプライオリティも決めにくく、体系的管理ができなかった
    • そこで管理基準値を決めて点検により劣化状況を把握し、損傷する前に補修更新等の予防的措置を行う予防保全により、インフラの長寿命化を図る必要がある
    • さらに地方公共団体が管理するインフラ全体を最適運用の中で予防保全していくアセットマネジメントの導入が必要
    • 行政予算だけでは維持管理が困難な場合は民間資金を活用したPFI等の方式で維持管理を行うことも必要
    • データベースの構築も必須であり、また地方公共団体担当職員の技術力の向上も必要だが、これらには上級庁の支援や民間技術力活用も必要
  6. PFI
    • 従来の公共事業は、資金調達は発注者で、たとえば地方自治体が行う事業であれば、国庫補助なり単独なり、ともかく税金を原資として公共が用立て、そのお金で委託業務を発注
    • PFI(Private Finance Initiative)では、事業受託者が資金を調達(銀行から借り入れ)して割賦で返済。この返済金額に+αして事業主体(公共)が割賦で支払い。その差額で受託者は収益を得る
    • インフラを整備した(Build)後に事業主体に引渡し(Trade)、あとは事業主体が運営する(Operate)タイプをBTO方式、供用開始後も民間が運営し、最後に引き渡すタイプをBOT方式といい、最近は後者が主体
  7. 低炭素都市づくり
    • 交通・都市構造分野、エネルギー分野、みどり分野からなる
    • 交通・都市構造分野はコンパクトシティ(脱自家用車)、交通流円滑化
    • エネルギー分野は再生可能エネルギーとスマートグリッド、省エネ(AEMSやBEMS)
    • みどり分野はバイオマスとヒートアイランド対策
  8. 観光立国
    • 東アジアの経済発展に伴い、外国人観光客は予想を超えて激増しており、政府は2020年における目標を当初の2,000万人から倍の4,000万人へと大幅に上乗せ
    • 外国人観光客(中でも多数を占める中国人観光客)の行動も、買い物と物見遊山から体験型への移行が進んでおり、主要観光地から地方圏へと急速に拡大
    • 同時に大都市圏を中心にホテル不足や大型バス等の交通手段不足が深刻化しつつあり、また地方圏での受け入れ体制、旅行・滞在の快適性確保も問題になりつつある
    • 日本の津々浦々で豊富にある観光資源としては、景観+歴史文化である「歴史風致」があるので、これを地域資源として掘り起こし、観光資源化しようと考え、景観緑三法、景観計画、歴史まちづくり法、日本遺産などの諸施策が打ち出されて、地域は景観や歴史文化を「保全する」だけでなく「活用する」ことが求められるようになってきた
    • ポイントは、点在する観光スポットを巡る物見遊山的観光から、面的にストーリーづけられ、周遊しやすいサポート(看板やガイドなど)が整えられた観光エリアにおける着地型観光への転換


(2) 管理問題対策

管理問題は、これまでの出題テーマ、時流等を考えると、出題の可能性が高いものから、
@RCCM・建コンのあり方(CPD、倫理・コンプライアンス)
A業務適正管理(品質確保を主に、余裕があれば現場適合設計も)
B入札契約(プロポ・総合評価落札)
というようになります。そこで以下にテーマごとのポイントをまとめます。

  1. RCCM・建コンのあり方(CPD、倫理・コンプライアンス)
    • CPD制度の概要
      CPD(Continuing Professional Development:継続研鑽)とは、技術が日々進歩している中で技術力が陳腐化して資格保持者に期待される能力を保てなくなることを防ぐため、資格取得後も継続的に研鑽することで、その内容と量(時間)を記録し、第三者にも明確にわかるような形で証明できるようにしたものがCPD制度です。その内容は学協会によって多少とも異なりますが、
      ・研鑽内容を、教育形態と教育分野で分類整理している。
      ・研鑽等に要した時間を点数化して溜め込むが、内容によって重み付け係数が異なる。
      という点で共通しています。
      建設コンサルタンツ協会CPDの場合も様々な教育分野と教育形態があります。
      教育分野専門分野は専門技術に関するものだけでなく、様々な社会経済的知見や一般教養なども含まれます。経済学や語学などといったものもあります。
      また教育形態は講習会に参加するだけでなく、自己学習や資格取得、社会貢献活動への参加なども認められます。「専門分野の技術講習会に参加する」だけではないことをしっかり認識しましょう。
    • 制度化の背景
      JCCA「CPDガイドライン」に以下のようなことが書かれています。
      ・国際相互承認資格であるAPEC Engineerの資格更新において義務付けられ、その結果技術士法でも責務化され、CPD制度が創設された。
      ・従来 CPDは自己管理が基本だったが、建設分野全体にCPDが認知され更新等の条件となりつつあり、CPD単位の証明のためにCPD運営団体による認証が必要とされるようになってきている
      ・発注者からも、技術者評価項目の中にCPDを加える流れになっている
    • CPDと登録更新
      登録更新制度を持っている技術資格は、更新に際して一定以上のCPD単位を必要とするものが大部分です。たとえばAPECエンジニアや土木学会認定技術者は5年間で250CPDが必要です。
      RCCMも4年ごとに更新が必要な資格で、更新要件はCPD単位不要→直近4年間で100CPD必要→平成32年度更新からは直近4年間で200CPDが必要と変化してきています。
      またCPD記録はJCCAのPDシステムに記録蓄積されていくようになっており、CPDを記録しようとする者はJCCAに申告し、認証されたもののみが蓄積されていきます。平成27年度からの最新システムでは、研鑽実施から6ヶ月以内に記録しなければならず、また申請時には受講証明書等のエビデンスを必要とします。
    • 倫理・コンプライアンス
      職業倫理(技術者倫理)については、JCCAのHPに掲載されている「建設コンサルタント技術者の倫理」のページをひととおりやっておけば大丈夫です。
  2. 業務適正管理(品質確保を主に、余裕があれば現場適合設計も)
    品質確保はRCCMにとって最も重要な責務のひとつであり、他の問題に比較して突出して出題頻度が高くなっています。特に品確法改正があったため、出題確率は非常に高いと思われます。この法律は発注方式の根拠・動機になっていますし、技術者倫理にも大きく影響しています。つまり品確法をしっかり理解しておけば、品質確保以外の問題でも使えるネタを多く身につけることができるということにもなります。
    • 品質確保の基本的な考え方(留意点)
      基本的に品質確保・向上への取組みは、「ミスを出さない」ことになります。そしてミス防止は問題1の「業務実施上の問題点対応」の項で解説したとおり、以下の方法で対処します。
      種別 考え方 具体的管理手法
      ミス発生防止 そもそもミスを発生させない @ルーチンワークは標準化
      Aブレインワークは教育でスキルアップ
      ミス見逃し防止 ミスを見つけ外に出さない 検査の高度化・多重化
      つまり、教育・標準化・検査の3本立てになりますが、実はこの3つがISO9001の根幹部分です。
      大事なことは、ミスは発生防止と見逃し防止の2本立てて防ぐということです。検査を厳しくするだけではなく、ミスを発生させないようにすることが必須です。
      ではどうやってミスを発生させないようにするかというと、マネジメントなのですから「気をつける」とか「がんばる」といったものではなく、システム・決まり事を作ることを中心に考えます。どういうことかというと、属人化しない、つまり「誰でも同じようにできるようにする」ことが大事です。つまりミスの発生しにくいシステム、ミスが見つけられるシステムを構築すること、具体的にはミスが発生しにくいような作業手順/品質に影響する事項をチェックする時期・方法などを標準化することです。
      とはいえ建設コンサルタント業務は技術者の高度な技術力を必要とする業務・作業も多く、こればかりは標準化するわけにはいきませんから、そういったものはスキルアップで品質を確保します。
      すなわち、業務に含まれる作業をルーチンワークとブレインワークに区分し、前者は標準化、後者は教育によってミスの発生を防止するわけですね。もちろん標準化はその業務の中だけでやるのではなく、日頃からしっかりしたシステムを作っておき、業務特性に合わせてアレンジすることが大事です。また教育はそれなりに時間がかかりますから、業務の限られた時間の中ではなかなか効果が出ません。日常的な取り組みが大事です。つまりはCPDですね。
      そしてミス見逃し防止、つまり検査も重要です。もちろん業務内容に合わせて高度化や多重化をしたほうがいいでしょう。
      さらに常にシステムを改善していくことも重要です。ミスは原因究明し、それを足がかりにシステムを改善する、PDCAサイクルを回したスパイラルアップが重要です。
      そしてそれは企業の利益向上につながります。ミス削減は業務システムの効率化をうながしますから、ミス削減は信頼確保・受注機会増につながるということでもあります。
    • 品確法(改正品確法)の概要
      改正のポイントは以下のとおりです。
      (a) 法改正の背景
      ダンピング受注、行き過ぎた価格競争/現場の担い手不足、若年入職者減少/発注者のマンパワー不足/地域の維持管理体制への懸念/受発注者の負担増大
      (b) 目的
      公共工事の品質確保に関し、基本理念、国等の責務、基本方針の策定等その担い手の中長期的な育成・確保の促進その他の公共工事の品質確保の促進に関する基本的事項を定めることにより、現在及び将来の公共工事の品質確保を促進(下線部はH26.6改正に伴う追加部分)
      (c) 基本理念
      当初は公共工事の品質は、次の@〜B等により確保するものとしていた。
      @国、地方公共団体、発注者、受注者がそれぞれの役割を果たす
      A経済性に配慮しつつ、価格と品質が総合的に優れた契約がなされる
      Bより適切な技術・工夫
      ここに改正により下記が追加された。
      ・施工技術の維持向上とそれを有する者の中長期的な育成・確保
      ・適切な点検・診断・維持・修繕等の維持管理の実施
      ・災害対応を含む地域維持の担い手確保へ配慮
      ・ダンピング受注の防止
      ・下請契約を含む請負契約の適正化と公共工事に従事する者の賃金、安全衛生等の労働環境改善
      ・技術者能力の資格による評価等による調査設計(点検・診断を含む)の品質確保
      (d) 発注者の責務(改正に伴い明確化)
      ・担い手の中長期的な育成・確保のための適正な利潤が確保できるよう、市場における労務、資材等の取引価格、施工の実態等を的確に反映した予定価格の適正な設定
      ・不調、不落の場合等における見積り徴収
      ・低入札価格調査基準や最低制限価格の設定
      ・計画的な発注、適切な工期設定、適切な設計変更
      ・発注者間の連携の推進
      以上により、最新単価や実態を反映した予定価格、歩切りの根絶、ダンピング受注の防止を期する。
      (e) 多様な入札契約制度の導入・活用
      ・技術提案交渉方式→民間のノウハウを活用、実際に必要とされる価格での契約
      ・段階的選抜方式(新規参加が不当に阻害されないよう配慮しつつ行う)→受発注者事務負担軽減
      ・地域社会資本の維持管理に資する方式(複数年契約、一括発注、共同受注)→地元に明るい中小業者等による安定受注
      ・若手技術者・技能者の育成・確保や機械保有、災害時の体制等を審査・評価
      品確法自体の大きな方向性は、価格だけでなく技術的内容を評価尺度にした調達ですが、H26改正はその担い手育成を前面に出したことが大きな特徴となっています。すなわち、入札・契約の基盤となるだけでなく、人材育成・企業育成にも大きく踏み出しているということです。
      ここまで品質確保の基本的な考え方と、最重要である品確法について解説してきましたが、ここからは個別の取り組み等について解説していきます。いずれもこれまでの出題履歴の中で答案作成に必要だった知識ばかりです。
    • 業務の3つの段階でのチェック項目と内容
      設計業務の進行段階ごとにチェックすべき項目と内容が異なります。整理すると下表のようになります。
      業務段階 チェック項目と内容
      着手前 ・基本条件設定に際し、現地のデータや基礎データを収集しているか。
      ・特に地形・地質・土地利用・周辺整備などについて、設計目的に対応したデータが得られているか。
      実施中 ・設計条件など基本的条件整理が終わった段階でチェック。
      ・地形・地質・土地利用・周辺整備などが設計に反映されているか。
      完了直前 ・報告書・設計図面・数量計算・積算工事費の適切性や整合性についてチェックする。
    • チェック・レビュー
      • 実施体制
        基本的には、
        @管理技術者や担当技術者によるチェックだけでなく、それらとは別のレビューワーによるレビューを行い、チェックとレビューの2段階方式で品質管理を行う。
        A企業内に他部門から独立した品質管理部門を持つなど、企業内体制(組織)を整備する。
        という体制を整えるとともに、業務レビューの組織体制を明らかにし提示できるようにしておくこと、品質管理活動の継続性を確保すること、技術士・RCCMをレビューワーとして信頼性を確保することなどなどが求められます。
      • 実施事項
        チェックとレビューの内容等は下表のように整理できます。
        活動分類 主要内容 期待効果 担当 資格
        チェック 仕様基準に従った計算・図面等チェック 比較的軽微なエラーの防止 管理技術者
        担当技術者
        レビュー 業務全般にわたる計画・設計理念確認、
        マクロチェック、技術審査
        基本的な計画上のエラー防止・品質向上 レビューワー 技術士またはRCCM
      • 現場適合設計
        近年出題が減ってきましたが、可能性がないわけではないので、余力があればひととおり押さえておくといいでしょう。
        調査設計等の建設コンサルタント業務は、インフラ整備の上流側に位置します。そのため、この段階で不適切があると下流側(施工段階)で多大な公共事業費の無駄が発生します。
        単なるミスの場合もありますが、机上で現場条件と乖離した設計(たとえば仮設条件を考えていないなど)や現場で施工できない設計(過密鉄筋で現実にはコンクリート打設ができない)をしてしまうことも不適切であり、施工段階で多大なロスが発生します。
        基本的には技術者の技術力のなさが原因です。高度な技術計算を含む机上設計の高度さは「技術力がある」ことには違いないのですが、それだけでは十分とはいえません。実際に現場で作れないようなものはまさに「絵に描いた餅」で、公共事業費を無駄に使ってしまうだけ、「百害あって一利なし」なのです。
        これを回避するためには、まずは技術者が技術力をつけること、そして現場に適合した設計が担保できるような発注形式をとることです。
    • 入札契約(プロポ・総合評価落札)
      「建設コンサルタント業務等におけるプロポーザル方式及び総合評価落札方式の運用ガイドライン」(H27.3)にて発注方式の選定手順が決められています。
      1. 最低限頭に入れておくべき概要
        ガイドラインの「はじめに」をまとめると以下のようになります。
        1. 技術競争導入の動機となる好ましくない現状
          厳しい財政状況を背景に公共投資削減が続けられてきた結果、建設コンサル業務でも低価格入札が横行し、成果品質の低下が懸念されるようになってきた。
        2. 技術競争導入の基本的な方向性
          そういったことを踏まえて品確法が作られ、経済性に配慮しつつ価格以外の多様な要素をも考慮し、価格及び品質が総合的に優れた内容の契約が求められるようになった。
        3. 技術競争導入の内容
          これを受けて技術競争が導入され、高度な技術力を求められる業務については随意契約の一種であるプロポーザル方式、技術的な要求は定型的であるものについては価格競争方式、そしてその中間的なものには技術点と価格点を足し合わせて競う総合評価落札方式を業務に合わせて使い分けることとなった。
        4. 近年の動き
          その後、平成26年度に品確法が改定され、プロポーザル方式・総合評価落札方式・価格競争方式の位置づけや使い分け等が規定されたガイドラインも改正されている。
        なお、H26問題答案で指定されているキーワードはゴシック体にしてありますが、6つのキーワードのうち5つがここに入ってきます。
      2. 発注方式の概要
        発注方式(調達方式)としては、@プロポーザル方式、A総合評価落札方式(標準型と簡易型)、B価格競争入札方式を使い分けることとなっています。
      3. 評価の基本的な考え方
        • プロポーザル方式においては、もっとも優れた提案をしたものが特定されます。プロポーザルは随意契約ですから価格は関係ありません。
        • 総合評価落札方式における評価は、以下のようになります。
          評価値 = 価格評価点+技術評価点価格評価点と技術評価点の配分=1:1〜1:3
          価格評価点 = 20〜60×(1−入札価格/予定価格)
          技術評価点 = 60×技術評価の得点合計点/技術評価の配点合計点
      4. 審査・評価における配点の考え方
        • 参加表明企業・予定技術者の資格・実績等より、成績・表彰の配点割合を高くする。(成績・表彰を重視しすぎて新規参入・若手技術者起用を阻害しないよう配慮)
        • 参加表明企業の評価より予定技術者の評価を重視する
        • 実施方針、特定テーマまたは評価テーマに関する技術提案を重視(技術提案に対する配点合計の50%以上)する。
          ※方式ごと、段階ごとの詳細な配点ウェイトについては、前述のガイドラインに記してあります。

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4.記述上の注意・留意点

  1. 問題1と同様、とにかく読みやすい文章を書く。

  2. インデントや箇条書きを使う(行数をかせぐ)。
    たとえば設計VEのように「いくつかある構成要素」を覚えておくと、
     (1)***VE
      ○○○…
     (2)***VE
      △△△…
    というように行数をかせげる。また読みやすくなる(読みにくいと点数がガタッと落ちる)。

  3. 一旦文章構成(アウトライン)を下書きすると全体構成バランスがとれる。
    できればいくつかの例題に対して文章を作って、覚えておく。

  4. 途中で思いついたエピソードは入れない(構成が崩れやすい)。

  5. 誤字・脱字は減点対象になる可能性があるので、漢字がわからなければ他の言葉に変えるなどする。

  6. 長文は読みやすければかまわないが、主語と述語のねじれなど、構文エラーや読みにくさにつながりやすいので、避けたほうがよい。

  7. 最後に1行使って、右寄せで「以上」と書く。
    ひとつのルールですが、必須ではありません。
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