Counter

掲示板for技術士受験応援ページ


(現在 過去ログ17 を表示中)
[ HOME掲示板TOPトピック表示新規投稿記事検索過去ログ携帯用URL ]
[3462] 

2021年度口頭試験について

Name:APEC  2022/01/16(日) 21:00:16 
新しい方式での口頭試験も3回目となりました。1回目は質問集を棒読みしたような質問が多く、それまであった各自の経歴や小論文の内容に沿った「個に応じた質問」が見られなくなったことに強い違和感を感じつつ、2年目は個に応じた質問が増えてくることを期待していましたが、その通りになりました。
2年目、3年目と小論文の技術的内容を確認する質問がだんだん増えてきましたし、小論文や経歴の他事例等の個別業務内容に応じたコンピテンシー評価をするようになってきたと思います。

その中で私はHPにも書いたように、小論文の技術的提案にほとんどのコンピテンシーを結びつけて整理することができるということを強調してきました。特に模擬面接では受講生の方の小論文の内容に応じたコンピテンシーの整理を一緒に考えることを留意してきました。

2021年度口頭試験でそのことを典型的に示しているんだと思った「よくある質問」が、「倫理に関して(あるいは公益確保に関して)どのような利害調整をしたか」というものです。
「あれ?リーダーシップはさっき答えたんだけど」と戸惑った方が多かったと思いますが、リーダーシップで答えた内容と同じことを少し切り口・視点を変えて答えたら良かったと思います。
どんな業務でもいいものを作ろうとして取り組みます。そこで予算や工期がいくらでもあったら理想的なレベルのものが作れると思います。
下図は修習ガイドブックに掲載されている図ですが、この「製品のあるべき姿(目標値)」がそれですね。
これに対して現状は目標との間にギャップがある状態、目標に及んでいない状態です。このギャップが問題ですね。それではなぜ・どのようにこのギャップが発生したかを考え(問題分析)、ギャップを埋めるためにはどうすればいいか(課題)を考え、その実現策(提案)を考えるわけです。
ここで、予算や工期あるいは利害要求などの制限があるため、理想的な状態すなわちあるべき姿にまで持っていくことは現実的に困難です。
そのため理想的な目標値から少しダウンしたレベルで手を打つしかなくなってくるわけですね。
この時に、全ての項目において均一にレベルを落とすのか、「ここは大事だからレベルを落とすわけにはいかない」と頑張ってできるだけ高いレベルを確保する項目と割り切ってレベルを落とす項目を作るのか、どちらがいいでしょうか。それは当然後者でしょう。
つまり予算や人材あるいは設備などの限られたリソースを大事なことに手厚くそうではないことには必要最小限に、メリハリをつけて割り振るわけです。これがマネジメントですね。
そして例えばいいものを作りたいという要求と安く作らなければならないという要求が衝突する時、「ここは大事だからしっかり良い物を作る」という部分と「ここは割り切って思い切ってコストダウンする」という部分を作ることで、対立する利害要求に対しての中庸案提案とするわけですね。これがリーダーシップです。
中庸案であるということは、双方の要求に半分ずつ答えるようなイメージですよね。それは言い換えると双方に半分ずつ歩み寄ってもらう、我慢してもらうという側面もあるということになります。自分の要求が通る部分には普通誰も文句はつけませんが、我慢してくれと言われると文句を言いたくなりますよね。ですからしっかりと理解できるように説明する必要があります。専門家に対しては数値その他を持って正確さを持って説明すると確実に理解してもらえるでしょうし、専門家でない人には視覚に訴えるなどしてイメージを伝えて理解してもらうと良いでしょう。これがコミュニケーションですね。
そしてこれらの取り組みに対して良かった点や悪かった点改善できる点を考察するのが評価になります。
ところでマネジメントやリーダーシップの時にここは大事だから手を抜かないというようなところがあると申し上げましたが、それは多くの場合安全安心や環境保全に関わることではないかと思います。
公益の確保が業務を行うにあたって重視すべき倫理項目なわけですが、それを自分の仕事にブレイクダウンするとどういうことになるでしょうか。例えば「私は道路の設計施工に携わっているから安全安心な道路を設計したり作ったりすることが私にとっての公益確保だ」というようになるのではないかと思います。そうすると個別の業務では、「これ以上レベル落としたら安全安心な道路が保てない」というラインがミニマムリクワイアメント(最低要求)になると思います。ですからそこに関しては妥協をせず、それに影響がないところでコストダウンをしたり業務を効率化したりすると思います。具体的に例を挙げるならば、安全安心な道路構造を確保するための調査や考察などは手を抜かす時間をかけて行うけれど、そうすることで工期厳守が厳しくなるので、例えば図面を作る時には CAD の既存データを引っ張ってきて修正して製図したり標準図集をうまく使ったりして作業も効率化を図るというような感じでしょうか。そうすることで公益の確保に関わるところはしっかりと確保しつつも、他のところで効率化して工期に関するニーズにも応えるわけです。これが公益確保に関する利害調整ですね。


こういう整理ができると、継続検査以外はすべて小論文の技術提案に直結した内容で整理できると思います。そうすると表面的な取ってつけたような回答ではなく、一本筋が通った一貫性のある回答になると思います。

多くの方から再現記録をいただきましたが、上述のような内容を求める質問が今年は多かったように思います。
言い換えると、こういった一貫性のあるコンピテンシーに関する回答ができた人と、コンピテンシー項目ごとに取り上げる業務が変わったり内容は変わったりする人とでは、かなり印象に差がついてしまうかなということで、コンピテンシーをより深く理解して回答することが求められるようになってきたのかなと思います。

またこれは昨年度も同じようなことが言えたのですが、専門技術的な工夫に偏りすぎた小論文、あるいは業務のシチュエーション(例えば建設部門であれば現場の色々な要素の平面配置など)が分かりにくくイメージしにくい小論文などは、口頭試験の段階で不利になってしまうということが顕著になってきたと感じます。
小論文を読んだだけで技術的内容がしっかりと理解できたら、もう口頭試験では改めて説明してもらう必要などないわけですから、最初からコンピテンシーの質問に進むことができ限られた口頭試験時間が有効に使えます。ところが読んだだけではわからないと口頭試験の時間をつぶして説明してくれということになり、説明してもらってもまだわからないところがあると質問して回答してもらうということになって、肝心のコンピテンシーを確認する時間がどんどん削られていくということになってしまいます。
出願時期には「わかりやすいのが一番」ということを申し上げてきたわけですが、この点で口頭試験開始時点ですでに差がついてしまっていて、大きくマイナスの位置からスタートしてしまうという人もおられたように思います。
やはり口頭試験のことを考えて小論文は作らないといけないなと再認識しました。

長文失礼致しました。
口頭試験を受験された皆さん、大変ご苦労様でした。

引用返信/返信 削除キー
[3463] 

Re: 2021年度口頭試験について

Name:大介  2022/01/17(月) 06:30:12 
こちらを拝見しまして、私は口頭試験不合格であることを確信いたしました。
今年度の筆記試験に向けて精進したいと存じます。

引用返信/返信 削除キー
[3464] 

Re: Re: 2021年度口頭試験について

Name:3回目で筆記合格  2022/01/17(月) 14:27:47 
No3463に返信(大介さんの記事)
> こちらを拝見しまして、私は口頭試験不合格であることを確信いたしました。
> 今年度の筆記試験に向けて精進したいと存じます。


大半の人が、同じ不安を抱いてます。
私は、コンピテンシーについては、たまたま「業務の詳細に戻ってしまいますが」と前置きをして、承諾を頂いてから、回答いたしました。
しかし、過去2年95%近い合格率(建設 施工計画)にもかかわらず、全く受かる自信が御座いません。

引用返信/返信 削除キー
[3465] 

Re: 2021年度口頭試験について

Name:kako  2022/01/17(月) 20:30:14 
一般部門の口頭試験はコンピテンシーの確認だと思います。
それを言い方を変えて聞いているのですから、どのコンピテンシーを聞かれているのか理解して答える必要がありそうです。

総監部門の口頭試験はリテラシーの確認ですから、質問はどのリテラシーを確認しているのか分かることが大事だと思います。

願書作成の時にこのことを分かって書く必要がありそうです。

引用返信/返信 削除キー
[3466] 

Re: 2021年度口頭試験について

Name:初受験  2022/01/17(月) 20:46:36 
APECさんの模擬面接を受講した者です。
私の詳細例をリーダーシップやマネジメントに落とし込んでいただき、目からウロコでした。それまで別のところで受けてきた模擬面接は何だったのかと思いました。
おかげで当日は自信を持って答えることができました。この場を借りて御礼申し上げます。
それでも今回改めてAPECさんの解説を読んで、私が理解していたよりずっと深いことに驚きました。
本当はこうしたことを理解した上で詳細例を選ばないといけないんですね。

引用返信/返信 削除キー
[3470] 

Re: 2021年度口頭試験について

Name:R3受験  2022/01/18(火) 20:56:55 
私も受験生の一人です。
私の場合は、基本的に小論文に沿って諮問を進める旨を冒頭で説明されました。
(もちろん、経歴表の中から答えてもよいとも言っていましたが)。
また、質問ごとに「1分程度で」と時間の指定もありました。

6つのコンピテンシーを、時間内にプレゼンする必要があるので小論文の出来が悪いと挽回が難しいと感じました。

コンピテンシーに関する諮問(特にリーダーシップ)は、解説文からは凡そ推し量れないほど奥が深く、独学で正確に理解するのは困難と思いました。(複数の模擬面接を受けた感想を言えば、指導者によって捉え方が違うとも正直思いました。)

そうした意味で、情報の質が担保されている
SUKIYAKI塾の情報やセミナーは非常に助かりました。

引用返信/返信 削除キー



<< 0 >>

このスレッドに書きこむ

過去ログには書き込み不可


[ HOME掲示板TOPトピック表示新規投稿記事検索過去ログ携帯用URL ]
 
<RSS>  【管理者へ連絡】