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[小説] 逆境を越えて - 技術士次試験への挑戦

Name:さき  2025/04/10(木) 14:07:39 
美咲さん(仮名)は、大手ゼネコンの子会社で技術者として働いていました。彼女の毎日は、いわゆる「お局様」からの厳しい扱いに耐える日々でした。お局様は、長年の経験と地位を盾に、雑用を美咲さんに押し付けるだけでなく、時には冷たい言葉で彼女を傷つけることもありました。
美咲さんは親会社のトンネル現場で現場監督としての経験を積んだあと、結婚退職をしましたが、上司の要望で契約社員として復職しました。美咲さんが一級土木施工管理技士の資格を持っていたからでした。

そんななか、お局様が2chに美咲さんの悪口を書き続けました。「女を捨てた現場監督」「契約社員で給料が安い」などと書かれるたびに、美咲さんの心は締め付けられるような思いでした。美咲さんだけではなく、他社ゼネコンの女性技術者もお局様の中傷のターゲットになりました。

しかし、美咲さんには心の奥底に秘めた夢がありました。それは、設計事務所を営んでいる父のように技術士試験に合格し、技術者としての道を切り開くことでした。大学時代に学んだ知識を生かし、建設業界で自分の力を試したいという思いが、彼女の中でくすぶり続けていたのです。

ある日、彼女は倉庫の整理を命じられ、埃をかぶった古い書類の山を片付けていました。その中に、技術士一次試験の参考書が紛れ込んでいるのを見つけました。それは、かつての社員が残していったものでした。その表紙を見た瞬間、美咲さんの胸にかすかな希望が灯りました。「私も、もう一度挑戦してみたい」と。

その夜、美咲さんは参考書を手に取り、ページをめくり始めました。仕事の疲れが残る体に鞭打ちながら、少しずつ勉強を再開しました。お局様からの雑用や嫌がらせに耐えながらも、彼女は夜遅くまで机に向かい続けました。時には涙がこぼれることもありましたが、「技術士を取れば、きっと自分の未来が変わる」と信じて努力を続けました。

11月、試験当日が近づくにつれ、美咲さんの緊張は高まりました。周囲には彼女の挑戦を知る人はおらず、ただ「雑用係」として見られているだけでした。しかし、彼女は自分の中にある強さを信じ、試験会場へと向かいました。

試験当日、美咲さんは問題用紙を前にして深呼吸をしました。これまでの努力が頭の中を駆け巡り、ペンを握る手に力が入りました。「私はできる」と自分に言い聞かせながら、彼女は一問一問に全力で取り組みました。

2月、美咲さんは技術士一次試験に合格することができました。今、二次試験の出願書類の準備をしています。二次試験に合格するのは、まだまだ先のことですが、美咲さんは、業務詳細を書き終えた瞬間、自分が一歩前進したことを確信しました。

お局様の言葉に傷つきながらも、自分の夢を追い続けたその姿勢が、彼女自身を変える力となったのです。

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Re: [小説] 逆境を越えて - 技術士次試験への挑戦

Name:いそぎんちゃく  2025/04/10(木) 16:16:58 
素晴らしい。
美咲=橋本環奈で実写化してほしい。



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[8048] 

[小説] 逆境を越えて - 技術士次試験への挑戦A

Name:さき  2025/04/10(木) 20:27:11 
土木学科とはいえ夜間短大卒の美咲さんにとって基礎科目の勉強は地獄でした。連日長い一日でした。現場監督の仕事のほかにお局様から押し付けられた大量の雑用を何とかこなし、帰宅するのはいつも夜遅く。だが、彼女の目の前には技術士一次試験の基礎科目の参考書が広がっている。「これを越えなければ、私は何も変えられない」と自分に言い聞かせるように、ペンを手に取りました。

ページをめくると、「材料の力学」の章が目に入った。美咲の苦手とする部分だったが、それでも逃げることはできない。参考書に目を通しながら、彼女は声に出して理論を読み上げました。「応力とひずみの関係……ヤング率……」。専門的な言葉が頭に響くが、それを現場の経験と結びつけて理解しようとします。例えば、トンネル工事で使用されたコンクリートの挙動を思い出しながら、「これが実務でどう役立つのか」と考えることで、抽象的な理論が少しずつ具体性を帯びていきました。

目を凝らし、短大時代には習わなかった偏微分の計算問題に取り組む。数字をノートに書きつけ、試行錯誤を繰り返す。「あれ、この公式の適用範囲は……?」と迷うたびに参考書のページを戻し、目を凝らす。その度に時間が過ぎていくが、美咲は諦めませんでした。「一歩ずつ前進すればいい」と、自分を励ましながら計算を解き直す。∂やξなど読み方が分からない文字は変な記号1号、2号と名付けました。

一方で、環境やエネルギーの章にも挑戦しなければならないし、第2群の進数やド・モルガンにも苦戦しました。

時計の針が午前1時を回る頃、彼女は肩の痛みを感じながらふと手を止めた。少し休憩を取ろうとマグカップを持ち上げ、冷えたコーヒーを一口飲む。そして静寂の中、今の自分の置かれた状況を思い返しました。「短大卒というだけで見下されることもあったけど、私はここまで来たんだ。この試験に合格すれば、すべてを変えられるかもしれない」。そんな決意が、彼女の疲れた心に再び火を灯しました。

再び机に向かい、ノートを開く。「明日の私に負けないために、今の私が頑張るんだ」。夜更けの中、美咲のペンの音だけが響いていました。

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