技術士第一次試験 平成16年度 専門科目《建設部門》 16n4−1 土の基本的性質に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 塑性指数が大きな土ほど、粘土分含有率が高い。 (2) コンシステンシー指数が大きな土ほど、流動に対する抵抗性が大きい。 (3) 鋭敏比が大きな土ほど、不撹乱試料と撹乱試料との一軸圧縮強さの差が大きい。 (4) 均等係数が大きな土ほど、粒径加積曲線が急勾配になる。 (5) 相対密度が大きな土ほど、密詰めの状態にある。 16n4−2 粘土を用いて以下の三軸圧縮試験を行った。有効拘束圧200kPaで正規圧密状態になるまで粘土供試体を等方圧密した後、非排水条件で軸圧のみを増加させる方法で、粘土が破壊するまで軸圧縮を行った。破壊持の過剰間隙水圧が100kPaであったならば、破壊時の軸差応力は次のうちのどれになるか。ただし、この粘土はモール・クーロンの破壊規準にしたがうものとし、有効応力表示した場合のせん断抵抗角φ'は 30度であり、粘着力c'は0kPaと考えよ。 (1) 50√3 kPa    (2) 100 kPa    (3) 100√3 kPa    (4) 200 kPa    (5) 200√3 kPa 16n4−3 構造物の基礎に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 均質な飽和粘土地盤に急速に載荷した場合の支持力は、円形基礎より帯基礎の方が小さくなる。 (2) 基礎地盤の沈下は、即時沈下と圧密沈下を考える必要がある。 (3) 場所打ち抗は、打込み杭に比べて施工時の騒音・振動が小さい。 (4) 抗の水平抵抗は、先端抵抗と周面摩擦力との和で算定する。 (5) ケーソン基礎は、事前に作製した箱型の基礎構造物を現場で設置することにより建設される。 16n4−4 鋼構造継ぎ手に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 普通ボルト接合は、継ぎ手材と母材の支圧、継ぎ手材のせん断を利用した接合である。 (2) 突き合わせ継ぎ手では、突き合わせ部に開先を設けるグルーブ溶接をおこなう。 (3) 溶接継ぎ手では内部欠陥や形状欠陥があると、疲労によるきれつの原因になり疲労強さは低下しやすい。 (4) 高カボルト継ぎ手は摩擦接合を利用しており、ボルトと母材の間の摩擦を効率的に利用する仕組みが開発され、広く利用される様になった。 (5) 高カボルトは、強度を大きくすると、遅れ破壊により、突然ボルトが脆性的に破損することがあるため、強度の制約がある。 16n4−5 セメントに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) セメントは、石灰石や粘土などを焼いて粉末伏にしたもので、水を加えると化学反応を起こし、しだいに固まる性質をもっている。 (2) ポルトランドセメントとは、原料を石灰石、粘土、けい石、鉄原料、石こうで造ったセメントである。 (3) 高炉セメントとは、製鉄所から出るフライアッシュ微粉末を混合したセメントである。長期強度の増進が大きく、耐海水性や化学抵抗性に優れている。 (4) 中庸熱ポルトランドセメントは、水和熱が低く、長期強度に優れ、ダムなどのマスコンクリートに使用する。 (5) アルミナセメントは、アルミニウムの原料のボーキサイトと石灰石を主原料にしたセメントであり、耐熱性、耐酸性に優れ、緊急工事などに使われている。 16n4−6 橋梁に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 綱橋の合理化は様々な手法でなされてきた。少数主桁化、横桁の簡素化、LP鋼板、耐候性鋼板の使用などは、その一例である。 (2) エクストラドーズド橋は大偏心外ケーブルの仕組みを持つPC橋であり、外見は斜張橋に似ているが、応力の分担を見ると桁橋に近い。 (3) ローゼ橋はアーチおよび桁に曲げ剛性のある部材を使っており、その構造的特徴を利用して、潮位差を利用した一括架設が行われることがある。 (4) 連なる複数の単純桁橋の連続化はノージョイント化と呼ばれ、免震支承を用いた耐震補強、騒音の低減対策としても有効である。 (5) ウィンド支承とは吊り形式の橋梁で見られる水平方向外力に対する支承であるが、構造合理化の一環で最近の事例では殆ど見られない。 16n4−7 土地区画整理に関する次の記述のうち、最も誤っているものはどれか。 (1) 都市計画区域内で公共催設整備とあわせて宅地の利用増進を図る。 (2) 減歩により公共施設用地と保留地を生み出し、保留地は売却して事業資金を得ることができる。 (3) 起源は1909年の耕地整理法であり、技術手法のうち換地の定め方などは、1909年の耕地整理法での手法を変更せず用いている。 (4) 個人、組合、公共団体などが施行者になることができる。 (5) 関東大震災後の震災復興事業や第二次大戦後の戦災復興事業などが該当する。 16n4−8 我が国での首都圏基本計画に関する次の記述のうち、最も誤っているものはどれか。 (1) 首都圏整備法に基づいている。 (2) 第一次基本計画は大ロンドン計画を模範とし、幅5〜10kmの緑地地帯を既成市街地をとりまくように設ける計画だった。 (3) 第二次基本計画では、幅10〜20kmの地帯を既成市街地をとりまくように設けて市街地整備と緑地保全を行うことを計画した。 (4) 第三次基本計画では、人口と産業の集積を抑制し、多くの核都市を育成することによって多極構造の都市複合体をめざした。 (5) 第四次基本計画では、多核多圈域の地域構造を持つ連合都市圈をめざして再構築することをめざした。 16n4−9 交通需要予測に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。 (1) 非集計モデルは個人や世帯のデータを集計しないでそのまま分析単位とする。 (2) 非集牡モデルは、効用最小化理論に基づいている。 (3) 非集計モデルの理論的基礎は1940年代に確立した。 (4) 非業牡モデルは集計モデルに比べて多数のデータを必要とする。 (5) 非集計モデルは集計モデルに比べて時間的空間的移転可能性が低いといわれている。 16n4−10 河川・ダムの土砂に関連する次の記述のうち、正しいものはどれか。 (1) ダムにたまった土砂を下流河道に対して排除する場合、ダム堤体近くの貯水池内に溜まった土砂を排砂することが望ましい。 (2) 河床に働くせん断力は、水深の2乗に比例する。 (3) 河床の砂礫が押し流されるのは、掃流力が砂礫に働く浮力を上回った場合である。 (4) 河川からの砂利採取は橋梁、護岸、根因めの基礎が浮き上がったりするため、いかなる場合も禁止されている。 (5) 堆砂対策として通常のダムでは堆砂容量を最深部に水平に設定しているが、実際の堆砂現象は、堤体付近のダム底に水平に堆積するわけではない。 16n4−11 河川の計画・管理に関連する次の記述のうち、正しいものはどれか。 (1) 貯留関数法は、降雨と流出の関係が一次式となるため、線形モデルと呼ばれる。 (2) ダムや遊水地で洪水調節した上で下流河道に硫化してくる洪水のピーク流量を基本高水流量と呼ぶ。 (3) 一級河川の計画安全度は1/200と定められている。 (4) 旧河川法(1896年)以前から、主としてかんがい用水として社会的に容認され、河川法の規定による許可を受けたとみなされるものを慣行水利権と呼ぶ。 (5) 1997年の河川法改正で計画制度は「河川整備計画」と「河川整備基本方針」の2つに分かれ、河川整備基本方針については地域住民などの意見を反映させることが法律に盛り込まれた。 16n4−12 海岸付近の波・流れ現象に関連する次の記述のうち、正しいものはどれか。 (1) 波の回折現象を支配する方程式は、光の場合と同じくスネルの法則である。 (2) 海岸構造物に働く抗力は、波の進行方向速度の1/2乗に比例する。 (3) 離岸流は離岸堤を設けた場合にのみ発生する固有現象である。 (4) 屈折を伴わない水深変化のみによる波高変化を浅水変形と呼ぶ。 (5) 1潮汐周期の間に河口に流入する総河川水量をQA、上げ潮時に河口に流入する総海水量をPTとするとき、QA/PTが大きくなるにつれて、弱混合、緩混合、強混合へと感潮河川の流動形態は変化する。 16n4−13 港湾の施設の設計に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 波浪の推算は、波浪のスペクトル又は有義波と風速の関係を表す適切な式に基づく方法によって行う。 (2) 耐震性については、レベル1地震動で安定性を確保し機能を損なわず、耐震強化施設については、レベル2地震動で被害があっても速やかな機能回復が可能なものとする。 (3) 検討に用いる潮位は、天文潮及び気象潮の実績値又は推算値で定め、異常潮位は考慮しない。 (4) 構造物の滑動に対する摩擦抵抗力の算定は、対象となる構造物や材料の特性を勘案した静止摩擦係数を用いる。 (5) 動揺外力は、船舶に作用する波力、風圧力、水の流れによる流圧力等を設定して動揺計算で算定する。 16n4−14 港湾施設の構造の次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 航路の幅員は、対象船舶の長さ及び幅、通行量並びに地形、気象、海象その他の自然状況に照らし、船舶が行き会う可能性のある航路にあっては対象船舶の長さ以上の、船舶が行き会う可能性のない航路にあっては対象船舶の長さの2分の1以上の適切な幅とする。 (2) 旅客船又はスポーツ若しくはレクリエーションの用に供するヨット、モーターボートなどの船舶を係留するための係留施設には、救命浮環等の救命設備を設ける。 (3) 外郭施設の構造物の部材の検討はその特性に応じて許容応力度法又は限界状態設計法によって行う。 (4) 臨港交通施設としての水底トンネルには、排水設備、照明設備、消火設備及び警報設備を設ける。また、換気が十分行われるものとする必要がある。 (5) 自力による船首の回転用泊地の広さは、対象船舶の長さを半径とする円を上まわる大きさとする。 16n4−15 新エネルギーに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 太陽電池は、直流の電気を発生させるので、それをインバータで、家庭などで使用している交流の電気に変換する必要がある。 (2) 風力発電で用いられる風車は風の吹いてくる方向に向きを変え、常に風の力を最大限に受け取れる仕組みになっている。ある風速以上では風車の破壊を防ぐために過回転を防止する仕組みが働く。 (3) 風力発電では、まず安定した風力が得られる地区、そして送電施設の利用が容易な地区が、好適地とされ、台風の来襲が少なく強風が吹かない北海道、東北の日本海側では設置が難しい。 (4) 植物などの生物体(バイオマス)は有機物で構成されているため、エネルギーとして利用でき、バイオマス発電熱利用は循環型エネルギーである。 (5) 植物などの生物体(バイオマス)を構成している有機物は、固体燃料、液体燃料、気体燃料に変えるニとができる。木くずや廃材から木質系固形化燃料を作ったり、さとうきびからメタノールを作ったり、家畜の糞尿などからバイオガスを作り、バイオマス発電に使用できる。 4-16 電力土木にかかわる基礎理論に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。 (1) オリフィスからの水の流出l速度は、エネルギー損失を生じないものとすれば、水面と流出孔の水位差の1/2乗に比例する。 (2) 理論水力は有効落差の1/2乗に比例する。 (3) サイフォンで水を導水する場合、キャビテーション等が発生しないための負圧の理論的な限界値は水頭値で、−12mである。 (4) ラジアルゲート(テンターゲート)に働く全静水圧の水平方向成分は、ゲートが排水した体積分の流体の重さに等しい。 (5) 薄い刃型の長方形堰からの越水量は越流水深の2/3乗に比例する。 16n4−17 ダム貯水池の計画・管理にかかわる次の記述のうち、最も正しいものはどれか。 (1) 多目的ダム貯水池の総貯水容量には堆砂容量を含めない。 (2) 渇水流量は1年のうち345目はこれを下回らない流量をいう。 (3) 富栄養化が進んだ貯水池の夏場における表層は弱アルカリ性を呈するとともに、溶存酸素が飽和ないしは過飽和な状態になる。 (4) 深い貯水池において形成される混合層は、密度が急激に変化する層で、取水の影響を受けて形成されるものである。 (5) 貯水池の容量と同規模以上の大規模出水が生じ、貯水池内の成層を破壊した場合には、濁水長期化は起こらない。 16n4−18 地域の状況に応じた道路構造の考え方に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 将来的に交通量が少ないと見込まれる高速道路では、往復分離した完成2車線構造を採用することができる。 (2) 平地部における幹線道路では、自動車の速度を抑制するため、ハンプ、狭窄郎、シケイン等を設けることができる。 (3) 大型車の迂回路がある場合には、渋滞対策のための道路整備として、一定寸法以下の自動車のみが通行可能な乗用車専用道路を採用することができる。 (4) 山地部では、極力現道を活用しつつ自動車の通行機能を確保するため、待避所設置、視距確保、1車線改良、2車線改良等を組み合わせることができる。 (5) 積雪寒冷地域では、積雪深等に応じて、効率的な除排雪のための堆雪幅を確保することができる。 16n4−19 道路整備の事業手法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 高速自動車国道は、公団による有料道路として整備されてきたが、近年、国と地方公共団体の負担による新たな事業方式も導入された。 (2) 一般国道の整備のうち国の事業として行われるものについては、事業費の全額を国が負担している。 (3) 地方道(都道府県道及び市町村道)の整備は、地方公共団体の事業として行われるのが原則であるが、国の補助金も充てられている。 (4) 有料道路の整備に要する費用の財源は、ほとんど借入金によっており、これは完成後通行する車両から徴収する料金等により償還される。 (5) 地方公共団体による道路整備事業の財源としては、地方税、地方交付税等のほかに、地方債も充てられている。 16n4−20 高規格幹線道路に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 高規格幹線道路は、自動車の高速交通の確保を図るため必要な道路で、全国的な自動車交通網を構成する道路である。 (2) 高規格幹線道路には、高速自動車国道、本州四国連絡道路及び都市高速道路が含まれる。 (3) 高規格幹線道路の整備は、国土開発幹線自動車道や一般国道の自動車専用道路等として同時並行的に行われている。 (4) 高規格幹線道路の計画総延長14,000kmのうち、平成15年度末までに8,500km余りが供用されている。 (5) 高規格幹線道路の路線は、国土を縦貫する路線、国土を横断する路線、大都市圈の近郊地域を環状に連絡する路線等から構成されている。 16n4−21 線路の構造に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 曲線部分の線路に用いられる円曲線については、その曲線半径は大きいほうが望ましいとされているが、状況によっては、100mを半径とする線形も認められる。 (2) 在来線では、直線部と曲線部の間に挿入される緩和曲線には、一般には、3次放物線が用いられる。 (3) 曲線部では、軌間を拡大して2軸以上の軸幅が円滑に通過できるようにすることをスラツクといい、曲線半径などから、上限値と下限値が示される。 (4) レール継ぎ目を溶接により除去して乗り心地改善や騒音減少をめざすものをロングレールといい、200m以下の直線区間に限り導入する。 (5) 停車場で導入する車止めは、軌道の終端に設け、過走列車または逸走車両を停止させる装置で、安全側線と行止り本線では種類が異なる。 16n4−22 都市における地下鉄道に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。 (1) 我が国最初の都市高速鉄道としての地下鉄は, 1927年に東京の上野浅草間で開業しており、ニューヨークより20年以上、ロンドンより60以上年遅れている。 (2) 首都圏と近畿圏を除く政令指定都市での地下鉄は、規模が小さく、すべて1路線か2路線の営業となっている。 (3) 地下鉄の駅間隔は一般に新交通システムに比べて長く、我が国では約2kmが平均となっている。 (4) 地下鉄は、在来鉄道と比べて踏切がないため高速化が可能であり、我が国での平均の表定速度が57km/h程度である。 (5) 都市での地下鉄の建設費は年々高騰しているが、その中で土木工事費が占める割合は、概ね80%程度であり、ほとんど道路直下を通るため用地費はきわめて少ない。 16n4−23 鉄道施設の構造に係る技術上の基準に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 線路の軌間は、車両の構造、設計最高速度等を考慮し、車両の安全な走行及び安定した走行を確保できるものでなければならない。 (2) 円曲線には、車両の発進、停止及び加減速が滑らかに行われるよう、軌間、曲線半径、運転速度等に応じたカントを付けなければならない。 (3) 駅には、当該駅を利用する旅客にとって有用な情報を提供する設備を設けなければならない。 (4) 新幹線の線路には、沿線の状況に応じ、列車の走行に伴い発生する著しい騒音を軽減するための設備を設けなければならない。 (5) 列車が過走して危害を及ぼすおそれのある箇所には、列車の速度、勾配等を考慮し、相当の保安設備を設けなければならない。 16n4−24 道路トンネルに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。 (1) 平面線形は、直線あるいは大半径の曲線を用いることが望ましい。 (2) 縦断勾配は、排水を妨げないように最小1%以上、換気上の問題から最大3%以下が望ましい。 (3) 山岳工法のトンネルでは、通常、二心円からなる馬蹄形が用いられる。 (4) 一般に、都市部では、シールド工法、開削工法、沈埋工法が用いられる。 (5) トンネルサグ部での渋滞は、坑口形状や照明施設等の工夫により解消できる。 16n4−25 トンネルの山岳工法で用いるロックボルトに関する次の記述のうち、誤っているのはどれか。 (1) ロックボルトは、地山と一体となってその効果を発揮する。 (2) ロックボルトの吊下げ効果は、未固結の土砂地山の安定化に対して期待される。 (3) ロックボルトを全面定着させる場合には、セメントモルタルやセメントミルクなどの定着材が用いられる。 (4) ロックボルトは鏡止めボルト等の補助工法として用いられることがある。 (5) ロックボルトの作用効果を長期にわたり期待する場合には、鋼材の腐食が問題となる。 16n4−26 施工管理についての次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 安全管理は、建設工事現場は気象条件や作業員の熟練度の不一致などの理由により多くの危険性を含んでいることから、安全管理組織等を確立することが重要である。 (2) 出来形管理は、施工されたものが所定の高さ、長さ、幅、厚みなどについて、それぞれ規格値内かどうかのみで合否の判定を行う。 (3) 品質管理では、仕様書に示された品質、規格のとおりの施工又は材料が使用されているかについてそれぞれ規格値内かどうかのみで合否の判定を行う。 (4) 写真管理は、各工程等について所定の頻度や聞隔で記録をとり施工記録や出来形管理等の一部とするものである。 (5) 工程管理では、棒グラフ式やネットワーク式が利用されており、複雑な工事ではネットワーク式が用いられることが多い。 16n4−27 道路の計画・設計に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 将来的にも自動車の通行機能を重視する必要がある道路では、予め沿道から本線ヘの直接の出入りを制約する必要がある。 (2) 段階建設を行う道路では、経済性や将来追加施工時の施工性を最優先に考慮し、暫定供用時の利便性については、必ずしも配慮する必要はない。 (3) 道路は地域の景観を構成する重要な要素であるため、計画の早い段階から景観に関する検討を進めることが重要である。 (4) 地域住民等との協力により、沿道と一体となった沿道景観形成への取り組みに配慮する必要がある。 (5) 効率的な道路の維持管理へ対応できるように、ライフサイクルコストの低減、各種規制の影響最小化、道路管理の高度化について、配慮が必要である。 16n4−28 環境影響評価の実施に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。 (1) 国の実施する事業には、環境影響評価法に基づく環境影響評価を行わなくてもよいものがある。 (2) 都道府県及び政今市の実施する事業は、その事業規模にかかわらず、各都道府県及び政令市が定める条例に基づき、環境影響評価を行わなければならない。 (3) 市区町村(政令市を除く)の実施する事業は、事業規模が小さく環境への影響も小さいため、環境影響評価を行う必要はない。 (4) 公団及び公社の実施する事業は、その公共性や公益性に鑑み、環境影響評価を行う必要はない。 (5) 民間の実施する事業は、国の許可が必要なものは環境影響評価法に基づき、また、都道府県及び政今市の許可が必要なものは各都道府県及び政今市が定める条例に基づき、環境影響評価を行わなければならない。 16n4−29 道路交通環境に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。 (1) 平成13年6月、自動車NOx法が改正され、排出を規制する物質としてN03が追加され、対策地域が拡大されるとともに、使用車種規制が強化された。 (2) 政令市全てにおいて、平成14年度から、東京都並みの浮遊粒子状物質排出規制が実施されているものの、地球温暖化防止対策としての効果はほとんどない。 (3) 低騒音効果を有する高機能舗装は、敷設場所が限定されないとともに、騒音低減効果が半永久的に維持されるなど、騒音対策として有効である。 (4) SPMやNOx、CO2の排出量は、適正速度での走行時において最少となることから、環状道路・バイパス等の幹線道路網の整備やボトルネック対策は、沿道環境の改善に有効である。 (5) 通行料金に格差を設けることにより、住宅地域に集中した交通を山間部に転換する環境ロードプライシングが、直轄国道において全国的に展開されている。 16n4−30 公害防止計画に閣する次の記述のうち、正しいものはどれか。 (1) 環境基本法に基づき、現に公害が著しい地域等において策定される。 (2) 環境大臣の策定指示により関係都道府県知事が作成し、内閣が承認する。 (3) 全国47都道府県全てにおいて、策定されている。 (4) 公害の解決には多くの時間を要することから、計画期間は10年間と長期間である。 (5) 公害防止計画事業には、緩衝緑地の整備は含まれるが、公園の整備は含まれない。 ///////////////////////////////////////////////////////////////////// 技術士第一次試験 平成15年度 専門科目《建設部門》 15n4−1 土の基本的性質を表す諸量に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 間隙比とは、土粒子実質部の体積に対する間隙の体積割合である。 (2) 含水比とは、土粒子実質部の質量に対する間隙水の質量割合である。 (3) 塑性指数とは、液性限界と塑性限界の差である。 (4) 液性指数とは、塑性指数に対する、現在の含水比と塑性限界との差の割合である。 (5) 相対密度とは、最大間隙比と最小間隙比の差に対する、現在の間隙比と最小間隙比との差の割合である。 15n4−2 飽和粘土の圧密に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 圧密とは、間隙水の排水に起因する時間遅れを伴う圧縮のことである。 (2) 圧密による体積圧縮は、有効応力が減少することにより起こる。 (3) 正規圧密粘土とは、現在の有効応力状態よりも大きな有効応力履歴を過去に経験していない粘土である。 (4) 定ひずみ速度載荷による圧密試験は、圧密降伏応力付近の圧密特性を連続的に得ることなどの利点を有する。 (5) 圧密を促進するための地盤改良工法として、バーチカルドレーン工法がよく用いられる。 15n4−3 非排水せん断強度Cu、単位堆積重量γの飽和粘土で構成される均質一様な地盤に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 地盤中から採取した粘土の一軸圧縮強さは2Cuである。 (2) 地盤中から採取した粘土をUU条件で三軸圧縮試験を行ったとき、破壊時のモールの応力円の半径はCuとなる。 (3) 地表から素掘りで掘削して鉛直な粘土壁面を作るとき、壁面の限界自立高さはおよそ4Cu/γとなる。 (4) 地表面から掘削して築造した鉛直な擁壁において、擁壁背面の地盤が主働状態にあるとき、ランキンの土圧理論によると、この擁壁の深さzの位置で作用する水平応力はγz―2Cuである。 (5) 水平な地表面に設置した底面が滑らかな直接基礎の極限支持力はおよそ3Cuである。 15n4−4 溶接に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 母材(接合されるべき材)と変わらない継ぎ手強度を得ることが出来る。 (2) 溶接部の熱影響は複雑であり、溶接以外の接合方法に比べて応力の流れが複雑でかつ明確でない。 (3) 設計、施工の自由度が大きく、適用しうる板厚の範囲が広い。 (4) 外形的あるいは熱影響による不良な溶接により、応力集中箇所が出来やすい (5) 一体化した構造を作りうるので、減衰性の低下を招きやすい 15n4−5 補強方法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 外ケーブル工法は、既設構造物の外部にPC鋼材や連続繊維補強材などの棒状の補強材を緊張・定着させ、プレストレスを与えることにより曲げ耐力やセン断耐力等の耐荷性状やひび割れ・たわみ性状の回復・向上を図る工法である。 (2) 接着工法とは、既設構造物の表面や周囲に鋼板、連続繊維板、連続繊維シート等を接着あるいは巻きたてて補強する工法である。 (3) コンクリート増厚工法は、既設構造物の上下面あるいは周囲にコンクリート等を打ち足し、断面を増加させて性能の向上を図る工法である。コンクリート巻き立て工法もこの範疇である。 (4) 耐震壁増設工法とは、フーチング外周に鋼矢板を打設して耐震壁状にフーチングと一体化し、支持力の向上及び水平方向の抵抗力の向上を図る工法である。 (5) 地中壁増設工法とは、各基礎を地中連続壁で接続することにより応力を分散させ全体系として安定を図る工法である。 15n4−6 機能鋼材に関する次の記述のうち誤っているものはどれか。 (1) TMCP鋼とは、スラブ加熱から圧延、冷却に至る工程を一貫して治金的に制御することにより製造された鋼材で、高強度、高靭性化、溶接性能改善が図られている。 (2) 大入熱溶接用鋼とは、溶接時に発生する板表面に平行な割れを防ぐ目的で開発され、硫黄量の低減、SiO2、Al2O3の酸化物の介在の影響も大きいので脱ガス処理を行うことで製造される。 (3) クラックフリー鋼は、低炭素、ボロン添加物、及びニオブ、チタンなどの微量元素の活用により、溶接部に発生する有害な溶接欠陥となる低温割れの低減を図る鋼材である。 (4) 制振鋼板は、振動エネルギーを熱エネルギーに変え放散する仕組みを持った鋼板で、樹脂複合制振鋼板や合金型制振鋼板が開発されている。 (5) 非磁性鋼とは強磁性でない鋼をいい、一般に磁場内で磁化しやすさの尺度である透磁率がある値以下のものを指す。 15n4−7 日本の都市計画制度における用途地域の規制に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 第一種低層住居専用地域では、都市計画により敷地面積の最低限度を定めることが出来る。 (2) 第二種低層住居専用地域では、床面積の合計が150平方メートル以内の一定の店舗や飲食店等の建築は許可される。 (3) 第一種住居地域では、スケート場を建築することは条件によって認められる。 (4) キャバレーやナイトクラブは、商業地域及び近隣商業地域では建設が許可される。 (5) 小中学校は、準工業地域では建設が許可されるが工業地域では、許可されない。 15n4−8 我が国での過去5回の全国総合開発計画に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 1962年に決定された全国総合開発計画は、当時の内閣の所得倍増計画を受けたもので工業指向拠点の形成を狙いとした。 (2) 1969年に決定された新全国総合開発計画では、高速交通体系による全国の一体化が大きく取り上げられた。 (3) 1977年に決定された第三次全国総合開発計画では、定住構想を中心に据え、全国に多数の定住圏の設定を目指した。 (4) 1987年に決定された第四次全国総合開発計画では、国際的な競争力の観点から東京の強化を推し進め、都心への活動のさらなる集中を目指した。 (5) 1998年に決定された最新の全国総合開発計画では、参加と連携、すなわち多様な主体の参加と地域連携による国土づくりをキーワードに全体戦略を掲げている。 15n4−9 都市交通計画に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。 (1) 都心部など一定の区域への自動車の流入に対して、ナンバープレートの番号の奇数偶数によって規制する施策は、典型的なロードプライシング手法として知られ、シンガポールなどで適用されている。 (2) 発生集中交通量の予測では、人口経済指標を変数としたフレーター法が広く用いられている。そのパラメータは最小二乗法を用いて推定する。 (3) 分布交通量の推計で用いられる一般的な重力モデルは、2ゾーン間の時間距離が短くなると、他の説明変数の値が一定の場合は、推計される交通量が多くなる。 (4) 交通需要マネジメントは、自家用車利用から公共交通への手段転換を推し進める施策群をいうもので、公害問題の台頭とともに1960年代から我が国で用いられている用語である。 (5) パーソントリップ調査のデータが蓄積されるにつれ、そのデータを用いて近年各地で、交通需要配分に用いる精度の高いBPR関数が推定され、実用されるようになってきた。 15n4−10 河川・砂防・海岸に関する解析技術に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 貯留関数法は、貯留を考慮した非線形の運動の式を時系列の連続の式に当てはめたもので、我が国の大河川をはじめ中小河川の計画高水流量の策定に多く用いられる。 (2) 河道内樹木群を考慮した一次元不等流解析においては、樹木の高さや密度を考慮して、死水域の範囲や流水の透過の割合を決定する。 (3) 氾濫解析は、氾濫被害の予測、治水事業の効果計測などに用いられる手法で、水害発生時の避難計画策定にも応用が可能である。 (4) 一次元河床変動解析は、縦断的な河床高の変動を求める場合や横断的な河床の変化が小さい場合に用いられる。 (5) 有義波周期T1/3は、観測で得られた波の周期の長いほうから3分の1の平均値として定義される。 15n4−11 河川・海岸に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 河口付近の場は河川水と海水の混合形態から、緩混合型、弱混合型、強混合型と分類される。塩水くさびは弱混合型で、潮位差が小さい場合に多く発生する。 (2) 汀線に平行に設置される離岸堤背後では波が回折し、離岸堤の中心を通る汀線に垂直な軸を対称軸として2個の循環流が生じる。 (3) 貯水位の変化が少ないダム貯水池の入り口には大量の土砂が堆積し、デルタを形成する。このデルタ肩付近にはウォッシュ・ロード堆積物が多い。 (4) 貯水池の容量に匹敵するような洪水が流入した後においては、選択取水施設は濁水長期化対策としての効果を有効に発揮できない。 (5) 栄養塩濃度や植物プランクトン濃度が高い富栄養化した深い湖では、透明度が低く深層まで光が到達しないため、深層の溶存酸素濃度は低下する。 15n4−12 河川に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 現行河川法において、堤防沿いの樹林帯は「河川管理施設」と既定されている。 (2) 堰の固定部(又は固定堰)には、原則として、土砂吐き・舟通し・魚道等の施設を現状又は計画の流下断面内に設けてはならない。 (3) 堤防の余裕高は、洪水時の風浪、うねり、跳水等による一時的な水位上昇を考慮して、計画高水位加算すべき高さとして既定されているもので、計画上の余裕は含まれない。 (4) 一級河川指定区間と二級河川は都道府県知事が管理する。 (5) 治水対策のうち、氾濫域対策と呼ばれるものとして、道路かさ上げ、樹林帯、地下浸透施設、防災調節池の設置を挙げることが出来る。 15n4−13 傾斜堤と直立堤を比較した次の記述のうち、正しいものはどれか。 (1) 直立堤の方が軟弱地盤に向いており、液状化の被害も少ない。 (2) 直立堤の方が反射率が小さいため、周辺の海面を乱さない。 (3) 直立堤の方が維持補修の頻度が少なく、維持補修費も小さい。 (4) 直立堤の方が透過波が大きいため湾内の水質維持に有利である。 (5) 直立堤の方が施工が単純なため、施工時に荒天の影響を受けにくい。 15n4−14 港湾に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 港湾の配置計画では、背後地の土地利用やアクセスを考慮して計画する。 (2) 湾内の静穏度を保つために、自然海浜を残したり、消波工を設置したりする。 (3) 泊地は、広さ、静穏度の確保だけでなく、海底の地質についても考慮する。 (4) 防波堤の堤頭部に設置する消波ブロックは、水面に近く波力が小さいため、他の部分より軽量にする。 (5) 係船岸の安定計算では、高潮位だけでなく、低潮位についても考慮する。 15n4−15 空港に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。 (1) 滑走路に設けられている溝であるグルービングは、滑走路のわだち掘れやひび割れを防ぐために設けられている。 (2) 計画で用いる航空機の離陸距離は、停止状態から機首を上げるまでに要した距離である。 (3) 滑走路の長さは、航空機の機種によって決まり、標高や気温には影響されない。 (4) 滑走路の舗装は、道路舗装に比べて設計荷重、荷重頻度ともに小さい。 (5) 空港周辺による制約が無い場合には、滑走路の方向は出来る限り恒風方向に配置する。 15n4−16 発電・エネルギーに関連する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 風力による発電電力は風速の3乗及び風車の面積に比例する。 (2) 揚水発電所では、水の蒸発や機械的損失があるため、発電電力量は揚水に要した電力量の70%程度である。 (3) バイオマスエネルギーは、再生可能なエネルギー源として、樹木などの植物や様々な廃棄物を利用する方法で得られる化学エネルギーである。 (4) 原子力発電は、汽力発電に比べ熱効率が低く、建設費が割高である。しかし、同一の発電出力を得るために必要とされる燃料の絶対量は非常に少なく、燃料費は割安である。 (5) 火力発電所の形式のうち、ガスタービン発電は起動時間が短く負荷変動へ対応が容易であり、汽力発電に比べ構造が簡単で効率も良く、建設費・燃料費が安価である。 15n4−17 電力士.木設備に関連する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 富栄養化した深い貯水池において、夏季にばっ気循環を行い上下層を混合させると、pHの低い深層水が表層のpHを低くする役目を果たす。 (2) 火力・原子力発電所において、河口等の淡水が流入する海域において深層取水を行い、温排水を表層に放出する場合には、温排水の平面的な拡散範囲は、淡水が流入しない海域における場合よりも広くなる。 (3) 重力式ダムは水圧をダムの重量で支え底面の岩盤に伝える形式で、アーチダムは水圧をアーチで合力して両側岩盤に伝える形式である。 (4) ダムに溜まった堆砂対策として排砂設備による方法をとる場合、貯水位が高い状態で設備を操作しても、貯水池容量確保の効果はほとんどない。 (5) 発電所からの温排水は取水したときの水温より通常7℃程度高くなる。 15n4−18 道路の種類に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 高規格幹線道路は、全国で約14,000kmのネットワークであり、高速自動車国道として整備される。 (2) 地域高規格道路は、高規格幹線道路と一体となって、地域発展の核となる都市圈の育成、地域相互の交流促進等に資する路線である。 (3) 一般国道は、高速自動車国道と併せて全国的な幹線道路網を構成する道路であり、政令でその路線が指定される。 (4) 都道府県道は、地方的な幹線道路網を構成する道路であり、都道府県知事がその路線を認定したものである。 (5) 市町村道は、市町村の区域内に存する道路で、市町村長がその路線を認定したものである。 15n4−19 道路を整備する際の構造の技術的基準に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 道路の幅員構成や設計速度は、種級区分に応じて定めなければならない。 (2) 車道の車線数は、道路の計画交通量と設計基準交通量から定めなければならない。 (3) 都市部における4車線以上の幹線道路には、副道を設けなければならない。 (4) 専ら路面電車の通行の用に供するために、道路に軌道敷を設けることができる。 (5) 住区内の道路には、自動車の速度を抑制させるハンプを設けることができる。 15n4−20 道路の維持・管理に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 阪神・淡路大震災において高架橋が倒壊する被害が発生したことを教訓に、緊急度の高い橋梁について橋脚補強等の対策が実施されている。 (2) 積雪の多い地域において冬期交通の確保を図るため、スノーシェッド、防雪柵、消宵パイプ等の防雪施設の整備が進められている。 (3) 我が国の道路ストックの大部分が戦前に形成されたが、その更新をほぽ終えているため、維持・修繕コストは低く抑えられている。 (4) 特異な自然現象によって災害が発生するおそれがある箇所については、異常気象時において通行規制が行われている。 (5) 安全で快適な通行空間の確保、都市災害の防止、都心景観の向h等に資するため、電線類の地中化か進められている。 15n4−21 鉄道施設の構造に係る技術上の基準に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 円曲線には、緩和曲線の延長、車両の固定軸距等を考慮し、軌道への過大な横圧を防止することができるスラックを付けなければならない。 (2) 勾配は、車両か起動し、所定の速度で連続して運転することができ、かつ、所定の距離で停止することができるものでなければならない。 (3) 直線における建築限界は、車両の走行に伴って生ずる動揺等を考慮して定めなければならない。 (4) 交通の頻繁な道路等に架設し、下を通行するものに危害を及ぼすおそれのある橋梁には、物件落下を防止する防護設備を設けなければならない。 (5) 踏切迫は通行人等の安全かつ円滑な通行に配慮し、かつ、踏切保安施設を設けたものでなければならない。 15n4−22 大都市圏での鉄道旅客駅を計画する際の留意点に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 橋上駅は地平駅に比べ建設費が一般に割高になるので、計画段階で総合的な判断か必要である。 (2) 跨線橋の昇降口は、乗降客の利便性に配慮して改集札口に近接させることが原則である。 (3) プラットホームの幅員は、旅客の安全かつ円滑な流動に支障を及ぼすおそれのないものでなければならない。 (4) 途中駅での構内配線は運転保安上から構内全般にわたり見通しをよくし、直線を基本とする。 (5) 道路その他の交通機関と連絡がよく、旅客の利用に便利な位置であることに留意して位置選定する。 15n4−23 近年の都市交通機関に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 我が国では中量輸送の新交通システムが1980年以降急速に普及したが、導入都市数は、現在でも30都市に満たない。 (2) 我が国ではモノレールが1960年代から導入が始まり、現在では5都市以上に導入されている。 (3) 我が国では、路面電車は昭和中期以降各地で廃止が相次ぎ、現在運行している都市は20に満たない。 (4) 路面電車を新たに導入する動きは1980年代以降、欧米で盛んであるが、実際に新規に導入した都市は多くはなく、北米では5都市に満たない。 (5) 名古屋と同様にバス車両に補助支持輪を付加したガイドウェイバス技術を導入している都市は世界中で10に満たない。 15n4−24 シールドトンネルの計画に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) トンネルの土被りは、地表や地下構造物の状況、地山の条件、掘削断面の大きさ、施工方法等を考慮して決定しなければならない。 (2) 水路トンネルの勾配は、できるだけ緩い勾配で、かつ、自然流下による排水を妨げない勾配を設定しなければならない。 (3) シールド工法の選定に当たっては施工区間の地山の条件、地表の状況、断面寸法、施工延長、トンネルの線形、工期等の諸条件を考慮しなければならない。 (4) 覆工は、周辺地山の土圧、水圧等の荷重に耐え、所定のトンネル内空を確保する堅固な構造物でなければならない。 (5) シールドエ事の工程は、工事の規模、順序、工期及び施工条件等を考慮して安全かつ効率的に計画しなければならない。 15n4−25 トンネルの山岳工法における機械掘削に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 機械掘削は、発破掘削に比べて地山を緩めることが少なく、地質に適合すれば大きな掘進速度が得られる。(2) 機械掘削は、騒音、振動が多く発生するため、環境対策上、都市域のトンネルでの採用は少ない。 (3) TBMは、主に全断面掘削に用いられるほか、先進導坑掘削にも用いられている。 (4) ブーム掘削機は、主に軟岩並びに未固結地山の自由断面掘削に用いられており、適切に加背割することにより、大断面トンネルにも適用可能である。 (5) TBMは機械が大型、高価で、途中で発破掘削に変更せざるを得なくなった場合には、工期の大幅な遅延、工事費の増大を生ずることになるので、採用に当たっては慎重な検討が必要である。 15n−26 公共事業のコスト縮減のあり方に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 事業遅延を防ぐため、事業の構想段階からの合意形成手続を導入する。 (2) 最新の技術革新の動向を踏まえ、構造設計を見直す。 (3) 地域住民やボランティアの参加による施設の維持・管理を実施する。 (4) ライフサイクルコストを考慮し、限界に達した時点での補修を行う。 (5) 既存ストックを有効活用し、新設・更新費を低減させる。 15n4−27 施工計画に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 安全の確保は、現場内についてだけでなく、周囲への影響も考慮する。 (2) 工事着手前に法的規制や漁業権・水利権等の権利関係などを調べることは重要である。 (3) 工程計画では、労働力や資材などの配置だけでなく、経済性についても考慮する。 (4) 仮設構造物は一時的なものであるため、施工中の条件は考慮せず本工事と同じ荷重条件で計画する。 (5) 地盤条件の変化など不確定要素が多い場合、安全性や施工性に余裕のある計画を立てる。 15n4−28 環境影響評価法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。 (1) 環境影響評価の結果の適否を決定する者は、環境大臣である。 (2) 環境の保全についての十分な配慮がなされているか否かは、環境基準等の環境保全目標値の達成状況で判断される。 (3) 環境の保全の見地からの意見を有する者が初めて意見を述べることができるのは、準備書についてである。 (4) 第二種事業の規模に係る数値の第一種事業の規模に係る数値に対する比について、政令で定められている数値は,0.75である。 (5) 一般国道の改築事業は、環境影響評価法の第一種事業とはならない。 15n4−29 ヒートアイランド現象とその対策に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 都心部の気温が郊外に比べて島状に高くなる現象である。 (2) 20世紀中に、日本の平均気温は約3℃上昇しており、特に大都市の気温は約5℃上昇している。 (3) 国として、ヒートアイランド対策に係る大綱を策定することとなっている。 (4) 公園や緑地の整備、屋上・壁面緑化が、対策として考えられている。 (5) 行政、事業者、国民といった全ての主体がそれぞれの役割に応じて協力しながら取り組むことが必要である。 15n4−30 騒音に係る環境基準に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 環境基準の類型を当てはめる地域は、都道府県知事が指定する。 (2) 環境基準における時間の区分は、昼間を午前6時から午後10時までの間とし、夜間を午後10時から翌日の午前6時までの間とする。 (3) 環境基準は、幹線交通を担う道路に近接する空間については、特例として、昼間70デシベル以下、夜間65デシベル以下である。 (4) 騒音の評価手法は、時間の区分ごとの全時間を通じた等価騒音レベルによって評価することを原則とする。 (5) 道路に面する地域については、原則として一定の地域ごとにその地域の騒音を代表すると思われる地点を選定して評価する。 ////////////////////////////////////////////////////////////////////// 技術士第一次試験 平成14年度 専門科目《建設部門》 14-1. 土質および基礎に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。 (1) 液性指数とは、液性限界と現在の含水比の差を塑性指数で除したものであり、コンシステンシー指数とは、現在の含水比と塑性限界の差を塑性指数で除したものである。 (2) テルツァーギの1次元圧密理論によれば、対象とする粘土の種類や層厚、あるいは載荷する荷重の大きさにかかわらず、時間係数と平均圧密度の関係は同じになる。 (3) 圧密試験で得られた圧密降伏応力が、その粘土を採取した深度における有効土被り圧よりも小さい場合、その粘土は過圧密粘土であると考えられる。 (4) 場所打ち杭とは、現場で打撃、振動、圧入等の手法を用いて、工場で管理生産されたコンクリートや鋼管の既成杭を地盤中に打ち込む工法である。 (5) バーチカルドレーン工法は、軽量盛土工法と併用することにより、粘土地盤の圧密が促進されるために、地盤改良の効果は一層向上する。 14-2. 「アルカリ骨材反応」について書かれた次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) アルカリ骨材反応は粗骨材が河川から採取できなくなって、砕石が使用され出してから頻発するようになった。 (2) 既に建造された構造物のアルカリ骨材反応を解消する根本的方法は、造り直すこと以外にないとされている。 (3) 骨材の主成分によってアルカリ・シリカ反応とアルカリ・炭酸塩反応とがある。 (4) 融雪剤の散布は、アルカリ雰囲気を阻害し、アルカリ骨材反応を促進する。 (5) アルカリ骨材反応の対策の具体的な考え方は、反応性骨材、アルカリと水分の共存を防ぐことであり。低アルカリ型セメントを使用することも一策である。 14-3. 日本の都市計画に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 平成12年の都市計画法の改正により、非線引き都市計画区域を含め、すべての都市計画区域でマスタープランの策定が定められることになった。 (2) 特定用途制限地域制度とは、用途地域が指定されていない、非線引き白地地域などにおける用途規制を行うことなどを目的とした制度である。 (3) 準都市計画区域とは、用途区域などの都市計画決定などを通じて土地利用の整序のみを行うことを目的として、都道府県が指定する区域である。 (4) 国及び地方公共団体は、都市の住民に対し、都市計画に関する知識の普及及び情報の提供に努めなければならないことは、都市計画法にも規定されている。 (5) 土地区画整理事業で、都市計画道路を用地買収方式で整備する場合には、道路整備特別会計からの補助を受けることができる。 14-4. 河川法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 法の目的に、河川環境の整備と保全が含まれている。 (2) 河川整備計画の策定に当たって、必要な場合は関係住民の意見を反映させる。 (3) 河川法上の河川は、一級河川、二級河川、三級河川の3種類である。 (4) 河川管理施設である樹林帯には、堤防沿いの河畔林のほかに、ダム湖周辺に整備されるダム湖畔林がある。 (5) 河川立体区域の指定は、稠密化した市街地で合理的な土地利用を図りながら河川整備を進めるために行われる。 14-5. 港湾計画に関する次の記述のうち、 誤っているものはどれか。 (1) 港口とふ頭との距離が入港船の航行停止、転舵に差し支えない余裕を持ち、構内の静穏な場所を選ぶ。 (2) ふ頭は利用上、内外貿易の別、船客と船荷の別、取扱貨物の種類別に区分して配置することが望ましい。 (3) 岸から突き出す突堤ふ頭は、限られた陸岸の水際線に比較的数多くのバースを造ることができる。 (4) バースの寸法は、計画される船形に応じて、長さは船の長さに5〜10mの余裕を、水深は満載きっ水に5mの余裕を与える。 (5) バース数は、入港船数がポアソン分布に従うとして集中度を推定し、バースの利用率やバース待ち時間などを考慮して定める。 14-6. 「グリーン電力制度」について書かれた次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 省エネルギー(化石燃料節減)や温室効果ガスCO2の削減を目的に、自然エネルギー利用の促進を図るために、国、電力会社、消費者が一体となった社会システムを目指すために導入された。 (2) 主に個人からの基金を受け入れる「グリーン電力基金」制度が用意され、その基金を基に自然エネルギー発電助成を行う。 (3) 企業からの支援を受け入れるため「グリーン電力証書システム」があり、それを仲介に自然エネルギー発電業者に発電を委託する。契約企業・団体には発電実績を記した証書が発行される。 (4) 自然エネルギー利用の長期的な促進を図るために、自然エネルギー発電で個々の発電コストにかかわらず安定した購入価格を指導設定することにより導入インセンティブを大きくする。 (5) 温室効果ガスの削減を目的とし、風力発電と太陽光発電への助成を行い環境対策としての数値化を図る。 14-7. 道路構造令に定める道路構造に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 都市部の幹線道路には原則として、植樹帯を設ける。 (2) 車道部の建築限界の高さは、原則として3.8mである。 (3) 自転車歩行車道の幅員は、歩行者の交通量が多い道路では4m以上とする。 (4) 積雪地域の道路では、中央帯の幅員は除雪を勘案して定める。 (5) 車道の曲線部においては、設計車両と曲線半径に応じて車線を拡幅する。 14-8. 鉄道・交通計画に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 乗り上がり脱線と、すべり上がり脱線では、アタック角の符号が逆となるが、一般には後者の脱線は前者に比べ起こりにくい。 (2) 我が国の鉄道貨物輸送量は、トンキロ単位で1970年に全体の40%弱を占めていたが、近年は4%前後のシェアに低下している。 (3) 定尺レールをロングレール化する場合、一般には、1)工場溶接、2)現場準備溶接、3)現場溶接 の3段階の手順を踏む。 (4) 現在、我が国の二酸化炭素排出量の部門別シェアで、運輸部門は約40%を占めており、公共交通への転換など環境に優しい交通政策の一層の推進が求められている。 (5) 四段階推定法の機関分担モデルには非集計行動モデルが多く用いられるが、このモデルは、必要サンプル数が少なくてすみ、かつ詳細な変数を取り込むことができるという長所を有している。 14-9. トンネルに関する次の記述のうち、 正しいものはどれか。 (1) 軟弱地盤を密閉型泥土圧式シールドで掘進する場合、泥土圧をかけすぎると切羽前隆起や後続沈下の危険があるため、掘進時の泥土圧の管理圧は低めに設定することが望ましい。 (2)  平行に2本の山岳トンネルを建設する場合、応力的にも施工的にもお互いが干渉しないためには、弾性挙動する地山ではトンネル代表直径の半分程度の離隔距離を持たせればよい。 (3) 膨張性地山は、地山自身の膨張圧によりアーチ効果が形成されやすく、土被りの小さい場合でも切羽が安定しやすいという特長がある。 (4) 道路トンネルの長大化には換気施設の進歩も重要な役割を果たしてきたが、以前は横流換気方式が主流であったが、現在は換気コストが削減できる縦流換気方式が主流である。 (5) 沈埋トンネルは、水密性の高い鋼殻内にコンクリートを打設した沈埋函をドライドッグで製作し、その沈埋函を施工現場まで曳航し、あらかじめ掘削されたトレンチに沈設する工法で造られる。 14-10. 公共施設整備における環境影響に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 航空機騒音の評価には、WECPNL(加重等価平均感覚騒音レベル)という単位が用いられる。 (2) 道路交通振動の発生は、道路面の凹凸、橋梁の伸縮継ぎ手の段差が主因の1つとされる。 (3) 窒素酸化物濃度を予測するための拡散モデルには、プルームモデルとパフモデルがある。 (4) 水質汚濁に関する環境基準では、富栄養化の指標として、河川ではBOD、湖沼ではSSを用いている。 (5) 地盤沈下の発生は、地下水の採取による地下水圧の低下や、盛土などによる新たな加重が原因とされる。 (4−2)記述問題  次の11問題のうち3問題を選んで簡明に解答せよ。(3枚綴りの答案用紙を使用し、問題ごとに用紙を替え、解答問題番号を明記し、それぞれ1枚以内にまとめよ。) 14-k-1. 地山切土斜面の安定化を図る工法の中で、鉄筋等の鋼棒あるいはそれに準ずる棒材を用いる点で類似しているものとして、地山補強土工法とグラウンドアンカー工法がある。両工法を比較して、@棒材の長さと定着方法、A棒材の引張力、B地山安定化のメカニズム、C地山の変形、D地山条件、の各項目について、両者の相違点が明確に分かるように説明せよ。 14-k-2. 「省力化桁」や「合理化橋梁」と呼ばれる橋梁が盛んに架設されている。この利点及び欠点を2つずつ挙げ、述べよ。 14-k-3. 平成12年の都市計画法改正で導入された特例容積率適用区域制度について、その特徴と目的、対象区域などについて説明せよ。 14-k-4. 河川に設置される横断工作物を2つ挙げ、治水、生物環境の面からその留意点について説明せよ。 14-k-5. 図のように計画された港湾の構造物a,b,cについて、それぞれ波浪と漂砂による影響と留意点について延べよ。zzzzz ken14-k-5 14-k-6. 核燃料サイクルにおけるプルサーマルについて説明し、電力需要に対応する立場から必要性と問題点をそれぞれ述べよ。 14-k-7. 道路緑化が有する交通安全機能とされる遮光機能、視線誘導機能、交通分離機能、指標機能、衝撃緩和機能の中から2つ取り上げ、その機能と仕組みを説明し、設計上の留意事項を述べよ。 14-k-8. 我が国の大都市部における鉄道ネットワーク整備の課題について、利用者の立場、鉄道事業者の立場、環境保全の立場から、各々簡潔に述べよ。 14-k-9. 山岳トンネルを施工する再の掘削工法のうち代表的なものを3つ挙げ、各々について説明せよ。なお、発破掘削、機械掘削、TBM掘削等の掘削方式についての問いではないので注意すること。 14-k-10. 公共土木工事の積算について、積算基準による方法の長所・短所を、積算基準によらない個別積み上げによる方法と比較して述べよ。 14-k-11. 開発事業候補地において稀少猛禽類の目撃情報が得られた場合の対処として、調査により把握すべき重要事項とその方法、調査結果に基づき施設配置計画・施工計画において配慮すべき事項を述べよ。 ////////////////////////////////////////////////////////////////////// 技術士第一次試験 平成13年度 専門科目《建設部門》 13-1. 土質および基礎に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 間隙比は間隙の体積と土粒子の体積の比であり、含水比とは間隙水の質量と土粒子の質量の比である。 (2) 圧密度とはある時刻における圧密沈下量と最終沈下量との比である。 (3) 正規圧密粘土地盤上に盛土を構築する場合、最も危険なのは盛土構築直後である。 (4) 鉛直壁で支持された砂地盤の土圧が最も大きくなるのは、主働破壊状態にあるときである。 (5) 杭の鉛直支持力とは、先端支持力と周面摩擦力との和である。 13-2. 両端埋め込みの5径間連続梁の中央の径間に等分布荷重が作用している場合、当該径間の曲げモーメント分布の概形として正しいものはどれか。 (1) 正弦半波 (2) 一定 (3) 一次関数 (4) 2次関数 (5) 3次関数 13-3. 日本の都市計画に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 都市計画区域は国土面積の3割弱を占めているが、そこに全人口の9割以上が居住している。 (2) 市街地区域においては、都市計画で定められた容積率の範囲内で、複数敷地間で特例的な容積率制限を定めることができる。 (3) 都市計画事業によって著しく利益を受ける者に対しては、当該事業に要する費用の一部を負担させることが都市計画上、可能である。 (4) 市街地区域であれば、用途地域が定められていなくとも、特定用途制限地域制度により、建築物等の概要を定めることができる。 (5) 市町村が都市計画区域内の都市計画を決定する場合、あらかじめ都道府県知事に協議し、その同意を得る必要がある。 13-4. 河川、砂防及び海岸に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。 (1) 平成12年9月の東海水害では、庄内川の洪水の一部が庄内川の支川である新川に流れ込んだ。これは、新川が破堤した一因であり、庄内川の堤防も決壊の危険性が高まった。 (2) 湖沼の富栄養化現象は、窒素化合物やリン化合物の濃度が高まることによって起きるが、その対策として湖水を爆気するのは窒素やリンの分解を促進するためである。 (3) ダムの最低水位は水平に計画されるが、実際の堆砂状況はダム堤体付近では最低水位を超える一方で、流入河川では最低水位以下にとどまっており、水平には堆砂していない。 (4) 土石流の流下域における対策工には、土石流の停止を目的とする砂防ダムと、土石流の減勢とエネルギー減殺を目的とする透過型のダムなどがある。 (5) 津波や高潮対策として一般的なのは防潮堤であるが、港湾機能をもち、流入河川の多い内湾で、高い防潮堤をめぐらせるのが困難な場合には、離岸堤がよく採用される。 13-5. 港湾及び空港に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。 (1) コンテナ輸送システムは、荷役の機械化、荷役時間の短縮などの利点から急速に成長したが、港湾施設としてコンテナ専用設備の新設が不要だったことも一因である。 (2) 日本における港湾の基準水準面は、原則として海図の基本水準面を採用するが、これは、どの港湾でも東京湾中等潮位(T.P.)より高い。 (3) 防波堤の構造のうち、傾斜堤は、水深が浅くなると施工性や経済性で問題が生じやすく、また、反射波が大きく、付近の海面を乱す。 (4) 首都圏では、近年の航空需要の増大に対応するため、羽田空港の沖合展開や成田空港の暫定滑走路建設が、現在構想段階にある。 (5) 航空機騒音問題については、音源対策として便数や発着時間の規制など、空港の改良として滑走路の移転や緩衝緑地の設置など、空港周辺対策として家屋等の防音工事などが講じられてきた。 13-6. 火力発電に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 汽力タイプでは、燃料をボイラーで燃やしてつくった高温・高圧の蒸気を回して発電する。現在、火力発電の中では、発電能力・発電量ともに、圧倒的に高い比率を占めている。 (2) 内燃力タイプでは、ディーゼルエンジンなどの内燃機関を回して発電する。島などでの小規模発電用として利用されている。 (3) ガスタービンタイプでは、灯油や軽油などの燃焼ガスでタービンを回して発電する。ピーク時の需要に対応する役割を担っている。 (4) コンバインドサイクルタイプは、ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせた新しい発電方式であり、若干劣る熱効率に改善余地を残す。しかし、需要の変化に即応した運転が可能である。 (5) 火力発電所では、光化学スモッグや酸性雨の原因となる硫黄酸化物(SOx)、窒素酸化物(NOx)、ばいじんなどによる大気汚染防止のため、対策がいろいろとられている。 13-7. 道路に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 日本では多車線道路の基本交通容量は、2200[pcu/時/車線]を一般に用いている。 (2) 交通セル方式とは、都心部をいくつかのセルに分割し、セル同士の境界に歩行者専用道などを設置して自動車の横断を規制する方法である。 (3) 自転車専用道路の復員は3m以上、自転車歩行者専用道路の幅員は4m以上を必要とする。 (4) 一般に、K値もD値も、地方部より都市部で高い値を示す傾向にある。 (5) DPF(Diesel Particulate Filter)を装着することにより、ディーゼル車からの粒子状物質発生量を大幅に削減することができる。 13-8. 鉄道に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 線路の緩和曲線に用いられる3次放物線は、設定が容易であるが、サイン半波長逓減曲線に比べ、乗り心地は悪い。 (2) 四段階推定法の分布交通量の推計には、Wardropの第1原則(利用者均衡解)に基づいた方法論が用いられる。 (3) 多期間にわたるプロジェクトの便益計測のためには、将来便益を現在価値に割戻し計算する必要がある。 (4) 現在山梨実験線で検討されているリニアモーターカーは、磁気浮上方式の中の、誘導反発式を採用している。 (5) トランジットモールの導入により、都心商業地の活性化や道路交通環境の改善、公共交通の活性化を図ることができる。 13-9. トンネルに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 日本の山岳トンネルの標準工法は、鋼アーチ部材と矢板による支保工によってトンネル周辺地山を支持して安定を保つ工法である。 (2) TBMによる掘削は、地山が良好な場合には高速掘進が可能となるので、日本での長大道路トンネルの施工に採用されている。 (3) 特殊断面シールド工法は、2ないし3連の複円形シールドや楕円や矩形の非円形シールドを用いる工法である。 (4) 軟弱粘土地盤中のシールドトンネルは、施工後の圧密沈下や地震時における地盤の滑動の影響も検討して設計すべきである。 (5)  「大深度地下の公共的使用に関する特別措置法」の施行により、将来設置される大深度地下施設に支障が生じないように地上建築物には制限がかかるので、地上の土地所有者は注意が必要である。 13-10. 施工計画、施工設備及び積算に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) ネットワーク式工程図におけるクリティカルパスとは、工事に要する日数が最長となる経路を指す。 (2) 土砂、コンクリート塊、アスファルト・コンクリート塊、木材の発生量が、法令に定める規模を越える場合は再生資源利用計画をたてる。 (3) 騒音規制法において、著しい騒音を発生する作業とされる特定建設作業には、圧入式くい打ちくい抜き機を使用する作業が含まれる。 (4) 公共工事積算において、建設機械の運転経費は直接工事費に、運搬経費は間接工事費に区分される。 (5) 公共工事におけるVE(バリュー・エンジニアリング)には、受注者の技術提案によりコスト縮減を図るものがある。 (4−2)記述問題  次の11問題のうち3問題を選んで簡明に解答せよ。(3枚綴りの答案用紙を使用し、問題ごとに用紙を替え、解答問題番号を明記し、それぞれ1枚以内にまとめよ。) 13-k-1. 砂地盤で液状化現象が発生する原因と具体的な被害事例について述べよ。 13-k-2. 橋梁接合部を少なくするいわゆるノージョイント化について、メリットを2つ挙げ説明せよ。 13-k-3. 都市計画法第12条で定める市街地開発事業の中の、土地区画整理事業と市街地再開発事業について、それぞれの目的と事業内容、事業手法について対比的に説明せよ。 13-k-4. 山地・山麓部、ダム、河道、海岸において発生している土砂に係る問題をこの4つの地域ごとに述べよ。 13-k-5. 港湾の係留施設の設計において定めるべき設計条件となる、自然条件、利用条件、形状条件について、それぞれを簡潔に説明せよ。 13-k-6. 風力発電の設置に際して配慮すべき環境面での問題を3つ挙げ説明せよ。 13-k-7. 道路設備に関する費用便益分析において、計測すべき代表的な便益項目を3種類挙げ、それぞれの計測方法について簡潔に述べよ。 13-k-8. 日本の鉄道整備に関わる代表的な開発利益の還元方法について3種類挙げ、それぞれの内容について簡潔に述べよ。 13-k-9. 山岳トンネルにおける補助工法を3つ挙げ、その目的と効果について述べよ。 13-k-10. 高所作業、水上作業、車両系建設機械作業、道路維持修繕作業の4つの作業について、想定される事故をそれぞれ1つ挙げ、その原因と対策について述べよ。 13-k-11. 河川、ダム、海岸、港湾、空港、道路、住宅団地の中から2つ取り上げ、その整備が動植物・生態系に与えると考えられる一般的な影響を、工事中と共用後に分けて述べよ。 ////////////////////////////////////////////////////////////////////// 技術士第一次試験 平成12年度 専門科目《建設部門》 次の10問題を解答せよ(専門科目解答欄にマークすること。) 12-1. 土質及び基礎に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 塑性指数Ipは液性限界WLと塑性限界Wpの差である。 (2) 鋭敏比とは、粘性土の乱さない試料と、これを同じ含水比のままで十分練り返した試料のそれぞれの非排水せん断強さの比をいう。 (3) 基礎設計に用いる地盤反力係数は、平板載荷試験以外に標準貫入試験や一軸、三軸圧縮試験からも推定できる。 (4) サンドドレーン工法は、軟弱地盤対策以外に液状化対策としてもよく用いられる。 (5) クイックサンドとは、粘着力のない砂などにおいて、上向きの浸透力が砂の水中単位体積重量よりも大きくなって液体状になる現象である。 12-2. 鋼構造物の非破壊検査方法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 放射線透過法は、ブローホールのような容積のある欠陥よりも、疲労亀裂のような平面的な欠陥の検出に適している。 (2) 超音波検査法は、放射線透過法と比較して、検出精度が検査者の技量に大きく依存する。 (3) 磁粉探傷法は、欠陥が表面に開口していなくても磁束が表面に漏洩するので、表面下の欠陥も検出できる湯合がある。 (4) 浸透探傷法は非磁性金属にも応用でき、道具が簡易で済むが、表面に開口している欠陥しか検出できない。 (5) アコースティックエミッション(AE)法は、固体内部の微少な破壊あるいはそれと同様なエネルギー開放過程によって発生する弾性波動を検出する方法である。 12-3. 日本の都市計画法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 市町村が都市計画に関する基本方針を定めた楊合は、都道府県知事への通知が必要である。 (2) 都市計画区域の指定は、原則として都道府県が都市計画地方審議会の意見を聴き建設大臣の同意を得て行う。 (3) 市街化調整区域において行う開発行為で規模が1,000m2未満のものは都道府県知事の許可を要しない。 (4) 都市計画事業は一般私人であっても都道府県知事の認可を受ければ施行することができる。 (5) 都市施設は都市計画区域外においても定めることができる。 12-4. 河川・砂防・海岸に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 湖沼や高潮区間以外の堤防の高さは、一般的に、計画高水位に、計画高水流量に応じた余裕高を加えた値以上とする。 (2) コンクリートダムとフィルダムでは、前者は弾性構造物、後者は非弾性横遣物であり、両者の構造力学的体系は全く異なる。 (3) 計画許容流砂量とは、計画基準点から下流河川等に対して無害、かつ必要な土砂として流送すべき量であり、流水の掃流力、流出土砂の粒径等を考慮して、河道の現況及びその計画に基づいて定めるものとする。 (4) 長期間の降雨(梅雨など)や融雪水と地すべりの運動が密接に関連している地すべりの場合は、集水井工、排水トンネルなどの地下水排除工が有効な対策である。 (5) 離岸堤の施工順序については、浸食区域の上手側(漂砂の供給源に近い側)から着手し、順次下手に施工するのを原則とする。 12-5. 港湾・空港施設の計画・設計・施工に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 港湾施設の構造の安定又は水域施設の静穏度等の検討に用いる波は、波浪の実測又は波浪の推算によって得られた波浪資料をもとに統計処理し、さらに地形等による波の変形を勘案して設定する。 (2) 港湾の施設の設計において、液状化の予測・判定が必要な場合は、粒度・N値法によることが一般的であるが、同法による予測・判定が困難な場合には、繰り返し三軸試験結果を活用して行う。 (3) 基本水準面(CDL)とは、施設計画、構造物の設計工事施工などに際して基本となるべき基準面で、平均水面から主要四分潮の半潮差の和に相当する水位分を下げたものであるが、ごくまれに基本水準面以下に海面が低下することがある。 (4) 環境影響評価法においては、一定規模以上の公有水面埋立に対して環境影響評価を実施することとなっており、港湾計画の策定時には実施しなくてもよい。 (5) 滑走路の長さは・航空機の離陸距離、加速停止距離及び着陸距離の3つに対して、温度、標高、滑走路の縦断勾配等を考慮した十分な長さとする。 12-6. 電力土木設備に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 揚水発電では、揚水時、発電時の損失が合計されて約10%のエネルギーの損失が発生する。 (2) 水力発電所において調整池などをもたず、河川の自然流量を調整せずにそのまま発電に使用する形式を自流式(流込み式)発電所という。 (3) 河川流量の低水量とは、1年間のうち275日間はこれより減少することのない流量である。 (4) 火力・原子力発電所の取水口の位置は、温排水の再循環のおそれのないように選定する。 (5) 火力発電所のLNGタンクには地上式と地下式があるが、地下式は貯蔵液位が周辺の地盤表面以下あるいはタンク周辺盛土の天端以下であり、防液堤を必要としない。 12-7. 道路に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 道路の特性を示す昼夜率とは、1日24時間の交通量を昼間12時間の交通量で割ったものである。 (2) 側帯は、車両の走行のための側方余裕を確保し、運転者の視線を誘導する機能を有する。 (3) 曲線部の片勾配は、走行する自動車が受ける遠心力に対して、重力及び路面とタイヤの摩擦力によって対抗するよう適切な値とする。 (4) アスファルト舗装は、通常、設計期間における平均の1日1方向当たりの全車交通量と路床のCBRに基づいて設計される。 (5) ETCとは、有料道路の料金所において、路車間の通信により料金支払いを行うシステムである。 12-8. 鉄道に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) カント(曲線通過時の車両に働く遠心力による影響を低減するために軌道につける傾斜のこと)をつける際、緩和曲線があったので、その全長において逓減することにした。 (2) 車両の留置又は解結をする区域において、側線の最急勾配を1,000分の10とした。 (3) 建築限界内には、建物その他の建造物等が入らないように厳しく検査を行った。 (4) 緩和曲線及び縦曲線を避けて、分岐器を設置した。 (5) 本線において曲線半経の小さい曲線で、車両の走行の安全に支障を及ぽすおそれのある箇所に、脱線防止レールを設けた。 12-9. 都市トンネルに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) アイランド工法の施工に当たっては、現場の立地条件、周辺環境、地盤条件、躯体の形状に留意し、土留め壁の種類、掘削の順序、躯体の築造の順序等について十分検討のうえ、安全に施工しなければならない。 (2) シールド工法では、切羽が密封され、泥水圧や泥土庄で切羽の安定を図る方法が多く用いられている。 (3) 標準的な開削工法は、掘削してその後埋め戻す工法のため、一時的には土地利用を制限する必要がある。 (4) 沈埋工法は、トレンチ内に他所で製作した函体をユニット毎に沈設し、土砂で埋め戻してトンネルを完成させる工法で、主として上下水道に用いられる。 (5) 推進工法は、地山中にトンネル躯体をジャッキ等で押し込んで築造する工法で、トンネル構造物が掘削と同時に出来上がるという特徴を有している。 12-10. 都市部における地下土木構造物の施工計画に関する記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 道路下には、電気・電話・ガス・上下水道等の各種の埋設物が設置されており、施工計画に当たってはこれらについての詳細な事前調査を行っておくことが必要である。 (2) 工事による周辺の建物への影響が予想される場合には、建物に変状等が生じた際にそれが工事に起因するものか否かの判断に資するため、工事着手前に建物の調査を行っておくことが必要である。 (3) 交通量の多い道路での開削工事においては、道路交通への支障を極力小さくするため、交通量の少ない夜間の施工になる場合が多い。 (4) 都市部での地下水位が高い軟弱地盤でのシールドトンネルの施工においては、一般的に密封型シールドよりも開放型シールドを採用することが適当である。 (5) 掘削によって生じた土砂は、省資源の観点から建設副産物として再生利用に努めるべきであり、最近では埋戻し材に流動化処理土として利用されるケースも見られる。 (2−2)記述問題  次の11問題のうち3問題を選んで簡明に解答せよ。(3枚綴りの答案用紙を使用し、問題ごとに用紙を替え、解答問題番号を明記し、それぞれ1枚以内にまとめよ。) 12-k-1. 杭基礎工法のうち基本的な工法を3つ挙げ、打設方法の違いとともに各々の設計・施工上の留意点を述べよ。 12-k-2. コンクリート構造物において、RC構造、PC構造、PRC構造(PPC構造)の設計上の違いについて述べよ。また、コンクリート構造物の設計において従わなくてはならない−般的な構造細目を3つ挙げ、それぞれについてその内容を簡潔に述べよ。 12-k-3. 都市計画に定める地域地区のうち、用途地域以外のものの種類を5つ挙げ、それぞれについて都市計画に定める目的を簡深に述べよ。 12-k-4. 流域の社会構造の急激で大規模な変化が地域の水循環系に引き起こした問題として一般的に言われているものを列挙し、それぞれの項目について内容を簡解に述べよ。 12-k-5. 港湾における直杭式横桟橋係船岸の標準的な断面を簡単な図で示し、図中に各部分の名称を記せ。また、完成までに要する主な工事種別を5つ挙げ、それぞれについてその内容を述べよ。 12-k-6. 水力発電所におけるサージタンクの設置目的とその種類について述べよ。 12-k-7. 道路の平面交差部の横断構成の決定に当たって留意すべき事項を述べよ。 12-k-8. 鉄道の線路の構造について、その構成要素に分類し、それぞれの役割について述べよ。 12-k-9. 山岳トンネル工法で用いられるロックボルトの作用効果について述べよ。 12-k-10. 契約上定められた工期内で土木構造物の工程表を作成するに当たり、考慮すべき主要な要素を4つ挙げ、それぞれの留意点を説明せよ。 12-k-11. 建設事業において、環境に関する技術開発を行うに当たっての基本的な考え方を具体例を挙げて述べよ。 ////////////////////////////////////////////////////////////////////// 技術士第一次試験 平成11年度 専門科目《建設部門》 11-1. 土質及び基礎に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 均等係数は、加積通過率60%に相当する土粒子の直径を加積通過率10%に相当する土粒子の直径で除したものである。 (2) 正規圧密粘土とは、圧密降伏応力よりも低い有効応力を受けた状態の粘土である。 (3) せん断に伴って体積が変化する現象をダイレイタンシーという。 (4) 一軸圧縮試験結果からは、せん断強度以外に変形係数も求めることができる。 (5) 杭基礎の鉛直支持力は、杭の打設方法などの施工法により大きく異なる。   11-2. コンクリートに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) コンクリートのクリープ係数とは、コンクリートに生じる弾性ひずみに対するクリープひずみのことを指し、クリープ係数が大きいほどプレストレスの損失は大きくなる。 (2) 高強度コンクリートの実用的な製造方法として、高性能AE減水剤を用いる方法がある。 (3) 細骨材率とは、コンクリート中の粗骨材と細骨材の絶対容積比の百分率のことを指し、適切なワーカビリティーが得られる範囲内でコンクリート強度が大きくなるようこれを定めることが基本である。 (4) アルカリ骨材反応の抑制対策には、安全と認められる骨材の使用、低アルカリ形セメントの使用、抑制効果のある混合セメントの使用、コンクリート中のアルカリ総量の抑制がある。 (5) レイタンスとは、コンクリートのブリーディングに伴い、表面に浮かび出て沈殿したもののことを指し、新旧コンクリートの打継目の施工においては、レイタンスを除去してから新コンクリートを打ち継ぐことが必要である。 11-3. 日本の都市計画法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 準住居地域は道路の沿道としての地域の特性にふさわしい業務の利便の増進を図りつつ、これと調和した住居の環境を保護するため定める地域とする。 (2) 施行予定者が定められた都市施設に関する都市計画は、これを変更して施行予定者を定めないものとすることができない。 (3) 市街化調整区域においても地区計画を定めることができる。 (4) 都道府県知事は、都市計画法第53条に基づいて建築許可が申請された場合、階数が2以下で、かつ、地階を有せず、さらに、主要構造物が木造、鉄骨造、コンクリートブロック造その他これに類する構造である場合のみ許可できる。 (5) 都市計画地方審議会は、都市計画に関する事項について、関係行政機関に建議することができる。 11-4. 河川・砂防・海岸に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 弱混合型の塩水遡上形態とは、「塩水くさび」と呼ばれるくさび状の塩水が淡水の下に進入して明瞭な二成層をなしている形態であり、潮位変化の小さい河川で出現することが多い。 (2) アーチ式ダムは重力式コンクリートダムよりも、竪硬で強固な基礎岩盤を必要とする。 (3) 土石流の発生が予想される渓流では谷の出口に砂防ダムを計画するとともに、下流に計画される流路工は現況流路の平面形状を維持し、大きく変更してはいけない。 (4) 地盤伸縮計は、地盤の移動が顕著になった地すべり斜面に現れた亀裂をはさんで設置し、地表の圧縮量あるいは引張量を計測するものである。 (5) 離岸堤は、汀線から離れた沖側の海面に、汀線とほほ平行に設置される構造物であり、消波効果を目的とするものや離岸堤背後への堆砂効果を目的とするものがある。 11-5. 港湾・空港施設の計画・設計・施工に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 耐震強化岸壁は、通常は国際海上コンテナターミナルに限定して計画され、大規模地震による被災時に、地域の経済活動を支えるために必要な当該港湾の物流機能を確保することを目的としている。 (2) 環境影響評価法においては、政令で定めるところにより、一定規模以上の公有水面の埋立ては第一種事業となる。 (3) 防波堤の天端高は、一般に、朔望平均満潮面に当該防波堤の安定計算に用いる波高を基準とした所要の余裕を加えた高さとすることが多い。 (4) 控え杭を有する矢板式係船岸の施工においては、一般に、タイロッドを取り付けずに裏込め、裏埋めを施工することはない。 (5) 空港のエプロンの設計に当たっては、一般に、航空機の駐機方式、航空機間の間隔、航空機と固定障害物との間隔、転移表面等を考慮する必要がある。 11-6. 電力土木設備に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 水力発電所の経済性評価に費用(C)と便益(V)を比較するC/V手法が用いられるが、個別地点の開発規模は(V−C)を最大とするものに決め、開発順位は投資効率のよい、すなわちC/Vの小さい地点を優先することが基本である。 (2) 水力発電所の理論出力P(kW)は、流量をQ(m3/sec)、有効落差をHe(m)とすると、下式のとおりとなる。    P=9.8・Q・He (3) 埋設水圧鉄管の設計においては、鉄管に作用する全内圧を鉄管のみで負担させる方法と周辺の岩盤に一部内圧を負担させる方法がある。 (4) 火力・原子力発電所の放水口の形式は、周囲水との希釈混合が比較的少ない水中放水方式と周囲水との混合を目的とする表層放水方式に大別される。 (5) 石炭火力発電所で回収されるフライアッシュは、セメント混和材、セメント原料などに利用される。 11-7. 道路に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 基本交通容量は、交通容量を低下させる種々の要因を考慮して可能交通容量を補正して求める。 (2) 自動車起終点調査(OD調査)とは、自動車交通の実態を、交通量、起終点、貨物、乗車人員の量など交通の内容について多面的にとらえることを目的とした交通調査である。 (3) アスファルト舗装の基層の役割は、路盤の不陸を整正し、表層に加わる荷重を路盤に均一に伝達することである。 (4) 道路構造令に定める設計速度の最高値は120km/hである。 (5) 排水性舗装は、雨天時の事故防止対策として有効であるだけでなく、道路交通騒音を低減する効果がある。 11-8. 鉄道に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) トンネルの建築限界外には、電灯、電線等の設置に必要な余裕を設ける。 (2) 鉄道の橋りょうには、物件の落下を防止するための防護設備を設ける。 (3) 他の条件が同じであれば、木まくらぎ区間とPCまくらぎ区間では木まくらぎ区間の方が張り出し事故が起きやすい。 (4) 保守経費の削減のため、無道床橋りょうに分岐器を設けた。 (5) 地形上やむを得ないと判断し、本線の曲線半径を200mとした。 11-9. トンネルの覆工コンクリートの施工に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 坑口部の覆工コンクリートには、鉄筋による補強を行い、インパートを設置した。 (2) アーチ部のコンクリートは、コンクリートポンプを用いて天端よりトンネル軸方向に流すように打設してはならない。 (3) コンクリートは、型枠に偏圧をかけないように、左右対称に打ち上げ、コールドジョイント等を生じさせないように、連続して打ち込まなければならない。 (4) 締固めに当たっては、側壁部は棒状バイブレーター、アーチ部は型枠バイブレーターを使用して、十分に締め固めなくてはならない。 (5) 一般に、覆工コンクリートは、変位を早期に収束させるためにできるだけ早く打設しなければならない。 11-10. 土木構造物の施工に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) きめ細かな施工計画を策定するためには.設計条件を決定するための事前調査の他、埋設物など工事に直接関係する調査や地盤変状など施工による影響の調査を行うことが望ましい。 (2) 高架橋支保工の施工に当たっては、施工中に発生する変位を予測し、必要な上げ越し処置を行うとともに、コンクリート打設中は変位量の測定及び点検を行い、安全性を確認する必要がある。 (3) 市街地における仮土留工のヒービングに対する対策は、地下水位を下げ湧水の減少を図ることであるが、地盤変状を引き起こすおそれもあるので、この対策も講ずる必要がある。 (4) 地盤改良工法においては、工程と品質及び出来形の仕様に重点をおいた施工計画をたて、沈下や安定を管理するために必要な観測と改良効果の確認を実施することが大切である。 (5) リバースサーキュレーション工法は、静水圧のみによって孔壁保護をしているため、循環水の比重及び流速の管理や掘削速度の管理など施工管理を徹底しないと、孔壁崩壊を起こす危険性がある。 (2−2)記述問題  次の11問題のうち3問題を選んで簡明に解答せよ。(3枚綴りの答案用紙を使用し、問題ごとに用紙を替え、解答問題番号を明記し、それぞれ1枚以内にまとめよ。) 11-k-1. 壁体に作用する土圧の種類を3つ挙げ、その大小関係を示し、それぞれの土圧を壁体の変位に着目して述べよ。 11-k-2. 鋼構造物の防錆方法である塗装について、塗膜が防錆効果を発揮する理由を2つ述べよ。また、塗装以外の主な防錆方法を2つ挙げ、その特徴を述べよ。 11-k-3. 都市計画法第7条第2項で定める市街化区械の定義を述べよ。また、都道府県知事が市街化調整区域内での開発を許可できるのはどのような場合か。要件を4項目列挙せよ。 11-k-4. 河川に求められる様々な自然的・社会的要求を満たすために必要な河川の正常流量を定める際に考慮すべき項目を列挙し、それぞれの項目について内容を簡潔に述べよ。 11-k-5. 港内静穏度に影響を与える波浪に関する要因を4つ以上挙げ説明せよ。 11-k-6. 水力発電所の形式を落差を得る方法により3つに分類し、その各々の特徴について述べよ。 11-k-7. 有料道路のインターチェンジの位置を選定する際に考慮すべき事項について、整理して述べよ。 11-k-8. 鉄道駅におけるバリアフリー化を考慮した施設整備について述べよ。 11-k-9. 市術地の開削トンネルにおける仮設構造物の設計に当たって、考慮すべき荷重の種類とその内容について述べよ。 11-k-10. 公共工事における積算基準の公表の意義について述べよ。 11-k-11. 「建設事業における自然環境への配慮」の考え方について、建設事業のコスト縮減との関係を踏まえて述べよ。 ////////////////////////////////////////////////////////////////////// 技術士第一次試験 平成10年度 専門科目《建設部門》 10-1. 土質及び基礎に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) ある砂の最大間隙比と最小間隙比がそれぞれ1.20、0.90のとき、間隙比1.0の状態の相対密度は約33%である。 (2) 圧密試験により求められるe〜logP曲線、体積圧縮係数mvは、圧密量を算出するためのものであり、庄密係数Cvは庄密時間を算出するためのものである。 (3) 地盤の動的有効応力解析とは、一般に地震動の繰り返し荷重により発生する水圧の影響を考慮したものである。 (4) ヒービングとは地盤開削時に根切り底が盛り上がる現象をいうが、発生要因は地盤のせん断強度不足である。 (5) ランキン土圧は擁璧の壁面の粗度の影響を考慮していない。 10-2. 鋼部材の破壊に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 常温で静的荷重により破壊する現象を延性破壊といい、低温で衝撃的な荷重により破壊する現象は脆性破壊という。 (2) 部材に応力が繰り返し作用して破壊する現象を疲労破壊というが、降伏応力以下の小さな応力では疲労破壊は生じない。 (3) 荷重が負荷されてからある時間が経過した後に、突然、脆性的に破壊する現象を遅れ破壊という。 (4) 腐食による破壊は、電気化学的反応により鋼材に錆が生じて腐食が進行し、部材が減厚して強度を失って破壊するものである。 (5) 座屈による破壊現象は、プレートガーターのような薄肉板構造によく見られる現象である。 10-3. 土地区画整理事業に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 減歩には、公共減歩と保留地減歩がある。 (2) 土地区画整理事業後の宅地の総価額は上昇する。 (3) 保留地がなくても土地区画整理事業は実施できる。 (4) 土地区画整理事業は、都市計画区域内で実施する。 (5) 換地は基本的には照応の原則によって行っており、飛び換地も可能である。 10-4. 河川・砂防等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 洪水防御計画における計画の基本となる基本高水の算定に当たっては、既存の発電ダム、洪水調節ダム、遊水池等は操作規程に従って洪水時の操作が行われるものとする。 (2) トンネル構造による河川の断面は、設計流量の流下に必要な断面積のほかに、原則として十分な空面積を確保するものとする。 (3) フィルダムの堤体には、放流設備その他の水路構造物を設けてはならないものとする。 (4) 土石流の一般的特性としては、岩塊、大礫、流木などを伴うものが多く、巨礫が先頭に集中しているため、大きな破壊力を有していることである。 (5) 地すべり対策として排土工を行う場合、対象すべりのみに注目して排土を行ったため、その上方部に地すべりを誘発せしめることもあるので、特に地すべり地外の状況も調査して実施する必要がある。 10-5. 港湾・空港施設の設計・施工に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 我が国の典型的な防波堤である混成堤の直立部に作用する波力は、合田式を用いて算定するのが一般的である。 (2) 港湾の施設の岸壁などで地震時の安定を検討する場合は、震度法を用いるのが一般的である。 (3) 最近の港湾工事で最も使用頻度の多い地盤改良工法は深層混合処理工法である。 (4) 空港アスファルト舗装の基準舗装厚は、通常、路床の設計CBR、設計荷重の区分及び設計反復作用回数の区分に基づき決められる。 (5) 湿潤状態の滑走路では、航空機の高速走行時にハイドロプレーニング現象が起きやすいため、通常、滑走路面の横断方向にグルービンクと呼ばれる幅の狭い排水用の溝を設ける。 10-6. 電力土木設備に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 発電所の設備利用率とは、ある期間内の発電所の平均負荷をその発電所の設備容量で除した値をいう。 (2) 第五次包蔵水力調査によれば、日本の未開発包蔵水力(混合揚水自流分を含む)は約500憶kWh/年で、この量は平成8年度総需要電力量(卸・自家発分を含む)の約6%に当たる。 (3) 自流式の無圧導水路と水圧管路との接合点に設ける水槽をヘッドタンクと呼び、サージタンクとは機能、構造の面で著しく異なる。 (4) 火力発電所の油タンクやLNG地上タンクでは、万が一の流出に備え、防油堤や防液堤を設けることが必要であるが、その容量はタンク容量の80%以上でなければならない(防油堤で囲まれるタンクが2基以上の場合は、容量が最大のタンクの80%以上)。 (5) 鉄塔基礎の設計は、上部横道(鉄塔、電線、がいしなど)に作用した荷重によって基礎に発生する圧縮力、引揚力、水平力をもとに、土圧、水圧、場合により車両荷重等の外部荷重を考慮し、所定の安全率を得るように行う。 10-7. 道路に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 高規格幹線道路は、自動車の高速交通の確保を図るため必要な道路で、全国的な自動車交通網を構成する自動車専用道路であり、約14,000kmが計画されている。 (2) 計画交通量とは、計画設計を行う路線の将来通行するであろう自動車の1年間の平均日交通量のことである。 (3) アスファルト舗装は、表層、基層、路盤で構成される剛性舗装である。 (4) 道路環境対策のうち道路自体の改善による対策としては、(a)環状道路・バイパスの整備等による道路機能の分化、(b)遮音壁・環境施設帯の設置等による道路構造の改善、(c)舗装の維持水準等の向上などがある。 (5) 道路の線形設計において、凹型縦断曲線の底部に背向曲線の変曲点を配すること、同方向に屈曲する曲線の間に短い直線を入れることは避けるのが望ましい。 10-8. 鉄道に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 曲線郡においては、その半径に応じて建築限界を拡大しなければならない。 (2) ロングレール区間は定尺レール区間に仕べて列車走行に伴う振動が大きいので、厳格な管理が必要になる。 (3) 駅構内において隣接する線路を列車が支障なく通過できるよう、安全に車両を収容できる長さを、線路の有効長という。 (4) 本線における直線と円曲線の間には、列車が滑らかに走行できるよう緩和曲線を挿入する。 (5) 曲線の外側レールは内側レールに仕べて摩耗しやすいので、熱処理レールを使用する場合が多い。 10-9. シールド工事の圧気工法に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。 (1) 一般に圧気圧は、切羽安定の効果を向上させるには高いはどよく、作業能率と健康管理の点では低いほど好ましい。 (2) 圧気圧のとり方は、土被りや地山の性質によって異なるが、一般にシールド下端の地下水圧に等しい圧力とする。 (3) 粘性土層の場合は、透水性が低く圧気効果がかなり期待でき、圧気圧は小さくてすむので作業能率は高い。 (4) 砂礫層の場合は、基本的には圧気工法が不適な地盤であり、圧気圧を高くすると漏気が多くなり圧気効果は大幅に低下する。 (5) 一般に圧気設備容量は、想定した空気消費量に1.5〜2.0の安全率を見込んで決められる。 10-10. 土木構造物の施工計画に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。 (1) 細粒分合有率が高い砂地盤にサンドコンパクションパイルを適用する場合、改良効果が不足することがあるので注意を要する。 (2) 鋼管ぐいの施工で、試験ぐいで決定された支持層の手前であっても、くい軸方向支持力が得られれば、打ち止めとしてよい。 (3) 場所打ちコンクリートぐいのコンクリート打設に当たっては、トレミー管の先端を常にコンクリート内に2m以上貫入して施工する。 (4) PC桁製作時の底型枠は、桁自重、死荷重、活荷重、プレストレスト、クリープや型枠設置地盤の沈下量、たわみ量などを考慮し、その都度計算して定める。 (5) 現場溶接に当たっては、溶接材料の保管に留意するとともに、作業しやすい足場や風除けなどの諸設備を備える必要がある。 (2−2)記述問題  次の11問題のうち3問題を選んで簡明に解答せよ。(3枚綴りの答案用紙を使用し、問題ごとに用紙を替え、解答問題番号を明記し、それぞれ1枚以内にまとめよ。) 10-k-1. 静的な土の三軸圧縮試験の試験条件を3つ挙げ、それぞれの試験方法及び結果の利用について述べよ。 10-k-2. コンクリート構造物の耐久性を確保するために、設計、施工及び維持管理の面から留意すべき事項について5つ述べよ。 10-k-3. 都市計画法第12条の4に定める地区計画等の種類とそれぞれの特徴を述べよ。 10-k-4. 河川、砂防、海岸の中から1つを選び、護岸の設計の際に考慮すべき事項について述べよ。 10-k-5. 港湾におけるケーソン式混成堤(防波堤)の標準的な断面を簡単な図で示し、各部分の名称を記するとともに、完成するまでに要する主な工事種別を最低5件列挙し、その解説をせよ。 10-k-6. 火力・原子力発電所の冷却水の取・放水口設備を設計するに当たって、考慮すべき事項について述べよ。 10-k-7. 道路の横断面の構成要素を記述し、道路の横断面の構成を定めるに当たっての留意事項を述べよ。 10-k-8. 大都市圏の通勤・通学を主体とする鉄道路線において、輸送力を増強するための方策及びそれを行おうとする場合の課題について述べよ。 10-k-9. 山岳トンネルの坑口部(坑門を除く。)で予想される設計・施工上の問題点を述べよ。 10-k-10. 設計段階と施工段階でのVE(バリュー・エンジニアリング)の考え方と具体的実施手法について述べよ。 10-k-11. 平成9年12月に開かれた地球温暖化防止京都会議で議決された事項について、建設分野における対策の考え方と課題について述べよ。 ////////////////////////////////////////////////////////////////////// 技術士第一次試験 平成9年度 専門科目《建設部門》 09-1. 土質及び基礎に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 土の含水比wは土の間隙中に含まれる水量の程度を表し,(湿潤土中の水の質量)÷(炉乾燥土の質量)×100(%)で与えられる. (2) 一軸圧縮試験及び三軸試験(UU試験)の結果は盛土基礎地盤などの長期安定計算に利用される. (3) 軟弱な粘性土地盤に比較的緩やかな斜面を持つ盛土を施工する場合に底部破壊が起こりやすい. (4) 杭のネガティブフリクション現象は,地盤沈下による土と杭の相対変位によって発生する. (5) 軟弱な粘性土地盤に対して効果的な地盤改良工法には,サンドドレーン工法,プレロード工法などがある. 09-2. コンクリートに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 代表的なポルトランドセメントの種類としては,普通,早強,中庸熱セメントがある. (2) 水セメント比を大きくすると,コンクリート圧縮強度は大きくなる. (3) スランプ試験は,コンクリートのワーカビリチーを判断するのに有効である. (4) コンクリートの引張強度は,一般に圧縮強度の1/10〜1/13程度である. (5) コンクリートの弾性係数は,コンクリートの強度により異なる. 09-3. 日本の都市計画に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 市町村道であっても大規模なものの都市計画決定は都道府県知事が行う. (2) 都市計画区域外では,都市計画法の開発行為の規定は適用されない. (3) 市町村の都市計画に関する基本的な方針は,都道府県知事の承認を受けて決定する. (4) 地区計画については,当該区域の全部又は一部について地区整備計画を定めないことができる. (5) 市街化区域及び市街化調整区域に関する都市計画は都道府県知事が決定する. 09-4. 河川・砂防等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 支川が本川に合流する付近の支川処理方式としてバック堤方式,セミバック堤方式,自己流堤方式がある. (2) 海岸保全施設の設計に使用する有義波高は,波の観測記録中波高の最も大きいものから順番に全波数の1/3だけを取り出して,それらの波高を平均して求める. (3) コンクリートダムは,堤体からの越流が堤体の破壊と結びつく可能性が大きいことから,コンクリートダムのダム設計洪水流量はフィルダムの設計洪水流量の1.2倍とする. (4) 砂防ダム越流部断面ののり勾配は,1:0.2を標準とするが,流出土砂の粒径が小さく,かつ,その量が少ない場合は,必要に応じこれを緩くすることができる. (5) 地すべり防止工法のうち抑止工は,構造物を設けることによって,構造物の持つせん断強度等の抑止力を利用して,地すべり運動の一部又は全部を停止することを目的とする. 09-5. 港湾施設の設計・施工に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 港湾施設の設計に当たっては,波が進行する際に受ける屈折,回折,反射,浅水変形,砕波などの諸変形を考慮して波の検討を行う. (2) 港湾施設の耐震設計は,震度法よりもむしろ地震応答解析によって構造物の地震時挙動を検討する方法によることが標準的である. (3) 波力を受ける傾斜構造物の表のり面を被覆すべき捨石及びコンクリートブロックの所要重量を算定する式としては,ハドソン式が標準的である. (4) 防波堤のケーソン等の直立部の安定計算は,「(a)壁体の滑り出し,(b)基礎の支持力,(c)壁体の転等」について検討するものである. (5) サンドコンパクションパイル工法は,軟弱地盤にケーシングの打ち込み・引き抜きを行う際に,バイブレータにより砂を圧入して砂杭を形成する地盤改良工法である. 09-6. 電力土木設備に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 電力需要が最大となる夏季昼間の需要を他の時間帯にシフトさせる等の負荷平準化対策は,電源設備の効率的利用や電源開発量の抑制等の面から重要であるが,平成7年度の全国レベルの年負荷量は約66%である. (2) 上流側の水路が圧力式の場合に設けられる調圧水槽(サージタンク)は,単動型,制水口型,差動型,水室方に大別されるが,サージタンクの減衰性が最もよく,水槽容量が単動型のほぼ半分ですむのが,制水口型である. (3) 火力発電所の復水器冷却用水の流量は,汽力発電の場合の方がコンバインドサイクル発電の場合より,多く必要である. (4) LNG地下タンクのヒーティング設備とは,LNGの冷熱による周辺地盤の凍結の影響を避けるために設けられる設備であり,底部ヒーターや側部ヒーターがある. (5) 地中線のシールド工法は,切羽安定,排土機構の改良等によりその適用範囲を広げているが,施工可能な水圧は現状では3〜4kgf/cm2にまで発展している. 09-7. 道路に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1)  設計速度とは,自動車の走行に影響を及ぼす道路の物理的形状を設計し,これらを相互に関連づけるために定められた速度である.また,道路の設計要素の機能が十分に発揮されている条件のもとで,平均的な運転者が道路のある区間で快適性を失わずに維持することのできる速度である. (2) アスファルト舗装厚は,通常,路床土のCBRと大型車の交通量に基づいて算出する. (3) 盛土の小段は,管理用通路及び必要に応じて維持補修用の足場としての機能を有するとともに,のり面を流下する雨水流速を速める機能を有する. (4) 騒音の環境基準は,地域の類型及び時間の区分ごとに定められている. (5) 交差点の取付部及び交差点前後の相当区間の勾配は,できるだけ緩やかにするとともに,縦断曲線の頂部又は底部付近に交差点を設けないようにすることが望ましい. 09-8. 鉄道に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) レールの摩耗は一般に直線部より曲線部の方が大きい. (2) 曲線部では列車が円滑に走行できるよう,曲線内方に軌間を拡大させる.これをスラックという. (3) 一般に分岐器の番数が小さくなるほど,リード曲線の半径が大きくなるので,分岐側の通過速度が高められる. (4) 線路の勾配が一定以上変化する箇所では列車が円滑に走行できるようにするため,縦曲線を挿入する. (5) レールは温度変化により伸縮する.この伸縮を処理するために継目部に設けた隙間を遊間という. 09-9. NATMのトンネル施工に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。 (1) 堅硬で長期的な風化・劣化が生じない地質である場合等においては,インバートコンクリートを施工しないことがある. (2) 施工時の計測において内空変位量が想定変位量よりも継続して十分少ないことが想定されたので,ロックボルトを減ずるものとした. (3) 二次覆工コンクリートは一般に支保構造体ではないが,一次支保の耐力状況等によっては力学的機能を有する覆工とする必要がある. (4) 吹付コンクリートは掘削後早期に施工すべきであるが,ロックボルトは施工性を考え切羽後方での集約した作業が良い. (5) トンネルの機械掘削は,発破掘削に比べ余掘りも少なく騒音・振動も少ない. 09-10. 建設副産物の再生利用に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。 (1) 流動化処理工法とは建設現場で発生した土に調整泥水と固化材を混合し,埋戻しや裏込に用いる工法である. (2) 再生骨材コンクリートの適用構造物の例としては,舗装用路盤材,埋戻し材等があるが,コンクリート構造物に対しては,品質管理の問題から適用できない. (3) 発生土砂に発砲スチロールビーズ(粒子)等の軽量材を混合することにより,軟弱な地盤の盛土や地すべり対策として用いられる場合がある. (4) シールドトンネル等の掘削により発生する建設汚泥は,脱水・固化等により土質材料として活用できる. (5) 袋詰脱水工法とは,河川や湖沼の浚渫により発生する浚渫汚泥等を透水性の袋に投入し,自重脱水の後に袋のままで築堤等に活用する工法である.  次の11問題のうち3問題を選んで簡明に解答せよ。(3枚綴りの答案用紙を使用し、問題ごとに用紙を替え、解答問題番号を明記し、それぞれ1枚以内にまとめよ。) 09-k-1. 地盤の液状化対策工法の基本原理を3つ挙げ,その内容と代表的工法について述べよ. 09-k-2. コンクリート構造と比較した鋼構造の特徴について,設計,施工及び維持管理の面から5つ述べよ. 09-k-3. 都市計画法第12条の市街地開発事業について,主な事業制度を列挙するとともに,それぞれの特徴を簡潔に述べよ. 09-k-4. 洪水防御計画において,基本高水を河道,洪水調節ダム等に配分して計画高水流量を決定する際に検討すべき事項について述べよ. 09-k-5. 港湾における係船岸の構造様式とそれぞれの特徴を述べよ. 09-k-6. 大規模揚水発電所を計画するに際し,地下発電所を選択する上で配慮すべき特徴について述べよ. 09-k-7. 舗装に求められる主要な機能である,快適性,安全性,経済性について,各々の概要を述べよ. 09-k-8. 鉄道の中間駅の乗降場(ホーム)の形式である相対式ホームについて島式ホームと対比しつつ,その特徴を述べよ. 09-k-9. 開削トンネルにおける調査の目的と内容について述べよ. 09-k-10. 仮設工事の計画に関し,留意すべき事項について述べよ. 09-k-11. 「環境影響評価法(平成9年6月成立)」に基づく環境アセスメントの手続きを「環境影響評価実施要綱(昭和59年8月閣議決定)」に基づく手続きと対比して述べよ. ////////////////////////////////////////////////////////////////////// 技術士第一次試験 平成8年度 専門科目《建設部門》 08-1. 土質及び基礎に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。 (1) 締め固め仕事量が多くなれば,一般に最大乾燥密度及び最適含水比は大きくなる. (2) 一次元圧密理論では,一定の圧密度に達する時間は排水距離に比例する. (3) 塑性指数とは,土が弾性状態から塑性状態へ移行する変曲点を含水比で表したものである. (4) 壁面に働く土圧の算定に用いられる土圧係数は,一般に主働土圧係数>静止土圧係数>受動土圧係数の関係にある. (5) 透水係数を求める試験で,定水位透水試験は砂質土に,変水位透水試験は粘性土に適している. 08-2. 柱,板の座屈現象に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 軸力を受ける柱部材の局部座屈とは,柱断面の一部が降伏することによる座屈を意味する. (2) 柱の座屈強度は柱の断面形状,細長比,初期変形などの影響を受ける. (3) 柱の有効座屈長は,柱の両端の支点条件によって変化し,両端ピン固定の場合は両端剛結固定の場合の2倍の長さになる. (4) 板をコンクリート床版などで十分に補剛することにより,板の局部座屈を防止することができる. (5) オイラーの公式によると,弾性座屈荷重は鋼材の降伏応力の影響を受けない. 08-3. 日本の都市計画に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 都市計画区域の指定については2週間の案の縦覧は不要である. (2) 都市計画の基礎調査はおおむね5年ごとに行う. (3) 地区計画等の案は利害関係を有する者の意見を求めて作成しなければならない. (4) 都市計画決定された施設の区域内での建築は小規模な増改築を除き禁止されている. (5) 都市計画道路についての環境影響評価は都市計画手続きの中で行い,事業時に再度行う必要はない. 08-4. 河川・砂防・海岸に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 河川の地下において,公共駐車場,下水処理場,変電所その他の公共公益施設を設置することは可能である. (2) ヘッドランド工法とは,海浜に適当な間隔で岬状の構造物を設置して海浜の安定化を図る工法である. (3) 基礎地盤から堤頂までの高さが15m以上のコンクリートダムの堤体及び基礎地盤に関する構造計算は,ダムの非越流部の直上流部における水位が常時満水位である場合,ダムの危険が予想される場合などにおける荷重を採用して行う. (4) 渓流の縦横侵食を防止するためには,上流の砂防工事の進捗状況にかかわらず,流路工を早急に整備しなければならない. (5) 地すべり対策のための排水トンネル工は,原則として地すべり面下や地すべり地域周辺部の安定した地盤に設置し,地すべり地域内の水を効果的に排水できるよう設計する. 08-5. 港湾施設の計画・設計・施工に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) コンテナ埠頭は,海上輸送と陸上輸送の接点にあたるため,その立地条件として,背後圏との関連,道路,沿岸輸送,鉄道との関連,十分な広さなどを考慮する. (2) 港湾施設の設計に当たっては,波が進行する際に受ける屈折,回折,反射,浅水変形,砕波などの波の変形を考慮する. (3) 消波ブロック被覆防波堤における消波工の天端高は,直立部の天端高より低くすることが望ましい. (4) ドラグサクション船は,泥艙付き自航ポンプ浚渫船で,航行しながら浚渫作業を行うため,航路などのように船舶の輻輳する海域の浚渫に適している. (5) 岸壁の上部工は,裏込め,裏埋め,前面の浚渫を施工し,本体の変形がおさまった段階で施工する. 08-6. 電力土木設備に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 平成7年度時点における水力発電所の全電源設備に対する比率は,約20%であり,そのうち,揚水発電所がその半分を占める. (2) 流れ込み式及び調整池式一般水力の有効出力とは,各月最低10日平均流量に相当する出力の12ヶ月平均をいい,有効電力量とは,年間可能発電電力量から発電所内ロス,送電ロスなどを差し引いたものをいう. (3) 火力発電所で使用する燃料において,二酸化炭素の発生量は,石炭,石油,LNGの順で少なくなる. (4) 火力・原子力発電所の放水流速については,放水口前面海域に航路や泊地などがあったりする場合は,0.3m/s〜0.5m/sとするのが一般的である. (5) 高圧送電鉄塔の標準的な基礎形式としては,直接基礎,くい基礎,深基礎及びアンカー基礎がある.このうち,水田などの軟弱な地盤箇所については,くい基礎が一般に用いられる. 08-7. 道路に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 混雑度1.0とは,交通量が道路の交通容量に等しい状態をいう. (2) 道路構造令において,自動車専用道路は地方部で第1種,都市部で第2種に区分される. (3) 建築限界とは,道路上で車両や歩行者の交通の安全を確保するために,ある一定の幅,ある一定の高さの範囲内には障害となるような物を置いてはいけないという空間確保の限界である. (4) 高速自動車道の新設,2車線以上の一般国道の新設(10km以上のものに限る.)事業においては,環境影響評価を実施する必要がある. (5) アスファルト舗装は,通常,表層,基層及び路盤からなり,路床の上に築造する. 08-8. 鉄道に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 線路の軌道中心間隔は,曲線区間では直線区間よりも拡大する必要がある. (2) 線路の勾配が変化する箇所で,車両を円滑に走行させるために折れ点を弧状にするために設けるのが緩和曲線である. (3) 線路の曲線部につけるカントの量は,列車速度の2乗に比例し,曲線半径に反比例する. (4) ロングレールの長さがいくらであっても,ロングレール端の伸縮量は同じである. (5) 旅客駅のプラットホームの幅員は,乗降客が占有する幅員に柱や列車退避のための必要な余裕を加えて算定する. 08-9. 開削工法でトンネルを施工する場合の土留めに関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。 (1) 掘さく底面付近で,塑性・含水比の高い沖積粘土層が厚く堆積している場合はヒービングの検討が必要である. (2) 地下水位の高い砂質土で,土留め付近に河川,海など地下水の供給源がある場合はボイリングの検討が必要である. (3) 粘着力の大きな地盤における鋼矢板の遮水性の土留めで,背面側の土圧が小さいので根入れは最小根入れ長の1.5mとした. (4) 均しコンクリートに十分な剛性を持たせて切梁として設計した. (5) 土留壁と腹起しの間にすき間が生じたのでコンクリートを充填した. 08-10. 積算に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 現行の公共工事の積算は,基本的に歩掛を用いた積み上げ方式である. (2) 一般管理費とは,工事現場において一般的に必要となる工事管理費用である. (3) 積算の透明性の確保のため,予定価格を算定する積算基準は公表されることが望ましい. (4) 公共工事の積算に当たっては,一般的に採用される標準的な工法を用い,標準的な価格の労務,資材を調達して施工することを前提としている. (5)  歩掛とは,各工事の単位量を施工するのに必要な労務,資材及び機械の必要量を示したものである.  次の11問題のうち3問題を選んで簡明に解答せよ。(3枚綴りの答案用紙を使用し、問題ごとに用紙を替え、解答問題番号を明記し、それぞれ1枚以内にまとめよ。) 08-k-1. 軟弱地盤上に高盛土を行う場合の土質調査及び試験について,実施上の留意点を重要なものから3つ挙げ,その内容を簡単に述べよ. 08-k-2. PC橋のプレストレス導入方法には外ケーブル方式と内ケーブル方式があるが,この両方式の違いについて設計,施工及び維持管理上の面から5つ述べよ. 08-k-3. 用途地域の都市計画において定められた容積率を超えて,建築物を建築することができる制度を列挙するとともに,その特徴を簡潔に述べよ. 08-k-4. 内水対策について,流出域での対策と内水区域での対策とに分けて列挙し,各々の特徴を述べよ. 08-k-5. 防波堤の配置を計画する場合に考慮すべき事項を述べよ. 08-k-6. 揚水式発電所の中央土質遮水壁型フィルダムのすべり破壊に対する安全性を検討する上で考慮すべき事項について述べよ. 08-k-7. 道路の路線選定に当たって,比較ルートを評価するための基本的事項について述べよ. 08-k-8. 旅客駅の主要な設備とその計画の基本的な考え方を述べよ. 08-k-9. NATMにおける吹付コンクリートの効果について述べよ. 08-k-10. 場所打ち杭工法を2種類挙げ,それぞれの特徴について述べよ. 08-k-11. 建設事業におけるミティゲーション(自然環境・生態系へのマイナス影響の緩和措置)の意義と考え方について具体例を挙げて述べよ. ////////////////////////////////////////////////////////////////////// 技術士第一次試験 平成7年度 専門科目《建設部門》 07-1. 土質及び基礎に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 土の粒度試験から求められる有効径D10を用いて,砂質土の透水性を推定することができる. (2) 過圧密状態とは,現在の圧密荷重の方が過去に受けた荷重より小さい状態のことをいう. (3) 土の締固めにおけるオーバーコンパクションによる強度低下現象は,塑性指数Ipの小さな土でこの傾向が著しい. (4) 平板載荷試験は,剛な載荷板に荷重を加えて荷重と変位量の関係から,地盤の支持力,変形特性を知るために行う試験である. (5) 群杭の鉛直及び水平支持力は,杭間隔が狭くなるほど杭1本当たりの支持力が低下する. 07-2. 鉄筋コンクリート柱部材のじん性に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) じん性の程度は,終局変位の降伏変位に対する比で表される. (2) じん性が大きいほど,降伏変位を超えてからも部材の耐力を失うことなく大きく塑性変形できる. (3) じん性が大きいほど,振動エネルギーをより吸収でき,耐震性能が高い. (4) 曲げ耐力の大きい部材ほど,じん性も大きい. (5) じん性を高めるためには,帯鉄筋等横拘束筋を密に配置することが有効である. 07-3. 日本の都市計画に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。 (1) 都道府県知事又は市町村が都市計画を決定しようとするときは,その案を1ヶ月間縦覧しなければならない. (2) 第2種市街地再開発事業の都市計画は関係権利者の2/3以上の合意がなければ決定できない. (3) 集落地区計画は都市計画区域外の集落においても定めることができる. (4) 都市計画法の開発許可は,市街化区域内の開発については不要である. (5) 民間事業者でも必要な条件を満たせば,都道府県知事の認可を受けて,都市計画事業を施工できる. 07-4. 河川・砂防・海岸に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 湖沼において藻類等の増殖による障害を防止するため,全窒素及び全燐について環境基準が定められているが,湖沼以外の河川には全窒素及び全燐の環境基準は定められていない. (2) 人口リーフは通常の潜堤より天端水深を浅く,天端幅を広くして砕波後の波浪減衰を効果的に得るものである. (3) 流量が変動しないと考えられる場合において,河川の縦断水面形,平均流速,掃流力などを求める際に不等流計算を用いるが,その計算に必要な境界条件は常流では下流端水位,射流では上流端の支配断面水位である. (4) 高さが15m以上の重力式コンクリートダムにおいて,貯留水による揚圧力は,ダムの堤体及び基礎地盤における揚圧力を求めようとする断面に対して垂直上向きに作用するものとし,ダムの堤体に排水孔が設けられている場合にはその効果を考慮する. (5) 火砕流は高温の岩塊等の粗い粒子が重力により移動する本体部と本体部の上部を火山灰や火山ガスが高温で混合しながら流下する熱風部から構成されており,それぞれ異なった流下特性を有している. 07-5. 港湾施設の配置計画に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 水域施設としての航路の水深を計画するに当たっては,対象となる船舶の満載きっ水に船体の動揺や底質などによる余裕を考慮する. (2) 防波堤などの外郭施設を配置するに当たっては,付近の水域,施設,地形,流況及びその他の環境に与える影響を考慮する. (3) 岸壁などの係留施設の規模を計画するに当たっては,その港を利用している貨客の数量,種類,荷姿及び海陸の輸送機関の現状に対し最適な規模を考慮する. (4) 臨港交通施設としての臨港道路を計画するに当たっては,特別の場合を除いて道路構造令を準用する. (5) 貨物の仮置き,仕分け,検査,など船舶の荷役を円滑に行うための荷さばき地の広さの算定に当たっては,取扱い貨物の種類及び量並びに取扱い状況を考慮する. 07-6. 電力土木設備に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 水力発電に用いられるC/V手法とは,当該計画の開発に要する経費(C)と得られる効用(V)を比較することにより,最適開発規模の検討,開発優位性の判断等を行うものである. (2) 水力発電所の常時使用水量とは,流れ込み式及び調整池式では年間355日以上,貯水池式では年間を通じて常時使用できる水量である. (3) フィルダムの設計に用いる設計洪水流量は,重力式コンクリートダムに用いる値の20%増しとする. (4) 火力・原子力発電所の復水器に用いる冷却水の取・放水口については,互いのレイアウトに配慮するほか,取水口は極力清浄で低温の冷却水が取水でき,放水口は温排水が周辺海域に悪影響を及ぼさない位置とする. (5) 地中送電線の管路をシールド工法で施工する場合の発信基地の用地面積は,多くの場合,泥水加圧式で1300u程度,土圧式で1700u程度であり,土圧士気の方が用地面積を必要とする. 07-7. 道路に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 変速車線のうち加速車線は一般に減速車線より短く,必ずしも直線的な流出軌跡を必要とせず,本線と平行に設けるのが普通である. (2) ある多車線道路の計画交通量が30000(台/日)で,K値=10%,D値=60%の場合,その設計時間交通量は1800(重方向・台/時)である. (3) 道路の平面,縦断線形の設計においては,両曲線を重ね合わせるべきで,位相がずれることは好ましくない. (4) アスファルト舗装面に亀甲状のひび割れが発生した場合,路床や路盤に破損が生じていると考えられ,一般に補修に当たっては打換え工法を選定する. (5) 軟弱地盤上の盛土箇所など将来地盤沈下が予想される箇所では,一般に剛性舗装であるセメントコンクリート舗装を用いない. 07-8. 鉄道に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 表定速度は,対象とする2駅間の距離をその到達時分で除したもので,いわば途中駅の停車時分をも包含した速度のことをいう. (2) 直結軌道は,木まくら木又はコンクリートまくら木を直接コンクリート路盤に締着したものをいう. (3) 線路の施工基面幅は,曲線区間より直線区間の方をより拡大する必要がある. (4) レールは列車の通過によって軌道の長手方向に多少移動するが,この現象をレールのふく進という. (5) 新幹線鉄道とは,その主たる区間を列車が200キロメートル毎時以上の高速度で走行できる幹線鉄道をいう. 07-9. 未固結地山にNATMを適用する場合の記述で、次のうち適当でないものはどれか。 (1) FEM解析の結果,地表面沈下量が大きかったので,中壁の施工,多段ベンチカットにより変位を抑制することを検討した. (2) 土被りが小さい箇所で,大きな地表面沈下が予測されたので,地表面から縫地ボルトを施工した. (3) 内空変位,天端沈下,地表面沈下に施工管理値を設定し,掘削の進捗に伴い,この値を見直しつつ施工した. (4) 含水砂質地山で,涌水による切羽の自立が困難であることが懸念されたので,先受工,鏡吹付を施工した. (5) 内空及び周辺地山の変位の収束が遅いので,各加背ごとに吹付コンクリートによる早期閉合を行った. 07-10. 法面の安定に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 法面の安全率は,法面高さにほぼ比例する. (2) 法面の安定において,粘着率は土の自重に関係しないので,どの位置にあっても同じ抵抗力となる. (3) 盛土では,圧密により強度増加することがある. (4) 法面の勾配は,土質,法面の高さ,切盛土の区別等に応じたものにする必要がある. (5) 法面近くの地下水位が上昇すると,土粒子が浮力を受けて摩擦力が減少する.  次の11問題のうち3問題を選んで簡明に解答せよ。(3枚綴りの答案用紙を使用し、問題ごとに用紙を替え、解答問題番号を明記し、それぞれ1枚以内にまとめよ。) 07-k-1. 掘削工事におけるボイリングとヒービングについて,それぞれの内容を図を用いて説明し,設計・施工上の留意点を述べよ. 07-k-2. 鋼板の高力ボルト継手の接合方法のうち,引張接合以外の代表的な2種類の接合方法について,その応力伝達機構及び溶接継手との併合の可否について述べよ. 07-k-3. 「市街化区域及び市街化調整区域」の都市計画の制度と運用について述べよ. 07-k-4. 河川において,支川が本川に合流する場合の合流点及び支川の処理について述べよ. 07-k-5. 船舶の係留施設の主な構造形式を列挙し,それぞれの特徴について述べよ. 07-k-6. 水力発電所の水路(水圧管路を除く)を設計するに当たって考慮すべき事項について述べよ. 07-k-7. アスファルト舗装の構造設計を行うに当たり把握すべき設計条件を列挙し,各々について概要を述べよ. 07-k-8. 既設鉄道の地上設備を改良して列車の高速化を図る場合,どのような改良が考えられるか述べよ. 07-k-9. 軟弱地盤中にシールドトンネルを施工する場合に考慮すべき事項を述べよ. 07-k-10. 市街地における建設工事の施工計画において留意すべき点を述べよ. 07-k-11. 建設事業において環境管理を行う際に考慮すべき点について,以下の用語を用いて述べよ. 「環境アセスメント」,「環境モニタリング」 ////////////////////////////////////////////////////////////////////// 技術士第一次試験 平成6年度 専門科目《建設部門》 06-1. 土質及び基礎に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 締固め試験で最大乾燥密度が得られる含水比を最適含水比という. (2) 一軸圧縮,三軸圧縮,直接せん断試験,ベーン試験は地盤の強度を求めるための試験である. (3) 液状化対策工法として代表的なものにプレローディング工法がある. (4) 砂の三軸圧縮排水試験を行うと体積が膨張することがある. (5) 粘性土地盤上の盛土における載荷直後の安定計算ではφ=0法が一般的である. 06-2. 鋼材の性質に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 鋼のヤング係数は2.1×106kgf/cm2,ポアソン比は0.30である. (2) 鋼板は板厚が厚くなるとじん性と溶接性が低下する. (3) 鋼を焼きいれた後に焼き戻せば組織が安定し,粘りが低下する. (4) 鋼材は一般に炭素の量が多くなれば強度が増し,溶接性が良くなる. (5) 日本工業規格においてSS400材の最低引っ張り強さは,400N/ mm2である. 06-3. 日本の都市計画に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 都市計画とは,都市の健全な発展と秩序ある整備を図るための土地利用,都市施設の整備及び市街地開発事業に関する計画である. (2) 都市計画に関する基礎調査は,都市計画区域について,おおむね10年ごとに行う. (3) 第1種中高層住居専用地域においては,延べ床面積500uを越える店舗を建築することはできない. (4) 市町村が定める都市計画は,当該市町村の都市計画に関する基本的な方針に即したものでなければならない. (5) 都市施設を都市計画決定する場合,都市施設の種類,名称,位置及び区域は必ず定めなければならない. 06-4. 河川・砂防・海岸に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 津波は,海底地震などで海底が隆起又は陥没し,海底地形に局所変動が起こって,これが海面に長周期の波となって遠距離まで伝播していくものであり,津波が海岸に接近し,水深が小さくなるにつれてその波高は増大する. (2) 呼水式魚道は,魚の走流性を利用して魚を魚道に誘導するために,魚道の一部に流速の大きい箇所が生じるようにしたものである. (3) 基礎地盤から堤頂までの高さが15m以上の重力式コンクリートダムの場合,地震時における貯留水による動水圧の力は,ダムの堤体と貯留水との接触面に対して垂直に作用するものとして計算しなければならない. (4) 流送土砂の形式は,掃流砂,浮遊砂及びウォッシュ・ロードに大別されるが,このうち掃流砂と浮遊砂は河床構成材料と常に交換しながら移動流かするものである. (5) 地すべり対策工事における地下水排水トンネルは,その全断面においてすべり面付近の地下水を有効に排水できるよう,原則としてすべり面より上の移動層内において計画しなければならない. 06-5. 重力式係船岸の特性に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 壁体自体はコンクリートなどが用いられるから比較的堅固で耐久性が良い. (2) プレキャストコンクリート部材を用いることにより施工を容易にし,また,施工中の手戻りの防止を図ることができる. (3) 水深が大きくなると,土圧,水圧,などの水平外力が大きくなり,壁体として必要な重量も大きくなる. (4) 地震時においては,壁体重量に比例する地震力が外力として働くので,他の構造様式に比べて一般に大きな断面になる. (5) 軟弱な粘性土地盤では粘性土層の圧密沈下の影響が大きく,また長期間にわたり沈下するので,軟弱地盤に重力式係船岸を用いてはならない. 06-6. 電力土木設備に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 水力,火力及び原子力の電源設備構成比率は,約20:60:20である. (2) 河川流量の渇水量とは,1年を通じて275日はこれより減少することの無い流量である. (3) 水力の地下発電所の形式には,ヘッドタイプ,テールタイプ及び中間型があるが,発電所を取水口の近くに設けるのがヘッドタイプである. (4) 火力・原子力発電所の深層取水の効果は,タービンの熱効率が向上して燃料が節約できること,温排水の拡散範囲を狭くできること,取水ポンプの安定運転ができることなどである. (5) 地中線のシールド工法に用いる裏込注入は,テールボイド発生に起因する地山のゆるみと沈下の防止を主目的として行われる. 06-7. 道路に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 設計時間交通量は,計画目標年における30番目時間交通量とすることを標準とする. (2) 視距とは,車線の中心線上1.2mの高さから当該車線の中心線上にある高さ10cmの物の頂点を見通すことができる距離を車線の中心線に沿って測った長さをいう. (3) 環境施設帯の幅は,路肩から10mあるいは20mを確保するものとする. (4) 路床は舗装を支持している層であり,舗装下面より厚さ約1mのほぼ均一な土の層である. (5) 排水性舗装とは,雨天時の交通安全性を確保するなどのために空隙率の大きなアスファルト混合物を用い,舗装の中に雨水を浸透させる舗装である. 06-8. 鉄道の敷設に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。 (1) 旅客駅にプラットホームを設置する際,当該プラットホームに発着する最長の列車の長さに5メートルを加えた長さとした. (2) 勾配が急変すると脱線などのおそれがあるので,勾配が1000分の10変化する箇所に縦曲線を挿入した. (3) 円曲線を敷設するに当たり,走行する車両の遠心力によって生じる悪影響を除去するためスラックを付けた. (4) 分岐器を設ける際,緩和曲線部分を避けて設置した. (5) 緩和曲線が連続するのを避けるため,最大の車両の長さ以上の直線区間を挿入した. 06-9. 山岳トンネルの設計に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。 (1) 地山分類は,岩種,割れ目の状態,弾性波速度値を因子として行われることが多い. (2) 土砂地山において,細粒分の含有量が少なく均等係数が5以上の場合には,切羽の自立性が悪くなり不安定になりやすい. (3) 防水工としては,シート工法が最も多く吹付コンクリートとの絶縁とこれによるひび割れ防止効果をも期待して用いられている. (4) 土被りが小さくトンネルの耐力増を必要とする場合には,できるだけ設計巻き厚を大きくするのが一般的である. (5) 工事施工に当たって予期される渇水,騒音,振動,地盤沈下等の調査では,着工前後の対比及び経時変化の把握が重要である. 06-10. 橋梁上部工の架設に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。 (1) 桁上,桁下空間に制限がある場合のプレキャスト桁の架設工法としては,クレーン架設が有効である. (2) 桁重量が重い場合のプレキャスト桁架設工法としては,エレクションガーター式架設が有効である. (3) クレーン架設は,一時的にストックしたプレキャスト桁をまとめて架設できる場合には有効な方法である (4) 橋梁の支間が大きい場合,張出し架設工法は有効である. (5) 橋長が短い場合,移動支保工は有効な架設工法とはならない.  次の11問題のうち3問題を選んで簡明に解答せよ。(3枚綴りの答案用紙を使用し、問題ごとに用紙を替え、解答問題番号を明記し、それぞれ1枚以内にまとめよ。) 06-k-1. 地盤改良の原理を3種類挙げ,それぞれの内容と代表的な工法名を述べよ. 06-k-2. フレッシュコンクリートの特性を表す指標を5つ挙げ,その概要について述べよ. 06-k-3. 地区計画制度の特徴及びその効用を簡単に述べよ. 06-k-4. 河口部における塩水遡上現象について,その特性と対策について説明せよ. 06-k-5. 混成堤形式の防波堤の特徴及びその設計法の概要(外力条件の設定及び安定計算)について述べよ. 06-k-6. LNGタンクの形式とその特徴を述べよ. 06-k-7. 道路の設計において,平面線形と縦断線形を組み合わせる場合に留意すべき基本的事項を3つ述べよ. 06-k-8. 鉄道路線を新たに計画する際に留意すべき事項について述べよ. 06-k-9. 都市部における開削トンネルに用いられる主な土留工の種類とその特徴について述べよ. 06-k-10. 建設工事の積算を実施する際に考慮すべき重要事項について述べよ. 06-k-11. 地球環境問題のうち,地球温暖化,オゾン層の破壊,酸性雨,野生生物の減少,海洋環境汚染のそれぞれについて,その概要と建設分野における関連を述べよ. ////////////////////////////////////////////////////////////////////// 技術士第一次試験 平成5年度 専門科目《建設部門》 05-1. 土の基本的性質に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。 (1) 均等係数が小さいほど粒径はそろっている. (2) 砂質土が粘性土に比べて透水性が高いのは,間隙比が大きいからである. (3) 土の液性限界と塑性限界の差を液性指数という. (4) テルツァギーの圧密理論では圧密の進行に伴う透水係数の低下を考慮している. (5) 粘性土の2次圧密は経過時間に比例して進行するといわれている. 05-2. 鉄筋コンクリート部材の設計に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) コンクリートのポアソン比は,弾性範囲内では,一般に0.2としてよい. (2) 温度の影響は,構造物の種類,環境条件,部材の寸法等に応じて定めるものとする. (3) 曲げモーメント及び軸方向力によるコンクリートの引張応力度が,コンクリートの設計引張強度の90%より小さい場合,曲げひび割れの検討は行わなくてよい. (4) かぶりは,コンクリートの品質,鉄筋直径,環境条件,施工誤差,構造物の重要度等を考慮して定めなければならない. (5) 鉄筋の継手は,鉄筋の種類,直径,応力状態,継手位置等に応じて適切なものを選ばなければならない. 05-3. 日本の都市計画に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。 (1) 都市計画区域は,都市計画を定める区域であるから,この区域外に道路,公園,下水道等の都市施設を定めることはできない. (2) 都市計画には,全国総合開発計画,首都圏整備計画等の国土計画又は地方計画に適合する必要があるが,公害防止計画に適合する必要はない. (3) 地区計画には,地区計画の目標等を定める当該区域の整備,開発及び保全に関する方針と地区施設及び建築物等に関する地区整備計画を定めることができる. (4) 土地区画整理事業は,都市計画事業として行われるものであるから,地方公共団体,住宅・都市整備公団等の公共セクターのみが施工者となることができる. (5) 市街化調整区域においては,個人の住宅建設のための開発など小規模な物であれば,許可を要しない. 05-4. 河川・砂防等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) かすみ堤とは,急流河川に多く見られる不連続に設けた堤防で,洪水の一部を堤内地に滞留させることにより,洪水のピーク流量を低減させる効果を持つものをいう. (2) 生活環境の保全に関する環境基準の河川A類型の基準値は,pHで6.5以上8.5以下,BODで2mg/l以下,SSで25mg/l以下,DOで7.5mg/l以上である. (3) 基礎地盤から堤頂間での高さが30m以上のダムにあっては,原則として,その堤体がおおむね均一の材料によるフィルダムを採用してはならない. (4) 計画超過土砂量は,砂防基本計画における土砂処理の計画の対象となる土砂量であり,計画基準点ごとに計画流出土砂量から,計画許容土砂量を差し引いた量で定める. (5) 地すべり防止工法のうち,抑止工には一般的に杭工,シャフト工,アンカー工,地下水排除工がある. 05-5. 浚渫工事に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) グラブ浚渫船は,一般的に軟質土から硬質土にいたる広範囲の土に適用できる.また,砕岩後の浚渫にも利用される. (2) 浚渫の掘跡は起伏が生ずるため,浚渫深度及び幅員に余掘りを行い設計断面を確保するのが一般的である. (3) 浚渫土質が軟弱な場合,浚渫のり面の勾配は緩勾配とし,斜面崩壊及び円形すべりが発生しないよう配慮するのが一般的である. (4) 浚渫区域が漁場に近い場合,作業中の濁りによる漁場などへの影響が出ないように,汚濁防止対策に配慮するのが一般的である. (5) ディッパー船は,他の浚渫船に比べ堅い地盤の浚渫を目的としており,構造的に平坦な掘跡に仕上げることは容易である. 05-6. 電力土木設備に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 一般水力の適正開発規模は,流れ込み式で設備利用率45〜60%,調整池式で30〜50%となることが多い. (2) 河川流量の豊水量とは,1年を通じて95日間はこれより減少することの無い流量である. (3) 出力100万kw級の火力・原子力発電所の冷却水の流量は,火力で60m3/s程度,原子力で40m3/s程度である. (4) 原子力発電所の耐震設計にあたっては,過去の地震調査,地震観測,活断層調査,地質及び地質構造調査等の結果を十分に考慮する. (5) 鉄塔基礎の設計荷重としては,風荷重が支配的であるが,特殊な基礎形式や地盤の場合には,地震力が支配的となることがある. 05-7. 道路に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 道路の線形設計において,長い直線区間に凹型縦断曲線を入れることは望ましくない. (2) 道路工事に用いる仮設構造物の中で,アースアンカー工とは土圧,水圧に対して切りばり,腹起こしで抵抗する代わりに,土中にアンカーを打ち込み,アンカーの引っ張り力で抵抗する工法である. (3) 計画交通量とは計画,設計を行う路線の将来通行するであろう自動車の1年間の平均日交通量のことである. (4) アスファルト舗装の構造設計に用いる設計交通量は,設計期間における平均の1日1方向あたりの全車交通量とし,5分類に区分される. (5) 騒音の環境基準は,地域の類型及び時間の区分(昼間,朝・夕,夜間)ごとに定められている. 05-8. 鉄道に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 本線において,直線と円曲線の間には,緩和曲線を挿入しなければならない. (2) ロングレール区間は,定尺レール区間に比べて,列車走行に伴う騒音振動が大きい. (3) 防雪林,防風林,飛砂防止林などの鉄道林は,線路を防護する目的のほか,森林保全という点でも役に立っている. (4) スラブ軌道は,省力化軌道の代表例である. (5) 曲線の外側レールは内側レールより摩耗し易い. 05-9. 開削トンネルに関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。 (1) 設計計算に用いる土圧は,一般の場合主働土圧とする. (2) 設計計算に用いる水圧は,間隙水圧とするのが原則である. (3) 粘性土では一般の場合,土圧と水圧を合わせたものを土圧として扱うので,別途水圧を考える必要はない. (4) トンネルが均一な地盤中にあり,かつ土被りが大きい場合には,一般の場合地震の影響は考慮しなくてもよい. (5) トンネルの振動対策として,トンネルの自重を大きくする方法がある. 05-10. 開削工事における次の記述のうち、適当でないものはどれか。 (1) 土留めに用いられる親杭横矢板工法は比較的浅い開削で,良質地盤の場合には経済的であり,一般によく用いられる. (2) ディープウェル工法は地下水を排除する一般的な工法の1つであるが地層によっては周辺地盤の圧密沈下をまねく場合がある. (3) 地価連続壁工法は止水性に優れ,深い開削工事の土留めに使用されることが多い. (4) ソイルセメント柱列工法による土留め壁は剛性が高く,施工精度が高いので,一般に本体壁として利用される. (5) 局部的な地下水対策としてディープウェルによるウェルポイント工法を併用して用いられることがある.  次の11問題のうち3問題を選んで簡明に解答せよ。(3枚綴りの答案用紙を使用し、問題ごとに用紙を替え、解答問題番号を明記し、それぞれ1枚以内にまとめよ。) 05-k-1. 圧密沈下量の計算式を3つ示し,それぞれの式の意味と使用上の留意点を簡単に述べよ. 05-k-2. 鋼構造用鋼材の機械的性質のうち,静的強さ以外の強度特性3つについて述べよ. 05-k-3. 平成5年6月に施工された都市計画法の改正における用途地域制度の変更の概要について述べよ. 05-k-4. 総合的な治水対策の基本的な考え方を示すとともに,その具体的な内容を例示しつつ説明せよ. 05-k-5. 港湾における既設岸壁の地震時液状化対策に関し,液状化予測・判定手法及び液状化対策工法の考え方について説明せよ. 05-k-6. 揚水式水力の地下発電所の特徴を述べよ. 05-k-7. 道路の機能には,交通機能,土地利用誘導機能,空間機能の3つがあるが,それぞれについてその概要を述べよ. 05-k-8. 鉄道の持つ特性のうち,他の輸送機関に比べて優れている点を挙げ,その要点を述べよ. 05-k-9. NATMにおける観察.計測の意義について述べよ. 05-k-10. 建設工事において施工計画を立案する際に検討すべき重要事項について述べよ. 05-k-11. 環境影響評価実施要綱(昭和59年8月28日閣議決定)における対象事業及び環境影響評価に関する手続きについて述べよ.