技術士第一次試験 基礎科目トレーニングbP(作成:070928)
この問題は、このサイトで出題した既存問題と過去問題からピックアップして作成してあります。
1. 100人が検診を受け、ある検査で22人が「異常あり・再検査」との結果が出た。この検査の信頼性が80%であるとき、実際に異常がある(誤診でない)人は、何人に1人の割合と推定されるか。
(1) 30人に1人
(2) 40人に1人
(3) 50人に1人
(4) 60人に1人
(5) 70人に1人
2. 次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1) CAEとは、CADによる設計に従って行う加工作業を、コンピュータによって支援するものである。
(2) 廃棄物を排出する事業者には、事業活動によって生じた産業廃棄物を、自らの責任において処理しなければならない。この考え方は、汚染者負担の原則(Polluter-Pays Principle ; PPP)とよばれる。
(3) PL法は、製品購入者が製品の欠陥により身体的、財産的な損失を受けた場合に、その生産者にその損失を補償する義務を負わせることを定めた法律である。
(4) トレードオフとは、たとえばある製品の品質を高めるように設計すると、生産コストがかさんでしまうといったような関係をいう。
(5) 知的所有権には、著作権、特許権、実用新案権、意匠権、商標権などがあるが、コンピュータソフトは、著作権の中で取り扱われる。
3. 製造物責任法に関する以下の記述の中で、誤っているものを選べ。
(1) 利用者が製造物の欠陥によって傷害をおったり、あるいは安全に関わるような品質上の不具合があった場合に、メーカーがこの責任を負わねばならない。
(2) 製造物責任法において、消費者がメーカーの責任を問おうとする時、製品に欠陥が存在し、それによって損害をこうむったことの2点についてのみ証明すればよいこととされている。
(3) この法律の対象となる製品には、未加工農林畜水産物や電気、ソフトウェアといったものは該当しない。
(4) 製品の欠陥によって、人の生命・身体に被害をもたらした時だけでなく、その製品以外の財産が損害をこうむった時もこの法律の適用対象となる。
(5) この法律は、国内販売された製品を海外で使用して不具合が発生した場合には適用されない。
4. ドキュメンタリー・ドラマ・バラエティの中でどのテレビ番組が好きか、100人に複数回答可で聞いたところ、好きな番組の中にドキュメンタリーを含めた人が40人おり、2つ以上が好きと答えた人が34人いた。また、バラエティは好きだがドキュメンタリーは好きな番組に選ばなかった人が38人、バラエティだけが好きと答えた人が30人であった。ドキュメンタリーだけが好きと答えた人は何人か。
(1) 10人
(2) 12人
(3) 14人
(4) 16人
(5) 18人
5. ジョーカーを除くトランプカード52枚のうちから1枚を抜き取った。
・このカードがハートであることを知った時の情報量は
log2_4=2bit
である。
・このカードがキングであることを知った時の情報量は
log2_13=3.7bit
である。
このカードがハートのキングであることを知った時の情報量は次のどれか。(H14過去問)
(1) 1.2
(2) 1.85
(3) 3.1
(4) 5.7
(5) 7.4
6. コンピュータに関する次の記述のうち、誤っているものを選べ。
(1) UNIXシステムにおけるX-Windowsのように、グラフィックスやアイコンを多用して、マウスなどのポインタを使って視覚的に操作できるようにしたシステムを、GUIという。
(2) 画面に表示されているイメージがそのまま印刷されるよう配慮されたシステムを、WYSIWYGという。
(3) コンピュータプログラミングに用いる言語としては様々なものがあるが、アセンブリ言語のような高級言語は、よりコンピュータの基本動作に近いため高速動作が期待できる反面、人間には難解であるという短所がある。
(4) アーカイブとは、複数のファイルを1つのファイルにまとめる操作であり、アーカイブソフトの多くはファイルサイズを小さくする圧縮機能を併せ持っている。
(5) フォントとは文字の形を表すデータ群であり、以前は点の集まりで文字を表現していたが、現在では曲線を使って文字の形を表すアウトラインフォントが多用されている。
7. 次の文章から常に正しいものを選べ。(H15過去問)
(1) 有限要素法で得られる質量行列は非対称である。
(2) 流れ解析には差分法が用いられており有限要素法を適用することはできない。
(3) 熱伝導や過渡振動で用いられる時間方向の数値積分は陽解法である。
(4) 構造非線形問題には材料学的非線形問題と幾何学的非線形問題がある。
(5) 有限要素法の精度は同じ三角形要素ならその要素の大ききによるがその形状にはよらない。
8. 重さ10kgの石と重さ1kgの木片を、同じ高さから同時に落としたところ、石が先に地面に到達した。このことについて議論した以下の意見の中で、最も不適当と思われる意見はどれか。
(1) 落下速度に重さは関係ないのにもかかわらずこのような実験結果になったのは、空気の抵抗が大きな要因として考えられる。
(2) 石と木片の形状の違いが、落下速度に影響した可能性がある。
(3) 石と木片の密度の違いが、落下速度に影響したことは考えられない。
(4) 真空中で同じ実験をした場合、今回と異なる結果になる。
(5) 空気の抵抗を考えると、同じ重さでも体積が大きい物体は落下速度が遅くなることが考えられる。
9. 固有値解析に関する次の記述のうち、最も正しいものを選べ。(H16過去問)
(1) 弾性変形する構造体の固有振動数は、構造体の材質のみによって定まる。
(2) 質点ばね系の共振周波数は、その運動方程式の固有値解析により求められる。
(3) 平板の弾性変形については、常に固有振動モードが一つだけ存在する。
(4) 管路の気柱振動の固有値は両端の境界条件に依存しない。
(5) 固有値解析では一般に全ての固有値が求められなければ、固有振動モードは推定できない。
10. 材料に関する次の記述の中で、誤っているものを選べ。
(1) ぜい性は材料のもろさの指標で、ぜい性度が高い物質は、あまり変形せずに破壊する。
(2) 展性は力を与え続けると変形が元に戻らなくなる性質のことで、プラスチックはこの性質ゆえにいろいろな加工に向いている。
(3) 金属が不透明で表面に光沢があるのは、自由電子が存在するためである。
(4) 鉄鋼は他の金属材料を圧倒するほど大量に生産されているが、世界生産量でみると、セメントは鉄の2倍近い生産量がある。
(5) 鉄鋼材料の中で最も炭素が多いのは鋳鉄で、そこに酸素を吹き込み炭素を減らしたものが鋼である。
11. 人間の活動による大気汚染は、もともと大気中に多く存在しない化合物を作り出し、それを排出することに原因することが多い。内燃機関の排ガス中の窒素化合物を触媒で処理するとき、次の中で最も望ましいと考えられる生成物はどれか。(H13過去問)
(1) N2
(2) NO
(3) N2O
(4) NO2
(5) NO3
12. DNAを作っているヌクレオチドには4種類の塩基、すなわちアデニン、グアニン、シトシン、チミンが含まれている。これら4種類のヌクレオチドがいろいろな順序で一列に並んで結合して1本鎖となり、さらにこの1本鎖が2本絡まり合って2重らせんを形成する。4種類の塩基のうち、アデニンとチミンは2本の水素結合で、一方、グアニンとシトシンは3本の水素結合で結ぱれて互いに相補的な塩基対を形成する。このようなDNAの2重らせん構造は生物学的に大きな意味を持っているが、次の項目から最も不適切なものを選べ。(H13過去問をアレンジ)
(1) 4種類の塩基はDNA2重らせんの内側に位置し相補的な塩基対を形成できるようになっている。
(2) 相補的な塩基対は常にAに対してT、Gに対してCである。
(3) DNAの2重らせんがほどけて1本鎖から成るRNAとなり、これが複製されたものが対となることでDNAが複製される。
(4) 相補的な塩基対の形成の原理からDNAは全く同一のものが複製され、塩基の並び方からもたらされる遺伝情報は親から子へと伝えられる。
(5) DNAを水溶液中で加熱すると水素結合が切れて1本鎖となるが、冷却すると相補的な塩基対が再び形成されて2本鎖となる。
13. 環境改善技術に関する次の記述のうち、最も適切なものを選べ。(H15過去問をアレンジ)
(1) 代表的な廃水処理法である活性汚泥法は、泥による酸化還元反応を用いて水中の汚濁物質を除去する方法である。
(2) 廃棄物焼却施設の運転に当たっては、焼却するごみの質を管理することにより窒素酸化物排出の抑制を行うことができる。
(3) 汚染土壌のバイオレメディエーションとは、植物などの生物が良好に成育するように汚染された土壌を除去することである。
(4) 自動車の排気ガスからの大気汚染を防止するためには、それぞれの自動車に排煙脱硫設備を設置することが有効である。
(5) 汚濁の遠んだ河川の浄化方法として、膜分離による浄化設備を河川内に設置する対策があるが、コスト面の課題がある。
14. 装置やシステムの故障に関する特性には次のようなものがあるが、この中から誤っているものを選べ。
(1) フェール・セーフ(fail safe)とは、部品やシステムなどの故障が確実に安全側のものとなること、すなわち異常や故障を生じた装置を安全な方向に停止させる機能である。
(2) フォールト・トレラント (fault tolerant) とは、故障や誤動作が発生しても機能が正しく維持されること、すなわち耐故障性である。これは、大抵は構成要素の多重化 (冗長化) によって実現される。
(3) フェール・ソフト (fail soft) とは、故障が発生した際に、機能を完全に喪失するのではなく、可能な範囲で機能が維持されるようにすることである。
(4) フォールト・アボイダンス (fault avoidance) とは、故障の可能性が充分に低いこと、すなわち高信頼性である。この特性は、グレースフル・デグラデーション (graceful degradation) と呼ばれることもある。
(5) フール・プルーフ (fool proof) とは、人間が「いたずら」をしても危険を生じないことで、たとえば小さい子供には開けにくいように工夫した薬瓶などである。
15. 新QC七つ道具ではないのは、次のうちどれか。
(1) 過程決定計画図
(2) パレート図
(3) マトリックス図
(4) アローダイヤグラム
(5) マトリックス・データ解析
<正解と解説>
1.正解:1
システム設計に関する問題である。
実際に異常がある確率をxとしたとき、信頼性Tの検査で、母集団Nの中から、実際に異常がある人を正しく検出する確率p1は、x*Tとなる。この場合、T=0.8だから、p1=0.8x。
同様に、異常がない人を「異常あり」と間違って検査する確率は、(1−x)*(1−T)。この場合、(1−x)*(1−0.8)=0.2(1−x)=0.2−0.2x。
正しく診断された「異常あり」と、誤診の異常ありの合計人数は、母集団100人×(0.8x+0.2−0.2x)=60x+20=22人。よって、x=(22−20)/60=2/60=1/30。
すなわち、30人に1人となる。
2.正解:1
(1)・・・・× 記述の内容はCAM(Computer Aided Manufacturing)である。CAEはComputer Aided Engineeringuの略で、基本設計や概念設計などを行うときに、主に数値計算によって技術検討支援を行うシステムをいう。
(2)・・・・○ その通り。
(3)・・・・○ その通り。
(4)・・・・○ その通り。
(5)・・・・○ その通り。
3.正解:5
(1)・・・・○ 製造者責任法の基本理念である。
(2)・・・・○ PL法の大きな特徴である。
(3)・・・・○ 対象製品は工業製品のような、人為的な操作や処理がなされ、引き渡された動産を対象としている。
(4)・・・・○ これに対して製品自体の損害(欠陥によりその製品が故障しただけ)はこの法律の対象とはならない。
(5)・・・・× 適用される。ただし、この製品が国内限定使用に供するものであることが明記されている場合はこの限りでない。
4.正解:3
ベン図にすると理解しやすい。わかりやすくするため、「ドキュメンタリーが好き」を「A」、「ドラマが好きを「B」、「バラエティが好き」を「C」とする。たとえば「ドキュメンタリーもドラマも好き」は「AB」、「3つとも好き」は「ABC」となる。
ここで、「ドキュメンタリーが好き」はA+AB+AC+ABCであり、これが40人である。また、2つ以上が好きな34人はAB+AC+BC+ABCである。「ドキュメンタリーだけが好き」はAであり、「ドキュメンタリーが好き」のA+AB+AC+ABCからAB+AC+ABCを引けばよく、それは「2つ以上が好き」からBCを引けば求められる。
ここで、「バラエティが好きだがドキュメンタリーは好きでない」というC+BCが38人、「バラエティだけが好き」のCが30人であるから、38−30=8人がBCとなり、34−8=26人がAB+AC+ABCとなる。よって、ドキュメンタリーだけが好きなのは、40人−26人=14人。
5.正解:4
Aカードが特定のマークである確率は1/4、特定の数である確率は1/13。
要は確率Cをlog2_Cとして情報化しているということ。
「ハートのキング」のように特定マークで、かつ特定数である確率は1/(4*13)=1/52。
よって、その情報量は、log2_52。
2^2=4、2^3=8、2^4=16、2^5=32、2^6=64だから、2^5と2^6の間。
よって正解は5と6の間。
6.正解:3
(1)・・・・その通り。Graphical User Interfaceの略。逆にMS-DOSのような文字でのインターフェイスをTUIという。
(2)・・・・その通り。What You See Is What You Getの略。ウィズィウィグと読む。
(3)・・・・誤り。高級言語とは、CやFORTRAN、BAISCのように人間に理解しやすくした言語。
(4)・・・・その通り。アーカイブしたファイルを「書庫」とよく呼ぶ。
(5)・・・・その通り。Windowシステムとレーザープリンタの進歩でアウトラインフォントが主流になってきている。
7.正解:4
(1)・・・・× 対称のものもある。
(2)・・・・× 流れにも適用事例あり。
(3)・・・・× 陰解法でも可能。
(4)・・・・○ そのとおり。
(5)・・・・× 平たい形だと制度が落ちる。
8.正解:3
密度の違いは重さの違いとなり、力あるいは運動量の違いとなる。空気の抵抗がある中で、密度の違いが落下速度に影響したと考えるのは妥当である。
9.正解:2
(1)・・・・× 材質が同じでも部材の配置、断面形状などが異なると全然振動数は変わる。
(2)・・・・○ その通り。
(3)・・・・× 平板の固有モードは1次、2次…と色々な振動モードが存在する。
(4)・・・・× 両端が自由と固定とでは、振動数は変わる。
(5)・・・・× 数値解析の反復法では固有値を1つずつ求めていくことができる。
10.正解:2
(1)・・・・○ そのとおり。
(2)・・・・× 展性は叩き伸ばせる性質のことで、金属特有である。
(3)・・・・○ そのとおり。
(4)・・・・○ そのとおり。
(5)・・・・○ そのとおり。
11.正解:1
単純に不活性ガスが生成物としては一番いいはず。
(4)、(5)は窒素酸化物、(2)、(3)は硝酸性窒素。
12.正解:3
(1)・・・・○ そのとおり。
(2)・・・・○ そのとおり。
(3)・・・・× DNAの複製のときには、2重らせんがほどけて1本鎖となり、各1本鎖の塩基配列を鋳型にして新しい1本鎖DNAが作られる。RNAも1本鎖だが、DNAからRNAができたりしない。
(4)・・・・○ そのとおり。
(5)・・・・○ そのとおり。
13.正解:5
(1)・・・・× 微生物の作用を用いて水中の汚濁物質を除去する方法である。
(2)・・・・×
(3)・・・・× バイオレメディエーションは微生物による汚染除去。植物利用はファイトレメディエーション。
(4)・・・・×
(5)・・・・○ その通り。
14.正解:5
(1)・・・・○ その通り。
(2)・・・・○ その通り。
(3)・・・・○ その通り。
(4)・・・・○ その通り。
(5)・・・・× 説明文は、フール・プルーフではなく、タンパー・プルーフ (tamper proof)またはタンパー・レジスタントと呼ばれるもののことである。
フール・プルーフは、人間が誤って不適切な操作を行なっても危険を生じない、あるいは正常な動作を妨害されないことであり、安全インタロックのような機能のことである。
15.正解:2
パレート図は7つ道具。QC7つ道具は特性要因図(fヒッシュボーン)・チェックシート・パレート図・ヒストグラム・散布図・管理図・グラフ(管理図とグラフを1つにして、層別法を入れる場合もある)。
新7つ道具は、関連図(または連関図)、系統図、マトリックス図、マトリックスデータ解析、PDPC(過程決定計画図)、アローダイヤグラムおよび親和図(KJ法を特定する場合もある)。