先輩の総監技術士との対話に基づく合格基準〜まさふみさん

<総監・環境-自然環境保全>

科学技術が高度になり、複雑になって、もはや一部の専門家だけでプロジェクトを完了させることができなくなりました。
そのため、複数の専門家を束ね、数ある困難を乗り越えて、プロジェクトを首尾よくやり遂げる指揮官が求められています。
そのマネジメント手法を文部科学省が体系化したのが、『技術士制度における総合技術監理部門の技術体系』、いわゆる「青本」です。

わたしは、2016年に総監部門(環境)に合格しました。そして、先輩の総監技術士との対話のなかで、かれらが「総監」や「青本」に対して、ほぼ共通した認識をもっていることに気がつきました。それは、つぎの3点です。

(1)青本は、たしかに内容が古くさくて、粗削りなところがある。しかし、業務全体を見渡して、なんとかやり切る管理技術をうまくまとめている。
(2)5つの管理技術が、実際に業務で役立つ。例えば、人的資源管理では、目の前のプロジェクトだけでなく、多少のコストを犠牲にしても、長期的な視点で人材育成を考える。これは、組織の継続性を考えるうえで重要である。
(3)リスクマネジメントやトレードオフの解消については、体系化が明確には完了していない。したがって、プロジェクトでは、どのように考えて、この重要なポイントに向き合うかが、真の総監技術士であるか、そうでないかの分かれ道である。

これらは、いまから総監試験に挑む人にとって、仕上がり具合のチェック項目にもなりそうです。つまり、以下のように。

(1)業務全体を見渡して、専門技術者の視点ではなく、管理技術者として業務を完了させる能力を採点官にアピールできるか。
(2)5つの管理技術を正しく理解し、使いこなせるか。また、ある管理技術を手厚くすると、何がおろそかになってしまうかが分かっているか。そして、これらの能力を採点官にアピールできるか。
(3)プロジェクト実施時のさまざまな前提条件や制約条件を踏まえて、5つの管理技術をバランスよく使い分けられる能力を採点官にアピールできるか。

そして、試験当日までに、すでに総監技術士になっている先輩方と、ほぼ共通した認識の域に達していれば、合格通知を手に入れられる可能性が高まっていると、私は考えます。
「総監は難しいか?考え方さえわかってしまえば、専門技術士の試験よりも簡単かもね。そして、何より面白い。総監の勉強をしてよかったよ。」
これも、先輩の総監技術士からよく聞く言葉です。わたしも同じ意見です。
総監試験にチャレンジされる方のご健闘をお祈りします。
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