口頭試験体験記 | 建設部門/土質及び基礎(平成18年度以前) | Back |
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平成11年12月4日(土) 11時40分〜12時10分
試 験 官 :2名
Q1:早速ですが、あなたのこれまでの経歴について土質的な観点から手短に話してください。
Q2:2つ目の経験論文については、いかがですか?
Q3:主な業績にあげている駐車場設計施工指針作成ワーキンググループへの参加は、土質的な内容が含まれているのでしょうか?
Q4:1つ目の経験論文についてお聞きします。鋭敏比はどの程度だったのですか?
Q5:逆解析といえば、一般的には土質定数をパラメータとすることが多いと思いますが、側圧係数をパラメータとしようと考えたのはなぜですか?
Q6:対策工として間詰コンクリートの打設の方法をとられたようですが、その他の方法は考えられなかったのでしょうか?
Q7:このような事例を今後に生かすためにはどのようにしたらよいと考えますか?
Q8:続いて2つ目の経験論文についてお聞きします。中間粘性土の遮水効果の判断の方法についてここでもう一度詳しく話して下さい。
Q9:その方法については、あなた個人が一人で考えたのですか?
Q10:大変おもしろい内容であると思いますが、このような方法は事例的にたくさんあるのでしょうか?
Q11:土質の分野ではあなたが話した通り十分な土質調査を行うことが大切ですが、耐震設計法において保有水平耐力法が用いられるようになりましたが、保耐法を取り入れることと土質調査方法の関係でどのような調査方法が必要となるかなどについて何か考えをお持ちでしょうか?
Q12:では最近、規制値を定める設計手法が変わろうとしている傾向があることはご存知かと思いますが、このような傾向についてあなたの考えをお聞かせください。
Q13:私からも耐震設計法についてお聞きします。特にレベル2地震動についてですが、設計する上で特に考慮するべきことは何だと思いますか?
Q14:そうです。
Q15:偶然なのでしょうが、兵庫県南部地震の発生した時期を境にして経済の状況が悪化し、現在はコストに対しての意識が高くなっております。特にL2にしぼって考えていただければよいのですが、構造物に要求される耐震性とコストの関係についてあなたの考えをお聞かせください。(私が「難しいことを訊かれてしまってまいったな。」と思い、一瞬苦笑いしてしまったところ・・・)
Q16:1つヒントを与えます。構造物の重要度が1つのキーワードです。
Q17:今あなたが話した重要度とは、どのようなものでしょうか。
Q18:最後にもうひとつお聞きします。最近国際基準化の進展により国内においても各種の状況の変化が見られますね。この点についてはどう思いますか?
Q19:では、技術士の守らねばならない義務について説明してください。 以上
前半で経験業務や経験論文についての質問、後半が一般的な内容についての質問でした。経験論文についての質問は技術的にとても的を得た質問で、私はそのやりとりそのものがとても楽しく感じられました。後半の、一般的な質問では時に非常に難しいと感じられる質問もあり、スラスラと答えられるというような状態ではなくやっと返答をしていたような状態でしたが、一応自分なりの考えは伝えられたと思います。
・試験場所;フォーラム8
・日時:平成11年12月4日(土) 14:18〜14:45
・試験官:2名(大学教授 A氏、ゼネコン B氏)
口頭試験が終了しました。一言感想を言うと、非常に厳しいものであったと感じました。とても、つらい口頭試験でした。口頭試験を受けて、次のような反省点があります。・私がアピールすべきところを重点的に書くべきでした。
・文章の表現能力を補う必要がある。
・現象をとらえることができる図を用いて、理解しやすく、誤解しにくいものとすべきでした。
以下に、口頭試験の質疑応答を書きます。赤文字は、その時の気持ちです。
質疑応答内容
私:B○○○ ○○○○です。よろしくお願いします。
B氏:どうぞおかけください。緊張されてますか。リラックスしてください。B氏:受験は1回目ですか。
私:いいえ、2回目です。
A氏:経験年数5年で受けられたのですか。
B氏:昨年度はどうして不合格ななったと思いますか。
私:昨年度は、技術的な知識が不足していたこと、経験論文を書く上での文章能力が不足していたこと、建設一般に関する知識と認識が不足していたためであると思います。特に建設一般は力足らずでした。
B氏:それでは、今年度はかなり勉強されたということですか。
私:はい、かなり勉強しました。
B氏:現在は、どのような仕事をされてますか。
私:経験論文の1題目の本施工部の設計、施工中の調査を担当してます。
B氏:現場が多いのですか。
私:現場3に対して、内業が7の割合です。
B氏:それでは、経験論文の質問に入ります。2題目の経験業務はどのような立場で関わったのですか。
私:主任技術者として、業務の計画から関わりました。現地には、1名動態観測のために常駐し、私はデータの解析や現場に指示を出していました。私の上には、技術士の資格を持っている課長がいます。
B氏:あなたには、部下がついていたのですか。
私:1名付いていました。
A氏:入社して4年目の業務ですが、仕事を任せられていたのですか。
私:技術士資格を持つ課長の指導のもとに、業務を遂行してました。
B氏:1題目の経験業務はどのように関わったのですか。
私:この業務も計画段階から携わっています。この業務では、液状化対策工の効果の評価、設計法の確立、施工法の決定などを担当しました。
A氏:経験論文を読ませていただきましたが、どこにも、あなたが苦労し、アピールしたい点が感じ取れません。経験論文は技術論文であり、業務報告書ではありません。特に、2編とも新しい技術ではないと思いますが、(この時点で、雲行きがあやしい。これは、いったいどうしたのか。)
B氏:1番目の経験論文では、液状化対策工法の試験工事を行ってますが、試験工事はどのような考えで行ったのですか。
私:机上検討では、試験工事を行った対策工の他に地下水位低下工法と水平変位抑制工法も含めて検討してます。試験施工を行ったのは、施工実績がなく、設計法、施工法が確立されていない工法について行いました。
B氏:静的締め固め工法として、コンパクショングラウチング工法を選定した理由はなにですか。
私:各施工の原理から話しますと、
A氏:施工原理はいらない。
私:ストロングバックパイル工法は、充填材を袋の中に注入して、袋を膨らませて地盤を締め固めるこうほうですが、充填材が袋から逸脱して、思うように袋が膨らまず、工法の原理がなりたなかった。もう1工法は、削孔径50cmと大きいため、舗装への影響が大きい。
B氏:わかりました。B氏:高有機質土では、側方流動が問題となりますが、盛土周辺部はどのように改良したのですか。
私:DJM工法で地盤改良を行い、補強盛土で盛土を立ち上げました。
A氏:あなたの論文には、この程度の図しか載ってない。これでは、全てをバーチカルドレーンで改良したものと読みとれる。
A氏:高有機質土の間隙比〜応力の関係(e〜logP)は逆S字型となるということですが、このような形状になるということは、2次圧密が小さいということではないでしょうか?
私:2次圧密とは関係ないです。
B氏:対策の目標として、過圧密比1で残留沈下10cmとは非常に無理があるのではないでしょうか。
私:2次圧密試験の結果より、高有機質土の2次圧密は荷重に依存し、上載荷重の増加とともに低減することが確認されています。本工事では、約13m、26tf/m2の大きな荷重が作用するため、過圧密比1でも2次圧密が10cmとなることは確認されています。また、別途、搬入した盛土を場外に搬出しないという目標があり、過圧密比を大きくすると、搬出土量が発生します。したがって、密な動態観測と高有機質土の圧密特性を考慮した沈下計算法を用いて、より精度の高い圧密管理を行いました。
A氏:体積比と圧密応力の両対数の直線性を利用することにより、沈下量を計算することを提案してますが、これは、あなたが考え出したことですか。
私:沈下計算には、○○大学の○○氏、○○建設の○○氏の提案を取り入れてます。(もっと、詳しい説明をしたかった。)
A氏:影響の範囲はどの程度ですか。
私:最大でN値が15以上です。(失敗だ、質問の意図が分からない。)
A氏:N値ではなく、私が言いたいのは、距離によって、影響の程度ですが。そうではなくて、改良による影響範囲です。
私:試験施工では、改良ピッチを変えていないので分かりません。以後、勉強します。
A氏:この図から見ると、改良後N値を同程度に上昇させるために、工夫されているいるようですが、論文の中では、全くふれられていません。あなたは、施工法を確立するために苦労されたのでしょう?それを書くべきです。もし、この試験施工が特に着眼点もなく、工夫もなく、行われ、その結果のみを評価しているのであれば、認めるわけにはいけません。あなたの文章から、そのような工夫している点が読みとれない。(どうして、ここまで言われなくてはならないのか。悔しい!!)
私:原稿には枚数が限定されているので、書くべきことを絞って書きました。
A氏:それは、分かりますが、あなたの主張がない。経歴から見ると良い仕事をされているのですが、何気なくこなしているようではだめです。問題意識を持って重要な仕事をしているのだと意識しながら、やっていただきたい。技術士とはそういうものです。(あ〜、技術士が飛んでいく〜、顔面蒼白)
A氏:施工を工夫したというのは、下から施工するか、上から施工するかの違いでしょう。どのようにしたのですか。
私:まず、最初に上部に2mを注入します。、その後は下から改良します。
A氏:静止土圧係数K0は、何で求めてますか。
私:セルボーリングプレッシャーメータを使ってます。
A氏:セルフボーリングで正しいものが得られるのですか。
私:この試験工事では、LLT試験とセルフボーリングで比較をしました。その結果、LLT試験は非常にばらつきは、大きかったですが、セルフボーリングは0.4〜0.6のK0が得られました。SBP試験でも、粒径のそろった砂では適用できますが、レキが多く混じっているものには、適用限界があります。(うたがわれている。)
B氏:少子高齢化に向けて、公共事業の効率化をかるためにパブリックインボルメントの必要性を主張されてますが、あなたは、日本でも本当に住民参加手法(パブリックインボルメント)が日本においても効率化につながると考えてますか。
私:現在では、多様な価値観を持った人々が多くなりました。現に、最近では事業が立ち上がった後に、中止になることが多くなっています。パブリックインボルメントを通して、事業の必要性を明らかにすることにより、効率的に事業を進められると思います。
A氏:決まりごとなので、技術士の3大義務をこたえてください。(しょうがなしに、聞かれている。もうおしまいだ。)
私:信用失墜行為の禁止、信頼失墜行為の禁止とは技術士の信用を傷つけ、技術士全体の不名誉となるような行為をしてはならない。秘密保持の義務、秘密保持の義務とは、正当な理由がない限り、業務で知り得た秘密を漏らしたり、または、盗用してはならない。技術士でなくなった後も、同様です。技術士の名称表示の場合の義務、その業務に関して、技術士の名称を表示する場合には、登録した技術部門の名称を表示するものとし、登録していない技術部門の名称を表示してはならない。
B氏:以上です。どうもご苦労様でした。
2000年12月2日《土》PM1:00土質及び基礎(基礎) 36歳
Q;あなたの現在の業務と役職は?
Q;受験の動機を述べよ。
Q;体験業務1より
(積算電流値による支持層確認装置の開発)
・従来装置での問題点は何があったか?
・N値との関係は?
・地盤の分類はどうしたか?
・今後、この装置をどのように生かすか?
・埋込み杭と打込み杭の支持力特性を述べよ。
Q;体験業務2より
(廃棄物を利用した杭の水平抵抗改善及び再利用)
・実際の現場ではどのように施工するか?
・社会全体とあなたの業務における産廃について、各々の考え方を述べよ。
・地盤反力係数の推定式を幾つか述べよ。
Q;山留めにおいて水が湧いてきました。あなたはどのように対処しますか?
Q;技術士とは?
Q;技術士の三大義務を述べよ。以上
所要時間は20分弱でした。(実際の中身としては15分位)非常に短かったような気がします。ただし、待つ時間は非常に長く感じられ、うろうろしていました。
平成12年12月2日(土),午前10:10から
場所:渋谷フォーラムエイト 5F
午前9時過ぎに試験場に到着し,8階で筆記試験合格通知を見せて受付を済んだ後,5階の控え室に入り,想定問題と回答案の最後の目通しをする(一心不乱)。予定時刻(10:10)にぴったり,名前が呼ばれて,案内役のお嬢さんについていく。途中,緊張緩和のため,お嬢さんと会話練習;
私:試験官の先生は何人ですか?
案内役:2人ですよ。
私:厳しいそう?
案内役:・・・(振り向いて,にっこりだけ)
試験の部屋前に着き,お嬢さんがドアを開けてくれて,「どうぞお入りください」と言われ,入って一礼。「失礼します」。荷物を荷物置き場に置く。
試験官2人とも50代(と思う),優しそうな,人に威圧感ではなく親近感を与えるタイプ。試験官Aは業界の実務者風,試験官Bはゼネコンの研究所勤めの研究者風,という感じ。
A:どうぞお掛けください。
私:(試験官からの「受験番号とお名前を・・・」,のセリフがない?) F62番の○ ○○と申します。よろしくお願いします。(着席。去年と比べかなり小さな部屋なので,試験官達との距離は,テーブルを挟んで2m未満と近い。すぐ後ろのテーブルの後には,案内役から変身した記録係のお嬢さんが座っている。)
A:ご専門は土質と基礎ですが,これまでの土質および基礎関係の業務履歴を教えてください。
私:私は約11年前,○○大学の大学院を出てから,大学および民間で土質および基礎関連の研究ならびに実務を行ってまいりました。(言葉の流れが悪くなって)すみません,ちょっと緊張しています。
A:どうぞ,気楽に話していいですよ。
私:その前の大学院期間にも専門関係の研究を行って,その主な内容は,
A:(申込書を見ているようで)大学院についてはいいです。その後の経歴を話してください。
私:はい。大学院を出てから,まず,民間会社で約2年間,軟岩のスレーキング特性や地盤の液状化検討などの業務を担当しました。その後,大学に戻って,教育の仕事に従事し,同時に地盤の凍上対策などの研究もやりました。今の会社に入ったのは約5年前ですが,それ以来,100%実務に打ち込んでおり,主に地盤の調査と解析検討などの業務を担当しました。(更に具体的に説明しようと思ったが,試験官達は用紙に何かを書き込んでいるのを見て,ここでやめた。)
A:分かりました。それでは,技術士試験受験の動機と,もし資格取得できた場合,何をしようかをお話ください。
私:はい。受験の動機は,まず,技術士資格は,日本では技術者に与えられる最高の公的資格ですので,コンサルタント業務を行う際,この資格を持てば,顧客の信頼をより得ることができると考えております。次に,技術士資格は,技術者個人の技術力を評価する有力な指標の一つですので,私は,今後,実務技術者として頑張っていく上で,ぜひこの資格を取得したいと考えております。更に,ご存知の通り私は中国籍をもっておりますが,いま,APECエンジニア資格相互承認プロジェクトが始まっており,日本の技術士資格を持つことで,今後国際的にも活用できると思います。主に,以上のことを考え,受験いたしました。そして,もし,今回の試験に合格でき,はれて技術士の資格を取得できれば,いままで以上に努力して,自分の技術力の向上を図り,幅広い業務にチャレンジしたいと思っております。(「会社全体の技術力向上に貢献したい」などを言おうとしているところ,試験官達は用紙に何かを書き込んでいるのを見て,話をやめた。)
A:筆記試験で体験業務2件を論文記述しましたが,それらについては,技術士にふさわしいと考えた点を話してください。まず,石炭灰調査業務についてどうぞ。
私:その調査業務は,通常の地盤調査として計画と実施をいたしましたが,調査の中,石炭灰地盤に特有と思ういくつかの問題点が分かってきました。その一つは,地盤の強度はきわめて不均一ということで,N値が0から50以上と幅広く変化していました。本業務の中では,特にこの強度不均一性について,その原因を追及しました。材料の面から,石炭灰の成分に含まれる酸化カルシウム,というものに着目して分析した結果,酸化カルシウムの含有率とN値との間には,相関関係があることに突き止めました。このことは,石炭灰地盤の改良および今後の造成において,大いに参考になるものと考えます。
A:こちらの勉強不足かも知れませんが,石炭灰がその成分の中にCaOが含まれて,自硬性がある,ということが一般的に言われているものではありませんか。関連事例などを調査しましたか。
私:はい,本業務の実施にあたって,事前に文献調査などをしました。しかし,調査した文献などでは,石炭灰ならどれもCaOが含まれて,自硬性がある,といようなことを書いていました。本業務では,実際に調べた結果,CaOを含む石炭灰もあればそうではない場合もあることが分かりました。当然,CaOを含まない石炭灰は自硬性がありません。
A:そうですか。2つ目の体験業務についいて,話してください。
私:この地盤沈下予測解析業務では,限られた予算と工期の中,いかに高い解析精度を得て,要求目的を達成するか,という課題がありました。そのための工夫として,まず,約6年間の実測沈下データを用いて逆解析を行い,予測解析の初期入力値を決めました。その際,地盤の過圧密効果を考慮して逆解析を成功させたことを,特に強調したいと思います。もう一つ工夫したことは,2次元予測沈下解析モデルの中で,基礎形状の3次元的影響の解消を図ったことでした。
A:(試験官Bに対して),どうぞ質問を。
B:地盤沈下解析で使ったモデルは何ですか
私:解析ソフトは「2D−consoil」というもので,その中の,弾・粘塑性モデルを使いました。その中身は○○○研究所の「GeoFEM」というものです
B:弾・粘塑性モデルは関口・太田モデルですか
私:はい,そうです
B:関口・太田モデルでしたら,過圧密のOCRを扱えるのは当然事前に分かるべきと思いますが,あなたの解析では,後になってOCRの効果を取り入れたのでしょうか。
私:今回の解析業務では,予算と工期が非常に限られており,解析のための地盤調査や試験はいっさいありませんでした。客先から提供された資料は実測沈下データだけでした。最初の内,逆解析でなかなか実測値を再現できませんでした。そして,客先から更に色々と資料を借りてきて調べまして,地盤が過圧密状態であった,ということが分かったわけです。
B:地盤の変形量を求めるなら,荷重の増加に伴う地中の応力増加を,例えばニューマックなどの方法で求め,さらにe〜logPの関係を使えばできるのではないでしょうか。
私:確かに色々な方法で地中の応力を求められ,さらに,e〜logPの関係を用いてΔPから地盤の沈下量を求めることができますが,その場合,地盤の圧密沈下の時間要素,即ち,いつになって地盤がどれぐらい沈下するか,ということは分かりません。沈下量と時間の関係は,発電所の建設にとって大変重要なことです。(ブーシネスクの理論解から発展してきた,ニューマックなどの方法が弾性理論を前提とする,ということも指摘すべきだった。)
B:圧密沈下の過程を求めるなら,複雑な解析ではなく,テルツアッギーの圧密理論を使って,たとえば圧密係数Cvからでも求めることができるでしょうか。
私:テルツアッギーの圧密理論は2次圧密などを扱えません。本業務での解析はかなり長い期間を解析対象としており,これも本業務の特徴の一つです。(更に,地盤の2次元的変化,異方性,除荷過程など,テルツアッギーの圧密理論では扱えないことも指摘すべきだった。)
B:つまり,クリープ変形に着目したということですか。
私:はい,そうです。
B:ちなみに,関口・太田モデルのパラメータのα値はいくらとしましたか。
私:すみません,具体的な数字は覚えていません。今回,関口・太田モデルの入力値の多くは,塑性指数Ipから簡易推定という方法で決めました。
B:αは透水係数などから求めるでしょう。
私:(違うような気がしながら)はい。
A:それでは,一般的な話に移ります。あなたが筆記試験で回答した,標準貫入試験と孔内水平載荷試験以外のサウンディングについて,その内容と,得られる結果を述べてください。
私:(回答すべき内容が多すぎて,回答文としてどう組み立てばよいかを考えながら,回答の言葉に詰まってしまった。)えーと・・・・
A:例えば,ダッチコンを知っていますか。
私:はい。それは,内管と外管のあるもので,コーン抵抗値と外管摩擦を測定することができます。また,間隙水圧を測れるタイプもあるようです。
A:電気式コーンというものを聞いたことがありますか。
私:(さきの回答で最後の一言はまずかった。間隙水圧を測れるのはこっちだ。)はい,直接使ったことはありませんが,勉強してその内容が知っています。それは,コーン抵抗値や間隙水圧など測定値を電気的信号に変換して表示または記録するもの,いわゆる「3成分コーン」というものだと思います。(そのほか,ベーン試験,スウェーデン式コーン,ポータブルコーンなど,知っているものを名称だけでも触れておくべきだった。)
A:土質試験結果のばらつきに影響を与える因子は何ですか。
私:試料採取時の乱れの影響とか,試験時の誤差とかが考えられます。また,供試体のスケール効果や,(試験官Aは首をかしげ始めた),点であるサンプルの値が地盤全体のものを代表できるかどうか,あ,すみません,これはばらつきと別問題です。
A:例えば,試料採取にあたって,熟練の作業員と新人では,同じ地盤の試料を取ってきても,ぜんぜん違う結果になることがあります。そのようなことです。
私:はい,その通りです。
A:地盤調査について,最近の新しい技術を2例ほど挙げて,その現状と展望を教えてください。
私:体験業務として挙げました石炭灰地盤調査のことですが,その後,私たちは,レーリ波探査という方法を石炭灰地盤で使って,自主的に調べたことがあります。その調査法は,弾性波調査と似たもので,地盤を簡易的に迅速的に調査できます。一般の地盤においては,すでに実用されていますが,石炭灰地盤については,まだデータ蓄積の不足で,実用まではもうすこし,というところです。
もう一つ新しい調査法ですが,あるメーカが開発した,フリックションレスコーンというものを挙げられます。それは,コーン貫入時の周辺摩擦を水流で低減させ,その結果,かなり堅い地盤でも貫入できるようになったものです。
A:(試験官Bに対して)まだ何か質問がありますか。それでは,技術士として守らなければならない3つの事項を,項目で述べてください。
私:はい。一つは信用失墜行為の禁止,二つ目は秘密保持の義務,三つ目に名称表示の場合の義務です。(今年4月の法律改正で,追加された公益確保の責務と資質向上の責務を述べるべきかどうかを迷ったが,「3つ」とはっきり言われたので,従来の3大義務にとどめた。)
A:名称表示の場合の義務はどういうものですか。
私:登録を受けた部門をはっきり示し,登録を受けていない部門を表示してはならない,ということです。
A:以上です。ご苦労さまでした。
私:ありがとうございました。(「ありがと・・た」,と聞こえたかも知れない。)
(荷物も持ってドアを押して開けようとしたが開けられない!。やはり相当に緊張していた証拠。仕方が無く記録係のお嬢さんに向かって)すみません,ドアが開けられないですけど。
A:ドアを引くのかしら。
私:(苦笑しながら,ドアを開けて,試験官達と記録係に一礼),失礼しました。(退室。ドアを静に閉めてやった。)
事後感想:
「以上です」と言われた時,「おや,もう終わるか,まだ始まったばかりなのに」,あっという間に時間がすぎた,という感じだった。試験の部屋を出て時計を見たが,ちょうど10時30分,つまり試験時間はおおよそ予定通り20分弱であった。部屋に入る直前まで,「回答の時は,ゆっくり,ゆっくり」と自分自身に注意していたが,いざ試験になると,試験官の問いを一所懸命なんとか答えよう,という気持ちを抑えきれず,ついつい早口になってしまった。その結果,よく考えた回答になった,とはなかなか言えず,時には意味不明な言葉も混じっていたかも知れない。知っていても,うまく回答できなかったこと,特にサウンディングについての支離破砕となった回答結果は悔しかった。試験前に用意した想定問題は,受験動機と技術士の義務以外,見事にすべてはずれてしまった。ただし,体験業務論文の内容をしっかりと復習したのはよかった。
去年と違って,体験業務の論文内容に関する質問が多く,後になって考えてみれば,なるほど,これは技術士試験らしい試験だなあ,と妙に納得していた。自分の回答は下手くそで,悔いも多少残ったものの,できるだけのことを精一杯やった,と自分を慰めたい。あと,結果は天に任せ,いや,試験官達の判断に任せ,としよう。以上。(前年度、筆記合格も口頭試験で不合格、本年度リベンジを果たされました。)
5 掲示板情報 : 00/12/02 Sat 23:27:47
今日土質及び基礎の面接を受けた者です。
質問内容は、@受験動機、A経験論文の説明と関連する質問、B技術士の義務でした。厳しい試験だと聞いていましたが、意外とすんなり終わりました。ただし、経験論文に関連する質問で意味を取り違えて答えたのが一つありました。後で考えたら大失敗ですが、試験官からは、間違えを指摘されなかったので、悪い評価をされたかもしれないと少し心配しています。まあ、しかし、一つの失敗ですし、致命的ではないので、こんなもんだろうと楽観視しています。とにかく、抑圧的な厳しい雰囲気ではなかったです。
それと、技術士の義務に関する質問は、私の場合、「三大義務は?」ではなく、単に「義務は?」と質問されたので、従来の三大義務+追加された二つの責務を答えました。ただし、「4月に公布された技術士法で追加され、今後このような責務も従来の義務に加えて重要になってくると思います」と前置きを付け加えました。
参考ですが、試験は11時10分から、年齢35才、初めての受験です。
土質及び基礎の試験に行って来ました。
内容は、経験論文についての、技術的に高度な質問がほとんどです。同じような内容について、深く質問を受け、最初はどんな質問から始まったのかわからなくなる部分もあり、やはり大変な試験だなと痛感しました。経歴(主な業績ではない)についての質問は、”手短に”をものすごく強調されました。
これは、経歴について、多くの受験者が、自分の経歴について、入社当時からの、経歴をだらだらと回答することへの注意事項だと思います。私は、”手短に”との質問がくることは十分に予測できたため、自分の経歴を項目別に4分類して、端的に1分30秒程で回答しました。受験の動機についても、必ず質問されるようです。私は、他の人の回答例等を拝見させていただき、何ともすばらしい回答であり、このような内容を本番ですらすら回答できる余裕と、技量は無いと判断し、自分にとって、とても現実的で正直な回答をしました。
その結果、落ち着いて回答することができました。今回,口頭試験を受験されたみなさんの報告を拝見させていただき、やはり、あがってしまい、冷静に考えれば容易に答えられる質問に対しても、納得のいかない回答となり、試験官に自分の考えを十分伝えられなかったと思います。私も、経験論文の高度な質問に対して、普段から考えていた理論的な回答の、半分もできませんでした。
口頭試験で失格となる、約10%強の人数は、自分をアピールするが為に、経歴や経験論文に嘘があり、それが、口頭試験で明白になった場合か、もしくは、試験官に対して、敬意を表していないような口調、もしくは、内容を述べた人に限られるものと考えています。
最後に、この掲示板を半年以上拝見させていただき技術士試験勉強に大変役立ち、心から感謝いたしております。
7 掲示板情報 : 00/12/03 Sun 23:48:55
12月2日(土)の午後から土質及び基礎で受験してきました。これから受験する人のために、感じたことを参考までに書き込みます。
1.口頭試験のはじめが重要と思います。非常に緊張しているためか声が上ずります。この対応としては、予想される出足の質問3つ程度は完璧に(意識しなくても自然と口から出てくるまで繰り返し、鏡の前で練習しておくことで余裕と言うか自信がつきます。)
2.答える前に、試験官が質問したことを簡単に付け加えてから答えたほうが良いと思います。ダラダラと質問されたら頭がパニクリます。その場合は、若干間をおいてでも要点を整理してから、その要点を前振りの言葉にしてから話したほうが良いと思います。理由は、答えながら的が外れていることが自分でわかるので、軌道修正しやすいことです。
3.試験前日は、質問予想の本命だけを押さえるだけで良いと思います。ここまできたら、あれもこれもと気を取られたら不安が募るだけです。とにかくあがらないで自分の持つ実力を出し切ることに全力を傾けましょう。
土質及び基礎で受けた方に、試験官は2人(ラフな服装の年配の方と紺のスーツでメガネの大学の教官風)じゃなかったですか。私は選択科目が基礎です。1つの質問に1つの答えに終始し、答えに対する突っ込んだ質問がなく、うなづくでもなく、けげんそうな顔をするでもなく、答え方が悪かったのか良かったのかもつかみにくく狐につままれたように時間が経過し、3大義務を答えて終了しました。(所要時間約22分)これから受験される方がんばってください。このホームページは1年間をとおしてお世話になりました。心からお礼申し上げます。
受験回数:2回・30歳
試験日時:2001/12/01 11:00より(5分前に名前を呼ばれ,11:25に終了)
試験官:2名(50代貫禄のあるゼネコン風「Rと示す」,40代官僚風「Lと示す」)
質問内容及び対応
QR:経歴を見ますと,経験が7年に満たないのですが大学院で研究などされていたのですか.
A:いいえ,平成8年に技術士補として登録してからの経歴です.
QR:受験の動機を聞かせてください.
A:技術士は我々技術者にとって最高の国家資格であり,社会的にも認められたいという気持ちがありました.また,私はまだ若く経験が少ない分その責任のもとで勉強し,業務を行いたいと思ったからです.
QR:書かれました経験論文を要約して説明してください.(2題)
A:2題共でしょうか.
R:そうです.
A:まず,K橋のニューマチックケーソンの方ですが…(中略)水質調査の結果,pH=6.6から6.9と若干の上昇がありましたが,問題がなかったといえます.
R:次ぎにもう1題の方を手短に
A:はい,Gへの連絡橋梁であり…(中略)
QR:まず,ニューマチックケーソンの方での質問をしますが,ブローホールを2箇所設置しておりますが,なぜ2箇所であったのですか.
A:設置個所はケーソン周辺に4箇所が理想と思います.
R:そうですね.
A:あらかじめ調査結果から,透水係数の高い地層「水みち」が河川の上流から下流に向けて存在しているのを確認していまして,ブローはこの方向に影響を与えると判断しました.また,予算の問題が一番であったこともあります.
QR:エアブローの管理方法はどのようにされたのですか.また,どう確認したのですか.
A:まず,周辺の井戸調査と施工前,施工中,施工後に井戸水の水質調査をしまして,濁りなど生じなかったとして間接的に確認しました.
QR:グラウトの管理方法は,どうされたのですか.
A:ブローと同じく水質調査で確認しました.pH=6.6が6.9位に上昇しました.しかしこの値は大きくなく問題がなかったといえます.
QR:(井戸水の)pH=6.9とありましたが,この数値は大丈夫なのですか.
A:(pH=6.9はほぼ中性なのになぜあえて聞くのだろう.何を求めているのだ.)はい,通常高い方で8.5位までが基準内です(低い方はど忘れした).また一般的においしい水というのはpH=7.5位まで(たぶん)ですから大丈夫といえます.しかし調査した井戸水は調査項目,大腸菌,マンガン含有量などすべて満足していたのはなかったのですけれども.
R:(笑)
QR:グラウトの配合は実験して決めたのですか.
A:いいえ,今回は●●を使用したのですが,各メーカーでゲルタイムと配合の関係は持っています.10分というのは配管内の目詰まりを防止する目的で設定しました.
QL:透水性の高い地盤でセメント系固化材を用いるのはよくわからないが…このような工法を用いることをあらかじめ住民には説明したのですか.また,このような工法はあらかじめ法的な規制があったと思うのですが,どうですか.
A:この工事は旧橋撤去から新橋の架設までかなり長いスパンの工事です.この為住民説明は十分に行っています.またわかりやすく各施工ステップ事に資料を作成させていただきました.また法的な基準ですが,建設省…国土交通省からセメント系固化材における六価クロム溶出の恐れから試験が義務づけられています.これはたとえば深層混合処理のように地盤とセメント系固化材とを強制的に攪拌する工法などを対象としています.今回はあくまでケーソン周辺のグラウトであり,岩盤のグラウト同様対象外といえます.(説明不足だ.これでは手を抜いたように思われる.)
QR:話は変わりますが,液状化現象を素人がわかるように説明してください.
A:・・・飽和した砂質土が…(飽和とは素人がわからないぞ)地震によるせん断力...(せん断力もわからない)間隙水圧が上昇し...(間隙も素人にはわからないぞ)あたかも有効応力がゼロ...(有効応力もわからないぞ)・・・すみません,これでは素人にはわからないですね.
R:苦笑
QR:Gですが,まだ施工されていないとのことですが,底面処理についてどのように管理するのがよいのでしょうか.
A:支持岩盤面とケーソン底面との間の注入コンクリートは,上面が拘束されていることから打設困難です.またコンクリートは硬化後収縮する特性があるため,注入コンクリートと,ケーソン底面との間に隙間が生じる可能性があります.これでは鉛直荷重を支持岩盤に円滑に伝えられないので,注入コンクリートに膨張剤を添加する計画にしました.また,海水の濁りを防ぐために水中不分離コンクリートの使用を計画しました.そして,打設方法としては,ケーソンフーチングに5m間隔で配置した注入孔から確実に充填するように片押し打設する計画にしました.
QR:(コンクリート打設用注入管が)5mの間隔とは,実験で決めたのですか.
A:いいえ,残念ながらしていません.このコンクリートは元々流動性があり,5mであれば問題ないとメーカーに確認しています…
QL:注入管を配置したことが特徴なのですか.(たったこれだけのことかと疑うように)
A:そうです.(いろいろ説明しようと思ったが,試験官の不満げな態度に言葉がでなかった.)
QL:設置ケーソンの設計上の留意点を説明してください.
A:設置ケーソンは,設計上直接基礎になります.ただ,海上に設置されることで通常と異なり波の影響を大きく受けます.特にGは●●で影響は大きいところです.この為波に対する検討は入念に行いました.例えば地震では橋軸方向,直角方向同時に最大の地震動の発生はまずないので,軸方向,直角方向割り切って設計しますが,波は斜め方向からも作用します.その為部材は2軸曲げ,また地盤反力の照査でも2方向偏心の影響を照査する必要があります.
QR:あなたはこの2つの業務を経験したことで,今後どのように業務を行おうと思うか,またどういかしていきたいと思いますか.
A:やはり,環境に対することが非常に重要であると非常に感じました.これからは単に経済性からという理由だけでなく,周辺地域の状況をはじめ環境に対することを重要視し,基礎の形式などを決めてゆきたいと思います.
QR:セメント系固化材の件で「今回の工法は深層混合ではないから六価クロムの試験をしなくてよかった」ではなく,たとえ基準ではしなくてもよいとあるが,環境面,地域住民の安全性を考え,試験を行うのを提案するような技術者になってください.最後ですが技術士には守らねばならない義務がありますが,説明してください.
A:(決まり文句の3大義務を説明.あと,責務についても補足した.)
QR:以上で試験を終わります.
日 時:平成13年12月1日(土)13:30〜
場 所:新宿ワシントンホテル新館5F
(12:55分に到着。エレベ−タ脇に受付があったことを気づかず、「控室」の張り紙を見てどんどん入っていこうとすると、試験委員のバッチをつけた人に「受付してからですヨ」とたしなめられる。気を取り直して受付をして、控え室へ。何?…ツインと思われる部屋に椅子を入れてあるが、詰め込み状態。何と数えてみると22席もあり、2席しか空いていない。取りあえず空いている席に座る。まわりを見回すと結構年輩の人が多い。緊張した空気が流れているが、1人を除いて資料等を見ている人はいない。こっちにもこの緊張感がうつってくる。13:00からの人もいたようで、昼食休憩後なので時間通り4〜5人が呼ばれる。最後に自作のQ&Aを出してきて眺める。「落ちたら洒落にならないなぁ」と思っていると、緊張感がなくなってくる。番号を噂の女性に呼ばれ返事をして、試験会場?なんだシングルの部屋じゃないか)
★B○○○○の○○○○です。どうぞよろしくお願いします。
A試験官 これから口頭試問を始めます。我々は暑いので上着を取らせていただきますが、あなたも暑ければ上着を取っていただいて結構です。
★それでは失礼して上着を取らせていただきます。
A試験官 まず、技術士試験を受けた動機を説明してください。
★技術士は日本で最高の資格でありますので、コンサルタント業務を行う場合、(顧客と言おうとして)お客さんのより高い信頼が得られると考えました。また、今年で40になり、自分の実力を試すと共に、自己啓発の一環として受験しました。(もうちょっと作文したはずなのにもう忘れた。)
A試験官 次にあなたの入社してからの経歴について説明してください。
★手短にお話ししますと、構造物基礎の設計/研究及び土留め構造の設計を行ってきました。経験した構造は次の通りです。直接基礎については、○○において主として沈下特性の研究を行いました。杭基礎については、○○組及び○○○○○において実務設計を行いました。ケーソン基礎については、土木研究所において建設省の総合技術開発プロジェクト、いわゆる施工総プロでオープン及びニューマチックケーソンの省人化技術について研究を行いました。ケーソンについては詳細な設計の経験はありません。土留め構造については、○○組及び○○○○において、主として遮水構造の土留めを手がけております。連壁については筆記試験で示したような円筒形式のものから、大深度のものまで数多くの実務設計及び施工支援の経験があります。
A試験官 それで今現在担当されている仕事は?
★今年の7月から○○○部の○○になりました。現在は、部下が4名ほどおりますが、事前掘削を行わない新形式基礎の実用化に向けて技術開発を行っています。この基礎は、あまり固い地盤には適用できませんが、軟弱地盤上に設置してその自重、バラスト水、さらに足りない場合は、サクションをかけることにより、地盤中に貫入させるものです。
B試験官 その基礎のターゲットはどこなのですか?
★(言うべきかちょっと考えて。「守秘義務があるはずだよな」と思い直して)○○への適用を考えています。具体的には○○の新しい浮体式構造の基礎としての適用です。この物件は地盤への着底式であることが求められていますので。
B試験官 あ〜、あれね。ふふ。ところで、公共工事の見直しですとか、公共工事の削減などとのいうことが言われていますが、会社はきっとこまるでしょうが、あなたはこれについてどのように考えていますか。
★会社にとっては非常に困ることであり、私も給料やボーナスが下がったりして困ります。しかしながら、身近で行われている工事で、私個人があくまで第三者的に見て無駄だと思われる工事も少なくありませんし、不効率な工事も見受けられます。これらを見るとやはり仕方がないなぁとか見直しが必要だと感じます。
A試験官 あなたの会社での技術士の位置づけはどのようなものですか?
★会社においては、部長や副部長はほとんどの方が技術士の資格を持っております。また、○○の中でも同様です。私のような出来の悪いのもおりますが。会社においては、技術士だからと言って給料が高くなったりはしませんが。
A・B試験官 この方のような大きな会社では、そりゃそうでしょう。
B試験官 それでは経験問題についてお聞きします。答案に書かれた工事の工費を教えてください。
★試験工事としましては、約2億4000万円程度だったかと思います。試験の答案の工事概要図に示しましたように、この試験工事は2件工事で、さらに翌年、本工事を行っていますが、こちらは約11億9000万円程度だったと思います。すなわち、連壁工事としては約2億と11億を足していただき、2倍していただければ良いと思います。
B試験官 琉球石灰岩という特殊な地盤について、簡単に説明してください。
★琉球石灰岩は、珊瑚礁が変成してできあがったもので、空洞空隙が不均一に存在しているものです。強度としてはボーリングデータからは非常に高いような部分もありますが、ボーリング自体コアがサンプルとして取れた部分のデータですのでこのような結果が得られます。端的に申しますと、軽石をイメージしていただき、その空隙の大きさが1mから1cmに分布したような材料とお考えいただければ良いかと思います。
B試験官 それでは、この材料に対して杭基礎を設計するならばどうのような形式を考えますか?
★ 周辺の施工例では、ほとんど場所打ち杭は見られません。これは国道の基礎構造のような比較的大規模土木構造物ですが。使用されている杭基礎は鋼管杭がほとんどです。これらはものによって、筆記試験にも示しました島尻泥岩という支持層まで到達させる支持杭形式のもの、琉球石灰岩の途中で止まっているもの種々あります。このような状況を勘案して私が設計するならば、琉球石灰岩の途中で止める鋼管基礎形式を選定し、時間をいただければ、載荷試験を前提にコストに配慮した設計を進めます。
B試験官 それでは、経験問題の方に戻って、この土留め構造において、琉球石灰岩における土圧はどのように考えたのでしょうか?
★土圧については考えておりません。
B試験官 土圧について考えてない?
★土留め工の計算としては、円筒形のシェルモデルとして逐次掘削解析で行いました。当社で行った宮古島での連壁、これは地下ダムの工事でも明らかなように、琉球石灰岩は十分自立する強度を持った材料です。したがって、この事例に基づいて根入れ部の土圧は考慮していません。根入れ部の連壁の目的は止水でした。
A・B試験官 なるほど。それでコンクリートが逃げずに連壁ができさえすればよかったわけだ。
★その通りです。
B試験官 答案に「地下水汚染や海洋汚濁が危惧される」などとの記述がありますが、これについてはどうでしたか?
★周辺に観測井を設けて地下水位を計ると共に、地下水の汚染を随時調査しました。その結果、この試験工事においては地下水の汚濁が見られませんでした。したがって、問題ありませんでした(嘘ついた。本当は汚れていたのに…)。
B試験官 それでは経験問題2の方についてお聞きします。実験と解析の結果を比較していますが、この実験で使った土槽の大きさはどのくらいでしたか?
★幅は4m、あっ、いえ深さが4mでした、奥行きが2m、長手方向が7mでした。つまり平面的には2m×7mです。
B試験官 そうですか。そのくらいあれば周辺の摩擦は無視することが出来る?
★いえ、周面の摩擦は、この規模でも取り除くことが出来ない可能性も考えられましたので、側方にグリースとメンブレンを使って、周面の拘束を取り除くようにして地盤が自由に変形できるようにしました。
B試験官 それで摩擦の影響をなくしたわけですか?
★そうです。
B試験官 Nγの寸法効果について説明されていますが、この式の工学的意味合いは?
★工学的な意味合いはありません。単に解析結果をプロットして、地盤反力係数などの整理方法を参考にして指数関数系の近似式としたに過ぎません。
B試験官 答案にはイギリスの標準砂でも同じ解析法を適用してどこかで発表されているとされていますが、こちらの結果はどうでしたか?
★(答案に地盤工学研究発表会と書いてるのにどういう意味かな)はい、確か答案の定数項αが豊浦砂より多少大きい400くらい、指数の部分が1/3よりもやや小さい0.3位だったと思います。
A試験官 それでは、この寸法効果を使って実際に設計をされた経験はありますか?
★実務設計での経験はありません。しかしながら、基礎工という雑誌の2001年8月号の性能設計特集の中の記事の中で、建築基礎に関する新しい設計法の紹介がありますが、ここでは寸法効果を考慮するとされ、基礎幅に対するこの指数の値は−1/3で、私の提案と同じでした。根拠は示されていませんでしたが、今後はこのような寸法効果の影響を考慮することが出てくるのではないでしょうか。
A試験官 一般的な問題について質問します。粘土と砂の剛性について、あなたはどのような考え方をお持ちですか?
★粘土は固いものから軟弱なものまで広く存在していますが、特に工学的に問題となるのは圧密などの排水問題が大きい柔らかい粘性土だと思います。これを対象とすると、剛性の面からは粘土は柔らかい、すなわち剛性が小さいもの、これに対し、砂は比較的剛性が高いと言うイメージを持っています。
A試験官 あなたは土留めの設計を多くされているとのことですが、仮に掘削底面地盤が盛り上がるなどの変状現象が発生した場合、どのような対策をされますか?地下水の湧水状況はかなり多いとした場合について答えてください。
★底面地盤からの地下水の量にもよりますが、まずは注水をして土留めを水浸しにして土留めの崩壊を防ぎます。その後、底面地盤の改良や井戸の設置を考えます。地下水量の少ない場合は、対策として、…
A試験官 あぁ、それで十分です。
B試験官 今度は杭の設計についてです。杭の設計を行う場合、地盤反力係数を決める必要がありますが、この決定法について答えてください。
★地盤反力係数を決めるには、地盤の変形係数を決めてあげる必要があるので、ご質問を、変形係数を決める方法を考えさせて頂いて答えさせていただきます。変形係数を求める方法としては、まず、N値による方法、あの28Nとするものです。これは比較的安全側の小さめの値が得られます。また、間接せん断試験による方法、これは一軸や三軸圧縮試験の応力ひずみ関係より変形係数を求めます。さらに、最近ではPS検層などから決定する場合もあります。
A試験官 それでは、あと2,3質問をして終わりにしたいと思います。技術士では倫理規定なるものを規定していますが、特に重要なものは何でしょうか?
★3つの義務のことでしょうか?義務ならば信用失墜の禁止、秘密保持、名称表示だと思います。
A試験官 はい。それでは最近追加された新しいものはありませんか?
★2つの責務のことだと思いますが。公益確保の責務。公益…(説明しようとしてど忘れした。しまった)すみません。先に要件を申し上げます。公益の確保と資質向上の責務です。
A試験官 それでは、その資質向上のためには、これから一層努力をしていただかなければなりませんが、どのようなことを考えていらっしゃいますか?
★自分の努力を今以上にすることは当然で、技術力向上のために、部下など後進の教育を行っていこうと考えています。現在はOJTなどを使って業務別に行っていますが…もう少し体系的に見直しを行って一層効率的に進めたいと考えています。
A試験官 (Bと顔を見合わせて)これで諮問を終わります。
★どうもありがとうございました。(退室)
事後雑感:ちょうど25分だった。事前情報通り、25分諮問、5分で採点なのだろう。”攻め上げられる”なんてことは無かった。でもこれで落ちたら立ち直れないなぁ。何が悪かったかわからない。試験官の二人とも非常に紳士的な方だった。経験問題に対しては、「つっこまれたらこまるな」と思っていた内容の詳細は全く聞かれず、その周辺事項や関連事項に対する質問で、「この人、本当にこの問題を主体的にやってたのか」ということを確認していたようである。
元コンクリート杭メーカー社員 現地質調査会社勤務
日時:平成13年12月1日 11時30分〜11時50分まで
前日よりワシントンホテル(本館)に宿泊し試験会場のワシントンホテル(新館)には1時間前に入る。(7時起床、朝食及び中央公園散歩後会場の看板を確認)受付を済ませ控え室へ入室後8名ほどの待機者に対して「おはようございます、ご苦労様です」と挨拶するも皆さん緊張のせいか反応なし。椅子に座り日経コンストラクションに目を通していると、正面に座っているエンジのネクタイをした30代の方より「すいません、背広の襟が折れていますよ」と声をかけられた。
見ると、ショルダーバッグの肩紐で襟がめくれあがっていました。襟を正し「有難うございました。」と礼を言う。(あの時は本当に有難うございました。)タバコを吸いたくなったので喫煙室に向かう。4名ほどがいた。2本タバコを吸いペットボトルのお茶で喉を潤し、その内の一人に声を掛ける「どちらからですか、私は○○○からですけど」、「○○からです」、「遠いところから大変ですね」、「緊張しますね」、と会話後「がんばりましょう」を言って部屋をでる。11時30分、ほぼ定刻どおり呼び出しが掛かる。女性に案内され試験室へ
「受験番号○○○○E○○○○番、□□□□です。よろしくお願いいたします」と述べ荷物をおいて着席。
試験官は2名 試験官A:細面、白髪混じりの銀縁めがねの温和そうな方
試験官B:やや角張った顔の黒ぶちめがねの実直そのものの方
(試験官Bは見覚えのある顔であったが何処で会ったか思い出せないと考慮中に)
質問1(試験官A):先ず受験の動機を述べてください。
返答1:(緊張のあまり、やや声が上ずるのを自覚しながら)受験の動機は、技術士は技術系の資格の中では最高のものであり、業務を遂行する上において発注者・顧客よりの信頼は絶大なものです。しかるに私どもの会社においては、現在、技術士が居ないため、是非、取得して会社に貢献したいと思い受験しました。
質問2(試験官A):では経験問題の1について説明してください
返答2:本件は矢板引き抜き後の地盤内に発生した空洞が引き金となり………に至ったもので粘性土の………が発生したものと考えました。答案に記述できなかった部分を重点にして説明する。
質問3以下全て試験官Aより
破壊のメカニズム、作用外力の推定、地盤改良の方法、対策工立案の根拠、破壊人孔の処理方法などについての質疑応答が続く。(質問が多岐に渡り正確には記憶していませんので、仮にこれくらいにしておきます。)
質問8(試験官B):負荷的土圧の算定を■■%としていますが、これは実験値ですか?
返答8:はい、実験値です。
質問9(試験官A):業務経歴の中で「杭・管・マンホールの施工障害発生防止についての対策工の検討・立案」とありますが具体的に説明して下さい。
返答9:20年間の業務のなかで経験した施工現場でのトラブル発生について事例及び対策をまとめ事前に予防をできるようマニュアルとしてまとめたものですが、会社の自己破産により継続が不可能となり、自己資料にとどまっています。
質問10(試験官A):では経験問題2で杭の施工について述べられていますが、説明して下さい。返答10:本件は比較的軟弱な地盤に既製杭を打ち込む際に………となるもので、かつての上司である△△が基礎工1985で述べておりますが、本件では………についての検討を実施しました。
質問11(試験官A):破壊にいたるメカニズムを述べて下さい。
返答11:打撃力は通常、杭先端部で反力がとられ杭体には圧縮力として作用しますが先端部が軟弱地盤中にある場合………で引張力が作用し(言葉で上手くいかないので手振りを加え説明する)最終的に破壊に至ったもので、過去、ひび割れ発生についての事例報告はされているが、破壊に至る報告はされていない。また、波動方程式では………と解析されます。(これは余計だったかと後悔する)
質問12(試験官A):では軟らかい地盤で杭が壊れるということですか?
返答12:はい、そうです。
質問13(試験官B):工法の変更が不可能であったと記述されていますが、その理由は何ですか
返答13:地下水の使用状況を考慮しました。(その他に工期、工費があったのだが云い忘れた。失敗である。)
試験官B:地下水環境ということですか
返答:はい、そうです。
質問14(試験官B):杭の長さは何メートルですか
返答14:(思わず)30mです。と答えてしまった。(実際は21m〜45mである)
質問15(試験官B):それでは、社会資本の維持・管理について述べて下さい。
返答15:「我が国の経済は……」(少子高齢化、老朽化、税収、環境負荷などを交え老朽化施設の更新より手を加えて現施設の有効利用をしたほうが良いとの趣旨で意見を述べたが、正直な点内容はまとまりがなかったと自分で思う)
質問16:(試験官A):では技術士の3大義務を述べて下さい。
返答16:信用失墜行為の防止の義務、秘密保持の義務、名称使用の際の義務です。あと2つはよろしいですか(責務について)
試験官A:結構です。以上です。
これまでの間、20分ぴたりであった。「有難うございました。」と深く頭を下げ退出した。部屋をでると同時刻に呼ばれた人と廊下で会う。「お疲れ様でした。案外短かったですね」と声を掛け、2人でエレベーターに向かう。エレベーターの前で受付の方に「お疲れ様でした。」と声を掛けられ「有難うございました。」と返答してエレベーターにのる。
1階で先ほどの人と分かれ帰途に着く。(途中、知人とおちあい昼飯とビール)試験全体においては、緊張感一杯で正直なところ、正確な返答を思い出せない部分が多々あります。現在、振り返って考えてみると、やはり、あの時こう答えておけばよかったと思うことばかりです。
質問・回答は淡々と進み、試験官の2名の方は非常に紳士的でした。想定した質問事項については、的中率は30パーセントというところでしょうか。今回の体験記では質疑応答の詳細な部分については「………」で割愛させて頂きます。
小生がこの口頭試験を受けることができたのも一重にこのHPの管理人である佐口さんと掲示板に色々な助言を掲載された皆さんのお陰と深く感謝しております。拙い私の体験記が少しでも参考になればと考え、まとめてみました。平成13年12月13日
平成13年12月8日 新宿ワシントンホテル
朝9:30に新宿ワシントンホテルに到着。試験時間まではまだ1時間ほどある。
会場にはそろそろ口頭試験の受験者が集まっていた。受付を済ませ控え室へ入った。とにかく部屋が狭い。息が詰まるので部屋を出てホテルの周りをうろうろしながら技術士の義務について暗唱してみた。大丈夫であった。試験時間20分前に部屋にもどり事前に作成していた口頭試験予想問題に目を通した。周りは真剣そのものであり雰囲気に飲まれそうであった。10:30すぎに名前をよばれ試験室へ案内された。
入って数秒間沈黙。「受験番号は」と聞かれ我に帰った。(そうだ!受験番号と名前を言わなければいけなかった。あせった。)
私:「○○の○○です」
A:「座ってください」「それではあなたの経歴について簡単に話してください」(Aは民間会社の部長タイプ威圧的)(これは予想したとおり)
私:「はい、昭和61年に○○コンサルタントに入社し構造部に配属されました以後14年間にわたって同部署で道路構造物の設計業務にたずさわってきました。○○コンサルでは平成5年に技術主任、平成9年に技術課長となり現場の責任者を勤めてまいりました。平成11年に退職し独立し個人事業として土木設計・施工管理を営業しています。(ここで試験官は経歴欄を見直した。以外だったのか。あまり個人事業者などいないのか)現在は下請として官公庁の施工管理員をやっています。」
A:「個人で官公庁へ営業されているのですか」
私:「いいえ、元請のコンサルタントをとおして仕事を受けております」
A:「なるほど、技術士受験の動機について教えてください」
私:「会社をやめてからひとりで技術の道を歩む事になりなにか自信となるものが必要でした。その目的に技術士を選びました。また国内だけでなく海外へも目を向けなければと考えAPECエンジニアの認証を受けられる資格が技術士であると知り受験を決めました。」
A:「海外での仕事を希望されていますか」
私:「国内市場はますます小さくなってきます。アジア、アフリカ等で私の技術が役立つと考えます」
B:「それでは経験論文について質問します」「PCウェルの補強対策の中で変位を荷重に置き換えてとありますがもう少し詳しく教えてください」(Bは学者タイプ)
私:「はい、鋼矢板に生じる地震時変位を強制変位としてPCウェル本体に荷重として考慮しました。」
B:「なぜそのような条件を加えたのですか」(なんだか見透かされているよう。考え方が間違ってるのか?)
私:「鋼矢板で地盤を切っています。そのため地震時の挙動がPCウェル単独のものではなく存置する鋼矢板でかこまれたブロックの影響を受けると考えたからです。」
B:「FEM解析をされていますが利用した土の物性値を教えてください」(ええ!覚えてない!)
私:「ええっと、密度、せん断抵抗角、粘着力、・・・透水係数だったでしょうか」
B:「透水試験をされたのですか」(まだ、突っ込んでくる)
私:「確か、土質ごとの一般的な値を使ったと思います」
A:「いまいちあなたの言ってる事はわかりません。もっとはっきりいってもらわないと評価できない!」(きびしい!もうだめか。真っ白になってきた。)
A:「それではありきたりですが技術士の義務を言ってください」
私:「はい、秘密保持、信用失墜行為の禁止、名称表示する場合の義務、資質向上の責務です」
A:試験官A「まだありますよ」
私:「あっ、(出てこない!)・・・・・」
A:「公益・・・」(助けてくれた)
私:「公益確保の義務です」
A:「ではこれで試験をおわります」
時間は20分程度、なんとか終ったのですが完全に舞い上がってしまってダメの2文字が頭の中をぐるぐるまわってました。思った事は経験論文について口頭試験前にもっと枝葉をつけて勉強しておかないとダメ。特に@設計条件A入力データを何からもってきたのか。技術士の義務も増えましたのでもれなく暗記しないといけません。
発表の3/7まで気持ちが晴れませんでした。結果ですが「合格」しました。(かろうじて)以上
12 掲示板情報 :2001/12/01(Sat) 19:40:12
今日(12/1),土質及び基礎で技術士の口頭試験を受けてきました。
これまで皆さんの情報を参考にしてきましたので,その恩返しができればと思い投稿します。
ホテルの一室で試験は行われました。待合い室はWの部屋のベッドを取り除いた部屋で,最初は部屋いっぱいに人がいましたが,時間とともに少なくなり,午前最後の面接(11:30)でしたので,どんどんすくなくなり最後の2人で呼ばれました。面接会場は,ホテルの一室ですので,ちょっと,狭い感じです。しかし,試験官との距離はかなり遠く感じました。 緊張のせいで,手汗でズボンの折り目が消えるぐらいになりました。
第1番目の質問は,技術士とはどのようなものですか?という抽象的な質問から開始されました。
A:技術士とは科学技術に関する専門的応用能力を有し・・・・
次に経験問題に記載した事項について質問でした。最も聞かれると思っていたことではなく,2番目に気にしていた事項について聞かれました。
私の場合には,トンネル上に水平の長尺ロックボルトを計画しておりましたので,なぜその工法を用いたか,その点について聞かれました。
次に,一番聞かれると思っていた上向きアンカーについて聞かれましたが,その主旨ではなく施工上で留意する事項を聞かれました。
その答えに対して,施工に際してどのようにしてその趣旨を施工業者に伝えたか?という質問がありました。
もう一つの経験業務については,なぜその工法を採用したか説明してくださいという内容でした。
(多数アンカー式補強土壁工法を採用していた)
そのAの後,補強土壁工法には各種工法があると思いますが,3つを挙げてください。
3つを説明したあと,それぞれの特徴はどんなことですか?
この論文の最後の方にライフサイクルコスト云々と書いていますが,この工法についてのライフコストはどう考えていますか?(かなり参った質問でした)
A:全体の安定を考え,下部斜面まで補強したことについて・・・と答えました。
Q:この工法は何年ぐらいもつと思いますか?
A:????
これまでの業務で失敗した事例やその対処法について聞かれましたが,その質問はかなり柔らかい口調でした。(これまでの質問の途中で質問されました)
1番目の経験問題に戻り,調査との関係を聞かれた。
調査からの情報はどのようなことを入手したか,どんなことを調査に求めたか,その状態はどのようにして知ったか?
すべり面での調査は難しいと思いますが,どのようにして,定数を設定したのですか?
最後の質問?
技術士には義務があると思いますが,それについて説明してください。
技術士の義務を単に5つ挙げればよいかと思いましたが,それについて説明してくださいという質問でしたので,1つ1つ内容を説明して,やっと5つについて答えました。
(よく知っていますねと言われてホッしましたが,苦笑いだけ)
これで終わりかなと思っているところ,
業務を行う場合,どのなことに気をつけていますか?みたいな質問をされました。以上です。
時間を見たところ,呼ばれてから出てくるまで約25分掛かっていました。かなり,多くの質問があり,自分としてはまあ答えられた方かなと思っています。会社が倒産してことで,その質問があるのかと思っていましたが,その点に付いては全然ありませんでした。泣き落としで,なとか,お情けをもらおうかと思っていましたが全然ありませんでした。もっと,いろいろな質問もありましたが,取り急ぎこの記事が,みなさんの役に立てばと思い,新幹線の中で書いています。来週からは,最後の残務整理が待っています。これから,受けられる皆さんのご検討をお祈りします。
13 掲示板情報 :2001/12/02(Sun) 07:22:12
昨日、新宿ワシントンホテルにて口頭試験(土質及び基礎)を受けました。
質問の内容は下記の通りです。
1.技術士受験の動機
2.普段の業務の概要
3.技術士とは
4.経験論文中の大阪層群の説明
5.大阪層群の防災上の特色
6.経験論文業務1の対策工の内容(5点程度)
7.業務2の内容(新たに開発した工法の利点など)
8.業務2に関連して大阪市内の被圧地下水が上昇している問題について2点程度
9.社内に於いて部下によく言うこと
10.3大義務
11.資質の向上について
12.ミス防止について
大まか、このようなことだったと思います。かなり、緊張して何回か、言い直しをしたりしました。技術士の3大義務を聞かれ、終わったと思ったら、「資質向上の責務」に関連して通った際に心がけることについて聞かれました。今度こそ終わりだと思ったら、社内におけるミス防止についての質問があり、今まで聞いてきたのとは違うパターンでした。このホームページにはかなりお世話になりました。ありがとうございます。
14 掲示板情報 :2002/12/07(Sat) 20:44:55
実は休日をいいことに家族も一緒に来ていて、妻と娘はディズニーランド、私は口頭試験という「天国と地獄」の泣き別れ、しかしあいにくの雨でした。今はホテルにいますが、今日は一杯飲んで・・・・と思っていたらインターネットコーナーなるものがあるので、とりあえずご報告です。
●今回の口頭試験は、総じて意外な質問を多く受けました。
@経歴説明(お約束ですね)、
A経験論文の説明(これもお約束)、
B経験論文の内容についての質問(技術的内容よりも設計・施工とのかかわりや、業務計画などの管理的な面での質問が多かった)、
C関連する技術力の質問(これが意外。後述)、
D経験論文2例目についてA〜Cの繰り返し、
E専門問題の回答に関連した技術力の質問(これも大変意外。後述)、
F3義務2責務(お約束)、
G「信用失墜にあたるような行為の事例をあげてください」(一連のBSE関係をあげました。生成化育進歩発展さんと同じですね)でした。
●CとGは、「簡便法による円弧すべりの計算式を言ってください」、「全応力法と有効応力法について違いを説明してください」、「即時沈下計算式の例をあげてください」といった、掘り下げるというより知識を問われました。「広範な専門的知識を問う」という技術士試験が今進んでいる方向を反映したものか、私の筆記がよほど専門知識の欠如をさらけ出していたのかはわかりませんが、大変意外でした。
●また驚いたのは、試験官の手元にA3サイズのビッシリ活字記入した表があったことでした。どうやら私の経歴・筆記記述内容を要約したもののようで、これを追いながら質問がなされました。そのためか、私の答えに対してまた切り替えして、ということは少なく、手順を踏んだ切れ切れの質問という感じを受けました。
●口頭試験も変わりつつある・・・・そういう印象を深く受けました。後に続く皆さんの参考になれば幸いです。がんばってください!
コンサル:3回目受験合格者
1.概要
受験者氏名
○○ ○○
部門
建設部門
選択科目
土質基礎
専門とする事項
基礎
試験官A:エリート官僚風40代前半(めちゃくちゃかしこそう)
試験官B:ゼネコンの部長風50代後半(ちょと怖そう)
試験までの経過等
前日15:30に渋谷のホテル(めっちゃ狭い)に入った。その後、会場の下見に行った。ホテルから10分程度で行けることを確認した(16:30)。早めに食事をとり、17:00〜19:00まで勉強(経験のおさらいと専門)。その後風呂に入ったりテレビを見たりで21:00〜22:00まで最初の受験の動機や経験の概要説明等練習した。23:00には就寝。当日あまり勉強する気にはなれなかった。環境の○○くんの経験にあったように自分をポジティブにもっていくイメージを作った。11:30早いが会場に行こうと思った。何を思ったか途中渋谷駅のはち公像を見ていった。会場に着き受け付けを済ませて控え室に入った。20名近くの受験生がいた(みんな賢そう)。平均40〜45くらいか。わたしは若い方だった。不思議と緊張してこなかった。定刻の14:00に女性が呼びにきた。
2.質疑応答
K○○番○○ ○○です。よろしくお願いします。 あえて名札をつけて受験した。
B:上着のボタンを取っていいですよ。楽にいきましょう。
「ありがとうございます」と言ってボタンを外し座り直した。怖そうに見えた試験官からの以外なこの言葉で始まった。そんなにきつそうに見えたのか。
B:それではまず技術士を受験したあなたの動機をね言ってもらえますか。
はい。二つあります。一つは、技術士は社会的にも認められている資格であり、技術的な信頼を得るうえでぜひとも必要だと考えました。二つ目は、技術士としていい経験をたくさん積みたいと思いました。( 「コンサルタント業務をする上で」を付け忘れた。)
B:あなたの経歴の中で最後に書かれている鉄道に近接した基礎形式検討業務について説明してもらえますか。
上り線と下り線があり、上り線がすでに施工済みでしたその横に下り線を施工するものでした。在来線の両脇に橋脚を設置しました。支持層が10m程度でありました。また、鉄道に近接するため変位を数ミリに抑えなければなりませんでした。直接基礎では、土留めの変位が大きくなりましたので、短い基礎として掘削深を浅くし、土留めの変位を抑えるようにしました。
B:現在の仕事について説明してください。
はい。山岳橋梁の詳細設計を実施しています。基礎形式検討、決定された形式での詳細設計をしています。
B:あなたの現在の職場の組織を説明してください。
はい。部課長を兼任した者があります。技術士をもっております。その下が私で同輩が一人、後輩が二人おります。
B:性能設計についてあなたはどう思いますか。
はい。性能設計では、新工法・新材料を採用しやすくなったと思います。ただし、要求性能を満たしているかの評価や確認をするシステムが確立されていませんのでこのシステムの確立が課題であると考えます。
A:それでは経験論文についての質問に移りましょうか。( ようやく本題にきた。)
A:まず、経験1についてですが土圧差を表現したとありますがいまひとつわからないので説明していただけますか。
はい。構造物の重心に外力を与えることで表現できたと考えました。確認として山・谷それぞれの高さの外力をそれぞれの節点に与えたものとほとんど同じ結果となりましたのでこのモデルでいこうと考えました(納得はしていないようだった。Bは興味なさそう。)
A:支持層が傾斜していることは設計ではどう考えましたか。
はい。地盤が傾斜していますので、水平抵抗は有限なものであると考えました。また、傾斜地盤では水平抵抗を低減して設計しています。道路公団の設計要領に低減する式が出ています。
A:直角方向に傾斜していることは何か影響しましたか。
はい。杭は分担率で出された外力によりそれぞれ設計しています。直角方向に傾斜していることで今回のように外力差が出ることが挙げられます。
A:将来展望で動的解析について挙げていますが説明いただけますか。
はい。現在地盤・基礎の動的解析を取り扱えられるソフトがありませんが3次元の有限要素法のプログラムで取り扱えそうだということが基礎工10月号にありました。今後、このプログラムが実用化できれば、今回のモデルについて検証してみたいと考えています。
Aうなずく。
A:杭長の決定は。
はい。弾性体としての長さを2.0m確保して決定しました。
A:ああ弾塑性法ね。と頷いていた。
A:経験2についてCsを0.0021Nとしていますが根拠を教えてください。
はい。杭基礎設計便覧に研究の成果として紹介されています。その中ではN/15が選定されていました。しかし、計画位置の地盤条件N値10から15の範囲ではN/15よりも0.021Nの方が近いと判断しました。
A:うなずき納得の様子。
A:既設橋に近接した短い杭と言うことですが近接施工ですね。
はい。近接施工の判定では、基礎幅の3倍以内は要注意範囲です。従いまして、計測管理が必要と判断します。(既設橋を供用していたことも付け加えた。)
A:短い杭にした経緯について説明してください。
はい。既設橋を供用しながらの施工であり、影響を出さないように既設底面より新設底面を下げないよう計画しました。結果支持層との深さから短い杭となりました。
A:頷き納得のよう
A:基礎の補修補強について何か考えはありますか。
はい。基礎の補強については、工事が大規模になることから実施できていないケースが多いのが現実です。マイクロパイルなどの新工法がありますがこれらに期待するところはあります。勉強して提案していきたいです。補強については、点検する手法があまりありません、阪神大震災の時に使用されたボアホールカメラがありますが、経済面ではまだすべてを点検するのは難しいと考えます。今後の開発に期待したいと思います。
A:Csの単位は。
はい。キログラムパー立法センチです。(突然聴かれたSI単位でなく従来単位で答えた。)
A:頷いて、チェックしていた(OKのようだ)。
A:今回の短い杭ではCsはあまり影響しないんじゃないのかな。
はい。バネとしては、周面摩擦のバネと先端バネがあり単独での評価ができないと考えました。(Csの推定がポイントと論文にかいていたのでここはひけなっかた。)
A:Csを単独で与えられるソフトがあるので今度やってみてください。
はい。やってみます。
A:Bに何かありますかと確認
B:近接施工で短い杭になったことはあるが
はい。既設橋への影響を考え、既設橋の底面より新設底面を下げたくなかったからです(B:ああそういうことねと妙に納得し大きく頷く)。(河川への根入れを小さくしました(河川のことを聞いて欲しくてあえて付け加えた) さっき説明した。あえて確認か、聴いてなかったのか。
A:そういえば根入れが小さいですね。協議はしたのかな。 Aが乗ってきた。
はい。河川構造令では2.0mの根入れが必要です。ただ2m根入れしますと既設の底面より下がってしまいますので管理者との協議で護床工の設置を提案し、確認しました(A納得の様子)。
B:既設がH鋼杭で、新設が場所打ち杭ということで挙動が違うように思えるが。
はい。構造を分離していますのでその影響はありません。Aもそうですよね分離してますものねといってくれた。
A:結局何で決まっていたのかな。この杭は。
はい。結局応力で決定しました。(計算結果の表を見ていた。)
A:L2での照査はしてないないのかな。
はい。設計時には復旧仕様に準拠していました。一般県道ですので基礎の保有水平耐力の照査はありませんでした(A:そうですか。と言いながらここで設計時期を確認していた)。 真剣に読んでないのか採点者ではないと思った、
試験官Aが後ろの記録係の女性と何か合図の確認をしているそぶりをした。 約20分位だったと思う(後で逆算した)
B:それでは、技術士には義務がありますが3大義務と2大責務について簡単でいいですから言ってください。
はい。3大義務は、信用失墜行為の禁止、秘密保持の義務、名称表示の義務です。2大責務は、公益確保の責務、資質向上の責務です。Bが一回一回頷いてくれた。 Bがいい人に見えてきた。
B:信用失墜行為として最近の事例を1つあげてもらえますか。
はい。日本ハムさんの牛肉偽装問題がありました。公共性の強いものを扱っていますので、われわれも同じく公共性の強い構造物を扱っていますが、社会へのダメージも大きかったように思います。Bが頷いていた。Aの様子までは確認していない。
B:海外にも技術士と同じような資格がありますが何か知っていますか。
はい。アメリカではプロフェッショナルエンジニア、PEがあります。他はわかりません。
B:海外で仕事をするような時や海外の技術者と仕事をするときに何が大事と思いますか。
はい。海外の技術者との技術交流はとても大事と思います。井の中の蛙になってしまっては困りますので。また、海外の技術者がどのように仕事をするのか興味があります。仕事上では、専門技術もさる事ながら英語力をつけることが大事と思います。
A:それでは以上で終わりです。ご苦労さまでした。 ありがとうございます。よろしくお願いします。ドアの前で一礼して退室した。
3.その他感想
質問は経験がメインでそれらに絡めた問題だけであり、一般・専門に対する質問はぜんぜんなかった。専門の筆記で気になることが何点かあり、用意していたが聞かれなくて残念だった。論文の採点では、よほどのポカがない限り減点にはならないのか、問題抽出と対策等の組みたて方等に重点がおかれているような気がした。 口頭試験では、ある程度の駆け引きがあり、質問はその対応をみて変っているような気がした。
私の場合、試験官は質問リストから質問していたが途中でそれ以外の内容になったり、取り消し線を引いたりしていた。また、質問をしていない方の試験官が採点をしていたように思う。 試験官は、こちらをよく観察しているようであった。私も回答する際に質問した試験官と質問してない試験管を見ながら答えるように努めた。試験官は予想外に若かったが、よく内容を理解しようとしてくれたし、1技術者として扱ってくれた。途中は通常の打ち合わせをしているようだった。
今後受験される方に、面接の前はあれもこれも気にせず気持ちをポジティブにし、自信を持つことを奨めます。これで落ち着けると思います。また、協議の時に面接を想定し、対応してみてはいかがでしょうか。以上参考まで。 また、試験にあたり親切にアドバイスいただいた緒先輩方、並びに協力いただいた部員の方に感謝したいと思います。ありがとうございました。
平成15年度受験 建設部門 土質及び基礎
1.日時:12月6日14:45〜
2.場所:フォーラムエイト
3.試験までの経過等
12/5
昼過ぎに東京へ、16時にホテルチェックイン。その足で会場の下見。約15分だった。
17:00〜24:00回答案を読み返し、鏡の前で模擬練習。(早口になる癖が直らない。いらいらが募る)
25:00就寝(なかなか寝付けなかった)
12/6
8:30〜13:00起床、テレビを見ながら時間をつぶす。(今日は回答案を眺めるだけと決めた)
13:00チェックアウト(早かったが、試験会場に行くことに決めた。会場に行く一歩一歩が重たかった)
13:30〜14:45控え室で待つ。(広島の講習会で一緒だった人と偶然に再会。少し和む。定刻どおり女性に呼ばれた)
4.試験官
試験官A...ゼネコン風、表情もやさしそうで、穏やかな口調。進行役(ほとんどの質問を担当)
試験官B...ゼネコン風、表情は気難しそう、でも話口調はやさしい。私の論文にいっぱいの付箋紙を付けていたが、質問はあまりなかった。
5.質疑応答(○;質問、●;私の回答、( );そのときの心理状態)
試験室の扉は開いていた。広い部屋に試験官が2人座っていた。一礼して「失礼します」と言った。(模擬試験の状況と少し違っていたが、落ち着いて対応することを心がけた)
試験官Aの方が「どうぞ」と答えてくれ、中に入った。
椅子の横に立ち、「L○○番、土構造物で受験しました××です。よろしくお願いします。」と言った後、試験官の顔を見た。
「どうぞ、おかけください」という試験官の声を聞いて、「失礼します」と言って腰掛けた。
○今回の受験の動機を言ってください。(試験官A)
●はい、建設関係において最も高度な資格であり、コンサルタントとして技術的な信頼を得るためには必要な資格であると考え、受験しました。また私は最終処分場の設計に携わっていますが、私の担当部署には土質及び基礎の技術士がおりません。最終処分場は土質的な技術を要する分野でもあり、この専門で私がこの資格取得することは重要であると考えました。(予定通り。ちょっと長かったかも。)
○現在の仕事の内容と立場を言ってください。(試験官A)
●はい、廃棄物最終処分場の位置選定から跡地利用までを含んだ計画から設計の全般を任されることになりました。また係長という位置づけからも係を統括し、課を支えていく立場にあります。(予定通り。)
○部下がいると思いますが、何人いますか。(試験官A)
●二人です。
○部下の教育や技術力向上においてどのようなことを行っていますか。(試験官A)
●はい、専門書や学会誌等を通じて最新の技術力の吸収をはかり、それを自分で整理し、客先に提示することができるよう、教育しています。(これも予定通り。)
<経験論文その1>
○それでは、経験論文について質問させてください。(とうとう本題である。)
○あなたの業務における役割と技術的ポイントを言ってください。(試験官A)
●私は対策工の設計と施工指導を設計主任の立場で行いました。技術的ポイントとしては、まず一点目が複合した構造体を形成させることで、構造体としての弱点の克服、リスク管理面でのバックアップ機能を持ち、経済的にも有利な鉛直遮水壁を提案し設計できた点です。二つ目は、試験施工により配合及び、施工サイクルを決定した点です。施工実績がない工法において机上の配合設計だけでは品質確保の面や施工効率の面で試験施工を提案し、配合や施工サイクルを決定した点です。(予定通りの回答を行った。)
○SMWは、三軸ではなく、単軸のラップ式を採用している理由を言ってください。(試験官A)
●改良体の遮水壁は端部が十分な遮水性を確保できていない恐れがあり、丹念な施工を行い必要がありました。ですから、丹念な壁を構築していく必要があると考えたからです。(意味不明な説明になってしまい、納得していない様子。)
○三軸方式は知っていますか。(試験官A)
●はい、知っています。(さらなる質問はなかった。)
○TRD工は芯材にH鋼を用いて山留めとしてよく用いられているが、今回の違いを言ってください。(試験官B)
●はい、おっしゃるとおり、TRD工の芯材にH鋼を挿入して補強するのは、よくあるものです。今回、薄型軽量鋼矢板を挿入したのは、単に構造体の補強だけでなく、不測の事態でTRDの遮水性が確保できなくなった場合の、リスク面でのバックアップ機能も含んでいる点と考えます。(試験官Bから初めての質問。)
○不足の事態とはどのようのことでしょうか。(試験官A)
●はい、一つは施工不良によるものがあげられると思います。もう一つは経験論文でも書きましたような、地震等の天災です。(試験官Aも加わってきた。)
○側方流動すると考えたそうですが、護岸の耐震構造はどのようになっていたのでしょうか。その検討がなされていないと、今回の検討は意味がないのではないですか?(試験官B)
●平成7年時に構築されたものでした、構造体は不明でした。時期から言って、私の個人的な見解ですが耐震検討はされていなかったのではないかと思います。実際の話、現在護岸を含めた検討を行っています。(気になっていた点を付かれた。口答試験用の十分な検討ができていなかったので、検討を行っていると答えた。)
○応力照査を行う上で、継手効率は何%見込みましたか?(試験官A)
●すいません、思い出せません。(本当に忘れてしまった。)
○応力としてはどの程度でしたか。(試験官A)
●経験論文でも書きましたように、0.13N/mm2の応力が生じました。(十分な理解をせず、即答してしまった。)
○最終処分場は環境の分野になると思いますが、今後技術者として地球環境にどのように取り組んでいくべきと考えますか。(試験官A)
●はい、廃棄物で言いますと、今までは十分な配慮がなされないまま埋立を行ってきた経緯がありますが、これからは、保管、管理していくことが大切だと思います。負の遺産として残るのではなく、地域住民との共通の認識の下管理していく必要があり、そのための正しい情報提供を私たちが行っていく必要があると思います。(こんなことを答えたと思う。今考えると、的外れであった。)
○現在において、処分場の技術レベルはどの程度であると考えますか。(試験官A)
●はい、まだ不十分で、成熟できていないと思います。遮水技術にしてもまだ、十分な現象が把握できていません。私もこれらの体系作りに頑張っていきたいと考えています。(これでよかったのかは不明)
○遮水壁に必要な透水係数はいくらですか。(試験官A)
●1.0×10-6cm/secです
○実際にはどの程度の透水係数が得られるでしょうか。(試験官A)
●私が知っている報告では、1.0×10-7〜1.0×10-8です。
○それはコンクリートに比べて動でしょうか。(試験官A)
●最初は「コンクリートのほうが、透水性が低い」と答えた。しかし、怪訝そうな表情になり、「試験官からあなたが得られた情報に比べてですよ。」といわれた。助け舟を出してくれているのかもしれないと、勝手に思い込み、「言い直します。同程度です。」と回答したら、それ以上は質問されなかった。(ちょっとパニックになってきた。)
<経験論文その2>
○論文に書いている、地下水の低下で有効応力が減少するとはどういうことですか。(試験官A)
○言われておかしいと思い、「おっしゃるとおり、地下水の低下で有効応力は低下しません」と回答した。すると試験官Bが、「切土のところで一つ区切って、地下水の低下と読むのでは」と助け舟を出してくれた。それに試験官Aも納得した。
●「紛らわしい文章になっていたようです。申し訳ありません」といった。(回答を間違えて書いたのと思った。)
○完全軟化強度を求めた試験の概要、その試験でどのようなことをすれば、どのような値が得られるかを言ってください。(試験官A)
●すべり面付近で試料を採取しまして、排水条件のもとリングせん断試験を実施しました。試料は不撹乱試料が採れませんでしたので、スラリーによる試料としました。その結果から、完全軟化強度を求めました。試験内容は上手く説明できません。勉強不足です。(予定していた質問であるが、後半の質問に対して理解できなかった。ものすごく初歩的なことを聞いているとは思った)
○これは中空せん断ですか。(試験官A)
●中空せん断ではありません。(中空せん断とは違うことをどこかの資料でみたのを思い出し、自信がなかったが答えた。)
○試験をおこなうのであれば不かく乱試料を採取すべきではないのですか。(試験官A)
●はい、おっしゃるとおり不かく乱試料を取るべきでしたが、上手く採取できなかったため、スラリー試験となってしまいました。またスラリー試験ではすべり面がもまれた状態の強度として考えました。(試験内容にしつこく突っ込んでくる。十分な対応ができなくなってきた。)
○試験において側圧はどうしましたか。(試験官A)
●側圧はかけました。(十分考えず答えている。かなり焦って、気が動転している。)
○側圧はどの程度かけましたか。(試験官A)
●すいません。思い出せません。(もう、これ以上はむりと考え、質問を切ろうと考えた。(ギブアップ))
○最近の土質及び基礎での技術的な話題は何かありますか。(試験官A)
●はい、最近ではFEMによる解析が主流になりつつあります。特に斜面安定などでもFEM解析をおこなう例も多くなっています。私は実務でFEM解析をおこなった例はありませんが、今後機会があれば用いてみようと考えています。そのためにも現在勉強しています。(ここから開きなおった。力が少し抜けてきた。(リラックスしてきたという意味))
○国際化が求められていますが、あなたの取り組みを教えてください。(試験官A)
●はい、世界に共通して使用できる基準作りが必要だと思います。最終処分場においてはアジアの中では日本の技術は進んだものと考えています。このような技術が世界でも利用できるよう整理する必要があり、私もその一役が担えればと考えています。(なんか嘘っぽい回答になってしまった。)
○ISOでの成果品に対する社内のチェック体制についていってください(試験官B)
●はい、わが社でもISOを取得しておりまして、段階や時期に触れ社内のチェック会議を設けております。そこで客先との折衝内容、基準との照合をおこなっています。そしてそのチェックをクリアしたものを客先に納めています。
○チェックするのはどのような人ですか。(試験官B)
●技術士などの資格者がチェックをおこないます。
○あなたの課には、土質及び基礎の技術士がいないといっていましたが、どうされていますか。(試験官B)
●はい、私の課にはおりませんが、他の課から会議に参加してもらい、廃棄物に関する技術士と合同でチェックをおこないます。
○技術士の三大義務と二大責務を言ってください。(試験官A)
●はい、信用失墜行為の禁止、秘密保持の義務、名称表示の場合の義務です。責務は公益確保の責務、資質向上の責務です。(お約束の質問。抜かりなく答えた。)
○公益とはどのようなものでしょうか。(試験官A)
●多くの方にとっての利益という意味ですが、実際の業務での判断は難しいと思います。たとえば安全面で言えば、関係する住民がどのレベルまでが許せるのか、どうすれば安全であると判断するかは、対話やコミュニケーションの中で定義されていくものではないかと考えます。(試験官Bは頷きながらも、ちょっと不審そうだった。)
試験官Aが試験官Bの方を見て、「よろしいですか」と声をかけ、試験官Bが頷いた。
○それでは、これで終わりにします。お疲れ様でした。
●ありがとうございました。よろしくお願いします。
6.その他の感想
出てきて時間を確認した。15:10だった。質問開始まで5分かかったとすれば、実質質問を受けたのは20分程度だった。結構、早く過ぎてしまった感じであった。質問は経験論文だけで、専門に関する質問はなかった。予想していた質問の1割程度が当たった感じである。肝心のところで、“分かりません”や“覚えていません”を言ってしまい、正直ショックが大きい。
試験官の表情では分からなかったが、自分の中で、これでは技術士としてふさわしい技術力はないと思われるなと感じてしまった。そこから逆に開き直ってしまい、自分という人間を正直に見てもらおうと努めた。
無事に合格はできたが、この試験を通じて自分の技術力の低さを痛感した。嘘っぽいせりふになるが、技術士と言う名に恥じないよう、今まで以上に技術力を向上していこうと思った。
日時 平成17年12月3日(土)11:30〜12:00
場所 NTT麻布セミナーハウス
面接官 40代前半コンサル系(メイン質問者)、50代半ば研究系、の2人
日時:平成18年12月9日(土) 14:00〜14:30
年齢:34才(受験当時)
職業:建設コンサルタント(地盤調査)
住所:福岡県
受験会場:渋谷 フォーラムエイト
上司と模擬面接を4回もして、結構自信を持って出発できました。
筆記試験は2回目で合格、口頭試験は初めての受験です。
前日に東京入りし、宿泊先は板橋のアパホテルに泊まりました。電車乗換え無しで、渋谷まで10分程、渋谷は宿泊施設が高額で泊まれませんでした。ルートや宿泊先は、前もって押さえて試験に臨みました。
受験当日はさほど緊張もなく、早目に渋谷に到着し、近くロイヤルホストで時間をつぶしました。周辺に同じ受験者が3人程いたのには驚きました。以下,体験記です。
案内の女性が面接室に着いた瞬間,ドアを開け、不意打ちを食らった感じでしたが、ある程度落ち着いていました。部屋は7〜8m四方位の広い部屋で、奥に長テーブルが2台置かれ、面接官2名が座っていた。
一礼し部屋に入り、向かって右側の方は40代半ば、ストライプのシャツを着ていることから民間企業、コンサルの部長クラス位?(以降 右コンサル)。左側はやや太めで50代後半といったところ、役所かゼネコンの偉い方かなと漠然と考える(左役所)。※カッコ内は質問に対する準備の有無と反応
Q1 経歴説明
(右コンサル):まず、あなたの経歴と、会社で何をやっているか。働いている部署の組織を説明して下さい。
(私):大学を卒業し、土質・地質調査をやっております○○に入社し、現在に至ります(後略)。
(左役所):あなたが所属している部署の組織はどうなっていますか。
(私):あ、すいません。九州全域を担当しています。私のいる技術調査課は、人員は10名で、課長を筆頭に係長、主任そして係員がいます、私は主任をやっておりまして、年齢的にはちょうど中間辺りに位置しています(緊張していたせいか、的確に答えていないと自覚)。
Q2 資格取得後の豊富
(左役所):技術士を取得されたら、どうのように仕事に活かしたいですか。
(私):(受験動機を話して)技術者は難しい技術を身につけることももちろん大事ですが、私は普段からお客さんに分かりやすい説明をして、納得していただくことを心がけています。資格を取得することにより、まずお客さんに安心して業務を任せてもらい、更に分かりやすい説明で、納得していただければと思っています(準備していた)。
Q3 日頃心がけていること
(右コンサル):調査の観点から、いつもどんな事を心がけていますか。
(私):地盤、土質といった分野は、とりわけ不確定要素が多いものと考えています。単純に線引きできない問題も多くありますので、そこをお客さんに説明するのが難しいなと感じています。私は、調査物件毎の地盤の特徴と、一般的な土質・地質の事項を明確に分けてお客さんに説明することを心がけています(準備していた。二人とも大きくうなずいている)。
Q4 仕事での失敗経験
(右コンサル):何か業務で失敗した経験はありますか。
(私):(適当に当たり障りのない業務を答えた)。
Q5 調査におけるリスクについて
(左役所):杭基礎におけるリスクを挙げて説明してください
(私):(全然思いつかない)。それは、調査から設計に移行する際のという意味ですか。
(左役所):はい。他のどんなことでも結構ですよ。
(私):はい(少し思いついた)。聞いた話なのですが、N>50の砂礫を確認し、その地盤を良好な支持層として報告し、設計でもその案を採用した物件がありました。ところが、現場で杭を打設する際に、支持層になってもどんどん掘れる。あわてて近辺を数ヶ所追加ボーリングしたところ、N値にばらつきがあり、支持地盤を深く再設定したという話がありました(考えていなかった質問。とっさに思い出したことを話した)。
Q6 経験論文1について
論文概要:市街地で高層建物の建築が計画されており、ボーリング,PS検層,岩石試験といった調査結果から、準岩盤強度(S波を利用)によって各風化帯の仮の設計支持力度を算出し、試験施工時の深礎内で平板載荷試験を実施し支持力度を確認、基礎工費を削減したという業務です。
(右コンサル):では、経験論文についてですが、事前に読んでいますので、いくつか質問させてもらいます(概要を説明しなくていいので、少しホッとする)。
(右コンサル):平板載荷試験以外に、地盤の支持力度を簡単に求める方法はありますか。
(私):先日、市街地で、ボーリング孔を利用する深層載荷試験を行いましたが、論文1で実施したような大掛かりなものではなく、コスト・時間ともに大幅に軽減できるなと感じました(中略)ただし平板以外の方法で、簡易な試験は正直、難しいと感じています(軽くうなずく)。
Q7 経験論文2について
論文概要:○○県○○市の道路建設における長大切土法面の調査です。法面地質は泥質岩主体の付加体で、一般的には安定している受け盤構造でした。ただし、概査時点で、大規模な転倒崩壊の可能性が考えられました。ボーリング,弾性波探査,電気探査といった調査を効率よく組み合わせ、適切な対策工(法枠+グラウンドアンカー)を提案したという業務です。
(右コンサル):(弾性波探査の)トモグラフィー解析の長所と短所を説明して下さい。
(私):まず、通常の解析手法である屈折法を説明する必要があります(中略)。一方,トモグラフィーは断面を格子状に区分し、各格子の速度値を求め、電算処理します。そのため、付加体のように硬い地盤の下に軟らかい地盤が分布するいわゆる上下逆転層や、断層付近の調査などの状況を、屈折法に比べ精度良く把握できる長所があります(準備していた)。
(左役所):現地で踏査をされていますが、気をつけていることがありますか。
(私):木を見て森を見ずという言葉がありますが、一言でいうと広い目で見るということでしょうか(中略)。付加体は、地質の区分が数kmに及ぶこともあり、大きな目で地質を見ることが重要です。また、文献や空中写真などを事前に調べて、踏査するポイントを絞ることも大事です(準備していた。二人とも大きくうなずいている)。
(右コンサル):今話された既存の資料や文献は、会社でデータベース化などされているのですか。
(私):データベースといった立派なものはありません(当社の自前の資料や文献を調べると言った)。
(まったく考えていなかった質問。まあそんなもんだなといった風情で軽くうなずいている)。
(左役所):法面の受け盤、流れ盤といった判断はどうやっていますか。
(私):(どういう意味かちょっと考えた後に)通常、露頭で測った走向・傾斜の資料を見て、それが法面に対して受け盤か流れ盤かといった判断は誰でもできると思います。ただし、論文2で出てきた付加体地質では、地層の走向が褶曲しており、場所によっては受け盤と流れ盤が逆転することもあり、注意が必要です。(説明が前後したけど)事前準備として、地質図に記載してある地層の走向傾斜を確認し、空中写真を見るなどの下調べをしておけば大きな間違いはないと思います(考えていなかった質問。うなずいている)。
(左役所):アンカーと法枠といった法面保護法は一般的ですが、他の方法を挙げて説明して下さい。
(私):これは法面保護ではないのですが、論文2においては、まず法面の緩勾配化が挙げられました。不採用となりましたが、法面を緩く切ることが最も工費(用地買収費は別)のかからない方法と認識しています。それを踏まえ、他の法面保護法を挙げると○○等ですが(中略)、最終的にアンカーの採用となりました(知っている範囲で話した。うなずいている)。
(左役所):アンカーの深度はどうやって決定したのですか。
(私):(長大)法面調査では、一般的に法肩と法尻の2箇所で鉛直ボーリングを行いますが、論文2の調査では、断層の分布確認と、アンカーを採用した場合の定着部を決定する両面から、斜めボーリングも実施しました。安定解析については、設計業務において有限要素法などの方法で解析し、決定したようです(準備していた。解析はよく分からないというスタンスで正直に話した)。
Q8 設計・施工から調査へのフィードバックについて
(左役所):調査から設計・施工といった流れで業務をされていますが、逆に設計・施工から調査にフィードバックしたりはされていますか。
(私):(また難しいこと聞くな〜)。つい二日前,場所打ち杭を施工している現場に呼ばれました。この現場では、事前にコアボーリングを実施し、支持層付近の岩盤の圧縮強度を把握していましたが、いざ掘ってみると、CDでもなかなか掘れない。堆積岩の走向傾斜により場所により同深度で分布する岩種が異なることを説明し、コアで再度圧縮試験を行って、杭を短くする方向で納得してもらいました。
(右コンサル):なるほど、設計や現場サイドからの話で、そういうフィードバックもよくされているのですね(考えていなかった質問。この頃から、すごく和やかないい雰囲気になったような気がする)。
Q9 新技術について
(左役所):調査における新しい技術などで、関心があるものがあったら聞かせて下さい。
(私):ボーリング孔内で行う縦横両方の透水試験機というものがあります。(中略)。地質の問題は、突き詰めると水の問題といっても差し支えないと考えていますので、このような技術を身に付けたいと思っています(うまくまとまった気がする)。
Q10 技術士の義務について
(右コンサル):(時計を見ながら)最後に技術士の義務について説明して下さい。
(私):3つの義務、通りいっぺんのことを話した(バッチリですねといった感じでにっこりされた)。
(右コンサル):それでは、これで試験を終ります。お疲れ様でした。
(私):ありがとうございました(一礼して部屋を退室した)。
試験を終えて: 練習の成果か、想定外の質問にも冷静に対応できました。筆記試験同様,準備が大事です。試験中の面接官との和やかな雰囲気から、いい結果がでるものと確信しました。
技術士試験では、“合格する強い気持ち”と“周到な準備”が必要と感じました。これまでこのホームページも含め、たくさん方からご指導やご協力をいただいたおかげで、力を出すことができ、感謝の気持ちで一杯です。 2月9日、無事に合格しました。
以 上
日時:2006年12月9日(土)15:30〜16:00(正味26分間)
場所:フォーラムエイト5F
受験部門:土質及び基礎(基礎)
試験官:2名(優しい雰囲気,攻撃的に感じることはなく,淡々と進行した。)
・
渋谷にホテルを確保。当初10:00チェックアウトだったが,11:30まで延長してもらった。
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11:30,会場近くのロイヤルホストで昼食とコーヒー。13:00過ぎまで過ごす。周りに技術士論文を広げて眺めている人を5,6名程度確認。
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時間つぶしに困り,13:30に会場入り。受付を済ます。待合室は今までの先輩技術士の体験記に異様な雰囲気とあり,意識しすぎていたせいか,
それほど異様さは感じなかった。
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呼び出しまで2時間。トイレへ行ったり,タバコを吸ったり,資料を眺めたりして過ごす。
15:28頃,案内嬢の呼び出し。「受験番号○○の△△様」。
私:はい。
試験室までの道すがら,「入室したら椅子の横の荷物置き場に荷物を置いてください」と言われる。
私:失礼します。○の○○番,△△と申します。よろしくお願いいたします。
A:どうぞ,荷物を置いて座ってください。
私:はい。失礼します。
A:あまり緊張しないようにね。えへへへへ。(相当緊張しているように見えたらしい。)
私:はい。ありがとうございます。
A:では,まず,受験の動機を聞かせてください。
私:はい。えぇ〜,発注者の信頼をより高いものとするためですね,社会的にも信用されている技術士の受験を考えました。また,コンサルタント技術者として不可欠な資格としてありますし,将来の管理技術者になるのにまぁ受験を考えました。
A:○○さん(親会社)からの仕事が多いと思うんですが,どうなんですか?
私:○○からの仕事の比率は低くてですね,全体の25%位でですね,あとの7割5分は官公庁さんからの仕事です。
A:へぇ,そうなんですか。では,経験問題の方から質問させていただくんですが,今回の場合は,鉄塔基礎の上に盛土をされているんですが,これは何のためにされるんですか?
私:これは,基礎のフーチングがですね地表に突出しますので,これを被せるためと言うか,隠すために盛土をしてですね,最終的には張り芝などをして緑化を行うと言った目的のものであります。
A:軟弱地盤でね,ネガティブフリクションが想定される地盤でフーチングを地中に埋めるという方法は考えなかったんですか?地表の盛土が軟弱地盤に悪さをしてるわけですよね。地盤の悪いところでは,つなぎ梁を地中に埋めるという方法が妥当ではないですか?
私:はい,そうです。そのような考えもあったのですが,当初,設計・施工を発注者側で行われていたものですから,当初から私が設計に関わっておれば,そういったような掘削して基礎を地中に埋設するというような提案もできたかと思います。
A:実際そのように地中に基礎を埋設しているような基礎はあるんですか。
私:多いですね。
A:この基礎はどの程度変位したんですか?
私:あの〜,内側にだいたい1cm5mm程度ですか,拝むような感じで。
A:たわんだような感じですか?
私:そうですね。つなぎ梁がたわむような感じでなっておりました。
A:変位の原因として,NFとか,側方流動とか,施工不良とかを挙げていらっしゃるんですが,側方流動圧はどのように設定されたんですか?
私:地表面で計測した変位量をモデル上に入力しまして,強制変位として入力しまして,それに伴って杭がなんぼか変位したんですが,その変位量に相当する荷重を入力値として入力しました。
A:強制変位で与えたということですね。解析上は杭の応力は問題がなかったと言うことですね。
私:はい,杭の応力上は問題はありませんでした。
A:逆に言えば原因の推定というよりは,・・・第1義的な原因というのは何だったんですか?
私:第1義的な原因というのは,やはり,あのぉ〜,いろいろNFだとか杭の座屈だとか施工不良などを一応,原因として想定はしたんですけども,施工不良という考えが第一に思いつかないところがございまして,いろいろ解析とか現地で試掘をしたりですね,非破壊検査などを行いまして,それで,やはり最終的に杭の中を掘削したところ,杭の先端部が緩んでいたというのがわかったということが最終的にわかったということであって,時間を要したことが反省すべき点ではあるとは思っております。
A:現象とすれば,つなぎ梁にたわみが出てたということですね。
私:はい,クラックも入っておりましたし。
A:それの原因が杭先端の不良であれば,基礎も剛体として挙動すると思われるんですが?盛土に伴う地盤変形,側方流動による地盤変形なのかね,どっちなんでしょう?
私:側方流動的な変位で杭が提灯型にたわんだということも,ひとつ考えられると思います。実際に杭の変形は目で見ることはできませんので,何とも言えない所はあるんですけども,解析上はそのように捉えて考えました。
A:原因てのはね,原因がわからないと結果が評価できないわけですから,どうなんでしょうね。
私:杭の先端支持力ですね,全ての杭の先端地盤が緩んでいたわけではなくですね,しっかり支持力が確保されていた杭もございまして,そういったところの支持力のアンバランスと言いましょうか,そういったことで地表の基礎の変状も生じたのではないかと考えております。
A:中掘り先端根固めということで,根固めが不十分ということなんですが,中掘りの先端の処理方法というのはどんなものがあるのでしょうか?
私:中掘りの先端の処理方法は,セメントミルクを注入したりですね,打撃による支持力の確保・・・不勉強でそれくらいしか思いつきません。
A:次に新規基礎でかなり大型の基礎を設計されているような気がするんですが,これはどうしてこのような形状になったのですか?
私:平面形状は,1辺が約5.5mの正八角形の中空フーチングで,その角に鋼管杭を8本配置したというものなんですけど,当初施工しておりました基礎は支持力不足により使えないということで,かつ鉄塔の主脚材は流用する必要がございまして,それが更に荷重として載ってくることからちょっと大き目の基礎フーチングの形状となりました。
A:杭径も前のものと比べるとずいぶん大きなものになっていますが,これはどうしてですか?
私:当初設計は支持地盤が凝灰岩ということもありまして,当初ジェット水による掘削を行っておったんですけども,凝灰岩というのは水により脆弱化するという性質を持っておりまして,次の対策工に関してはバケットによる中掘りと鋼管杭による圧入工法を併用しまして,循環水よる掘削は行いませんでした。このため,バケットが入る必要から杭径も大きくなったということです。
A:施工から決まったということですね。
私:施工性の問題です。
A:次に二つ目の経験論文にいきますが,近接盛土の影響を遮断する方法にいくつかあると思いますが,CDM以外に何がありますか?
私:鋼矢板を打って縁切りする方法がございますけど,今回の場合,堤防盛土に近接していたということもございまして鋼矢板の剛性では変位が抑制できなかったというのがございます。鋼管矢板という手もございましたけど,工事費が高くなるというのもありまして,あともう一つDJMという方法もあったんですけど,粉体による周辺への環境への影響を考えましてスラリー状のものを用いるCDMを採用しました。
A:CDMの内部応力はどの程度出ましたか?
私:圧縮側で約2.0〜4.0 kgf/cm2解析上発生し,引張側は負の値は発生しませんでした。
A:かなり上層の変形ですね。
私:はい,上層部の変形です。
A:堤防から既設鉄塔まで約17m離れてますけど,影響が出ることは予想されてたんですか?
私:そうですね。予想されたので,今回このような計測管理も併用して行ったんですけど,既設の鉄塔の基礎の直近にですね地中変位計を設置しまして,地中変位を計測しておりました。
A:FEMで解析されたということなんですが,具体的にはどのような解析をなさったんですか?
私:関口・太田モデルを用いまして,入力値の多くは,塑性指数IPから簡易推定という方法で決めました。
A:液状化の影響は考慮しなかったんですか?
私:地下水位も高かったんですけど,今考えれば検討しておく必要があったと思うんですけど,その当時は検討しておりませんでした。今後,機会があれば取り組みたいと思います。
A:鉄塔の変位の管理値は何から決まってくるんですか?
私:水平変位が根開きの1/1200,鉛直変位が同じく根開きの1/800が許容値とされています。上部工の問題から決まってきております。
B:杭の打設であれば,どのような工法が考えられますか?
私:既設杭でしたら,周辺の環境にもよりますけども,打ち込み杭を使うとか,中掘りであっても水は使わないような施工方法を考えようと思います。
B:中掘り工法で他の工法は考えられませんか?
私:中掘り工法で適切なものといいますと,この当時使ったのが○○工法というジェット水を使う工法が有力であったので,発注者さんもこれを使ったんだろうと思いますけど,その他の方法といいますと,杭径も小さいですし,・・・すいません,ちょっと不勉強でよくわかりません。
B:杭の損傷はどのような方法で確認されたのですか?
私:フーチングの上部をはつりまして杭頭の上部から○○という工法を用いまして,弾性波による非破壊調査で確認しました。
B:フーチングをはつったということは,フーチングはもう使わないという前提で調査を行ったということですか?
私:はい,フーチングはもう使わないという前提で,杭内ボーリングも実施しましたし,はい。
B:それでは,技術士一般のことについて質問したいんですけど,調査もやられるんですか?
私:はい,調査もやります。
B:一般の公共工事において環境に影響を及ぼす可能性がある場合,あなたはどのように対処しますか?
私:環境というのは動植物ということでしょうか?
B:六価クロムですとか,公共工事における環境一般のことです。
私:はい,実際に工場の跡とか病院の跡地で計画が持ち上がったときには,事前に事案調査をした際にですね,有害物質,重金属とかが出てきた場面に遭遇したことはございます。そうした時には土壌浄化といいますか浄化をしまして,健全な地盤状態にしてそれから本来の目的の計画にかかるような提案を発注者側にしたことがあります。
B:そのような場合,発注者側もコストがかかり,嫌がるんじゃないかと思うんですけど,その時あなたはどのように対応しますか?
私:土壌が汚染されたまま工事を進めるというのは,やはり社会全体の利益から考えますと不利益なことになると思いますので,できるだけ発注者を説得する姿勢が大事だと思います。
B:それでは,技術士法というのがございますけど,倫理に関する規定がいくつかあります。挙げてください。
私:簡潔に申しますと,技術士は公益の確保の最優先を念頭に置き,その社会的地位および職責を強く自覚し,日頃から専門技術の研鑽に励み,常に中立公正を心がけ,選ばれた専門技術者としての自負を持たねばならないということです。
B:今の質問と被るかもしれませんが,社会において技術士制度がなぜ必要なのか説明してください。
私:技術士という資格が持つ社会的な信頼性を損なわないように,技術士となった場合は技術者として社会的信頼を損なわないように自分を厳しく律する必要があるからだと思います。
B:今のは,技術士個人としてのお話しだと思うんですが,技術士全体の制度としてなぜ必要なのかお考えをお聞かせください。
私:技術士としてふさわしい職業倫理と問題解決能力を備え,社会が求めているそういったものを適格にこなしていくために必要であると思います。
A::それではこれで終わりにしたいと思います。
私:ありがとうございました。よろしくお願いいたします。
私:ありがとうございました。失礼します。
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大きくは動機→経験論文(一部専門知識を問う質問含む)→倫理という流れ。
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建設一般,専門問題に関する質問は一切なし。
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私の回答に一つ一つ相づちを打ってくださり,非常にやり取りがやりやすかったと感じました。
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おかげさまで,合格しておりました。ありがとうございました。