口頭試験体験記 | 建設部門/港湾及び空港(平成18年度以前) | Back |
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口頭試験 12/12/5(火)15:30〜15:50 20分間程度(コンサル)
面接官 3人(私からみて左A、真中B、右C)
B:今日は○○からきたのですか?
答:はい
B:前日に泊まらなかったのですか?
答:はい。早めに今日の11:00の新幹線できました。
B:もし、電車が止まったりしたら大変ですね。
B:それでは、受験の動機と試験の勉強方法、試験のできばえをお聞かせください。
答:入社10年目になり、港湾構造物の設計を主にコンサルタント業務を行ってきました。今後も建設コンサルタントとして従事していく上で必要不可欠の資格だと思い、受験しました。また、社会的にも法的にも認められた技術士の資格を取得し、更に責任のある立場で業務を行い、自分自身の技術力の向上と地域社会の発展に貢献していきたいと思い、受験しました。試験勉強については、昨年は通信教育を受け勉強しましたが、今年は通信教育は受けず、平日の朝と週末に行い、上司に論文をみてもらいました。試験結果は昨年より落ち着いてでき、書きたいことをかけました。
B:昨年はどうだったのですか?
答:昨年は書くのが精一杯でしたが、今年は見直しを行うことができました。
B:それでは、自信の有る論文について、質問します。
C:論文Cについて、防舷材で前だししたのみと思うのですが、技術的点は何ですか?
答:海図補正区域を満足するために、上部工を1.0m前出ししています。上部工前だしすることで、捨石の肩幅が1.0m確保できます。現状では、フーチングのギリギリまで床掘りすることになるので、ケーソンの安定が危険になります。
C:船は防舷材につくのだから、防舷材でかせげば良いのでは?
答:上部工の前だしはビショップ法で決めています。そして捨石肩幅を1.0m確保するようにしました。基準にも書いてあるとおり、海図補正区域は防舷材から、1.0mの位置で水深が確保されていれば良いのです。海図補正区域を満足しないと-16.0m岸壁との公表ができなくなります。
C:基準にかいてあるのですか?
答:はい。
C:クレーンを偏心させなくても、鉄筋はもつのでは?
答:既設ケーソンは平成5年度に設計されており、そのときのクレーンは847tを想定していました。 世界最大のコンテナ船を接岸させることで、クレーンも大型化し、荷重が増えています。
C:クレーンはコンテナを取るときが一番海側に荷重がかかりますよね。陸側に偏心させても、あまりかわらないのでは?
答:最大輪荷重で考えており、クレーン走行時か地震時で決まっていたかと思います。
C:そうですかね。コンテナを取るときが最大だと思いますが?横浜港では地震時を考慮しているかもしれませんが?
答:最大輪荷重に着目していたので、クレーンの状態は帰って確認します(試験官A 笑う)。
C:アンカー工法について、少々事例がありますが、どの点が技術士としてふさわしいと思いますか?
答:海洋構造物としては事例の少ないアンカー工法を採用したことと、50年の耐用期間を過ぎた構造物が無い等から管理桝を設置し、アンカー管理を行うことを提案したことが技術士としてふさわしいと思います。
C:今はどんな管理をしているのですか?
答:この仕事は○○県の仕事でして、県の財政赤字により、設計のみでとまっております。
C:論文Aについて、ポイントは?
答:隣接する護岸が老朽化しており、地盤改良が行えないことから、液状化時の外力を設定し、設計を行ったことです。阪神淡路後で、液状化時の外力が明確でない中、液状化時の外力を設定し、耐震護岸の設計を行ったことです。
B:どのような立場で業務を行っているのですか?
答:技術主任として、発注者との協議、検討、とりまとめ等主導的立場で行っています。社内ではジョブマスターという資格になっています。
B:業務を行う上での中心的存在ということですね。
答:はい。
A:専門論文について、みんな同じようなことを書いていますが、設計を中心に行っているようなので、何から書くのですか?
答:雑誌港湾などを参考にしています。
A:よくかけているが、もう少し、自分の意見を書くと良いとおもいます。
A:ミチゲーションで大規模水槽実験についてかかれていますが、これは、実際に行った業務ですか?
答:いえ、実際に行った業務ではありません。
A:これも、雑誌港湾からですか?
答:雑誌港湾や港研の見学会等を参考にかいてます。
A:信頼性設計法についてもかいている人が多いのですが、実際に業務を行っていますか?
答:まだ、業務としてはありません。
B:まさしく10年目でコンサルタントとして、今後活躍されることと思いますが、コンサルタント大変でしょうが、何かスポーツをやっていますか?
答:東京にいたころはやっていましたが、○○に転勤してからは特にやっていません。
B:今までの印象の残る業務と今後、どうしていきたいかを教えてください。
答:○○○の設計が印象に残ります。大きな施設の設計を行ったこともありますが、クレーンの偏心を提案したことによって、大規模工事を行うことなく、経済的で供用開始を間に合わせたことで、発注者の○○○○から評価されたことが印象にのこります。今後については、技術は日々進歩しており、コンサルタントとして当然のことですが、雑誌、講習会、新聞等より最新情報を入手し、業務にいかしていきたいと思います。また、国土交通省の設立により、今まで以上に海陸一体化した整備が進むと思われます。港湾技術者の視点からこれら、複合業務を行っていきたいと思います。
B:ちょっと早いですが、技術士として、まもるべき義務を簡単に言ってください。
答:省略
B:それではおわります。
答:どうもありがとうございました。失礼します。
2 00/12/05 Tue 00:36:19
いつも読ませていただくばかりだったのですが、口頭試験も本日(12/4)終わり、少しでも恩返しが出来ればと私の口頭試験について書かせていただきます。専門はあまり書き込みのない港湾です。
1.受験の動機、勉強方法(3分)
2.経験論文の3つについて(15分)
3.建設一般的な話と港湾の専門の話(10分)
4.資格の活用方法と道義規範(3大義務)(2分)
時間は目安ですが、ちょうど30分でした。私は35歳で若年者に入ると思ったので、経験や業務に関する質問が多いのかな、と思っていたのですが、まんべんなく質問されました。一番驚いたのは建設一般の話題で、「建設業界への女性の進出について」・・・全く予想していなかった問題だったので、ありきたりの抽象的な答えしか思いつきませんでした。挙げ句の果てに、「現場などに女性がいたら何か問題があると思いますか?」「・・・現実的な話としてはセクハラなどがあると思いますが、・・・」などと答えてしまい、中央の試験官の失笑を買ってしまいました(^^;。(「建設業としての問題ではなく、職場の問題ではありますが」と付け加えておきましたが。)建設一般の質問はボーダーの私に不合格の決定打を与えるためなのか、現時点で当確の私にちょっと意地悪な質問をしたのか、真意は分かりませんが、全体的には当初予想していたより答えられたと思っていますし、これでダメなら仕方ない、という感じです。終わったことに落ち込んでも仕方ないので、いい方に考え来年の2月7日を待つことにします。佐口様、皆様、ありがとうございました。長くなってすいませんでした(^^;。
日 時:平成13年12月13日(木)
場 所:渋谷フォーラムエイト
◆午前10時、渋谷のハチ公
今日の東京は寒く、午前中から冷たい雨がシトシト降ってきた。今日の試験結果をいみじくも予言しているかのよう・・・この日は現在の私の上司(10:00〜)や先の勤務先の知人らいわば“身内の者”数名が次々と口頭試験を受けることとなっている。私は13:30からの試験であったが、先に試験を終えた上司と落ち会い、口頭試験の情報収集をすることになっていた。
午前10時40分頃、渋谷駅近くのコーヒーショップで上司に会い試験官のことや質問などのことを聞く。彼の話だと、“試験官は4名、質問はこれこれこんなこと。お前は設計が得意だからこんなこと聞かれるぞ”もし同じ試験官だったら用意したQ&Aはあまり役に立ちそうもない。しかし、試験は何組もあるわけだから同じ試験官にあたると決まったわけでもなく、質問の仕方なんかも色々だろうからと、情報をくれた上司の手前漫然とメモし、あまり気にも止めなかった。
しばらくそんなこんなの話をして、「では、頑張ってきます」と言って上司と別れる。彼はいつもの鷹揚さに加え、開放感にあふれて見えた・・・→しかし彼は本当は落ち込んでいた。渋谷では「イヤーダメだった! 全然質問に答えられなかったョ! 答えは“解りません”ばっかりだもんナ!」と言っていたのは、照れ隠しの常套句ではなく、どうやら“本当のこと”だったようだ。
試験終了後会社へ戻ると、「今日の○○さん荒れてますよ。午前の試験ダメだったみたいですね」と会社の若い衆が言っていた。また、△課長も「おう、まっしぃ。どうだった? あれ(上司)と同じで今日の天気か?」(ちなみに千葉は東京以上に雨が降っていて、冷えて風もあり、苦難の受験生にとっては神経を参らせるつらい天気であった・・・)別れ際、後輩の手前明るく振る舞うも、本音は“ショックのかたまり”と化していた上司から得た情報も“後で少しやっとけばいいや。とりあえずQ&Aのしゃべりにくい所を復習しよう”と何一つ生かそうともしないこの間抜けな部下は、この後オキマリの道をたどることとなった・・・
登場人物:
試験官A;(業績論文担当)
試験官B;(建設一般担当)
試験官C;(進行役担当)
試験官D;(専門部門担当)
受験者 ;2度目にしてやっとフォーラムエイトにたどり着いた中年男「まっしぃ」=私
ナレーター;受験生の内心に棲んでいる“クビキリムシ(以下;虫)” 虫の役割は“まっしぃ”の受験中及び受験後の心境を客観的に代弁する
◆試験室
虫:さぁーてと、いよいよだぜ。おいおい何だね、エラい緊張しちゃって、コチコチじゃぁねーか。案内のお姉ちゃんと話しするとかして、口を動かして、少しでも緊張を解いたほうがいいんじゃねえのかい?
13:30 案内嬢に導かれ、「ノックしてから入室して下さい。荷物は荷物置き場に置いて下さい」と指示があり手順どおり入室
虫:!!なんと!! 試験官は4名、しかもCさんがいるじゃねぇか!(奴さんと同じパーティかよ)
私:M××番 ♂♀社から参りました“まっしぃ”です。宜しくお願いいたします。
虫:おいおい、なんだってこんな深くお辞儀しちゃってさ! 普段どんなに偉い人の前でもせいぜい20°のおめえさんがだよ。尋常の精神状態でねえことは確かだ・・・、しかし、猛烈に緊張している割には妙に冷静に自分を眺めることができているのが何とも不思議だね・・・
C:気楽にして下さい
虫:おいおい、身体が震えてるぜ。だめだよおめーさんそんなに堅くなっちゃ。もうちっとこう肩の力抜いてさ、あーぁ、先が思いやられるぜ・・・
C:(経歴表を見ながら)えー・・・まっしぃさんの経歴を見ますと・・・最初は○×社にいらしたんですね、
私:はい。
C:それから△△県にもいらした・・・
私:はい。
C:受験は何回目ですか?
私:今回が2回目です。
C:昨年は?
私:昨年は筆記で落ちました。
C:原因は何だと思いますか?
私:まず、論文の体をなしていなかったこと。記述があいまいで、自分が何をしたのかが表現できていなかったためと思っています。
C:・・・(?)
虫:どうやら理解されてねぇ様子だな
私:先輩に「おまえのは論文ではない。報告書だ」と指摘されました。
C:つまり、技術士試験の論文になっていなかったということですか?
私:はい。
C:では、その論文からお聞きしましょう。(といって、A氏の方を向く)
虫:どうやら、この“まっしぃ”ってのは身体はでかいが気が小せぇようだ。そんなこったから先生、ひとつお手柔らかにお願いしますよ。
A:経験論文について聞きます。まず1例目のコンクリート劣化調査ですが、この調査で得られた知見を1〜2例挙げて下さい。
虫:予想しなかったね。知見だよ知見。地建じゃねぇよ。・・・いいんだよ即答しなくったって、ちぃっと考えな。
私:まず1つには塩害に対して厳しい環境であるにもかかわらず、劣化の原因がアル骨であることが判明いたしたことです。2つめには、この環境で放置すれば複合的に劣化が進行すると判断しました。
A:では2例目の複合的地盤調査ですが、弾性波探査とボーリング調査を合成する方法は、港湾では実質的に初めての試みとありますが、事例は多いですよ。
虫:そうだったかい?まずいねこいつは・・・ いいから詫びちゃいな。
私:はい。これについては筆記試験後に調べた結果、いくつも事例がありました。調査方法について色々ヒアリングなどしたのですが、それを鵜呑みにしてしまいました。訂正いたします。
A:ではこの調査で得られた知見は何ですか?
私:1つには弾性波探査とボーリング調査の合成結果が非常に良く、有効な手段だということ。2つめとして、通常のボーリング調査で生えられない琉球石灰岩層のキャビティや断層が確認できたことです。
A:キャビティが判ったんですか?
私:はい。でもそのキャビティ・・・あのー空洞ですが、それはかなり大きいものですが・・・
虫:おいおい、疑われてるよ?
A:では3例目の新構造形式の沈埋函の調査ですが、鋼殻フルサンドイッチ構造も洋上曳航も浮遊打設も実施例はいくつもありますよ。
私:不勉強でした。申し訳ありません。
虫:事例ちゃんと調べたかい? 海外事例調べんのに手ぇ抜いたんじゃねえのかい?
A:この技術検討で「温度応力の抑制」と「長周期波による動揺の抑制」を解決したとありますが、詳しく説明して下さい。
私:温度応力の検討では、日射による温度上昇を30℃として検討しました。これで変形が約16cmほど発生します。最終的には変形は無くなりますが、いや、残留ひずみはいくらか残ります。そこで、施工中の歪み発生量を測定し、必要な措置をとることとしました。たとえば、原始的ですが海水をかけて冷却するなどの方法です。長周期波に対しては、ヤード内の副振動の心配はないですが施工ヤードが冬季波浪に対して弱い位置にあるため、波浪観測機器を設置し、管理することとしました。
虫:詳述したメインの2課題を聞いてこないのはあたりまえだろ。さっき2つとも事例があるって指摘されたばっかじゃねぇか。しっかり答えなよ。そんなシドロモドロじゃ自信がねえってことがバレバレじゃねぇか。答えになってないね。 それにしてもA氏の視線は厳しいね、刺すようじゃねえかい コワいねッ
C:よろしいですか?(・・・とA氏の方を向く。頷くA氏)
B:それでは私の方からは、建設一般についてお尋ねします。建設一般は3題の中から1つを選んで書くことになっていますが、お書きになった論文は「維持管理と再生」を選んでいるにもかかわらず、内容的には社会資本整備のあり方になってます。選択が社会資本整備のあり方なら、この論文でいいんですが、ちょっと的がはずれています。
虫:どうやら建設一般の「Sさん式論文作成の手法」は裏目に出たようだね。まあうまくいかなくてもここまでこれたってことはなんとか認められたってこった。ところでおめえ、何選択して何書いたか覚えてんのかい? だめだよ、今更勉強不足を反省しても遅せぇってんだ・・・
私:申し訳ありません。書いているうちに混乱したようです。
B:そうした点から、この論文に補足することがあれば、簡潔に述べて下さい。
私:既存構造物をうまく活用するため、劣化していれば必要な手当を行うことが重要と考えます。再生するにあたっても、機能を阻害しない範囲で、できれば、そのものを活かした形で、例えば横浜のドックヤードのようにしていくことも重要かと思います。
C:よろしいですか?(・・・とB氏の方を向く。頷くB氏)
虫:だから自分の論文に何て書いたかちゃんと確認ろって言ったじゃねぇか! まあ、“維持管理と再生”をキーワードに思いつきでもなんとか回答したってことで良しとするか。安心しちゃダメだ、試験官が頷いたって納得したとは限らねえんだよ。
D:それでは私の方から専門分野についてお聞きします。技術上の課題で、「変位の許容」を述べておられますが、ここで書いている防波堤の1割削減は事実ですか?
私:ちょうど筆記試験前、いや後に変位を許容する設計法(案)が港湾局から出されておりまして、それを見ますと、いや、ぱらぱらとですが・・・。それによれば約1割程度と出ておりました(ホントか?)。ですが、ここで書いたのは安全率から逆算した予測的な値です。
D:自分で計算したわけではないんですね?
虫:ほらほら、論文案作るときにも気になってたんだろ? 約1割ってホントに書いてあったか? しっかり準備してから論文書かなきゃだめだって、先輩にもいわれてたじゃねえか・・・
D:それでは地盤改良の5割についても同じですか?
私:地盤改良は●●の事例を参考にしました。○○では一定レベル、場所や施設によって違いますが、1〜2m程度の沈下を許容する設計を行っています。これをベースに、もし沈下を許容しない全強でサンドコンパクションにセメントを混ぜるなどして行うと、おおよそこれくらいになると・・・
D:つまり計算してないわけですね?
私:・・・はい。面積案分で大体これくらいという予測値として書きました。
D:はい判りました。
虫:“この野郎ウソ書きやがったな”って感じだな。しょうがねえじゃねぇか、正直に言ったんだからよ。
D:次に低未利用地の利活用について、「一層の規制緩和、制度の改善が必要」と書いていますが、具体にどういうことですか?
虫:おっと、つれぇところを突かれたな。ほら、前に仕事でやったとこじゃねぇか。おめぇさんが色々言ってたこと言やぁいいんだよ。
私:臨港地区の段階的な都市的利用については、○○○と○○○との間で都市に近接した部分の都市的利用に向けて改善が図られましたが、その他の臨港地区の分区についても、がちがちに固めてしますと、使えない土地が生まれたり、使い勝手が悪くなってしまいます。そうした意味で、もう少し機能的ににじみ出す部分があってもいいのではと考えます。
虫:もうちっと整然としゃべれればいいと思うよ。まあ、ここんとこはいいんじゃねぇかい。おめえにしちゃ上等だよ。
D:では、次にサードパーティロジスティックス等の新たな物流体系の導入と書いていますが、どういうイメージなのですか?
虫:イメージか・・・こいつも予想してなかったな。えーっと、ほら、あの報告書のこと・・・思い出せよ・・・おい、しっかり考えてからでいいんだぜ!
私:・・・港湾、例えばコンテナターミナルなどもですが、港湾には多くの業種が入っており、分業化されています。そうしたシステムがあるわけですが、これはこれでいいんでしょうが、一面で業務に融通が利かないというか、硬直化した部分も生じていると思います。ロジスティックスですから必要なものが必要なときに、スムースにものが出てこなければならないわけで、もう少し複合するとか融合するとか、そういうシステムが必要ではないかと考えます。
D:はあ、そうした意味で使ってるんですね?
私:はい。
虫:まあ、おめえの言いてぇこたぁ大分言えたんじゃねえか。でもよ、サードパーティロジスティックスってホントこういう仕組みだったかい?・・・
C:よろしいですか?(・・とD氏の方を向く。頷くD氏)
C:では、私から質問させていただきます。
C:まっしぃさんは○×社にいらして高架橋とか橋梁の設計をやっていらした。そうした観点で、港湾に○×社の設計の考え方のうち、どういうことを取り込んでいったらいいと考えますか?
虫:予想してなかったな。でもほら、こいつぁおめえが作ったQ&Aが使えそうじゃねえか!・・・ おいおい、焦ってつまんねえこと言うんじゃないよ! ・・・焦るんじゃねえ、ちくっと考えなょ!
私:○×には卒業後から10年おりまして、いわば修行をしていたようなものです。ですからあまり大したことは言えません。最も大きな差は、構造物の安全の考え方かと思います。先のコンクリート崩落事故のように(安全に対しての意識や考え方に少し差があるのかと思います→と言ったような気がするが・・・)
虫:なに言ってんだ、おめえ・・・次に、港湾構造物はケーソンなどプレキャスト(プレハブの間違い!)化しているものが多いのが特徴で、その殆どが海中、或いは土中にあり、メンテナンスが殆どきかないようになってます。そういうところはそれでしょうがないんでしょうが、壊れていいところ、例えば桟橋の上部工とか岸壁の上部工とか、壊れてもいいところを作って、簡単に取り替えられるような構造も考えていく必要があると思います。
虫:なんとも中途半端な答えだねぇ・・・
C:はい。では、技術士の3大義務と2つの責務を述べて下さい。
虫:ほら、試合終了の合図だ。終りよければ全て良しって言うじゃねぇか。最後くらいしっかり回答しなよ・・・
私:はい。義務として、“秘密保持の義務”“名称表示の場合の義務”・・・(ド忘れ!! この間数秒と思われるが)・・・・・すみません、失念しました・・・・
C:いいですよ、ゆっくり思い出して下さい。
私:・・・・・・(想い出した!)!!、あと“信用失墜行為の禁止”の3つです。 責務は“公益確保の責務”“資質向上の責務”の2つです。
虫:ほら、いわんこっちゃねぇ、おめぇ“これで終わり”ってんで油断したんだろ。しょーがねぇ野郎だ・・・
C:はい結構です。これで終わります。
私:どうも有り難うございました。
終了時刻およそ13:55分頃(時計を見ることすら忘れてしまった)
虫:試合終了か・・・ せっかく最終ラウンドまで来たってのに、もったいねぇ、TKO負けってとこかな・・・ しょうがねえ、自分の蒔いた種だ、自分で刈り取んな。まあ、根性あったらまた来年頑張んな、アバヨ。
◆ずぶぬれの渋谷のハチ公
私の頭の中は試合終了のゴングが何度も反響し、安堵とも落胆ともつかない脱力感が身体中を支配していた。・・・“ああ、そうだ。 女房にメール入れとかなきゃ・・・”渋谷駅で半蔵門線のホームで電車を待つ間、一言「おわった」とメールを入れる・・・“あーぁ、満身創痍、KO負け、沈没、撃沈・・・また来年か・・・こう答えときゃな・・・”と、今さっきの怒濤の顛末を、スクリーンに幾度となく繰り返し、後悔した。
今更どうしようもないことと思いつつも・・・事務所に向かう途中“そうだ、年末ジャンボ買うんだった”と有楽町で下車する。しかし、“運のない日に買ってもなー、当たんねぇだろう・・・”なんて考えつつ、一方で“試験がだめならくじくらい当たってくれよ”の気持ちも込めて、宝くじを購入。願わくば、どっちもいい結果がでますように・・・(そんなに甘くないって!)
◆酒と涙で濡れた枕元での反省(まじめ)
◎口頭試験は筆記の延長
あたりまえですが、筆記試験で書いたことは全て頭に入れておく必要があります。また、書くにあたっても材料の下ごしらえなど“準備”は綿密且つ周到に。
◎自分の言葉に責任を持つ
例えば、『建設一般』や『専門分野』の論文を構成する場合、様々な報告書や雑誌などから課題や問題点、またそれらの解決方策・施策の展開などを引用し論文を作っている人が私を含め殆どだと思います。
そうすると、問われる課題に対しての解決策や取るべき施策などは取りあえず書くことができますが、『自分の言葉』として書いていないと、墓穴を掘ることになります。
社内外を問わず、論文の添削指導を受けられている方は、“出した下書きが真っ赤になってまるで違う論文になってきた”という話を聞いたことがあります。
このようにして論文ができても自分でしっかり認識し、自分の言葉としていないと一気に崩壊してしまう危険があります。(自分が過去にやっていたことでも復習していないといざというときに答えが出てこない)また、常套句のように使っている“改善の必要性”とか“今後の検討”といった、論文らしく見せる言葉にも充分神経を使い、それが何を意味しているのか、なぜ必要なのか、などを明確にイメージしておくことも重要と考えます。
◎ちょっと戻って筆記試験について
入念な回答案を準備することは無論ですが、是非とも暗記はきっちり、できれば一文字も違わず暗記した方がよいと思います。
筆記試験ではよっぽどの自信家でない限り、少なからず緊張します。書き出しや接続語などがこんがらがると、突如として筆が止まり益々混乱します。すると自分自身の“書きやすい言葉”で続けてしまい、結果的に書きたいことが書けなくなってしまうことがあります。(1回目の受験はそうでした)
キーワードでどんどん書ける人はいいのですが、暗記をしっかりすることです。
いずれにしろ、なんとか試験は終わりました。いままで佐口さんのHPには何度アクセスしたことか。受験を通じていろいろ勉強になりました。結果はともかく、厚く御礼申し上げます。佐口さん、どうも有り難うございました。
平成14年3月7日 無事、合格できました!
建設コンサルタント(40才、男)
日 時:平成13年12月13日
場 所:渋谷フォーラムエイト
試験官:3人(中央:国土交通省港湾局風50代後半、右:コンサルタント風50代前半、左:大学教授風50代後半)
1.(中央)僕は○○コンサルタントをあまり知らないんだけど港湾のコンサルなの?
2.(中央)入社して○○年間ずっと○○県なの?経歴には色々書いてあるけどずっと港湾だったの?
3.(中央)それで、これだけの経歴なんだね。ところで○○には港湾の技術士が何人いるの?
4.(中央)本社は○○?
5.(中央)○○県は港湾の仕事が多いの?
6.(右)昔は○○で本社は○○県だったよね。それで、社員も多い○○県にずっといるんだね。
7.(中央)○○の業務で直轄の仕事はしないの?
8.(中央)そろそろ本題に入るよ。先ず、受験の動機を聞かせてよ。
9.(中央)次に経験論文について聞くよ。
10.(右)経験論文を見てみると、平成5年、平成8年、新しいものでも平成10年だけど、最近は技術士としてふさわしい業務はしていないの。
11.〜24.は経験論文(1)〜(3)に対する質問であったため省略します。
25.(中央)これからは、あなたが記述した一般問題だけど、一つ理解し難いのは費用対効果についてで、なぜ、今のままの評価だと透明性に欠けるの?
26.(中央)あなたなら、環境価値はどのように評価するの?
27.(中央)CVM法とは何?
28.(中央)したことがあるの?問題はあるの?
29.(中央)いろいろ知っているんだね。ただ、今一つ、私はあまり良く理解できないけど、まあ答えたから由としよう。
30.(中央)あと、設計で環境との共生のことが書いてあったけど、経験論文はよかったのに、ここでは一般論しか書いてなくていただけない。と脅しても仕方ないか。
31.(中央)施工技術としてロボットとかも書いてあったけど、これも得意とは言い難いので聞くのはよそう。
32.(中央)あと1〜2問聞くこと無いかな。
33.(右)記述された問題と関係ないけど、技術士は7年で受験できるのに、論文も十分いけると思うのに、なぜ7年で受験しなかったの。
34.(右)だけど、今はレベル的にも技術士にふさわしいということだね。
35.(中央)最後となったけど、技術士の義務みたいなのを言ってみてよ。ばっちり覚えていると思うけど。
36.(中央)はい、それでは終わります。ごくろうさまでした。
(感想)
港湾及び空港は口頭試験が厳しく口頭試験での不合格者が多いと聞き、また、試験官も三人と多く緊張しましたが、三人とも、とても紳士的で優しい印象を持ちました。
質問は中央の方が中心でしたが、経験論文のうち専門的なことについては(左)の方の質問が多かったような気がします。
平成13年12月12日(公務員)
試験官4人
試験官A(司会):現在の所属と受験回数は?
:所属は・・・。2回です。
A:受験の動機は?
:資格をとって役所の業務に生かそうと思ったからです。
A:あなたの経歴を見ると、勤務年数と経歴書の年数が合わないが?
:手引書に、直接関係ない業務経歴は書かなくてよいとあったものですから。
B(運輸省の役人、温厚):○○の港湾計画は大きな計画だが、自分ひとりでしたわけではないだろう。
:私は港湾局の計画係長として港湾計画を主導しました。○○の計画は港湾計画の改訂につながるものなので局長、計画担当部長、課長、事業係長と計画係長の私の5人で協議しながら進めました。局長からは、○○に基幹航路のコンテナ船を誘致する方策を考えるよう指示がありました。
:計画を立てるに当たって最も苦労したのは、(以下想定質問のとおり)。
:私は、○○から他港にトランシップされている(以下想定のとおり)。
:大型コンテナ船は、(以下想定のとおり)日数的に速く、経費も相当安いことがわかりました。
:○○はXX国との間にかなりの便数の定期コンテナ航路を持っていますので、トランシップは不可能ではないと思いました。
B:技術士は人に言われた事をするのではなく独自の発想が必要ですが、あなたは局長の指示に従って作業しただけではないですか。
:局長からの課題に対して、基幹航路が成り立つことを調べて計画を提案している。このような大きな計画を進めただけでも価値はあると思っています。
C(コンサル?):航路ネットワークはどんなルートですか。○○がラストポートになるのですか。
:上海から高雄を経て釜山、神戸、東京湾が普通だと思います。急ぐ場合は日本海から津軽海峡を抜けるコースもあるそうです。○○がラストポートになることはないと思います。
A:あなたの自治体に港湾の技術士はいないのですか?
:私の知る限りいません。
C:××橋の計画ではルートと構造の決定を行ったとありますが、どんな役割でしたか。
:私は道路の経験も長かったので、進め方については任されました。
:最も苦労したのは、(以下想定のとおり)
:技術的には、(以下想定のとおり)。
C:道路の計画はすらすら述べているのに詳述は港の計画ですか。
C:∇∇コンテナターミナルのオープンはいつですか。
:昭和54年です。
C:そうすると20年ですか。どんなふうに進めたのですか。
:現場の事業者にヒアリングしながら計画しました。苦労したのは、(以下想定のとおり)。
C:終了後、使用料を上げなかったのですか。
:かなり投資はしましたが、事業者は逆に減免を願い出ていました。
D(建設会社?):専門の施工論文では、工事の検査や会計検査が細かいところまで見すぎるので云々は私も同感ですが、具体的にはどうしたらよいと思いますか。
:業者に技術力を発揮させる必要があると思います。役所の工事設計書は、(以下想定のとおり)。
:例として60年持たせなさいという性能を求めて発注すれば、造ると思います。
D:その場合材料の検査などはどうなりますか。
:例えばコンクリートなら、(以下想定のとおり)。瑕疵担保期間を30年程度取ればそれに見合ったものを造ると思います。
D:そうすると保険料が高くなり負担が増えてコストが上がるのでは?
:業者は、工事期間中しか保険をかけていないので大丈夫だと思います。
A(司会):最後に守るべき項目がいくつかありますが、項目だけで結構ですから、述べてください。
感想:専門の試験で港湾の調査、設計等から3分野選んで記述するところで、年によって2または3分野があり、今年は3分野の年だったのに見落として2分野しか用意していなくて、その場で慌てて施工を選んで書いた。試験後その復元もしていなかったのに口頭試験で聞かれて、「あっ、そんなこと書いていたのか」とぼんやり思い出しながら、答えは日頃思っていることを勝手に主張してしまった。また、港湾計画についても相当厳しい質問だったのであまり自信がなかったが、結果は合格で、とにかく嬉しかった。
技術士2次試験 口答試験 概要
平成14年12月12日 9:30〜
渋谷 フォーラム8
8:30に受付終了、控え室にて待つ。同じ時間帯に受ける方が7〜8名がいた。一人、国交省のキャリアの方がいた。皆、港湾・空港の受験者なのだろう。
試験官A:受験動機、技術士制度に関する質問担当
試験官B:経験論文の担当
試験官C:選択科目(今後の空港整備のあり方)担当
試験官D:経験論文の担当
全員紳士的で、感じが良かった。Dの方だけ(どこかで見たことがある)は眼光が鋭かった。
(試験でのやり取り)
試験官A:何回目の受験でしょうか。
私 :2回目です。昨年は落ちました。
試験官A:昨年度の失敗の原因は。
私 :準備不足です。試験場にも圧倒されて思うように行きませんでした。
試験官A:動機は?発注者側なので必要性はないと思うが。
私 :計画を担当しているため、管制官、航空会社等との打ち合わせが数多くあります。安心感を与え、信頼を得て業務する必要があると常々考えていましたので技術士を受験することとしました。
試験官B:○○空港の○○回/時の発着回数は世界的に見てどうなのか。
私 :能力的にはもっと多いところがあるようです。クロースパラレルを利用して着陸地点を前後させることで航空機の着陸間隔を短くしているところもあります。
(首を傾げられた。滑走路1本の能力と空港能力を勘違いして応えたようだ。マズイ)
試験官B:高速脱出誘導路ですが、地方空港などは一般的に@500m程度で整備されていますが、適切な位置(1箇所)にさえあれば他は必要ないのではないのか。
私 :大中小と色々な機材が使用されるため必要である。発着回数の少ない地方空港でもピーク時には離着陸が集中した場合には、機材の大きさ別に配置された高速脱出誘導路は処理能力向上に役立つ。
試験官B:では、200mピッチで作ってしまえば良いということか。
私 :そうではありません。パイロットから見れば出口が多くなるとわかりずらくなりますので、適切な配置が望まれます。
試験官B:処理能力の向上策として他にはなかったのか。
私 :ガトウィック空港で離脱誘導路を灯火及び標識で位置表示するシステムがありましたが、これは評価段階ということもあり実行には至りませんでした。
試験官B:世界に先駆けて、実施している向上策はないのか。
私 :現在はありません。しかし、今後実態調査を予定していますので、新たな問題、課題に対しての対策をとりたいと考えます。
試験官B:○○地区での色々対策をとっていますが、他の空港で使えるシステムはあるのか。
私 :○○での確実に航空機を停止させるための○○が使い勝手があるかと思います。非常にクリアランスが厳しいところで停止させるためには有効な施設と考えます。
試験官C:欧米ではハブアンドスポークから、地方and地方に変わってきているが、たとえば日本ではどう考えるか。
私 :地方−地方が就航するためには需要が必要。そのためには経済の発展により地方都市が活性化し、人・物の動きが活発になる必要があると考える。そのためには、現状のハブアンドスポークを維持し、首都圏の空港能力の拡大を図る必要があり、地方と首都圏の航空路を充実させ地方都市の活性化を図る必要がある。
試験官C:国は地方空港の空港整備を中止したが、地方−地方の路線はなくなるのではないか。
私 :首都圏の高容量を増加させ、地方都市の活性化を図る必要がある。
試験官C:航空会社の高コスト体質の是正のため空港使用料を低減とはどういうことか。
私 :UALも高コストが一因で破綻しています。空港使用料の低減で、利用者負担を少なくすることがコスト低減の要因のひとつになると考えます。このため、空港側は収入を落とすわけには行かないので非航空部門での収入を増やす必要があります。
試験官C:NLAについて色々書いてありますが、基準以下でもOKと考えているとはどういうことか.
私 :スキポールで検証されています。誘導路間隔が基準以下でも航空機の走行には極めて影響の少ないことから、既存の誘導路間隔で使用することが可能と聞いています。
試験官A:義務と責務を述べてください。
私 :信用失墜の禁止、名称表示の場合の義務、秘密保持の義務、資質向上の責務、秘密保持の責務
試験官A:海外で仕事するチャンスもあると思うが、どうか。
私 :資格相互承認を有効に使いたい。以 上
日時:平成16年12月8日(月)13:37〜14:00
場所:フォーラムエイト 渋谷区道玄坂2−10−7 新太宗ビル1号館
受付 7階774号室前 控室 8階806号室
B:技術士を受けた動機は?
→:技術士は、我が国の技術者として最高の資格であり、挑戦することで、大いに自己の研鑽になると同時に、自分の力を確認することができるものと考えています。
すでに、建設部門の他の科目で取得していますが、出向していた時に、環境に恵まれたこともあって、空港に係る技術士にふさわしい仕事をさせて貰ったという思いがあり、この科目でも取得したいと考えました。
B:他の科目で技術士はいつ取ったのか?
→:昨年です。
B:今やっている仕事は?
→:(省略)
B:出向から戻っている訳だが、技術士を取っても、今後、それを使う場面はないのではないか。
→:出資しており、再び出向する機会はあると思います。
私は、維持管理や事業運営にも興味があるので、チャンスがあれば、出向を希望したいと考えています。
D:経験論文を読んだけれど、売りが答案に書かれたようなトラック待機場というのはピンと来ない。それだけなのか。
→:空港側は、貨物取扱の高速化によるリードタイム短縮を、低コストで実現することを目指しており、そのために、例えば上屋内では、これは上屋を運営する航空会社からの要望に沿った形ですが、輸出と輸入の両方を扱う輸出入一体型としています。他の空港では、最近は変わってきているものの、当初は輸出と輸入を分離した上屋となっており、上屋内の運営方法について、まずは効率的な形としています。
そして上屋前面のトラックヤードの混雑が問題となっているので、トラックが前面道路に溢れないようにすることで、リードタイムの短縮を図る、ということを実現しようとしました。
D:答案に書かれたような形のトラック待機場が解決策であるとして、それを裏付けるような数字については答案に書かれていないが、計算などはしているのか。
→:(具体的な計算内容について説明)
計算ではありますが、他空港の上屋では、上屋前面だけでなく、道路の向こう側に停車スペースを確保していることや、フォワーダーの感覚とも合致していたことから、これでよいと考えました。
D:答案に書かれたような形のトラック待機場は今後の貨物ターミナルの形になるのか。
→:既存空港では無理だと思いますが、新しい空港ではこの形が良いと考えています。
D:ソフト面で効率的な運営を図る必要があると言うが、これは、誰が行うのか。
→:空港側です。
D:運営の仕組みはもう出来上がったのか。
→:今、作っているところ、と聞いています。
A:専門科目についてだが、航空貨物について書いているのは珍しい訳だが、航空貨物の重要性の観点から、関空や中部について滑走路が2本必要と書いていて、関空は決まった訳ではないがまず2本目の滑走路ができるのは間違いないが、できた後に、本当に必要だといえる状況になるのか、そこら辺についての考えは。
→:今想定されている需要予測、交通政策審議会で検討されている需要予測では、貨物については国際貨物については、年4%とか、4.5%という伸び率としていますが、それを実現していくとすると、成田は発着便数の頭打ちということがあるので、それを補う形で関空が伸びていかないと達成できないことになるので、関空の貨物量は伸びてゆかざるを得ないと考えます。
A:技術士としては、貨物だけじゃだめなので、旅客についても聞きたいのだが、旅客について何か考えるところはあるか。
→:これから中部が開港すると、国際と国内が直結する拠点空港ができるということで、利便性の高い空港についての意識が高まることになると思います。とすると、やはり、成田と羽田の関係についていうと、利便性からは羽田、ということになるので、千葉県民への配慮も必要ですが、成田と羽田の住み分けができると良いと考えています。
B:建設一般について、社会資本整備について書いているが、社会資本整備として見たときに、中部国際空港については、決めるときに本当に必要なのかというような議論もあったが、どう考えるか。
→:貨物については、トヨタ自動車はじめ製造拠点を抱えており、関東地域にはかないませんがそれでも日本全体の25%の貨物を輸出していますし、もともと貨物空港としての期待が大きい訳です。また、旅客についても名古屋周辺で大規模な人口を抱えており、十分ニーズはありますし、実際、一旦名古屋空港から成田へ飛行機で行ってから海外に行くというのは不便ですから、必要と考えます。
B:活力ある日本を作るためには、地方が個性を発揮して主体的に進めてゆく必要がある、と書いているが、昨今、三位一体、ということもあるが、そのような場合、国の役割分担はどのようになると考えるか。
→:地方が頑張ると、いろいろ出てきて、全体で考えると、バランスがとれなくなるような部分もあると思います。国は、全体のバランスをとるし、地域を越えて行う必要があるような事柄を行うことになると考えます。
B:では、主体はあくまでも地方、と考えるのか。
→:そう考えます。
C:今までの仕事の中で、板ばさみになったようなことはあるか。空港に限らず。
→:(暫く考えた後)、貨物地区の基本計画で、エアラインの意向が全体の方向と噛み合わずに、調整に苦労したことです。
C:これからの技術士の役割は。
→:企業内の技術士としては、コンプライアンス対応ということだと考えます。
C:今やっている仕事で、そのようなことはあるか。
→:建物関係では耐震関係や豪雨対策に取り組んでいます。また、設備計画面では保全予防ということを意識しています。
C:会社の中での技術士の位置づけは。
→:技術士建設部門の第2次試験合格者等を設計管理者として置くことによって「認定事業者」となり、法に基づく工事計画申請等の手続きが簡略化されますので、責任ある立場には必須の資格として取得に力を入れています。
技術士法に関して全く質問されず、最後まで到達しなかったのか、とも思いましたが、結果は合格でした。
以上
【口頭試験背景】
日時:平成17年12月13日(火)
場所:フォーラム8 5F
時間:呼び出しから退出まで27分程度
個人データ:30代半ば、建設会社勤務、2回目、建設部門−港湾及び空港
【試験官】
試験官:4名(左からA,B,C,Dとする)
A氏:専門U担当(45位、研究者タイプ)
B氏:専門T担当(50前半、大学教授タイプ)
C氏:経歴と資質、建設一般担当、司会進行役(40後半、国交省タイプ)
D氏:経験論文担当(50前半、ゼネコンタイプ)
【口頭試験再現】
入室後、荷物を置き、椅子の横に立ち挨拶
C「お座り下さい。最初に経歴のご確認をさせていただきますが、平成○年に大学を卒業され、そして○○会社に入社されました。社会人としての経歴は平成○年4月からなられたということで間違いないですね」
C「技術士になろうとした目的や動機は何ですか」
C「技術士を取得した場合、社内での評価や処遇面での変化はありますか」
D「まず、業務経験Tの方ですが、この業務の組織体制と、その中でのあなたの立場を教えて下さい」
D「実務のトップとして現場に出て、これらのことを行っていたのですか」
D「経歴書中の○○部署で、工事の施工計画や検討を行ってらっしゃいますが、そこでは、どのようなことを調べ、何が問題となって、そして計画に反映されたか目的や経緯などを教えて下さい」
D業務経験T中の確認事項を4問
D「つづいて業務Uの事例ですが、これも先ほどと同様に、施工体制と組織におけるあなたの立場をお話下さい」
D「(業務U中の創意工夫について)私も現場でこういう問題が起こるんですけど、このアイデアは誰が発案したのですか」
D業務経験T中の確認事項を3問
B「専門論文についてですが、東アジアとの交流深化について、ご回答されておられます。その中で、国の施策に関することが多く述べられていますが、施工業者として、これらの政策に関わることはあるのですか」
B「どういう手段で確認されていますか」
B「どのような機関のHPを閲覧されているのですか」
B「答案ではソフト施策について述べられておりますが、競争力を向上させるうえで、必要なハード整備についてお答え下さい」
B「港湾が多すぎるからいらないと言われていますが、それについてはどう思いますか」
B「論文中に相対的地位の低下という文言があります。基本的なことになりますが、東アジア諸国の成長著しい港湾の名前を挙げてください。」
A「専門Uの論文の方ですが、これに関する質問の前に、港湾技術上でどのようなことが今後重要になってくると思いますか」
A「建設副産物などを利用するときには、どういった技術的課題がありますか」
A専門Uで回答した事項に関する質問が3問
C「建設一般で、災害に強い国づくりを選択されておられますが、災害に強い港湾を築くためにはどんなハード整備が必要だと思いますか」
C「技術士法では、技術士には守らなければならないいくつかの義務と責務が課せられます。どのようなものがあるか列挙して下さい」
C「最後にお尋ねしますが、国交省ではスーパー中枢港湾の整備を重点施策として掲げ、そして、港湾のサービス水準の目標を定めておりますが、その目標について、ご存じのところを列挙して下さい」
C「以上で終わります」
礼を言い、退出
【試験を終えて雑感】
思ったほど緊張はしなかった。(控え室でも)
試問は、完全分業制?で進められ、所定の質問が終わると、次の人へ移項するというものであった。そのためか、淡々と試験は進行したような感じがする。
発言のまとまりの無さが目立った。一度質問を飲み込んで整理してから、回答するようにしないとダメだと思った。
間違った回答やど忘れが数カ所あった。「すぐ勉強します」と言えなかった。
論文で記述した内容については、一字一句の裏付けも必要であるが、それと派生した関連内容も押さえるべきであると痛感した。
どんなにQ&Aを作成していても、よほど冷静でないと必ず地が出る。また、しっかりした知識として定着していないと、すぐに回答がでてこない。常日頃から、論理的に話す癖を付けなければならないと感じた。
自信を持って答えた回答と、そうでない回答の違いが明確であったと思う。もっとはっきり最後まで発言すべきだった。
【今後受験に臨まれる皆様へ】
口頭試験は、筆記合格後、限られた時間での準備が余儀なくされるため、筆記試験時よりも濃縮した時間を過ごすことになります。しかし、苦労した分だけ有意義な時間を過ごすことができると思います。
私は神経質な方なので、復元した論文を元に200問を超えるQ&Aを作成しました。しかし、実際には、その中から1〜2問質問されたに過ぎませんでした(経歴や3義務等の基本的事項は除く)。
このことは、一見すると無駄な努力と思われますが、この期間に得られた知識や記憶の刷新などの効果を考えると本当に有効だったと思います。
面接の練習については、口頭試験前に上司や同僚などに頼んで、模擬面接をされると良いと思います。私は、そういった練習ができなかったので、等身大の鏡を前にして、一人二役の面接練習を行いました。
これは、発声練習という意味ではかなり有効だったと思います。実際の面接時でも頭でまとまらないままでも、それなりのことが喋れました。
いずれにしても難関の筆記試験を通過されてきたのですから、準備を怠らず自信を持って臨んで下さい。
最後になりましたが、技術士試験を通じて支援指導して下さった皆様、メールで丁寧にご教示下さったAPEC様、そして、家族に深く感謝いたします。ありがとうございました。