口頭試験体験記 | 総合技術監理部門/建設系科目 (平成18年度以前) |
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日 時: 平成14年2月2日(土) 13:00〜13:30
場 所: 東京都 渋谷区 道玄坂 フォーラムエイト
試験官: 2名 1名はゼネコン(質問内容から判断) 1名はコンサル会社?
質問内容
1. あなたの経歴を述べて下さい。
申込書に記述した内容を具体的に説明
2. この総合技術監理部門受験の動機を説明して下さい。
複合分野の課題解決業の増加、技術主管部署の業務上必要性
3. 施工計画、施工設備及び積算
○○火力発電所の鋼矢板セル護岸設計業務 特に基準と異なる形状の場合に対処したこと。経済性追求の方法、安全性の確認、数値解析、載荷試験方法など複合的管理が必要であった。
4.石炭灰の活用方法についてその現状と問題点は。
社会環境面からの回答を求められていると解釈した。現状はほとんどセメント会社に依存している。全く新しい視点で、FSコンクリート(スラグとフライアッシュを主材料としたコンクリート)や高流動配合のコンクリートへの活用を模索している。ただし灰生産量と比較し、使用量は少ない。関連質問で灰捨地の活用法について。土地は平らにして覆土 何を作るかは聞いていない。地盤性状は 部分的にはポゾラン反応で固化する部分もあるがそれ以外は軟弱地盤で液状化もする。構造物を構築するなら改良を要する。
5.学会発表の経験は
論文賞に掲載されるレベルのものはないが、年1回の年次講演には5〜6回程度は発表している。
6.経歴書に技術教育とあるが、具体的に何を行っているか
設計を支援するソフトウエアがあるが、その使用にあたって基本的考え方や解析条件の決定方法について集合教育で教えている。内容は、地震応答解析、斜面安定、有限要素法等である。年間3日間程度である。
関連質問で
テキストはどうしているか。 自分で資料を集めて作成している。
講師はどうしているのか。 私が自ら実施している。
7.論文の中で情報管理は重要でとの表現をしているが、具体的にはどういうことか
情報管理で重要な点は、発信側で不安をあおるようなものと、きちんと知ってほしいものとある。きちんと知ってほしいものの発信が不足している気がしている。特に以前の職場で、ダム管理に従事したとき河川放流の安全情報伝達において痛感した。本当のことを知ってもらい、そのうえで判断を求めたいと何度も感じた。
8.技術士の倫理が問題となっているが、倫理とはどう考えるか
急に哲学的になり困ったが、良いこと悪いことの「けじめ」をきちんとつけることであると考える。
9.技術士の義務について
信用失墜行為の禁止、部門表示、守秘義務、公益の確保、資質向上の責務 、守秘義務については瞬間的に忘れ、試験官に助けてもらった。以 上
試験官は、2人でA試験官は専門外、B試験官は専門家(土質)、A試験官から前半後半は私が質問し、中間は専門家のB試験官が質問しますと説明があった。
1.現在までの経歴と現在どんなことをしているか(A)
2.受験動機(A)
3.技術士と総合監理部門の技術士とどう違うか(A)
4.自己研鑽はどのようにしているか(A)
5.業務の中で失敗例を一つあげて、その対策を述べてください。(A)
6.学会での論文発表や学会活動の経験があるか(A)
7.信頼性設計をやっているが、どのような内容か(B)
8.地盤のばらつきは、地盤そのものと人的要因があるが、人的要因はどのようにしているか(B)
9.人的要因を回避するPDCAはどうしたか(B)
10.論文の中で述べている環境への影響(周辺地盤の沈下)が判明したときどのように対応するか(A)
11.技術士の義務責務について述べてください。その中で何が重要と思っていてどのように考えやっているか。(A)
12.○○県で長く仕事をやっているが、○○県での地盤の特徴の中で何がポイントだと思いますか(B)
13.総合監理の技術士となったらどのようにやっていこうと考えていますか(A)
以上のような内容でした。自分の考えをすべてしゃべってきたので自己満足しています。結果を楽しみに?皆さんの参考になれば幸いです。
8:20受付。10階の受験生控室を指示される。9:00案内嬢の呼出。他の総合技術監理受験生は受験番号+名前を呼ばれているが、私は名前のみ。建設部門と併願しているので2つも番号を読むのが面倒だからであろう。エレベーターがなかなか来ず案内嬢あせる。「階段で行っても宜しいですか?」「はい。」階段を登るが、11階で階段がなくなる。仕方がないので再びエレベーターで12階へ。このハプニングで時間を取ってしまった。9:03入室。
試験官は3名(交代はなし、最後までこのメンバーのまま)
A氏: 口頭試験の主査。建設部門の人らしいがコンクリートの専門ではない。コンサルか大学関係者風。50代。柔和そう。
B氏: 総合技術監理に関する質問担当。建設部門の人間ではない。50代。一見技術者ではないような感じも受ける。
C氏: コンクリートの専門的質問担当。大手コンサル風。ゼネコンの可能性もあり。50代。眼光鋭い。切れ者か?
最初に、A氏より、口頭試験の内容と順序について説明があった。
まず、@技術士制度など一般的な事項について、その後、A専門のコンクリートについて、そして、B総合技術監理についてという順番で行いますとのこと。頷き具合を見ていると、@−A氏、A−C氏、B−B氏が質問するようだ。以下質問内容。
QA1:技術士という資格がどのように使われているかご存知でしたか?
Ans.:経歴書にも記載のある通りで、海外が長かったもので正直に申し上げて、技術士がどのようなものか、社会的ステータスはどのくらいのものか、帰国するまで全く知りませんでした。海外では日本の技術士資格は全く評価されていませんでした。
QA2:技術士の守らなければならない義務や責務について知っていますか?項目だけで結構です。
Ans.:3義務+2責務を答える。
QA3:会社の中では技術士はどのような存在ですか?
Ans.:当社には400〜500名の技術士がおり、私の所属している部署でも受験資格のある人間の半数以上が技術士資格を有しております。従いまして、社内では特別な資格とは思われていませんし、一時金、手当等も一切支給されません。
QA4:今回が初めての受験ですね?
Ans.:はい。そうです。
QA5:海外ではPE資格などがありますが、何か資格を持っていますか?
Ans.:昨年、米国PEの1次試験に当たるFE試験を受験して合格しました。今年の4月に米軍横須賀基地でPEの試験を受験する予定です。
QA6:経験論文で詳述された内容について、再度お話し下さい。
Ans.:設問がこれだけでなく、○○や△△(内容は失念)についても含めて、という訊き方だったので、経験論文そのものではなく、回りくどい説明となってしまった。
QA7:どのような点が技術士に相応しいと思いますか?
Ans.:人的、物質的に限られたリソースの中で工程と品質を確保したこと、また、これまで寒中コンクリートの強度予測にしか用いられてこなかった積算温度の考え方を、早期強度が必要なコンクリートに応用し、最適配合選択システムを機能させたことです。(緊張していたのか、同じことを2回言ってしまった。上記2つは重複している。本当は、ローカルの人的資源開発に寄与した、というつもりで答えを用意していたが出てこなかった。)
QA8:無償援助工事を経験されたようですが、現在のODAのシステム及び日本国への効果・貢献についてどのように考えますか?
Ans.:日本の外交戦略を仮に、「援助を供与することで友好関係を結び、将来日本が安保理の常任国入りを目指す時には是非1票を。但し、供与した分は日本国籍の企業にリターンしますよ。」ということであれば、(ここで3氏とも笑い)、そのような方法論も限界にきているかもしれません。と申しますのはODAのうち、特に有償援助についてはアンタイド化が進んでおり、日本国民の血税をつぎ込んで他国の企業に仕事を与えるような結果になることが多いからです。無償については日系企業だけでの競争になりますので、日本国にとってはその有効性を保持していると思います。
QA9:日本の建設会社にとっても無償の方が良いのでしょうね?
Ans.:競争がし易いという意味ではその通りです。しかしながら、無償は金額も小さく、プロジェクトの数も多くはありません。
QA10:今後のODAはどの様になっていくと思いますか?
Ans.:私見ですが、そろそろ外交戦略そのものの根本を見直す時期ではないかと思います。何も変えないのであれば、現状が縮小しながら継続すると思います。
QA10:○○国にもおられたようですね。○○国の首都は建設ラッシュのようですが、何かあなた自身の参考になるような現場を見たことがありますか?特にプレキャスト形式の工事についてどうですか?
Ans.:プレキャストセグメントを用いる橋梁では、ドイツのB社が受注していた高速道路工事や、P橋の下請けと同じ会社が請負っていた市内新交通システムのためのプレキャスト桁のヘビー・リフティングの現場を見たことがあります。
QA11:どのような点が参考になると思いましたか?
Ans.:特にB社のスパン・バイ・スパン方式の架設計画のアイデアとその架設スピードには驚きました。
QC1:L国で建設されたというP橋は、プレキャストセグメント形式のPC橋梁だそうですが、製作はどのようにしましたか?ロングライン方式ですか?ショートライン方式ですか?ロングラインやショートラインという言葉を知っていますか?あなたは自分自身でやるのは初めてでしたか?
Ans.:はい。ロングライン方式を採用しました。私自身は初めてでしたが、当社ではよくやっていたと思います。
QC2:○○建設さんではロングライン方式でのセグメント製作をよくやっているのですか?本当ですか?(どこで?どんな風に?と続きそうな勢い。)
Ans.:たくさんではないですが国内でもいくつかロングライン方式を採用していたと思います。
QC3:ロングライン方式、ショートライン方式の違いを説明して下さい。
Ans.:ロングライン方式は1スパン或いは半スパンのキャスティング・ベッドを作成して、その上で型枠を移動させてセグメントを順次打ち足していく方法です。ショートライン方式は、2つのセグメント分のヤードで前後の相対関係をチェックしながら、1つ打設する度に前のセグメントを仮置き場に移動させて、次のセグメントを打設していく方法です。ロングラインでは出来形のイメージを持って常に原点との絶対比較で座標をコントロールできるのに比べ、ショートラインではあくまで前後2つずつのセグメントの相対関係の総計としてしか出来形が把握できないため、線形管理が難しくなります。ショートラインで測量誤差の蓄積があったりすると、架設時の線形管理は非常に困難になります。
QC4:P橋でロングライン方式を採用した理由は?
Ans.:作業員の熟練度に問題があるので、線形管理の容易なロングライン方式を採用しました。
QC5:日本ではショートライン方式が普通ですが、何故、線形管理の容易なロングライン方式が用いられていないと思いますか?
Ans.:日本国内では仮設ヤードのスペースが十分にとれないという、用地的な問題が要因だと思います。
QC6:現場での失敗や不具合はありましたか?それはどの様なことですか?
Ans.:(失敗例は用意していたが、それは総合技術監理の部分であり、ここで訊かれるとは予想しておらずあせった。PCグラウトについて言えばよかったと後で思ったが当日はプレストレス導入時にセグメントが局所的に圧壊したことを話した。うまく説明が出来なかった部分のひとつ。)
QB1:最近、技術者(技術士ではない)の倫理が問われるような問題として、どの様なことがありましたか?時間的には遡っても結構です。
Ans.:海外に居たときに向こうでも話題になっていたことの一つに東海村の原子力施設の事故がありました。技術者がどのような役割を果たしていたのかは知りませんが、手順書の作成や照査、承認といった手続のチェックが出来ていれば、防ぐことができたものと考えられます。末端で作業に従事する人間の一存で作業手順を変更できるとしたら、そのようなことを許すシステムと管理自体に問題があると思います。
QB2:現実的には経済性のうち、コストと品質が相反するというケースが事象としては一番多いと思いますし、経営者からはコストダウンを指示されることと思いますが、技術者としてどの様に品質にこだわりますか?最適な品質とはどの様なものでしょうか?意見を聞かせて下さい。
Ans.:客先の要求する機能や品質を満たす最低の品質を達成することがコスト減につながりますので、客先の満足を考えながら品質にこだわることとなると思います。勿論、客先が気づいていない点や、改善点を提案し続けることも重要だと思います。
QB3:経営者や客先に対して相反する事項をどの様にして説明・説得しますか?
Ans.:社内では私自身が大した権限を持たされていませんので、経営者と直接話をする機会も無いのですが、相反する事項の例として環境とコストを取上げますと、短期的には環境保全に金をかけるということはコスト増になりますが、環境保全に対して積極的に取組んでいるという優良企業のイメージとそれからもたらされる新しい売上・利益も長期的にはあると思いますので、この辺りのことを経営者・客先にも積極的に説明・説得したいと思います。今の経営者は半期毎の決算の数字合わせに汲々し過ぎていると思います。
QB4:TQCは知っていますか?○○建設さんはデミング賞を取られていますよね。
Ans.:はい。当社がTQCでデミング賞を取得したことは知っています。しかし、私が入社する前のことでしたので、会社としての取組みがどのようなものであったかは存じません。TQCは昭和50年代の建設業冬の時代に取組んでいたことですので。(と言って、知らない話題を避けようとしたのだが・・)
QB5:そうですね。TQCが盛んに行われたのは50年代後半でした。ではISOはご存知ですか?
Ans.:はい。私自身がISO9000の認証を受ける際のサーベイランス対象現場で対応をしていました。
QB6:では、ISOとTQCの違いは何だと考えていますか?
Ans.:TQCには詳しくないのですが私なりの考えを述べますと、TQCは作業の末端レベルでの業務改善・工夫の集大成、つまり完全ボトムアップ方式であり、ISOは経営者の方針や責任がより強く反映されるシステムであると理解しております。
QB7:アカウンタビリティーについて伺います。建設業の場合、建設地周辺住民に対する説明責任も重要だと思われますが、できる限り多くの情報を公開するべきであると考えますか?私はそうではないと思うのですが、あなたの意見を聞かせて下さい。
Ans.:情報公開は大切ですが、全てを公開する必要もないと思います。特に地元住民にとっては、彼らが専門家並に自分で努力して知識を付けて理解しようと努めるとは考え難く、情報過多になって却って混乱させてしまう危険性もあると思います。
QB8:建設業界では利権と言いますか、不正行為がなくならないようですね。政治的という意味ではなくて、この辺りのことをどのように考えますか?
Ans.:仮に、私が10億円の工事を担当していたとしたら、数百万円の金をひねり出すことは簡単だと思います。(この発言で、3氏ともギョッとした様子。しまったと思ったが発言は取消すことも出来ず、話の方向を変えることを画策。)と申しますのは、日本では標準歩掛りや標準単価による積算が行われており、見積が本当のNETになっていないからです。海外ではそういう標準積算がありませんので、入札金額に劇的な差が生じます。公共工事でも最低価格制度を撤廃するということも必要なのではないかと思います。(その他にも似たようなことをツラツラと必死に繰返した。)とにかく、入札・契約のシステムを見直さないと、利権に敏い政治家たちはその温床に巣食ってしまうと思います。
QB9:日本の入札や契約のシステムが不備だと考えているようですが、ではどういう方向性になればよいと思いますか?また、そのために、技術者は何をどの様にすれば良いのでしょうか?
Ans.:入札や契約のシステムを決めるのが政治家や官僚であるなら、技術者としてできることはとにかく「何にいくらかかるのか」本当の原価を突き詰めることだと思います。そして、来るべき大競争時代に本当のNETで勝負することだと考えます。
QB10:○○建設さんのような大企業の場合、建設現場で監督するといっても直接手を下すことは殆どなく、下請・孫請という階層的な間接管理にならざるを得ないと思いますが、末端へのコミュニケーションはどの様にしますか?JCOのように現場で作業する人間が勝手にやり方を変えていても気づかないようなケースもでてきてしまうのではないですか?
Ans.:残念ながらその可能性はあります。実際問題として現場配属の職員の仕事は、折衝と手配で手一杯となってしまい、直接現場を看る時間は減る一方です。施工計画を立て、手順書を書くところまではやりますが、それを確実に実行させる管理が弱くなってきているかもしれません。
QB11: 海外の場合はどうですか?いろいろな場所で仕事をされているようですが、どのようなコミュニケーションを図ってきましたか?
Ans.:現場の末端で作業する人間とコミュニケーションをとるためには直接話をする以外にありません。ですから、私も中国語は自身で勉強して身につけました。M国など旧イギリス領では英語を話せる人間も相対的に多いので、彼らを通して話をするという間接的会話になります。
B氏、続けて質問が出かかったが、C氏よりそろそろ時間では、と言われ、A氏が決断、「ではこれで終わります。お疲れさまでした。」「ありがとうございました。失礼致します。」
部屋を出て時計を見る。9:45だった。40分強の試験時間だったことになる。
時間的配分としては、建設部門としての口頭試験(@技術士制度など一般的な事項について、A専門のコンクリートについて)に20分、総合技術監理としての口頭試験に20分というところであった。役割分担が決まっていたようで、一人が質問する間は他の2人は黙って頷くか、経歴書や筆記試験答案、質問マニュアルを見ながら自分の質問を考えたり、私の受答えの採点をしていたようだった。従って、訊かれたことについてはその質問を発した試験官だけを相手に話せばよく、あちらを見たりこちらを見たりということは必要なかった。
質問内容や私の答えに対する反応は大体挨拶時に一見した通りだった。A氏の質問は建設部門の技術士としての一般事項が多かったが、A氏自身も海外経験があるようで、海外資格やTH国での建設事情について訊かれた。
C氏はコンクリートの専門家として紹介されていたが、C氏自身が多種多様なコンクリート構造物に対する見識が豊富で、単なるコンクリート専門家なら知る人の少ない、LNG地下タンクやプレキャストセグメント形式のPC橋梁についてもかなり訊かれた。ただ、生コンプラントの運営や管理については全く経験したことがないようで、何も訊かれなかった。簡単すぎると思ったのか、マスコンについても質問はゼロ。海外の規格についても訊かれる可能性があると思って、資料を読み返しある程度憶えていったが質問なし。
B氏のような質問を浴びせられると、他人から借りてきたような経験論文だと対処できないだろう。やはり自分の経験を練り上げて何とか技術士の経験論文のレベルまで引き上げて書くべきである。B氏は多様な経験をしていると自称している私の知識や経験が本当に自分のものかどうか試すために、このようなコンクリート技術らしからぬ(?)質問を多くしたのかもしれない。
B氏は質問が抽象的でその意図が掴み難かった。しかし、「総合技術監理部門の質問は抽象的であり、自分自身の考え方や具体的な対処法を訊かれている。」ということは試験日程の前半の受験者から聞いて知っていたので、質問自体を問質すことはせず、自分勝手にしゃべることにした。雰囲気も和んできたので気が緩み、つい余計なこと(贈賄資金の捻出が可能である、と発言したこと)を言ってしまったが、救いなのは、これが「倫理的にどう思いますか」という質問でなかったことである。私は倫理的な是非ではなく、現在の入札・契約システムの中では構造的に可能であるという論旨展開にもっていくことに一応成功したと思う。
総合技術監理ではもっと具体的なこと、例えば、経験した業務を総合技術監理の視点で述べよ、とか、リスクマネジメントの具体例を述べよ、失敗例と対策を述べよ、という設問が為されると予想していたが、抽象的な話に終始した。一つくらい「具体例としては・・・」として自分から発言した方が良かったかもしれない。
日時:平成14年1月31日 14時30分〜15時00分
試験会場:フォーラムエイト7F−774号(渋谷区道玄坂)
当日は、寒いながらも晴れていて比較的穏やかな天気でした。約1時間前に受付を済ませ、建設部門のときよりやや狭い待合室で待ちました。すでに20〜30人が沈鬱な表情で静かに座っていました。私の印象では、自分より若そうな人は余り居ない感じでした。50才位が平均に見えました。試験官は、40才位のキャリア風の人と、問題の作成者か編集者といった感じの人(少し神経質そう)の2名でした。
1. これまでの経歴について
2. 体験業務の中で総合技術監理にふさわしいもの、また、その理由
3. エイペックエンジニアについて
4. CPDへの取り組みについて
5. 社名が設計屋らしくないが
6. 会社の中での情報管理について
7. 環境保全と経済性のトレードオフ対策
8. 道路分野での環境への影響とは
9. 技術士の倫理要綱とは
10. 技術士の義務・責務について
11. 公益確保の責務を具体的に
12. 業務実施の上で心がけていること
13. 部下・同僚への指導の状況
以上のような内容でしたが、比較的に和やかな感じでした。※他の人から聞いた情報などを参考に整理すると、だいたい3つのパターンがあったようです。青本の内容を突っ込んで聞かれた人、論文の内容について突っ込んで聞かれた人、そして、私の場合のような一般的な内容の質問の人となるようでした。
1.日 時 平成14年1月31日 10時30分〜11時
2.場 所 渋谷区 フォ−ラムエイト 8階
3.試験官 2名(1名が総合的質問、もう1名は道路関連)
4.質問内容
○はじめに口頭試験の内容を説明される。
・ 時間が25分程度であること
・ 答えにくい質問もあるかもしれないが、緊張しないように
・ 初めに緊張をほぐしてくれるような感じだった。
<技術士として>
@受験の動機を教えてください。
Aいつ技術士をとりましたか?
Bこの資格を取ったら、どう活用したいですか?
C技術士にふさわしい業務は?
D失敗例はありますか?
E倫理規定について、どう考えていますか?
FCPDはどのように実践していますか?
<建設コンサルタントに関して>
G建設コンサルタントの今後の展開はどうあるべきだと思いますか?
H海外コンサルタントの進出について、どう思われますか?
Iプロポ−ザル業務はどのくらいの割合で特定されるか?また、技術提案書作成の際の留意点は?
<道路関係>
Jこれからの道路整備はどうあるべきだと思いますか?
KITSの技術についてどう活用すべきだと思いますか?
<総合技術管理部門について>
Lナレッジマネジメントはどう対応しているか?
M部下の育成についてはどう考えているか?
<技術士法について>
N技術士の1次試験が必須となった理由は?
○試験を受けた感想
・全体的には優しい感じだった。
・各項目で想定される質問が多数あり、その中から選んでいる感じだった。
・時間をかなり気にしていた。時間内に質問しなくていけない項目があり、質問の予定表があるのではないか?
・道路関係の試験官は、不慣れな感じがした。
・「お若いですが、」で始まる質問が続いたので、若い(30才台)だとだめなのかな?と思った。
・こちらの答弁に対し、うなずき、時折メモをしていた。想定されるキ−ワ−ドが出ているかを確認している感じだった。
1.フォーラム8までの道のり
渋谷駅のハチ公口へは山手線外回り(東京駅から品川、渋谷方面行き)の2両目付近に乗ると良い。道玄坂は山手線とほぼ直行する左方向(西)へ向かう。周辺は賑やかで喫茶、レストラン等多数あり。ハチ公口からおよそ7,8分の徒歩距離。
2.控室の様子
控室には三人掛けの長机が8脚*3列あり、50台年輩の人を中心に40歳から60歳ぐらいの人たちが約20人程度緊張の面もちで待機している。貧乏揺すりする人、口をもごもごと想定問答らしきことをやっている人など様々あり。控室のフロアにはたばこ、お茶、ジュースの自販機あり。室内は禁煙、トイレは近くにある。11時55分〜12時5分程度の間に担当の若い女性から8人から10人程度の呼び出しあり・・・案内される。
3.試験室内の様子
可愛い女の子に案内されて室内に入る。試験管は2人・・・一人は60歳ぐらいの穏和な感じの人で役人OB風、もう一人は50代半ばの気の強そうな人で大学の先生風。
4.試験の様子
経験論文のコピーを前に置いて質問が始まる。
1.総合管理を受けた理由は何ですか。
2.会社を立ち上げた・・・としているが、当時はどんな状況でしたか。
3.経営にもタッチしているとのことだが、技術以外の財務、経理関係ではどのような点に注意しているか。
4.技術部門で経済性管理上注意していることは何か。
5.今でも管理技術者や、照査技術者をやっているのか。
6.若い人の教育はどのようにやっているか。
7.業務を実施する上で最も注意していることは何か。
8.業務のリスク管理としてはどのような方法で何に注意してやっているか。
以上は主に前者の試験官からの質問。
9.業務の調査地点に環境問題が発生したとしたらどのように対処するか。
10.あなたが所長として、原石山に猛禽類が居たとしたらどう対処するか。
11.このような自然環境の問題は多々起こると思うが同所利するのがよいか。
12.農林のダムを主にやっているとのことだが、国土交通省のダムとの違いは。
13.国土交通省のダムを設計したことはあるか。
14.あなたが設計に関わった主なダムは。
15.環境評価をしなければならない河川構造物は何か。
16.守秘義務を犯した技術士はどのようなことになるか。
17.59条はどのようなことを述べているか。
18.技術士の責務は何か・・・簡単に。
これは後者の試験官からで、解らないことが多々あってかなり突っ込まれた。以上が試験の内容の概要ですが、勘違い、思い違いもあると思いますのでその辺は適当にご判断ください。試験時間は約20分から25分程度。なお、小生は建設・河川砂防の50代後半の男性です。明日以降受験される方の参考になれば・・・と思って書いてみました。皆さん、肩の力を抜いて、日ごろの実力を発揮されるよう頑張ってください。3月7日に祝杯が挙げられるようお祈りします。
試験官は3名で、教授風2名・コンサルタント風1名でした。16:00〜16:45の試験時間は約30分が専門分野の質問で、教授風の年配者2名が交互に質疑を行いました。この間コンサル風の人は一切質問なし。
総合部門はコンサル風の方が中心に質疑を行いました。
質問内容は以下の通りでした。
1.これまでの経歴
2.経験問題に対する概要説明
3.受験の動機と将来計画
4.経験問題についての質問が80%
5.総合技術監理部門について
6.技術士の義務と責務及び倫理について
7.CPDの実績及び今後の計画
反省点:問われたことを間髪を入れずに答えようとしたため、聞かれもしないことを答えたり上滑りの回答に終始した感があります。
先週、施工計画で受験しましたが、なかなか多岐にわたった質問でした。
1.過去のマネジメントした内容と今後への展望
2.現時点での職場におけるマネジメント(品質、環境、安全)の問題点と貴方が改善している点
3.過去において対処したリスク管理の内容と方策
4.職場における部下の教育をどうしているか?
5.職場における情報管理の具体的使用法
6.自分自身の継続教育はどうしているか?(講習会、学会、論文等)
7.雪印の問題について
8.技術士の義務と責務について
まだまだ有りましたが思い出せません。一生懸命全てに応えたつもりです。なかなか骨の有る質問でした。おそらく質問者は青本の作成者でしょう。
◆ 所要時間 約25分間(11:30〜11:55)
◆ 面 接 官 2名(共に50歳前後:学者風、コンサル風)
◆ 質問(このような質問だったと思う)
Q1−現在の業務内容を簡単に説明して下さい。
Q2−発注者は工期などで色々と無理を言ってくると思いますが、そういう場合、部下にどう指導していますか。
Q3−品質管理をどのように行っていますか。
Q4−業務の中で経済性等に関して特に成果を上げた事例はありますか。
Q5−道路関係のアセスが多いようですが、業務を行う上で最も留意する点は何ですか。
Q6−どういう視点を持ってアセスに取り組みますか。
Q7−業務の中で、LCA的な考え方を導入したことはありますか。
Q8−技術士に相当するような海外の資格にどのようなものがあるか知っていますか。
Q9−倫理に関して何か取り組んでいることはありますか。
Q10−受験の動機と今後の取組について教えて下さい。
Q11−会社は総合技術監理部門をどのように認識していますか。
Q12−ISO14000とはどういうシステムか知っていますか。
建設部門の建設環境です。試験官は2名でした。
聞かれたこと、受験に際しての心構えを書きます。受験される方も残り僅かとなったと思います。何かの役に立てればと思います。
1.簡単に経歴を教えてください。
2.特許、学会発表、本等の執筆はありますか。
3.受験の動機と合格後の抱負は。
4.環境アセスメントで経済性管理で、工期を逸脱することがリスクとして特定したとありますが、どのようにリスクマネジメントしましたか。
5.環境アセスメントでは、リスクは工期だけではないと思います。例えば、客先からの無理な計画変更、住民からの要望等で、環境アセスメントの内容が変わったり、工程が変わったりするリスクはありませんか。
6.環境アカウンタビリティということで、住民対話の経験はありますか。
7.これまでの成功例と失敗例を教えてください。
8.環境アセスメントにおける住民対応の考え方を教えてください。
9.技術士法が改正され、技術者倫理という考え方が重要となりました。技術者倫理が技術士法に加わった背景は何とお考えですか。
10.あなたの立場をご説明ください。
11.技術者倫理という観点で、JOCとか雪印の事件をどう思いますか。
・受験後記
受験前までに、技術士会の技術体系、自分で書いた論文の再現、技術士法や技術士倫理要綱のおさらい、想定問答集の作成を行い、かなり自信をもって試験に臨んだ。
受験日は、あせらないよう十分前から会社を休むことを宣言し、朝、ゆっくりとした気持ちで起床しました。朝食後に、試験室に入って、答え、終わって、挨拶をして出て行く風景を心の中で何度もシミュレーションした。その際、試験官と和やかな話が出来ている風景を強くイメージした。その結果、試験が終わってみると、イメージどおりの試験であり、大変な充実感を味わった。
試験の部屋に入るとき、心から、試験官との出会いを楽しみにし、「会話を楽しむぞ」、と決め、本当に楽しい試験になった。以上のように、対決すること、不安になることをあきらめ、その結果、イメージどおりの試験が出来たことを、今後、私に続く、受験者に言いたいと思います。全て、自分でイメージしたとおりになります。
1.現在の業務内容について
2.特許や著書はあるか
3.受験動機と取得後の豊富
4.総合監理部門を会社はどう認識しているか
5.業務の中で経済性等に関して特に成果を上げたものはあるか
6.品質管理はどのようにしているか
その際、時間的な制約等あると思うが部下に対してどのように指導しているか
7.道路アセスが多いようだが道路事業の特徴はどのような点にあるか
8.道路アセスの具体的な調査でどのような点に留意しているか
9.道路アセス(と言われたと思うが)でLCAの考え方を取り入れた実績はあるか
*環境アセスとLCAの接点が見つからず「ない」と答えた。あとで考えると、複数案の保全対策がある場合のLCA的視点という意味かな?どちらにしても「ない」という素っ気ない回答はまずい?LCAについて少し話すべきだった。
10.ISO14000はどのような構成になっているか
*ここで自社の取り組みについても説明したが、その際、プラスの環境影響の考え方で意見が食い違ったため、意地になってしまった。11.倫理に関して何かやっているか
12.日本の技術士に相当する外国の資格を知っているか
というような内容でした。ちょっと熱くなってしまったことも含め、後悔ばかりの口頭試問でした。とにかく結果を待つだけです。
日時:1月25日 13:02〜13:22
結果概要
1)業務経歴を述べよ。
2)大学での講義の科目は?
3)体験論文のうち社会環境管理に関する深い追求が8割を占めた。
当方の回答に対して、「そういうことじゃなくて」とか「注文者に対して経済的に有利な対策ですよね。総合技術監理技術士としての立場ではどうだったのですか」「周辺への影響は、何かあったら考えましょう。だったのですか」など環境に関する説明に対しては、あきれて笑われる場面がほとんどであった。口が渇いて、ガラガラ声になったように思う。
4)守秘義務を犯したとしたらどうなりますか?これが最後の質問。
昨年度の体験談を佐口講座で見ていたので「第59条により、懲役1年以下、または50万円以下の罰金になります」と答えると、資料をめくり「ほんとだ。59条だ。普通はそこまで答えないのですがね。初めてです」じゃあ終わります。
消化不良のまま20分の口頭試験が終わった。
佐口さんの技術士受験講座には、いつもお世話になっています。平成15年1月18日(土)に、トップを切って総合技術監理部門の口頭試験を受けてきました。日頃のお礼の意味を込めて、口頭試験速報をUPしますので、参考にして下さい。なお、秘密保持の義務から、質問内容と回答内容は、多少抑えてあります。
受験者=建設部門(土質および基礎)取得者、他の科目も取得済み
試験官=2名、右側:50代温和な感じの土木コンサル風、土質屋?左側:40代真面目な感じの経営コンサル風、経営工学?
向かって右側の年上の試験官から、主な質問があり、私の回答に対して左側の年下の試験官が確認、補足の質問をするという流れでした。
Q1.現在の業務の内容について簡単に説明して下さい。
A1.取締役として、会社全体の監理を行っていることを説明。(意外にも経歴については、全く聞かれませんでした。これを聞くと他の質問時間が無くなるためと考えられます。
Q2.総合技術監理部門を受験した動機と将来構想
A2.用意していた内容を落ち着いて回答、(予想通りの質問です。)
Q3.いままでに失敗した事例は?
A3.コンピュータウィルスによる被害を受けた事例と対策を説明。
Q4.新規事業として〇〇事業と□□事業を考えた理由は?
A4.経験論文の内容であり、論文の内容を補足しながら説明。
Q5.〇〇事業と□□事業は、既存事業との関連性は?
A5.重機による土工、測量等、既存分野と関連性が高いことを説明。
Q6.新規事業における人材の確保や教育訓練はどのようにしているのか?
A6.専門家を中途採用し、社内教育等でレベルアップをしていることを説明。
Q7.社内のチェック体制はどうなっているか?
A7.ISO9001を取得しており、その仕組みの中でチェックしていることを説明。
Q8.工事部門もあるようだが、安全管理については?
A8.定期的な安全会議、安全パトロールの実施を説明。
Q9.発注者から、多少問題があっても安い工法を採用するように依頼があったら?
A9.後で問題となるような工法は、発注者のためにならない事や、公益確保の原則から採用しないことを説明。(技術者倫理の引っ掛け問題です。)
Q10.技術士の義務等について説明して下さい。
A10.信用失墜行為の禁止、秘密保持の義務、名称表示の場合の義務、公益確保の責務、資質向上の責務を説明。(最後の確認ですね。)
以上、質問時間は実質25分でしたので、1問当たり約2〜3分です。体験論文以外の問題や青本の内容に関する質問はありませんでした。また、私が喋りすぎたせいか、CPDについての質問もありませんでした。なお、受験地と選択科目が同じ人は、受験番号の順に口頭試験があったようで、同じ大学の先輩2人と後輩1人が連続していました。試験後、後輩を見捨てて、先輩2人と一緒に東京駅で祝杯?を挙げました。では、これから口頭試験の方は、頑張って下さい。健闘を祈ります!
本日14:30〜の総監の口頭試験が終わりご報告致します。
13:45控え室に着き、再度復習していると、14:30からの予定なのに、14:20にいきなり呼ばれ、心の準備ができないまま、試験室へ突入。
試験官は2名。
右側が総合管理部門専門の方40代後半くらい。
左側はおそらく施工会社の方かと思います。こちらも40代後半くらい。
どちらも終始穏やかで、ほとんど左側の方からの質問でした。
私:受験番号と名前言う。よろしくお願いします。
左:もっと力を抜いて、リラックスして下さい。
私:はい。
左:早速ですが、今回、総合管理部門を受験した動機は?
私:実務経験を積むうちに、経済性や安全管理のみでなく、社会環境管理や情報管理、人的資源管理といったことも不可欠であると痛切に感じる。このため、総合的な管理を行う能力を有するものに与えられる総合管理部門の技術士の取得を考えた。といった意味のことを返答。
左:これまでの経験の中で、総合管理を行ってきた事例を説明してください。5つの管理部門全てでなくてもいいです。
私:現在の配属先での事例から、経済性管理と情報管理について説明。
左:これまで総合管理を行うにあたり、どんな点に苦心しましたか?
私:都市土木の現場では、安全管理や社会環境管理と経済性管理がトレードオフの関係になることが多く、その際の判断に苦しむことが多いことを具体例交えて説明。
左:今回、総合管理部門の勉強をされたかと思うのですが、勉強されたことを業務でどのように生かしていますか?
私:・・・・(いまいちどう答えてよいかわからないため、数秒沈黙し固まってしまっていると、)
左:総合管理の手法とか、いろいろあると思うのですが。今後、どのように生かしていこうと思っているかでもいいですよ。
私:はい。これまで、リスクマネジメントについて、あいまいにしか意識していなかったが、その分析・評価や対策など今回の受験をきっかけに、体系的な知識を学びましたので、明確なリスクマネジメントを行っていこうと思います。(なにか訳のわからんことを言ってしまった。)
数秒間があり、なにか質問に困っている様子。
左:入社して10年くらいですか。
私:はい。
左:若いからこういう質問に答えるのは難しいですが、これまでの現場経験の中での失敗事例をお話ください。
私:こちらの提案が受け入れられず、発注者の言う工法のまま行った結果、大規模土留め掘削工事において出水事故を引き起こしてしまったことを話す。教訓として、リスクの被害規模の大きいものに対してのリスク対策が甘く、そのようなケースでは、別のリスク対策の手法を取るべきであったことを話す。
右:経験論文の中で、現在の部署での管理について書かれていますが、特に何に重点を置いていますか?
私:現場での管理では、安全が第一に言われるが、現在、私は経済性管理のうち、施工手順を含めた工程管理に重点をおいています。
右:経験論文の中で、経済性管理として新技術の○○についてコスト的にも有利なため、発注者に提案して採用されたとあるが、私の認識では従来工法の××の方が安いと思うが。
私:確かに材料・施工については、××の方が安いが残土処理や産業廃棄物処理まで含めると○○の方が有利となりました。
右:処理まで含めてということですか。(納得した様子。)
左:では、専門知識について質問します。(専門って、土質及び基礎のこと?なんか少し緊張。)
左:LCAについて説明してください。
私:(先程、控え室で確認しようと思ったら、時間前に呼ばれ見なかったところだ。)え〜、建設業や製造業においては、設計・計画段階から製造/流通・・・(やばい、言葉が浮かばない。忘れた。)
左:本に書かれているとおりでなく、自分の言葉でいいよ。(ん?いつの間にか、タメ口になっている。それに苦笑いしている。)
私:はい、製造から廃棄処分まで一連のライフサイクルを通した、え〜、・・・、コスト、あっ違う・・・
左:LCCではなくて。
私:あっ、はい、え〜環境負荷を評価することです。(ふー。室内の全員が、ほっとした感じ。案内のお姉さんも見えないけど、多分。)
左:技術者倫理についてですが、アカウンタビリテイーは説明責任と言われますが、技術者としての説明責任について説明して下さい。
私:(先程のダメージが残ったまま、なんか質問の意味が理解できずに、とりあえず)会計部門では、財務的な会計責任を言いますが、建設業において非財務的な環境負荷も含めた説明責任のことです。
左:そうではなくて、高等な専門能力を持つ技術者として。(なんか少し熱くなっているみたいだ?どうしよう。)
私:はい。・・・。
高等な専門能力をもつ技術者として・・・と結局答えを言っていたが、このときの私には、既に何を言われたのかわかりませんでした。
私:はい。勉強します。
左:技術士制度については、去年受けているからいいか。では、技術の相互承認について、知っていることを説明してください。
私:APECエンジニア等、共通の技術士資格を定めることにより、国境を自由に超え、海外で技術士として活躍することが可能になることを説明。(EMF等、もっと用意していたが、その前の質問のやりとりで言葉にできませんでした。)
左:(右に向かって)もう、よろしいですかね?それでは、ご苦労さまでした。
ラスト前の技術者のアカウンタビリテイーの質問までは、両名とも終始穏やかで、うなづいているシーンも多く、良かったのですが、結局、ラス前の質問だけが、非常に気掛かりです。
まあ、とりあえず終わりました。ほとんどこのホームページ等でも予想されている質問が多かったと感じます。技術士制度やCDPについては聞かれませんでしたが。後は、3/13の結果を待ちます。長くなってしまってすいません。これから受験する方、がんばって下さい。
総監の口頭終了しました。日程も半ばをすぎましたが参考になれば
(試験官)2名、終始温和
(質問内容)
経歴書をじっと見ながら
・今までの経歴を5つの管理を交えて話して下さい
・失敗事例は
・現在現在手がけている業務は
・あなたの部署は何人ですか
以下経験論文を見ながら
・設計業務における安全管理とは何だと考えますか
・あなたの業務でマニフェストはどう関連するのですか
・インセンティブの具体的な与え方は
・品質管理で実験による検証はするのですか
・情報管理で気を付けていることは
専門に関することも質問を受けました
・ライフサイクルコストを高める対策は何かしていますか
・耐久性において塩カルに対する対策はしていますか
技術士法関連では
・追加された2責務は何ですか
・技術者倫理が問われた最近の例は
・あなたならどう対応するか
・公益確保とは具体的に何を言いますか
・外国の資格は知ってますか
青本から一つ
・FMEAについて述べて下さい
他にもありましたが忘れました。FMEAには答えられませんでした。"技術体系にのっておりまして・・・確か・・・システム工学関連の・・・えーっと・・・フォールトツリーといった・・・・"と粘ったあげく、"わかりません、家に帰って勉強します"と言って降参しました。(致命傷ではないと信じますが・・・・・)(ちなみに家まで待てずロイヤルホストで調べました。一生忘れません。)この後に予定されている方もどうか頑張って下さい。
総合監理部門の口頭を昨日(23日)終えてきました。内容は、青本、経験論文、5万人規模の競技場、択一のことは、一切聞かれず、技術士(建設部門:H10取得)と今回の総合監理部門の違いについての質問が主でした。
Q:建設部門と総合監理部門の違いは?
Q:あなたの経歴では、建設部門で十分では?
Q:なぜ、総合監理が必要なのですか?
Q:最近の、企業倫理が問われる、企業不祥事について、あなたの考えと、具体的な対応策は、どうしますか?
Q:業務上、留意していることは、ありますか?
Q:今後、どのような方向の技術士になりたいですか?
この他に、専門的能力を問われる問題が、2つ程、ありましたが、最後まで3義務や2責務は、聞かれずに、口頭試験を終了しました。
ただ、企業倫理のなかで、公益確保を述べましたし、どのような技術士になりたいか、との質問に対して、資質向上も述べました。全体的な、印象は、常日頃から、どのような問題意識や倫理観をもって、業務に臨んでいるかを、確認されたように感じました。最後に、このHPでは、大変お世話になりました、どうも有難うございました
日時:1月25日(土)13:00〜13:30
場所:渋谷フォーラム・エイト
試験官は2人でA試験官は大学教授(土木系)、B試験官はゼネコン技術者(建築系)のように思われた。
1.現在までの経歴を説明してください(A)
入社から現在までの経歴を説明。
2.これまでの成功例と失敗例を説明してください(A)
成功例:T駅工事において、逆巻き工法の外壁に高流動コンクリートを全面採用し、成果をあげたこと。
失敗例:D発電所工事において、自分の担当工事で作業事故を起こしたこと。
3.安全と経済性がトレードオフの関係になる場合はどのように対処しますか(A)
近年とくに社会的に事故を許容しない風潮が強くリスクマネジメントにおける数量化に馴染まない問題である。安全設備の充実など経済的に解決できることはできるだけやりたい。
4.現場所長として部下の教育をどのように行っているか、部下の労働時間が長くなることをどのように手当てしているか(B)
OJTを柱として部下を指導している。たしかに残業が日常化しているが、コミュニケーションを第一として、ものづくりの楽しさを共有する雰囲気づくりを大切にしている。
5.所長の中間管理職としての立場では、利益に対する会社からの要求が厳しいのではないか(B)
そのとおりであり、現場が忙しい原因のひとつである。
6.継続教育について述べてください(B)
CPDについて説明。総合監理受験を通じてCPD制度を知ったが、是非土木学会のCPDに登録して、継続教育を意識して研鑚したい。
7.技術士の義務について述べてください(B)
3義務、2責務について説明。
専門とする事項:都市交通施設(建設−都市及び地方計画:H10取得/環境−環境保全計画:H13取得)
筆記試験結果:択一式 正解20問ぐらい。経験論文80点ぐらいか 一般論文70点ぐらいか。『』内はその時点での私の感想。()内は受験後の私の感想。
●前日宿泊 ホテルパックが渋谷では渋谷東急インしかなかったため、同ホテル。(施設は概ね良好であった。)なお、試験会場まで10分弱かかることを確認。
○当日 7:00起床 8:30には朝食。ホテルのロビーに新聞がなかったため、テレビでの情報収集を図るが、テレビ放送開始50周年の記念番組が放送されており、NHKでは特にニュース無し。10:00出発、10:30ぐらいから12:00ぐらいまで渋谷東急エクセル?のロビーで時間をつぶす。食事後、試験会場に入り待機。
○試験場所 渋谷フォーラムエイト 12F(受付7F、待合室10F)
○日 時 平成15年2月1日(土曜日) 14:30開始予定(実際14:25呼び出し、14:30〜14:57)
試験官:L 官公庁? 50歳ぐらい(見た目の年齢からするとキャリアではない?)*原稿はLがお持ちになっていた。
R 教授風 50歳台 温和な感じ(中心はこの方であった。)*経歴書はこの方がお持ちになっていた。
私 △△△番、□□と申します。○○から参りました。よろしくお願いします。
RQ 約10分で、経歴を述べて、それについて総合技術監理部門の観点から説明してください。(手元の経歴書を見ている)<予想通り>『だが、10分も・・・。』
私 経歴書の順番でいいですか?
R いいですよ。
私 昭和●●年4月に県庁に採用され多目的ダムの・・・。昭和●●年2月から●●ダム建設事務所において総合技術監理という言葉を知らない時代に工業用水プロジェクトでFSを行い・・・。昭和●●年度から●●事務所で港湾道路を・・・。
R 昭和●●年には主任技師になられていますね。
私 『係長から下は担当者なので、特に説明しなかったのだが・・・。』はい、主任技師とは給料が上がるだけで仕事の内容に変化はありません。参事はスタッフ職でラインの係長と同じです。
昭和●●年度から●●事務所で道路の・・・。平成●度からは●●課で、港建設のプロジェクトに・・・。平成●年度から●●事務所において道路パトロールのリーダーで人的資源管理を行って・・・。平成●年度から●●課で・・・、この時に行ったパーソントリップで建設部門の技術士を取得しています。平成●●年度から●●事務所で・・・。平成●●年度からは●●地域ダム建設事務所でダム建設プロジェクトの実質的なリーダーを務めています。【この間、5分ぐらいか?】(一級土木と環境部門を取ったことを言い忘れた。)
R 今もその事務所の課長ですか?
私 そうです。
R 総合技術監理部門の観点から説明してください。
私 『今言おうと思っていたのに・・・。』はい、県庁にあっては、社会環境管理、経済性管理を中心に、現場にあっては安全管理、経済性管理、社会環境管理を中心に、また、工事などに関する説明責任を果たすために情報管理も行っています。なお、平成●●年度からは部下ができ、人的資源管理も行っています。
RQ 受験の動機は?<予想通り>
私 最初の受験時の動機はCPDと部下の模範となるためでしたが、日本技術士会発行の「技術士制度における総合技術監理部門の技術体系」の中に、私が仕事を始めて以来悩んできたことが整理されており、行政の技術者には、総合技術監理の考え方や資格が欠かせないと考えて、今回は受験しました。
RQ 抱負とかありますか?<予想通り>
私 まだ、定年まで15年ぐらいありますので『いらん事言ってしもた』、今回整理された知識により、今後とも精一杯県民のために働いていきたい。
RQ 特許、著作、論文とかありますか?<予想通り>
私 行政ですのでなかなか難しいのでありません。県の雑誌への投稿はありますが。また、特許を取れなかったことはあります。
RQ どんなものですか?
私 浮き桟橋を沈まないようにするために、中の型枠を発泡スチロールにするということですが、少し前に特許が取得されていました。
R 色々考えることはいいことですね。
RQ 県での技術士の評価は高いと思いますが、いかがですか?<予想通り>
私 評価されていると思います。国際協力銀行への協力で私が中国に派遣されたのもそのためだと思います。さらに評価されるように頑張っていく所存です。
RQ 土木部には何人の技術者がいて、技術士は何人ですか?<予想通り>
私 約500名の技術者がいて、技術士は24名。今年も8名ぐらい筆記に合格していると聞いています。また、今の部下にも技術士1名、技術士補1名がいます。
R (Lに目配せ)
<<Lはこの後の経験論文を見ながら質問された。>>
LQ リスクマネジメントのうち、リスク分析、評価をした事があるか?
私 『そんなものやっていないよ。そういえば、危険箇所の対策を順番付けした事があったよな。』●●事務所の●●課のときに、リスク対応方針として県民の生命財産を守ることとして、リスク特定で落石や水害を想定し、リスク分析しリスク評価をして対策の順番を決めたことがあります。『下を向かないでくださいよ。誰に向かってしゃべればいいのか分かりません。』
LQ 説明責任を果たすために説明会以外の方法を取ったことはありますか?
私 私の担当ではなかったのですが、一緒に行った事例としては、広報してアンケートを行ったことがあります。インターネットも利用しましたが、あまり回答はありませんでした。(公聴会を行ったことやPTでアンケートしたことを言えばもっとよかった。)
LQ 総合調整の経験は?レポート以外でもいいが。<予想通り>
私 『論文と言わずレポートか・・・。何か含みがあるのか?』レポートに書きました事例について、アセスの段階でしたので確定したルートはありませんでしたが、本命ルートについて下水処理場いえ汚物処理場がありまして管理者と協議しております。また、公園管理者とも、河川管理者とも協議調整しています。また、アセスについて、レポートでは強制された様に書いていますが、枚数が足りないためでして、それまでの間に協議調整を行っています。
L (Rに目配せ)
R (Lに)よろしいですか。
L (うなずく。)
<<Rはこの後の質問では、チェックするための冊子?をめくりながら質問された。>>
RQ 倫理のことですが、行政で、倫理に反する要求があった場合どう対処しますか?
私 県では風通しのいい組織のためか、そういう事例はありません。もしあったら。
RQ いいえ、そうではなくて地権者などからですよ。
私 失礼しました。多くの場合、地権者は自分の利益のことだけを考えています。徹底的に公益を説明すれば多くの場合理解を示していただけます。どうしてもダメな場合は収用法を適用した事例もあります。私が自分で荷物を持ち出しました。ただ、早めの説明が大事だと思います。
RQ 海外との資格の国際相互承認について知っていることがあれば。<予想通り>
私 APECエンジニアがあります。7エコノミーから10エコノミーへ、9分野から11分野に拡大しています。(しまった、グローバル化を言わなかった。)
R PEとかCEもありますよ。
私 『質問と違う答えを求めないでくださいよ。』そうですね。中国では高級工程師がありました。ユーロエンジニアもあります。今後、海外で活躍するには必要になると思います。
RQ 技術者の信用失墜行為が問題になっているが、最近の事例で知っていることを。<予想通り>
私 東電のシュラウド。高い安全が必要とされる原子力発電所で、たとえ機能に障害はないにしてもマニュアルを守らなかったことは、原子力行政への信用を失わせた。また、技術者ではないが、雪印食品の産地偽装、北海道産を○○県産と偽装したことは食品行政の信用失墜行為です。
R (笑)
R (Lに)よろしいですか。
L (うなずく。)
R 時間もありませんのでこれで終わりにします。
私 『エー、どういうこと。義務責務ぐらい聞いてくださいよ。』ありがとうございました。よろしくお願いします。
本日午後の総監の口頭試験の内容を報告致します。択一の自己採点は20/30?
試験時間は、20分でした。試験官は2人(50代)質問は二人で5問づつぐらい。
青本、選択問題、義務、責務は個別にはなし。(CPDはあり)
内容は、以下のとおり。
1.今の業務内容
2.総合技術監理の受験の動機
3.経験論文の追加質問(経済性管理の詳細:コスト縮減の内容)
4. 〃 (社会環境管理の詳細:地元との調整内容)
5.施設の安全対策の具体策
6.継続教育への取り組み内容
7.自分の専門とする分野における、新たな技術開発分野について
8.APECエンジニア制度の背景
9. 〃 の具体的な事例は?(日本での場合、日本人の場合)
10. 〃 の具体的な事例は?(外国での場合、外国人の場合 外国人の技術者が、あなたの身近に来た場合、どうか)
7.と10.は想定外。10.はODAや海外進出企業の例や外国企業の入札参加の話で取り繕う。
このホームページには、大変お世話になりました。受験によって、またひとつステップアップできたような気がします。ありがとうございました。明日からの試験の方も。もう一度、なぜ総合技術監理の部門が新設されたのか、目的や背景を青本の第1章や各章のはじめだけでも読んでみてください。何故か、私は、納得してしまいました。なお、APECの背景は、技術士会の技術士制度についてにあった内容を思い出して説明しました。(技術士制度の改善が必要になった理由P.8参照)
日時 : 平成15年1月26日(日) 9:45〜10:30
場所 : 渋谷フォーラムエイト 802号室
受験した技術部門:建設部門、総合技術監理部門(併願)
渋谷には8時15分頃に到着し、フォーラムエイト近くのコーヒーショップで30分ほど時間を潰す。8時50分頃フォーラムエイトへ。7階で受付を済ませ、待合室となっている8階のコンファレンスルームAで待機。待合室は暖房が効いており、緊張していたせいか顔が火照ってきたので、洗面所で顔を洗って冷したほどであった。
9時45分を過ぎた頃、案内の女性に受験番号(総合技術監理部門のもの)と名前を呼ばれた。試験会場に向かう間、案内の女性の方から、「会場は802号室です。」、「試験時間は45分です。」、「(試験時間の45分は)長いですね。」と説明を含めて話かけられる。私が余程緊張した顔つきだったのだと思う。女性がノックして試験会場に入ったのに続き、「失礼します。」と言いながら入室。
試験官は3名で、以下のような方たちであった。
A(向かって左側に着席):コンサルタント風(?)、50歳代、総合技術監理を担当。
B(真ん中に着席) :役人風、50歳くらい、建設部門を担当。
C(向かって右側に着席):役人風、40歳前後(若い!)、技術士の倫理等を担当。
まず、試験官Bからの質問。
Q1:これまでの経歴を述べて下さい。
Q2:経験論文(建設部門)に書いた3つの業務の概要を述べて下さい。
Q3:3つの業務のうち、詳述した業務について詳しく述べて下さい。
次に、試験官Aからの質問に移る。
Q4:記述した経験論文(総合技術監理部門)の業務について、「人的資源管理」、「情報管理」の観点からの見解を述べて下さい。
(以上Q1〜Q4の質問に対しては、記述した概要または予め用意していたものを説明。内容は省略。)
Q5:(Q4の私の回答を受けて、)行政が行う事業のPRは土・日曜が中心となると思うが、「人的資源管理」の観点から、どのように取り組んでいますか?
→A5:事業のPRは重要であり、特定の個人に負担が偏らないよう配慮しつつ(職員が交代で参加するように)進めている。また、直接の担当者でない職員であっても、事業説明はできるようにしておくように職員を指導している。
Q6:あなたの職場において、「情報管理」について、どのように部下を指導していますか?
→A6:行政情報情報を公開しているサーバーと、LANとして閉じているネットワークがあり、公開しているものはハッカー対策等セキュリティの確保を念頭に置き、システムを構築するように指導している。
Q7:あなたは、ネットワークへの接続の際のパスワードはどのくらいの頻度で変更していますか?
→A7:3ヶ月に1回くらいです。(試験官Bから笑いが漏れたような気がしたが、試験官Aは特に反応がなく、淡々と次の質問へ移る。
Q8:昨日、韓国を中心に世界的にコンピュータのアクセス障害が出ていることを知っていると思いますが、何を狙ったものだと推測しますか?
→A8:詳しくはわかりませんが、(同時多発的なサイバー)テロのようなものだと思います。
Q9:あなたの経験した業務の中で、失敗した事例について述べて下さい。
Q10:あなたの経験した業務の中で、これはうまくいったな、と思った事例について述べて下さい。
(Q9及びQ10については、予め用意していた内容を答える。内容は省略。)
Q11:あなたの職場における技術的課題について、述べて下さい。
→A11:(総合技術監理の観点からの課題を答えよということだと考え、コストの縮減等の経済性管理の視点が重要と回答したが、試験官Aから「もっと技術的な面での課題は?」と再度質問があったため、建設部門で答えるような内容を答えた。)
再度試験官Bからの質問。
Q12:あなたの経験した業務の中で、失敗した事例と、現時点から見ての反省について述べて下さい。
Q13:あなたが現在担当している流域での今後の課題と進め方について述べて下さい。
(Q12は、予め用意していた内容を答える。Q13は「総合土砂管理」が課題であることを回答。内容は省略。)
ようやく試験官Cからの質問となる。
Q14:技術士試験を受けた動機について述べて下さい。
→A14:(1)公務員にとって「技術士」の資格を取得しても直接的なメリットはないが、発注した業務の監理技術者には「技術士」等の資格を要求しており、受注者とのやりとりの中では、発注者にも「技術士」の資格を有する技術力は必要だ(発注者も「技術士」を取得していれば、受注者からの信頼も得やすいと思う。)と考えたこと、(2)公務員退職後も技術的経験を生かした仕事をしたいと考えており、既に技術力で勝負する時代になっている状況下では、「技術士」の資格を取っておく必要があると考えたこと、と回答。
Q15:技術者の倫理について、背景とあなたの考えを述べて下さい。
→A15:JCO東海事業所の臨界事故等、公衆の安全等に被害を与えるような事例が出ていることから、技術者の倫理は重要になってきていること、を回答。
試験官Aが、「これで終わります。」と言って、試験終了。
フォーラムエイトを出て時計を見たら、10時28分過ぎであり、40分程度の試験時間であったと思う。結局、「技術士」の3つの義務+2つの責務も聞かれず、また総合技術監理部門においても、「青本」からの質問はなかった。全般に静かに進み、概ね用意した内容を答えた。また、突っ込んだ質問も少なかったように思う。大半は自分のペースで喋り続けた(35分以上は喋ったと思う)ので、最後の方では喉の渇きを覚えた。Q8のように、まさに試験日当日のホットな話題についての質問が出た。幸いにして、たまたま朝のテレビのニュースで報道を聞いていたので驚かなかったが、当日のニュースは新聞やテレビで概要程度はチェックしておく必要があると思う。
面接官A
T.経験論文,経歴等に関する質問
Q1.現在登録している技術士の取得年は?
Q2.総合技術監理部門の受験の動機は?
Q3.経験論文に記載された業務について,記載されていない2つの分野について補足することがあれば説明してください.
Q4.経歴の中で,総合技術監理部門に関する事項を意識するようになったのはいつ頃からですか.
Q5.これまでの業務の中で,総合技術監理部門に関し,失敗したと思われる事項はありますか.
U.総合技術監理部門に関する用語について
Q6.経済性管理に関し,活動基準原価計算について説明してください.
Q7.人的資源管理に関し,リーダーに求められる資質は何か?
Q8.情報管理に関し,ナレッジマネジメントについて説明してください.
面接官B
V.業務に関する事項
Q9.河川の仕事が長いようですが,大都市内の河川のあり方についてどのように考えておられるか述べてください.
Q10.河川整備計画の策定をスムーズに行えるようにするためには,どのようなことが必要ですか.
Q11.国土交通省で15%のコスト縮減が打ち出されていますが,この達成のためには,どのような方策が重要と考えますか.
Q12.受注者側の立場に立ってお答え願いますが,コンサル業務について,定型的な業務と,そうではない創造的な業務があると思いますが,定型的な業務の進め方で,どのようなことに留意すべきと思いますか.
Q13.同じような質問ですが,工事を請け負った後に,環境に関して問題となるようなものが新たに見つかった際にどのように対処しますか.
W.技術士法等に関する事項
Q14.技術士法で,信用失墜行為の禁止という項目がありますが,どのようなことか説明してください.
Q15.技術士にこだわらず,技術者の信頼を失うような事例について,知っている事例があれば,教えてください.
Q16.技術士法に違反した場合の罰則について,どのようなものがありますか.
以上が質問の概要です.経歴,経験業務に関する事項は,これまでの事例と同様の内容と思いますが,いずれにしても青本の内容と,技術士法の内容はしっかりと押さえておいたほうが無難と思います.(技術士法の罰則は想定していませんでした)
日時:平成15年1月26日(日) 15:00〜15:30
場所:渋谷フォーラムエイト8F
試験官は2名
向かって左(主査)は50歳代?総合技術監理を担当。右(副査)も50歳代?こちらは、河川砂防の専門で、国交省河川局の幹部職員もしくはOBだと思います。お二人とも、質問の仕方等は丁寧で紳士的でしたが、主査が回答をうなずきながら聞いてくれるのに対し、副査は無表情でじっとこちらを見つながら(睨まれているような感じ)聞いていました。副査への回答が的を得たものになっているかどうかが全くわかりませんでした。主査の質問に対する答の中に、環境に関するキーワードがでたら、副査がメモをとっていました。逆に副査の質問に対する答の中に、倫理に関するキーワードが出たら、主査がメモを取っていました。
主-Q1:今持っている技術士の資格は何時取得したものですか。
主-Q2:今回の受験の動機をごく簡単に紹介してください。
主-Q3:業務経歴の中で、すでに総合技術監理的な取り組みが必要であった業務は、時期的には何時頃からと考えればよろしいですか。
主-Q4:経験した業務の成果を業界雑誌に投稿したり、学会などで発表したという経験はありますか。
主-Q5:これまでの経験の中で、特に技術的に進んでいたとか、経済的に有益であったと言える工事を紹介してください。
主-Q6:今紹介のあった事例では、特に総合技術監理の何と何が重要であったと考えるかについてもう少し補足してください。
主-Q7:次に言う総合技術監理にかかるキーワードの内容を説明してください。
・ 安全管理分野で「ヒヤリハット活動」とはどんな活動ですか。
・ 情報管理分野で「ナレッジマネジメント」とはどんなものですか。
・ 社会環境管理で「汚染者負担の法則、いわゆるPPP」とはどんなものですか。
主-Q8:専門の分野の技術で、ここ5年から10年の間で技術的に進歩したなと考えられるものにはどのようなものがありますか。
副-Q1:河川整備計画を作るに当たっての課題としてはどのようなものが考えられますか。
副-Q2:河川管理者と地域住民の考え方、望む方向のギャップを埋めるための方策としてどんなことが考えられますか。
副-Q3:情報をできるだけ公開し、住民の意見を聞くとのことだが、河川の情報というのは幅広くて、基礎情報をとるのが大変です。あなたは国土交通省の河川の情報をインターネットで公開しているのをご覧になったことはありますか。
副-Q4:国土交通省で出しているのは大きい河川のデータだが、自治体の管理している中小河川の基礎データ、生データをとるのは難しいし、その精度を上げるのはさらに難しいと思われるが、その点については、今後どのようにしていけばよいと考えますか。
副-Q5:水位データはまだ良いが、流量データの精度を上げていくのは大河川でも難しいものであり、中小河川となるともっと難しいと思われるが、その点についてどう対応していけばよいと考えますか。
副-Q6:国土交通省では、コスト縮減に何年も前から取り組んでいるが、河川事業で今後どのようなことを工夫していけばコスト縮減につながると考えますか。
副-Q7:今、発注者側にあるわけですが、受注者側にいると仮定して、工事を請け負った時に事前調査等を実施していく中で環境に影響がありそうな問題が見つかった場合、受注者としてどう行動すべきであると考えますか。
副-Q8:環境の影響評価をやる上で、影響の程度の予測が大事だが、河川の中で予測がある程度精度良くできる項目にはどんなものがありますか。
副-Q9:技術士法に信用失墜行為の禁止がありますが、その意味と、最近の技術者の信用を失墜させる行為の事例と、それに対するあなたの考えを述べてください。
副-Q10:技術士の義務に反した場合にどのような制裁措置がありますか。
(1)経験及び応用能力
・体験論文の内容について3問
・今までの業務で技術士(総監ではない)としてふさわしい工夫をした業務
(2)体系的専門知識
・あなたの住んでいる地域で環境アセスメントをする上での留意点
(3)倫理・制度
・技術者倫理についてあなたがしていること。若しくはあなたの考え
・世間で起こっている不祥事について、何が不足していると考えるか
・では、どうしていったらよいと考えるか
・人的資源管理をする上で重要と考えること
・継続教育について何をしているか
感想として全体的に、知識を問うより考え方を問う感じでした。いつも、掲示板にお世話になっているので恩返しのつもりで投稿しましたが初めてなので緊張して投稿しています。
試験日時:平成15年1月28日 15時〜30分間
試験場所:渋谷フォーラムエイト
受験部門:総合技術監理部門−建設(道路)
試験官:2名(50〜60歳位)
以下、概要のみ記載します。
1.これまでの業務経歴について説明して下さい。
2.総合技術監理部門の受検動機を話して下さい。
− 発注者側の技術者には管理能力が重要と説明
3.昨年併願しましたか?しなかった理由は?
− 国際会議と口頭試験日程が重なった旨、説明
4.経験論文内容や関連技術(ITS)に関する質問
− 特につっこんだ質問はありませんでしたが、
「経験論文の内容はありふれていないか?」、
「開発した事故対策施設は本当に有効か?」、
「IT機器は高価だが、費用の点で問題ないか?」、
「コストと整備効果のトレードオフの関係を説明して下さい」等のやりとりがありました。
5.最近のトピックスをまじえ、技術者倫理について述べて下さい。
6.あなたが携わった業務で、倫理が問題になった事例があれば述べて下さい。
その他:
雑談のような和やかな雰囲気でした。私の職場から10人程総合を受けましたが、総合のみの受験者は皆、「雑談ぽかった」と言ってました。反面、併願者は「圧迫面接的で苦しかった」そうです。1.〜4.で20分かかっています。当日の最終だったためか、30分経過の後、試験官からの「おっと、時間ですね。この辺で終了しましょう。」との言葉で、試験が終わりました。時間が長く、終わり方が尻切れトンボだったため不安でしたが、何とか合格出来ました。
日 時 : 平成15年1月22日(水) 16:33〜16:55 (22分間)
場 所 : 東京都渋谷区道玄坂 フォーラムエイト7F
試験官 : 2名 (AさんとBさんとし、どちらも55才位)
質問 1 総合技術監理部門の技術士を受けようと思った理由を教えてください。
受けようと思いました理由は2つあります。まず1つは、組織やプロジェクトの規模や目的に応じて、複数の要求事項がある中で、それぞれの管理の重要度や優先順位を考慮した上で総合的な判断ができる技術者となって、社会に貢献したいと思いました。もう一つの理由は、現在の業務においても総合的に判断して管理することが求められておりまして、技術レベルを高く維持するとともに、高い倫理観や国際的な視点をもった技術士として活動したいと考え、それにはこの総合技術監理部門の技術士の資格が必要だと感じたからです。
質問 2 専門の方の技術士の資格は、いつ取られましたか。
平成10年度に施工計画でとっております。
質問 3 今、行われている業務は何ですか。経歴書には、平成14年3月までは、区画整理事業の事業費執行計画及び管理を行われていると書かれていますが、現在も変わりありませんか。
現在も○○事務所 ○○課で同じ業務ですが、役職が現在は、○○という立場で業務に携わっています。
質問 4 区画整理事業の事業費執行計画及び管理といった業務に携わっているわけですね。
はい、主体はそういった業務となっております。
質問 5 今までは、施工計画といった業務が多いようですが。
以前は○○会社におりましたものですから。
質問 6 ○○会社から今の公団に転職しているわけですが、何か以前の仕事と関係でもあったのですか。
いえ、特に仕事の面では、関係ありません。建設会社で施工をしている時は○○公団の仕事という事で逆に請負業者の作業所長という立場で仕事をした経験はあります。
質問 7 今までは護岸工事や砂防ダム工事といったお仕事のようでしたが、急に区画整理事業といったイメージの違う仕事となりましたが、どのようにお感じですか。
なかなか土地区画整理事業というもの自体が、わからない部分が多くて、どういった形で仕事をしていくかというのは、手探り状態で約3年転職してからたっております。
質問 8 実際の区画整理事業をされる中で、総合技術監理部門のお仕事といいますか、どういったやり方で区画整理事業の中で活かすことができますか。
区画整理事業で現在事業費の執行計画とその管理ということで、区画整理事業全体の運営管理という位置付けで業務に携わっておりますので、総合技術監理部門の5つの管理それぞれ全てが業務に関わってきていると感じております。
質問 9 現在の業務で特に問題と思っていることは、どんなことですか。
問題と思っていることは、やはり事業費の効率的な投下と事業スケジュール、事業の終盤の地区ということですので、事業をいかに円滑に収めていくか、限られた時間しかありませんので、そういった中で事業スケジュールと事業費の効率的な投下といったところを考えながら、業務に携わっております。
質問 10 効率的とは、どういった考え方をいうのですか。どんなことを効率的というのですか。
○○公団が今事業者ということで、区画整理事業を行っておりますが、先買いをして地権者という立場で公団も存在しております。それと事業費を捻出するために保留地を処分するということで、事業費を捻出するということもありますので、そういったあたりで販売を促進するために効率的に整備をどこから進めればいいかということをいいます。
質問 11 効率的な投下が問題であるとおっしゃっていますが、効率的というのは、どうなったら効率的であると考えたらいいのですか。
整備するところに事業費を投下するわけなんですが、最終的には事業費を回収するということが、目的にもなりますので、そういったところに効果的に事業費を投下し、整備を行うことになるかと思います。宅地の分譲とかも合わせて行っていますので、そういったところで整備をして販売する。販売をしたことによって事業費を回収するといったことで、事業費を投下してできるだけ早期に回収するということが、効率的な投下と考えております。
質問 12 簡単に言いますと、資金は借金をして準備しますから、利息がつく期間をできるだけ短くして、事業費を回収することですね。
はい、その通りです。
質問 13 なるほどね。そういう意味では、お仕事はスムーズに流れていますか。
いえ、なかなか保留地の処分というのが今の販売、お客さまのニーズとかもありますので、なかなか処分が進まなくてスムーズにいってないのが、現状です。
質問 14 それで、そういうお仕事をされている中で、どうやって総合技術監理の知恵を入れるのかなと思います。どういう入れ方があると考えますか。
事業を運営するだけでなく、事業に伴う工事の計画、設計とかも合わせて携わっておりますので、そういったあたりで、社会環境管理面などに、この資格で勉強させていただいたようなことが、役に立つんじゃないかと考えております。
質問 15 それは、工事の施工といったことですか。
はい、そうです。事業を進めるにあたっては、工事の積み重ねで最終的に完了していきますので、そういった中で少し全体的にこういったいろんな管理を意識しながら進めていきたいと考えております。
質問 16 お仕事の中身が、180度変わったということなんですが、経歴にも書いてあるような経験を活かせていますか。
工事の施工をメインに以前は、やっておりましたので、そういった中での安全管理とか、そういうことについては逆に発注者の立場で、地元の企業さんに安全管理面では指導を行ったり、施工をするサイドから見てそれを設計に活かすとか、そういったことでは、活かせていると思っています。
質問 17 公団の組織としては、技術士を受験されている方が相当数いますか。
最近は、増えてきてると聞いております。
質問 18 公団の組織としては、技術士の資格の取得について、公団あげて援助しているということはありますか。
○○公団の組織も、技術士以外の資格も含めて自己啓発の一環ということで、受験に対する助成制度というのは、あります。
質問 19 技術士の外に、土地区画整理士といったものが、あるのですか。
はい、土地区画整理士とか1級土木施工管理技士であるとか、業務に関連するような技術資格に対して、そういって助成制度があります。
質問 20 それぞれ実際に事業をやっているところに安全管理だとか、スケジュール管理とかどんなことをやっていますか。
まずは、工事に着手する前の施工計画の段階で、安全管理も含めて工程管理などを事前に発注者の立場と請負者の立場で、打合せをして問題点を洗い出し、施工中に関しては安全管理は元請業者さんのある程度責務ということにはなるんですが、私どもも現場には、顔を出すようにして元請業者さんが、見ていないような視点、外から現場を見た視点ということで、気がついたことに関しては安全管理面で指導したり、しております。
質問 21 問題点を洗い出すということをどういう方法で、行っていますか。
私の現在の業務においてもそうなんですが、工事の打合せの際には、現場の状況とか施工期間など条件が、いろいろとありますので、メインとしてはリスク管理という位置付けで、それぞれの管理でどういったリスクがあるかということを1つずつ洗い出して、それに対してどういう対策をとるべきかというようなことで、打合せをさせていただいております。
質問 22 リスクを洗い出すときには、どういうやり方で行っていますか。みんなで集まってワイワイやるというよなやり方もあるかと思いますが。
今、行っておりますのは、例えば総合技術監理部門でいきますと、経済性管理、人的資源管理、安全管理、情報管理、社会環境管理という項目がありますので、そういったものを表形式にして、それでその場で1つ1つリスクを洗い出し、その対応方針、その結果どうであったかということまで、検証できるような形で進めております。
質問 23 経験論文の中で、それぞれの管理でご説明のある場合と、ない場合がありますが、ここに書かれていない項目に関しては、どういった管理をされていますか。
書いておりません他の管理のことでよろしいでしょうか。
はい、結構です。
人的資源管理に関しては、現在職場で○○という立場で、業務に携わっておりますので、部下に対しては評価的なインセンティブを与えるような形で労働意欲を引き出したり、職場においては、「あいさつ運動」であるとか、「報告・連絡・相談」を積極的に行うような形で、良好なコミュニケーションが図れるような環境づくりに取り組んでおります。
それと、人材育成の観点でいきますと仕事をしながら教育・指導とするといった形のOJTとか、基礎的な知識修得のための自己啓発を勧めるようにしております。
情報管理面につきましては、発注者という立場ですので発注情報とか、今行っております執行管理の情報をパソコンのネットワーク上でデータを共有化いたしまして、一元管理するようにしております。なおかつ、パスワードを使用することによって使用者制限をかけたり、執務室内におきましては関係者以外立ち入り禁止措置をとった上で、情報の漏洩といったことにも気をつかっております。あと、情報管理面につきましては、事業をしております周辺の住民や自治会の皆さんには、コミュニケーションを図るという意味で年に1度もしくは2度ぐらい自治会の総会等にお邪魔させていただいて、事業の進展ぐあいなどをお話して、何かあったときにはスムーズに連絡体制がとれるような形をとっております。
質問 24 自治会等に事業の進展ぐあいを説明する目的は、何ですか。
事業自体が長期にわたる事業ですので、周りの方からの事業に対する理解を得るためということです。
質問 25 事業を進めている中で、うちの町会はどうなるんだとかいったことは、あるんですか。
そういった自治会、地区界沿いといいますか、事業区域界の工事をする時に、そういったお話はよく出てきております。
質問 26 地元に対して事業の説明などを行う際に、特にこんなことを心掛けているといったことはありますか。
情報は正しく伝えるということと、誠意をもって対応するといったことを心掛けております。
質問 27 先ほど、OJTという言葉がでておりましたが、具体的にOJTはこんな風にやってるとか、あるいはこんなことをやったらいいと思っていることはありますか。
オン・ザ・ジョブ・トレーニングということで、業務を通じてという位置付けとなっておりますが、実際今の業務でやっておることは、部下がまだ入社して間もない職員等につきましては、関係機関協議など、そういった協議がどういった手順でその関係者と協議、打合せをするんだということを一緒にその打合せに、同席させてどういう雰囲気かといったことを経験させながら、あとで「この打合せは、こういう目的があるからするんだよ」とか説明し、そういう形で指導するようにしております。
質問 28 お仕事の中で、環境アセスメントのチェックをするという表現があるわけですが、どういったものといいますか、動物、植物いろいろあると思いますが、どういったものが調査の対象となっておりますか。
事後調査の対象はですね、貴重種ということで植物では「アリマグミ」という樹木が該当しております。動物でいきますと「カスミサンショウウオ」、この2種について事業に関して貴重種ということで、適正な場所に移植をして、事後調査という位置付けで、生育状況の確認、調査といったことを実施することになっております。
質問 29 具体的にといいますか、実際にその観察等は、どういった方がされているのですか。
事後調査自体は、来年度から予定しておりまして、まだ実際のところ事後調査には入れておりませんが、やはりそういった専門とされる方に調査依頼をするべきかと考えております。
質問 30 動物、植物だけで、アセスの項目としてはそれほど多くなくて、大変だったという結果ではなさそうですね。
項目は、大気汚染、水質汚染、景観、交通量、振動、騒音といったことを対象としておりましたが、事後調査対象ということになりますと、今現在のところ貴重種の動物、植物関係だけとなっております。
質問 31 周辺の地域の方からのいろいろな要望などがでて、その要望をまとめてもってくることもありますよね。そういう対応は、うまくいってますか。
事業がスムーズにいっているかどうかということですか。
そういうことでいいですよ。
やはり、周辺地域の皆さんは、地域から見た事業ということなんで、やはり、ある程度要望はいろいろ出されまして、事業としてすべきかどうかということを判断した上で、対応するようにしております。バブル以降、相当経済の組み合わせも違ってきており、そういった面では苦労される点は、多々あるでしょうね。
はい。 それじゃあ、どうもお疲れさまでした。
平成15年1月○日
場所:渋谷 フォーラム・エイト
[受付から控え室へ]
・1時間前に7階で受付をすませ、受付嬢から注意事項の紙をもらう。受験者控え室は8箇所に分かれていた。
・私の控え室は○○号室、50名ほどの会議室で5〜8名の受験者が出番を待っていた。人口密度が低いので張りつめた緊張感や息苦しさはなく、閑散とした感じ。予定時間の5分前頃から案内嬢が呼び出しにやってきた。私の前のグループなので観察していると、この部屋を担当している案内嬢は4名だった。ということは、8待合室×4名で、1回あたり30名前後の面接がここで行われていることになる。9時から17時まで14回の面接をするから、400〜500名の面接が行われているのか・・・?
・いよいよ次は自分の出番なので、ゆっくり深呼吸しながら瞑想(ひたすら和んだ雰囲気で面接が行われている情景をイメージ)。気を落ち着かせるために、会場に行く間に案内嬢と話をしよう。どこの大学か聞いてみようなどと考えながらひたすら待つ。
[いざ出陣]
・ついに呼び出しを受ける。案内嬢の後に続き、話しかけようとしたら、なんと隣の部屋が口頭試験会場だった。私のささやかな楽しみは未遂に終わってしまった・・・と同時に緊張感が高まる、高まる、高まる。
・案内嬢がドアをノックして「一緒に入って下さい」の言葉に従い入室。わりと大きな部屋に2名の面接官が窓を背に、私の受験申込書や論文に目を通していた。
・試験官A:向かって左50代後半の役人技術者風で厳しそう。私の経歴書と論文のオリジナルを持ち、質問の大半を受け持つ。
・試験岩B:向かって右60代前半の学者風で穏和な雰囲気。私の経歴書と論文のコピーの他、手帳大の質問カード(手書き30枚ほど)を持ち、試験官Aを補佐するような質問を受け持つ。(私が回答すると、カードにメモをしていた)
・受験番号と氏名を名乗り、着席したときは緊張もピークに達していた。
[口頭試験開始]
A:私はあなたの経歴書を持っていますが、3分程度であなたの経歴を述べて下さい。
→準備していたことなのに、最初は緊張して台詞の棒読み状態だったが、頷きながら聞いてくれるA試験官の態度に落ち着きを取り戻した。(イメージしていた情景どおりの展開だ)
A:技術士はいつ取得しましたか。→省略
A:総合技術監理部門を受験する動機は何ですか。→省略
A:今後の社員教育のあり方についてどう考えていますか。
→経験論文の内容を補完する形で回答。管理職と専門職(技術者)の役割と処遇を明確にすべき云々。
A:人事制度をどのように運用すべきと考えますか。
→会社が技術士などの業務に必要な資格を社員に求めるならば、資格手当などのインセンティブを用意すべき。技術士が沢山いる大手企業であれば、技術者個人の業績を評価してインセンティブを与えるべき云々。
B:若手の技術者の社員教育はどのようにしていますか。
→この業界に飛び込んでくる若手技術者は、業務を通して何らかの社会貢献をしたいといった志を持っているので、その気持ちを萎えさせないような指導を心がけている。今回の受験も自分自身の継続教育の一環として挑戦していることを実践しているつもり云々。
B:この業界は大変厳しい局面を迎えているが、なぜこの時期に独立したのですか。
→2年前から本社勤務になり、実務から離れてしまった。もっと実務に接したやりがいのある仕事をしたかった云々。
B:国交省は今後、企業と担当技術者の業務評価を公表して行くことを言っているが、どう思われますか。
→公正、自由な競争を展開して行く上で、必要なこと。理由も分からず淘汰されるよりも、弱点を補強するような企業努力を促す施策があることはありがたい云々。ISO9001の顧客満足、発注先の力量評価の観点から説明。
A:過去に経験した失敗事例と対策を1つ述べて下さい。
→総合技術監理の観点での失敗例として、外注業者の労働災害を経験したこと、安全管理規定を外注業者に厳格に適用していなかったことが原因だったことを説明。
A:リスク管理の観点から原因をどのように分析しますか。
→労働災害リスクの高い現場作業を専門業者へ外注することで、リスクを移転したと勘違いしていたことが大きな原因。リスクを削減する対策として安全管理を徹底しなければならなかった云々。
B:技術士の資格手当はいくらですか。→省略
A:業務上技術者倫理に反するようなことはありましたか。
→幸いなことに、特にそのような経験をしたことはない。
A:この業界には、どのような倫理要綱がありますか。
→所属する日本技術士会、土木学会に技術者の倫理要綱があります。
A:日本技術士会の倫理要綱はどのような内容ですか。
→前文の概要と主な項目を説明。
A:技術士の継続教育について、あなたはどのように取り組んでいますか。
→今年は、総合技術監理部門技術士の取得を第1において取り組んでいる。また、日本技術士会へ申し込んでデジタルIDを取得し、インターネット上で随時CPD実績を登録している。
A:現在のCPDは何単位ですか。
→○○単位です。この試験に合格できれば20単位認定されるので目標は達成できるのですが・・・
(両試験官とも笑い)
A:土木学会のCPDと日本技術士会のCPDは、関係(関連)が分かりづらいと思いますが、継続教育を実践して行く上で何が重要ですか。
→私は日本技術士会の規定に従って対応しているが、教育内容に偏りが生じないように何を学ばねばならないか、何を経験しなければならないかを考え、3年程度のCPD計画を作っておくべき云々。
A:時間ですのでこれで終了します。
→ありがとうございました。(礼)
※ 試験時間は約25分。
両試験官ともに、私に対する気遣いを込めた雰囲気で質問をしてくれた。おかげで、イメージしたとおりの和やかな雰囲気の中で口頭試験を受けることができた。
しかし、振り返ってみると質問内容が人的資源管理に偏っていた点が気になるところ。経験論文の内容から観れば、私が果たした成果に係わる部分なので大変ありがたいことだが・・・。選択問題に関する質問は皆無だった。
1.経歴について
○経歴を5つの管理で話してください。
2.現在の職務について
○安全管理はどのようにしていますか?
○経済性管理はどのようにしていますか?
○社会環境管理はどのようにしていますか?
○教育はどのようにしていますか?
3.CPDについて
○資質向上はどのようにしていますか?
○論文、特許、委員会などは?
4.経験論文等について
○EMSで著しい環境側面を特定した時に工夫した事と課題は?
○EMS構築と経済性とは両立できたか?
○両立できないときはどのようにして判断したか?
○G購入システムの課題は?
・データが集まり難いと回答
○インセンティブを与えたらよいのでは?
・「現在検討中です」と答えてしまった。「それは名案!」と答えればよかった。
5.受験動機
・「国土交通省の21世紀技術士差別コメント」と言ったら驚いていた。
以上15分でした。
これで落とされたら怒ります。特に目新しい質問も無かったので、フォーラム8の情報を追加します。
・送付された地図よりも左側にある感じ
・13:00頃はELVが大混雑。中は迷路。帰りは4F止まりのELVがあるので注意。
・待合室は選択科目に無関係、暑い。
1月20日、総合技術管理部門(建設−建設環境)の口頭試験を受けてきましたので、参考までに報告します。
前日は池尻大橋宿泊。試験時間は11時からなので、9時に宿を出て、歩いて渋谷へ向かう。道玄坂上付近のコーヒーショップで朝食。10時前にそこを出て、フォーラム8。7階で受付を済ませ、5階の待合室へ。2年前の建設部門のときよりも、張りつめた空気。呼び出しがあるまで、資料に目を通しながら、回答をシミュレーションする。11時30分、次々と呼び出しがあり、自分も別館の同じ階の1室へ案内される。
試験官は、向かって右側が50代、試験の途中で品質管理が長いと言われていたので、ゼネコンの方か。左側は40代、国交省の方か。名札をしていたので、試験の途中に読もうと試みたが果たせず。質問は、前半(2/3くらい)が右の方で、経歴と総合技術監理全般のことを、後半が左の方で、経験論文、倫理などを聞かれた。
質問の概略を以下に列挙します。
1.経歴について。何から話そうか少し言いよどんでいると、特に技術士を取得してからを中心に、と助け船を出してもらった。
・現在の立場と、それ以前3カ所での業務についてごく簡単に答える。
2.総合技術監理部門の受験動機と、今後にどう活かしていくか。
・受験動機を答えたところで、次の質問へ。
3.経済性管理の中には、大きく分けて3つの分野(品質、工程、コスト)があるが、あなたが最も関わった分野について、例を挙げて説明せよ。
・工程管理について説明。仮設備の検討でリスクを避けたことを強調。この流れの中で、試験官から「OR、待ち行列について勉強したことがあるか」と聞かれたので「特にはございません」と回答し、「したことがなければよろしいです。機会があれば勉強してください」と言われたが、後で青本を確認したら載っていた。
4.品質管理への取組について
・舗装工事での経験を説明。試験官「工種によって、表現の仕方がちがうところがあるので、とまどうことがありますね。」
5.コスト管理(削減)について
・現場レベルでの小さな工夫と、計画レベルでのコスト削減について説明。
6.情報管理について、どのような取組をしているか
・LAN、WAN、情報共有、情報保護等を答える
7.人的管理について職場で取り組んでいることについて。
・情報共有、雰囲気作りなどを答える。
右の試験官から
8.経験論文について
9.部下の育成について
10.技術士の倫理について
11.CPDについて
12.技術士の義務
・3義務2責務を答える
以上、終始穏やかな雰囲気(待合室の張りつめた空気に比べれば別世界)で、会話のキャッチボールを交わすことができた。筆記試験の自己採点では、択一式が6割弱だったので、青本の中身について聞かれることを覚悟していたが、用語の説明等は全くなし。記述式の選択問題(サッカー場)でもアセスのスクリーニングの記述に、錯誤ないしは不充分な解答があったので、そのあたりの突っ込みも覚悟していたが、それもなし。口頭試験での回答が点数をもらえるのか否かは別にして、一応の受け答えはできたので、満足しています。あとは、天命を待つのみです。これから口頭試験に臨む方の参考になれば幸いです。
試験日は12月6日(土)で会場はフォーラムエイト。前日より東京に出て一泊した。当日、試験は14:30からだったが雨の恐れがあったので、午前中から渋谷へ。
渋谷駅では北側のハチ公口から出て、ハチ公前スクランブル交差点の左側の横断歩道へ。街灯に「道玄坂」と書いてある。また、日本サムスンとUCのカンバンを目印に、その間に行くようにする。少し歩くとすぐに109ビルが見えるので、それを左側に。5分も歩くとフォーラムエイトの入っている新大宗ビルに到着。
フォーラムエイトを過ぎ、吉野家向かいの「NOA道玄坂」2階の「Mospeng cafe」へ。飲み物しかないが静かで落ち着いて過ごせる。ここで午前中試験準備。経歴や経験論文の内容を再度見直し、「総監技術士としての発展的思考」をはじめる。リスクマネジメントや危機管理、ナレッジマネジメントなどを自分の業務・職務の中で本当に実用化するとしたらどうするか、また様々なトピック(たとえばH2Aロケット打ち上げ失敗など)を総監技術士として考えてみる。
昼食は面倒なので同じビル1階の回転寿司ですませる。まだ早いのでどうしようかと思っていると、新大宗ビル1Fにも喫茶店がある。入ってみるとまだ昼の時間で1階はいっぱい、2階へ。またコーヒーを頼んで、今度は技術者倫理の考察に入る。技術者倫理の思考でトピックを考えてみる。殺害された駐イラク外交官はテロ標的となりうることを認識していたらしい。するとインフォームドコンセントを与えていたといえるのかもしれないなあ・・・・など。
13:30になったのでフォーラムエイトへ。いつものように7階まで上がって受付。さあ5階に行くぞと思ったら「10階の1000号室」と言われる。へえ、初めてだ。
控え室はなぜか例年ほどの重苦しい雰囲気を感じない。こちらが慣れたのか、総監受験の既技術士が多く、みんなそんなに緊張していないのか。でも総監受験生ばかり集めてあるとは限らない。
とにかく座り、技術者倫理のことを続けて考える。
やがて14:30、真っ先に自分が呼ばれた。
試験室の前に来ると女性が横に立ち、「ノックしてから入ってください。真ん中にイスがあるのでそこに荷物を置いてください」と言われる。
ノックするが、中の声は聞こえない。「失礼します」と言ってドアを開ける。
室内は試験官が2人。その向かいにイス。その横にドアのほうを向いて荷物置きのイス。ちゃんと「荷物置き」と書いた紙がつけてある。
再度「失礼します」と会釈して荷物を置き、イスの前に試験官に向かって立ち、「○○○番の△△です。よろしくお願いします」と言う。
試験官は向かって右手(以下、A)が若い役所風。30代後半くらい。左手(B)は民間か大学かな?40代くらいの役所っぽくない人。
右手が「お座りください」と言ったので「はい。失礼します。」と言って着席。深く腰掛け、背筋を伸ばす。
さあ、はじまりだ。
A「あなたはコンサルにお勤めですね。入社されて何年になりますか?」
私「えー、昭和60年に入社いたしましたので、今年で19年目になります。」(何でこんなこと聞くんだ?)
A「ははあ」(ちょっと意外、あるいは感心した雰囲気。なんで?)
A「あなたは管理職についておられますが、部署の人数、あなたの部下はそれぞれ何人ですか?」
私「はい。部署の人数は14名、部下は13名です。」
A「ははあ」(だから何で感心するんだっての!)
A「それでは受験動機と資格を取得した場合の抱負についておうかがいします。」
私「はい。まず動機から申し上げます。私は平成8年に管理職を拝命いたしまして、また同時にその前後から管理技術者として業務にあたることが多くなりました。そういう中で、管理、工程管理とか人を使うということ、品質管理などについてあれこれ考えるようになりました。私なりに試行錯誤を繰り返してきたのですが、一昨年に総監部門が創設され、いわゆる「青本」ですか、あれを手にする機会がありました。あれを見て、自分があれこれやってきたことが技術体系に整理されていると思って非常に感動しました。そして、『よし、専門分野の技術士を取得したら、次は絶対総監部門をとって、自分の業務に活用しよう』と思ったのが動機でございます。」
A「ああ、建設部門の技術士はすでに取得しておられるんですね。」
私「はい。平成14年度に取得いたしました。」
A「ああ、昨年ですね」
私「次に資格取得後の抱負ですが、総監技術というものは、体系的に整理はされているものの、個々の技術の建設分野における活用の具体的手法、メソッドというものがまだ確立されていないように思います。(このあたりでA、うなずいて下を向き、何かを書いている)私は資格を取得しましたら、この技術の実用化をはかるため、積極的に実務で使っていきたいと思っております」
A「では経験論文についてお尋ねします。書かれた内容の要点を説明してください」
私(よしきた。意識して身振り手振りを加えながら)「この業務は、軟弱地盤地帯における調査設計業務で、社内複数課にまたがるため、プロジェクトチームを組んで対応いたしました。私は管理技術者とともにPTのマネージャーとして業務を管理いたしました。」
私「まず経済性管理ですが、高度な軟弱地盤解析を要求されているにもかかわらず工期が短いものでした。最初にアローダイヤグラムでクリティカルパスを検討したところ、とても工期には間に合わないことがわかったので、ここを詰めようということになりました。(A、B、うなずきながら聞いている)地質調査工程は現場班を3班たてて作業を詰めました。この管理のために専属現場管理者をあててスムーズな管理を期しました。また設計工程は増員により複数の解析工程を平行して行うこととしました。そして、地質調査データが全部そろってから設計を始めていたのでは間に合いませんので、データがある程度まとまったらその都度検査をして設計工程にまわすようにしました。このようにして工期に間に合わせることができました。」
私「次に人的資源管理ですが、技術者というのは自分の持ち場以外に視野を広げないところがございます。これではスムーズに連携できないし、またせっかくこういう仕事をするのだから、『オレは大きな仕事をやってる』というようなインセンティブを持って積極的にやってもらいたい、そういう体験をさせたいということで、最初に講習会を持ち、事業背景から説明して俯瞰的視野を持つように配慮しました。また、モチベーション維持のために毎週ミーティングを持ちました。」
私「社会環境管理につきましては、やはり設計にあたり環境への負荷が小さい工法を選定しようということを考えました。結局は載荷盛土工法になったのですが、それも他の公共事業と土のやり取りをすることで、少しでも環境負荷を軽減することを考えました。以上でございます。」(正直、しゃべりすぎて少し疲れた)
A「経済性管理ですが、どれを最優先されましたか?」
私「やはり工期は絶対に守らねばならないということで、それを最優先し、まずクリティカルパスの特定からはじめました。」
A「高度な軟弱地盤解析とありますが、どのようなことですか?」
私「はい。単純に何もないところに盛土をするのではなく、場所にもよりますが、既設の道路に腹付け盛土をしたり、JRとの近接盛土だったりしました。一番複雑だったのは、既設盛土とJRの間に盛土をする箇所です。これらの箇所ではFEM解析を実施しました。」
A「そのために土質試験に特に配慮しましたか?」
私(え?これって総監の口頭試験じゃあ・・・・)「試験項目としては特に特別なものはありませんが、各土層ごとに定数の設定が必要だったもので、試験数量を増やしました。」
A「人的資源管理ですが、そのように俯瞰的視野を持たせたことで、その後の効果はありましたか。何かフォローアップは?」
私(フォローアップか!鋭い質問だ)「はい。事後にアンケートのようなものをして、技術者としての抱負などを書かせましたが、意識は向上したと考えています。」
A「社会環境管理ですが、具体的にどのような工法を比較検討されましたか。またそれぞれの環境への影響をどのように判断されましたか?」
私「載荷盛土工法以外に検討したのは、パイルネット工法、パイルスラブ工法、軽量盛土工法です。パイルネットは防腐剤の環境負荷、パイルスラブはセメント混合処理に伴う六価クロムなどの土壌汚染といったものを考慮しました。また、生産過程でも環境負荷はあるわけで、そういうちょっとしたライフサイクルアセス的な点にも考えを伸ばしました。」
A「LCAについてもう少し詳しく話してくれませんか」
私(あ、余計なことを言っちゃったかも・・・・)「たとえばセメントを生産する過程でスラグなどの廃棄物が生じます。また、コンクリート構造物の対応年数が過ぎるとそれを廃棄しなければなりません。そういうことを考慮するということかと思います。」
A「つまり生産から廃棄までということですか?」
私「はい。そうです。」(フォローしてくれたのか?)
A「この業務で情報管理についても何かするとしたらどんなことをしますか?」
私(よしよし。いい展開だ)「実際に行ったことですが、LAN上でデータを共有するので、ヒューマンエラーによるデータの書き換え・破壊を問題視しました。(この段階ですでにうなずき、下を向いて何かを書いている。ここまでもしょっちゅうこうしている。俺の話が長いのかなあ?)そこで、講習会の場でファイルの最新版管理についてマニュアルを作って配布し、徹底しました。また、万一に備えて日に2回全データのバックアップをとりました。」(後半はチェックシートのようなものを見ながら何度もうなずいている。「はいはい、もうわかりました」ということか?)
A「では同じく安全管理についても」
私「急ぎの仕事だということで、現場も急いで事故が起こることを一番懸念しました。そこで専属管理者をつけましたが、最初に安全管理手順書を協議して作りました。また現場では日常的な点検とKYKを必ず実施するように指示しました。」(少し言葉が出てこなくてつっかえ気味だったが、その間何度も「はい」「はい」と合いの手が入る。「はいはい、もうわかりましたよ」というように聞こえて仕方がない)
A「経済性管理のところにTQMというのが出てきますが、これはどのようなものですか?」
私「TQMとは何かということでしょうか?」
A「そうです。」
私「全社的品質管理です。」
A「御社のTQMについて話してください。」
私「当社では平成8年ごろに品質にかかわる大きなミスがありまして、それを契機に品質管理について何とかしようということになりました。そして部課ごとに協議して、それをもとに当社なりの品質管理体制を作ったところです。そして平成11年にそれがおおむね出来上がって、その翌年にそれを少し改良してISO9001の認証を取得しました。」
A(Bに目配せ)
B「選択問題ですが、耐震性能のことについてです。お書きになったことはもっともだと思うのですが、イベントは中止する以外にないんでしょうか?」
私「はい。これについてですが、まず私は危機管理ではなくリスクマネジメントとして解答しております。これは、クライシスは何かと考えたときに、大地震が来て多数の死傷者が出ることをクライシスと考えるなら、これはこない可能性もあるのでリスクだと思ってそのように書いてしまったのですが、結局のところ、耐震性能を確保しないのにイベントをやるというのは、来る人たちにリスクを負わせることになってしまうので、それはできないだろうと。その人たちにそういうリスクがありますよと説明して納得ずくでやるのなら、これはインフォームド・コンセントですが、それはとても得られないので、絶対にそれはできないと考えます。ですから、イベントは中止するか、あるいは建物の横にテントでもはってここでイベントを行うとか、どういう方法しかないと思います。」(B、「はいはい」とか合いの手をいれながら、うなずきながら聞いている)
B(私はこれでいいです、という感じでAに目配せ)
A「ちょっと話は変わるんですが、最近石油備蓄タンク火災などが相次いでいますね。これについて何かお考えがありますか?」
私「はい。これはあくまで私の感じていることですが、安全管理に関する現場の技術力が落ちているのではないかと思っています。安全管理に携わってきたベテランの方がリストラされたりして、その方たちが持っていたノウハウやスキルが失われているのではないでしょうか。こういうノウハウ・スキルは暗黙知ですから、不況でどうしようもなくリストラするのなら、ナレッジマネジメントを実施して暗黙知を形式知に変えてマニュアル化した上でないと、その人をやめさせたら技術も失われます。どうもそういう熟練者軽視といいますか、そういうことが行われて、こういうことになっているのではないかと考えています。」
A「では技術者倫理についておうかがいします。2つの責務というのがありますが、公益の確保というのはどのようなことだと思いますか?」
私「企業の利益、あるいはクライアントの利益よりも社会全体の(このへんでもうずっとうなずいている)利益を優先するということだと思います。」
A(Bを向いて)「何かありますか?」
B「いや、特に」
A「ではこれで終了します。ご苦労様でした。」
私「どうもありがとうございました。」
立ち上がり、もう一度「どうもありがとうございました」と言って、荷物を取って振り返り、「失礼いたします」と言ってドアへ。ドアを開けて外に出るときに会釈。でも2人とももう見ていなかった。
外へ出て、携帯電話を取り出して電源を入れたら14:49。20分たっていない。呼ばれて入室するまでの時間なども考えると、17〜18分といったところだ。
ほとんどの答えで途中から2人とも何度もうなずいていたし、「はい。はい」と合いの手を入れてくれていた。聞かれたことから横道にそれたこともあったし、意図する答えをズバリ言えなかったのもあると思うが、答えられなかったこと、疑問視されたようなことなどはなかった。全体に饒舌だったと思うし、インフォームドコンセント・暗黙知・形式知・ナレッジマネジメント・KYKなどの管理用語も自然に使いこなせた。
よし、これで60点取れてないということはないだろう。口頭試験はこれで3回目だが、「よっしゃ」という手ごたえがあるのは初めてだ。よし、きっと大丈夫だ。
自信を持って道に出る。歩きながら帰りの電車のダイヤや来週の仕事の段取りにすでに思考が移っていたが、途中で「あ、試験記録をとっとかないと」と思い出し、道端で大急ぎでメモ。
よし、これで終わった。さあ、来週の仕事の段取りを考えながら帰ろう。しかしやっぱり疲れたなあ〜
平成15年度口頭試験質問内容(建設部門・道路計画) 12月*日東京都渋谷、フォーラム8
1.行政の立場で技術士になろうとする動機は?
準備した予想回答を思い出しながら、おおむねそのまま答えた。
[準備回答]
・近年、公務員技術者の技術力低下が問題にされてきており、会計検査で設計ミスが指摘されるなど、委託した設計の内容を十分検討,理解しないまま受け取っており、それを現場で施工する際にも気付かないことも多い。自分で受験のため勉強して、いかに自分の知識の幅が狭かったかを痛感した。当面する課題については調べ勉強もしたが、それ以外の分野,事例についての勉強をもっとすべきであったと反省した。資格取得を目標にすると自己研鑽,技術力向上の良い機会になると感じた。以前から、そろそろ技術者として建設行政に従事した総決算として技術士の資格を取りたいと考えていたことも受験の動機である。
・公務員技術者は特に資格が無くても、計画策定,現場監督ができるため、資格そのものへの関心が低い。結果として現場技術者やコンサルタントの技術士に対する評価も相対的に低くなりがちである。役所が評価しない以上、社会的評価もあがらないし、建設技術の発展も進まない。公務員が技術士の資格取得を目指すようになれば、必ず技術士のステータスは向上すると考え、部下職員に技術士試験を受けるよう勧めており、自分から受験し、落ちたり合格する様子を見せることにより、身近なものとして認識させようと思った。2.南海地震や東海地震など想定される地震に対して、どのような対応を考えているか?本県においては、近海で発生するであろう、強い地震を想定した対策を考えている。道路管理者としては発生時に緊急輸送路の確保に努めることとしており、そのための道路整備を、鋭意、現在進めているところである。また、震度5以上の地震発生時には、(間違い!実際は震度6)防災担当課を中心に対策本部が設置され、全職員が緊急登庁するなど緊急時のマニュアルに基づいて行動することとしている。3.現在マネージメントする立場におられるが、危機管理はどのようにお考えか。
道路管理における危機管理として、まず考えられるのは、管理瑕疵による事故である。通常の道路パトロール体制を確立することによる発生防止と、万一事故発生の場合は保険による補償体制も取っている。4.環境対策の観点から、道路整備のあり方はどう考えるか?
自然環境の保全については地域のNPOなどと連携を取りつつ、理解を求める。特に地域分断による動植物への影響は重大であるので、配慮が必要である。5.技術士の倫理に関して、行政の立場でどのようにすべきと考えるか?
公務員の倫理と技術士の倫理は、信用失墜行為の禁止や、守秘義務など、もともと重なる部分が多いが、日頃から公務員であると同時に科学技術者であることを認識して、地域のために尽くすことを心掛けており、また部下にも指導している。6.経験論文に関する質問
論文を見ながら、そこに書いてある数字の根拠を問われた。7.経験論文は少し古いようだが、これ以外にもっと新しい経験業務はないか?
もう1例、これらより3年くらい新しい事例を説明。8.都市計画も担当されているが、最近、都市計画道路の整備率が低いまま、一向に改善されないことが問題になっている。地域住民へ行政はもっと強い立場で臨むべきという意見もあるが、どう思うか?
都市部の街路整備が進まないのは、用地補償費が莫大になり物理的に進まないことと、総論賛成各論反対という地域エゴもあり、住民意識も確かに問題である。ただ、都市計画道路は、計画を一度決定すると、当該地の住民に法的拘束力を有することから、簡単に計画変更がしにくく、また殆ど変更・廃止を行うこともない。時の経過に伴い町のたたずまいも変化していくのだから、現状にそぐわない計画は積極的に変更廃止していくことも必要だと考える。9.貴県の高速道路にも未整備区間があるが、今後の高速道路整備のあり方についてどう考えるか?
有料道路制度は、道路を早急に整備するには非常に有効な制度であり、積極的に活用すべきと思う。道路公団は、赤字ではないし将来無料開放すべき道路を民営化することの意義は全く理解できない。10.財源が少ない時代、今や道路よりも福祉に予算を使うべきと言われているがどう思うか?
先人の英知により、道路はその利用者が格別の負担をし、それを財源にして整備が進められてきた。電車を利用し車を持たない、都会で道路財源を負担していない人々も道路の恩恵を毎日受けているのであるから、その人々のためにもこの財源を用いて道路整備を進めることに何の不合理もないと考える。11.(経験論文より)交通事故に関して、ドライバーのマナーが悪いことが問題になっているが、どう考えるか?
道路管理者としては、通常の通行方法とかけ離れた、暴走行為などで事故を起こすようなケースについて何ら配慮する必要はないと考えていたが、交通管理者としての警察は、市民の生命・財産を守るという使命感から、市民が自らの意志でなく命を落とすことに責任感を持っていることを知った。交通管理者としての視点は、やや異なっている。12.法令遵守と事故防止の観点から、大型車にリミッターをつけるべきという議論があるが、どう思うか?
道路法と道路交通法では設計速度のとらえ方が異なる。道路交通法では乗用車の法定速度が60kmであるのに、道路整備するサイドでは平気で50km,40km,時には30kmの設計速度で道路を作っている。このような道路は、作ったとたんに速度制限をしないといけない危険な欠陥道路である。このような現状をみれば、交通安全の観点から、リミッターによる規制をすべきだという主張もうなずけることである。13.財源の少ない中、防災の観点から整備の進まない地域住民の安全をどう担保していくか?高速大容量光ケーブル通信ネットワークの構築が現在、国を始め自治体において進められている。これを今後有効活用し緊急時の情報伝達に活用するなど、ソフト対策に期待している。14.地方財政も支出削減が進んでいるが、事業量が減少していく中、どのように社会資本整備を進めていくべきと思うか?地方自治体でも職員の給与削減など、まず第一に人件費の節減を進めている。また、欧米ではもはや一般的となっている(イギリスとドイツの例を話す)管理部門や計画から施工まで一貫して民間に任せるシステム導入が今後は進むのではないかと考える。15.実務経験の中で失敗した事例について、あれば概要を。 街路事業で失敗した構造物について説明。・・・失笑有り。はじめに、「きのうから東京に来られたのですか?」など、緊張を和らげる質問があった。どの質問も、回答に対するつっこみや、反論,再質問は無く、淡々と進んだ。試験官は2名。おそらく左が技術士会,右側が国土交通省の方と思われた。左の試験官が主に質問。右の試験官は、行政施策に関する質問を数問されただけである。最後に左の試験官が、「私はこれで」と言われ、右の試験官を窺ったところ、彼が頷き、「これで終わります。ご苦労様でした」で終わった。以上、約20分間。
建設投資の原資が減少している現状にどう対応すべきかとの質問が多かった。試験官は国土交通省が提唱しているコスト縮減対策や、コスト構造改革に掲げてある対応策に触れて欲しかったのかもしれない。道路でいえば1.5車線道路や乗用車専用道路,アセットマネージメントなど、コストを抑えた道路整備手法を答えるべきであったかと思う。ただ、私自身これらの政策をあまり評価していないので、その場で考えつかず別な対策ばかりをしゃべってしまった。ひょっとすると、まずかったかもしれない。
当然、試験会場での私の発言は、ここにまとめたように理路整然とはできなかった。話が前後したり、適切な表現が出来なかったりした。おおむねこのように発言したということである。もしかしたら、試験官は私が意図したように理解していないことも十分あり得る。 (結果・合格でした)
技術士総合技術監理部門 口頭試験
2004.12.16(木)16:00〜
渋谷フォーラム8
15:15頃受付、控室にて待つ。すでにかなりの人数が控えていた。
案内係りの女性(女性は5〜6人はいるか?)が次々と受験生を案内していく。バタバタして回転がよい感じで集中して最後の確認勉強などできる雰囲気ではなかった。
5分前の15:55に呼ばれ案内された。この女性は私が最後だと言う。だが17:30まで試験はあるらしい。
ノックして入室し荷物置き場と表記のある椅子に荷物を置き受験番号と名前を言って立っていると着席を促され着席した。
試験官は2名。A:50代役人か?昔の上司Aにどことなく似ていて慣れやすかった。B:コンサルタントか?技術的にかなり突っ込んだ質問や抽象的な質問が多く、答えにくかった。少し前の上司Bに似ていた。
A:技術士総合技術監理部門を受験した動機は?
私:平成12年度に専門分野の建設部門で技術士の資格を取得しました。当時は専門的技術が必要だったことが受験の動機のひとつでした。私は建設会社で現場管理をやっていますが、その後次席として現場管理運営業務やるようになり、専門的技術的知識だけでなく総合的に管理する必要がでてきました。その管理項目は今回の総合技術監理部門の5つの管理項目・・・安全、経済性、環境、人的資源等・・・と合致してまして受験にいたりました。
A:経歴について古いほうから10個言ってください。平成4年から・・・(経歴書は10個記入してあったが平成4年からだと7個になる・・・・)
私:(平成4年・・・ってなにやってたっけ・・・?しばらく考えて)すみません、年代がちょっとわからないんですが・・・
A:○○川・・・
私:あっ、○○川のシールドです。以下、経歴を列挙。
A:あなたの業務経歴の中で総合技術監理部門的立場で行ったものは何ですか?
私:経験論文でも書いた○○川の護岸改修工事です。これは工程的にも予算的にも厳しく、都市河川特有の急な増水時の作業員の逃げ遅れが懸念されていました。また、両側には民家やビルが隣接しており論文にもかきましたが環境にも配慮しました。首都高速もすぐ横にありました。そして予算が厳しかったものですから社員の適切な配置ができず、人材派遣やアウトソーシングに頼らざるを得ず、人的資源管理も必要でした。つまりさまざまな会社の人間が集まっている状態なので、得意分野もレベルも異なります。そこで管理レベルの統一のために品質管理計画や方針を打ち出し、管理しました。
A:情報管理についても言及して、特に情報の共有化について書かれてますね。
私:当時は・・・、3〜4年前でしてコンピュータが台頭してきた時期で電子データと紙データが混在しておりました。図面もCADデータがメーカーや専門会社から送られてくるのに元請である我々がCADデータを扱えないのでは話にならない。そこで電子データを取り扱う責任者を指名して窓口を一本化して情報がその人間に集約されるようにしました。また、紙データもたくさんあり、今でもそうですが・・・紙データを扱う責任者を別に指名してその人間に情報を集約させました。その結果、大きなトラブルもなく終わりました。
A:人的資源管理についてはどうでしたか?
私:さきほども言いましたが、さまざまな会社の人間が集まっている状態でしたので彼らにインセンティブをあたえ、やるきを出させる雰囲気作りに留意しました。
A:それは飲みにいくということですか?
私:もちろんそれも含めて、コミュニケーションをとることを積極的にやりました。彼らは与えられた仕事はやるのですがそれ以上の仕事を積極的にやることはあまりありません。またコミュニケーションも積極的ではなく、最初のころは黙って黙々と、といった雰囲気でした。そこで私のほうから意識的に話しかけるというか声かけを心がけました。
B:都市・市街地の工事で最も気にしなければならないことは何だと思いますか?
私:先ほどの工事でもありましたが、首都高速をとめるとかガス水道などのライフラインを止めることだと思います。
B:広くて浅い掘削と狭いが深い掘削ではどちらが技術的に難しいと思いますか?
私:ケースバイケースですが一般的には狭いが深い掘削だと思います。浅い掘削はパワーショベル等で試しに掘って目で確認できますが深い掘削は確認することはできません。想定になってしまいます。そこが大きく違います。
B:大深度掘削では山止めの変位がありますが、どんな山止壁が適していると考えますか?
私:地層や条件によって違うのでこれもケースバイケースです。一般的には地中連続壁です。SMW・・・鋼材を芯材とするものと鉄筋篭を入れるものがあります。
B:組織マネジメントとして技術的観点で行わなければならないことは何ですか?
私:組織マネジメントとして技術的観点???・・・(抽象的すぎて何て答えてよいかさっぱりわからなかった。気を取り直して・・・)管理レベルの統一だと思います。技術的な管理レベル・・・つまり管理基準や規格値をあらかじめ計画として設定し、方針も定めておく、あらかじめ決めておいた組織体制に基づいて管理をしていくわけですが、規格値を逸脱したりトラブルが発生したときはその組織体制にもとづいて対策をたてなければなりません。
B:コストと工程・安全はどちらが優先されるべきですか?
私:ケースバイケースだと思います。すべて100%ということはできませんからそれぞれを総合的に考えて折り合いをつけなければなりません。組織のトップが方針として決定すべきものだと思います。
B:技術的な管理をする上でなにが一番重要だと思いますか?
私:まず自分が勉強することだと思います。自分の技術レベルが達していなければ管理できません。最近は新しい技術や材料がどんどん出てきていますので勉強しなければなりません。
B:社会環境の観点で一番重要なことは何だと思いますか?
私:近隣への配慮だと思います。
B:専門的技術をさらに深く掘り下げたいですか?それとも総合的判断ができるようになるのとどちらを目指しますか?
私:総合的俯瞰的なほうです。
A:技術士の意義は?
私:科学技術の専門的応用力によって業務を行い、また、指導を行うことです。
A:つまり技術士制度は何のためにあるのか?
私:社会貢献のためで、ある一定レベルの技術者を育成、輩出し・・・
A:登録してですね?
私:そうです。・・・(えっ?そういうことを聞いてたの?)
A:技術士の義務と責務を言ってください。
私:信用失墜行為の禁止。守秘義務。公益確保。名称表示の義務。資質向上の責務。
A:はい。結構です。おわりです。
以上約17〜18分
最初のうち緊張した。過呼吸状態。Bがどうも陰湿かつ抽象的な質問ばかりで答えづらかった。
全体的に質問に対してドンピシャの答えができなかった印象あり。しかし大きくトチッタ処もなく“うまくかわした”感じである。
口頭試験体験記 私は、建設会社に入社して今年で10年目となる34歳の土木技術者です。今回は総合技術監理部門(建設−鋼構造及びコンクリート)で受験しました。 日 時 :平成16年12月12日(日)15:00〜15:30 場 所 :渋谷フォーラム8 試験官A :40代、ゼネコンかコンサルあるいは公務員の建設技術者 試験官B :50代、建設分野ではない。機械システム関係か大学の先生か? (以下、質疑応答) |
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試験官A: | 貴方の経歴について述べて下さい。 |
私: | 経歴書に沿って解答し,現在の兼務を追加。 |
試験官A: | その兼務について具体的に何をやるのですか。 |
私: | 六ヶ所村の試験坑道内での水理試験等についての概要を解答。 |
試験官A: | 今回の受験動機についてお答えください。 |
私: | 昨年7月より放射性廃棄物処分と言った従来と毛並みの異なる部署に異動となりました。当部は、リスク管理を主とする安全管理やそれに付随して経済性管理と社会環境管理といった総合技術監理的視点からの業務遂行が今まで以上に必要となったからです。 |
試験官A: | 特許はありますか。 |
私: | ありません。 |
試験官A: | 論文発表はありますか。 |
私: | はい、あります。 |
試験官A: | それは査読付論文ですか? |
私: | いいえ,違います。土木学会耐震補強シンポジウムにて発表しました。 |
試験官A: | 失敗例はありますか。 |
私: | はい、あります。私が鉄道工事現場で施工計画した一部である避難用通路の計画が住民説明会で反対に会い、計画を見直し手戻りになってしまったことです。でも、計画を見直したことで住民の理解は得られました。 |
試験官A: | それはどういう点が原因と思いますか。 |
私: | 住民に対して、(返事をし忘れたことに気づき言い直す)はい、住民に対しての説明会は事前に数回にわたって行っていたのですが、その部分は工事の中でも重要度の低いもの、周辺影響の低いものと自分で決めつけ、説明が不足していたことと、分かりやすく説明する技術力が不足していたことが原因と思います。(いかん、結論が後になってしまった) |
試験官A: | 貴方の技術力が原因と考えたのですか。 |
私: | はい、それに加えまして住民の立場に立っていない、うーん、説明責任といいますか、そういったことが不足していたと考えます。 |
試験官A: | その失敗経験は現在生かされていますか。 |
私: | はい、生かされています。当時の現場の上司から、「自分の1つの失敗を隠そうとすると隠そうとするために更に失敗を重ね収拾がつかなくなるから、その場で叱られることを恐れてミスを隠すようなことはするな。」と指導を受けました。特に自分や会社にとって不利益なものほど、隠してはならないという考えを常に持っています。 (当時所長に言われたこの一言はいつも心に残っています。今回試験時に口をついたのは自分では予想外ですが、思わず出てしまいました。これがいつもの自分しか出ないと言うことなのでしょうか) |
試験官A: | 経験論文についてですが、「このコスト縮減のための設計」というのは具体的にどのようなことをやったのですか。 |
私: | はい、まず公団さん(発注者と言うべきだった:日常の言葉遣いだ)から頂きました設計図書の情報を活用して、その内容を照査しました。そして、応力の余裕度をチェックして部材厚さのスリム化を図りました。しかし、それだけでは限界がありますので、換気施設の中をいじることによって、えー、例えば、柱の位置を変更するとか、中の設備配置を見直すことによって応力状態が楽になる方向にもっていき、部材を薄くしました。 |
試験官B: | 私、この分野について素人ですので、経験論文に書かれた業務について分かりやすく説明してもらえますか。 |
私: | はい、今回、書かせて頂きました業務は、道路トンネルの地下換気施設の設計です。従って、地下の道路トンネル(両手で○のジェスチャー)に接続させて、換気施設も地下(両手で□のジェスチャー)に設置します。経験論文に書かせていただきましたのはその換気施設(両手で□のジェスチャー)の方の設計を公団さんより品質を落とさずコストを落としてくれという要求に従って行いました業務です。 |
試験官B: | ちょっと分からなかったのがですね。「接続する道路トンネルも含めてライフサイクルにわたるリスクマネジメントを実施した。」と書いてある箇所なんですけど、具体的にはどういうことですか。 |
私: | はい、接続する道路トンネルの火災時に換気施設から人が避難したり、緊急車両の出入りが可能なように接続部の構造を設計しました。本来、換気施設には検査・点検者以外の一般公衆が立ち入らない無人施設なのですが、緊急時には避難施設になるように配慮したと言うことです。 |
試験官B: | (笑顔交じりながらも)私が聞きたかったのは次のようなことだったのですよ。 換気施設内の機械設備とコンクリートのライフサイクルについてですけど,それぞれ寿命は違いますよね。機械なんかは10〜20年が寿命と思いますが,その辺についてはどう対応しましたかということなんです。言い直されても構いませんが。 |
私: | (あわてている)はい、言い直させていただきます。御指摘頂きましたとおり,それぞれの寿命については違いがあり、内部の機械等は寿命ごとに取り替えなければならないと思います。しかしながら、今回の設計においてはコンクリート構造物の方しかそれについて考慮していません。コンクリート構造物に関しましては自動車の排気ガスによる中性化を考慮して鉄筋のかぶりを一般構造物より大きくしました。(かなり動揺している自分がいる。) |
試験官A: | 要するに外の箱を設計したと言うことですよね。(フォロー気味に笑顔で) |
私: | はい、そうです。 |
試験官B: | 意地悪な質問してゴメンナサイね。(笑顔で,試験官同士見合わせて笑い声が飛び交う) |
私: | とんでもないです。(「いいえ、勉強になります。」と答えるべきだったが、緊張の中なので通常の返事となってしまった。) |
試験官A: | ライフサイクルコストを考慮して設計するべきだったのではないのですか。 |
私: | はい確かにおっしゃるとおりです。 |
試験官A: | ただ、かぶりの厚さで寿命を設定してライフサイクルコストを低減させる設計は難しそうですよね。 |
私: | はい。今後勉強して活用します。 |
試験官A: | (試験官Bに対して)えー、他に何かありますか。 |
試験官B: | えーと、それでは、経歴の最後に書いてある放射性廃棄物処分についてなんですが、私、全く知識無いんですけど、コンクリート厚さってどのくらいあるのですか。 |
私: | はい、処分は地下深くにある空洞、うーん、トンネルと考えていただければと思います。(トンネルというところで両手で円形を描くジェスチャー入れてしまった。)その中に厚さ100cmの構造体を建設し、さらにその外に100cmの厚さがある二重構造になっています。(両手でU字型のジェスチャーを入れてしまった。)コンクリートの外側に更にベントナイトといいます極端に透水性の低い材料で埋め戻します。その外側にトンネルの覆工コンクリートがあり、空洞があるといった多重で遮断しているような構造です。 (いかん、結論を後回しにして聞かれたこと以外のことを喋りすぎた。) |
試験官B: | それは、何を遮断しているのですか。放射性物質、α線、γ線みたいなものですか。 |
私: | はい、物質です。 |
試験官B: | そうするとコンクリートに要求される一番大事なものは強度ですかね。 |
私: | はい、それに加えて水理性能、うーん、水を通さないと言ったことが非常に重要です。特に水を通じて、核種が生物圏に移行することが最大のリスクですから。 |
試験官B: | 今日は非常に興味深い話を聞かせてもらいました。また、機会があれば聞かせてください。 |
私: | その時は宜しくお願い致します。 |
試験官A: | これで終わりです。本日はお疲れ様でした。 |
私: | (技術士法のこと聞かれない、喋りすぎたせいか?まずいが、仕方なく席を立つ)どうも有り難うございました。(一礼) |
試験官A: 試験官B: |
(私の挨拶を受けて)どうもご苦労様でした。 |
私: | (一礼)失礼します。部屋を出る。 |
エレベーターで下りてフォーラム8を出る。それからしばらくして時計を見る。3時30分だ。ということは25分強かと思う。 (感想) 試験官は共にすごく温和で丁寧に質問してくれました。終始笑顔で、途中御二方とも笑い声も飛び交う和やかな雰囲気でした。私自身はライフサイクルにおけるリスクマネジメントを考慮した設計と記載していたところでのライフサイクルコストに関する質問への回答が試験官の求めていた回答と異なってしまいました。 おそらく、コスト縮減のための設計変更業務と記載したことからライフサイクルコストを考慮した設計と言う答えを試験官が期待していたのかなと言う風に思います。 おそらく、経験論文(3つの管理)の方の内容が一読して分かりづらかったため、質問が集中したのでしょう。今後、もう少し分かりやすい文章を書くように修行を積まねばと思いました。 試験官の雰囲気自体は前回受験時同様もしくはそれ以上に良かったです。 「分かりやすく・・・」の質問から身振り手振りがやたら出てしまい、自分の言葉での説得力の無さを痛感しました。また、青本のキーワードでなく、自分の言葉を用いたり等の反省点もあります。やはり、想定問題を準備しても、緊張した状況下では結局いつもの自分が出てしまいます。そうした点で口頭試験は非常に良くできた試験であると思います。 殆どの方が質問される技術者倫理、技術士法について質問が来なかったのが少し気がかりですが、口頭試験は十人十色、それぞれにおいて質問は異なると思いことにします。 また資質向上のために精進します。 |
平成16年12月。
渋谷フォーラムエイト。7階待合室。
前日に、渋谷の会場を下見に行きました。当日、迷ったりして遅刻でもしたら、取り返しがつかなくなるからです。
夜は、上野駅近くのホテルに泊まりました。試験会場は渋谷なので、山手線の外回りでも内回りでも、同じくらいで会場までは遠い場所にあります。
でも、私は、東京の高層ビル群よりも、浅草とか上野など下町界隈のほうが好きなのです。試験前夜は、友人のYさんと遅くまで、飲んでは語り、食べては語りのひと時を過しました。おかげさまで、緊張感もほぐれリラックスをして受験することができました。
翌日(試験当日)
試験開始予定時間は10時。私は9時前に到着して、受付を済ませ指定された待合室に入りました。
私が、最初の入場者でした。広い待合室には誰もいません。適当に座って待っていました。しばらくして、三々五々と受験者が集まり始めましたが、建設部門の時みたいに「おしあいへしあい」状態でもなくて、10人ぐらいでした。私も含めて、みんな落ち着いている様子でした。二回目の口答試験なので、楽観的に考えられるのだと思います。
以下、( )内は「私」の、口には出さない言葉です。
試験時間は、待合室から呼び出されて、終わるまで26分ぐらいでした。移動時間は2分ちょっとですから、実質24分ぐらいだったと思います。試験官の質問に対して、長く答えすぎたという反省があります。もっと、手短に話ししたほうがよかったかもしれません。
私「受験番号 番、G3でございます。よろしくお願いいたします。
試験官(右)「よろしくお願いします」
試験官(右)と(左)の間に「私」の写真や資料があり、試験官同士で「いいですね」みたいに小声で話をしていた。打ち合わせをしているみたいでした。
試験官(右)「それでは、はじめさせていただきます。今回、技術士試験、だいぶ難しかったんじゃないですか?」
私「(ん?どういう意味だ?論文の出来が悪かったということか?それともリラックスさせるつもりで云ったのだろうか?いや、出題形式が従来と全然違っていたことを指しているのかな?自分としてはそんなに難しく感じなかったけれど・・・。ま、とりあえず迎合しておくか)はい。難しいと思いました」
試験官(右)「G3さんは、すでに建設部門の技術士を取得されていますが、総合技術監理を今回、受験した理由というか、動機をお聞かせください。」
私「(おっ、来たな)はい。前回、技術士試験を受験したあとで、青本つまり技術士総合技術体系の本を読みました。そのとき、総監部門の内容が、私の今の業務そのものみたいな記述があり、もっと勉強して、経営や地域社会のために役立てばと思い受験しました。」
試験官(右):総監は会社の仕事上では必要ですか?ひとつ持っておられたら、要らないのではないですか?
私「これからは、総監部門は必要になると思っています。公共工事が減少してきますと、民間建築とのコラボレーションなども必要になってくると思います。そのためにも、全般的な視点でアプローチしていく、総監部門の考え方というのは、どうしても必要なのです。
試験官(右) (とりあえず、うなずいてくれていた)
試験官(右):技術士試験については社員に勧めていますか
私「はい。すすめています。来年あたりは、士補に受験するものが出てくると思っています。できれば、近いうちに何人かの技術士資格を取ってもらえるよう、指導なりアドバイスなりをしていきたいと考えています。
試験官(右):うなずいている(よしよし、いいぞ・・)
試験官(右):あのー、経歴を見させていだきますと、株式会社の民間で相当な経験を積まれているようですね。しかし、最近ではプロポザール方式が出てきていますよね。技術士として、ご意見を聞かせてください。あるべき方向というか、そのあたりをお聞かせください。
私「実は、数年前に総合評価落札方式というのを経験しました。二十数社の中から5社が選定され、当社も選ばれました。価格的に高いということで落札はできませんでしたが、指名をもらったことそのものはうれしいものがありました。これからは、一定以上の規模の工事ではこういう方式も必要だと思います。当社では、建築もプロポザール方式で受注しています。(回答になってないぞ、これは。)
試験官(右)「御社では、プロポザールについてどのように考えていますか?」
私「当社では、プロポザール方式のほうが望ましいと考えています」
試験官(右)「でも、何でしょ。プロポザール方式はコストがかかるのではないですか?」
私「(ん?)時間というコストはかかりますが、直接的なお金はかからないと思います。技術者としてのやりがいみたいなものがプロポザール方式にはありますし、技術を活かせることも出来るし、技術向上へのインセンティブも働くので、時間はかかっても、この方式はいいと思います。(何か、この回答はへんだぞ)」
試験官(右「)記述試験の中で、イントラネットについて書かれています。こういう厳しい経済情勢の中で大変だと思いますが、イントラネットを構築されてご苦労されたことだと思います。そこで、苦労した点とメリットについてお聞かせください。」
私「・・・・・・省略・・・・・・・・・」
試験官(右)「構築されて、何年になるのですか」
私「約、2年です」
試験官(右)「イントラについては、まさしくG3さんの言われるとおりだと思います。しかし、社員一人ひとりが、情報を隠匿するようなことが、どうしてもあると思いますが、それにはどうしていますか?」
私「・・・・・・・・・・省略・・・・・・・・・・」
試験官(右)「社内における問題はいいとして、外部に対してどれだけ情報を公開していくのか、例えば、不祥事の公開と会社としてどうしていくのか、分かれどころだと思いますが、それについては、どのようにお考えですか?」
私「・・・・・・・省略・・・・・・・・・・」
試験官(左)「今まで、G3さんが主任技術者として一番ご苦労されたのはどういうことですか。今の立場でも結構ですが・・」
私「(え、何?総監のことではなくて専門のことを聞いてきたな?)それはですね。と、かつて体験した事例を話しする。・・・・・・省略・・・・・・・」
試験官(左)「あと、あの危機管理という観点で、地元対策として違法な金を出せと云われ、そのほうがトータルとして安くつく。金を出したら早く終わる、出さなければ時間がかかる、そのとき経営者として、どのような判断を下しますか?」
私「絶対に応じません」
試験官(左)「何故ですか?理由は?」
私「法的な違反や社会ルールを破るような行為はできないからです」
試験官(左)「社長がしろ、と云われたらどうしますか?」
私「社長から指示されても、してはいけないことを説得します」
試験官(左)「できますか?」
私「出来ます。」「当社の場合、元々、そういう違法なことはしないのが社風みたいになっているので、できます。仮にそのようなことが起きても説得できます」
試験官(左)「G3さんが、今まで主任技術者としてやってこられて、一番のご専門は何ですか?工学的にですが・・」
私「そうですね。様々なことをやってきましたが、しいて言えばコンクリートでございます」
試験官(左)「だいぶ前に、山陽新幹線でトンネルが剥落しましたよね。原因は何だったんですか?」
私「施工不良が原因だったと理解しています」
試験官(左)「どういう不良ですか?」
私「打設前にコンクリートに水を加えるなど水セメント比の問題もあったと思いますが、剥落の直接的な原因はコールドジョイントの処理の問題だったと記憶しています。もっと入念に施工しておれば、あのようなことは生じなかったと思います」
試験官(左)「近年、コンクリートの中性化現象が起きてきていますが、その原因は何ですか?」
私「(え?中性化?中性化よりも塩害のほうだろう? この方は、ひょっとして、塩害を聞いたつもりで中性化と言ってしまったのではないか?でも、わざわざ中性化と指定しているのだから中性化で答えるしかないな。)経年劣化と水セメント比との関係だと思います。構造物に対してはかぶりの問題など施工不良が関係していると思います。今の施工は、かぶり、水セメント比、施工など心配のないものが施工されていますが、高度成長時代には、早く進めなければならないことや知識不足などにより、施工不良、つまり水を加えたり、鉄筋のかぶり管理が良くなかったりで、今、いろいろな問題が出てきていると考えます」
試験官(右)「ところで、G3さんの会社には協力会社さん居ますか?」
私「はい。います」
試験官(右)「協力会社への技術指導はどんな風にされていますか?」
私「(ええっ?特別に教育などしていないけれど・・。何かないか。そうそう、安全教育のことを話ししよう)作業計画などを自ら作成するように指導しています。作成して提出された計画などを基に、当社と打ち合わせながら指導しているのが現状です」
試験官(右)「かなり専門的な分野については専門屋さんに任せるのが多いと思います。しかし、トンネルとか剥落といった問題点も出ています。その辺り、G3さんが元請の場合、現場での技術指導は実際どの辺までやっておられるのですか。」
私「公共工事適正化法というのも出てきたりしているように、専門会社さんに全て任せるというのは如何なものかと思っています。当社としては専門屋さんよりも詳しくなるように勉強することを指導しています。
試験官(右)「実際はどうなのですか?」
私「(うーん)例えば、発注者がどんな質問されても、適切な回答ができるようにしています」
このあたり、トンチンカンになっている。質問と回答がバラバラである。
試験官(左)「一般的には元請が計画を作成して、専門は下請けが作成しているのでしょう」
私「かなり専門的になるとそうですね。それを煮詰めて最終的にはこちらで作成します」
試験官(右)「いろんな工事をしていると手抜きとかミスが出てきます。情報化とかいわれてきて技術者に対する信頼が失われてきていると思いますが、技術者に対する信頼とか社会的責任については、どのように考えていますか?」
私「自分たちは技術者と呼ばれています。呼ばれている以上、技術者としての責任が不特定多数の方に対して生まれると思います。私たちが手抜きをしたり不祥事を起こせば、損害を受けるのは不特定多数の方です。選ばれてある技術者として、そういったことのないように責任を果たす必要があります」
試験官(右)そういう風な思いに、日常、ぶつかったことがありますか?
私「この技術士の勉強をはじめて、倫理に対して考えることが多くなりましたが、今のところ、幸いなことに、そういったことにぶつかったことはございません」
試験官(左)「失敗事例の話ですが、ある人が失敗を犯していて、どこかの役所から言ってきたらどうします?厳しく罰しますか?」
私「失敗を犯した社員の事情とか背景とかあると思いますので、その辺りをきちんと調べて、二度と再発しないように対応をしたいと思います。」
試験官、二人ともうなずいている。
私「(よしよし)」
試験官(右)「技術士制度についての必要性はどう考えますか?」
私「(ええつ?えらい抽象的なことを聞いてきたなぁ)技術士を受験するために勉強してきましたが、技術士試験には、他の試験にない倫理が特に強調され、求められています。これからは、この倫理というのが絶対に必要だと私は考えています。そのような観点からも技術士制度は必要だと思っています」
なーんか、とんちんか的になってしまった。
試験官(右)「外国の事例などご存知ですか?」
私「(ん、何だ?外国の技術士制度のことか?PEとか高級工程士とか?倫理のことを言っているのか?うーん、わからん。いい加減なことを答えてもなんだから)「勉強不足でして知っていません。勉強します。」
試験官、二人顔を見合わせてアイコンタクト、時計を見ながら「これでいいですね」と言った風情。
試験官(右)「それでは、これで終わります。お疲れ様でした」
私「(おっ、終わりか。)ありがとうございました」
以上、係員から呼び出されて25分丁度ぐらいであった。
反省
質問に対する私の回答は、あとから見直してみるとトンチンカンみたいなところも多々見受けられました。今なら、もっと適切な回答ができたと思います。
でも、結果的に合格はいたしました。これは、ひとえに試験官と会話ができた、コミュニケーションが成立した、プレゼンが出来た、このことに尽きるのではと思っています。
私の推測ですが、筆記試験合格ということは技術士試験にはほぼ合格しているのです。あとは、試験官と会話が出来るのか、ブレゼンが出来るのか、それだけではないでしょうか。饒舌すぎたような気もしますが、まあ、合格はしたのであれでもよかったのでしょう。
■試験日時及び場所等 試験管A:55歳位の建設専門の人 試験管B:45歳位の総合技術・総監関係の人 試験日時・時間:平成17年12月・・・日(・・) 15:50〜16:10 試験外デスカッション(姿勢を見ているかも知れない)7分で約16時20分終了 場所:フォーラムエイト・新太宗ビル1号館・11階 東京都渋谷区道元坂2-10-7 ■以下試験の質問と答えた内容 |
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私: | D42番 ○○と申します。・・から来ました。宜しくお願い致します。 |
試験管A: | 受験動機と合格された場合、どういう取り組みをされますか。 |
私: | 私は設計業務の管理技術者や照査技術者を行っています。また技術部の部長として、受注業務の総括管理や若手技術者の育成を行っています。 主に公共事業を行っており、総合技術部門が要求するいわゆる5つの管理をと社会動向を見据えて行うことは当たり前と考え、実践しているつもりです。 騒然と取り組むよりは資格を目標にしようと受験しております。 また、受験の姿を部下に見せることも教育の一環になるものと考えています。 合格を頂きましたら、この名称を対外的に表示しまして、近年多くなってきておりますプロポーザルの参加などで「総合的な見知で判断することが出来ます」ということを訴えまして、品質を第一に、技術の研磨を忘れないようにして、よりよい社会資本整備に貢献していきたいと考えています。 |
試験管A: | 橋梁関係で景観とコストはトレードオフの関係にあると思います。 発注者が「景観検討は必要無い」と言って、あなたは必要と思った場合どうしますか。 |
私: | 必要と思ったら、とことん発注者側を説得します。 最終的に受け入れられなくても、公益性の確保の観点から、自ら進んで模型による検討や、必要であれば、知り合いの学識経験者の要請も行いたいと思います。 本当は、発注者側の理解を得て遂行すべきと思います。 |
試験管A: | 橋梁の構造設計の仕方で景観が良くなり、経済的にもなると考えますか。 |
私: | そう思います。 構造的合理性が図られておれば、不要な部材が無くなり、きれいに見えて、かつ周辺環境にも整合し経済的にもなることも多いと思います。 |
試験管B: | 今さまざまの仕様書では、最終的な計算手法等は設計者に委ねられているのが現状で、いろんな組織で考え方が様々と聞いていますが、現状はどうですか。 |
私: | ・・・・・・などでは、支社毎に考え方が違うことがあります。耐震設計手法や結果の解釈等があります。どれも間違っていないと考えます。 |
試験管B: | その場合どうしますか。 |
私: | 担当者やその組織のリーダーと、とことん協議し納得のいくまで討議します。 |
試験管B: | 最終的にはどうしますか |
私: | 検討した過程や協議内容を議事録として残し、あとで経過が解るようにすることが必要と考えます。また今後類似の設計に役立てるとともに、若手技術者に残すことも教育の面で大切と考えます。 |
試験管B: | 議事に残すことが大切ですよね。 |
私: | そう思います。残すことで技術の財産にもなり将来に役立つこともあると思います。 |
試験管A: | 総合技術体系のいわゆる「青本」を勉強されたと思いますが如何でしたか。聞き慣れないものや、あなたには不要と思えたものもあったでしょう。 |
私: | 機械設計論やシステム関係は、人と最新情報を持って業務を行う建設コンサルタントには直接当てはまらないと思いましたが、機械のバックアップの取り方などは人の管理も一緒と考えました。 青本の内容を私の仕事の内容に併せて勉強することで理解しやすくなりました。 |
試験管B: | 共有データでいろんなコストを縮減や一元管理ができると考えられているようで、私もそう思いますが、著作権の管理はどうしていますか。 |
私: | CADで作成したものを引用し一部作り替えて使用する場合は制限していませんが、写真やイメージデータを他で作成したものを直接使用することを禁止しています。その場合許可を得るとコスト面で不利になる場合があり、類似を撮影した方が速い場合も多くあります。完了業務を論文発表に使用したい場合は、権利者である発注者に公文で許可を得るようにしています。 |
試験管B: | 経営の立場からなにかトレードオフになったことはありますか。 |
私: | 設計者のメンタルヘルスとコストの関係がよくトレードオフの現象になります。外注を減らせば、長時間の残業が続きメンタルヘルスに留意する必要があり、外注をすればコスト増になり技術力も付きません。メンタル面の安定が品質にも大きく影響することはよくあります。 |
試験管B: | メンタルヘルスはどこの組織でもあると思いますが対策としてなにが効果的と思いますか。 |
私: | 仕事のやりがいを促進するインセンティブなどもありますが、リスク対策としてコミュニケーションを密にとることで事前防止を図ることも大切と思います。 |
試験管A: | もうよろしいのですが、少し時間がありますので、参考意見で結構です。某建築士の構造計算書偽造の問題が頭を離れません、意見はありますか。建築士と技術士はどう違うのかなあ・・・・ |
私: | 設計者の倫理、公益確保など要求されている以前の問題です。技術士は事務所単位での活動や、ひとつのものをつくるときなど、組織で行う人が多いと思います。建築士は組織化せず個人経営も多いと聞きます。個人の場合、その場合偽造ではなくても、チェックシステムも、有効なものを構築することには難があると思います。 |
試験管A: | ありがとうございました。これで結構です。 |
私: | ありがとうございました。宜しくお願い致します。失礼致します。 |
(試験を終えて) 強弱を付けて答弁しようと考えすぎて、的を得たものになっていない。 参考意見の質問については、技術士と建築士の違い(職業法等)から順に説明し、同じ技術者であることから、倫理は同じであることを答弁すれば良かった。 |
口頭試験H17.12.10(土)
渋谷フォーラムエイト512号室
14:00〜14:30(実際は14:05〜14:35)
面接者A:40代後半。発注者風。主体的質問者。総監部門の質問が多い。
面接者B:50代前半。コンサル風。建設部門(土質および基礎)の質問が多い。
Q1(A):開始時間は超過していますが、30分ほど総監部門について質問します。
まず1つ目は、これまでの経歴を総監部門の管理項目に即して説明して下さい。それとあなたが総監部門の技術士を取得しようと思った動機は?
→まず、1つ目のことですが、私は〇〇年に大学を卒業し、社会人になりました。(以下、箇条書き)
@〇〇で小断面気泡シールド工事。気泡補助薬剤を注入するための土質試験。これは社会環境管理。
A〇〇で橋梁床版取替工事。交通止めをしない=社会環境管理。それとすぐ横を一般車が通行している状態での工事=安全管理。
B〇〇で地下トンネル用の立坑工事。社会環境管理を考慮した工法を採用。情報公開用の建設ステーション、ログハウスの建設担当。当時若かったので、一般者の視点に近いと評価され、多くを提案。
C〇〇支店に転勤後、〇〇で下水処理場工事。工期が非常に厳しい中での品質=経済性管理、安全管理、社会環境管理。
D河川護岸付近での地盤改良工事。新旧護岸の並列する中での地盤改良として、新設護岸への影響を少なくする工法の提案=社会環境管理。建設部門での経験論文で採用。
E竣工1ヵ月後の平成7年1月17日、阪神大震災。〇〇での駅舎中柱復旧工事。過酷な労働環境下でリスクマネジメント。
F〇〇で、国道アンダーパス化工事。国家プロジェクト〇〇の開業にあわせる工程で、未買収用地があっての発注。経済性管理と、重要構造物への影響を低くする社会環境管理。これも、建設部門の経験論文で採用。
G〇〇へ転勤。初の内勤。当社土木部門の中枢=情報が集中する部署で、情報管理を駆使した利益予測。
H〇〇駅建設工事。既存〇〇駅前で「今さらここに地下鉄が要るのか」という環境での工事。経済性管理、社会環境管理、安全管理。
I〇〇での浄水場ろ過池築造工事。厳しい工期とコンクリートの品質に制約。経済性管理。
J受験申し込み時はここまでだったが、〇〇月より〇〇駅に異動。現況駅を橋上化。工期が厳しく、経済性管理と社会環境管理。土木建築合同工事のため人的資源管理も。
→2つ目について。最近の工事物件は複雑で高度化したうえ、様々な制約条件下で行われる。よって「ただ構造物を造る」というだけではプロジェクトそのものが成立しない。そこで俯瞰的な把握・分析に基づき、広範囲にわたる総合的な判断を行う技術を身につけ、工事に携わりたいと思ったから。
Q2(B):今の経歴説明の中で、「供用開始後のことを考えた」とあったが、具体的に。
→震災復旧工事をした〇〇駅や、その後の〇〇駅は、開業後も残工事あり。となると「開業しているのに何を工事してるんだ」という意見が多くなる。そうした場合の使用者の視点に立った仮囲いや安全設備の設置。駅機能の確保に配慮。
Q3(A):暫定開業という意味か。
→はい。
Q4(B):〇〇工事では、技術的な困難さをどのように克服したのか、人的資源という観点から答えて。
→世界初の工事。土木学会技術賞受賞。検討会、勉強会、小集団活動。
Q5(A):論文にない管理項目=人的資源管理と情報管理について。部下の指導や評価の際について気をつけていることは?キーワードを羅列して。
→明るく、楽しい。ホーソン実験を実感。モチベーションの維持、向上。
Q7(A):建設工事でも情報公開と説明責任というものがある。情報公開の上での知的財産、セキュリティーについてはどう考えているか?
→現在の工事は単独会社での施工は少なく共同企業体が多い。〇〇は技術的に高度だったので各種の論文があるが、そのうち原価・人的資源・協力会社情報は、JV構成会社に公開しない。
Q8(A):情報公開について気をつけていることは?
→「工事をさせていただいている」という姿勢
「迷惑をかけていることを認識し、その迷惑を少なくする」という対応姿勢
Q9(A):「誠実な姿勢」だけでモノは上手く伝わるのか?
→見学会の開催。毎日見学者。
Q10(A):倫理問題についてどう思うか?
→姉歯耐震強度偽造問題。震災体験。人間の手であの状況を作り出す可能性に憤り。
Q11(A):耐震強度偽造事件がでたが、テレビで見聞きする限り、利益を優先させたことが原因では?あなたは何が原因でおこったと思うか??
→建築工事の、建築確認検査と消防検査の体験事例と印象。人任せが原因では?
Q12(A):今後他の部門を含めて、ああいう事件はなくなると思うか?またはどうすればなくなると思うか?
→なくならない。抽象的な言い方だが、一人一人の認識を高める以外にないのでは?
Q13(B):基本的なことだが、〇〇駅の開削工事はどのような工法か?
→連続地中壁による土留めと逆巻き、鉄骨造の開削。
Q14(B):同じく〇〇駅では薬液注入を実施しているが、どんなところに気をつけていたか?
→地盤隆起、地下水への影響。計測管理により異常の無いことを確認。
Q15(A):仮に総合技術監理の技術士になった場合、どんなことに気をつけて業務するか?
→バランスの良い判断。俯瞰的な視点。
Q16(A):継続教育CPDについてはどんなものがあって、何をすべきか?また、あなたは何をしているか?
→論文発表、学会への参加、多分野との交流。常にアンテナを張り、自分に参考となるものへの貪欲な興味。建設部門取得後に社外・社内各一本の論文。
受験者氏名 | Klaxon |
部門 | 総合技術監理 |
選択科目 | 建設−土質及び基礎 |
専門とする事項 | 土構造物 |
試験官
試験官A...ゼネコン風、表情もやさしそうで、穏やかな口調
進行役(受験動機、技術士倫理など担当)
試験官B...教授風、表情はやや気難しそう、でも話口調はやさしい。
(経験論文を担当)
試験までの経過等
12/9 | 18時にホテルにチェックイン(建設部門を受験したときと同じホテルを予約。迷わずに辿り着く)、その後すぐにフォーラム8に下見(2年ぶりで懐かしい感じだった)。夕食を済ませ、青本、対策ノートを再度通読。受験動機、経歴、経験論文の概要については、鏡を見ながら練習。やっぱり今回も2時まで眠れなかった。 |
12/10 | 7時半には目が覚める。いらいらしながら青本と対策ノートを見る。10時チェックアウト。いざ試験会場へ。7階で受付を済ませると、5回の待ち合わせ室で1時間少しを過ごす。11時25分を過ぎたころ、名前を呼ばれて試験室へ。部屋の番号が誕生日と一緒で“ついているかも”と勝手に思っていると案内の女性がノックして、ドアを開けてくれた。 |
質疑応答
質 問 | 回 答 | 備 考 |
試験管Aから口答試験の進行について説明されるが、緊張して頭に入ってこなかった。 | ||
<動機、経歴> | ||
あなたの経歴について5分程度で説明してください。 | はい平成3年に入社しまして、最初の5年間は宅地造成、工業団地の造成の部署で設計を担当しました。その中で経済性管理、安全管理の面を中心行いました。 | 5分と聞いてちょっと困った。仕方ないので当初予定していたものを、できるだけゆっくり話す(無論、5分は無理、たぶん3分程度だと思う。“以上です”と言って次にいってもらうようにした。 |
(試験官A) | その後道路設計の部署に配属され、約3年間山岳道路の計画、設計を全般にわたって行いました。その中で経済性管理、安全管理、情報管理の面を中心に行いました。そして再度工業団地、最終処分場などの面的造成の設計部署に移動しまして、設計全般の管理、社内プロジェクトの管理を行ってきました。 | |
特に係長になってからは、部下ができたため前に述べました3つの管理の他に社会環境管理、人的資源管理もあわせて総合的に管理してきました。 | ||
この3年間は最終処分場の設計を中心にプロジェクトリーダー、部下への技術指導、社内での技術指導を行っております。 | ||
係長になられた部下は何名いますか。(試験官A) | はい、4名です。 | |
受験の動機を話してください。(試験官A) | はい、動機には2つあります。一つは近年業務が複雑化、巨大化してきて、プロジェクトを組むことが多くなってきています。特に私は工業団地や最終処分場の設計を担当し、専門技術も多岐にわたり、プロジェクトを組むことが多いため、この資格の技術は前から必要であると感じていました。 | 想定内の質問(試験官Bは全く反応してくれていない。論文をチェックしているようだった)。 |
二つ目は先ほどもいいましたように、最終処分場の設計業務はプロジェクトを組むため、顧客もプロジェクト全体を管理できる技術者を求めています。 | ||
その顧客の信用を得るためにもこの資格が必要であると感じたからです。 | ||
今思えばもっとうまくできたという、失敗事例のようなものはありますか。(試験官A) | はい、山岳道路の擁壁設計において、経済性と施工性(工期)を重視し、コンクリートパネルを用いた補強土壁工法としました。しかし、ある区間において、コンクリート面がむき出しのように見え、周辺の景観との不調和が目立ってしまい周辺住民から問題提起されました。経済性だけを重視し社会環境管理の面を持っていたなら、視覚的な影響について周辺住民の説明会や学識経験者などからなる研究会を開くなどをして景観に歯慮したものができたと思います。 | 口頭模擬で回答できなかった質問である。その後用意した回答を話す。 |
その後その擁壁はどうしたのですか。(試験官A) | はい、全延長1kmのうちの300mで問題が生じたので、残りの700mについて修正設計を行い、住民と説明会を実施し緑化タイプのものに変更しました。 | 納得してくれたのか? |
これを実施したのはどこですか、自治体ですか。 | 市町村です。 | “町”でした。 |
(試験官A) | ||
住民説明会を実施したといいましたが、あなたは参加しましたか。(試験官A) | はい、説明は自治体の方が行い、私は技術的サポートとして出席しました。 | |
学会とかの発表の経験はありますか。(試験官A) | はい、発表は今のところありません。ただ、発表の意味から外れるかもしれませんが、NPOの研究会に参加しており、その活動内容の本が来年には出版される予定になっています。 | 余計な事をいったかもしれないが、少しでもアカデミック間面もアピールをと思い話した。 |
<経験> | ||
経験論文の概要について、5分以内で話してください。 | はい、これは旧厚生省が指摘した不適正処分場の鉛直遮水壁による適正化工事の設計でした。周辺地下水調査の結果、環境基準値を超える物質が確認されました。ボーリング調査を行った結果、埋立地底面から約10m下に8m程度の粘性土層が水平に分布することを確認しました。そこで鉛直遮水壁により側面を遮断する方法で汚染源の封じ込めを図りました。 | また5分も与えられた。 |
(試験官B) | 本件の課題としては3点あり、経済性管理では鉛直遮水壁の品質(ここでは安全面のことを示しています)の向上と経済性のトレードオフ、安全管理では鉛直遮水壁の安全性のレベル設定、社会環境管理では地域住民に対するアカウンタビリティでした。リスク対応方針を「環境負荷の抑制と周辺住民の信用確保」とし、リスク特定、リスク対策を行いました。 | (中盤からはあまり聞いていないように感じ、早く終わったほうがいいのかもと思い、予定通りの内容で終えた。 |
リスク対策として経済性管理では環境負荷の抑制の観点から予想される地震に対して十分な遮水機能確保を図ることとしました。その工法採用においては新技術を積極的に検討しました。安全性管理では想定される地震に対する遮水性確保とモニタリング計画を立案しました。社会環境管理では調査結果や広報についてコミュニケーションを図るよう、定期的な説明を行いました。 | やはり3分程度だったと思う) | |
鉛直遮水壁の位置はどの様にして決定したのですか。 | はい、最も濃度の高かったボーリング地点から、追加ボーリングを行って位置を決定しました。 | |
(試験官B) | ||
鉛直遮水壁による対策を行っていますが、他の案はなかったのでしょうか。あれば説明してください。(試験官B) | はい、鉛直遮水壁以外の工法としましては、全量撤去が考えられました。 | 想定外の質問。ここらからは少しリラックスしていたため、回答はできた。 |
汚染されている廃棄物や土壌をすべて掘削して、持ち出す案です。 | ||
しかし、経済性の面でコストが高く、受け入れ先の処分場も容量的に逼迫しており、受け入れることが困難でした。 | ||
その結果、原位置処理としました。固化工法もありますが、信頼性、施工性、経済性の面で採用しませんでした。 | ||
調査に際し、調査員に安全面で説明を行いましたか。 | はい、作業員には埋立地の状況、汚染物があることは周知させました。 | 想定外の質問。 |
(試験官B) | 汚染物については、過マンガン酸が超過しておりまして、飲まなければ問題ないものですから、飲むことについては注意させました。また飲んだ場合は病院へ行くよう指導しておりました。 | |
周辺住民へ説明を行ったとのことですが、住民にはこれで未来永劫大丈夫だと説明しましたか。(試験官B) | はい、鉛直遮水壁は地中構造物で、人が作ったものですから、完全ではないと伝えました。リスクコミュニケーションのなかでリスクを共有することに配慮し、モニタリングなどの監視活動や緊急時の対応を説明しました。 | |
<技術者倫理など> | ||
経歴の中で軟弱地盤の宅地造成がありますが、リスクコミュニケーションの面で考慮すべき点はないでしょうか。 | はい、周辺宅地の影響として連れ込み沈下の影響が考えられ、その内容や、影響が生じた場合の補償(具体的な内容は行いませんでしたが)、することを説明しました。 | |
(試験官A) | ||
一般的な話として、どの様なことに気を使うべきでしょうか。(試験管A) | はい、まず、現在の状況、軟弱地盤が存在することなどの状況把握の説明を行います。そして今後起こる現象について、リスク面について説明を行い、十分認識してもらうことと考えます。 | 前の質問の意味を取り違えたか?再度聞かれた感じだ。 |
回答した後でこのリスク共有相手は、造成する宅地の購入者だったのではないかと思い、失敗した感じだった。 | ||
昨今技術者の倫理が問われています。その中で発注者からこれを使うように強制された場合、あなたはどうしますか。 | はい、まず技術的な要請として受け止め、他の工法と技術的な比較検討を行います。その結果、使用ができないのであれば、どのような条件、例えばコストが高いとか、信頼性が低いなど技術的な面で説明を行い、了解を得ていくつもりです。 | |
(試験官A) | ||
実際に強制されたことはありますか。(試験官A) | はい、強制されたことはありません。ただ、検討してほしいと言われたことはあります。 | あっさり、ないと言ったほうがよかったのかも。 |
技術士にとって説明責任をどう考えていますか。 | はい、技術士は高い科学的知識を有していますから、高い科学技術的見地から、中正、公平な立場で事実を適切に述べていくべきと考えています。 | なんか謙虚さがない回答になった(後悔)。 |
(試験官A) | ||
技術士には3つの義務、2つの責務があります。それを述べてください。(試験官B) | はい、義務としては信用失墜行為の禁止、名称表示の場合の義務、秘密保持の義務です。責務としては、資質向上の責務、公益確保の責務 | ここで聞かれた。 |
公益を確保するに当たって、地元の利益とその他の利益がトレードオフの関係になると思いますが、そのような場合はどうしますか。(試験官B) | はい、まず大多数の安全や利益の確保を目指します。 | 前回の技術士受験もこの諮問があり、試験管が納得していただけなかった。今回もうまく説明できなかった。 |
特定の人の利益が優先されるようなことのないようにします。 | ||
またこのような利益は話し合いを通じて形成されていく面もあると思いますので、十分な納得が得られるよう説明を行っていきたいと思います。 | ||
ただし、安全は絶対に最優先されるべきと考えています。 | ||
部下がいるといいましたが、どの様なインセンティブを与えていますか。(試験官A) | はい、係長なので人事権がないため、評価的インセンティブは与えられないのですが、理念的インセンティブとして業務の達成感、そして自己実現のインセンティブを与えています。自己実現では私のように技術士になることも進めています。 | なんか技術士であることを、自慢した感がある。失敗した。 |
達成感を与えているといいましたが、具体的にはどうしていますか。(試験官A) | はい、業務の最初から最後までを携わらせて、業務の流れや難しい箇所を把握させ意、それが解決したことと考えています。 | こんな感じでいったつもりだが、うまく伝わったのか不明。 |
総合技術監理取得後の抱負を述べてください。(試験官A) | はい、今後ここで得た技術を用いて、経験を重ねプロジェクトの管理を行って生きたいと考えます。経歴でも話しましたようにプロジェクトを組む頻度が多いため、この資格を用いてバランスの取れた社会資本の提供に努力していきたいと考えています。 | |
試験官Aが試験官Bに「よろしいですか」と聞き、試験官Bも頷いたため、「それではこれで終わりにします。お疲れさまでした」となり終了。 | 「よろしくお願いします」を言い忘れそうになり、席を立ったときに、付け加えた。ドアを閉めるまでは安心してはいけない。 |
その他感想
出てきたのは、11時50分過ぎだった。経歴と経験論文を短く切り上げたため、予定より早くなったのではないかと思う。
前回のように“わかりません”や“忘れました”などという回答をしなかったのは、救いである。
しかし、今思うと適確な回答になっていないものや謙虚さが足りなかったものもあり、やはり失敗した感がある。
予想していたような難しい質問がなく、リラックスして受験できたと思う(それがかえってアダになった感はある)。
やはり技術士の試験である。なかなか“総監”の頭になるのは難しいと感じた。
女性試験官にビックリ
50代の地方公務員です。このホームページのおかげで、総監合格までたどり着けました。
心より感謝しております。
受験日:平成18年12月15日(金)10:30〜11:00
場 所:フォーラムエイト
試験場に入室して驚きました。二人の試験官の内一人が女性でした。どんな質問がくるかと緊張して受験しましたが、特に変わった質問はありませんでした。
Q1:経歴について述べてください(男性試験官)→ 予想問題
係長になるまでの経歴は簡単に述べ、係長以降の経歴については、総合技術監理の観点から述べた。約5分くらいか?
Q2:受験の動機について述べてください(男性試験官)→予想問題
発注者の責任は「公正さを確保しつつ、より良い社会資本を廉価でタイムリーに調達」する責任がある。そのためには技術力の向上が不可欠である。また、総合評価方式等の発注方式が増加するが、それらは発注者の技術力に負うところが大きい。そこで、自分の技術力の向上を図るため、技術士の資格取得に挑戦した。
Q3:経験論文の内容について伺います(女性試験官)→予想問題
総監の観点からの質問はなく、業務概要、課題、成果等について技術的な質問があった。この質問時間が一番長く、10分くらいあったと感じた。本当に体験しているか確認したのか?
Q4:品確法について伺います(男性試験官)→予想外の質問
・あなたの職場での総合評価方式の取り組み状況→現在試行中
・総合評価方式を行う場合の課題→技術力の向上、団塊の世代の退職による組織全体の技術力の低下
Q5:あなたの友人からアドバイスを求められた時どうしますか(男性検査官)
(友人が、都市部に工場等の開発を計画していて、あなたにアドバイスを求めてきました)→予想外の質問
環境調査を実施し、その情報を公開する。周辺住民への説明責任を果たす。都市部の工事になるので安全管理を十分行う。
(試験終了後、フィージビリスタディ等の経済性管理にもふれておけばよかったと後悔した)
Q6:最近、技術者に対する信頼を損なうような事例が多く起こっているが、何か知っていますか(女性試験官)→予想問題
耐震偽造事件について述べた。
以上で30分ピッタリの質問時間でした。Q4,Q5は予想外の問題で苦労しました。質問は、二人の試験官がうなずいて確認をとりながら進んでいったため、「合格かな」という思いが6〜7割ありました。一方で、不合格の不安もありドキドキして2月9日を待ちました。
APECさんのホームペジには本当にお世話になりました。ありがとうございました。