平成19年度技術士第二次試験問題
(応用理学部門)
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応用理学一般
専門問題
物理及び化学
地球物理及び地球化学
地質

応用理学一般

2 次の3問題の中から1問題を選び、応用理学部門の問題として解答せよ。(解答問題番号を明記し、答案用紙3枚以内にまとめよ。)

2−1 地球温暖化について世界的な議論がなされ、最近以下の資料のような声明が出されているが、地球温暖化の現状と原因について、地球温暖化人為説とそれに対する反論や疑問を提起する説を説明せよ。さらに・、応用理学部門の技術士としての専門性を生かした観点から、地球温暖化に関する予測と今後取るべき対策について、あなたの意見を述べよ。

※参考資料;報道発表資料 中央環境審議会会長 鈴木基之、ほか(平成19年2月2日)
「気候の安定化に向けて直ちに行動を!一科学者からの国民への緊急メッセージー」より抜粋
国民のみなさまヘ

 気候が急激に変化している。この気候変化が人為的温室効果ガス排出によるものであることは、科学的に疑う余地がない。このままの排出が続けば、人類の生存基盤である地球環境に多大な影響を与えることも明白である。
 このようなことに、科学者はこれまでも強い懸念を示してきたし、気候の安定化に向けた行動を各界に呼びかけてきた。科学の検証プロセスには多くの知見の集積を必要とするため、科学者の警告は慎重であったし、「低炭素社会」への転換に向けた社会の変革もなかなか進んでいない。その間に、気候の変化は見えないところで進行し、近年になって、それが顕在化した。気候システムには慣性があり、さらに悪化してから手を打ったのでは安定化は極めて困難である。今回発表された、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第4次評価報告書では、気候変化における人為的原因が再確認され、同時に、地球規模での雪氷圏における変化などは予想以上に速く進みつつあることが確認された。さらに、このままのペースで排出を続けると、人類はこれまで経験したことのない温暖化した時代に突入する。限りある自然の吸収力を考えると、温室効果ガスの排出を現在の半分以下にまで削減しないと気候は安定化しない。
 気候変動による悪影響が危険なレベルを越えないためには、温室効果jスの削減を直ちに開始せねばならない。科学の結果を直視し、気候の安定化に向けて、国民が一体となって「低炭素社会」の実現に向けて行動し、世界が共に行動を開始することを・より強く呼びかけていくべき時が来ている。このことを、気候変化を研究する科学者として再び強く訴えたい。

2−2 次の図1〜図3を参考にして、最近の国民の「科学技術離れ」、「理科離れ」について、現状を考察し、応用理学部門の技術士としての専門性を生かした観点から、今後取られるべき対策について、あなたの意見を述べよ。

  (平成13年度版 科学技術白書より抜粋)




2−3 次に示すグラフを参考にして、我が国におけるエネルギー需給に関する課題を、応用理学部門の技術士としての専門性を生かした観点から、多様な視点に立って抽出し、その対応策についてあなたの意見を述べよ。

[内閣府、総合エネルギー統計エネルギーバランス表(平成15年)より作成]
我が国のエネルギーフロー
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物理及び化学

1 次の2問題(1−1、1−2)について解答せよ。

1−1 次の8設問のうち3設問を選んで解答せよ。(設問毎に答案用紙を替えて解答設問番号を明記し、それぞれ1枚以内にまとめよ。)

1−1−1 40W型と表示された家庭用の白熱電球がある。この電球の実際の消費電力を知るために、テスターを用いて電球の両極間の抵抗値を測定した。ところが、この抵抗値と家庭の電源電圧とから計算された消費電力は、表示値とは1桁以上異なる値となった。これについて以下の質問に答えよ。
 1)この消費電力の見積もり法は正しくない。その理由を説明し、正しい方法を述べよ。
 2)長時間使用した白熱電球が寿命で切れるのは、スイッチを入れた瞬間である場合が多い。それは何故か。

1−1−2 材料に関連するナノテクノロジーの具体例を1つ挙げ、その概要を説明せよ。

1−1−3 フーリエ変換の原理を説明し、具体的な応用例を1つ述べよ。

1−1−4 分子量分布をもつ合成高分子の平均分子量として用いられる代表的なものを3つ取り上げ、測定法や相互の関係も含めてそれぞれの平均分子量について述べよ。

1−1−5 光学分野の術語であるブリュースター角(Brewster's angle)について、簡単に説明せよ。また以下の@〜Cに示す光学用品や素子のうち、ブリュースター角と最も関係が深いものはどれか。
 @UVフィルター  A回折格子  B反射防止コーティングを施したレンズ
 C偏光サングラス

1−1−6 固体表面の機器分析法を2つ挙げ、それぞれ原理、特徴、操作・解析手順を説明せよ。

1−1−7 物理・化学と制御理論それぞれにおける状態方程式について説明し、その特徴を比較して述べよ。

1−1−8 イヒ学反応のプロセス管理という視点から、化学反応速度と温度との関係について述べよ。

1−2 次の4設問のうち1設問を選んで解答せよ。(答案用紙を替えて解答設問番号を明記し、3枚以内にまとめよ。)

1−2−1 光学千秒針にはいろいろなタイプがあり、微小変位の高精度計測や精密部品の検査などに応用されている。このような光学干砂肝を1つ挙げ、その構成と原理について説明せよ。また、これを用いた実際の計測や検査システムの例を図示し、各部の機能を具体的に説明して、得られる精度などについて論ぜよ。

1−2−2 海水の淡水化は、世界的に重要な課題である水資源確保の有用な方法となる。淡水化の方法を3つ取り上げ、それぞれの方法の原理や特徴を簡潔に説明し、それぞれの方法がどのような目的・用途に適しているかを、原理や特徴を踏まえて考察せよ。

1−2−3 代表的な脳の計測装置を3例挙げよ。また、その1っについて測定原理を説明したのち、測定法の長所、短所および考えられる改良点について述べよ。

1−2−4 環境に優しいモノづくりプロセスヘの転換が求められている中で、技術者としてどのような対応策を採っていくべきか、具体例を想定して説明せよ。
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地球物理及び地球化学

1 次の2問題(1−1、1−2)について解答せよ。

1−1 次の6設問のうち3設問を選んで解答せよ。(設問ごとに答案用紙を替えて解答設問番号を明記し、それぞれ1枚以内にまとめよ。)

1−1−1 数値予報解析システムの客観解析で用いられる対流圏・成層圏の風データの観測手法を4つ挙げ、それぞれの特徴について述べよ。

1−1−2 沿岸水位の変動要因を3つ以上挙げ、それぞれの概要を述べよ。

1−1−3 土地が隆起する原因を3つ挙げ、それぞれの概要を述べよ。

1−1−4 GPSによって位置が決定できる原理を述べ、数cm程度の位置決定精度を確保するために用いられているGPS関連技術を3つ挙げよ。

1−1−5 放射性炭素14Cによる年代測定法の原理と特徴について述べよ。

1−1−6 地球誕生以来の大気酸素濃度変化の概要について、証拠を挙げて説明せよ。また、その酸素襖度変化が生物進化にどのような影響を与えてきたかを述べよ。

1−2 次の2設問のうち1設問を選んで解答せよ。(答案用紙を替えて解答設問番号を明記し、3枚以内にまとめよ。)

1−2−1 あなたが専門とする分野での観測・現地調査の依頼を受けた場合を想定して、調査を計画する際の留意点を述べ、具体的な計画案を1つ作成せよ。

1−2−2 あなたの関係する分野が直面している課題を解決するために必要な技術開発について述べよ。また、その新しい技術によって得られると期待される成果、波及効果等について具体的に述べよ。
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地質

1 次の2問題(1−1、1−2)について解答せよ。

1−1 次の8項目のうち3項目を選び、それぞれの項目について定義および内容を解説し、次に、応用理学部門地質科目の技術士の立場から考えるところを述べよ。(項目ごとに答案用紙を替えて解答項目番号を明記し、それぞれ1枚以内にまとめよ。)

1−1−1 点載荷試験

1−1−2 岩盤分類

1−1−3 N値

1−1−4 岩盤クリープ

1−1−5 塩淡境界

1−1−6 リモートセンシング

1−1−7 繰り返し3次元地震探査

1−1−8 土壌溶出量基準

1−2 次の8設問の中から1設問を選んで解答せよ。(答案用紙を替えて解答設問番号を明記し、3枚以内にまとめよ。)

1−2−1 鮮新世末〜更新世はじめの堆積岩(泥岩、砂岩、輝岩、凝灰岩など)からなり、地層がゆるやかに傾斜・摺曲している丘陵地帯に計画されているトンネルがある。このトンネル区間の地山条件を事前調査する場合に予想される問題点を挙げ、調査方法や取得すべき情報について述べよ。また、各問題点に関する施工中の調査として切羽観察や前方探査の適用と留意点について述べよ。

1−2−2 ダム基礎として技術的課題となりやすい花向岩類の地質工学的特徴を3つ挙げ、それぞれについて地質調査の留意点を述べよ。

1−2−3 第四系の層相分布を把握するうえでの地質工学的課題について解説し、第四系の層序学的指標として利用されているものを2つ挙げ、その概要、特徴および適用する場合の留意点を述べよ。

1−2−4 道路・鉄道・大ダム等の計画段階で、地形調査により現時点では動きはないと思われる地すべりの存在が推定された。その地すべりが、再び滑動することが懸念される場合のすべり面深度の調査法について、次の問いごとに説明せよ。
(1)地すべりのすべり面の起源・性状に関する一般的な知見について述べよ。
(2)すべり面深度を把握するための調査法と滑動状況を計測するための調査法を、ボーリング調査や孔を利用する方法とその他の方法に区分して述べよ。

1−2−5 都市における土木・建築工事にともなう地下水障害について項目を挙げて説明せよ。また、そのうちの1項目について調査を実施する場合の調査項目、調査期間を記述するとともに調査・検討の流れをフローチャートで示し、各調査段階で特に留意すべき点を具体的に述べよ。

1−2−6 再生可能エネルギーの利用について解説し、地熱資源の現状と技術的課題および今後の展開について、技術士の観点から述べよ。

1−2−7 トモグラフィーについて歴史的背景や技術的特徴を解説し、そのうちの主な手法を1つ挙げてその適用性、技術的課題および今後の展開について述べよ。

1−2−8 自然由来の重金属汚染の原因と特徴を人工的な土壌汚染との比較において説明し、地盤の掘削をともなう事業における自然由来の重金属汚染への対応策を述べよ。
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