平成20年度技術士第一次試験専門科目問題(上下水道部門) 提供:KURIRINさん   各部門の部屋Topへ
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Ⅳ 次の35問題のうち25問題を選択して解答せよ。(専門科目解答欄に1つマークすること。)


Ⅳ-1 水道法に関する次の記述のうち,不適切なものを選べ。
① 水道事業は,原則として市町村が経営するものとし,市町村以外の者は,給水しようとする区域をその区域に含む市町村の同意を得た場合に限り,水道事業を経営することができる。
② 水道事業者は,定期の健康診断を,水道の取水場,浄水場又は配水池において業務に従事している者及びこれらの施設の設置場所の構内に居住している者について,おおむね6か月ごとに,病原体がし尿に排せつされる感染症の患者(病原体の保有者を含む。)の有無に関して行わなければならない。
③ 水道事業者は,定期の水質検査として,色,濁り,消毒の残留効果に関する検査を週1回以上行わなければならない。なお,検査に供する水の採取場所は給水栓を原則とする。
④ 水道事業者は,給水栓における水が遊離残留塩素を0.1 mg/ L (結合残留塩素の場合は0.4 mg/ L )以上保持するよう塩素消毒を行わなければならない。ただし,病原生物に著しく汚染されるおそれ等がある場合には,遊離残留塩素は0.2 mg/ L (結合残留塩素の場合は1.5 mg/ L )以上とする。
⑤ 簡易専用水道の設置者は,当該簡易専用水道の管理について,1年以内ごとに1回,地方公共団体の機関又は厚生労働大臣の登録を受けた者の検査を受けなければならない。


Ⅳ-2 上水道の計画に関する次の記述のうち、不適切なものを選べ。
① 目標とする配水管の最小動水圧は150 kPa以上,最大静水圧は740 kPa以下を基本とする。
② 水需要予測に当たっては,節水や水の循環利用等の水需要に影響を与える要因や,地下水利用の動向等にも配慮することが必要である。
③ 用途別使用水量とは,使用水量を用途別に分類したもので,生活用水量,業務・営業用水量及び工場用水量などである。
④ 計画有効率は,今後の給・配水整備計画などを反映させ設定することどするが,計画的に漏水防止対策を進めることにより,95%程度の将来目標値とすることが望ましい
⑤ 計画鈴水量の算定に用いられる負荷率は,一日最大鈴水量に対する一日平均給水量の割合をパーセントで表したもので,一般的に小規模の都市ほど高くなり,都市の規模が大きくなるにつれて低くなる傾向がある。

Ⅳ-3 貯水池における夏季の成層形成に関する次の記述のうち,下線部分が不水適切なものを選べ。
成層形成によっては,貯水池水が循環しなくなり,表層では一定水温に適した [①藻類が繁殖する] 一方,底層部の貯留水は無酸素状態となり,池底部から浄水処理を困難にする [②鉄やマンガンなどの溶出] を引き起こすことがある。この対策としては,貯水池全体を混合優作し温度成層を破壊し,藻類の増殖防止と成層水の水質改善を行う [③全層曝気循環法] がある。この温度成層の破壊により [④水温が上昇] し,下流域の稲作や漁業へ影響を与えることもあるので配慮が必要である。そのため,躍層を破壊せず底層部に酸素を供給し底層部の水質を改善する [⑤深層曝気循環法] 等もある。


Ⅳ-4 次のア)~オ)で説明している取水施設の適切な組合せを,①~⑤の中から選べ。
ア)取水口施設でスクリーン,ゲート又は角落し,砂溜等と一体となり機能する。
イ)河川の水深が一定以上の所に設置すれば年間の水位変化が人きくとも安定した取水が可能である。取水口を上下数段に設けて選択取水ができる。
ウ)河川水を堰上げし,計画取水位を確保することにより,安定した取水を可能にするための施設であり,堰本体取水口・沈砂池等が一体となって機能する。
エ)取水口節を複断面河川の低水護岸に設けて表流水を取水し,管渠部を経て堤内地に導水する施設である。
オ)湖沼の中小量取水施設として多く用いられている。構造が簡単で施工も比較的容易である。水中に没して設けられるため,湖沼表面の水は取水てきない。

    ア     イ     ウ       エ      オ
① 取水塔  取水門  取水堰   取水管渠  取水枠
② 取水門  取水塔  取水堰   取水枠   取水管渠  
③ 取水堰  取水塔  取水門   取水管渠  取水枠
④ 取水堰  取水門  取水管渠  取水塔   取水枠
⑤ 取水門  取水塔  取水堰   取水管渠  取水枠


Ⅳ-5 浄水処理の凝集に間する次の記述のうち,適切なものを選べ。
① 浄水処理において使用できる凝集剤の種類として,硫酸アルミニウム,ポリ塩化アルミニウム,鉄系凝集剤がある。高分子凝集剤の浄水処理での使用は認められていない。
② 攪拌には,凝集剤を急速に拡散させ,コロイド粒子を互いに結合し,微小フロックを形成させる急速攪拌と,微小フロックを互いに衝突させながら凝集させ,成長させるために行う緩速攪拌がある。
③ アルカリ度は凝集効果に影響を与える重要な因子である。アルカリ度が低い場合は,pH値の緩衝作用が小さいので,適度なアルカリ度を保持するために酸剤の注入が必要である。
④ 水温が高い場合には,低い場合と比べてフロックの成長は遅くなる。
⑤ フロック形成池における優性の程度を評価する指数としてCT値がある。これは,凝集剤注入率Cに滞留時間Tを乗じた値である。


Ⅳ-6 上水道の急速ろ過池における異常現象と原囚に関する次の組合せのうち,不適切なものを選べ。
① 洗浄特に気泡発生       - 逆流洗浄管内にたまった空気のろ層への放出
② ろ過砂やアンスラサイトの流出 - 洗浄流速過大,表面洗浄ノズル角度不良等
③ ろ層巾にマッドボール発生   - 洗浄効果が不十分
④ ろ層表面の陥没        - 下部集本装置の異常
⑤ 初期損失水頭部過小      - ろ材粒度が全体的に細かすぎ


Ⅳ-7 上水道の塩素消毒に関する次の記述のうち,不適切なものを選べ。
① クリプトスポリジウムのオーシストは塩素に耐性であり,水道水の消毒程度の塩素濃度ではほとんど不活化されない。
② 給水栓での残留塩素をできるだけ均一にし,必要な残留塩素を保持するために,配水池,配水管途中等に消毒設備を設けて塩素剤の追加注入を考慮する必要がある。
③ 塩素の消毒効果は,塩素濃度と接触時間とによって支配され,pH値の影響は受けない。
④ アンモニアを含む水に塩素の注入量を増やしていくと残留塩素量が増加するが,ある点に連すると急激に減少し,ついで再び増加する。このような形で最低点を示す点をブレークポイントあるいは不連続点という。
⑤ 塩素は水中に含まれる有機物質,還元性無機物質,あるいはアンモニア態窒素,有機態窒素によって消費される。


Ⅳ-8 膜ろ過法に関する次の記述のうち,不適切なものを選べ。
① 膜モジュールとは,エレメント(膜とその支持体及び波路材などの部材を一一体化したもの)をケーシングと呼ばれる耐圧容器に装填して一体化し,膜ろ過装置として使える形にしたものをいう。
② 全量ろ過は,膜面に沿って平行に膜供給水を流し,懸濁物質等の膜面への堆積を抑制するろ過方式である。
③ 膜ろ過流束(フラックス)とは,単位時間に膜の単位面積を通過する水量であり,m3/(㎡・日)で表す。
④ 膜のファウリングとは,膜ろ過を継続することにより発生する膜の目詰まりや付着物の形成をもたらす現象であり,膜差圧の上昇や膜ろ過流束の低下をきたす。
⑤ 膜の物理洗浄とは,薬品を使わず水や空気などを用いて洗浄することで,物理的作用により膜に付着した物質を取り除く方法である。


Ⅳ-9 紫外線消毒に関する次の記述のうち,不適切なものを選べ。
① 濁度や色度が高い水に適している。
② 水に臭味を生ずるおそれがない。
③ 残留効果がない。
④ クリプトスポリジウムの不活化に有効である。
⑤ 過剰注入の危険がない


Ⅳ-10 ポンプ系の水撃作用を防止するための主な方法に関する次の記述のうち,不適切なものを選べ。
① ポンプにフライホイールをつけることにより,慣性効果を小さくし,ポンブ吐出し圧力の急激な上昇を緩和する。
② ワンウェイサージタンクは,圧力降下のときに必要かつ十分な水を補給して,負圧を防止することのみを目的とするもので,逆止弁によって常時は管路から分離させる。
③ 圧力水槽(エアチャンバ)は,圧力水槽内の水を内部の空気圧力により管路へ給水し,ポンプの急停止後に発生する圧力低下を防止する。
④ 停電と同時に,ポンプ仕出し側の逆止弁であるコーン弁又はニードル弁の油圧操作機構によりバルブ開度を制御し自動的に緩閉するニとて,流速の変化を小さくし圧カ上昇を抑える。
⑤ 逆流が大きくなってポンプ吐出し側の逆止弁を急閉すると高い圧力上昇が生じるので,逆流が起こる直前の流速が遅くなったときに逆止弁を急閉する方法かあり,これは逆流開始が速い管路に用いられる。


Ⅳ-11 配水池に関する次の記述のうち,不適切なものを選べ。
① 池数は,原則として2池以上とする。
② 有効水深は2~12m程度を標準とする。
③ 有効容量は,給水区域の計画一日最大給水量の12時間分を標準とする。
④ 配水池の流入部は,越流堰を設けるか,流人管を落とし込み方式とするか又は逆止弁を設ける。
⑤ 高水位から配水池上床版まで30㎝程度の余裕高をとる。


Ⅳ-12 金属管の腐食原因とその分類に関する次の組合せのうち,不適切なものを選べ。
① バクテリア腐食   - ミクロセル腐食
② コンクリート・土壌 - マクロセル腐食
③ 電鉄の迷走電流   一 電食
④ 酸素濃淡(通気差) - ミクロセル腐食
⑤ 異種金属      - マクロセル腐食


Ⅳ-13 上水道の地震対策に関する次の記述のうち,不適切なものを選べ。
① 水道の地震対策は,施設耐震化対策などの「予防対策」と,応急給水対策や応急復旧対策などの「発生時対策」の両面から取り組む必要がある。
② 震度法による地上構造物の設計において,設計鉛直震度(Kv1を考慮する場合には,設計鉛直震度(Kv1)は設計水平震度(Kh1)の2倍とする。
③ 水道に関する防災計画は,「災害対策基本法」の中で災害に対処するために地方公共団体が策定することとされている地域防災計画の一環として位置付けられる。
④ 導・送・配水管路の耐震化の進捗状況を表す業務指標である,管路の耐震化率とは,管路総延長に対する耐震菅垣長の割合をパーセントで表したものをいう。
⑤ 応急給水に必要な最少確保水量は,1人1日3L程度(可能ならばそれ以上)として,各水道事業ごとの被害想定に基づき,断水人口,復旧日数等を考慮して算定する。


Ⅳ-14 水道管路の施工方法に関する用語の次の組合せのうち,不適切なものを選べ。
① 開削工法     - 土留め
② 不断水工法    - 割T字管
③ 推進工法     - セグメント
④ 既設管内布設工法 - 巻込鋼管
⑤ 既設管更生工法  - 管内クリーニング


Ⅳ-15 浄水施設の排水処理に関する次の記述のうち,不適切なものを選べ。
① 排水処理施設から発生したケーキは,「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」で汚泥に該当するが,産業廃棄物としての取扱いは受けない。
② 排水処理の方式は,浄水施設との関連,原水の水質,排水の量と質,スラッジの性状,発生ケーキの処分方法,維持管理の難易,用地面積,建設費及び地域環境を考慮して,天日乾燥,機械脱水,脱水・熱乾燥の方式から選定することが基本となる。
③ 排泥他の容量は,1目に排出されるスラッジ量又は1回に排出されるスラッジ量以上とし,他数は2他以上とするニとが望ましい。
④ スラッジの脱水前処理法の主なものには,石灰添加処理法,高分子凝集剤処理法,凍結融解処理法並びに遠心分離法かある。
⑤ 排水処理施設から発生したケーキの有効利用方法として,花・果実栽培用土,土地造成資材,セメント原料,理戻し材等があげられる。


Ⅳ-16 地下水の汚染物質と排出源の次の組合せのうち,不適切なものを選べ。
① 硝酸        - 野菜・果樹栽培
② トリクロロエチレン - クリーニング業
③ ヒ素        - 自然(地層)
④ ベンゼン      - ガソリンスタンド
⑤ シマジン      - 電子器具製造業


Ⅳ-17 平成20年4月1目より適用された水質基準に関する省令等の改正について,次の記述の,[ア]及び[イ]に入る語句の組合せとして適切なものを①~⑤の中から選べ。

・水質基準項目として新たに[ア]が追加され,基準値は「0.6 mg/L以下」となった。
・水質管理目標設定項目に新たに[イ]が追加され,目標値は「1mLの検水で形成される集落群が2,000以下(暫定)]となった。また,農薬類の対象農薬リストにフィプロニルが追加された。
   ア       イ
① 塩素酸    大腸菌
② 臭素酸    従属栄養細菌
③ 過塩素酸   一般細菌
④ 臭素酸    大腸菌
⑤ 塩素酸    従属栄養細菌


Ⅳ-18 下水道の計画汚水量に関する次の記述のうち,不適切なものを選べ。
① 計画汚水量は,下水道施設計画・設計の基本数値であり,計画1日平均汚水量,計画1日最大汚水量及び計画時間最大汚水量の3つの汚水量について求める。
② 計画1日平均汚水量は,計画年次における年間の発生汚水量の合計を365日で除したものであり,使用料収入の予測等に用いる。
③ 計画1日最大汚水量は,計画年次における年間最大汚水量発生日の発生汚水量であり,主に処理場の施設設計に用いる。
④ 地下水量は,計画区域と類似した条件の施工事例等から推定する。
  なお,推定が困難な区域については、生活汚水量と営業汚水量の和に対する日平均汚水量の5~10%を見込むものとする。
⑤ 生活汚水量は,一般家庭から排水される汚水量であり,水道計画等により定める1人1日給水量を基に1人1日生活汚水量を算定し,1人1日生活汚水量に計画人口を乗じることにより求める。


Ⅳ-19 下水道のマンホールふたの浮上・飛散現象の発生要因として考えられる次の項目のうち,不適切なものを選べ。
① 埋設深が浅い管きょ
② 大口径の管きょ
③ 管路施設の排気能力不足
④ 凹地や急斜面から緩斜面への変化点
⑤ マンホールふた・側塊の耐圧力不足


Ⅳ-20 排水設備に関する次の記述のうち,不適切なものを選べ。
① 排水管の土かぶりは,原則として20 cm以上とする。ただし,条件により防護,その他の措置を行う。
② 排水管の管内流速は,掃流力を考慮して,0.6~1.5m/秒の範囲とする。ただし,やむをえない場合は,最大流速を3.0m/秒とすることができる。
③ ますは,排水管の起点,終点,会合点,屈曲点,その他維持管理上必要な箇所に設ける。
④ ますの底部には,雨水ますはインパートを,汚水ますは泥だめを設ける。
⑤ ますのふたは堅固で耐久性のある材質とし,汚水ますは密閉ぶたとする。


Ⅳ-21 下水道の計画汚濁負荷量と計画流人水質に関する次の記述のうち,不適切なものを選べ。
① 下水の計画流人水質は,計画汚濁負荷量を計画1日最大汚水量で除した値とする。
② 計画汚濁負荷量は,生活汚水,営業汚水,工場排水,観光汚水等の汚濁負荷量の合計値とする。
③ 生活汚水の汚濁負荷量は,1人1日当たりの汚濁負荷量に計画人口を乗じて求める。
④ 営業汚水による汚濁負荷量は,業務の種類,汚水の特徴等を勘案して決定する。
⑤ 観光汚水による汚濁負荷量は,日帰りと宿泊に分け,各々の原単位から推定する。


Ⅳ-22 下水道の管きょにこ関する次の記述のうち、不適切なものを選べ。
① 雨水管きょの計向下水量は,計画雨水量とする。
② ダクタイル鋳鉄管は耐圧性及び耐食性に優れており,高強度でじん性に富んだ可とう性管である。主として圧力管として使用されている。
③ 雨水管きょ及び合流管きょの流速は,計雨下水量に対し,原則として,最小0.6m/秒,最大3.5m/秒とする。
④ 管きょの埋設位置及び深さについては,公道に敷設する場合には道路管理者,河川区域内の場合には河川管理者,河川保全区域内の場合には道路及び河川管理者,軌道敷内の場合には軌道管理者と,それぞれ協議しなければならない。
⑤ 管きょの内面が摩耗,腐食等によって損傷するおそれのあるときは,耐摩耗性,耐食性等に優れた材質の管きょを使用するか,管きょの内面を適当な方法によってライニング又はコーティングを施す。


Ⅳ-23 圧法式下水道輸送システムの圧力管路に関する次の記述のうち,不適切なものを選べ。
① 使用する管の口径を小さくすることができる。
② 管の埋設深を浅くでき,建設費の低減や工期の短縮ができる。
③ 空気弁,排泥設備が必要となる。
④ 継手等から地下水の浸入のおそれかおる。
⑤ 停電対策が必要である。


Ⅳ-24 下水道の自家発電設備に関する次の記述のうち,不適切なものを選べ。
① 自家発電設備には,非常用発電設備と常用発電設備かおり,ポンブ場及び処理場には,原則として自家発電設備を設けるが,一般的には,非常用発電設備として設けられることが多い。
② 自家発電設備は浸水等により機能が損なわれない場所に設けるものとし,一般的に運転時間を12~24時間程度としている。
③ 自家発電設備を2基以上設ける訃今は,並列運転可能な設備を標準とする。
④ 発電機の種類には,同期発電機と誘導発電機かあり,非常用発電の場合には,停電時にも単独運転が可能な同期発電機を選択する。
⑤ 発電機用原動機は,一般にディーゼル機関又はガスタービンが使われる。ディーゼル機関は熱効率が低く,始動時間部長いため,取扱いが比較的容易な,ガスタービンが多く使用されている。


Ⅳ-25 下水道の処理水の再利用に関する次の記述のうち,不適切なものを選べ。
① 処埋水の再利用には,下水処理場の運転に必要な施設運転用などの場内利用と,散水用水,修景用水などの場外利用がある。再利用の用途によっては目標水質が定められいる。
② 施設に使用する用水の使用量は,時間帯により異なるので,一般に各時間帯における最大使用水量をもって設備計画を行う。
③ 処理水再利用設備は,保守・点検等を考慮し,原則として2系列以上とする。
④ 処埋水の取水場所は,一般に最終沈殿他の流出きょと接触タンクの間に設け,消毒前の二次処理水を取水する。
⑤ 処理水の多目的利用の用途別有効利用量としては,河川維持用水や修景用水としての利用の割合が高い。


Ⅳ-26 下水汚泥の濃縮設備に関する次の記述のうち,不適切なものを選べ。
① 遠心濃縮は,高遠心力の場において固液分離を行い,汚泥の濃縮を行うものである。重力濃縮と比べて,設置面積は大きく,消費電力は小さい。
② 重力濃縮は,タンク内に汚泥を滞留させ,自然の重力を利用して濃縮を行うもので,一般的に滞留時間は12時間程度としている。
③ 加圧浮上濃縮は,汚泥の粒子に微細気泡を付着させ浮上分離させるもので,粒子等によっては凝集剤の添加を必要とする場合かおる。
④ 常圧浮上濃縮は,起泡助剤の添加により生成した気泡と汚泥中の固形物とを混合装置で高分子凝集剤の添加により吸着させ,汚泥を浮力により浮上濃縮させるものである。
⑤ 常圧浮上濃縮は,固形物回収率が高く,装置がコンパクトで補修頻度が少ないため,近年,小規模処理場を中心に急速に普及してきている。


Ⅳ-27 下水道の汚泥処理のプロセスから発生する返流水に関する次の記述のうちに不適切なものを選べ。
① 返流水とは,汚泥の各処理過程で生じる濃縮分離液,消化脱離液,脱水ろ液などを総称していう。
② 一般的には水処理施設に戻して処理されるが,返送先に最初沈殿他の流出側とする。
③ 返流水の量や質に時間的変動が大きい場合は,返流水貯留タンクを設けるなどの対策が必要である。
④ 他の処理場から汚泥を受け入れている場合,単独で返流水を処理することや,何らかの前処理を行い水処理施設に戻すことを検討する。
⑤ 焼却施設の排煙排水などには,焼却炉の運転状態によっては微量ながらもダイオキシン類やシアンなどが排出されることがあるため,焼却炉の運転管理を適切に行うことが重要である。


Ⅳ-28 次の下水処理場の上本構造物のうち,耐震設計法として震度法を用いることが不適切なものを選べ。
① 沈殿池   ② 地下埋設水槽   ③ 汚泥消化タンク
④ 放流きょ  ⑤ 汚泥焼却炉コンクリート基礎


Ⅳ-29 押出し流れ反応タンクを用いた長時間エアレーション法に関する次の記述のうち,不適切なものを選べ。
① 低負荷条件で処理することから,SRTが長く,硝化反応が進行しやすい。
② 原則として汚水調整池を設けないが,流量変動が極端に大きい場合には最終沈殿池への流入量の均等化を図るため,汚水調整池や流量調整装置の設置を検討する必要がある。
③ 余剰汚泥の発生量は,標準活性汚泥法に比べ多い。
④ 過剰なエアレーションで汚泥の分散や汚泥活性度の低下が見られる場合がある。
⑤ 無酸素タンク容量の設定によりバルキングを抑制することができる。


Ⅳ-30 好気性ろ床法に間する次の記述のうち,不適切なものを選べ。
① 回分式活性汚泥法やオキシデーションディッチ法に比べると反応時間が短く,最終沈殿池を省略することから,敷地面積はニれらの処理方式と比べて小さい。
② 大規模の処理場で採用されることが多い。
③ 反応時間が短いことから,汚水調整池を設置する。
④ 返送汚泥の必要がなく,反応タンク内のMLSS濃度,溶存酸素濃度等に当たる水質管理が不要である。
⑤ 負荷量によっては,硝化細菌の保持が可能であり,有機物の除去とともに窒素の硝化が期待できる。


Ⅳ-31 下水の高度処理における処理対象物質と高度処理プロセスの次の組合せのうち,不適切なものを選べ。
① りん     - 嫌気-好気活性汚泥法
② 窒素,りん  - 嫌気-無酸素-好気法
③ 窒素     - 凝集剤添加活性汚泥法
④ 窒素     - 高度処理オキシデーションディッチ法
⑤ 浮遊性有機物 - 急速ろ適法


Ⅳ-32 雨水滞水池に関する次の記述のうち,適切なものを選べ。
① 貯留した雨水の下水処理場への送水において,下水処理場の負荷状況を考慮する必要はない。
② 流入ゲートの運転操作は,手動運転を原則とする。
③ 雨水貯留後に,残った滞留水を汚水管に送水し,ドライ化を行う。
④ 大規模施設ては,設置スペースが小さく,維持管理の容易な着脱式水中形のポンプを設置する。
⑤ 洗浄は,貯留状況とは関係なく定期的に行う。


Ⅳ-33 事業場排水が下水道に与える影響に関する次の記述のうち,不適切なものを選べ。
① 高温排水は,下水管きょに流人すると化学反応や生物的反応が促進され,コンクリート等の腐食及び悪臭ガスの発生の原因となる。
② 酸性排水は,下水道施設を損傷させ,また他の排水と混合すると有害ガスを発生する場合がある。
③ 油類は,下水管内部に付着し管きょを閉塞させる。また,処理場の活性汚泥の呼吸を阻害し,処理機能を低下させる。
④ 農薬は,処理場の活性汚泥中の細菌頻々原生動物に対して毒性を示し,処理機能を阻害する。
⑤ トリクロロエチレン等は,下水道施設内で揮散し,管きょ内や処理場での作業環境を悪化させる。また,活性汚泥による有機物除去機能に重大な影響を及ぼす。


Ⅳ-34 次の文章の,[ア]~[エ]に入る適切な語句の組合せを①~⑤の中から選べ。
BODは,水中に含まれる[ア]が,[イ]が十分存在し20℃で5日間という条件下で,[ウ]の働きによって分解されるときに消費される[エ]をmg/ L で表している。
   ア     イ      ウ      エ
① 有機物質  残留塩素  嫌気性微生物  酸素量
② 無機物質  残留塩素  嫌気性微生物  炭素量
③ 無機物質  溶存酸素  好気性微生物  炭素量
④ 有機物質  溶存酸素  好気性微生物  酸素量
⑤ 有機物質  溶存酸素  嫌気性微生物  炭素量


Ⅳ-35 下水道施設における臭気対策に関する次の記述のうち,下線部分が不適切なものを選べ。
活性炭吸着法は,活性炭(木炭又はやしがら炭)を充填した吸着塔に臭気を通し, [①物理的吸着] によって脱臭する方法で,[②分子量の小さい] 臭気物質ほど効果がよい。
臭気に選択性かおり,[③硫化水素] やメチルメルカプクンには有効であるが,[④アンモニア] やアミンについては効果がない。[⑤希薄な臭気] に適し,脱臭の仕上げに用いる。


正解
問題 正解 問題 正解 問題 正解 問題 正解 問題 正解 問題 正解 問題 正解
1 3 6 5 11 2 16 5 21 1 26 1 31 3
2 5 7 3 12 4 17 5 22 3 27 2 32 3
3 4 8 2 13 2 18 4 23 4 28 4 33 5
4 5 9 1 14 3 19 1 24 5 29 3 34 4
5 2 10 1 15 1 20 4 25 2 30 2 35 2