口頭試験体験記 上下水道部門(平成18年度以前) Back

年度 体験記提供者 備考
15 01:上水道及び工業用水道 (49歳公務員)
17 02:下水道 ラグーンさん
03:下水道 先斗町さん

1:上水道及び工業用水道

2003.12.13技術士第2次試験口頭試験の記録・・・49歳公務員

(1) 経歴および応用能力 

Q.あなたの受験した動機は何ですか。
A. 技術士は、技術者としての最高の資格であり、社会情勢が大きく変動する中で、技術者として貢献したい。
Q.役場に勤めていますが、技術士の資格を取ったらどうしますか。
A. 水道事業体の中で、貢献したい。また、受験のため勉強すること自体が、自分自身の成長につながる。
Q.職場の中に技術士はいますか。
A. 私と同年令で、過去に取得して現在民間で活躍している方がいます。
Q.職場では、あなたの受験をどう見ていますか。
A. 上司である課長と助役に受験することを知らせ、激励された。
Q.あなたは職場で補佐となっていますが、役割はどのようなものですか。
A. 補佐であると同時に、水道技術管理者でもあり、技術的な判断は、私ができる立場です。(委員うなずく。)
Q. 経歴では、昭和60年からとなっていますが、それ以前はどうですか。
A.昭和48年に土木課に配属となった。道路や河川工事の設計、積算に携わった。

(2) 筆記試験内容(必須・選択科目)に関する専門知識と見識の確認 

Q. あなたの町の水道にはどんな特徴がありますか。
A.浄水施設の種類が多く、塩素消毒だけを行っている施設をはじめ、緩速ろ過、急速ろ過および経験論文で述べた膜ろ過施設がある。
Q. あなたの業務の中で失敗した経験がありますか。
A.経験論文の中の膜ろ過施設の膜の目詰りは、原水中のアルミニウムによって起きたが、計画時点の原水水質の調査が、回数はともかく、最も水量の低下する時点の調査が十分でなかった。その後の対策においては解決したものの水道施設を計画する際の水質調査が重要であると感じた。
Q.あなたの町は温泉があるようですが原水のpH値は他にはどうですか。
A.計画浄水量が4350?の急速ろ過の浄水場の原水が、冬期に6.0以下まで低下する。そのため、苛性ソーダによる中和を行っている。
Q. あなたの町の地形は高低差が多いようですが、どうしていますか。
A.減圧槽(または接合井)により管の圧力を開放するか、バネの力を利用して圧力を減ずる減圧弁により、水圧を低下させること。およびポンプによる増圧などの対策を取っている。
Q. 民間委託について施設の維持管理面ではどのように考えますか。(たしか、こういう聞かれ方だったと思う。記憶が曖昧。)
A.1つの事業体で技術を内包する時代ではないということは言われている。平成13年の水道法改正によって、第三者への包括的な業務委託が可能になり、群馬県太田市、福島県三春町、(委員うなずく)広島県三次市などで現在委託が行われている。これらは、表流水の導入などにより、浄水場の運転管理のノウハウが(水道事業者側に)ないことが契機となっているように思う。他の事業体では維持管理のノウハウをどう引き継ぐのかがポイントであると考える。
Q.数多い施設の維持管理はどのようにしていますか。(これも、こういう聞かれ方だったと思う。記憶が曖昧。)
A. 職員による巡視の他、遠方監視を行っている。かつては庁舎内に大きなグラフックパネルを設置して監視するシステムがみられたが、数年前からは、施設ごとにデータを蓄積し、電話回線で中央に送信する「分散型」と呼ばれるものが多くなっている。(委員うなずく)
Q.水質検査体制について(聞かれ方の記憶が曖昧。次の回答は、試験委員の1度の質問でなく2度に分けてあったかもしれない。)
A. 来年4月から、あたらしい水質基準が施行される。これにより水道法20条検査機間は指定制度から登録制度となる。○○郡は8か町村で○○郡水道協会というのがあり、共同で検査機関の選定を行うこととなった。選定にあたってはISO9000シリーズの登録認証をおこなっているか、また、今までの実績などにより評価し選定にあたっている。
Q.自分のところでは水質検査しないのですね。
A. そのため、(水質試験結果に)問題があった場合の検査機関からの検査結果の電話による通知などのフォローを重視している。
Q. 民間委託についての問題点はどのように考えますか。(たしか、こういう聞かれ方だったと思う。記憶が曖昧。)
A. 経営の効率化と危機管理体制の構築という2つの問題をどう解決するかが大切である。民間委託により水道事業体の側が人員削減を行った場合に、非常時の体制が取れないことも考えられる。
Q. 水道法改正によって、業務を行う上で具体的な例はありますか。(たしか、こういう聞かれ方だったと思う。記憶が曖昧。)
A. 経験論文の事例の2つ目に挙げた「無水源地域簡易水道」を行う上で、手続きは上水道の区域拡張にあたり、改正水道法の「軽微な変更」に該当した。○○県では、先例がないため、手続きの書類は私が考えて作成した。(試験委員「ほう。」という表情)
Q.あなたの専門分野で、今注目しておられるようなトピックはありますか。
A.ISO/TC224の動向に注目している。現在、日本では、この問題を積極的に捉えていこうとしていると聞きました。PI(業務指標)によれば、広域化をすすめる上での事業体同士の比較が可能になる。

(3) 技術士としての適性

Q.技術士の3大義務について二つ三つ挙げて下さい。
A. 秘密保持、技術士の名称表示の場合の義務、(ちょっとつまって)信用失墜行為の禁止。(委員、笑いながら、二つ三つと言いましたから、二つでも良かったんですよ。)
Q.信用失墜行為の事例を挙げて下さい。
A. 今朝の新聞にあった、トヨタ自動車の自動車整備士の試験問題漏洩は大変残念。(委員:それは、どちらかというと秘密保持の問題ですね、東電の原発事故隠しや雪印などがありますね。)
A.はい。
Q.技術士法を改正して資質向上が加えられたのはなぜだと思いますか。
A. 技術の進歩は目まぐるしいため、絶えず勉強しなければならない。
Q.スキルアップのためには何か行っていますか。
A.日本技術士会の修習技術者研修会に参加している。1つの部門だけでなく幅広く活動したい。(委員:他にも水道協会雑誌の購読、投稿、発表などを積極的にしていって下さい。)
A.はい。水道協会雑誌は職場にあるほか、個人でも水道公論、土木学会誌などを読んでいる。また、発表では昨年の修習技術者研究発表年次大会で、経験論文と同じ内容で発表した。(委員:以上で終わります。御苦労さまでした。)

反省

質問に答える自らの視点を振り返ると、日常業務の範囲内、職場内での立場によるものがほとんどであったと思う。技術士としてふさわしいかどうかを考えると、もう少し大局的な視点、物事を俯瞰的に見る必要があった。そのところで、「大風呂敷を広げる。」や「評論家的にならない。」との関係が微妙なところでもある。経験論文の中でも、例えば「業務の目的、背景」の記述の部分で、日本の水道全体を視野に入れ、その中から小規模水道の抱える課題と体験業務との関係を記述することができたら良かった。
口頭試験のやりとりの中で、民間委託による効率化と危機管理対策の話をしたが、これは確かに水道にとって大きな問題だと思うし、いつも感じている所でもある。しかし、そこに至る前提としての需要者のニーズ、水道水の安全性、不十分な管理体制の問題から出発して、その選択肢としての民間委託、民営化である。その点で説明が不十分だったと思う。
全体を通じて「需要者の視点」「安全な水道水の供給」「管理体制の充実」などの最も重要なキーワードに沿った答えにできなかった。試験委員からの一般的な質問に対する答えが、こうした視点であったかを判断しようとしていたかが、ポイントか。・・・・

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2:下水道

※試験日時:平成17年12月10日 午後3:00〜3:30(30分間) 
※試験場所:NTT麻布セミナーハウス(2F)
※私の職種:土木系公務員技術者
※受験部門:上下水道部門(下水道)
※感  想:
 @試験官は2人(日本下水道事業団副理事長、日本下水道協会長)
 A日本下水道事業団副理事長→総括、経歴、経験を担当
  日本下水道協会長→専門知識、下水道一般、技術者倫理を担当
 B全体的に和やかに進行し、紳士的な態度で応対していただいた。
  下水道の専門知識を問う質問が多かった。
 C試験時間は20〜25分間程度で、試験開始が15分程早まり、午後2:45からの  開始であった。
 
Q1 ○○県から今日来たのですか。 
 昨日、東京に宿泊しました。この時期ですので、降雪等により新幹線が遅れると大変ですので・・・。(二人の試験官は微笑んでいた)
 
Q2 業務経歴を拝見しますと、色々な業務に携わっておりますね。砂防、道路、下水道と・・・。あ、水道もやっておるのですね。下水道は何年 従事しておりますか。 
 今年度で7年半になります。
 
Q3 ○○県では、専門分野毎に技術者を育成するのですか。例えば道路や河川の専門技術者とか・・・。 
 そのような人事はしておりません。ただ、下水道は特殊分野ですので、勤務年数15年程度で下水道の経験を考慮した人事は行っているようです。
 
Q4 技術士の受験動機をお聞かせください。 
 公務員技術者は、地域住民、設計コンサルタント、施工者、関係機関の間で多用な技術判断を伴う業務に従事しておりまして、近年の発注者の技術力の低下などがございまして、自分自身のスキルアップのために受験しました。また、下水道は特殊分野ですので、後輩等の指導を行うという意味で大切であると感じまして受験しました。
 
Q5 ○○県には下水道の技術士は何人いますか。 
 土木系技術公務員は625人おりまして、知ってる範囲では3人の下水道技術士がおります。
 
Q6 退職された方で持っている人はご存じですか。 
 □□さんは持っていたかと思います。
 (「△△さんはもっていいたかな?」と試験官は言っていた。この辺で試験  官が日本下水道事業団の人ではないかと思った。)
 
Q7 県の技術士に対する評価はどうですか。人事面とか・・。
 特に配慮はしておりません。
 
Q8 経験論文で記述しておられる建設汚泥の再資源化処理は、今回が初めてですか。今まではどうしておりましたか。 
 今回が初めてです。今までは中間処理場に運搬し処分しておりました。また、中間処理場から最終処分しておりました。
 
Q9 流域別下水道総合整備計画とは何ですか。 
 専門外ですので、うまく答えられるかどうか分かりませんが、下水道事業の上位計画でありまして、流域の環境保全を図るために汚濁物質の削減量や削減を行うための下水道整備内容などを盛り込んだ上位計画であると認識しています。(「流域の水質環境基準達成のための基本計画ですね。」と試験官が言っていた。)
 
Q10 BODとCODの違いを説明してください。 
 BODは、生物が消費する酸素量を目安にして、汚濁の程度を把握すのものです。CODは、生物の消費する酸素量のみでは把握しきれないものについて、酸化量を指標として汚濁の程度を把握するものです。主に湖の汚濁指標に使われております。
 
 
Q11 高度処理とは何ですか。 
 昔は二次処理(三次処理が正解)といっておりましたが、通常の標準活性汚泥法では除去できない窒素や燐を除去する処理方法です。標準活性汚泥法でも運転方法を工夫することにより、ある程度除去することは可能ですが、それ以上に窒素や燐の削減が必要な場合に採用する処理方法です。
 
Q12 下水道の課題について説明してください。 
 今年、下水道法が改正されましたが、その改正の背景から課題を申しますと、閉鎖性水域の水質改善、都市部の浸水被害の防除、水質事故、地震対策などが課題として考えられると思います。また、耐用年数を経過した下水道施設の改築、維持管理等も重要です。
 
Q13 下水道管渠の布設工法について、その使い分けを説明してください。 
 開削工法、推進工法、シールド工法の3種類がございます。開削工法は、土被りが比較的浅い管の埋設に適用されまして、適用外の深度については推進工法、シールド工法が採用されています。推進工法とシールド工法の適用の違いは布設延長によりますが、近年、長距離推進工法を採用することにより、その適用範囲の相違があまりなくなってきました。
 
Q14 コスト縮減方策について、事例を一つ説明してください。 
 FRPM管工法がございます。この工法はシールド工法における二次覆工に用いるものでありまして、従来、コンクリートで巻き立てていたものをFRPM管をさや管として用いるものです。FRPM管を採用することにより、覆工厚が小さくなりますので、コンクリートとした場合に比較して一次覆工(セグメント)外径を小さくできますので、一次覆工と二次覆工を併せて考えれば、コンクリートによる二次覆工より安くできます。但し、二次覆工単体では高くなります。
 
Q15 技術士法に定めている技術者倫理について説明してください。 
 (少しとまどっていると、試験官から「義務とか責務ということです」とフォローがあった。)
 義務としては3つありまして、信用失墜行為の禁止、秘密保持義務、名称表示の場合の義務です。また、責務としては二つありまして、公益確保の責務、資質向上の責務です。
 
Q16 資質向上という観点から何かしておりますか。 
 私は自己啓発が一番大切であると思っております。雑誌やインターネットから最新の情報を取得するように心がけております。また、業務の打ち合わせなどにおいて、分からないことがあった場合は直ぐ調べて自分のものにしております。
 
Q17 資質向上には研修等の参加もございますが、どのような研修に参 加しておりますか。 
 最近では対話力の研修に参加しました。また、経験論文に書いたテーマを平成16年に「○○県技術発表会」で発表いたいました。
(試験官は「へー」という感じであった。)
Q18 技術士としての説明責任はどのようなものであるとお考えですか。 
 私はコンプライアンスと公益確保が一番大切であると思っています。そのため、地域住民への説明会のでは、法令や制度などを遵守して、できるものとできないものの区別をはっきりして説明しております。
 
Q19 それは、公務員としての回答ですが、そうではなく技術士として 回答してください。 
 基準等に照らし合わせて、確実な説明をいたいます。
 (試験官は「うーん」といって「まーいいです。」と言った。)
 
Q20 海外の制度で技術士と同様な制度を一つで結構ですので答えてください。 
 アメリカのプロフェッショナルエンジニアが該当すると思います。PEと言われている資格です。
 
   はい、結構です。これで口頭試験を終わります。 
 
 退席し、ドアの前でふり返りもう一度「失礼します。」と言うと、採点している手を止め「ご苦労様でした」といってくれた。

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3:下水道

平成18年度 技術士口頭試験
平成18年12月9日(土)14:00〜14:25

口頭試験内容

試験官は50歳くらいの役所の人?(試験管A)と40歳ぐらいの学者?コンサル?(試験官B)共に優しそうな人で安心。
試験官A:今日こられましたか?
私:昨日は近くのホテルに宿泊しました。(緊張を和らげてくれている模様)
Q1.早速ですが、経験論文の内容で苦心、工夫した点、それと携わったあなたの立場について説明してください。
A1.準備していた経験論文の内容、立場について述べる。
Q2〜Q4.経験論文に関する質問。ほとんどが雑談に近い内容。準備していた技術的な設計内容などは質問なし。
A2〜A4.おのおのについて述べる。(多少早口になりそう。。。注意!と自分で言い聞かせ、また比較的落ち着いていることを確認)
Q5.(試験官A)質問内容を変えます。(ここから専門的な内容に)高度処理の必要性が高まっていますが、高度処理とはどのようなものか、またその具体的な方法について述べてください。
A5.高度処理の目的は公共用水域の水質環境基準の達成・維持、処理水の再利用、放流水域の利水対応があります。公共用水域の水質環境基準達成・維持には窒素・りんの除去が求められています。また、処理水の再利用に対してはオゾン処理など、衛生学的な安全性を高めることが必要です。(試験官うなずく)
窒素除去には、生物学的に除去するものが一般的で、循環式硝化脱窒法、硝化内生脱窒法(ここで試験官Aがクスッと苦笑い)があり、りん除去には生物学的に除去する嫌気好気法が、また化学的に除去する凝集剤添加法があります。
試験官A:教科書には内生云々と載っているけど、実際にはあまり使わないよね〜静岡で採用していたような気がするけど云々。
Q6.(試験官A?B?忘れてしまった)汚泥の有効活用についてどのようなものがありますか?
A6.汚泥の有効利用は、脱水汚泥を発酵させてコンポストとして緑農地利用するもの、(試験官うなずく)また乾燥して建設資材に利用(乾燥してセメント材料としてが抜けてしまった!)、エネルギーとして利用することができます。また近年では炭化し、よりエネルギー効率を大きくして化石燃料の代替として利用します。
試験官A:建設材料は乾燥というより焼却灰ですね。乾燥した汚泥はセメント材料に混ぜますよね。(しまった!やっぱり指摘された!)最近では炭化汚泥の利用も注目されていますよね。(ん?しかしこれはポイントか?と納得)
私:はい。そうでした。
Q7.(試験官B)これからの下水道事業は、地方財政も厳しく云々。。(長々と話が始まる。質問は何なのか?)といったことがありますが、資金調達の方法はどのようにしますか?
A7.(え?資金調達?維持管理のことでいいのか?管理?民活?)下水道施設の維持管理については、下水道使用料だけでは不足します。そのため一般財源からの持ち出しも多い状態にあります。(資金調達が耳に残る)また、最近ではPFI(試験官Bほぅ〜という顔をする)といった民間の資金、経営力を利用する場合もあります。
試験官A:建設の資金調達には補助と自治体の単独費が当てられます。またそれに加えて近年では民間の資金により調達することがありますね。建設に関しては補助と単独費、それと民間資金です。
私:(しまった!そんな単純なことだったのか〜)ありがとうございます。(建設費のことだとは思いませんでしたと言いたいところを堪えた)
Q8(試験官B).下水道施設を維持管理していくことは云々。。。(また長い説明)改築や更新はどのように進めるべきですか?
A8.下水道施設は大都市を中心にその耐用年数が迫っています。管渠などでは老朽化により道路の陥没なども発生し、その対策は急がれるものもあります。(ここで質問が長かったので、さっきのこともあり心配に。そこで)施設の改築・更新についてですね?(と確認。試験官Bうなずく)施設の改築・更新には非常に大きな金額を必要とするものもあり、その重要度などから優先順位をつけて取り組むことが必要です。(試験官Bうなずく)また、アセットマネジメントの導入により(また試験官Bがほぅ〜とうなずく)、施設を試算として管理・評価することも大切であると認識しています。
Q9(試験官A).それでは技術士として義務や責務があるのですが、これについて述べてください。
A9.技術士の義務、責務について述べる。
10(試験官A).では、資質向上のためにどのようなことをこれからしていきますか?
10.技術士倫理を徹底し、また技術力を向上させるため社外研修、講習会、シンポジウムなどに積極的に参加します。そして私の技術者としての技量を向上させたいと考えています。
11(試験官B)公益確保についてですが、最近では携帯電話のバッテリーに不具合があると知りながら云々。またパロマの問題。(企業倫理のことか?松下電器との対比でよいか?)また、最近では談合が(談合問題か?)云々。長々と問題を提示される。ということで公益確保のためにどのようにしますか?(長すぎて問題の意味がぼけてくる。しかし公益確保についてのことのようだ)
11.公共の安全、環境の保護を最優先に考えて取り組む必要があります。しかし、公益の確保と発注者の安価で造りたいなどの意見とは、相反する場合もあり、私も実際にこういったことを経験したことがあります。しかし、公益を最優先に考え、業務に取り組んで行こうと考えています。
試験官A:実際に経験したとはどのようなことですか?私たちに聞かせても良い範囲で述べてください。(秘密保持のことを言っているのだと、試験が終了してから気がつく。)
私:私は水道も含めた部署の統括をしていますので、水道の業務にも携わることがあります。簡易水道の仕事で、その水源を地下水に求めたのですが、基準値内で砒素が検出されたことがあります。発注者は簡易に処理がしたいということでPACを添加し処理できるだろ?といわれましたが、利用者の健康・安全を考え、砒素はこのような技術で安全に処理することが必要であると説明・説得をしました。このことを理解していただき、砒素処理を行った経緯があります。(事業者、施設名称、場所などは述べていない。)
試験官A:なるほど。技術的な説明をして公益を確保したのですね?やっぱり砒素はPACではとれないんですよねぇ?吸着が必要なんだろうなぁ。それではこれで終わります。お疲れ様でした。
私:ありがとうございました。 

感想

経歴、技術士受験の動機などを聞かれていないことに多少不安を。経験論文については、その問題視した内容というより、この施設に関する雑談に近いものでした。
 専門の部分は建設費の調達で少しとんちんかんなことを言ってしまいましたのが、他は新しいネタを織り交ぜて話ができた気がします。
 倫理については、後になって秘密保持の義務に対し不安が。しかし事業者などを明らかにしていないこと、また説得をして利用者の安全や健康を確保したことはよい事例であったと確信。秘密保持の義務に抵触していないことを確認しこれも問題なしと納得。
 後で、終わりますと試験官Aが言われましたがこのとき試験官Bに「これでいいですか?」の確認がなかったことに気づく。これもまた不安要素。。。 

全体的には、広い視野での設問であったような気がします。試験後に、こう言えばよかったやこれも付け加えたらよかったのか、また、質問を聞きなおすなどの確認は頻繁に行ったほうがよかったのか等の反省はありますが、全体的に和やかに進んだこともあり終了した時点では好感触を得ました。(帰ってからあれやこれやと考え出すと不安になりましたが。。。)

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