筆記試験対策〜選択科目(専門問題) 最終更新:2016.06.30
TopPage 試験概要 過去問題 出願対策 択一問題 課解問題 口頭試験 体験記

=CONTENTS=
1.出題内容
2.全般的な出題傾向と対策
3.部門・科目別の出題予想と対策

 選択科目の専門問題対策について、建設部門を中心に記しています。
 出題内容の予想もしていますが、これは「絶対こうなる」というものではなく、あくまで私の予想です。ただ、技術士会から公表された資料を素直に読むとこういうことだよね、という、それなりに根拠のあるものではあります。
 なお、受験対策は人それぞれです。それぞれの立場で、ポイントは変わってきます。また、若年層・熟年層でも変わってきます。 うのみにするのではなく、参考にできるところは参考にするというスタンスでお読みください。

答案用紙はA4サイズ・600字詰めです。
模擬練習用答案用紙を用意しましたので、お使いください。なお、この答案用紙はすごろくさんよりご提供いただいたものです。
問題2-1     問題2-2

1.出題内容

 専門問題は、選択科目に関する専門知識と応用能力を問います。答案は記述式で、600字詰め答案用紙4枚以内です。平成25・26年度試験では、下記のような内訳でした。
 ・主に専門知識に関する問題(問題U-1) 1枚×2問=2枚 4問中2問選択解答
 ・主に応用能力に関する問題(問題U-2) 2枚×1問=2枚 2問中1問選択解答


 この問題で確認される資質は「専門知識」と「応用能力」であり、その概念と内容は、技術士会から公表されている下表の内容のとおりです。
確認す
る能力
専門知識 応用能力
概念 選択科目で対象とする技術分野全般にわたる専門的な知識 これまでに習得した専門的知識や経験等に基づいて、与えられた条件に合わせて正しく問題点を認識し、必要な分析を行ない、適切な業務プロセスや留意すべき内容を説明できる能力
内容 選択科目における重要キーワードや新技術等に対する専門的知識を問う。 選択科目に関係する業務に関し、与えられた条件に合わせて、専門的知識や実務経験に基づいて業務遂行手順が説明でき、業務上で留意すべき点や工夫を要する点等についての認識があるかを問う内容とする。
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2.全般的な出題傾向と対策

  1. 全体対策〜解く順番とタイムマネジメントをしっかりと!
    問題Uは、U-2→U-1の順で解くことをお勧めします。なぜなら、問題U-1は知識問題ですから知っていることを整理して書くだけですが、問題U-2は応用問題ですから、付与条件整理、手順組み立てなど、考える時間がかかるため、後回しにして時間がなくなってくると焦ってしまい、うまく考えられなくなる恐れがあるからです。
    また、3問の答案にあらかじめ時間を割り当て、全問そこそこ取れるようにすべきです。たとえ1問の出来がよくてもボロボロの問題があるとトータル評価が下がってしまいます。
    お勧めは、問題U-2に45分、問題U-1に35分×2問です。

  2. 問題U-1対策〜体系的知識を1枚答案に表現
    問題U-1は主に専門知識を問う問題ですが、これまでの問題をみると、選択科目に関する知識問題が主に出ているのですが、「○○とは何か」というような問題ではなく、「道路の空間機能を3つ述べよ」というように、何かについて2つあげよ・3つあげよというような問題が出やすいようです。
    また内容は、取り上げた用語やテーマの概要や定義の説明・理論、算定方法や長所短所などについて述べることが求められる問題が目立ちます。
    • ポイント@
      概要・定義、さらには基礎理論の解説を求められることが多くなっています。つまり前出の技術力イメージ図では「基礎知識」の部分までを問われることがあります。仕事を通じて覚えた専門技術は、しばしば基礎知識部分(定義や理論)があいまいになっていることがありますから、基礎文献にあたってもう一度しっかり勉強しておくことをお勧めします。
    • ポイントA
      知識について書くときは、体系的知識をアピールしましょう。たとえば軟弱地盤上に道路盛土を施工したときの沈下対策工について説明するとき、個別の手法・工法・製品などをただ羅列するのではなく、考え方ごとに整理して、その中に個別工法などを位置づけて(下図のようなイメージ)記載するといいでしょう。いっそ右図のようなものを答案に書いてもいいでしょう。こういった体系図も基礎文献等から仕入れることができます。

      (×な例)
      沈下対策工法は、盛土載荷重工法とサンドドレーン工法とサントコンパクション工法と深層混合処理工法と…
      (○な例)
      沈下対策工法には圧密促進、圧密抑止、荷重軽減の3つの考え方がある。圧密促進工法には盛土載荷重こうほうと…
    • ポイントB
      4問中2問選択なので、1問は自分の専門外の問題を選ばざるを得ないと思います。そのため、出題が予想されるテーマ(後述)については、基礎文献等で浅くてもいいのでひととおりの知識を身に付けておきましょう。答案はたとえ1枚だけといってもなかなか埋まらないと思いますが、箇条書きなどをうまく使うとそこそこに紙面が埋まります。
    • ポイントC
      問題U-1は答案用紙1枚なので、ぱっと見て一覧性の高い答案を作ると評価が高くなることが期待されます。たとえば下記は表をうまく使っ例です。
      • ポイント@
        概要・定義、さらには基礎理論の解説を求められることが多くなっています。つまり前出の技術力イメージ図では「基礎知識」の部分までを問われることがあります。仕事を通じて覚えた専門技術は、しばしば基礎知識部分(定義や理論)があいまいになっていることがありますから、基礎文献にあたってもう一度しっかり勉強しておくことをお勧めします。
      • ポイントA
        知識について書くときは、体系的知識をアピールしましょう。たとえば軟弱地盤上に道路盛土を施工したときの沈下対策工について説明するとき、個別の手法・工法・製品などをただ羅列するのではなく、考え方ごとに整理して、その中に個別工法などを位置づけて(右図のようなイメージ)記載するといいでしょう。いっそ下図のようなものを答案に書いてもいいでしょう。こういった体系図も基礎文献等から仕入れることができます。

        (×な例)
        沈下対策工法は、盛土載荷重工法とサンドドレーン工法とサントコンパクション工法と深層混合処理工法と…
        (○な例)
        沈下対策工法には圧密促進、圧密抑止、荷重軽減の3つの考え方がある。圧密促進工法には盛土載荷重こうほうと…
      • ポイントB
        4問中2問選択なので、1問は自分の専門外の問題を選ばざるを得ないと思います。そのため、出題が予想されるテーマ(後述)については、基礎文献等で浅くてもいいのでひととおりの知識を身に付けておきましょう。答案はたとえ1枚だけといってもなかなか埋まらないと思いますが、箇条書きなどをうまく使うとそこそこに紙面が埋まります。
      • ポイントC
        問題U-1は答案用紙1枚なので、ぱっと見て一覧性の高い答案を作ると評価が高くなることが期待されます。
        たとえば以下は合格答案例ですが、表をうまく使っています。
        H25問題U-1-3(建設部門道路科目)のA評価答案例(提供:むらまささん)
        (問題文)
        普通コンクリート舗装の構造の概要について説明せよ。また、密粒度アスファルト舗装と比較して、その長所および短所を述べよ。
        (1)普通コンクリート舗装の構造の概要
         普通コンクリート舗装は、部材厚30cmで縦断方向10m毎に目地を持つ構造。目地部は上面から部材厚の1/3深さにスリップバーを設け、瀝青質目地材を充填する。表面はほうき目仕上げにより、すべり抵抗を確保する。
        (2)密粒度アスファルト舗装と比べた、長所短所を下表に示す。
        普通コンクリート 密粒度アスファルト
        耐久性 剛性があり高い 流動しやすく低い。
        経済性 高価である。 安価である。
        安全性 すべりやすい。 すべりにくい。
        滑り抵抗 悪い よい。
        環境性 走行騒音が大きい。 走行騒音が低い。
        施工性 養生期間を要するため悪い。 施工後に温度低下後開放可能で良い。
        維持管理 補修しにくい。 補修しやすい。
        快適性 目地があり乗り心地悪い。 目地がなく快適

  3. 問題U-2対策〜業務計画書を作る感覚で
    応用能力は「与えられた条件に合わせて」、「専門的知識や実務経験に基づいて業務遂行手順が説明でき」、「業務上で留意すべき点や工夫を要する点等についての認識があるか」というように3つことを確認するとされています。
    • 「与えられた条件に合わせて」
      一般論ではなく、実際の業務のように何らかの条件を与えるということです。具体的には仮想事例や、そこまでいかなくても「事故や渋滞の発生しにくい交差点の計画・設計・運用」といった、実際の業務目的にあげられる程度の具体性をもったテーマが与えられています。
      つまり、「盛土擁壁基礎の設計」とか「交差点設計」といった限定性のゆるい「ぼんやり広いテーマ」ではなく、目的や付与条件が具体的に決められた、実際の業務テーマが与えられるということです。
    • 「専門的知識や実務経験に基づいて業務遂行手順が説明でき」
      「どうやって仕事をするか」、「こういう場合はどのように調査や設計を進めますか」といったことについて記載を求められています。具体的には考えられる影響とその評価方法や、業務手順とその内容について記載することが求められています。
    • 「業務上で留意すべき点や工夫を要する点等についての認識があるか」
      前段で提案した手順・内容で業務の遂行にあたり、どんなことに留意すべきか、またどんな工夫を要する点があるかといった「業務遂行にあたってのポイント」等を記載することを求められています。
      なお、実際の問題は上記の内容に合わせて3つ前後の設問に分かれていることが多いようです。
       (1) 基礎知識や背景認識確認等
       (2) 業務実施手順
       (3) 留意点
      といった内容です。
      ここで最大のポイント(評価の分かれ道)は付与条件に合わせた手順・留意点が提示できるかということです。付与条件を無視したような通り一遍の手順・留意点では、業務特性に合わせたきめ細かい柔軟な業務計画はできない=技術士にはふさわしくないと判断されます。

以上のように、専門問題のポイントは、以下の4点をしっかり押さえていることです。@は全般、A問題U-1、BとCは問題U-2で特に重要になります。

@タイムマネジメントをしっかりやり、全問平均的にそこそこの点数をとる。
A問われた重要課題や専門用語について、体系的に整理して専門知識を記載する。
B与えられたテーマや仮想事例について、付与条件にフィットした業務手順を記載する。
C付与条件にフィットした留意点・工夫点等を記載する。
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3.部門・科目別の出題予想と対策

  1. 建設部門
    1. 土質及び基礎
      平成25〜27年度専門問題(問題U)
      (H25)
      U-1-1 液状化の判定に用いられるFL(=R/ L) におけるR並びにLについて,その意味と求め方を説明せよ。
      U-1-2 Terzaghi (テルツァーギ)の支持力公式における3つの支持力係数について説明せよ。また直接基礎の支持力を算定する際に考慮すべきことについて説明せよ。
      U-1-3 標準貫入試験のN値から推定される地盤定数を3つ挙げ,それぞれの推定方法と留意点について説明せよ。
      U-1-4 山留め工事の掘削時に留意すべき地盤変状を3つ挙げ,それぞれの地盤変状の内容と起こりやすい条件を説明せよ。

      (H26)
      U-1-1 標準貫入試験,電気式コーン貫入試験,簡易動的コーン貫入試験,スウェーデン式サウンディング試験から調査方法を2つ選び,それぞれの概要,得られる地盤情報及び適用に当たっての留意点について述べよ。
      U-1-2 抗土圧構造物に作用する3種類の土圧(主働土圧,受働土圧,静止土圧)について,その定義と構造物の設計においてどのように用いられるか述べよ。
      U-1-3 中間層に杭基礎を支持させる場合,設計において確認すべき事項を2つ挙げて説明せよ。そのために必要となる調査・試験項目について述べよ。
      U-1-4 地すべり災害の素因と誘因を述べよ。また,地すべり対策は抑制工と抑止工に大別されるが,それぞれについて具体的な対策工を1つずつ挙げ,その概要や留意点について述べよ。

      (H27)
      U-1-1 圧密を伴う土の三軸圧縮試験には,圧密非排水試験(CU試験)と圧密排水試験(CD試験)がある。それぞれの試験の概要と得られる土の強度定数を説明するとともに,地盤の安定性検討に適用する場合の留意点について述べよ。
      U-1-2 重力式擁壁の常時の安定性を照査する上で一般的に必要とされる3つの照査項目を挙げ,それぞれの項目について概要と照査に必要となる地盤物性値を説明せよ。
      U-1-3 新設構造物基礎の液状化対策について,2種類の対策原理を挙げ,その概要を説明せよ。また,それらに基づく対策を適用する際の留意点を述べよ。
      U-1-4 土留め(山留め)掘削における底盤の安定検討の1項目であるボイリングについて,発生原理及び安定性の評価方法を述べよ。また,原理の異なる防止対策を2つ挙げて説明せよ。
      (H25)
      U-2-1 模式図に示す軟弱な粘性土地盤上に高さ7m)の盛土を計画・設計する。盛土端部は敷地制約により擁壁構造とする。以下の問いに答えよ。
      (1) 常時の作用に対する盛土の安定性の照査項目、並びに留意すべき事項を主説明せよ。
      (2) 擁壁の基礎構造を杭基礎とする場合,盛土の施工が擁壁基礎に及ぼす影響,並びにその評価手法を説明せよ。
      (3) 検討の結果,軟弱地盤対策が必要なことが判明した。工期的な余裕が無いものとして,あなたが最も適切と考える対策工を選定し,その概要と選定理由を説明せよ。


      U-2-2 集中豪雨により,地方都市聞を結ぶ主要幹線道路の切土のり面に変状が生じた。現地を目視確認したところ,切土のり面の上部には新たなクラックが複数生じており,道路の路面には隆起が生じていた。今回の変状は大規模な地すべりに至る危険性が高いと判断された。この幹線道路は迂回道路が無いことから,通行機能を確保しながら復旧を進める必要がある。早期復旧に向け,下記の内容について記述せよ。
      (1) 災害発生から本復旧までの各段階において実施すべき事項と目的
      (2) (1)で示したそれぞれの段階で留意すべき事項

      (H26)
      U-2-1 模式図に示す施工期聞が長期間と想定される線状構造物の掘削工事が計画されている口事前調査の結果として,模式図に示す土層構成などの情報が入手できている。
      仮設土留めを使用した掘削工事について, 以下の問いに答えよ。
      (1) 本条件下で土留めの設計を行う場合,掘削底面の安定性を検討するに際して考慮すべき最も重要な現象を 1つ挙げ,これについて説明せよ。
      (2) 掘削底面の安定を確保できないことが判明したため,対策案の 1つとして砂層2(被圧帯水層) の排水工法を計画することとした。排水工法を計画する際に留意すべき事項を説明せよ。 また,模式図に示した以外に必要な地盤情報を得るための調査の内容を説明せよ。
      (3) 掘削工事を行うに当たり,現場周辺へ与える影響として検討すべき現象とその原因を,砂層 1 (帯水層)に着目して説明せよ。また, それらの影響を低減するために必要な対策を説明せよ。


      U-2-2 模式図に示す軟弱地盤上に,既設のマンションに隣接して道路盛土が計画されている。この道路は,緊急輸送道路に指定される予定の重要度の高い道路である。この状況を踏まえ,以下の問いに答えよ。なお,解答は各問いにつき1枚程度を目安とすること。
      (1) この道路盛土を計画・設計するに当たり,沖積砂質土層,沖積粘性土層,マンション基礎のそれぞれに対し,重要と考えられる検討項目を1つずつ挙げ,その概要を述べよ。また,各項目を検討する際に必要となる地盤物性値と,それを得るために必要な調査・試験方法を挙げよ。
      (2) (1)の検討の結果,沖積砂質土層に対する対策が必要となった。このとき,その対策案として,対策原理の異なるものを3案挙げ,隣接する既設マンションへの影響等を考慮し,比較評価せよ。なお,対策は道路用地内で計画するものとする。


      (H27)
      U-2-1 模式図に示す平坦な敷地に平面規模150m×100m,地上14階,地下なしの構造物の建設が計画されている。事前調査の結果として,2点(調査1,調査2)のボーリング調査結果が入手できている。この構造物の基礎形式は,N値50程度の砂礫層を支持層とする杭基礎と考えている。なお,構造物の建設完了後に,模式図に示す位置に高さ2mの盛土の施工が予定されている。この杭基礎の計画について,以下の問いに答えよ。なお,解答の目安は(1)及び(2)で1枚程度,(3)を1枚程度とする。
      (1)本条件下での杭基礎の計画において留意すべき課題を2つ挙げて説明せよ。
      (2) (1)で挙げた課題を考慮、して杭基礎を計画するために,模式図に示した以外に必要な地盤情報を複数挙げ,それらを得るための調査の内容を説明せよ。
      (3) (1)で挙げた課題への対応策を説明するとともに,対応策の留意点を述べよ。


      U-2-2 模式図に示す泥岩地盤に切土,盛土による道路が計画されており,事前調査結果として,模式図に示す土層構成などの情報が入手できている。盛土材料としては,切土材(風化泥岩,泥岩)を転用する計画であり,切土,盛土の勾配はそれぞれ標準勾配である。また,電力鉄塔は変位量に対しての管理が求められている。この切土,盛土の設計・施工について,以下の問いに答えよ。なお,解答は各問いにつき1枚程度を目安とする。
      (1) この道路の切土を設計・施工するに当たり,重要と考えられる検討項目を2つ挙げ,その概要を説明せよ。また,各項目の検討方法,必要となる主な地盤物性値と,それを得るために必要となる調査・試験方法について述べよ。
      (2) 同様な盛土材を用いて既に施工が終了した隣接工区では,盛土が沈下し,切盛境界上の舗装面で段差が生じている。この変状の原因と考えられる項目を2つ挙げて説明せよ。また,この経験を活かし,今回の盛土で変状を防止するため,それぞれの原因に対する対策工を1つずつ挙げその概要及び設計・施工上の留意点について説明せよ。

      1. 出題傾向
        問題U-1は、26年度までの出題傾向として
        ・液状化簡易判定式(FL法)のRとL、テルツァーギ式の3つの支持力係数、N値から推定される地盤定数3つや3種類の土圧、各種サウンディング試験の中から2つなど、数を指定して知識を確認する問題が出ている
        ・計算式中の変数など従来はなかったような細かい知識確認が増えた
        ・山留め掘削時地盤変状3つや中間層での杭基礎支持における確認地黄3つ、地すべり素因誘因と抑制工抑止工といった、比較的基礎レベルの知識問題も出されている
        ・全体として軟弱地盤系の問題が目立つ
        といったことが特徴としてあげられたため、27年度試験に向けての対策として
        ・軟弱地盤系の問題が主になると思われる反面、あまり高度な知識・応用力が必要な問題は出ない
        ・支持力・円弧すべり・圧密沈下・弾性変形(即時沈下)・液状化については計算式の基礎理論も含めてしっかり知識を身につけましょう
        といった試験対策を述べたのですが、27年度試験で出題されたのは三軸圧縮試験、重力式擁壁の常時の安定性、構造物基礎の液状化対策、ボイリングというように、おおむね想定の範囲内の出題でした。内容もあまり高度な知識・応用能力を必要とする問題ではなく、教科書に出てくるような内容を知っていればだいたい答えられるレベルです。
        いっぽう問題U-2は仮想事例問題で、25年度は軟弱地盤と切土のり面変状、26年度は2問とも軟弱地盤の問題(掘削と盛土)、27年度は軟弱地盤1問と切土&盛土1問でした。土質及び基礎科目は、24年度以前は調査・試験と設計、工事の3段階での問題が従来出ていたのですが、25年度は設計のみとなりました。しかし26年以降度はまた調査・試験や工事段階での設問も出るようになっています。
        全体としては土質工学にウェイトが偏り気味で、施工に関する部分であっても構造物・躯体ではなくあくまで地盤・地山を対象とした知識や実務応用がテーマになっている印象です。

      2. 対策
        問題U-1については、従来の主要な出題テーマとして、
        ・調査試験(標準貫入試験やサウンディング、三軸試験などが出題)
        ・計算式(液状化や支持力などが出題)
        ・軟弱地盤変状(液状化や山留め時の底盤変状などが出題)
        の3つをあげることができます。また液状化や山留め時の底盤変状は複数回出題されています。これらを参考にすると、調査試験では物理探査や原位置試験、圧密試験などが、また計算式ではすべりの安定計算、軟弱地盤検討では圧密沈下やすべり破壊などが要注意と思われます。
        なお問題U-1は、あまり高度な知識・応用力が必要な問題は出ないと思われるので、土質工学に関する一般的な「教科書」、地盤工学ハンドブックや地盤調査の方法と解説など、地盤工学会刊行物で勉強しておけば大丈夫だと思います。試験だからといって何か特別な対策本を購入する必要などありません。日頃使っているテキストをしっかり読んで理解すれば十分です。
        問題U-2については、従来と同様に仮想事例が2題出題されると思われます。出題ジャンルは軟弱地盤系と岩盤(切土)系で、26年度は2問とも軟弱時間系だったので27年度は「切土(切土のり面変状など)も出やすい」と予想しましたが、単なる切土だけでなく、盛土も伴う、いわゆる「半切り半盛り」の出題でした。
        仮想事例における課題は、
        ・トラブル防止
        地盤が軟弱で沈下・すべり・支持力不足などが予想されるとか、地震時の液状化やのり面崩壊が懸念されるといったトラブルを設計段階で予見して、これを防止する
        ・トラブル対応
        施工段階で建物や山留め壁が変形したとかのり面変状が生じたといったトラブルが現に発生した場合の対応
        という2通りの出題が考えられますので、過去問題(平成24年度以前のものでも可)を活用して、課題解決考察のトレーニングを積んでおきましょう。
        なお、支持力・円弧すべり・圧密沈下・弾性変形(即時沈下)・液状化については計算式の基礎理論も含めてしっかり知識を身につけましょう。これは問題U-1にも問題U-2にも必要な知識です。


    2. 鋼構造コンクリート

      (鋼構造)
      平成25〜27年度専門問題(問題U)
      (H25)
      U-1-1 鋼の主成分は鉄(Fe)元素であるが、JIS G 3101(一般構造用圧縮圧延鋼材)など汎用的な鋼材には、Feの他にも主要5元素と呼ばれる元素が含まれている。これら5元素を列記せよ。また、5元素うちから3元素を選び、それぞれについて、鋼の機械的性質や性能に及ぼす影響を説明せよ。
      U-1-2 鋼構造の設計において新たな性能や機能が要求されるようになってきている。このような要求性能を実現するための設計法の1つとして限界状態設計法について概説せよ。また、汎用されている許容応力度設計法と対比し、その利点について述べよ。
      U-1-3 鋼構造のボルトを用いた継手について、応力の伝達機構から分類される接合方式を3つ挙げ、それぞれについて概説せよ。
      U-1-4 鋼構造物の防せい防食法を2つ挙げ、それぞれについて防せい防食の原理を概説せよ。また、それぞれを適用するに当たっての留意点を述べよ。

      (H26)
      U-1-1 鋼構造物に使用する鋼材のうち,機械的性質や化学成分などから高性能鋼と称される鋼材を3種類挙げ,それぞれについて鋼構造物における主な使用部位とその部位に使用する理由を述べよ。
      U-1-2 構造物の耐震性を向上させるための基本的な考え方を3つ挙げ,それぞれについて鋼構造物における適用事例を記述せよ。
      U-1-3 鋼構造物の特徴(長所・短所)について,コンクリート構造物と比較して概説せよ。また,概説した特徴の中から課題(短所)と思われるものを2つ挙げ,それぞれについて設計又は施工上の対応策について述べよ。なお,特徴,課題として腐食に関することは除く。
      U-1-4 長期間使用した鋼構造物に生じる損傷形態を2つ挙げ,それぞれについて点検・調査の着目部位とその部位に適した点検・調査手法について概説せよ。なお,コンクリート構造部分や衝突,落下,火災などの事故に起因する損傷は対象としない。

      (H27)
      U-1-1 鋼構造物の中小地震(レベル1地震動)と大地震(レベル2地震動)の耐震設計法について各々を概説せよ。
      U-1-2 鋼構造物の工場製作や現場施工において,精度確保するための着目点を3つ挙げて説明し,それぞれの着目理由と対応策について述べよ。ただし,人為的過誤や図面誤記等の単純ミスは除く。
      U-1-3 鋼構造物の高サイクル疲労と低サイクル疲労の特徴を説明し各々の代表的な損傷を1例とそれを防止する対応策を記述せよ。
      U-1-4 大きな地震発生後の鋼構造物の点検における着目部位を3つ挙げ,それぞれの代表的な損傷とそれに対する点検・調査方法について述べよ。ただし,コンクリート部材は除く。
      (H25)
      U-2-1 昭和53年の宮城県沖地震や平成7年の兵庫県南部地震、平成23年の東北地方太平洋沖地震により多くの鋼構造物が被災し、その後、基準類が改訂されるとともに耐震補強が実施されている。旧基準で建設された鋼構造物に対して、あなたが鋼構造物の耐震設計の担当者として業務を進めるに当たり以下の問いに答えよ。
      (1) 耐震補強設計を行う鋼構造物の種類を示したうえで、最新の耐震基準との相違点を概説せよ。
      (2) 耐震補強設計に着手するに当たって、考慮すべき事項及び設計を進める手順を概説せよ。
      (3) 耐震補強設計を進めるに当たって、重要と思われる留意すべき事項とその内容を述べよ。

      U-2-2 鋼構造物の現場溶接継手では構造物の出来形や溶接品質の確保が重要とされるが、あなたが現場溶接継手の設計や施工計画を行う担当者として業務を進めるに当たり、以下の問いに答えよ。
      (1) 想定する鋼構造物の現場溶接の概要と現場溶接を適用する理由を記述せよ。
      (2) 構造物の出来形や溶接品質を確保するために必要な施工計画の概要を記述せよ。
      (3) 想定した現場溶接継手部の品質管理上、重要と思われる事項とその内容について述べよ。

      (H26)
      U-2-1 鋼構造物の長寿命化を図るに当たって,防せい防食を適切に行うことが重要である。あなたが鋼構造物の防せい防食計画策定の責任者として計画の策定を行うに当たり,以下の問いに答えよ。
      (1) 想定する鋼構造物を示した上で,その構造物の防せい防食計画を策定するために検討すべき事項について概説せよ。
      (2) 想定した鋼構造物の防せい防食計画策定の手順について概説せよ。
      (3) 防せい防食計画により決定された方法を具体的に示した上で,その防せい防食法の実施に当たって留意すべき事項について述べよ。

      U-2-2 鋼構造物の製作時あるいは据付時の精度は,その品質や耐久性に重要な影響を及ぼす。あなたが鋼構造物の設計や施工計画の担当者として業務を進めるに当たり,以下の問いに答えよ。
      (1) 想定する鋼構造物を示し,求められる性能とその性能を確保するための精度管理項目を組み合わせて3点述べよ。
      (2) (1)で挙げた項目から1点挙げ,精度を確保するために必要な,設計又は施工計画上の技術的提案を述べよ。
      (3) (2)の技術的提案を実施する上で、の留意事項について述べよ。

      (H27)
      U-2-1 既設の鋼構造物に損傷が発生した場合,補修補強を適切に行うことが重要である。あなたが鋼構造物の補修補強の責任者として業務を進めるに当たり,以下の問いに答えよ。ただし,鋼部材以外(RC床板等のコンクリート部材を含む)に対する補修補強,地震後の損傷に対する補修補強,塗装塗替えは除くものとする。
      (1) 想定する鋼構造物を示し, 3種類の損傷を挙げた上で,各損傷に対して考えられる補修補強方法とそれによって得られる効果について述べよ。
      (2) (1)で述べた損傷のいずれか1種類を挙げ,その損傷に対する補修補強の業務を進める手順について述べよ。
      (3) (2)で挙げた補修補強の業務を進める際に,重要と思われる事項について述べよ。

      U-2-2 鋼構造物の現場継手は,適切な構造を採用するとともに,品質の確保が重要である。あなたが鋼構造物の設計や施工計画を行う担当者として業務を進めるに当たり,以下の問いに答えよ。
      (1) あなたが担当する鋼構造物の現場継手箇所を1箇所示し,そこに用いる現場継手方法について,その採用理由を他の現場継手方法と比較して記述せよ。
      (2) (1)で採用された現場継手の品質を確保するために必要な施工計画について概説せよ。
      (3) (1)で採用された現場継手の品質管理上,重要と思われる事項について概説せよ。
      1. 出題傾向
        問題U-1は
        ・材料(主要5元素、高性能鋼3種類)
        ・設計法(限界状態設計法、耐震性向上策3つ、レベル1・2地震動の耐震設計法)
        ・維持管理(防錆防食の原理と適用、経年損傷と点検調査手法、高サイクル疲労と低サイクル疲労、大地震後の点検)
        が主要な出題テーマで、その他として継手(ボルト継手)、コンクリートと比較したときの鋼構造物の長所短所、工場製作・現場施工時の精度確保といった問題が出されています。全体としては、材料・設計・施工・維持管理の分野から均等に出題される傾向は引き継がれていると判断されます。
        また知識記述を求めるだけでなく、実務経験の中から答えるような応用能力設問を含む問題も散見されます。
        問題U-2は、U-2-1が旧基準で建設された鋼構造物の耐震補強設計(H25)と長寿命化のための防錆防食(H26)および補修補強(H27)といった維持管理に関する問題、U-2-2が現場溶接継手の設計・施工計画(H25)と精度管理・精度確保(H26)および現場継手(H27)というように設計施工に関する問題になっており、U-2-1で補強、U-2-2では継手が隔年で出題されている点が目を引きます。
        また問題は3つの小設問から成り、(1)は知識、(2)は手順や計画、(3)は留意点や重要ポイントという、前述した問題Uで求められる資質3つを網羅したものになっています。
        テーマが限定的ですので、通常の鋼橋設計等しかした経験がない人はかなり困ったかもしれませんが、設問内容は実務経験がなくても教科書的なことを書けば大丈夫ではないかと思われるものです。

      2. 対策
        問題U-1については、材料、設計法、施工、維持管理といった異なる4分野から1問ずつの出題が順当なところでしょう。よって、4分野それぞれについてひととおり基礎知識を押さえておく必要があると思います。25〜27年度に出題されたテーマは連続しないでしょうから、それ以外のテーマをいくつか選んでそれを中心に、それ以外のテーマについても最低限の知識を身につけておくようにしましょう。照査や非線形解析を含む構造力学的な事項、さらに維持管理関係、架設・耐火・耐震に関する事項が要注意だと思います。
        問題U-2については、U-2-1が維持管理問題、U-2-2が設計施工問題と予想されます。比較的限定的なテーマが2問出題されると思われるので、ある程度は的を絞らないと効率的な受験準備はできません。U-2-1は補強以外のもの(たとえば耐候性鋼材や点検など)、U-2-2は継手以外のもの(たとえば架設など)といった25〜27年度に出題されていないテーマを中心に、過去問題から出題テーマをいくつか選んで準備しておくことが望ましいと思います。


      (コンクリート)
      平成25〜27年度専門問題(問題U)
      (H25)
      U-1-5 塩害環境下にあるコンクリート構造物に対して実施される以下の調査項目から1つ選択し、その調査目的を説明せよ。また、選択した項目の調査・試験方法を1つ挙げ、その概要と技術的留意点を述べよ。
       (1) 腐食ひび割れ
      (2) 塩化物イオン含有量
      (3) 浮き・剥離
      (4) 鋼材の腐食
      U-1-6 鉄筋コンクリート柱が正負交番繰返し水平力を受けた場合の代表的な破壊形態を2つ挙げ、それぞれの特徴を説明せよ。また、その特徴を踏まえて、耐震設計上の留意点を述べよ。
      U-1-7 アルカリシリカ反応に伴うコンクリート構造物の劣化のメカニズムを説明せよ。また、アルカリシリカ反応の抑制対策を1つ挙げ、その概要と技術的課題を述べよ。
      U-1-8 設計基準強度50〜100N/mm2クラスの高強度コンクリートについて、そのフレッシュ時及び硬化後の性質を説明せよ。また、その性質を踏まえて、製造又は施工を行う上での留意点を述べよ。

      (H26)
      U-1-5 塩害を受けたコンクリート構造物を断面修復工法で補修した後,既設コンクリートと断面修復材の境界面で発生する再劣化現象のメカニズムを説明せよ。また,その発生メカニズムを踏まえて,再劣化を発生させないための技術的な留意点を述べよ。
      U-1-6 寒中コンクリートとして,コンクリート構造物を場所打ちで構築する際に,品質を確保する上で打込み及び養生の観点から留意すべき事項を1つずつ挙げ,その留意すべき理由を説明せよ。また,それに対して取るべき対策についてそれぞれ述べよ。
      U-1-7 コンクリート構造物の乾燥収縮ひび割れの発生メカニズムを説明せよ。また,その対策としてコンクリートを低収縮化するための材料又は配(調)合上の手法を2つ挙げ,その概要と留意点を述べよ。
      U-1-8 断面内において鋼とコンクリートが合成された複合構造の例を1つ挙げ,その力学的特徴を説明せよ。また,その複合構造における断面破壊に対する照査方法及びその照査の前提となる構造細目について述べよ。ただし,鉄筋コンクリート構造,プレストレストコンクリート構造は除くものとする。

      (H27)
      U-1-5 壁状のコンクリート構造物を構築する際に,コンクリートの充填不良が生じる原因を2つ挙げ,それぞれについて,設計又は施工上取るべき具体的な防止対策を述べよ。
      U-1-6 コンクリート構造物では施工段階で発生する不具合により構造物の安全性や耐久性が損なわれる場合がある。施工段階で発生するプレストレストコンクリート構造物に特有の不具合を2つ挙げ,それぞれについて,原因と設計又は施工上の防止対策を述べよ。
      U-1-7 コンクリート構造物に発生するひび割れの1つにセメントの水和熱に起因する温度ひび割れがある。外部拘束が卓越する場合の温度ひび割れ発生のメカニズムを説明し,そのひび割れを抑制する具体的な方法を2つ挙げ,それぞれについて留意点を述べよ。
      U-1-8 コンクリート構造物の電気化学的補修工法の例を2つ挙げ,その概要を説明せよ。また,それぞれの工法について,劣化したコンクリート構造物に適用する際の設計又は施工上の留意点を述べよ。
      (H25)
      U-2-3 社会資本であるコンクリート構造物の長寿命化を図るためには、施工時の初期欠陥を防止することが極めて重要である。夏季は施工時の初期欠陥が起こりやすく、特に注意が必要である。こうした状況において、夏季に高密度配筋となる柱とはりの接合部の施工を行うこととなった。この業務を担当して、コンクリートの製造・運搬、打込み・締固めを行うに当たり、施工時の初期欠陥を防止することを念頭にして、下記の内容について記述せよ。
      (1) 計画段階で検討すべき事項
      (2) 業務を進める手順
      (3) 以下のうち、いずれかの業務を進める際に留意すべき事項
       「コンクリートの製造・運搬」あるいは、「打込み、締固め」

      U-2-4 既設構造物の中には、材料劣化は生じていないが、既存不適格であるものが存在する。このような構造物の適切な補強設計を行うためには、詳細な情報が必要となるが、建設後数十年を超える構造物では、設計図書(図面・計算書等)が残っていない場合がある。こうした状況において、設計図書のないコンクリート構造物の耐荷又は耐震のいずれかの補強設計を行うこととなった。この業務を担当者として進めるにあたり、既存不適格である構造物を1つ想定し、下記の内容について記述せよ。
      (1) 業務を行うに当たって調査すべき事項
      (2) 構造物の現状の性能評価と補強設計の手順
      (3) 合理的な補強設計とするために留意すべき事項

      (H26)
      U-2-3 コンクリート構造物の劣化損傷は,耐荷力低下等の安全性を損なう場合がある。このような事例として,コンクリート構造の梁部材において,ひび割れから錆汁が確認され,引張鋼材の腐食が懸念される状況を想定し,下記の内容について記述せよ。
      (1) 想定するコンクリート構造物を示し,耐荷力の確認を行うために調査すべき内容
      (2) 想定したコンクリート構造物において,耐荷力の低下レベルを複数想定し,長期的な安全性・供用性に配慮しつつ,損傷発見後から対策実施までに行うべき業務手順とその内容。ただし,更新は含まない。
      (3) 業務を進める際に留意すべき事項

      U-2-4 設計が完了しているコンクリート構造物において,施工に着手する段階で,施工工期を短縮する必要から,主要な構造部材のプレキャスト化に取り組むことになった。しかしながら,プレキャスト化においては,在来工法時に比べて検討すべき項目が多く存在する。この業務を遂行するに当たり,コンクリート構造物を1つ想定して,下記の内容について記述せよ。
      (1) 工期短縮のために想定した構造物のプレキャスト化の範囲と,プレキャスト化計画時に検討すべき事項
      (2) 「設計者」若しくは「施工者」の立場から業務を進める手順とその内容
      (3) (2)で解答した立場において,業務を進める際に留意すべき事項

      (H27)
      U-2-3 既設のコンクリート構造物を活用し,新たに部材や構造物を増設又は増築して一体化する改修工事の設計に取り組むことになった。このような事例として,耐震設計が必要な既設コンクリート構造物の工事計画を1つ想定して,この業務を遂行するに当たり,下記の内容について記述せよ。
      (1) 想定した工事計画と耐震設計を行うために調査すべき項目
      (2) 耐震設計に関する業務手順とその内容
      (3) 合理的な耐震設計とするために留意すべき事項

      U-2-4 経年劣化によるかぶりコンクリートの剥離・剥落で鉄筋が露出したコンクリ一ト構造物において,補修対策を行うものとして,以下の問いに答えよ。
      (1) 剥離・剥落の原因として考えられるものを 2つ挙げ,それぞれについて原因の特定と補修対策を行うために調査すべき内容を記述せよ。
      (2) 調査から対策実施までの業務手順とその内容を記述せよ。
      (3) 業務を進める際に留意すべき事項を記述せよ。
      1. 出題傾向
        問題U-1は
        ・設計施工時の品質確保(寒中コンクリートや乾燥収縮ひび割れ、充填不良、PC構造物特有の不具合、温度ひび割れ)
        ・劣化対策(塩害の劣化調査や再劣化、アルカリシリカ反応、電気化学的補修工法)
        が主要テーマで、様々な問題が毎年複数出されています。その他、材料(高強度コンクリート)、複合構造、耐震(繰返し水平力による破壊)といった出題もあって、総じて基礎的な知識確認とともに比較的タイムリーな技術的テーマについての知識を確認する問題が出されています。また、いずれの問題も概要説明(知識)にとどまらず、留意点や技術的課題といった応用能力確認設問を含んでいます。
        問題U-2は初期欠陥防止と設計図書のない既存不適格コンクリート構造物の補強設計(H25)、劣化損傷調査対策とプレキャスト化(H26)、既設構造物を活用した改修工事とかぶりコンクリート剥離・剥落劣化対策(H27)がテーマになっており、改修や劣化対策補修を中心とした、これもタイムリーなテーマが多くなっています。
        なお、問題U-1・U-2とも25年度は工事段階ではなく設計段階の問題ばかりでしたが、26年度以降は工事段階の問題も出るようになっています。
        鋼構造同様、3つの小設問から成りますが、知識確認設問はなく、検討・調査すべき事項、業務実施手順、留意すべき事項といった、実務遂行能力を確認する設問ばかりになっています。

      2. 対策
        問題U-1については、材料(フライアッシュ等の添加材や繊維、骨材等)、劣化(中性化など)、設計手法(性能照査)、施工(ひび割れ等)、補修(耐震補強等)などについて知識を整理しておかれることをお勧めします。
        問題U-2については、問題U-1と同様のテーマについて、実務設計施工手順を整理しておかれることをお勧めします。
        いすれの問題も過去問題(平成25〜27年度)と同じテーマでは出題しづらいでしょうから、平成24年度以前の問題(22年度〜24年度あたり)のほうが出題テーマとしては狙い目ではないかと思います)をしっかりやっておきましょう。

    3. 都市計画
      平成25〜27年度専門問題(問題U)
      (H25)
      U-1-1 良好な景観の形成に資する制度のうち、@法律に基づく「計画」、A法律に基づく「規制・誘導措置」、B事業・活動に対する支援措置に該当するものを1つずつ(計3つ)挙げ、それぞれの特徴を説明せよ。
      U-1-2 密集市街地の整備改善に当たり、居住者特性を踏まえ、地区内における生活再建に関し公的賃貸住宅が果たす役割を述べよ。
      U-1-3 大都市都心部の鉄道駅に隣接又は近接する拠点的な複合開発に関する交通計画を立案する際に考慮すべき事項とそれに対する具体的な対応方策を、以下の視点ごとに説明せよ。
       視点@ 周辺道路交通への影響の回避
       視点A 歩行者環境の安全性・快適性の確保
      U-1-4 都市における緑の保全・再生・創出の推進に当たり、生物多様性を確保する上で留意すべき事項を異なる視点から3つ挙げて説明せよ。

      (H26)
      U-1-1 様々なエリアマネジメントの活動が行われているが,多くの活動に共通する効果を3つ述べよ。
      U-1-2 建築物を規制・誘導する次の仕組みについて,それぞれの概要を述べよ。
      1)建築協 2)都市再生特別地 3)総合設計制度
      U-1-3 商業・業務集積がある駅周辺地域における自転車利用の目的を3つ挙げ,それぞれに応じた自転車等駐車場の整備やその利用促進への対応の考え方を述べよ。
      U-1-4 良好な都市環境の形成を図るための仕組みとして,都市緑地法に定められた制度を3つ挙げ,それぞれの概要を述べよ。

      (H27)
      U-1-1 都市計画法に基づく次の制度について,それぞれの概要を述べよ。
      (1) 都市計画の決定等の提案(都市計画の提案制度)
      (2) 地区計画
      U-1-2 良好な景観の形成に資する制度のうち,法律に基づき建築物の規制・誘導を行うものを3つ挙げ,それぞれの特徴を説明せよ。
      U-1-3 近年,各都市で導入が進められている次の都市交通に関する手法について,導入の目的及び特徴を述べよ。
      (1) デマンド交通
      (2) BRT
      (3) TDM
      U-1-4 都市の低炭素化を促進するに当たり,都市の公園緑地や緑化に期待される役割を異なる視点から3つ挙げ,それぞれについて,どのように低炭素化に資するのか説明せよ。
      (H25)
      U-2-1 大都市圏近郊の都市において、社会経済状況の変化を踏まえて、都市全体の視点から、都市計画法による都市計画の変更の必要性を検証することとなった。あなたが、担当責任者として業務を進めるに当たり、土地利用又は都市施設に関する具体的都市計画を想定して、下記の内容について記述せよ。
      (1) 検証の対象とする都市計画と検証を行う背景
      (2) 検証の手順とその具体的内容
      (3) 業務を進める際に留意すべき事項

      U-2-2 あなたが、地方都市の中心市街地活性化計画と事業の担当責任者として業務を進めるに当たり、下記の内容について記述せよ。
      (1) 中心市街地活性化のために検討すべき課題とその背景
      (2) 課題を解決するための体制と検討手順
      (3) 業務を進める際に留意すべき事項

      (H26)
      U-2-1 近年,歴史上重要な建造物及び周辺の市街地と人々の営みを一体的に捉え,良好な市街地環境の向上を目指す「歴史まちづくり」の取組が全国で広がりをみせている。城郭を中心に武家地,寺社地,町人地等が計画的に配置されていた城下町を起源とする地方の都市において「歴史まちづくり」を進めるための計画を策定することになった。この業務を担当責任者として進めるに当たり,以下の内容について記述せよ。
      (1) 計画策定に当たって検討すべき事項とその背景
      (2)計画策定の手順とその内容
      (3) 計画策定を進める際に工夫あるいは留意すべき事項

      U-2-2 人口が10万人程度の地方都市において,図の検討区域を対象に,地域の活性化を図る市街地の整備方針を担当責任者として策定するに当たり,以下の内容について記述せよ。なお,都市計画決定されているものの未整備の駅前広場及び、道路については,長期にわたって事業化がされていないものとする。
      (1) 整備方針の策定に当たって検討すべき事項
      (2) 整備方針を策定する手順及びその具体的内容
      (3) 整備方針の策定に当たって工夫や留意すべき事項

      (注)ここに記載されていない事項で,解答に当たって条件として設定することが必要と考えられるものについては,適宜想定して解答するものとする。

      (H27)
      U-2-1 大都市における国際競争力の強化等に向け,戦災復興土地区画整理事業等により整備された都心部の再整備に当たり,細分化された複数の街区を集約する大街区化を実施することになった。あなたが,担当責任者として大街区化を進めるに当たり,以下の内容について記述せよ。
      (1) 大街区化が必要な背景と大街区化による効果
      (2) 大街区化に伴って必要となる検討手順とその内容
      (3) 公共施設の再編に当たり留意すべき事項

      U-2-2 大都市圏近郊に位置し都市基盤整備が不十分な市街地を有する都市において,防災を明確に意識した都市づくりを推進するための計画を策定することになった。あなたが,担当責任者として計画策定を行うに当たり,以下の内容について記述せよ。
      (1) 近年の自然災害の発生状況等を踏まえ,防災の観点から都市づくりに求められている事項
      (2) 計画策定の手順とその内容
      (3) 実効性の高い計画とするための工夫又は留意すべき事項
      1. 出題傾向
        問題U-1は@都市計画(密集市街地改善・エリアマネジメント・都市計画提案と地区計画)、A景観・建築物規制誘導(景観形成・建築物規制誘導・景観形成に伴う建築物規制誘導)、B都市交通(交通拠点的複合開発・自転車利用・デマンド交通・BRT・TDM)、C公園緑地(都市緑地の生物多様性確保・都市緑地法の制度・低炭素化への緑地緑化の役割)というように、4つの分野から1問ずつ出題されていて、24年度以前の出題が都市計画・都市交通・地方計画・公園緑地の4分野からなされていたことを概略引き継いでいるようです。
        また設問内容は、純技術的な知識ではなく、取組み・手法・留意点など、どちらかといえば「あるべき方策」に近い施策知識を問う設問になっています。
        問題U-2は25年度が都市計画の変更必要性検証・地方都市の中心市街地活性化計画、26年度が歴史まちづくり計画・地方都市の中心市街地活性化計画(図を示しての仮想事例)、27年度が大街区化・大都市圏近郊都市の防災都市づくりといった、いずれもタイムリーなテーマで出題されています。
        ほとんどは「こんな都市でこういった事業を実施することになった。あなたが担当責任者として計画策定するにあたり、(1)背景・検討事項・効果、(2)検討・策定手順と内容、(3)留意すべき事項を述べよ」といった内容ですが、26年度の問題U-2-2は、図を提示しての地方都市の中心市街地活性化計画の仮想事例で、検討事項、手順や具体的内容、留意事項を問う、都市計画科目ではこれまで出てこなかった具体的な設問でした。

      2. 対策
        問題U-1については、都市計画・景観形成・都市交通・公園緑地の4分野から1問ずつ出題されると思われますので、方策・あり方・留意点など、純技術ではなく施策等の知識を充実されることが得策といえます。土地区画整理や街区、ストックマンション、エリアエネルギーなども含むエコタウン、市民協働、観光まちづくり、都市緑化などはしっかり押さえておきましょう。
        問題U-2については、都市計画と地方計画から各1問出題されると思われますので、都市計画・地方計画いずれにも偏らず、タイムリーなテーマについて知識を蓄えておくことが得策と思います。都市再生関連や防災、多極ネットワーク型コンパクトシティ、観光などが狙い目ではないかと思います。
        また、出題形式は前述したような「こんな都市でこういった事業を実施することになった」という程度のざっくりした条件設定と思われますが、26年度U-2-2のように具体的な仮想事例として出題される可能性もあります。いずれにしても、提示された条件をきちんと踏まえる(図の提示などがあった場合は、図から現況をしっかり読み取る)ことが肝要です。

    4. 河川砂防
      平成25〜27年度専門問題(問題U)
      (H25)
      U-1-1 一級河川の河川整備計画の策定に関して、河川法の目的に照らして、計画内容として配慮すべき事項について述べよ。なお、当該河川においては、河川整備基本方針で洪水調節施設は位置づけられていないものとする。
      U-1-2 近年、着目されている新技術である「台形CSGダム」について、重力式コンクリートダムと比較して、その技術的な特徴を述べよ。
      U-1-3 土砂災害対策を検討する上で考慮すべき災害の特徴を、近年の土砂災害の実態を踏まえて2つ述べるとともに、それぞれの特徴に対応するためのハード・ソフト両面の対策について留意点を述べよ。
      U-1-4 大規模な津波が来襲し、天端を越流した場合でも海岸堤防の効果が粘り強く発揮できるよう、海岸堤防の構造上の工夫について述べよ。

      (H26)
      U-1-1 近年の水害の特徴について述べるとともに,都市部の河川における水害対策についてハード・ソフト両面から述べよ。
      U-1-2 洪水調節機能の強化を目的とした既存ダム施設を有効活用する具体的な方策を2つ挙げ,その技術的な特徴を述べよ。
      U-1-3 河道閉塞(天然ダムの形成),火山噴火による降灰,地すべりの活動のいずれか1つを選び,これに起因する更なる被害を防止・軽減するためのソフト,ハードそれぞれの対策について述べよ。
      U-1-4 砂浜海岸における侵食機構を述べた上で,その侵食対策として海岸保全施設計画を検討する際の留意点を述べよ。

      (H27)
      U-1-1 河川堤防は土堤を原則としている。河川管理施設等構造令等を踏まえ,土堤である一般的な河川堤防の構造並びに強化対策について述べよ。なお計画の規模を上回る洪水は考慮しないものとする。
      U-1-2 供用中のダム施設を対象とする各種点検・検査を挙げた上で,それらのうち特に供用開始から長期間経過しているダムに求められるものについて,実施目的,実施内容及び結果の活用の考え方を含めて説明せよ。
      U-1-3 毎年頻繁に発生する土砂災害の特徴を述べるとともに,警戒避難に用いられている土砂災害発生を予測する手法の内容・特徴について説明せよ。
      U-1-4 設計高潮位の設定方法と設定する際に留意する点を述べよ。また,設計高潮位と海岸保全施設の設計に用いる潮位とでとり方が異なる例を述べよ。
      (H25)
      U-2-1 河川、砂防、海岸における災害に対応するため「ハザードマップ」の作成と公表が進められている。あなたが担当者としてハザードマップの作成・普及を進めていくに当たり、以下の問いに答えよ。
      (1) 洪水ハザードマップ、土砂災害ハザードマップ、火山ハザードマップ、津波ハザードマップ、高潮ハザードマップのうちいずれかを選び、記載すべき災害危険エリアの設定方法について述べよ。
      (2) 災害危険エリアの他にハザードマップに記載すべき内容について述べよ。
      (3) 効果的なハザードマップの作成やその普及・活用に当たって工夫すべき事項について述べよ。

      U-2-2 高度経済成長期に集中的に整備されてきた我が国の社会基盤は、今後急速に老朽化が進行すると想定される。このような状況において、防災施設(河川、砂防及び海岸・海洋の分野に限る)の維持管理を行うに当たり、以下の問いに答えよ。
      (1) 維持管理の視点から防災施設の特徴について述べよ。
      (2) 効率的な維持管理を行うに当たって留意すべき事項について述べよ。

      (H26)
      U-2-1 公共事業として実施する河川,砂防及び海岸・海洋分野における施設整備では,防災安全度の確保のみならず,美しく自然豊かな国土の形成のため自然環境への配慮が求められる。そういった状況を考慮し,以下の問いに答えよ。
      (1) 河川,砂防及び海岸・海洋分野の施設整備において,影響を受ける自然環境の要素とその影響の過程を説明せよ。
      (2) (1)で記載した自然環境の要素とその影響の過程に対して,施設の計画・設計・施工の各段階において,自然環境の保全・回復・創出の観点から留意すべき事項について述べよ。

      U-2-2 近年,南海トラフ地震等の巨大地震に備えて,「南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法j 等の法整備や,具体的な対策の策定等が進められている。南海トラフ地震等の巨大地震が発生した際には,強い揺れ,液状化・地盤沈下,巨大な津波等の発生による被害が想定される。そこで,河川,砂防及び海岸・海洋分野の観点から,以下の問いに答えよ。
      (1) 南海トラフ地震等の巨大地震の発生により想定される被害を2つ以上取り上げ,その被害を軽減するため,平常時から準備しておくべき対策と対策実施の際に留意すべき事項を述べよ。
      (2) (1)で取り上げた想定される被害について巨大地震発生時の応急対策と対策実施の際に留意すべき事項を述べよ。

      (H27)
      U-2-1 河川,砂防及び海岸・海洋の分野において,今後,激甚化,多発が懸念される自然災害に対して被害の最小化が求められることを踏まえ,以下の問いに答えよ。
      (1) 河川,砂防及び海岸・海洋分野における災害現象である洪水,土砂災害,津波,高潮から1つ取り上げ,その現象に対する警戒避難,応急・緊急対策などの防災活動を円滑に行うため,現在,自治体や管理者,気象官署から提供されている平時及び災害時の防災情報を1つずつ挙げ,それぞれの内容を記述せよ。なお,防災情報とは,災害被害を最小化することを目的に提供される情報とする。
      (2) (1)で取り上げた2つの防災情報について,情報作成・提供時の留意点と課題を説明し,課題の改善に向けた方策を記述せよ。

      U-2-2 河川,砂防及び海岸において災害復旧事業を実施するに当たって,事業者として環境への配慮、が求められている。そうした状況を考慮し,以下の問いに答えよ。
      (1) 河川,砂防及び海岸・海洋分野の技術者として,災害復旧事業の特徴を述べた上で,「河川」,「砂防」,「海岸」それぞれの分野について環境の観点から,計画上の配慮事項を記述せよ。
      (2) 「河川」,「砂防」,「海岸」のうちいずれかを選び,災害復旧事業の実施について設計,施工,施工後の管理において,環境へ配慮すべき事項について記述せよ。
      1. 出題傾向
        問題U-1は
        ・河川(河川整備計画、都市水害、河川堤防)
        ・ダム(台形CSGダム、既存ダム活用洪水調節機能強化、点検検査)
        ・土砂災害(ハードソフト対策、天然ダム・火山降灰・地すべりのいずれかのハードソフト対策、土砂災害発生予測手法)
        ・海岸(津波対策としての粘り強い構造、砂浜浸食対策、高潮位設定)
        の各分野から1問ずつ出題されています。テーマはタイムリーなものが多くなっているとともに、災害対策が主流になっています。
        また設問内容は、知識問題といっても「計画内容として配慮すべき事項」「重力式コンクリートダムと比較して、その技術的特長」「ハードソフト両面から」など、単純ではない知識が求められ、さらに留意点や工夫などの応用能力についても問われます。
        問題U-2は防災(被害最小化やハザードマップの作成・普及、防災施設の維持管理、巨大地震被害対策)が主で、26・27年度は自然環境配慮についても出題されました。どの問題も、河川・砂防・海岸すべてにまたがるように配慮して出題されています。設問はハザードマップの災害危険エリア設定やマップ記載内容、維持管理にあたっての防災施設の特徴、影響を受ける自然環境要素、巨大地震で想定される被害、気象官署から提供される防災情報など、検討すべき要素を抽出させるものがまずあって、そのあとにそれらへの対応や工夫点・留意点について問うものであり、実務遂行にあたっての専門知識と応用能力を確認するものとなっています。

      2. 対策
        問題U-1については、25〜27年度と同様、河川、ダム、砂防、海岸といったテーマからの出題が予想されます。したがって、「専門外でも1問選ばねばならない」人が増えると思われます。またタイムリーな問題が多いですから、河川については特に鬼怒川の災害のような線状降雨帯がもたらす稀有な豪雨による氾濫、ダムについては多面的役割や環境配慮、土砂災害については伊豆大島や広島での災害を念頭に、危険地域指定や土砂災害情報伝達も含めたソフト施策、さらには深層崩壊を含む地すべり、海岸については津波高潮対策や生態系配慮といった視点からの出題に備えて、表面的でない厚みのある知識を身に着けておくことをお勧めします。
        問題U-2については、防災(洪水、火山灰を含む土砂災害、津波)、維持管理、環境(多自然川づくりなど)がやはり中心的テーマでしょう。鬼怒川氾濫や広島土石流災害を受けた、激甚化する災害対策などは問題U-1よりU-2のほうが出題しやすいかもしれません。いずれにせよ、実務の進め方や留意点についてしっかりと知識を蓄えておきましょう。

    5. 港湾空港
      平成25〜27年度専門問題(問題U)
      (H25)
      U-1-1 港湾又は空港のいずれかを選び、港湾については岸壁前面泊地の静穏度、空港についてはウインドカバレッジを説明し、その検討手法を述べよ。
      U-1-2 港湾文は空港のいずれかを選び、これを建設する場合の環境影響評価において、環境影響評価項目を選定する際の基本的考え方を説明するとともに、選定を行うに当たっての留意点について述べよ。
      U-1-3 性能設計に関する次の(1)、(2)の問いのうち1つを選び、解答せよ。
      (1) 混成堤の設計について、主たる作用と主たる作用ごとの照査項目を説明し、設計上の留意点を3つ述べよ。
      (2) 空港舗装の構造設計について、要求性能と要求性能ごとの照査項目を説明し、設計上の留意点を3つ述べよ。
      U-1-4 地盤の液状化対策工法に関する次の(1)、(2)の問いのうち1つを選び、解答せよ。
      (1) 港湾における代表的な液状化対策工法を3種類簡潔に説明するとともに、供用中の岸壁の液状化対策工事を実施する場合に適切な工法を1つ挙げ、その理由と施工上の留意点を述べよ。
      (2) 空港における代表的な液状化対策工法を3種類簡潔に説明するとともに、供用中の滑走路の液状化対策工事を実施する場合に適切な工法を1つ挙げ、その理由と施工上の留意点を述べよ。

      (H26)
      U-1-1 個別の港湾における公共貨物取扱量又は個別の空港における国内線旅客数のいずれかを選び,その将来値の推計手法について述べよ。
      U-1-2 港湾の水域における水質又は空港の騒音のいずれかを選び,その評価方法について述べよ。
      U-1-3 水深5m程度の緩い砂地盤上に一般の埋立護岸を建設する場合に,適切と考えられる構造形式を1つ挙げ,それを選定した理由と,当該構造形式固有の設計上の留意点を3つ述べよ。
      U-1-4 港湾又は空港において軟弱粘性土地盤を改良する場合に,基本原理の異なる地盤改良工法を3種類簡潔に説明するとともに,それぞれについて施工上の留意点を述べよ。

      (H27)
      U-1-1 国際コンテナターミナル新設事業又は滑走路新設事業のいずれかについて,事業採択の際の費用便益分析の方法を説明せよ。
      U-1-2 桟橋構造の係留施設の上部工(鉄筋コンクリート)又は滑走路(アスファルト舗装)のいずれかについて,健全度評価の方法を説明せよ。
      U-1-3 固い砂地盤上のケーソン式混成堤又は地盤上の空港アスフアルト舗装のいずれかについて,構成を図示し,構成要素それぞれの機能を説明せよ。
      U-1-4 港湾・空港分野における情報化施工の事例を3つ挙げ,それぞれの概要を説明せよ。
      (H25)
      U-2-1 港湾又は空港の施設計画を検討する技術士として、次の(1)、(2)の問いのうち1つを選び、解答せよ。
      (1) 港湾において輸送コスト低減のための対象船舶の大型化に対応して、施設計画を変更する業務を行う場合、下記の@〜Bについて答えよ。
      @見直しの必要性が考えられる港湾の施設を挙げよ。
      Aそのうち3種類の施設について、施設計画の検討内容を説明せよ。
      B業務を進める際に、あなたが留意あるいは工夫すべきと考える事項を説明せよ。
      (2) 空港において発着回数の増大に対応するため、滑走路の増設を計画する業務を行う場合、下記の@〜Bについて答えよ。
      @増設が技術的に可能かを確認する観点を3つ挙げよ。
      A増設する滑走路計画の検討内容を説明せよ。
      B業務を進める際に、あなたが留意あるいは工夫すべきと考える事項を説明せよ。

      U-2-2 港湾の桟橋(上部工:鉄筋コンクリート、下部工:鋼管杭)又は空港の滑走路(アスフアルト舗装構造)のいずれかを選び、経年劣化が相当進んでいると考えられる当該施設の補修業務担当責任者として業務を行うに当たり、下記の内容について記述せよ。
      (1) 補修対策を検討するに当たって調査すべき内容
      (2) 業務を進める手順
      (3) 業務を進める際に留意すべき事項

      (H26)
      U-2-1 港湾又は沿岸部に所在する空港のいずれかを選び大規模な地震・津波を想定したBCP (事業継続計画)の策定業務の担当者として業務を行うに当たり,以下の問いに答えよ。
      (1) 必要な検討内容を体系的に説明せよ。
      (2) 検討時に留意すべき事項を説明せよ。

      U-2-2 図に示すような供用中の港湾の岸壁又は空港の誘導路のいずれかを選び,施設の改良工事を実施する際の安全管理方法を検討する業務を行うに当たり,以下の問いに答えよ。
      (1) 検討すべき事項を網羅的に挙げよ。
      (2) (1)のうち特に重要と考える事項を2つ挙げ,その内容と留意事項を述べよ。


      (H27)
      U-2-1 人口・資産が集積している沿岸地域に所在する港湾又は空港の施設等の整備計画について,地球温暖化に起因するとされる気象・海象条件の変化を取り入れて見直しを行うこととなった。港湾又は空港のいずれかを選び、あなたが担当責任者としてこの業務を進めるに当たり,以下の問いに答えよ。
      (1) 検討すべき外力と本業務の検討手順を述べよ。
      (2) 検討すべき施設等とそれぞれの検討内容を述べよ。
      (3) 上記業務を進める際に留意すべき事項を3つ述べよ。

      U-2-2 桟橋構造の岸壁増深又はアスフアルト構造の滑走路増厚について,設計業務を実施することとなった。岸壁増深又は滑走路増厚のいずれかを選び,あなたが担当責任者としてこの業務を進めるに当たり,以下の問いに答えよ。なお,岸壁法線の位置及び桟橋構造であることは変えないものとする。
      (1) 着手時に調査すべき内容を述べよ。
      (2) 業務を進める手順を述べよ。
      (3) 上記業務を進める際に留意すべき事項を2つ述べよ。
      1. 出題傾向
        問題U-1は
        ・計画(波や風といった自然条件の考慮、港湾貨物取扱量や空港旅客数の将来推計、事業採択時の費用便益分析方法)
        ・環境(環境影響評価、港湾水質や空港騒音評価方法)
        ・設計(混成堤や空港舗装の性能設計、緩い砂地盤上の埋立護岸構造、混成堤や空港舗装の構成要素の機能)
        ・地盤対策(地震液状化対策、軟弱粘性土改良)
        が頻出テーマで、27年度は施工(情報化施工)、維持管理(健全度評価)といったテーマからも出題されています。
        いずれも知識確認と設計や施工に際しての留意点記述問題で、ほとんどの問題は港湾か空港のどちらかを選ぶようになっています。また27年度は図示を求める問題も出されています。
        問題U-2は
        ・機能拡張(船舶大型化や滑走路増設といった拡大方向の計画、港湾岸壁・誘導路の改良、岸壁増深・滑走路増厚設計)
        ・災害対策(大規模地震・津波を想定したBCP、温暖化に伴う気象・海象変化を取り入れた計画見直し)
        ・維持管理(桟橋・滑走路といった発着施設の老朽化補修)
        という3テーマからの出題で、いずれもタイムリーな内容になっています。
        問題構成は2つあるいは3つの小設問から成り、まず検討内容や業務手順を述べ、次に留意点・工夫点を述べることを求めています。さらに対象施設や確認事項・調査内容などをあげさせたり、図を提示されての仮想事例としたりして、変化を持たせています。

      2. 対策
        問題U-1については、港湾あるいは空港のどちらかを選んでの問題になり、出題テーマは計画・環境・設計・地盤対策といったジャンルから、「静穏度」「ウィンドカバレッジ」「水質」「砂地盤」などのように検討対象を絞り込んでの出題が予想されます。いずれにせよ出題範囲は広いので、4問中2問とも自分の得意分野という可能性は低く、専門外についても知識の幅を広げておかねばならないと思いますから、港湾基準等の専門書をベースに、幅広い知識を備えるように着実に勉強していってください。
        問題U-2については、港湾や空港の抱える重要テーマが続くでしょう。出題頻度が高いのは機能拡張による経済的寄与で、国際戦略港湾の整備進捗や来日観光客増加などの社会情勢を踏まえれば、中核港湾空港だけでなく地方拠点港湾空港整備や各種交通インフラとの接続などのテーマも重要になってきています。また環境保全にも注意が必要です。

    6. 電力土木
      平成25〜27年度専門問題(問題U)
      (H25)
      U-1-1 発電計画に関する経済性評価手法のうち、再生可能エネルギーを利用した計画に適した手法を2つ挙げ、それぞれの概要と適用上の留意点を述べよ。
      U-1-2 貯水池若しくは調整池の堆砂が惹起する問題を3つ挙げよ。また、流入土砂の通過を促すか、堆積土砂を下流に排除することによる対策技術を1つ挙げ、その概要を述べよ。
      U-1-3 電力土木施設の保守・点検業務に関して、デジタル画像解析、GPS、レーザー計測等の要素技術を応用して開発・実用化が図られつつある技術を1つ挙げ、技術的特徴及び克服すべき課題を述べよ。
      U-1-4 電気設備防災対策検討会報告(平成7年11月)における「耐震性区分T」と「耐震性区分U」のそれぞれについて、確保すべき耐震性及び該当する電気設備について概説せよ。

      (H26)
      U-1-1 「限界状態設計法」を概説し,電力土木施設の設計に適用する場合の留意点を述べよ。
      U-1-2 電力土木施設に係る基礎地盤の調査手法を1つ挙げ,その概要及び調査結果に基づき設計用物性値等を設定する上での留意点を述べよ。
      U-1-3 電力土木施設の建設・施工及び保守・点検業務に関して,開発・実用化が図られつつある検査技術を1つ挙げ,開発目的,技術的特徴及び実用化に向けて克服すべき課題を述べよ。
      U-1-4 再生可能エネルギーを利用した発電システムについて,発電コストを低減するための主な方策を2つ挙げ,それぞれの概要と技術的課題を述べよ。

      (H27)
      U-1-1 ライフサイクルコストの概念を説明せよ。また,電力土木施設に関してライフサイクルコストを算定する際,所要の信頼性を確保するために留意すべき点を2つ挙げ,それぞれ概説せよ。
      U-1-2 電力土木施設の建設や運用において用いられるリモートセンシング技術を2つ挙げ,それぞれの技術的特徴を概説せよ。
      U-1-3 電力土木施設の建設や改修工事において用いられる地盤改良技術を2つ挙げ,それぞれの概要と施工上の留意点を述べよ。
      U-1-4 水力エネルギーについて,従来にも増して有効利用を図るための技術的方策を2つ挙げ,それぞれの概要と課題を述べよ。
      (H25)
      U-2-1 電力土木施設を安全かつ経済的に建設するためには、個別地点の地質・地質構造を的確に踏まえた計画を立案する必要がある。あなたが建設計画の担当責任者としてプロジェクトに参加することになったとして、ダム、水路構造物(水路、沈砂池、水槽、水圧管路、水門扉等)、送変電施設、取放水施設、冷却水施設、洞道及びその他の電力土木施設の中から1つを選択して、その名称を明記の上、以下の内容に関して必要とされる事項を記述せよ。
      (1) 建設計画を策定する際に検討すべき事項とその概要
      (2) 建設計画の策定手順
      (3) 工事の安全や経済性に係る地質・地質構造に関連したリスク要因のうち、あなたが最も詳細な検討が必要であると考える事項と、その回避又は低減方法

      U-2-2 電力土木施設を長期間にわたって安全かつ効率的に運用するためには、巡視点検から修繕工事等に至る保守業務を適切に遂行することが不可欠である。あなたが電力土木施設の保守業務の担当責任者として業務を行うことになったとして、ダム、水路構造物(水路、沈砂池、水槽、水圧管路、水門扉等)、送変電施設、取放水施設、冷却水施設、洞道及びその他の電力土木施設の中から1つを選択して、その名称を明記の上、以下の内容に関して必要とされる事項を記述せよ
      (1) 保守計画を策定する際に検討すべき事項とその概要
      (2) 保守計画の策定手順
      (3) 当該施設に係る停電・断水等の制約条件とそれを踏まえて考慮すべき事項

      (H26)
      U-2-1 電力施設の新設や修繕工事を計画工期内で安全に施工するためには,機電工事や建築工事等,土木工事以外の工事と協調しながら進めることが重要で、ある。このことを踏まえ,あなたが電力施設の新設又は修繕工事の土木担当責任者として業務を行うことになったとして,以下の内容について記述せよ。
      (1) 施工計画を策定する際に留意すべき事項
      (2) 施工計画の策定手順とその各段階において検討すべき事項
      (3) 工程管理において考慮すべき事項
      U-2-2 電力土木施設を長期間にわたって安全かつ効率的に運用するためには,周辺の地形・地質条件が施設へ及ぼす影響を的確に把握して,保守業務を遂行することが求められる口あなたが電力土木施設の保守業務の担当責任者として業務を行うことになったとして,ダム,水路構造物(水路,沈砂池,水槽,水圧管路等),送変電施設,取放水施設,冷却水施設,洞道及びその他の電力土木施設の中から1つを選択して,その名称を明記の上,以下の内容について記述せよD
      (1) 作用外力と変状現象の概要
      (2) 保守計画の策定手順
      (3) 当該施設の変状対策において留意すべき事項

      (H27)
      U-2-1 あなたが担当責任者として既存の電力土木施設に係る耐震性能の検証を行うことになったとして,ダム,水路(取放水設備,水圧管路を含む。)並びに港湾,燃料,送変電等に係る電力土木施設の中から1つを選択して,その名称を明記の上,以下の内容について記述せよ。
      (1) 保有すべき耐震性能の概要
      (2) 耐震性能照査手順の概要
      (3) 耐震性能照査において留意すべき事項

      U-2-2 電気事業を取り巻く状況が大きく変化する中,電力土木技術者の技術・技能をより効率的に維持・継承・向上することが求められている。あなたが担当責任者として人材育成業務を行うことになったとして,以下の間いに答えよ。
      (1) 人材育成に係る現状の課題を述べよ。
      (2) あなたが挙げた課題を解決するための具体的な方策を 2つ挙げて説明せよ。
      (3) (2)で挙げた方策を実際に進める際に留意すべき事項をそれぞれ述べよ。
      1. 出題傾向
        問題U-1は、25・26年度は再生可能エネルギー(経済性評価・発電コスト低減策)、調査設計(貯水池等堆砂対策・基礎地盤調査)、保守点検(ICT活用・検査技術)、耐震(確保すべき耐震性と設備・限界状態設計法)をテーマに、概要説明と留意点や克服すべき課題などについて記述を求める問題が出されていたのですが、27年度はライフサイクルコスト・リモートセンシング・地盤改良技術・水力エネルギーの有効利用方策といった、従来のカテゴリー分けとはちょっと異なるテーマが選ばれている印象を持ちます。
        ともあれ、出題は計画・設計・維持管理にまたがっているわけですが、2問選択しなければならないので、専門外からも1問選択しなければならないことも多く、さらに「堆砂」や「ICT活用」など絞り込んだテーマもあるので、「2問目の選択」がなかなか難しかったのではないかと思います。
        問題U-2も出題傾向の変化が見られました。25・26年度は、建設フェーズと維持管理フェーズのいずれかの業務を選んで、概要や計画策定手順、検討・留意すべき事項、リスク対策や制約条件対応といった3つの設問に答えるものでしたが、27年度は維持管理フェーズに限定でした。業務は建設フェーズについては「地質・地質構造を的確に踏まえた計画」「土木工事以外の工事と協調しながら進める」、維持管理フェーズについては「巡視点検から修繕工事問うに至る適切な遂行」「周辺の地形地質条件が施設に及ぼす影響の的確な把握」「耐震性能の検証」というようにテーマが絞られています。なお、対象施設はダム・水路構造物・送変電施設・取放水施設・冷却水施設・洞道その他の電力土木施設といった各種施設の中から1つを選ぶこととなっています。
        そして27年度はU-2-2が人材育成業務を取り上げたものでした。これは問題Vで出題されるのではないかと予想していたテーマだったので、本書の昨年度版を読む等してそちらの準備をしていた人は答えやすかったのではないかと思います。

      2. 対策
        問題U-1については、27年度に出題傾向がちょっと変わったのですが、従来の出題傾向も考えると、環境保全、計画設計施工、耐震、維持管理といった範囲から、テーマを絞り込んでの出題が予想されます。4問中2問とも自信を持って選べる可能性は低いと思いますので、自分の専門分野で高評価を得て、不得意分野をカバーするつもりで、ご自分の専門分野の知識体系はしっかり補強し、できれば専門外についても知識の幅を広げておくことをお勧めします。
        問題U-2については、これも27年度にやや傾向が変化したものの、基本的には建設フェーズと維持管理フェーズからそれぞれ1問出題されることを想定して準備しておくことが最も有効と思われます。そして「地質・地質構造適応」「土木以外の工事との協調」のようにテーマが絞られ、さらに対象施設を選んだ上で、検討事項・業務手順・留意工夫点について記述が求められる可能性があります。とすれば、テーマを複数予想して想定問題を複数作成し、答案準備をしておくことが有効ではないかと思います。
        テーマとしては、経済効果、環境配慮、品質確保(耐震性や性能設計など最適化も含む)、コスト(LCC含む)縮減、技術開発、安全確保、防災・減災、事業継続(BCP)、維持管理更新(特に予防保全・アセットマネジメント)といったものがあるでしょう。

    7. 道路
      平成25〜27年度専門問題(問題U)
      (H25)
      U-1-1 道路が有する空間機能を3つ挙げ、各々の概要を述べよ。また、その1つの機能について、道路を計画・設計する際の留意点を述べよ。
      U-1-2 道路事業の費用便益分析で基本となる3便益を挙げ、それぞれの定義と算定方法を述べよ。
      U-1-3 普通コンクリート舗装の構造の概要について説明せよ。また、密粒度アスファルト舗装と比較して、その長所および短所を述べよ。
      U-1-4 軟弱地盤対策工における振動締固め工法のうち、主な工法を2つ挙げ、各々の概要及び特徴を述べよ。また、そのうち1つの工法について、施工上の留意点を述べよ。

      (H26)
      U-1-1 道路の種級区分の体系に関し,種・級の各々について,区分を決定づける要素を用いて説明せよ口また,級別の区分をやむを得ず1級下の級に下げて適用することがあるが,その場合の留意点を述べよ。
      U-1-2 高速道路におけるスマートインターチェンジの特徴を述べよ。また,スマートインターチェンジを導入する際の留意点を2つ述べよ。
      U-1-3 車道及び側帯の舗装の必須の性能指標の1つである塑性変形輪数について説明せよ。また,その評価法として近年追加された簡便法について,概要と適用に当たっての留意点を述べよ。
      U-1-4 植物によるのり面保護工と構造物によるのり面保護工について,各々の概要を述べよ。また,のり面保護工の選定に当たって考慮すべき事項を述べよ。

      (H27)
      U-1-1 道路の維持・修繕に関する具体的な技術基準等が、道路法及び政省令等により整備された.。これらに基づく定期点検の対象施設を列挙せよ。また、これらに基づき道路管理者が実施する維持管理の業務サイクル(メンテナンスサイクル)の各段階について説明せよ。
      U-1-2 円形の平面交差点形式の1つであるラウンドアバウトの長所を多面的に説明せよ。また、我が国においてラウンドアバウトを導入する上での留意点を2つ述べよ。
      U-1-3 遮熱性舗装と保水性舗装について、それぞれの路面温度上昇抑制のメカニズムを説明せよ。また、路面温度上昇抑制機能の評価方法を説明せよ。
      U-1-4 盛土部の排水処理を設計する上で、地下排水工の設置が必要となる盛土の部位を列挙し、そのうち2つの部位について具体的な対策工と留意点を述べよ。
      (H25)
      U-2-1 交通事故の大半は交差点及びその付近で発生していること、また、交通渋滞の多くは交差点を先頭に発生していること等から、道路交通を安全かつ円滑に処理する上で、交差点をいかに適切に計画・設計・運用するかは極めて重要である。交差点改良計画の担当責任者として以下について述べよ。
      (1)業務を進める手順とその内容
      (2)改良計画の立案に際して、交差点形状を適正なものにする観点から留意すべき事項(2つ以上)と、各々の考え方
      U-2-2 路上工事を円滑に実施するためには、当該工事の特性を踏まえ、様々な事柄への配慮が必要である。市街地の幹線道路における路上工事の担当責任者として、下記について述べよ。
      (1)事前に把握すべき事項とその内容
      (2)工事を進める上で採るべき対策とその内容

      (H26)
      U-2-1 我が国の道路構造物は,今後,補修や更新を行う必要性が急激に高まってくることが見込まれており,維持管理の業務サイクル(メンテナンスサイクル)の構築が極めて重要で、ある。維持管理の担当責任者として,下記について述べよ。
      (1) 道路橋における代表的な損傷原因である疲労,塩害,アルカリ骨材反応のうち 2つについて,各々の概要
      (2) メンテナンスサイクルの構築に必要な基本的事項が法令上位置づ、けられたことを踏まえ,点検,診断,措置,記録のうち点検,診断の段階で,各々実施すべき対応
      (3) メンテナンスサイクルを持続的に回すために,体制,技術各々の観点から見て必要と考えられる仕組み
      U-2-2 「道の駅」は道路利用者へのサービス提供の場として重要な役割を果たしてきたが,近年では多様な機能を有する地域の拠点としての役割も担っている。「道の駅」の計画・運営・更新を行う担当責任者として,下記について述べよ。
      (1) 「道の駅j を設置する際,道路利用者へ適切なサービスを提供する観点から,備えるべき施設構成と提供サービスについて,各々の概要
      (2) 「道の駅」が地域の拠点として果たしうる役割を 2つ挙げ,それらをより充実させるための具体的な取り組み

      (H27)
      U-2-1 近くに小学校や鉄道駅がある都市部の住宅地域を通過する4種2級の2車線道路が計画されている。この道路計画の担当責任者として、下記について述べよ。
      (1) この道路に必要な横断面構成要素と各々の要素が持つ機能
      (2) この道路計画の立案に際して、「沿道住民」、「歩行者」及び「自転車利用者」の視点で、それぞれ2つ以上の留意点

      U-2-2 2020年の東京オリンピック・パラリンピックに備えて、首都圏を中心にインフラ整備が進められることとなるが、一方で、それに伴う大量の建設発生土の処理が課題となっている。都市部で大規模なトンネル工事を計画する担当責任者として、下記について述べよ。
      (1) 建設発生土を有効利用する上での課題(なお、課題は2つ挙げそれぞれの内容を述べること。)
      (2) (1)の課題を踏まえ、当該工事の建設発生土を有効利用するための方策と留意点
      1. 出題傾向
        問題U-1は基本的事項(空間機能・種級区分)、計画(費用便益分析・スマートインター・ラウンドアバウト)、舗装(コンクリート舗装・塑性変形輪数・遮熱性舗装・保水性舗装)、設計施工(振動締固め・のり面保護工・盛土部の排水計画)、維持管理(定期点検)といった、比較的絞り込んだテーマで概要説明(基礎知識)や留意点等の応用知識を確認するものになっています。テーマとしてみると、道路計画に関するものが1〜2問、舗装が1問、設計施工が1問、維持管理が0〜1問となっているのですが、たとえば設計施工として振動締固めや盛土排水のように絞り込んだ出題もあって、問題選択に苦慮した人も多かったのではないかと思います。
        問題U-2は25年度が交差点改良と路上工事、26年度がメンテナンスサイクルと道の駅という、かなり絞り込んだテーマでの出題で、知識確認設問と、業務内容(手順や把握事項、その内容)と留意点・対策等の記述を求める応用力確認設問がありま。ところが27年度は、「近くに小学校や鉄道駅がある都市部の住宅地域を通過する4種2級の2車線道路が計画されている。この道路計画の担当責任者として」、「都市部で大規模なトンネル工事を計画する担当責任者として」というように、仮想事例に近いものになっており、設問も道路横断面構成要素と機能や建設発生土有効利用上の課題、そして方策や留意点といった、実務的な内容になっています。いずれの出題方式でも、これらの業務に携わった経験がある人はしっかりした答案が書けると思いますが、実務経験のない人はマニュアルや施策等の情報を収集していないと答案を埋めるのに苦慮したのではないかと思います。

      2. 対策
        問題U-1については、基本的事項・道路計画・舗装・設計施工・維持管理といった分野から、テーマを絞り込んでの出題が予想されます。舗装や設計施工(工法)は、それらを専門としている人以外はなかなか得意分野にヒットする出題はないでしょうから、基本的事項や道路計画に関する問題について、法令基準マニュアル類や教科書的テキストをもう一度おさらいしておくといいでしょう。またメンテナンスサイクルおよび点検についても押さえておきましょう。
        問題U-2については、特定テーマでの出題が予想されます。25〜27年度出題テーマは前記のとおりですが、24年度は高規格幹線道路ネットワーク整備、自転車通行、ICT活用施工、舗装技術基準の性能規定化、道路の地すべり対策工が取り上げられています。これらを踏まえて、道路の重要な技術的テーマについて、以下のようなことを整理しておくことが必要ではないかと思います。
        ・専門知識は、単なる語句説明や専門知識だけでなく、背景や意義、現状等についても調べてまとめておく。
        ・テーマに関して、計画・設計施工・維持管理に関する業務に取り組む際の実施方法や手順について基準書等を参考にしてまとめておく。
        ・上記業務実施にあたっての留意点・工夫点を整理しておく。
        すなわち、技術的テーマをどの程度用意できるかがひとつの勝負になります。
        道路計画では高規格道路ネットワーク・道路便益評価の他には中心市街地の狭隘な道路や中山間地におけるB/Cの厳しい道路などがあるでしょう。
        道路設計施工では道路構造令や道路橋示方書等の基準書類の改定、あるいは新技術、ユニバーサルデザインなどいろいろとあると思います。
        維持管理はアセットマネジメントや長寿命化などがあるでしょうし、保守点検やリスク管理なども重要テーマです。
        こういったテーマに関して、ぜひ前述のような整理をしておいてください。

    8. 鉄道
      平成25〜27年度専門問題(問題U)
      (H25)
      U-1-1 広域的な幹線鉄道ネットワークにおける、新幹線と在来線との乗継ぎの課題を述べよ。また、既に実施された、或いは計画されている乗継ぎ解消や改善の方策を3つ挙げ、それぞれについて効果、最近の情勢及び課題を述べよ。
      U-1-2 鉄道構造物等設計標準について、その技術基準上の位置づけ及び最近の設計法の特徴について述べよ。
      U-1-3 建築限界について、基本的な考え方、車両限界との関係及び曲線部における拡幅等に関する留意事項について述べよ。
      U-1-4 普通鉄道の線路において、緩和曲線の基本的な役割を述べた上で、この長さを決める考え方を説明せよ。

      (H26)
      U-1-1 既存の地平駅を橋上駅舎化するに当たり,バリアフリーの観点から基準に適合することが求められている設備を3つ挙げ,その内容を簡潔に述べよ。
      U-1-2 鉄道構造物等設計標準における性能照査型設計について,移行した背景とその利点を挙げた上で説明せよ。また,要求性能を2つ挙げ,その内容について具体的に述べよ。
      U-1-3 鉄道構造物等維持管理標準に関して,構造物編又は軌道編のいずれかを選択し,それを明記した上で,以下について述べよ。
      (1) 検査の区分とそれぞれの概要
      (2) 維持管理の標準的な手順
      U-1-4 一般の定尺レールと比べた,ロングレールの優れた点を挙げた上で,ロングレール区間を管理する際の留意点を述べよ。

      (H27)
      U-1-1 既設の鉄道駅ホームにホームドア(可動式ホーム柵を含む。)を整備するに当たって,「高齢者,障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」に基づく「移動等円滑化の促進に関する基本方針」等で課題とされている事項を3つ挙げ,その内容を簡潔に述べよ。また,課題に対応するため技術開発が進められているホームドアの新たな方式を1つ挙げ,その特徴を述べよ。
      U-1-2 鉄道構造物の耐震設計を行う場合の設計地震動,構造物の要求性能及び性能照査の方法について述べよ。
      U-1-3 植生のみが施されている既設盛土において,降雨によるのり面の崩壊防止を目的とした補強の検討に際し,技術的な留意点について述べよ。また補強工として有効なのり面工を2つ挙げ,それぞれ概要,長所及び短所を簡潔に述べよ。
      U-1-4 旅客輸送を行っている普通鉄道の急曲線部における低速走行時の乗り上がり脱線に関し,脱線にいたるメカニズムについて説明するとともに脱線防止対策を3点挙げ,その内容について述べよ。
      (H25)
      U-2-1 ある在来線において、大規模改良を実施するに当たり、騒音の音源対策を検討することとなったが、この改良事業の担当責任者として、音源対策の作成に際して下記の内容について論述せよ。
      (1) 想定する大規模改良の内容
      (2) 供用開始後に予測される騒音の主な発生源
      (3) 設計時に検討すべき騒音対策のメニュー
      (4) 具体的な対策の作成に当たっての留意事項
      U-2-2 鉄道構造物に近接して掘削工事を施工する場合は、軌道や構造物を健全な状態に維持し、列車の安全運行を確保することが重要である。このような近接工事を計画、施工する担当責任者として下記の内容について論述せよ。
      (1) 業務を進める上での基本的な考え方
      (2) 工事着手前に検討すべき事項
      (3) 施工管理における留意点

      (H26)
      U-2-1 高架下が高密度で利用されている既設のRCラーメン高架橋において,高架橋柱の耐震性の向上を図る工事を計画・設計するに当たり,以下の内容について論ぜよ。
      (1) 考慮すべき主な制約条件
      (2) 計画上・設計上の留意点
      (3) 上記を踏まえた具体的な補強工法
      U-2-2 都市部における家屋が密集した線区で,連続立体交差化の都市計画決定に向けた作業を行う中で,鉄道施設について高架化,地下化等の構造形式を含めて検討することになった。連続立体交差化の始終点及び交差道路の計画は概ね定まっているという条件下で,鉄道施設計画の担当責任者として業務に携わるに当たり,下記の内容について論ぜよ。
      (1) 連続立体交差化の効果
      (2) 検討を進める上で考慮すべき事項
      (3) 構造形式,切り替え手順等を踏まえて比較すべき 3つの計画案
      (4) 具体的な計画を策定する上での留意事項

      (H27)
      U-2-1 市街地において,地平鉄道(複線営業線)の直下を小土被りで横断する2車線(片側1車線)の一般道路が,ボックスカルパート構造で計画されている。この道路構造物の鉄道直下部分について,施工方法選定,施工管理を行うに当たり,以下の問いに答えよ。
      (1) 工事桁による開削工法と,非開削工法について,特徴を比較せよ。
      (2) 当該箇所における施工方法選定において,考慮すべき事項を述べよ。
      (3) 当該箇所における具体的な施工方法を 1つ挙げて特徴を説明した上で,施工管理に当たり営業線への影響の観点からの留意点を述べよ。

      U-2-2 最近の鉄道高架橋におけるコンクリート片の剥落事象の発生を踏まえ、剥落対策を行うに当たり,以下の問いに答えよ。
      (1) 考えられる剥落原因を3つ挙げて説明せよ。
      (2) 対策を行う上で問題,制約となる事項について述べよ。
      (3) 上記を踏まえて,実効性の高い対策方法を,検査点検及び施工の観点から述べよ。
      1. 出題傾向
        問題U-1は
        ・計画(幹線鉄道乗り継ぎ、橋上駅舎化)
        ・設計(鉄道構造物等設計標準に関する技術基準上の位置づけや最近の設計法の特徴・性能照査型設計、ホームドア、耐震設計)
        ・維持管理(鉄道構造物等維持管理標準に関する検査区分と概要や標準的維持管理手順、既設のり面崩壊防止補強)
        ・基礎的用語(建築限界、緩和曲線、ロングレール、乗り上がり脱線)
        といった鉄道に関する重要テーマや基本的事項について、基礎知識と応用知識(重要テーマについては最近の情勢や課題、基礎的事項については実務における考え方や留意事項)を問う問題が出されています。鉄道設計に携わっている人であれば2問選ぶのが難しいような内容ではないと思います。また実務経験の乏しい人でも、基礎的事項に関する問題であれば答えられるのではないかと思います。
        問題U-2は、頻出テーマとして制限条件の厳しい中での設計施工があります。25年度は鉄道構造物近接施工、26年度は下が高密度利用されている高架橋耐震性向上・連続立体交差化、27年度は小土被りでの地平鉄道アンダーパスといったものがテーマで、制約条件や考慮すべき事項、計画案・工法提案と留意点などをあげさせる問題です。その他のテーマとしては、騒音音源対策(25年度)、高架橋等のコンクリート剥落対策(27年度)といったものがあります。いずれにせよ、実務経験がある人とそうでない人では差が出そうです。

      2. 対策
        問題U-1については、重要テーマと基礎的用語という構成が続くものとすれば、以下のようにすればいいのではないかと思います。
        ・重要テーマについては3〜4テーマほど想定して基礎知識および最近の情勢や課題についてまとめておくといいでしょう。タイムリーなものとしてはリニアやフリーゲージなどがありますね。
        ・基礎的用語については5個以上をめどに基本的な役割や考え方、実務上の留意点などについて知識を整理しておくといいでしょう。これまで出題されたもの以外ではカントやスラック、分岐器、アタック角や脱線(乗り上がり以外も含め)、ホーム形式などがあるでしょう。
        問題U-2については、頻出問題である厳しい制限条件下での設計施工について、テーマをある程度想定して、検討すべき事項や留意点などについてある程度まとめて準備しておくことをお勧めします。これまで出題がないものとしては駅舎の改修などがありますね。
        またその他のテーマとしては、駅・交通システム、鉄道構造物、維持管理くらいがあるかなと思います。
        駅・交通システムでは、少子高齢化を踏まえた駅等のバリアフリーやユニバーサルデザイン、コンパクトシティ等まちづくりとの連携、自然災害対策といったものがあるでしょう。
        鉄道構造物にはいろいろありますが、耐震等自然災害対策、財政難の中での整備新幹線などを踏まえたコスト縮減・性能設計など様々なテーマがあるのではないかと思います。
        維持管理についてはインフラ老朽化に伴う予防保全・アセットマネジメントなどがあるでしょう。

    9. トンネル
      平成25〜27年度専門問題(問題U)
      (H25)
      U-1-1 山岳トンネルの切羽観察項目を列挙し、それぞれの項目の評価区分について記述せよ。
      U-1-2 山岳トンネルのインバートコンクリートの施工上の留意点について述べよ。
      U-1-3 シールド工事における裏込め注入について以下の問いに答えよ。
      (1) 注入材に必要な性質を挙げよ。
      (2) 裏込め注入工の施工管理方法を 2つ挙げて、その概要と留意点について説明せよ。
      U-1-4 図1に示す開削トンネルの耐震設計の一般的な手順のうち、(イ)〜(ハ)に入る手順を挙げ、それぞれの内容について述べよ。


      (H26)
      U-1-1 山岳工法によりトンネルを建設する際に坑口部で予想される問題点を5つ挙げ,それぞれについて設計上の留意点を述べよ。
      U-1-2 山岳工法により建設される排水型トンネルのシート防水工について,施工上の留意点を述べよ。
      U-1-3 開削トンネルの設計について,以下の問いに答えよ。
      (1) トンネル本体の設計に当たり施工時荷重を考慮する必要があるのはどのような場合か3つ挙げよ。
      (2) トンネルに作用する荷重条件に大きな変化をもたらすため,その荷重を考慮する必要がある地盤変位の事象を3つ挙げよ。
      (3) トンネル縦断方向の構造解析が必要となる場合がある口その理由について述べよ。
      U-1-4 シールドトンネルのセグメントの構造計算について,以下の問いに答えよ。
      (1) 横断方向の断面力の計算法のうち,@慣用計算法,Aはり−ばねモデルによる計算法についてそれぞれの特徴を述べよ。
      (2) 縦断方向の断面力は必要に応じて計算するものとしているが,どのような場合があるか3つ挙げよ。

      (H27)
      U-1-1 山岳工法トンネルの鋼製支保工の効果を5つ挙げ,それぞれについて説明せよ。
      U-1-2 周辺構造物に近接する山岳工法トンネルを設計する際に留意すべき,山岳工法トンネルが周辺構造物に与える影響を3つ挙げ,対策について述べよ。
      U-1-3 開削工事において掘削底面で発生する盤ぶくれについて,以下の問いに答えよ。
      (1) 盤ぶくれ現象とその原因について説明せよ。
      (2) 盤ぶくれを防止する対策を2つ挙げて,その概要と留意点について説明せよ。
      U-1-4 土圧式(土圧又は泥土圧)シールドと泥水式シールドについて,以下の問いに答えよ。
      (1) 各工法について,切羽の安定機構の観点から説明せよ。
      (2) 各工法について,掘進・切羽の安定にかかる施工上の留意点を述べよ。
      (H25)
      U-2-1 近年、山岳トンネルにおける覆工コンクリートの品質向上が求められている。そのような状況を考慮して、以下の問いに答えよ。
      (1) 配合や材料の品質管理、打込み及び養生の各段階での課題を述べよ。
      (2) 上記の課題を解決するための技術的提案を述べよ。
      U-2-2 図2に示すように、供用中の地下重要構造物に近接してシールドトンネル工事(CASE-1)及び開削トンネル工事(CASE-2)を計画している。近接する重要構造物の機能や構造に支障を与えないよう施工するに当たり、どちらか1方のCASEを選択し、以下の問いに答えよ。
      (1) 工事計画の策定に当たって検討しなければならない項目を多面的に述べよ。
      (2) 計測管理計画を立案する場合の留意点について述べよ。
      (3) 施工途中において計測データが事前予測値を超えた場合、考えられる原因を列挙せよ。また、その中から1例を選び、具体的な対策方法とその対策における留意点について述べよ。


      (H26)
      U-2-1 図1のような条件の道路トンネルを山岳工法により東側坑口から掘削する。これまで実施済みの調査は,地表踏査,弾性波探査,河川近傍ボーリング調査であり,図中の地下水位はこれらの調査をもとにした想定水位である。トンネルを掘削するに当たっての地下水対策に関して,区間@〜Bのそれぞれに対し,以下の問いに答えよ。
      (1) トンネル掘削に伴って問題となる現象を,地下水の観点から想定し,その内容を述べよ。
      (2) 上記現象に対する対策工を立案するに当たって施工前に必要となる追加の調査項目を挙げ,その目的を述べよ。
      (3) 上記現象の問題解決のための対策工を提案し,施工中の留意点を述べよ。


      U-2-2 図2に示すように,都市部において,開削工法により立坑を築造し,そこから外径3mのシールドを発進してトンネルを築造する工事を行っている。以下の問いに答えよ。
      (1) 立坑の構造や大きさ,形状の決定に当たって留意すべき点を述べよ。
      (2) 当工事に適したシールド発進方法を 2つ挙げ,その概要と設計・施工上の留意点について述べよ。
      (3) 本掘進を開始したところ,シールド機が下向きにピッチングを起こすとともに、ローリングした。考えられるピッチングの原因を列挙するとともに,工事を続けるに当たって採るべき対応を述べよ。また,ローリングに対する対策を挙げよ。


      (H27)
      U-2-1 下図(平面図及び想定地質断面図)を見て,以下の間いに答えよ。なお,通常期の地下水位はトンネルレベルより低いものとする。
      (1) 図に示す100m聞においてトンネル掘削に伴って問題となる現象を述べよ。
      (2) 上記現象に対する対策工を立案するに当たって施工前に必要と考えられる調査項目と調査位置を解答用紙に簡単な平面図を書いて示し,その調査の目的を述べよ。
      (3) 上記現象の問題解決のための対策工を提案せよ。また,施工時に必要と考えられる地表及び地表からの計測項目と計測位置を解答用紙に簡単な平面図を書いて示し,その計測の目的を述べよ。


      U-2-2 都市部の幹線道路において,開削工事により設置した立坑とそれを発進立坑とした密閉型シールドトンネル工事を計画している。当該工事を実施するに当たり必要と考えられる環境保全対策について,以下の問いに答えよ。
      (1) 工事に伴い周辺の環境を保全するために必要な調査項目を列挙するとともに,各調査項目の概要について述べよ。
      (2) 上記のうち3項目を選定し,各項目について環境を保全するための具体的な対策を複数記述せよ。
      (3) 当該工事においてあなたが最も効果的と考える建設副産物の有効利用方法を提案し,その概要と留意点について記述せよ。
      1. 出題傾向
        問題U-1は山岳トンネル2問(25年は切羽観察項目・インバートコンクリート、26年度は坑口部で予想される問題・排水型トンネルのシート防水工、27年度は鋼製支保工の効果・周辺構造物への影響)、シールド1問(25年度は裏込め注入、26年度はセグメント構造計算、27年度は土圧式シールドと泥水式シールド)、開削1問(25年度は耐震設計、26年度は施工荷重、27年度は盤ぶくれ)で、設問内容は基礎知識だけでなく手順・留意点等の応用能力設問も含まれています。
        問題U-2は山岳1問、シールド・開削いずれかを選ぶ問題が1問で、山岳トンネルは25年度が覆工コンクリートの品質向上、26年度が地下水対策、27年度が低土被り・偏土圧でした。またシールド・開削は、25年度がシールドもしくは開削を選んでの近接構造物に支障のない施工、26年度が開削立坑からのシールド発進、27年度は周辺の環境保全がテーマになっています。
        図面を示しての仮想事例が多く、設問は検討項目・課題を述べたあと解決策や留意点を述べ、さらにシールド・開削は施工中の変状対策あるいは建設副産物有効利用など、副テーマにまで踏み込んでいます。
        実務者には答えやすい問題かなと思いますが、実務経験がないとかなり厳しいでしょう。

      2. 対策
        問題U-1については、25〜27年度同様、山岳2問、シールド・開削各1問が予想されます。また出題テーマはある程度絞り込まれたものが予想されますから、ご自分の専門になるトンネル(山岳あるいはシールド、開削)について、必要な知識を整理しておいてください。
        問題U-2については、25〜27年度同様、山岳で1問、シールドもしくは開削を選べる問題(もしくはシールド&開削)が1問ではないかと思われますので、そのつもりで準備をしておきましょう。問題U-1同様、テーマはある程度絞られるでしょうから、24年度以前の問題も参考に、ある程度当たりをつけて、手順・留意点や課題・解決策をまとめておくといいと思います。

    10. 施工計画
      平成25〜27年度専門問題(問題U)
      (H25)
      U-1-1 建設工事における工程管理の重要性について概説するとともに、工程管理手法の具体例を2つ挙げそれぞれげ、それぞれについて述べよ。
      U-1-2 日平均気温25℃を超える時期にコンクリートを施工する場合において、懸念されるコンクリートの品質低下について概説し、この施工環境下での施工計画上の留意点を3つ挙げ、それぞれについて述べよ。
      U-1-3 市街地における掘削土留め工事において、施工計画上重要と思われる計測管理事項を3つ、挙げ、それぞれについて述べよ。
      U-1-4 公共事業にPFI (Private Finance Initiative)を導入することによって期待される効果について述べよ。

      (H26)
      U-1-1 軟弱地盤上の盛土の施工において,施工管理上必要な動態観測の計測項目を2つ挙げ,それぞれについて動態観測結果の利用方法を述べよ。
      U-1-2 鉄筋コンクリート構造物の耐久性を限害する要因を3つ挙げ,それぞれについて使用材料又はコンクリート配合設計での対策を述べよ。
      U-1-3 埋設物が存在する場所で土木工事を施工する場合,公衆災害防止のために遵守しなければならない項目を3つ挙げ,それぞれについて概説せよ。
      U-1-4 国土交通省においては,総合評価落札方式を「施工能力評価型」と「技術提案評価型」に二極化することとしている。この二極化に基づく総合評価落札方式について概説せよ。

      (H26)
      U-1-1 地下水位の高い地盤において,掘削深さがlOmを超える大規模な土留め工事を施工する場合,土留め掘削に伴う周辺地盤の沈下・変位発生の原因を2つ挙げ,それぞれについて設計・施工上考慮すべき対策を述べよ。
      U-1-2 公共工事における設計・施工一括発注方式の導入の背景について説明せよ。また,この方式のメリット及びデメリットを挙げ,それぞれについて述べよ。
      U-1-3 建設工事において足場を使用して高所作業を行う場合に,墜落・転落災害を防止するため,足場の設置計画,足場の組立て・解体作業,足場上での作業の各段階において留意すべき事項を挙げ,それぞれについて述べよ。
      U-1-4 日平均気温が4℃以下となることが予想される時期にコンクリートを施工する場合において,この施工環境下でのコンクリートの品質低下の要因について概説し,さらに施工計画上の留意点を3つ挙げ,それぞれについて述べよ。
      (H25)
      U-2-1 要求性能を満足するコンクリート構造物を造るためには、施工の各段階において適切な方法により品質管理を実施し、所定の品質が確保されていることが重要である。コンクリート施工時の養生はこの一環として考えられ、施工環境条件を考慮し、品質を確保できるように確実に実施しなければならない。これを進めるに当たり、下記の問いに答えよ。
      (1) コンクリート構造物の施工を行う際の養生については、 目的別に3項目に分類しているが、 そのうち2項目について内容をそれぞれ説明せよ。
      (2) 高炉セメントB種を使用したコンクリート構造物を施工することになった。高炉セメントコンクリートの特性について述べるとともに、その特性を踏まえ、養生を含め、施工に関する留意点を説明せよ。
      U-2-2 建設工事(ここでは建設業法に規定する「建設工事」をいう。)により生じる産業廃棄物(放射性廃棄物を除く。以下同じ。)を適正に取り扱うことは、環境影響の低減につながる。建設工事により生じる産業底壷物の取扱いに関し、建設工事を実施する以下の各段階において、留意すべき事項について述べよ。
      (1)工事着手前(工事目的物の計画段階や設計実施段階を含めてもよい。)
      (2)工事実施中(工事完了後を含めてもよい。)

      (H26)
      U-2-1 要求される性能,品質を備えたコンクリート構造物を所定の工期内に安全かつ経済的に建設するためには,的確で合理的な施工計画が必須である。市街地の道路下にコンクリート構造物を施工する際の施工計画の立案に当たり,以下の問いに答えよ。
      (1) 施工計画の検討項目の1つである「コンクリートの現場までの運搬・受入れ計画」に記載すべき内容を述べよ。
      (2) コンクリートの受入れ計画において,コンクリートの練上り時のスランプは,打込み,荷卸し,練上り時の各作業段階でのスランプの変化を考慮して設定するが,各段階における設定の考え方及び留意点について述べよ。
      U-2-2 近年集中豪雨等により各地で斜面崩壊事故が多発している。斜面崩壊を防止するためには,想定される地点において調査を行い,あらかじめその規模や被災の程度を想定し,対策工を施すことが肝要である。基岩上に表土が被覆している自然斜面において,表層崩壊に対する事前調査及び対策工について,以下の問いに答えよ。
      (1) 表層崩壊の発生する可能性を把握するために事前に行う主な調査項目を3つ挙げ,それぞれについて概説せよ。
      (2) 表層崩壊を防止するための対策工を選定するに当たり,主な検討項目を2つ挙げ,その内容及び留意点を述べよ。さらに,この場合に考えられる構造物による対策工(のり面緑化工を除く)を2つ挙げ,その内容及び留意点を述べよ。

      (H27)
      U-2-1 社会インフラ整備が進み,重要な既設構造物と近接して構造物を施工するケースが増加している。軟弱地盤において,杭長20mの基礎杭を持つ既設高架橋に近接かっ並行して,盛土高7m,路面幅12mの道路用盛土を築造するに当たり,以下の間いに答えよ。
      (1) 盛土施工により,既設高架橋に及ぼす影響を 2つ挙げ,その内容について述べよ。
      (2) それらの影響を防止するために,盛土と既設高架橋のそれぞれに対して行う対策工を挙げ,その内容と留意点を述べよ。

      U-2-2 コンクリート構造物の施工において型枠及び支保工は,所定の位置及び形状寸法の構造物を得る上で必要・不可欠なものである。型枠及び支保工の設計・施工に当たり,以下の問いに答えよ。
      (1) 高架橋の型枠及び支保工の設計に当たり,考慮すべき荷重について述べよ。
      (2) 市街地の民家に隣接した工事用道路を使用して,道路と並行な桁下空頭 7mのラーメン高架橋の柱上部・スラブのコンクリートを打設し終えた。今後,型枠及び支保工の取外しを施工するに当たり,留意すべき事項を3つ挙げ,それぞれの内容について述べよ。
      1. 出題傾向
        問題U-1の出題テーマは
        ・専門技術のうちコンクリート(暑中コンクリート、鉄筋コンクリート耐久性阻害、寒中コンクリート)
        ・専門技術のうち軟弱地盤(掘削土留めにおける計測管理、軟弱地盤上の盛土における動態観測、大規模土留めの変状対策)
        ・入札契約等(PFI、二極化する総合評価落札方式、設計施工一括発注方式)
        ・その他(工程管理、埋設物による講習災害防止、高所作業墜落・転落災害)
        という4問構成で一定しており、内容説明や留意点等について述べる問題になっています。
        問題U-2はコンクリート(養生、運搬受け入れ計画、型枠および支保工)の問題が常に1問出されており、設問内容は、養生(25年度)については内容説明と高炉セメントを使用する場合の留意点、運搬受け入れ計画(26年度)については記載事項とスランプの考え方、型枠および支保工(27年度)については考慮すべき荷重と仮想条件を与えての取外し施工における留意点を書かせるものです。また産廃処理については工事着手前と実施中の留意事項について、近接施工については近接する既設高架橋への影響と対策工について、それぞれ問うものになっています。これらはいずれも実務経験がなくても知識だけである程度答えられると思われます。
        ちょっと変わり種といえるのが斜面崩壊防止で、調査や対策工法など、施工計画科目とは思えない問題でした。あまり適切な出題ではないと思います。

      2. 対策
        問題U-1については、専門技術(コンクリート・軟弱地盤変状。もしかするとトンネル)から2問、入札契約等から1問、その他(環境・廃棄物・労働安全衛生管理)から1問の出題と予想されます。専門技術については3年連続コンクリートと軟弱地盤変状でしたが、これが継続する保証はありません。ひとまずコンクリートと軟弱地盤を中心に、トンネルも含めて広く知識補充しておきましょう。入札契約等では地域維持型契約方式その他新しい調達方式についてしっかり押さえておきましょう。いずれにしても、選択分野を絞ってしまわず、試験現場で書けそうな問題を柔軟に選ぶことにして、広く浅く知識を習得するようにしたほうが得策ではないかと思います。
        問題U-2については、専門技術から1問、管理・積算等もしくは環境・廃棄物から1問という組み合わせと、専門技術から2問の出題が予想されます。
        専門技術はコンクリートが3年連続出題されており、さらに続く可能性が高い一方で、27年度のように専門技術のみで2問出題されたばあいには、2問目として掘削土留め(地盤変状や近接施工)やトンネル、橋梁架設等が出題される可能性が考えられます。また管理・積算等は労働安全衛生管理や施工パッケージ方式、環境・廃棄物は副産物処分やリサイクルが出題テーマとなる可能性が考えられます。
        いずれにせよ、ご自分の得意分野については知識の補強を、またそれ以外の出題が予想される分野についてはできる範囲で知識を広く浅く広げるようにするといいのではないかと思います。

    11. 建設環境
      平成25〜27年度専門問題(問題U)
      (H25)
      U-1-1 環境再生等における順応的管理の基本的な考え方及びそのプロセスについて述べよ。また、順応的管理を実際の事業で適用する上での留意点を3つ挙げよ。
      U-1-2 平成25年4月1日から施行された環境影響評価法の主な改正事項を2点挙げ、それぞれの改正の背景と内容を述べよ。
      U-1-3 建設リサイクルを取り巻く課題を3つに大別して、それぞれ、概要を説明せよ。また、課題を1つ取り上げ、課題解決に資する具体的な対応方法について述べよ。
      U-1-4 「生態系ネットワーク」の考え方を説明し、ネットワーク形成のための具体的対策を建設環境の技術士の立場から2つ挙げて留意点を述べよ。

      (H26)
      U-1-1 「生物多様性国家戦略2012-2020」において示されている生物多様性の4つの危機について,それぞれの危機を引き起こす要因と生物多様性への影響を説明せよ。また, 4つの危機のうち建設分野に関係の深いものを1つ選び\先に示した危機を引き起こす要因を対象に,必要と思われる対策の概要を述べよ。
      U-1-2 ヒートアイランド現象の原因と考えられるものを3つに大別して,それらについて概説せよ。また,それぞれの原因を緩和するための建設分野における具体的対策を述べよ。
      U-1-3 平成12年に「循環型社会形成推進基本法」が公布され,社会資本整備の面からも循環型社会の構築が進められているところである口本法制定の背景を2つ述べよ。また,建設分野において,循環型社会の構築に重要と思われる施策とその概要を2つ述べよ。
      U-1-4 湖沼や閉鎖性内湾の環境を表す指標として,下層溶存酸素量(以下,「下層DO」という。)が重要であるとの認識が高まってきている。下層DOが環境を表す指標として重要となってきた理由について述べよ。対策の原理が異なる下層DO改善に係わる対策を2つ挙げ,それぞれの対策の原理を説明せよ。

      (H27)
      U-1-1 自然環境に係わる施策の評価や企業の環境への取組において近年,重要性を増している生態系サービスについて概説せよ。生態系サービスの向上に寄与する建設事業を1つ挙げ,その事業が向上に寄与する具体的な生態系サービス及びその寄与する理由を述べよ。
      U-1-2 平成23年に「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」が公布される等国内における再生可能エネルギーの利用が促進されているところである。再生可能エネルギーの導入が推進されている背景を概説するとともに,現在,国内で利用されている再生可能エネルギーを2つ挙げ,各々の環境面における得失を述べよ。
      U-1-3 「景観法」に規定されている,景観重要公共施設制度について説明せよ。また景観重要公共施設制度によって期待される効果について,制度の説明を踏まえて述べよ。
      U-1-4 平成16年に「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」が改正され,廃棄物最終処分場跡地等廃棄物が地中にある土地で行われる形質変更に関する制度が導入された。この制度が導入された目的及び制度の概要について述べよ。また,廃棄物最終処分場跡地における建設事業の施工計画を立案する際に本制度に基づいて検討が必要な項目を4つ挙げよ。
      (H25)
      U-2-1 ある建設事業によって環境への影響が懸念される区域内に希少種が生育・生息している。あなたは建設環境の技術士として、工事実施に伴う希少種に対する影響を予測し、環境保全措置を検討することになった。建設事業と希少種を1種想定した上で、当該業務に関する以下の問いに答えよ。
      (1) あなたが想定した建設事業と希少種を挙げよ。また、想定した建設事業の概要を述ベよ。
      (2) 希少種に及ぼす環境影響として考えられる項目を2つ挙げ、その内容を希少種の特性との関連から述べよ。
      (3) (2)で挙げた項目から1つ選び、影響を予測する手法を述べよ。
      (4) (3)で選定した項目に対して考えられる環境保全措置を1つ挙げ、その内容を述べよ。また、当該環境保全措置を検討する際に留意すべき事項を1つ挙げよ。

      U-2-2 工事による生活環境への影響が懸念される建設事業において、影響についての調査・予測、環境保全措置の検討を行うに当たり、以下の問いに答えよ。
      (1) 建設事業の内容、及びその建設事業が実施される地域の状況を想定し、具体的に述べよ。
      (2) 懸念される環境影響について、影響を及ぼす要因及び影響を受ける環境要素(以下、環境項目という)を挙げ、その理由を述べよ。
      (3) (2)で挙げた環境項目を1つ選び、調査・予測を実施する手順を述べよ。
      (4) (3)で選んだ環境項目について、実施することが適切と考えられる環境保全措置を説明せよ。

      (H26)
      U-2-1 山間部を事業実施想定区域とするある建設事業が計画されており,あなたは,この事業に係る計画段階配慮書手続を実施することとなった。建設事業及び,当該事業に関し調査,予測,評価を行う計画段階配慮事項(本設問では,事業完了後の環境影響に係る事項とする。)のうち特に重要と思われるものを1つ想定した上で,当該業務に関する以下の問いに答えよ。
      (1) あなたが想定した建設事業の概要と計画段階配慮事項を挙げよ。
      (2) 建設事業の事業特性,事業実施想定区域及びその周辺の地域特性に言及しつつ,(1)で挙げた計画段階配慮事項を選定した理由を述べよ。
      (3) 事業特性,地域特性を踏まえつつ,(1)で挙げた計画段階配慮事項に係る調査の手法について具体的に説明せよ。
      (4) (1)で挙げた計画段階配慮事項に係る調査,予測及び評価の結果を,それ以降の建設事業の具体化や環境影響評価手続にどのように反映・活用するのか,反映・活用場面を1つ挙げ,その内容を概説せよ。

      U-2-2 公共工事の実施に当たって,自然由来の土壌汚染が確認された。当該工事における土壌汚染対策の責任者として業務を推進するに当たり,以下の問いに答えよ。
      (1) 想定する事業概要と立地条件及び具体的な土壌汚染の内容について記せ。
      (2) 本工事においては 近隣に処理事業者や処分場等が無い。この条件下で対策を選定する手順を述べよ。
      (3) 上記の手順で選定された措置,その選定理由及び実施上の留意事項について述べよ。

      (H27)
      U-2-1 近年,外来種の拡大が自然環境や人聞社会に影響を与えているとの課題がある。あなたが建設事業の責任者として外来種対策を踏まえた業務を推進するに当たり,外来種と建設事業を想定した上で,当該事業に関する以下の問いに答えよ。
      (1) あなたが想定した外来種と建設事業の概要を述べよ。
      (2) 想定した建設事業において,外来種が自然環境及び人聞社会に及ぼす影響を述べよ。
      (3) (1)で想定した建設事業の実施に当たり,外来種対策に必要な調査計画内容について述べよ。
      (4) (1)で想定した建設事業について,具体的な外来種対策を1つ挙げ,その内容を述べよ。また,その対策の実施に当たり留意すべき事項を述べよ。

      U-2-2 「環境影響評価法」に定める第一種事業にあたる建設事業が計画されており,工事中の環境影響が懸念されている。この工事中の影響に関する調査・予測及び環境保全措置の検討を行うに当たり,以下の問いに答えよ。(本設問では,工事中の環境影響に係る事項とする。)
      (1) あなたが想定した建設事業の概要と,その事業が実施される地域の状況を具体的に述べよ。
      (2) (1)で述べた地域の状況との関連性を踏まえて,この建設事業において環境影響を及ぼす要因と影響を受ける環境要素の項目(以下,環境項目という)を5つ挙げよ。また,あなたが最も重要と考える環境項目をその中から1つ選び,その理由を述べよ。
      (3) (2)で最も重要であると選んだ環境項目について,調査と予測を行うための手法を述べよ。具体的に,調査事項,調査地域,調査地点及び調査期間,予測の前提条件,予測方法,予測地域・地点及び予測時期について,明記すること。
      (4) (2)で最も重要であると選んだ環境項目について,実施することが適切と考えられる環境保全措置と見込まれる効果を説明せよ。また,環境保全措置の検討を行う際に留意すべき事項を2つ挙げよ。
      1. 出題傾向
        問題U-1は
        ・生態系(順応的管理、生態系ネットワーク、生物多様性、生態系サービス)
        ・廃棄物(建設リサイクル、循環型社会形成基本法、最終処分場跡地の形質変更)
        が頻出テーマで、そのほか、環境影響評価法やヒートアイランド、水質(下層DO)、景観法、再生可能エネルギーなど幅広く出題されています。設問内容は概要説明とともに、留意点や背景、課題解決方法等の応用知識についても問う問題が出ています。アセス法や建設リサイクル法、循環型社会形成基本法、景観法など法令に関する問題や生物多様性国家戦略、ヒートアイランドなどは建設環境を受験する以上知らない人はほとんどいないだろうと思われるテーマですが、逆に差がつきにくいともいえます。また逆に順応性管理や下層DO、最終処分場跡地形質変更などは認知度が低いテーマで避けた人も多かったのではないかと思いますから、書けた人は一気に有利になります。
        設問内容はあまり深掘りしておらず、極端な話ネットで少し調べればA評価相当の答案は簡単に書ける程度のレベルです。
        また、大気質や水質、騒音振動といった個別の環境質、地球環境・低炭素化・自然エネルギーに関する問題があまり出されていないのも特徴です。
        問題U-2は、建設事業に伴う環境影響に関する問題で、25年度は自然環境(希少動植物)保全と生活環境保全について各1問、26年度はアセスの計画段階配慮所手続と自然由来土壌汚染について各1問、27年度は外来種拡大対策と第一種事業におけるアセスが出題されており、同じような問題が続かないように配慮しているようですが、基本はやはりアセスです。

      2. 対策
        問題U-1については、平成25〜27年度と同様であれば、個別専門技術ではなく社会的課題や比較的目新しい取組みについての知識確認問題が出ることが予想されます。テーマは建設環境を受験する以上「知らない」ではすまないと思える程度にポピュラーなものが選ばれており、内容もあまり難度の高い問題ではないと思われますので、ネットなども活用して、広く浅い知識を身につけておいたほうがいいでしょう。
        問題U-2については、「建設事業による環境影響」の出題が続くものと思われます。環境影響評価は問題U-1も含めて必ず出題されると思われますので、アセスの手続きひととおりと、現況調査→予測評価→環境保全措置という流れの各段階でどのようなことをするのかを頭に入れておきましょう。
        一方、地球環境・再生可能エネルギー・地域環境質(大気・水質・騒音振動)などについては余裕があれば保険のつもりで、課題と解決策についてネットなどでひととおり調べておけばいいでしょう。
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