2025.4.19 最終更新
建設部門 鋼構造コンクリート
2024(令和6)年度作問
Ⅱ-1-1 鋼構造物の省力化・合理化構造の事例を3つ挙げ、それぞれについて構造概要と技術的特長を述べよ。
Ⅱ-1-2 箱型断面の鋼製橋脚(あるいは建築物の鋼製柱脚)のじん性を向上させる方法を2つ挙げ、その方法を概説せよ。
Ⅱ-1-3 高流動コンクリートについて、その特徴と種類を述べよ。また、設計・施工上の留意点について、2つ以上述べよ。
Ⅱ-1-4 現場打ちコンクリートの初期欠陥として発生するひび割れを3種類あげ、それぞれの発生原因・機構と、一般的な対策について述べよ。
Ⅱ-2-1 大規模な地震動を受け、損傷を生じていることが推定される鋼構造もしくはコンクリート構造物がある。これについて、早急に点検を行い必要な補修・復旧を行うだけでなく、再度災害防止のため耐震補強も検討することとなった。
このプロジェクトの担当責任者として行うにあたり、以下の問いに答えよ。
(1) 対象とする構造物及び現場条件、設計あるいは施工のどちらであるのかを設定し、完成後の維持管理を最小化あるいは効率化するために調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。
(2) 留意すべき点、工夫を要する点を含めて業務を進める手順について述べよ。
(3) 業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。
Ⅱ-2-2 中山間地域において、昭和30年代に構築された鋼構造もしくはコンクリート構造物がある。全体的に劣化が進行していると判断される現象が複数確認され、早急な対応が必要である。なおこの構造物を除却することはできない。この構造物の劣化調査と補強対策の立案を担当するにあたり、以下の問いに答えよ。
(1) 対象とする構造物及び現場条件を設定し、劣化点検診断および補修更新工法検討決定のプロセスにおいて調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。
(2) 業務を進める手順について、留意すべき点工夫を要する点を含めて述べよ。
(3) 業務を効率的・効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。
Ⅲ-1 平成7年阪神大震災では想定外規模の地震動により様々な構造物が損壊する被害が発生した。これを受けて設計法が見直されるなどしたが、その後も想定外外力による構造物被害はたびたび発生している。このため、想定外外力が構造物に作用することも想定した、想定外外力に対するレジリエンスを有した構造物を設計・施工・維持管理することが求められる。このような状況を踏まえ、以下の問いに答えよ。
(1) 鋼構造コンクリート構造物および自然災害条件と想定外外力を設定し、想定外外力に対する的確な構造物評価とレジリエンスの確保を進めるにあたり、鋼構造コンクリートに携わる技術者の立場で多面的な観点から課題を3つ抽出せよ。
(2)(1)で抽出した課題のうち最も重要と思われる課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3)(2)で提示した解決策をすべて実行したうえで新たに生じうるリスクとそれへの対応について述べよ。
Ⅲ-2 高度成長期以降に集中的に整備された多くの鋼構造コンクリート構造物は老朽化が進展し、維持管理上の問題が顕在化しているが、建設業界における労働力不足は顕著になりつつあり、従来と同様の維持管理方式では行き詰まることが懸念されている。その一方で、近年のデジタル技術の進歩は目を見張るものがあり、新技術の活用やデータ利活用を推進し維持管理を効率化していく必要がある。このような状況を踏まえ、以下の問いに答えよ。
(1)老朽化した鋼構造コンクリート構造物を効率的に維持管理更新していくうえで課題となる事項について技術者の立場で多面的な観点から抽出し、その内容を観点とともに述べよ。
(2)(1)で抽出した課題のうち最も重要と思われる課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
3)(2)で提示した解決策に共通して新たに生じうる波及効果と専門技術を踏まえた懸念事項への対応策を示せ。
2023(令和5)年度作問
Ⅱ-1-1 高性能鋼と称される鋼材を3つ挙げ、汎用的に使用されている鋼材と比較して、その特徴と利用事例を述べよ。
Ⅱ-1-2 工場溶接あるいは現場溶接で起こりうる品質不良の状態を2つ挙げ、発生する原因、不良状態が鋼構造物にもたらす影響、処置方法及び予防方法を述べよ。
Ⅱ-1-3 コンクリート構造物が具備すべき性能を3つあげて概説するとともに、それぞれについての性能照査方法について述べよ。
Ⅱ-1-4 コンクリート構造物の劣化について点検診断と補修/補強を行う場合、まず地域特性に着目することが重要である。コンクリート構造物の代表的な劣化要因を2つあげて、地域特性が劣化にどのように関連するかを劣化機構とともに説明せよ。
Ⅱ-2-1 設計施工を行なうにあたり、完成後の維持管理を最小化あるいは効率的に実施できるための配慮が求められている鋼構造もしくはコンクリート構造物がある。あなたがこのプロジェクトの担当責任者として業務を進めるに当たり、下記の内容について記述せよ。
(1) 対象とする構造物及び現場条件、設計あるいは施工のどちらであるのかを設定し、完成後の維持管理を最小化あるいは効率化するために調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。
(2) 留意すべき点、工夫を要する点を含めて業務を進める手順について述べよ。
(3) 業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。
Ⅱ-2-2 構築されてから50年を経過した構造物について、劣化点検診断を行い、補修更新工法を検討決定することとなった。あなたがこのプロジェクトの担当責任者として業務を進めるに当たり、下記の内容について記述せよ。
(1) 対象とする構造物及び現場条件を設定し、劣化点検診断および補修更新工法検討決定のプロセスにおいて調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。
(2) 本業務をどのようにマネジメントするか述べよ。
(3) 業務を効率的・効果的に進めるために発揮すべきリーダーシップについて述べよ。
Ⅲ-1 近年わが国では風水害や地震・津波などの自然災害が多発しており、想定外外力が構造物に作用することも想定した設計・施工・維持管理が求められるようになっている。そういった中、鋼構造またはコンクリートの分野においても、想定外外力に対するレジリエンスを有したものとすることが求められるが、そのためには想定外外力を受けた場合の構造物評価が重要である。このような状況を踏まえ、以下の問いに答えよ。
(1) 鋼構造コンクリート構造物および自然災害条件と想定外外力を設定し、想定外外力に対する的確な構造物評価とレジリエンスの確保を進めるにあたり、鋼構造コンクリートに携わる技術者の立場で多面的な観点から課題を3つ抽出し分析せよ
(2)(1)で抽出した課題のうち最も重要と思われる課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3)(2)で提示した解決策をすべて実行したうえで新たに生じうるリスクとそれへの対応について述べよ。
Ⅲ-2 新型コロナウィルス感染症対策は、非接触・リモート化を中心としたデジタル技術の活用を急速に推し進めたという側面がある。コロナ禍の収束とともに従来の働き方に戻る傾向も見られるが、コロナ禍以前から働き方改革の推進が求められていたことを踏まえると、今後も多様な働き方や働き手(ダイバーシティ)が社会的要求として強まっていくことが考えられる。このようなことを踏まえ、以下の問いに答えよ。
(1) 鋼構造コンクリート分野の技術者としての立場でダイバーシティ推進にあたっての課題を多面的な観点から抽出し分析せよ。
(2) (1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3)(2)で提示した解決策をすべて実行したうえで新たに生じうるリスクとそれへの対応について述べよ。
2022(令和4)年度作問
Ⅱ-1-1 鋼構造物の非破壊検査方法を3つあげて、検査方法と特徴について概説せよ。
Ⅱ-1-2 鋼構造物の架設工法を3つあげて、それぞれの特徴を述べるとともに、適用すべき現場条件を述べよ。
Ⅱ-1-3 高流動コンクリートについて、その特徴と種類を述べよ。また、設計・施工上の留意点について、2つ以上述べよ。
Ⅱ-1-4 現場打ちコンクリートの初期欠陥として発生するひび割れを3種類あげ、それぞれの発生原因・機構と、一般的な対策について述べよ。
Ⅱ-2-1 台風が頻繁に上陸する地域の海岸近くで鋼構造物あるいはコンクリート構造物の設計と建設建築計画がある。なおこの構造物は基本的にメンテナンス負担をできるだけ軽減することが求められている。あなたがこのプロジェクトの担当責任者として業務を進めるに当たり、下記の内容について記述せよ。
(1)対象とする構造物及び現場条件を設定し、設計から制作・建築・施工のプロセスにおいて調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。
(2)留意すべき点、工夫を要する点を含めて業務を進める手順について述べよ。
(3) 業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。
Ⅱ-2-2 冬季に積雪・凍結が頻繁にある中山間地域において、昭和30年代に構築され全体的に劣化が進行した鋼構造もしくはコンクリート構造物がある。この構造物は、構築年次はほぼわかっているものの、その後の使用状況の変化に伴って増築が行われたらしいが、当初の設計図面も含めて記録は失われている。この構造物の劣化調査と補強対策の立案を担当するにあたり、以下の問いに答えよ。
(1) 対象となる構造物を仮定し、調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。
(2) 留意すべき点、工夫を要する点を含めて業務を進める手順について述べよ。
(3) 業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。
Ⅲ-1 我が国における鋼構造コンクリート構造物は、1995年阪神・淡路大震災以来、大規模地震による地震動に耐え得るように基準の改定を繰り替えしてきた。しかしそれでもなお、特に構築から長期間経過した構造物を中心に、大規模災害の外力に対して変状が発生する事例が相次いでいる。さらに耐震補強を阻むような事情(予算制約、利用者配慮、近接構造物配慮など)もあって、大地震に対するレジリエンスが十分に確保されているとはいえない構造物もある。このような状況を踏まえ、以下の問いに答えよ。
(1) 対象となる鋼構造コンクリート構造物を想定し、耐震補強を阻むような事情がある構造物が今後予想される大規模地震動に対して強靱性を確保するうえでの課題となる事項について、鋼構造コンクリート技術者の立場で多面的な観点から課題を抽出し分析せよ。
(2)(1)で抽出した課題のうち最も重要と思われる課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3)(2)で提示した解決策をすべて実行したうえで新たに生じうるリスクとそれへの対応について述べよ。
Ⅲ-2 我が国は現在、人口減少・少子高齢化時代を迎え、建設業も担い手不足が今後ますます深刻化することが懸念される。そのような中で近年のICTの発展はめざましく、新型コロナウィルス感染症対策もあって非接触・リモート化が急速に進むなど、働き方・働き手の変化が今後ますます顕著になってくるものと予想される。データとデジタル技術を活用して、新規インフラ整備のみならず激甚化する災害への対策や老朽化するインフラ維持管理など、安全・安心で豊かな生活を国民に提供していく必要がある。このようなことを踏まえ、以下の問いに答えよ。
(1) 建設分野におけるデジタル・トランスフォーメーション(DX)の推進を踏まえ、鋼構造コンクリート分野の技術者としての立場で安全・安心で豊かな生活を国民に提供していく上での課題を多面的な観点から抽出し分析せよ。
(2) (1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3)(2)で提示した解決策をすべて実行したうえで新たに生じうるリスクとそれへの対応について述べよ。