2025.4.19 最終更新
建設部門 港湾空港
2024(令和6)年度作問
Ⅱ-1-1 次の(1)(2)のいずれかを選んで解答せよ。
(1) 港湾計画を策定する効果について述べるとともに、港湾計画で定める主な事項を4つあげ、そのうち2つについて内容を説明せよ。
(2) 空港の設置及び管理に関する基本方針の策定時に留意された事項を複数あげるとともに、同方針において掲げられている空港の設置及び管理にあたっての目標を3つ述べよ。
Ⅱ-1-2 コンクリート構造物のひび割れ部の予防保全的補修工法を3つあげ、内容を概説せよ。
Ⅱ-1-3 港湾・空港の埋立工事に伴う軟弱地盤対策工法について、原理が異なるものを3つ上げ、それぞれの特徴と長所・短所について説明せよ。
Ⅱ-1-4 港湾・空港のいずれかを選び、その建設工事に伴う環境負荷要因とその対策として考えられるものを2つあげて説明せよ。
Ⅱ-2-1 港湾計画又は空港計画に関して次の問いに答えよ。
(1) 次のいずれかを選び、想定した施設の内容と、施設計画を行う上で調査検討すべき自己委とその内容について述べよ。
(a) 港湾の岸壁を大型コンテナ船あるいは大型クルーズ船に対応して、供用を継続しつつ改築する場合
(b) 空港の滑走路について、供用を継続しつつ延長または増設を行う場合
(2) 業務を進める手順について、留意すべき点、工夫を要する点を含めて述べよ。
(3) 業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。
Ⅱ-2-2 港湾または空港の整備において、海上に100haを超える大規模な公有水面埋め立てを行うこととなった。あなたが担当責任者としてこの業務の計画書を作成するに当たり、以下の問いに答えよ。
<当該埋立地予定地の状況>
・本州中部付近の太平洋側海岸に位置している。
・平均水深は10~30mである。
・最寄りの海岸からは5km程度離れている。
・海底地盤は軟弱地盤で、既往資料によれば軟弱な沖積粘性土が30m程度堆積している。
・当該海域には漁業権設定はないが、最寄りの沿岸区域には区画漁業権および共同漁業権が設定されている。
(1)計画書を作成するにあたり検討・把握すべき事項について述べよ。
(2)業務を進める手順について、留意すべき点、工夫を要する点を含めて述べよ。
(3) 業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。
Ⅲ-1 港湾もしくは空港インフラの中には高度経済成長期に築造されたものもあり、今後も適切に維持管理しつつ持続的に活用していく必要がある。その一方で我が国は人口減少の中で担い手不足が深刻化しており、既存施設の点検診断を主とした維持管理に多くの人手をかけることが困難になりつつある。こういった状況の中、近年発展が目覚ましいデジタル技術を活用して効率的に維持管理することが求められている。このようなことを踏まえ,以下の問いに答えよ。
(1)港湾・空港のいずれかの分野を選び、デジタル技術を活用して既存施設を適切に維持管理・更新していくにあたっての課題を、技術者としての立場で多面的な観点から3つ抽出せよ。
(2) (1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3) (2)で示した解決策をすべて実行したうえで新たに生じうるリスクとそれへの対応について述べよ。
Ⅲ-2 令和6年能登半島地震では石川県を中心に22港で被害が発生したが、北陸地域では港湾BCPが策定されており、迅速な応急復旧の実施や円滑な関係者間調整等に寄与した。その一方で港湾BCPが策定されていたのは七尾港のみで、それも実際の災害時に港湾BCPに沿った災害対応の困難さ、平時訓練の重要性が確認された。空港においても、台風等の異常気象時に浸水やアクセス遮断、多数の滞留者発生などを経験してきており、空港施設のみならず空港アクセス等を含む機能と一体となって正常に機能することも認識されるに至っている。このようなことを踏まえ、以下の問いに答えよ。
(1)港湾・空港のいずれかの分野を選び、地震(津波を含む)や台風等の異常気象に対して、物流・人流への影響を最小限に抑えられる強靱な港湾・空港とする上で克服すべき課題について、技術者としての立場で多面的な観点から3つ抽出せよ。
(2) (1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3) (2)で示した解決策をすべて実行したうえで新たに生じうるリスクとそれへの対応について述べよ。
2023(令和5)年度作問
Ⅱ-1-1 次の(1)(2)のいずれかを選んで解答せよ。
(1) 港湾施設の点検診断について、通常時と異常時に分けて点検診断の実施時期あるいは頻度と内容について述べよ。
(2) 空港施設の点検頻度は、施設の影響度区分および施設の重要度区分によってランク分けされるべきであるが、この影響度区分・重要度区分から影響度が高いと思われる施設について、エアサイド(航空機の運行への影響に着目)とランドサイド(人命への影響に着目)の両視点から複数例示せよ。
Ⅱ-1-2 次の(1)(2)のいずれかを選んで解答せよ。
(1) 防波堤の安定計算に通常用いる外力について3つ以上をあげて概説せよ。
(2) 滑走路の長さを決定するに当たっての検討条件について3つ以上をあげて概説せよ。
Ⅱ-1-3 港湾の埋立工事に伴う濁水拡散予測と航空機の離発着に伴う騒音予測のいずれかを選び、予測計算方法とその選定・設定について説明せよ。
Ⅱ-1-4 粘性土の地盤調査では、自然含水比、液性限界、塑性限界を求める。これらの土質定数を設計においてどのように活用すべきか説明せよ。
Ⅱ-2-1 港湾または空港の施設において、供用を継続しつつ老朽化が著しい箇所の補修補強を実施したい。ただし老朽化の状況については未調査である。あなたが担当責任者としてこの業務を進めるに当たり、以下の問いに答えよ。
(1) 補修補強対象とする施設を想定し、その内容を述べるとともに、調査、検討すべき事項とその内容について述べよ。
(2) 業務を進める手順について、留意すべき点、工夫を要する点を含めて述べよ。
(3) 業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。
Ⅱ-2-2 大型クルーズ船が寄港する港湾または国際航路を有する海上空港の整備において、巨大地震とそれに伴う津波に対応するための施設改良計画および防災減災を策定することとなった。あなたが担当責任者としてこの計画書を作成するに当たり、以下の問いに答えよ。
(1) 計画書を作成するにあたり検討・把握すべき事項について述べよ。
(2) 本業務をどのようにマネジメントするか述べよ。
(3) 業務を効率的・効果的に進めるために発揮すべきリーダーシップについて述べよ。
Ⅲ-1 港湾もしくは空港インフラを持続的に活用していくためには、老朽化対策が重要な課題である。その一方で港湾・空港施設は、補修等のために長期・大幅な使用制限をかけることがむずかしい施設であることから、供用期間中に要求性能を満たさなくなる状態に至らないように、計画的かつ適切に維持される必要がある。このようなことを踏まえ,以下の問いに答えよ。
(1)港湾・空港のいずれかの分野を選び、施設老朽化の特徴を述べるとともに、これを適切に維持管理・更新していくにあたっての課題を、技術者としての立場で多面的な観点から抽出し分析せよ。
(2) (1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3) (2)で示した解決策をすべて実行したうえで新たに生じうるリスクとそれへの対応について述べよ。
Ⅲ-2 我が国を来訪する外国人観光客はコロナ禍で激減したものの、今後は再び増加していくことが期待される。その入国経路は航路もしくは空路であり、これらの受け入れ施設は港湾もしくは空港であるが、港湾に関してはクルーズ船の大型化と寄港の頻度増大、空路に関してはLCC参入に伴う国際空路の活性化により、施設整備が追いついていない状況がコロナ禍前に見られたことから、今後も引き続き取組みが必要である。このようなことを踏まえ、以下の問いに答えよ。
(1)港湾・空港のいずれかの分野を選び、外国人観光客受け入れ施設の整備および運用にあたっての課題問題点、克服すべき課題について、技術者としての立場で多面的な観点から3つ抽出し、それぞれの観点を明確にしたうえで説明せよ。
(2) (1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3) (2)で示した解決策をすべて実行したうえで新たに生じうるリスクとそれへの対応について述べよ。
2022(令和4)年度作問
Ⅱ-1-1 次の(1)(2)のいずれかを選んで解答せよ。
(1) 港湾の中長期政策であるPORT2030について、背景と政策の概要および方向性について概説せよ。
(2) 成田空港の新基本計画について、具体的内容を3点以上あげて説明せよ。
Ⅱ-1-2 次の(1)(2)のいずれかを選んで解答せよ。
(1)「港湾の施設の技術上の基準」が改訂され、平成30年4月から関係法令施行されているが、その狙いと改訂内容の概要を説明せよ。
(2) 「空港舗装維持管理マニュアル」が令和2年4月に一部改正されたが、主な改正内容について述べよ。
Ⅱ-1-3 次の(1)(2)のいずれかを選んで解答せよ。
(1) 岸壁のエプロン舗装におけるスリップバーとタイバーの内容と設置目的を述べよ。
(2) 空港における広域マルチラテーション(WAM)について概説するとともに、現行のマルチラテーションをWAMに高度化することのメリットを述べよ。
Ⅱ-1-4 港湾・空港のいずれかを選び、海域の埋め立て工事に伴う環境負荷要因とその対策として考えられるものを2つあげて説明せよ。
Ⅱ-2-1 下図に示すような自然堆積地盤上に捨石式の緩傾斜護岸を構築し、その背後に砂質土( 砂礫)による埋立てを実施して港湾または空港用地を造成する計画がある。あなたがこの業務を設計から施工までの担当責任者として進めるに当たり、下記の内容について記述せよ。
(1) 調査、検討すべき事項とその内容について述べよ。
(2) 業務を進める手順について、留意すべき点、工夫を要する点を含めて述べよ。
(3) 業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。
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Ⅱ-2-2 大地震に伴う地震動や大津波、大型台風の襲来等に伴う高潮といった大規模自然災害に伴う被災リスクに備えて、港湾施設もしくは海上空港の事業継続計画を策定することとなった。港湾または空港のいずれかを選び、あなたがこの業務を担当責任者として進めるにあたり、下記の内容について記述せよ。
(1) 調査、検討すべき事項とその内容について述べよ。
(2) 業務を進める手順について、留意すべき点、工夫を要する点を含めて述べよ。
(3) 業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。
Ⅲ-1 世界の物流・人流はますますグローバル化している。港湾においては、物流面では海上輸送量の増加に伴うコンテナ及びバルク貨物輸送船舶、また人流面ではクルーズ船がともに大型化し、寄港に必要な岸壁整備やロジスティクスの効率化が喫緊の課題である。また空港においては、今後も伸びが期待されるアジア発着貨物を取り込み、LCCを中心に増大する離発着便数ニーズに対応するための空港施設の整備が強く求められている。このようなことを踏まえ、以下の問いに答えよ。
(1)港湾・空港のいずれかの分野を選び、国際競争力を強化していくための課題を、技術者としての立場で多面的な観点から抽出し分析せよ。
(2) (1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3) (2)で示した解決策に共通して新たに生じうるリスクとそれへの対応について述べよ。
Ⅲ-2 日本の総人口は、 2008年をピークに減少に転じており、我が国はこれまで経験したことのない高齢化社会を迎えつつある。建設業界においては、熟練労働者の高齢化などによる労働力不足が顕在化しており、港湾及び空港分野においても労働力不足が種々の問題を生じさせている。一方で近年のICT/IoTの技術的進歩はめざましく、これを積極的に取り入れていくことによって労働力不足を補い生産性を維持向上させていくことが求められている。このようなことを踏まえ、以下の問いに答えよ。
(1)港湾・空港のいずれかの分野を選び、労働力不足を補い生産性を維持向上させていくための課題を、技術者としての立場で多面的な観点から抽出し分析せよ。
(2) (1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3) (2)で示した解決策に共通して新たに生じうるリスクとそれへの対応について述べよ。