2025.5.28 最終更新

2025(令和7)年度作問 

Ⅱ-1-1 

交通容量とは、ある断面を1時間に通過し得る乗用車台数であるが、基準交通容量、可能交通容量、設計交通容量のそれぞれについて概要を説明するとともに、交通容量補正にあたり留意すべき点について述べよ。

Ⅱ-1-2 

「生活道路対策エリア」に地方公共団体が主体的に取り組む内容について、3つ以上の段階を示し、実施すべき内容について述べよ。

Ⅱ-1-3 

 アスファルト舗装は表層、基層、路盤からなるが、それぞれについて役割と材料・施工方法等について説明せよ。

Ⅱ-1-4 

 軟弱地盤対策工法について3つあげ、それぞれの概要と期待される効果について説明せよ。

Ⅱ-2-1 

 ある地方都市(人口10万人~30万人程度を想定せよ)の市街地にある信号交差点において、老朽化した歩道橋を撤去して横断歩道を新設することとなった。この交差点では歩道が狭く、通勤通学時間帯に歩行者と自転車が接触する事故が頻発していることも問題となっているため、歩道橋撤去に合わせて歩道拡幅も行うこととなった。
 横断歩道撤去と歩道拡幅計画の担当者として、以下の内容について記述せよ。

(1) 調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。
(2) 業務を進める手順について、留意すべき点、工夫を要する点を含めて述べよ。
(3) 業務を効率的・効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。

Ⅱ-2-2 

 暫定2車線で開通している高規格道路の土工区間において、4車線化事業を行うこととなった。橋梁構造物等、追加車線の線形を規定するような箇所は区間内にない一方で、事業区間の隣接区間には、施工時に切士のり面が地すべり性地山であると判明し、グラウンドアンカー工による対策を実施して供用している箇所がある。同様の地山を切土する、本事業の計画・設計を担当する責任者として、下記の内容について記述せよ。

(1) 調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。
(2) 業務を進める手順について、留意すべき点、工夫を要する点を含めて述べよ。
(3) 業務を効率的・効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。

Ⅲ-1

我が国の地方都市における公共交通は、人口減少、高齢化、モータリゼーションの進展といった社会構造変化を背景に衰退しており、地域住民の利便性低下や高齢者運転による事故の増加など、様々な問題を引き起こしている。このような中、都市の将来ビジョンの上に立脚して、場当たり的でない地域公共交通計画を再編することが強く求められている。このような状況を踏まえ、以下の問いに答えよ。

(1) 地域公共交通計画の再編に向けて、道路技術者としての立場で多面的な観点から課題を抽出し分析せよ。

(2) (1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。

(3) (2)で提示した解決策をすべて実行した上で新たに生じうるリスクとそれへの対策について述べよ。

Ⅲ-2 

 大都市圏における慢性的な交通渋滞、地方都市における公共交通の衰退など、我が国における道路交通は多くの問題をはらんでいる。一方で近年のデジタル技術の発展を目を見張るものがあり、このデジタル技術を活用して交通システム全体を革新し、利便性や効率性、持続可能性を高める交通DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進が強く求められている。このような状況を踏まえ、以下の問いに答えよ。

(1) 交通DX導入により解決が期待できる道路交通の様々な課題について、技術者としての立場で多面的な観点から抽出し分析せよ。

(2) (1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。 (3) (2)で提示した解決策をすべて実行した上で新たに生じうるリスクとそれへの対策について述べよ。

2024(令和6)年度作問 

Ⅱ-1-1 「道の駅」第3ステージについて、第1ステージおよび第2ステージと比較して、特に求められる役割を中心に説明せよ。

Ⅱ-1-2 無電柱化を低コストで推進するための手法を、低コスト埋設方法を含めて3つ以上あげて概要を述べよ。

Ⅱ-1-3 アスファルト舗装とコンクリート舗装について、コスト、施工性、維持管理、環境負荷の4点でメリット・デメリットを比較的に示せ。

Ⅱ-1-4 軟弱地盤上に道路盛土を構築する場合において、供用開始までに時間的余裕がある場合と余裕がない場合に考えられる対策工法をそれぞれ2つずつあげて概説せよ。

Ⅱ-2-1 地方都市(人口10万人)の市街地を貫通する一般道(3種2級、片側2車線、交通量20,000台/12h)がある。通勤等の生活交通による渋滞が日常化しているが、沿線は田畑と建物(民家や店舗)が半々程度で、建物が連担するところもある。早期の効果発現とコスト縮減のため、既存ストックの有効活用による一般道路の渋滞対策が求められた。
あなたが担当者として、当該道路の交通渋滞対策を立案することになったものとして、以下の問いに答えよ。
(1) 調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。
(2) 業務を進める手順について、留意すべき点、工夫を要する点を含めて述べよ。
(3) 業務を効率的・効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。

Ⅱ-2-2 中心市街地にある幅員が5mの歩道のない、両側に民家が連担している生活道路において、通勤通学時間帯における、いわゆる抜け道利用があり、最近通学児童と抜け道利用乗用車の接触事故が発生した。当該児童は軽傷であったが、これを機に通学児童の安全対策が保護者及び学校関係者等から安全対策を強く要望されるに至った。
当該安全対策事業の担当責任者として、以下について述べよ。
(1) 調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。
(2) 業務を進める手順について、留意すべき点、工夫を要する点を含めて述べよ。
(3) 業務を効率的・効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。

Ⅲ-1 「道の駅」は制度創設以来、四半世紀が経過し、全国で1160駅に展開、年間2億人以上の方々に利用され、提供するサービスに対して更なる期待が高まるとともに、防災や観光、福祉など多様な社会ニーズへの対応も求められている。これを踏まえ、2020年からを「道の駅」第3ステージとして位置づけ、さらなる役割の拡大、地域活性化の拠点となるべく取り組みを進めているところである。このような状況を踏まえ、以下の問いに答えよ。
(1) 「道の駅」のさらなる役割拡大に向けて、道路技術者としての立場で多面的な観点から課題を抽出し分析せよ。
(2) (1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3) (2)で提示した解決策をすべて実行した上で新たに生じうるリスクとそれへの対策について述べよ。

Ⅲ-2 我が国の地域旅客運送サービスは、住民の豊かな暮らしの実現や地域の社会経済活動に不可欠であるにもかかわらず、近年、人口の急激な減少や地域公共交通を担う運転者不足の深刻化、ライフスタイルの変化等に伴い、地方部をはじめとして、民間事業者による運送サービスの提供の継続が困難となる地域が増加している。さらに、民間事業者による運送サービスの提供が可能なエリアにおいても、居住や都市機能の誘導といったまちづくり施策や、近年の訪日外国人観光客の急増も踏まえた、交流人口を増加させるための観光施策などと十分に連携して交通施策を進めることが重要となっている。このような状況を踏まえ、以下の問いに答えよ。
(1) 地域旅客サービスの継続に向けて、技術者としての立場で多面的な観点から課題を抽出し分析せよ。
(2) (1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3) (2)で提示した解決策をすべて実行した上で新たに生じうるリスクとそれへの対策について述べよ。 

2023(令和5)年度作問 

Ⅱ-1-1 道路事業と併せた電線共同溝整備について、推進に至った背景・経緯について述べるとともに、具体的な整備手法を複数あげて概説せよ。

Ⅱ-1-2 交通容量とは、ある断面を1時間に通過し得る乗用車台数であるが、基本交通容量、可能交通容量、設計交通容量のそれぞれについて概要を説明するとともに、交通容量補正にあたり留意すべき点について述べよ。

Ⅱ-1-3 アスファルト舗装のひび割れ、わだち掘れの破損について、それぞれ主な原因および補修方法について説明せよ。

Ⅱ-1-4 道路の切土のり面・斜面の崩壊を抑制・抑止する工法について3つあげ、それぞれの概要と期待される効果について述べよ。

Ⅱ-2-1 人口20万人程度の地方都市の鉄道駅にアクセスする生活道路がある。当該道路は4種3級で車道および路肩は道路構造令に沿っているが、歩道幅員は1.5mで自転車は歩道を走ったり路肩を走ったりしている。沿線は民家が連担しており、用地の追加買収は困難である。また横断信号が1カ所あり、自転車通学の中学生と信号待ちの小学生の接触事故が発生した履歴がある。
あなたが担当者として、当該道路の交通安全対策を立案することになったものとして、以下の問いに答えよ。
(1) 調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。
(2) 業務を進める手順について、留意すべき点、工夫を要する点を含めて述べよ。
(3) 業務を効率的・効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。

Ⅱ-2-2 市街地において、老朽化した渡河橋(L=100m、4径間、片側1車線)の改修工事を実施することとなった。高架橋の起点側は市街地、終点側は300mほど先に幹線道路との交差点があり、朝の通勤時間帯には2回程度の信号待ちが発生するが滞留長は高架橋までは延びていない。また橋梁は劣化が進行し床版打ち替えを余儀なくされている。迂回路は1kmほど離れた別の渡河橋がある。補修設計あるいは補修工事の担当責任者として、以下について述べよ。
(1) 設計担当者あるいは施工担当者の立場を明示したうえで、調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。
(2) 本業務をどのようにマネジメントするか述べよ。
(3) 業務を効率的・効果的に進めるために発揮すべきリーダーシップについて述べよ。

Ⅲ-1 新型コロナ禍でも物流交通は維持されたが、トラックドライバーの担い手不足が顕在化しつつある中、我が国は諸外国に比べ都市間連絡速度が遅く、高速道路・一般道における渋滞の発生もあって、高速道路と交通拠点とのアクセス向上が急務である。その一方で、新たな国土構造や経済のグローバル化、さらに自動運転実用化などのデジタル技術の発展といった物流を大きく変換し得る潮流もある。このような状況を踏まえ、以下の問いに答えよ。
(1) 我が国の国際競争力を支える物流機能を維持向上させていく上で、道路技術者としての立場で多面的な観点から課題を抽出し分析せよ。
(2) (1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3) (2)で提示した解決策をすべて実行した上で新たに生じうるリスクとそれへの対策について述べよ。

Ⅲ-2 新型コロナウィルス感染症の影響で、観光関係業界、交通関係業界等を中心に、利用者数や予約が大幅に減少し、経営に極めて大きな影響が出ている。特に地域の存続基盤として重要な地域公共交通は、コロナ禍以前から経営が困難化していたが、コロナ禍により利用者がさらに減少しているとともに、コロナ禍収束後においてもコロナ禍以前と同等まで回復しないおそれがあるなど、経営環境が非常に厳しい状況となっている。これにより、人口減少及び都市集中と相まって、生活必需サービスの維持が困難となり、地域の存続自体も危うくなるおそれがある。このような状況を受けて、地域公共交通の持続性を確保することが喫緊の課題となっている。このような状況を踏まえ、以下の問いに答えよ。
(1) 地域公共交通維持に向けて、技術者としての立場で多面的な観点から課題を抽出し分析せよ。
(2) (1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3) (2)で提示した解決策をすべて実行した上で新たに生じうるリスクとそれへの対策について述べよ。

2022(令和4)年度作問 

Ⅱ-1-1 平成3年4月に「踏切道改良促進法等の一部を改正する法律」が施行されたが、課題のある踏切道の改良を促進するために講じられた内容および災害時における踏切道の適確な管理を図るために講じられた内容について概説せよ。

Ⅱ-1-2 ゾーン30等も念頭に置いて、生活道路の交通安全対策を目的の視点で3つに大別し、それぞれの具体策を2つ以上述べよ。

Ⅱ-1-3 平成28年10月の「舗装点検要領」においては、道路管理者は管内の道路をA~Dの分類に区分し、それぞれに応じた点検等を実施することが規定されている。この内容を説明せよ。

Ⅱ-1-4 軟弱粘性土地盤上に盛土道路を構築した場合に予想される変状を3つあげて概要を述べた上で、それらの変状を最小化する対策工法を、基本的な理論・考え方の異なるものを2つあげて概要と適用にあたっての留意点を述べよ。

Ⅱ-2-1 バイパス整備が完了し市内の交通状況に変化が生じている地方都市において、中心部の4車線の幹線道路について,歩行者と自転車の輻轄による危険性解決や地域のにぎわい・快適空間の創出を目的として、道路空間の再配分を検討することとなった。この検討業務を担当する責任者として、以下の内容について記述せよ。
(1) 調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。
(2) 業務を進める手順について、留意すべき点、工夫を要する点を含めて述べよ。
(3) 業務を効率的・効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。

Ⅱ-2-2 政令指定都市において、土被り10m程度の地下式の道路が計画されている。地盤は砂質土が主体であるがN値4回前後と柔らかく、地下水位はGL―1m程度と高い。基本計画段階での説明会では、地元住民から地下水の流動阻害による影響懸念が提示されている。この事業の設計担当責任者として、以下の内容について記述せよ。
(1) 調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。
(2) 業務を進める手順について、留意すべき点、工夫を要する点を含めて述べよ。
(3) 業務を効率的・効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。

Ⅲ-1 我が国の地方都市の多くでコンパクト+ネットワークによる都市再編が進められつつあるが、これによって集約された都市圏同士を道路ネットワークで結んでブロック都市圏を形成することによって、一定以上の人口規模を保ったブロック都市圏を形成することで都市インフラの最適化を促し、人口減少時代における地方都市の活性化につなげる必要がある。そしてさらにブロック都市圏間を道路ネットワークで結び、物流・人流の活性化を促すことで、競争力のある社会経済を形成できると期待される。このように道路ネットワークは重要なものであるが、高規格道路ネットワークと一般道路ネットワークを比較すると、両者の間では旅行速度が大きく異なり、前述のような地方都市間交流の活性化のためには新たな広域道路ネットワークの形成が必要である。このような状況を踏まえ、以下の問いに答えよ。
(1) ブロック都市圏間の交流活性化をめざす上で、道路技術者としての立場で多面的な観点から課題を抽出し分析せよ。
(2) (1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3) (2)で提示した解決策をすべて実行した上で新たに生じうるリスクとそれへの対策について述べよ。

Ⅲ-2 我が国では人口減少や少子高齢化が進行し、ソーシャルキャピタルの低下等の課題を抱える一方で、知識集約型経済の拡大やグローバル化に伴う都市間競争の加速、働き方改革やワークライフバランスの重視等の働き方の多様化が進んでおる。こういった中、Walkable(ウォーカブル):歩きたくなる・Eye level(アイレベル):まちに開かれた1階・Diversity(ダイバーシティ):多様な人の多様な用途・Open(オープン):開かれた空間が心地良いといった特徴を持つ「居心地が良く歩きたくなる」まちなかの創出が求められている。これらの状況を踏まえ,以下の問いに答えよ。
(1)「居心地が良く歩きたくなる」まちなかの創出に向けて、技術者としての立場で多面的な観点から課題を抽出し分析せよ。
(2) (1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3) (2)で提示した解決策をすべて実行した上で新たに生じうるリスクとそれへの対策について述べよ。