2025.4.19 最終更新

2024(令和6)年度作問 

Ⅱ-1-1 エコロジカル・ネットワーク(生態系ネットワーク)について概説し、構成する地域等とそれぞれの役割について述べよ。

Ⅱ-1-2 騒音もしくは振動のうち1つを選び、建設工事に伴って発生する騒音もしくは振動の規制について説明するとともに、低減策について発生源におけるものと伝搬経路におけるものを1つずつあげて概説せよ。

Ⅱ-1-3 地球温暖化対策の緩和策と適応策について概説するとともに、建設分野における取り組み例をそれぞれ3つずつあげよ。

Ⅱ-1-4 再生可能エネルギーを3つあげ、原理と実施時の環境負荷を概略的に説明せよ。

Ⅱ-2-1 自然度の高い里山~山地において、環境影響評価法第一種事業が計画されている。環境影響評価のうち配慮書手続きを担当者として進めるに当たり、以下の問いに答えよ。
(1) 建設事業の内容および開発地域の自然環境・生活環境について概況を設定し、配慮書手続を進めるにあたって調査検討すべき事項とその内容について説明せよ。
(2) 業務を進める手順を列挙して、留意すべき点、工夫を要する点を述べよ。
(3) 業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。

Ⅱ-2-2 環境影響評価法の対象とはならない程度(第一種事業の30%程度の規模)の生活環境への影響が懸念される建設事業において、影響についての調査・予測、環境保全措置の検討を行うに当たり、以下の問いに答えよ。
(1) 建設事業を1つ選び、その概要を想定して述べるとともに、工事中、構築物の存在、供用の各段階において、最も大きな影響が考えられる環境要素(ただし生活環境に限る)を各段階1つずつ選び、環境保全措置を講じるにあたって調査検討すべき事項とその内容について述べよ。
(2) 業務を進める手順を列挙して、留意すべき点、工夫を要する点を述べよ。ただし業務の範囲は環境保全措置の提案までとし、その後のモニタリング等は含めないものとする。
(3) 業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。

Ⅲ-1 地球温暖化に伴う気候変動が国内外の自然環境や社会経済にもたらす影響の深刻化がより一層懸念されるなど、環境分野における更なる対策の充実・強化が求められる状況となってきている。我が国においても2030年度の新たな温室効果ガス削減目標として46%削減を目指し、さらに50%の高みに向けて挑戦を続けることとし、その実現に向けて、2021年には、「地球温暖化対策計画」、「エネルギー基本計画」、「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略」、「気候変動適応計画」が改定された。このような状況を踏まえ、以下の問いに答えよ。
(1) 持続化の社会の実現に取り組んでいくうえでの課題となる事項について、建設分野全般にわたる幅広い視点から3つあげよ。
(2) (1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3) (2)で提示した解決策をすべて実行した上で新たに生じうるリスクとそれへの対策について述べよ。

Ⅲ-2 人口減少・少子高齢化に伴う過疎化や担い手不足、気候変動に伴う災害の激甚化、高度経済成長期に集中的に構築された社会資本の急激な老朽化など、我が国を取り巻く情勢は厳しい。そのようななか、SDGsのゴール11「住み続けられるまちづくりを」の実現に向けて、グリーンインフラがもたらす多面的な効果を活かして快適で強靱なまちを構築する取組みが進められつつある。
このような状況を踏まえ、以下の問いに答えよ。
(1)ら自然環境が持つ機能を活用し、防災・減災、地域振興、環境保全に取り組むにあたり課題となる事項について、幅広い視点から3つあげよ。
(2) (1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3) (2)で提示した解決策をすべて実行した上で新たに生じうるリスクとそれへの対策について述べよ。

2023(令和5)年度作問 

Ⅱ-1-1 生物多様性の危機を4つあげて、それぞれ具体例をあげて説明せよ。

Ⅱ-1-2 環境影響評価法に基づく環境影響評価において作成する書類等(例:準備書)を5つあげ、それぞれに記載すべき事項について簡潔に述べよ。

Ⅱ-1-3 建設副産物を、建設廃棄物を含む3分類して説明するとともに、建設廃棄物のうち産業廃棄物の最終処分方法について3分類して説明せよ。

Ⅱ-1-4 大気質、水質、騒音、振動の中から1つを選び、建設工事に伴い発生が考えられる環境負荷を2つと、それぞれに対する負荷低減策を述べよ。

Ⅱ-2-1 ある建設事業によって生態系への影響が懸念される区域がある。あなたは建設環境の技術士として、工事実施に伴う生態系に対する影響を予測・評価し、環境保全措置を検討することになった。建設事業と生態系の内容を想定した上で、当該業務に関する以下の問いに答えよ。
(1) 建設事業の内容および生態系を想定し、生態系への影響を予測評価し環境保全措置を検討するにあたって調査検討すべき事項とその内容について説明せよ。
(2) 業務を進める手順を列挙して、留意すべき点、工夫を要する点を述べよ。ただし環境保全措置を決定するまでの過程までにとどめ、その後の住民説明や工事中および工事後のモニタリング等は省略してよい。
(3) 業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。

Ⅱ-2-2 環境影響評価法の対象とはならない程度(第一種事業の30%程度の規模)の建設事業に伴い、あなたが建設環境の技術士として環境に及ぼす影響を予測評価するにあたり、以下の問いに答えよ。
(1) あなたが想定した建設事業および事業対象地の概要を述べるとともに、調査予測評価を行なうべき環境要素について述べよ。
(2) 業務を進める手順を列挙して、留意すべき点、工夫を要する点を述べよ。ただし公告縦覧や説明会の実施は省略してよい。
(3) 業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。

Ⅲ-1 我が国はかつてない人口減少・少子高齢化局面に入っており、生産労働人口の減少が顕著になるとともに、人口の地域的な偏在も加速していくとされている。すでに中山間地域においては、人為の減少に伴ってシカやイノシシ等の繁殖による森林・農地の荒廃が進んでいるとされ、里地里山の維持が危ぶまれている。また都市部では水や緑と都市機能の共存が強く求められる中、孤立した数少ない緑地をいかにしてつないでいくかが課題となっている。このような状況を踏まえ、以下の問いに答えよ。
(1) 現在の我が国において、国民生活や社会経済活動と自然環境の共存を図るうえでの課題となる事項について、幅広い視点から3つ以上あげよ。
(2) (1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3) (2)で提示した解決策をすべて実行した上で新たに生じうるリスクとそれへの対策について述べよ。

Ⅲ-2 我が国はかつてない人口減少・少子高齢化局面に入っており、生産労働人口の減少が顕著になるとともに、人口の地域的な偏在も加速していくとされている。我が国のあらゆる技術分野での生産性の維持向上なしには、国民の安心安全や社会経済活動を維持できず、国際競争力も低下していくことが懸念される。
このような状況を踏まえ、以下の問いに答えよ。
(1)建設部門建設環境科目の分野において、生産性を維持向上していくうえでの課題となる事項について、幅広い視点から3つ以上あげよ。
(2) (1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3) (2)で提示した解決策をすべて実行した上で新たに生じうるリスクとそれへの対策について述べよ。

2022(令和4)年度作問 

Ⅱ-1-1 生物多様性第3の危機について、建設事業において配慮すべき事項を3つあげて、生物多様性に与える影響の内容と考えられる対策について述べよ。

Ⅱ-1-2 環境影響評価法における報告書について、作成・公表等の目的と期待される効果について解説し、記載事項を3つ以上述べよ。

Ⅱ-1-3 建設副産物に関する3Rのそれぞれについて、建設事業における代表的な取り組みを例示して、現状と今後望まれる取り組みについて概説せよ。

Ⅱ-1-4 騒音規制法もしくは振動規制法のどそれぞれから特定建設作業を1つずつあげて、その特性と施工上の留意点について述べよ。

Ⅱ-2-1 梅雨末期豪雨による氾濫水害が発生した二級河川(延長34 km、流域面積460 km²)がある。氾濫発生箇所は河口から10kmの地点で、河川幅150mで複断面の右岸側が破堤し、谷底平野の圃場と一部住宅地が浸水被害を受けた。
復旧事業としては、河川堤防の再構築と再度災害防止策(天端から裏法にかけての被覆、根固工の施工および河床掘削)が計画されている。その他の情報は下記の通りである。
・生活環境の保全に関する環境基準はA類型で、過去10年間抵触した記録はない。
・支流ではホトケドジョウの生息が確認されている。
・サギ等の鳥類が水域生態系の上位性種と推定される。
・周辺山地にはツキノワグマ、ニホンザル、ニホンジカ、ニホンイノシシ等が生息しており、復旧事業対象地付近の高水敷ではニホンジカやニホンイノシシが多数目撃され、ねぐら利用も考えられる。
・猛禽類としてはトビ、ノスリ、ミサゴ等が目撃されているが、いずれも営巣地あるいは止まり木は当該河川からは2km以上離れていると推定される。
・アユ等の内水面漁業権が設定されている。また当該区間の直下流に圃場灌漑用の頭首工がある。さらに下流側市街地の上水道水源(伏流水利用)がある。
・周辺地域は圃場と集落で、都市計画用途区域には指定されていない。
・復旧事業の工事用道路は農道を主に利用するが、一部が集落直近を通過する。
以上のような状況での復旧作業にあたり、河川の自然環境保全や工事に伴う生活環境保全を求める市民の声に応えて、河川管理者はいわゆる自主アセスを行うことを決めた。8月中に実施計画を策定して地域住民等の同意を得て、9月から11月の2ヶ月間で現地調査から予測評価、環境保全措置の決定までを行って12月に着工する予定である。当該環境影響評価の担当責任者として業務を行うに当たり、下記の内容について記述せよ。
(1) 本業務に関して調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。
(2) 業務を進める手順について、留意すべき点、工夫を要する点を含めて述べよ。
(3) 業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。

Ⅱ-2-2 人口数万人程度の地方都市において、環境影響評価法第二種事業に該当する面的開発が計画されている。なお、開発地域は同都市の中心市街地から5kmほど離れた山裾部に計画されており、現況は耕作地~植林地~雑種地である。直近集落までは1kmほど離れており、開発地から市街地を経由して、市街地が面する海岸に流下する、幅数m程度の小さな川がある。スクリーニングの結果、環境影響評価法に基づく環境影響評価を実施することになった。環境影響評価の担当者として、以下の問いに答えよ。
(1) 事業音内容を想定するとともに、調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。
(2) 業務を進める手順について、留意すべき点、工夫を要する点を含めて述べよ。
(3) 業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。

Ⅲ-1 建設環境分野においては、自然現象を対象とすることが多いが、動物の行動や水質変化などに合わせて現地調査を行わなければならず、さらに動植物の同定など高度な専門技術力を求める分野もあって、過重労働に陥りやすい傾向にある。
一方、近年のICT関連技術の発展はめざましく、特にセンシング技術やAI技術は前述のような分野で負担軽減、働き方改革の実現に寄与するものと期待される。
このような状況を踏まえて、次の問いに答えよ。
(1) 建設環境分野における働き方改革の実現に当たって、技術者としての立場で多面的な観点から課題を抽出し分析せよ。
(2) (1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3) (2)で提示した解決策をすべて実行した上で新たに生じうるリスクとそれへの対策について述べよ。

Ⅲ-2 大都市圏における新型コロナ感染症の拡大とテレワークの促進などに伴い、大都市圏から転出して地方への移住や二地域居住を選び、社会経済活動にも積極的に参加しつつ豊かな自然環境の恵みを享受しようとする新たな暮らし方・住まい方が生まれつつある。こうした動きは、都市圏と地方の人的交流や相互補完を促し、地域循環共生圏の実現にも寄与するものと思われる。このような状況を踏まえて、以下の問いに答えよ。
(1) 新たな働き方・暮らし方が生まれつつある中での地方の活性化について、建設環境分野の技術者としての立場で多面的な観点から課題を抽出し分析せよ。
(2) (1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3) (2)で提示した解決策をすべて実行した上で新たに生じうるリスクとそれへの対策について述べよ。