2025.4.19 最終更新

2024(令和6)年度作問 

Ⅰ-1 地方を中心に、人口減少・少子高齢化、過疎化・東京圏への一極集中、地域産業の空洞化といった課題に直面している。その一方で近年急速に発展するデジタル技術の活用により、地域の個性を活かしながら、地方の社会課題の解決し地方の活性化を推進することが求められている。このような現況を踏まえて、以下の問いに答えよ。
(1) デジタルの力を活用した地方の社会課題解決を進めるにあたり、技術者としての立場で多面的な観点から課題を抽出し分析せよ。
(2) 抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3) 全ての解決策を実行した上で新たに生じうるリスクとそれへの対策について述べよ。
(4) 業務遂行において必要となる要件を、技術者としての倫理と持続可能性の観点から述べよ。

Ⅰ-2 我が国は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、2050年カーボンニュートラルを実現するとともに、健全で効率的な廃棄物処理及び高度な循環経済の実現に向けた対応をすることで、グリーン産業の発展を通じた経済成長へとつながり、経済と環境の好循環が生み出されるような社会を目指している。そしてそのためには、革新的環境イノベーション技術の研究開発や低コスト化の推進が必須である。
このような現況を踏まえて、以下の問いに答えよ。
(1) 我が国社会が2050年カーボンニュートラルをはじめとした地球規模環境問題を克服するために革新的環境イノベーション技術の研究開発・低コスト化を推進するにあたっての課題を、技術者としての立場で多面的な観点から3つ抽出し分析せよ。
(2) 抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3) 全ての解決策を実行した上で新たに生じうるリスクとそれへの対策について述べよ。
(4) 業務遂行において必要となる要件を、技術者としての倫理の観点から述べよ。

2023(令和5)年度作問 

Ⅰ-1  近年、我が国の研究力の低下が指摘されている。我が国における研究開発費は必ずしも低い水準にあるわけではないものの、大学においては研究時間が取れない、研究資金が足りないなどの意見が多く聞かれる。また我が国が抱える課題として、研究開発の成果が現実の課題の解決や社会実装に結びつかない場合があることが指摘されている。
このような現況を踏まえて、以下の問いに答えよ。
(1) 我が国における研究力の維持向上とその成果の社会実装について、図1~図4を参考にして、技術者としての立場で多面的な観点から課題を抽出し分析せよ。
(2) 抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3) 全ての解決策を実行した上で新たに生じうるリスクとそれへの対策について述べよ。
(4) 業務遂行において必要となる要件を、技術者としての倫理と持続可能性の観点から述べよ。


図1 主要国のヰ論文数、Top10%補正論文数の世界ランクの変動


図2 大学教員が研究パフォーマンスを高める上で制約を感じている4要素における回答割合


図3 主要国における研究開発総額の対GDP比率の推移

Ⅰ-2 新型コロナ感染症は100年ぶりの全世界に広がるパンデミックとなった。2023年に入り、世界経済は緩やかに回復していくと見込まれているが、我が国はコロナ禍においてはリモートワークの官公庁や企業、教育現場などへの浸透が立ち後れているという指摘があるなど、急激な状況変化に対する社会の追随性に懸念があることが浮き彫りとなった。我が国はかねてよりキャッシュレスへの対応などで「変化を好まない国民性」が指摘されているところであるが、ウクライナ情勢に伴う小麦価格高騰など、世界規模の社会経済的影響を及ぼすような不測の事態は他にもあるし、今後も発生するであろうと思われるから、変化に対する対応力、社会の強靱性や柔軟性は重要で、特に近年におけるデジタル技術の急速な発展に乗り遅れず、社会に取り込み実装していくことが重要である。
このような現況を踏まえて、以下の問いに答えよ。
(1) 我が国社会がデジタル技術の実装を進め、変化に対する強靱性・柔軟性を身につけていくために、技術者としての立場で多面的な観点から課題を抽出し分析せよ。
(2) 抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3) 全ての解決策を実行した上で新たに生じうるリスクとそれへの対策について述べよ。
(4) 業務遂行において必要となる要件を、技術者としての倫理の観点から述べよ。

2022(令和4)年度作問 

Ⅰ-1  Society 5.0では、仮想空間と現実空間を高度に融合させたシステムを「人間中心の社会」という価値観の下に活用することで、「国民の安全と安心を確保する持続可能で強靱な社会」と「一人ひとりの多様な幸せ(well-being)が実現できる社会」の実現を目指す。その仮想空間と現実空間の融合を可能にする様々な技術が開発されつつある。
このような現況を踏まえて、以下の問いに答えよ。
(1) 仮想空間と現実空間の融合について、技術者としての立場で多面的な観点から課題を抽出し分析せよ。
(2) 抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3) 全ての解決策を実行した上で新たに生じうるリスクとそれへの対策について述べよ。
(4) 業務遂行において必要となる要件を、技術者としての倫理と持続可能性の観点から述べよ。

Ⅰ-2 我が国の持続的な成長のためには、現在そして将来の我が国が直面する社会コストの増大に適切な対応を図っていくことが必要であり、資源の安定的な確保、超高齢化等に対応した持続可能な社会の実現に向けた科学技術・イノベーションの取組が必須である。
そこで、環境エネルギー分野については、「革新的環境イノベーション戦略」(令和2年1月21日 統合イノベーション戦略推進会議決定)を踏まえた、過去のストックベースでの二酸化炭素削減(ビヨンド・ゼロ)を可能とする革新的技術の確立を目指し、検討を深めている。
また、令和2年10月に総理所信表明演説で表明された「2050年カーボンニュートラル」の実現に向けて、「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」が令和2年12月に策定され、基金や税、規制・標準化、国際連携などの様々な政策ツールを総動員して、革新的技術の社会実装を推進することとしている。
このような現況を踏まえて、以下の問いに答えよ。
(1) 我が国のエネルギーの安定的な確保において、技術者としての立場で多面的な観点から課題を抽出し分析せよ。
(2) 抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3) 全ての解決策を実行した上で新たに生じうるリスクとそれへの対策について述べよ。
(4) 業務遂行において必要となる要件を、技術者としての倫理の観点から述べよ。