2025.4.19 最終更新
建設部門 河川砂防
2025(令和7)年度作問
Ⅱ-1-1 高規格堤防の効果について、越水、浸透、地震時の液状化、避難場所のうち3つあげて説明せよ。
Ⅱ-1-2 ダムにおける堆砂対策について、土砂に対する基本的な考え方の異なる対策手法を3つあげて概説せよ。
Ⅱ-1-3 透過型砂防えん堤の構造および機能の概要について説明せよ。また、不透過型砂防えん堤と比較して、その長所および短所を述べよ。
Ⅱ-1-4 高潮対策に寄与する海岸保全施設及び河川管理施設を3つあげ、それぞれに求められる機能及び性能をそれらの照査方法とともに述べよ。
Ⅱ-2-1 自主防災組織の活動がある地区において、地区防災計画を策定することとなった。あなたが地区住民による計画策定を支援する担当者となった場合、河川、砂防、海岸分野のいずれかのインフラをひとつ選び、以下の問いに答えよ。
(1) 計画策定にあたって収集整理すべき資料や情報について説明せよ。併せて、その目的や内容について説明せよ。
(2) 計画を策定する手順について述べよ。併せて、計画の策定に関し、留意すべき点、工夫を要する点について述べよ。
(3) 計画策定を効率的・効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。
Ⅱ-2-2 近年、高度経済成長期を中心に整備された既存インフラの老朽化が進んでいるが、これらを適切に維持管理することで、ストック効果を活用して効率的に防災機能やまちづくり機能等維持向上させることが期待されている。あなたが河川、砂防および海岸・海洋のいずれかの既存インフラのストック効果活用を含めた維持管理計画の検討業務を担当することとなった場合、以下の問いに答えよ。
(1) 業務実施にあたって収集整理すべき資料や情報について説明せよ。併せて、その目的や内容について説明せよ。
(2) 業務を遂行する手順について述べよ。併せて、計画の策定に関し、留意すべき点、工夫を要する点について述べよ。
(3) 業務を効率的・効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。
Ⅲ-1 令和6年9月能登半島豪雨においては、先発災害(令和6年1月能登半島地震)による被災の甚大化が指摘されている。能登半島地震により河道及び周辺に堆積していた土砂や流木が豪雨に伴って河川に流入し、橋梁等横断構造物箇所での河道閉塞や土砂堆積により氾濫の激甚化が生じるとともに、能登半島地震により護岸等が被災していた箇所では、単発の災害と比べて小さな外力での被害の発生、被害範囲の拡大等が報告されている。このようなことを踏まえ、以下の問いに答えよ。
(1) 先発災害による後発災害の激甚化の可能性も踏まえた防災・減災対策について、技術者としての立場で多面的な観点から課題を3つ抽出し分析せよ。
(2) (1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3) (2)で提示した解決策をすべて実行しても生じうるリスクとそれへの対策について述ベよ。
Ⅲ-2 気候変動に伴い風水害の激甚化が明確になっている中で、国民の安全安心や快適な生活を守っていくために治水インフラの整備や維持管理は重要であるが、高度成長期に整備された社会インフラの老朽化が急激に進行している。治水インフラも例外ではなく、今後は治水インフラの老朽化による風水害被害の甚大化が懸念される。そのため、治水インフラの維持管理を適切に行い、既存ストックを最大限活用して、治水安全度を維持向上させていくことが求められる。これらの現状を踏まえ,以下の問いに答えよ。
(1)河川、砂防および海岸・海洋分野における、既存インフラストックを最大限活用していくあたっての課題について、維持管理にかけられる予算や人的リソースには限りがあることを踏まえ、技術者としての立場で多面的な観点から課題を3つ抽出し分析せよ。
(2) (1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3) (2)で提示した解決策をすべて実行しても生じうるリスクとそれへの対策について述ベよ。
2024(令和6)年度作問
Ⅱ-1-1 多自然川づくりの適用河川等級および事業を述べるとともに、実施に当たっての主なポイントを解説せよ。
Ⅱ-1-2 ダムの洪水吐きにゲートがある場合とない場合の違いについて、洪水処理機能、ダム管理、洪水吐き形式などの観点から比較せよ。
Ⅱ-1-3 透過型砂防えん堤の構造および機能の概要について説明せよ。また、不透過型砂防えん堤と比較して、その長所および短所を述べよ。
Ⅱ-1-4 高潮対策に寄与する海岸保全施設及び河川管理施設を3つあげ、それぞれに求められる機能及び性能をそれらの照査方法とともに述べよ。
Ⅱ-2-1 過去において風水害に見舞われた地域の一地区おいて、減災体制の充実のため地区防災計画を立案することとなった。なお、地区の防災意識は比較的高く自主防災組織もあるが、過去の災害時に警戒レベル4で避難行動を起こした人は4割程度にとどまっている。あなたがこの計画立案を担当することとなった場合、以下の問いに答えよ。
(1) 想定する風水害を選び、調査検討すべき事項や収集整理すべき情報について、その内容について説明せよ。
(2) 業務を進める手順について、留意すべき点工夫を要する点を含めて述べよ。
(3) 業務を効率的・効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。
Ⅱ-2-2 河川においては、流量・水位などの変動が生物の多様な生息・生育環境を提供する「川の攪乱と更新システム」や土砂・栄養塩などの様々な物質が流入し移動する「物質の循環システム」などの、本来の「川のシステム」がある。また海岸においても干潟とアマモ場、ガラモ場といった藻場、岩礁帯などが生態系維持をはじめとする多面的機能を有している。これらを再生・健全化することを主目的として、順応的管理のサイクルを回しながら市民参加で自然再生事業に取り組むこととなった。この事業の計画推進を担当する立場で以下の問いに答えよ。
(1) 取り組む事業の内容を示した上で、調査検討すべき事項や収集整理すべき情報について、その内容について説明せよ。
(2) 業務を進める手順について、留意すべき点工夫を要する点を含めて述べよ。
(3) 業務を効率的・効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。
Ⅲ-1 令和6年能登半島地震では、斜面崩壊や土石流が多数発生し、道路寸断等により復旧復興を阻んでいる。また津波被害も発生しており、さらに数は多くないものの地震動による河川堤防損傷やダム損傷も発生している。こういった希有な災害にタイして、大規模風水害対策を含め、大規模災害に備えた防災インフラ整備を進めつつ、一層の防災意識の向上と地域防災力強化を図っていくことが重要である。こういった状況を踏まえて、以下の問いに答えよ。
(1) 令和6年能登半島地震をはじめとするこれまでの様々な教訓を踏まえ、大規模災害に対する防災・減災対策について、技術者としての立場で多面的な観点から課題を抽出し分析せよ。
(2) (1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3) (2)で提示した解決策をすべて実行しても生じうるリスクとそれへの対策について述ベよ。
Ⅲ-2 我が国の河川・砂防・海岸における社会資本の中には1960年代から1970年代前半の高度経済成長期に作られたものが多く、それから約50年が経過した現在、これらの老朽化が大きな課題となっている。その一方で、これらインフラが存在し活用されることによる経済効果すなわちストック効果は多大であり、かつてない人口減少・人口構造変化の時代を迎え、財源や担い手が限られる条件下で、このストック効果を最大限に活用していくことが求められている。こういった状況を踏まえて、以下の問いに答えよ。
(1) 河川、砂防および海岸・海洋分野における、既存インフラのストック効果の活用について、技術者としての立場で多面的な観点から課題を抽出し分析せよ。
(2) (1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3) (2)で提示した解決策をすべて実行しても新たに生じうるリスクとそれへの対策について述ベよ。
2023(令和5)年度作問
Ⅱ-1-1 河川構造物の耐震性能を照査するにあたり、地震の影響として考慮すべきものを3つ以上あげ、そのうち1つについて照査方法を概説せよ。
Ⅱ-1-2 ダムの建設や供用においては様々な環境影響に配慮しなければならない。ダムの建設や供用に際して配慮すべき環境要素を3つ以上あげ、そのうち1つについて環境保全措置として有効と思われるものを述べよ。
Ⅱ-1-3 地すべりの素因と誘因の代表的なものをそれぞれ1つあげ、考えられる対策工を1つずつあげよ。ただし対策工はいずれも抑制工とする。
Ⅱ-1-4 砂浜保全について、モニタリング方法を2つ以上あげて、その内容を概説せよ。
Ⅱ-2-1 河川氾濫、土石流、高潮のいずれかの災害に見舞われた地域において、再度災害防止のための計画を立案することとなった。あなたがこの計画立案を担当することとなった場合、以下の問いに答えよ。
(1) 河川氾濫、土石流、高潮のいずれか選び、調査,検討すべき事項とその内容について説明せよ。
(2) 業務を進める手順を示し,どのようにマネジメントするか、留意点を含めて述べよ。
(3) 業務を効率的・効果的に進めるために発揮すべきリーダーシップについて述べよ。
Ⅱ-2-2 河川、砂防、海岸海洋の分野においては、防災減災だけでなく、生態系の保全や優れた景観の創出、人と自然とのふれあいの活動の場としての活用など、多面的なニーズがある。あなたが河川、砂防、海岸海洋のいずれかの分野の技術者として多面的な活用計画を立案することとなった場合、以下の問いに答えよ。
(1) 河川、砂防、海岸海洋のいずれかの分野を選んだ上で対象とするインフラを設定し、多面的活用計画をたてる上で調査,検討すべき事項とその内容について説明せよ。
(2) 業務を進める手順を示し,どのようにマネジメントするか、留意点を含めて述べよ。
(3) 業務を効率的・効果的に進めるために発揮すべきリーダーシップについて述べよ。
Ⅲ-1 持続可能で暮らしやすい社会の構築が求められているが、それはいのちと暮らしが守られる社会でなければならない。しかし気候変動に伴って風水害が激甚化するなど、近年の災害リスクは高度経済成長期のころにくらべればはるかに高くなっている。にもかかわらず高度経済成長期を中心として整備された河川や砂防、海岸の防災インフラは老朽化が進み、激甚化する災害への対応はもとより、本来の性能の維持すら危ぶまれる状況になっている場合も少なくない。
(1) 老朽化した防災インフラを有効に活用しつつ激甚化する災害に対応するための防災インフラストックの効率的な維持管理活用について、技術者としての立場で多面的な観点から課題を抽出し分析せよ。
(2) (1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3) (2)で提示した解決策をすべて実行しても新たに生じうるリスクとそれへの対策について述ベよ。
Ⅲ-2 山地部における風化浸食によって作り出される砕屑物は、河川においては河床堆積物として谷底平野を形成し、また海岸においては海岸平野や砂浜などを形成して、人間の生活の場を提供するばかりでなく、水生生物等の生息の場を提供している。その持続性は、河川から海岸に至る流域における土砂の安定供給の元に成立している。
(1) 上流域から海岸域までの流域全体における継続的な土砂供給について、技術者としての立場で多面的な観点から課題を抽出し分析せよ。
(2) (1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3) (2)で提示した解決策をすべて実行しても新たに生じうるリスクとそれへの対策について述ベよ。