2025.4.19 最終更新

2024(令和6)年度作問 

Ⅱ-1-1 新型ホームドアの導入に向けた検討項目について、複数の検討項目をあげて説明せよ。

Ⅱ-1-2 「鉄道構造物等設計標準・同解説(コンクリート構造物)」が令和5年1月に改訂されたが、改訂の背景を述べるとともに、平成16年度標準からの具体的な改訂内容を1つあげて説明せよ。

Ⅱ-1-3 鉄道構造物維持管理標準における全般検査には、通常全般検査および特別全般検査があるが、それぞれについて概説せよ。

Ⅱ-1-4 鋼橋上をロングレール化しようとする場合、温度変化によって生じるロングレール縦荷重(LR縦荷重)に対し、鋼橋が十分な耐力を有しているか確認が必要になる。この診断内容について説明せよ。

Ⅱ-2-1 地平鉄道(複線営業線)をアンダーパスで横断する片側一車線道路の計画がある。アンダーパス部の基礎地盤はN値10回未満の緩い砂地盤である。また鉄道沿線は田畑である。あなたが、この業務の担当責任者に選ばれた場合、下記の内容について記述せよ。
(1) 業務着手に当たって収集・整理すべき資料や情報について述べよ。併せて、それらの目的や内容について説明せよ。
(2) 業務を進める手順について、留意すべき点、工夫を要する点を含めて述べよ。
(3) 業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。

Ⅱ-2-2 地方鉄道において、台風通過に伴う豪雨が予想されるため計画終日運休措置をとった中、午前9時ごろに山裾を通過するL=2km区間(前後の乗降客数約3万人/日)で、軌道が土砂で埋まっているとの情報が得られた。あなたが調査復旧担当責任者であるとして、下記の内容について記述せよ。
(1) 調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。
(2) 業務を進める手順について、留意すべき点、工夫を要する点を含めて述べよ。
(3) 業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。

Ⅲ-1 新型コロナ感染症は地方鉄道を含む地方公共交通の経営にも大きな異教を与え、今後の人口減少や過疎化が見込まれる中、地域生活を支える交通サービスの持続性確保が懸念されている。その一方で国内外の観光客の復調、テレワークを初めとした多様な働き方・暮らし方の拡大、さらにこれを背景とした地方移住や二地域居住への関心の高まりなどが地域活性化につながっていくことも期待されている。このような状況を踏まえ、以下の問いに答えよ。
(1) 地方都市において、ニューノーマルといわれる新型コロナ禍後の鉄道駅及び駅周辺を中心としたまちづくりにおける課題について、鉄道インフラに携わる技術者の立場で多面的な観点から課題を抽出し分析せよ。
(2)(1)で抽出した課題のうち最も重要と思われる課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3)(2)で提示した解決策をすべて実行した上で新たに生じうるリスクとそれへの対応について述べよ。

Ⅲ-2 令和6年能登半島地震により、石川県七尾市と穴水町を結ぶ第三セクター「のと鉄道」は軌道損傷や土砂流入などにより全線が運休となったが、令和6年4月6日に全線が再開された。我が国は大地震や大規模風水害などの災害が頻発する国土・気象条件にあるため、今後も鉄道施設が被災して一定期間の運休を余儀なくなれる事態が発生すると考え、鉄道施設の被災・運休による地域の社会経済活動への影響を最小化するよう備えねばならない。これらの現状を踏まえ,以下の問いに答えよ。
(1) 大規模災害発生時において、鉄道利用者の生命財産はもとより沿線地域の社会経済活動への影響を最小化することを鉄道事業者の使命と考え、鉄道事業に携わる技術者の立場で多面的な観点から課題を抽出し分析せよ。
(2)(1)で抽出した課題のうち最も重要と思われる課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3)(2)で提示した解決策をすべて実行した上で新たに生じうるリスクとそれへの対応について述べよ。

2023(令和5)年度作問 

Ⅱ-1-1 昇降式ホーム柵について概説するとともに、メリット・デメリットをそれぞれ3つ以上あげよ。

Ⅱ-1-2 鉄道構造物等設計標準(基礎構造物)で定められる、基礎の安定および基礎の残留変位について、基礎の抵抗力と基礎の変位の関係の中で概説せよ。

Ⅱ-1-3 鉄道構造物維持管理標準における初回検査、全般検査、個別検査、臨時検査について、実施時期および実施内容を概説せよ。

Ⅱ-1-4 ロングレールの定義およびメリットとデメリット、デメリット対策について述べよ。

Ⅱ-2-1 地方鉄道において、中山間地を通過する長さ10kmほどの盛土および切土法面や自然斜面が連続する区間がある。なお当該路線における輸送密度は1,000人程度である。台風接近に伴い、当該路線での斜面崩壊や倒木等が懸念されるに至ったため、豪雨が予想される当日における被災最小化策および被災した場合の早期復旧策を事前に講じることとなった。鉄道技術者として当該事前検討に携わるに当たり、下記の内容について論ぜよ。
(1) 業務着手に当たって収集・整理すべき資料や情報について述べよ。併せて、それらの目的や内容について説明せよ。
(2) 業務を進める手順について、留意すべき点、工夫を要する点を含めて述べよ。
(3) 業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。

Ⅱ-2-2 低盛土上の鉄道営業線(在来線)に近接して、軌道中心から6mの位置に深さ15mの大規模掘削を軌道に平行して実施することとなった。地盤は深さ1mまでは埋土、その下位は深さ12mまではN値4回未満の粘性土で、それ以深はN値30回程度の砂礫層である。なお地下水位は深さ1m程度である。当該施工計画および施工管理の担当者として、下記の内容について論ぜよ。
(1) 調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。
(2) 業務を進める手順を示し,どのようにマネジメントするか、留意点を含めて述べよ。
(3) 業務を効率的・効果的に進めるために発揮すべきリーダーシップについて述べよ。

Ⅲ-1 コロナ禍の中、地方鉄道を含む地方公共交通の経営は困窮し、減便や廃止を余儀なくされたものも少なくない。コロナ禍は収束に向かっているものの、さらに進む人口減少少子高齢化の中、地域生活を支える交通サービスの持続性確保が懸念される状態は続いている。その一方で国内外の観光客の復調やテレワークを初めとした多様な働き方・暮らし方の拡大などの、新しい移動形態や生活形態がみられており、地域活性化につなげていくことが期待されている。そしてこうした中、鉄道駅もまちづくりの中核施設としての機能を具備することが求められる。このような現状を踏まえ、以下の問いに答えよ。
(1) コロナ禍後のまちづくりを見据え、鉄道駅及び駅周辺における課題について、鉄道インフラに携わる技術者の立場で多面的な観点から課題を抽出し分析せよ。
(2)(1)で抽出した課題のうち最も重要と思われる課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3)(2)で提示した解決策をすべて実行した上で新たに生じうるリスクとそれへの対応について述べよ。

Ⅲ-2 我が国では、高度成長期に整備された社会インフラの老朽化が急激に進行している一方で、かつてない人口減少・少子高齢化局面に入っており、鉄道事業者が維持管理にかけられる予算や人的リソースには限りがある。安全安心で快適な鉄道利用を維持していくためには、既存ストックを効果的に活用するとともに、近年急速に発展しているデジタル技術を積極的に取り入れ、限られたリソースでの鉄道インフラの戦略的で効率的な維持管理が期待されている。これらの現状を踏まえ,以下の問いに答えよ。
(1) 戦略的で効率的な鉄道インフラの整備・維持管理を実現していくうえでの課題となる事項について、鉄道事業に携わる技術者の立場で多面的な観点から課題を抽出し分析せよ。
(2)(1)で抽出した課題のうち最も重要と思われる課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3)(2)で提示した解決策をすべて実行した上で新たに生じうるリスクとそれへの対応について述べよ。

2022(令和4)年度作問 

Ⅱ-1-1 新型ホームドアを三つ上げて特徴を述べよ。また新型ホームドアの導入検討に際しての主要な検討項目を三つ以上あげよ。

Ⅱ-1-2 性能照査型の設計とは、設計者が構造物に対する具体的な要求性能を定めて、これを満足するよう設計する方法をいうが、軌道構造の要求性能について、安全性と使用性に関する性能項目を2つずつあげて概説せよ。

Ⅱ-1-3 線路の定期検査周期について、新幹線と在来線及び施設の種類ごとに述べよ。

Ⅱ-1-4 鉄道駅のホーム形式について三つ挙げそれぞれの特徴を述べよ。

Ⅱ-2-1 人口10万人程度の地方都市で、市街地を貫通する在来線地平鉄道を高架化することとなった。高架化区間の延長は約4kmで、地盤は軟弱ではないものの構造物基礎の支持層は深度20m程度で、橋脚基礎は場所打ち杭にて施工する計画となっている。沿線は駅周辺を除いて住居専用区域で、戦後区画整理の中で木造家屋密集地があり、区画整理事業の中で解消見込みであるが、高架化施工が先になる。また上水道は普及しているものの井戸により地下水を使っている民家も多い。この事業の施工段階の担当責任者として業務に携わるに当たり、下記の内容について論ぜよ。
(1) 調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。
(2) 業務を進める手順について、留意すべき点、工夫を要する点を含めて述べよ。
(3) 業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。

Ⅱ-2-2 地方都市の住宅地において、地平鉄道(複線営業線)直下を小土被りで横断するアンダーパス道路(1車線)がある。交通量増加に伴い、この道路を2車線化するが、鉄道アンダーパス部は1車線分を既存道路に並行して新たにボックスカルパート構造で新設し、いわゆる眼鏡トンネルとすることとなった。このアンダーパス部の施工計担当責任者として、下記の内容について論ぜよ。
(1) 調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。
(2) 業務を進める手順について、留意すべき点、工夫を要する点を含めて述べよ。
(3) 業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。

Ⅲ-1 コロナ禍を経て、地方鉄道を含む地方公共交通の経営はかつてなく厳しい状況に陥り、今後は減便や廃止等により、地域生活を支える交通サービスが危機に瀕することが懸念される。その一方でコロナ禍の中で普及しつつあるテレワークを初めとした多様な働き方・暮らし方が広がりつつあり、これに対応した快適な移動や生活を可能とするまちづくりを進めることによる新しい地域活性化が期待されている。そしてそのためには、鉄道駅に交通結節拠点・周辺施設と一体になってのまちづくり・地域活性化の中核施設等の機能を付与して高めることが求められる。このような現状を踏まえ、以下の問いに答えよ。
(1) コロナ禍を経て、鉄道駅及び駅周辺における課題について、鉄道インフラに携わる技術者の立場で多面的な観点から課題を抽出し分析せよ。
(2)(1)で抽出した課題のうち最も重要と思われる課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3)(2)で提示した解決策をすべて実行した上で新たに生じうるリスクとそれへの対応について述べよ。

Ⅲ-2 我が国は本格的な人口減少・少子高齢化時代に入っており、鉄道分野においても担い手不足が顕在化している。その一方で近年の情報通信技術の発展はめざましく、業務の効率化や多様な働き手の参画を可能としている。このような状況を踏まえ、以下の問いに答えよ。
(1) 鉄道インフラの整備・維持管理において、情報通信技術を活用して生産性向上や多様な働き手の参画を図るうえでの課題となる事項について、鉄道インフラに携わる技術者の立場で多面的な観点から課題を抽出し分析せよ。
(2)(1)で抽出した課題のうち最も重要と思われる課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3)(2)で提示した解決策をすべて実行した上で新たに生じうるリスクとそれへの対応について述べよ。