2025.4.19 最終更新
農業部門 問題I
2024(令和6)年度作問
Ⅰ-1 我が国では人口の減少や生活様式の多様化等に伴い、また今般の新型コロナウイルス感染症拡大の影響もあって、食品の消費形態が大きく変化してきている。さらにウクライナ情勢や円安の進行に伴う小麦粉や鶏卵の価格高騰など、我が国農業にとって懸念される状況が続いている。こうした中で、我が国の農業が将来にわたって持続的に発展していくため、プロダクトアウトの考え方から消費者ニーズを重視したマーケットインの考え方を重視する方向へのいっそうの転換が求められている。
以上の現状を踏まえて、以下の問いに答えよ。
(1) マーケットインに留意した取組を農業の現場へ導入するに当たり、技術者としての立場で、農業部門全体にわたり広く多面的な観点から3つの課題を抽出し、それぞれの観点を明記したうえで、その課題の内容を示せ。
(2) (1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3) (2)で提示した解決策を実行した上で生じる波及効果と新たな懸念事項への対応策を示せ。
(4) (1)~(3)を業務として遂行するに当たり必要となる要件を、技術者としての倫理、社会の持続性の観点から述べよ。
Ⅰ-2 農水省調査によれば、新型コロナ感染症の中で国民の外食支出が激減した反面、生鮮食品への支出額は増加し高止まりしていた。食品産業の3割は国内産地との取引を増やしたいと考えているが価格が課題となっている例が多い。いっぽうで農業者の半数は売上高にマイナスの影響があるとしており、その理由としては単価・相場の下落が最も高い。こうした中、テレワークなど場所を問わない働き方が進展するにつれ地方への関心が増加しており、全国の農泊地域においてワーケーションに関連した問い合わせが増加しており、「半農半X」の拡大に向けた取り組みを一部自治体が実施している。このように新型コロナ感染症により農業農村に大きな影響が出ている一方で、ビジネスチャンスの兆候も垣間見ることができる。以上の現状を踏まえて以下の問いに答えよ。
(1) 持続可能な農業農村を実現していくために、技術者としての立場で多面的な観点から課題を抽出し分析せよ。
(2) (1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3) (2)で提示した解決策を実行した上で生じる波及効果と新たな懸念事項への対応策を示せ。
(4) (1)~(3)を業務として遂行するに当たり必要となる要件を、技術者としての倫理、社会の持続性の観点から述べよ。
2023(令和5)年度作問
Ⅰ-1 新型コロナウイルス感染症の中、国民の農業生産品・食品に関する支出内容が大きく変化する一方、グローバルマーケットの戦略的な開拓、テレワークを基盤とした新たなライフスタイル、ワークライフバランスを希求する国民意識変化など、農業生産加工や流通、農村づくりなどにおいて新たな可能性が見えてきてもいる。このような状況を踏まえて、以下の問いに答えよ。
(1) 新しい時代に対応した持続可能な農業農村を実現していくために、技術者としての立場で多面的な観点から課題を抽出し分析せよ。
(2) 抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3) すべての解決策を実行した上で生じる波及効果と専門技術を踏まえた懸念事項への対応策を述べよ。
(4) 業務遂行において必要となる要件を、技術者としての倫理、社会の持続性の観点から述べよ。
2022(令和4)年度作問
Ⅰ-1 農業総産出額は、2015年以降、米、野菜、肉用牛等における需要に応じた生産の取組が進められてきたこと等を主たる要因として増加傾向で推移してきたものの、最近では野菜、鶏卵等において生産量の増加から価格が低下したこと等による減少も見られる。今後は需要に応じた生産をさらに進めて、生産現場と流通現場市場との連携による安定経営を志向していく必要があるが、ここにおいてICT/IoTの活用による生産の効率化はもちろん、戦略的生産計画やサプライチェーンマネジメントにも活かしていく必要がある。以上の現状を踏まえて以下の問いに答えよ。
(1) 持続可能で強い農業を実現していくために、技術者としての立場で多面的な観点から課題を抽出し分析せよ。
(2) (1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3) (2)で提示した解決策を実行した上で生じる波及効果と新たな懸念事項への対応策を示せ。
(4) (1)~(3)を業務として遂行するに当たり必要となる要件を、技術者としての倫理、社会の持続性の観点から述べよ。
Ⅰ-2 新型コロナ感染症の中、農水省調査によれば、国民の外食支出が激減した反面、生鮮食品への支出額は増加し高止まりしている。また食品産業の3割は国内産地との取引を増やしたいと考えているが価格が課題となっている例が多い。また農業者の半数は売上高にマイナスの影響があるとしており、その理由としては単価・相場の下落が最も高い。またテレワークなど場所を問わない働き方が進展するにつれ地方への関心が増加しており、全国の農泊地域においてワーケーションに関連した問い合わせが増加しており、「半農半X」の拡大に向けた取り組みを一部自治体が実施している。このように新型コロナ感染症により農業農村に大きな影響が出ている一方で、ビジネスチャンスの兆候も垣間見ることができる。以上の現状を踏まえて以下の問いに答えよ。
(1) 持続可能な農業農村を実現していくために、技術者としての立場で多面的な観点から課題を抽出し分析せよ。
(2) (1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3) (2)で提示した解決策を実行した上で生じる波及効果と新たな懸念事項への対応策を示せ。
(4) (1)~(3)を業務として遂行するに当たり必要となる要件を、技術者としての倫理、社会の持続性の観点から述べよ。
農業部門 農業農村工学
Ⅱ-1-1 水田と畑の混在受益地域におけるかんがいの特色について述べるとともに、混在受益地域の事業計画を策定するにあたっての技術的留意点を述べよ。
Ⅱ-1-2 園場整備の目的、効用について説明するとともに、傾斜地水田において事業費の抑制に配慮した圃場整備計画を作成するに当たっての技術的留意点について述べよ。
Ⅱ-1-3 老朽ため池における大規模地震・集中豪雨に伴う損壊リスクをリスク管理の視点で説明するとともに、その軽減対策について述べよ。
Ⅱ-1-4 農道の新設又は改良による直接的・間接的効果について説明するとともに、農道の路線配置計画策定に当たっての技術的留意点について述べよ。
Ⅱ-2-1 受益面積200ha程度の低平水田農業地域において、生産性の高い土地利用型農業の実現を目指し、農業生産法人による1農場方式での大規模農業経営に取り組むこととなった。水田汎用化も含めて整備計画を策定するにあたり、以下の内容について記述せよ。
(1) 本業務に関して調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。
(2) 業務を進める手順について、留意すべき点、工夫を要する点を含めて述べよ。
(3) 業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。
Ⅱ-2-2 中山間地域は流域の上流部に位置することから、中山間地域の農業・農村が持つ水源かん養、洪水の防止、土壌の浸食や崩壊の防止などの多面的機能によって、下流域の都市住民を含む多くの国民の財産、豊かな暮らしを守っている。このような地域の活性化を図るための農業農村整備に関する計画策定担当責任者として業務を行うにあたり、以下の内容について記述せよ。
(1) 事業音内容を想定するとともに、調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。
(2) 業務を進める手順について、留意すべき点、工夫を要する点を含めて述べよ。
(3) 業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。
Ⅲ-1 中山間地域を含めた農村地域におけるスマート農業の実装、農業者の高齢化・減少への対応、農業・農村の多様性への配慮、防災・減災対策の強化、気候変動・SDGsなど地球規模の課題への対応などを踏まえ、令和3年3月に新たな土地改良長期計画が閣議決定された。このことを踏まえて、以下の問いに答えよ。
(1) 持続的に発展する農業と多様な人が住み続けられる農村の実現に向けて、農業生産基盤の整備に携わる技術者としての立場で多面的な観点から3つ以上の課題を抽出し、それぞれの観点を明記したうえで、課題の内容を示せ。
(2) 抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題②帯する複数簿解決策を示せ。
(3) すべての解決策を実行しても新たに生じうるリスクとそれへの対策について、専門技術を踏まえた考えを示せ。