2025.4.19 最終更新

2024(令和6)年度作問 

Ⅰ-1 2022年12月に新たな生物多様性に関する世界目標である「昆明・モントリオール生物多様性枠組」が採択された。新枠組には2050年ビジョンおよびグローバルゴール、2030年ミッションおよびグローバルターゲット等から構成されており、2030年グローバルターゲットには、日本が特に重視している30by30や自然を活用した解決策などの要素に加え、進捗を明確にするために8個の数値目標が盛り込まれた。このような現況を踏まえて、以下の問いに答えよ。
(1) 2030年グローバルターゲットの達成に向けて、我が国において優先的に取り組むべき課題を、技術者としての立場で多面的な観点から3つ抽出し分析せよ。
(2) (1)で抽出した課題のうち、最も重要と考える課題を一つあげ、その解決策を複数示せ。
(3) (2)で示した解決策を実行しても新たに生じうるリスクとそれへの対策について述ベよ。
(4) (1)~(3)の業務遂行において必要となる要件を、技術者としての倫理、社会の持続可能性の観点から述べよ。

Ⅰ-2 我が国は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする2050年カーボンニュートラルの実現を世界に宣言しているが、この取組みが経済成長の足枷になるのではないかという懸念がある。その一方で、世界は地球温暖化への対応を経済成長の制約やコストとするのではなく「成長の機会」と捉える時代に突入しつつあり、研究開発方針や経営方針の転換など、「ゲームチェンジ」が始まっている。この流れを加速すべく、イノベーションを実現し、革新的技術を社会実装し、2050年カーボンニュートラルだけでなく、CO2排出削減にとどまらない国民生活のメリットも実現するグリーン成長戦略を推進することが必要である。このような状況を踏まえて、以下の問いに答えよ。
(1) 我が国社会が2050年カーボンニュートラルをはじめとした地球規模環境問題を克服するために革新的環境イノベーション技術の研究開発・低コスト化を推進するにあたっての課題を、技術者としての立場で多面的な観点から3つ抽出し分析せよ。
(2) 抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3) 全ての解決策を実行した上で新たに生じうるリスクとそれへの対策について述べよ。
(4) 業務遂行において必要となる要件を、技術者としての倫理と持続可能性の観点から述べよ。

2023(令和5)年度作問 

Ⅰ-1 パリ協定の履行に向け、我が国は2050年カーボンニュートラルを宣言し、2030年度温室効果ガス削減目標を引き上げた。また同時に従来の一方通行型の経済社会活動から、持続可能な形で資源を利用する循環経済(サーキュラーエコノミー)への移行を目指すことが世界の潮流となっている。さらに新型コロナウィルス感染症の拡大により、都市への一極集中のリスクが顕在化した一方で、テレワークなどが普及拡大し、働く場所の選択肢が多様化したことを受けて、分散・自然矯正の視点からの様々なアプローチも始まっている。
 このような状況を踏まえ、以下の問いに答えよ。
(1) 多角的な切り口によるアプローチからグリーン社会の実現を目指す上で取り組むべき課題を多面的な観点から3つ抽出し、それぞれの観点を明記したうえで、その内容を示せ。
(2) (1)で抽出した課題のうち、最も重要と考える課題を一つあげ、その解決策を複数示せ。
(3) (2)で示した解決策を実行しても新たに生じうるリスクとそれへの対策について述ベよ。
(4) (1)~(3)の業務遂行において必要となる要件を、技術者としての倫理、社会の持続可能性の観点から述べよ。

————————

Ⅰ-2 地域循環共生圏は、地域資源を活用して環境・経済・社会の統合的向上を実現する事業を生み出し続けるとともに、例えば都市と農村のように地域の個性を活かして地域同士で支え合うネットワークを形成していくという「自立・分散型社会」を示す考え方であり、「ローカルSDGs」とも言われる。その実現のためには地域経済社会を変革するイノベーションが不可欠であり、そのためにはデジタル・トランスフォーメーション(DX)を活用しつつ、地域循環共生圏の拡大と深化により地域のWell-beingをもたらし、デジタル田園都市国家構想を実現に近づけていくことが必要である。
このようなことを踏まえ、以下の問いに答えよ。
(1) 地域循環共生圏の創造を推進していく上で取り組むべき課題を多面的な観点から3つ抽出し、それぞれの観点を明記したうえで、その内容を示せ。
(2) (1)で抽出した課題のうち、最も重要と考える課題を一つあげ、その解決策を複数示せ。
(3) (2)で示した解決策を実行しても新たに生じうるリスクとそれへの対策について述ベよ。
(4) (1)~(3)の業務遂行において必要となる要件を、技術者としての倫理、社会の持続可能性の観点から述べよ。

2022(令和4)年度作問 

Ⅰ-1 我が国は、パリ協定に定める目標(世界全体の気温上昇を2℃より十分下回るよう、更に1.5℃までに制限する努力を継続)等を踏まえ、2020年10月に「2050年カーボンニュートラル」を宣言し、地球温暖化対策の推進に関する法律(以下、温対法)の一部を改正した。ここでは2050年までの脱炭素社会の実現、環境・経済・社会の統合的向上、国民を始めとした関係者の密接な連携等を、地球温暖化対策を推進する上での基本理念として規定し、地域の再エネを活用した脱炭素化を促進する事業を推進するための計画・認定制度の創設、脱炭素経営の促進に向けた企業の排出量情報のデジタル化・オープンデータ化の推進等を盛り込んでいる。

(1) 改正温対法の基本理念や施策を実現していく上での課題を技術者としての立場で抽出し、多面的な観点から分析せよ。
(2) そのうち最も重要と考える課題を一つ上げ、その解決策を複数示せ。
(3) 解決策に共通して新たに生じうるリスクとそれへの対策について述ベよ。
(4) 業務遂行において必要となる要件を、技術者としての倫理、社会の持続可能性の観点から述べよ。

Ⅰ-2 環境省では、世界共通の目標であるSDGsを地域で実践するためのビジョンである地域循環共生圏の 創造を目指している。地域ニーズを踏まえ、地域資源を活用したビジネス創出をイノベーションやパートナーシップにより創造するもので、再エネ、循環資源、自然資源等を生かして、地方創生する取組を推進することとしている。

(1) 地域循環共生圏の創造を推進していく上での課題を技術者としての立場で抽出し、多面的な観点から分析せよ。
(2) そのうち最も重要と考える課題を一つ上げ、その解決策を複数示せ。
(3) 解決策に共通して新たに生じうるリスクとそれへの対策について述ベよ。
(4) 業務遂行において必要となる要件を、技術者としての倫理、社会の持続可能性の観点から述べよ。