2026.5.6 最終更新
建設部門 電力土木
2026(令和8)年度作問
Ⅱ-1-1
脱炭素社会の実現に向け、既存の水力発電所の機能を向上させるダム再生(ダムのかさ上げや放流設備の新設等)が推進されている。これらダム再生事業において、施工計画を策定する際に技術者が考慮すべき事項を3つ挙げ、それぞれについて概要を述べよ。
Ⅱ-1-2
電力土木施設におけるカーボンニュートラルへの貢献として、コンクリート構造物の建設時にCO2排出量を削減する手法が注目されている。低炭素型のコンクリート(高炉スラグ等の混合セメント活用や炭素貯留型など)を採用する際の、材料・施工上の留意点をそれぞれ述べよ。
Ⅱ-1-3
大規模地震発生後の電力土木施設の健全性評価において、ドローン(UAV)や地上レーザースキャナ等のデジタル技術を活用することのメリットを2つ述べよ。また、これらの技術を現場で適用する際の精度確保に関する留意点を述べよ。
Ⅱ-1-4
送変電施設等の鋼構造物における防食対策として、溶融亜鉛めっきが広く用いられている。このめっき部材の経年劣化のメカニズムと、維持管理における点検・健全度判定のポイントについて説明せよ。
Ⅱ-2-1
近年、気候変動に伴う集中豪雨が増大しており、山間部に位置する電力施設の周辺斜面で崩壊のリスクが高まっている。あなたが斜面災害対策の担当責任者として、重要施設に近接する未対策斜面の安全性を評価し、対策を立案する業務を担当することになった。この業務を遂行するにあたり、以下の内容について記述せよ。
(1) 調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。
(2) 業務を進める手順について、留意すべき点、工夫を要する点を含めて述べよ。
(3) 業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。
Ⅱ-2-2
2050年カーボンニュートラルの実現に向け、既存の火力発電所構内において、新たに大規模な蓄電池施設またはアンモニア燃料タンクを増設するプロジェクトが計画されている。地盤条件は軟弱な埋立地である。あなたが土木担当責任者として、この新設工事の基本設計・施工計画を実施するにあたり、以下の内容について記述せよ。
(1) 調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。
(2) 業務を進める手順について、留意すべき点、工夫を要する点を含めて述べよ。
(3) 業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。
Ⅲ-1
電力システム改革とカーボンニュートラルの両立が求められる中、電力土木施設は「高経年化への対応」と「供給信頼性の向上」という二律背反する課題に直面している。特に、既存施設の余命予測精度を向上させ、適切な更新時期を判断するアセットマネジメントの高度化が急務である。このような状況を踏まえ、港湾又は空港のいずれかを選び、以下の問いに答えよ。
(1) 電力土木施設の戦略的な維持管理・更新を推進するにあたり、多面的な観点から3つの課題を抽出し、分析せよ。
(2) 抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、それに対する解決策を複数示せ。
(3) すべての解決策を実行した上でなお生じうるリスクと、それに対する対策について述べよ。
Ⅲ-2
建設業界全体の労働力不足が深刻化する中、電力土木分野においても「DX(デジタルトランスフォーメーション)の社会実装」による抜本的な生産性向上が不可欠となっている。特に、BIM/CIMの活用やAIによる自動点検、施工の自動化技術の導入が期待されている。このような状況を踏まえ、以下の問いに答えよ。
(1) 電力土木施設の「建設から維持管理までのフルライフサイクルDX」を実現するにあたり、多面的な観点から3つの課題を抽出し、分析せよ。
(2) 抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、それに対する解決策を複数示せ。
(3) 解決策を実行した際に生じうるリスクと、それに対する対策について述べよ。
2025(令和7)年度作問
Ⅱ-1-1
再生可能エネルギー発電施設をひとつあげ、その調査設計にあたって土木構造上、また環境影響上検討すべき項目をそれぞれあげて、その調査方法と対策方法について述べよ。
Ⅱ-1-2
送電鉄塔を山地部に建設する場合と沖積平野上に建設する場合について、考えられる基礎構造をそれぞれ2つあげて概説するとともに、設計施工時の留意点について述べよ。
Ⅱ-1-3
斜面の安定に関して地震時慣性力がどのように作用するのか述べるとともに、法面や構造物基礎の安定のために考えられる対策工法を2つあげて概説せよ。
Ⅱ-1-4
電力土木施設建設に伴い発生する廃棄物について、その適正処分のために配慮すべき事項を3つあげて概説せよ。
Ⅱ-2-1
あなたが担当責任者として、地震、洪水、波浪、風等の不確定性を有する事象に対する耐性を有する電力土木施設の新設計画を行うことになってとして、水力発電所の水路トンネル、火力発電所の取・放水路、送電鉄塔あるいは変電所基礎、地中送電洞道から1つを選択して、その名称を明記の上、以下の内容について記述せよ。
(1) 選択した施設を述べるとともに、詳細条件を設定して記載し、検討すべき事項とその内容について述べよ。
(2) 業務を進める手順について、留意すべき点工夫を要する点を含めて述べよ。
(3) 業務を効率的・効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。
Ⅱ-2-2
あなたが担当責任者と周辺環境に配慮しつつ電力土木施設の新設計画を行うことになってとして、施設を1つ選択し、その名称を明記の上、以下の内容について記述せよ。
(1) 選択した施設を述べるとともに配慮すべき環境要素と予想される環境影響を多様な視点であげ、検討すべき事項とその内容について述べよ。
(2) 業務を進める手順について、留意すべき点工夫を要する点を含めて述べよ。
(3) 業務を効率的・効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。
Ⅲ-1
我が国は現在、人口減少・少子高齢化時代を迎え、建設業も担い手不足が今後ますます深刻化することが懸念される。そのような中で近年のデジタル技術の発展はめざましく、新型コロナウィルス感染症対策もあって非接触・リモート化が急速に進むなど、働き方・働き手の変化が今後ますます顕著になってくるものと予想される。データとデジタル技術を活用して、新規インフラ整備のみならず激甚化する災害への対策や老朽化するインフラ維持管理など、安全・安心で豊かな生活を国民に提供していく必要がある。このようなことを踏まえ、以下の問いに答えよ。
(1) 建設分野におけるデジタル・トランスフォーメーション(DX)の推進を踏まえ、電力土木分野の技術者としての立場で安全・安心で豊かな生活を国民に提供していく上での課題を多面的な観点から抽出し分析せよ。
(2) (1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3)(2)で提示した解決策をすべて実行したうえで新たに生じうるリスクとそれへの対応について述べよ。
Ⅲ-2
高度成長期以降に集中的に整備された多くの電力土木構造物は老朽化が進展し、維持管理上の問題が顕在化しているが、建設業界における労働力不足は顕著になりつつあり、従来と同様の維持管理方式では行き詰まることが懸念されている。その一方で、近年のデジタル技術の進歩は目を見張るものがあり、新技術の活用やデータ利活用を推進し維持管理を効率化していく必要がある。このような状況を踏まえ、以下の問いに答えよ。
(1)老朽化した電力土木構造物を効率的に維持管理更新していくうえで課題となる事項について技術者の立場で多面的な観点から抽出し、その内容を観点とともに述べよ。
(2)(1)で抽出した課題のうち最も重要と思われる課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3)(2)で提示した解決策に共通して新たに生じうる波及効果と専門技術を踏まえた懸念事項への対応策を示せ。
2024(令和6)年度作問
Ⅱ-1-1 水力発電施設、火力発電施設、原子力発電施設、送変電施設のうち2つを選び、耐震基準について考え方を説明せよ。
Ⅱ-1-2 水力発電所には様々な発電形式があり、それに応じて様々な土木構造物が設けられている。発電形式を3つあげ、それぞれに応じた土木構造物をあげるとともにその内容・特徴について概説せよ。
Ⅱ-1-3 災害時における風力発電設備の特性を踏まえた注意点を2つあげて説明せよ。
Ⅱ-1-4 太陽光発電および小水力発電について、その発電機構と再生可能エネルギーとしての長所と短所について述べよ。
Ⅱ-2-1 あなたが担当責任者として設置から30年以上を経過した電力土木施設の維持管理・更新計画を行うことになってとして、水力発電所の水路トンネル、火力発電所の取・放水路、送電鉄塔あるいは変電所基礎、地中送電洞道から1つを選択して、その名称を明記の上、以下の内容について記述せよ。
(1) 選択した施設を述べるとともに、詳細条件を設定して記載し、可能性のある劣化内容・機構について列挙せよ。
(2) (1)であげた項目を踏まえて、維持管理・更新計画の策定手順について述べよ。
(3) (2)であげた計画の策定にあたり留意すべき点を述べよ。
Ⅱ-2-2 盛土や切土、構造物基礎等である地盤・岩盤は、自然物であるため不均質であるとともに、たとえば乾湿繰り返しによりスレーキングを生じたり、降雨に伴って間隙水圧が上昇してせん断強度が低下したりと不安定でもある。あなたが担当責任者として電力土木施設の建設に伴う盛土・切土・構造物基礎のいずれかの調査・設計・施工全般を担当することになってとして、施設を1つ選択し、その名称を明記の上、以下の内容について記述せよ。
(1) 自然地盤の不均質性・不安定性を踏まえ、調査把握すべき地盤特性等をあげよ。
(2) 不均質性・不安定性を踏まえて要求される品質を確保した業務実施手順を述べよ。
(3) (2)の業務を実施するにあたって留意すべき事項を述べよ。
Ⅲ-1 我が国では、近年、連続する大規模地震、津波や集中豪雨に伴う洪水・土砂災害のように、いままで経験したことのない自然災害が発生している。このような状況を踏まえ、あなたが電力土木施設の建設又は維持管理の担当責任者になったとして、ダム、水路(取放水設備、水槽、水圧管路を含む)、発電所並びに港湾、燃料、送変電等に係る電力土木施設の中から1つを選んで以下の問いに答えよ。
(1) 電力土木施設については、台風・降雨・地震・津波等による最大規模の外力が作用することも考慮して建設や維持管理をしていかねばならない。こうした対策における問題について、幅広い視点から概説せよ。
(2) 上述した問題に対し、電力土木の分野において、あなたが最も重要な問題と考えるものを1つ、理由とともにあげ、その問題の原因・機構等について分析することにより、解決するためになすべき課題を抽出せよ。
(3) あなたが抽出した課題について、その遂行にあたってのリスクや留意点をあげるとともに、それらを踏まえた方策を提案せよ。
Ⅲ-2 近年、建設業界においては、就労者の高齢化や若手入職者の減少等に伴う担い手不足が顕著になっており、生産性向上による省人化・省力化が強く求められている。このような状況を踏まえ、あなたが電力土木施設の建設担当責任者になったとして、ダム、水路(取放水設備、水槽、水圧管路を含む)、発電所並びに港湾、燃料、送変電等に係る電力土木施設の中から1つを選んで以下の問いに答えよ。
(1) 電力土木施設の建設において、建設現場の生産性を向上させる上での問題について多様な観点から記述せよ。
(2) 上述した問題に対し、電力土木の分野において、あなたが最も重要な問題と考えるものを1つ、理由とともにあげ、その問題の原因・機構等について分析することにより、解決するためになすべき課題を抽出せよ。
(3) あなたが抽出した課題について、その遂行にあたってのリスクや留意点をあげるとともに、それらを踏まえた方策を提案せよ。